トムプロジェクト

2016/05/13
【第815回】

蜷川幸雄さんが亡くなった...おいらの観劇体験のなかでも、1969年新宿文化シアターで上演された現代人劇場『真情あふるる軽薄さ』は鮮烈な記憶に残る作品であった。劇団青俳を岡田英次、石橋蓮司、蟹江敬三と共に退団し新たな集団を結成し演出家としてスタートした蜷川幸雄の才気が一気に花開いた瞬間でもあった。芝居が終わり扉を開けると、機動隊が盾を手にして帰りの客を阻止する演出には一瞬恐怖さえ感じました。まさに時代の空気を演劇の中に取り込む手法は、世界のニナガワを十分に予見されるものであった。芝居をやってないときは新劇反戦なるヘルメットを被り新宿東口広場に立つ姿を度々目にすることもありました。小劇場から商業演劇への変身にはバッシングはありましたが、以降優れた作品を生み出したことは紛れもない事実です。絵描き志望だけあって、舞台美術、音響、照明、どれをとっても資本の力を余すところなく活用して自分の美学を貫き通したところはさすがです。旬の役者を起用して演劇観客の動員に弾みをつけたことも功績のひとつかな...

いずれにしても、こんな演出家はそうそう出現するものではございません。天国で、先に旅立った盟友蟹江敬三さんと共にお疲れ様会をやってくださいね。

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合掌

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