トムプロジェクト

2015/12/21
【第765回】

今年も残すところ11日になってしまいました...今年はおいらの友人、知人を含め多くの人が亡くなりました。死者とは、もう話すことができないと思いきや、おいらが今日こうして書いている言葉も亡くなった人たちにも届いていると思います。文字を考え記す行為は、おいら自身の表現であるよりも、どこからかおいらに訪れる言葉を、聞きたい感じたい人に届ける作業のような気がします。おいらが書いた文字が誰にも読まれていないという事実があれば、この言葉はかなり貧弱な言葉になるのではなかろうか...おいらと他者との言葉の通路があるからこそ、その通路で事の葉が付き、言葉として成立するのではなかろうか...おいらが発する言葉、文字は亡くなった人たちにも届いている筈だ...先週の週末に観た2本の芝居の感想を知人に聞かれ、答えた言葉が10月に亡くなった友人である演劇評論家、村井健が一瞬憑依したかのような発言をしてしまった感がある。おいらと村井が言葉の通路を往来していることがすこぶる嬉しかった。人は現前の生きてる身体に、さもすると安心してしまい真実を見逃してしまいがちだ。

すべてのみえるものは、みえないものにさわっている。

きこえるものは、きこえないものにさわっている。

感じられるものは感じられないものをさわっている。

おそらく、考えられるものは、考えられないものにさわっているだろう。

765.jpg

クリスマスイルミネーション2

 

<<次の記事 前の記事>>