トムプロジェクト

2016/02/19
【第786回】

「砦」の公演の稽古も終盤にさしかかってきました...いや、役者の皆さんの気合の入りようが半端じゃございません。この日本の今の状況に鉄槌を下すかのような迫力がひしひしと伝わってきます。村井國夫さん、藤田弓子さんが繰り広げる夫婦の会話には、それぞれの人生の味がにじみ出て味わい深いものがある。カゴシマジロー、浅井伸治、滝沢花野の若手三人のエネルーギーが、この芝居のリズムを作っています。松下竜一さんの渾身の原作「砦に拠る」を作・演出、東憲司さんが見事な人間ドラマに仕立て上げている。近代なき国家の山峡地帯で、産業社会の功利主義に反旗を翻した室原知幸さんを村井さんの熟練の役者魂で見事に蘇えらせているのが見事。

原発、公共事業、環境、人のつながり...この困難な時代に何かヒントになるものがないか?

芝居を創りながらいつも考えています。今回も、東憲司さんのユーモアあふれる会話のやり取りが芝居をより膨らみを持たせている。

初日が楽しみです。

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何かいいものないかいな...

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