トムプロジェクト

2016/06/29
【第835回】

昨日は、グラシアス小林親子と一献傾けました...グラシアスさんはスペイン在住30年、現役のフラメンコダンサーです。彼と知り合ってはや40年近くになります。マドリッドで出会ったときにはまだ3歳だった息子、海来(みらい)君は立派な絵描きになっていました。今回は銀座の画廊に出品したので来日したそうな。いや、月日が経つのは早いもんでございます。おいらがマドリッドのマヨール広場で大道芸してた時に、お客の投げ銭がころころと転がっていく様を見て、海来くん転がる投げ銭追っかけて見物人の足元に紛れ込んでいきそうだったペセタ銭を捕まえて、おいらに渡してくれたんだよね...一緒に来てた親父グラシアスさんは「おいらの大切な息子を巻き添えにしてくれるなよね...」なんて顔してましたな。そりゃそうだ、異国の地に来て、やっとこさ居場所を見つけ出した家族にとって、なんだかわけのわからん無頼がおかしなことやりだしてもらったら立場ないもんでごぜえやす。それを察したおいらは、首都マドリッドをあとにしてスペインさすらいの旅に出たのでございます。40年前にフーテンの寅さんやっとりました。たまにマドリッドに戻ると、小林ファミリーと楽しい時間を過ごしました。

それにしても、あの海来くんが今やスペインでは押しも押されぬ画伯になったんですからおめでたいことでございます。昔懐かしい話に花が咲き、瞬く間に夜が更けてしまいました。

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レトロな酒場

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グラシアスさんと画伯

2016/06/27
【第834回】

何年ぶりだろう...週末、表参道、原宿を散策いたしました。表参道ヒルズには驚きました。えっ!2006年にオープンしてるのに今頃、感心するところがレトロなオッサンですな。それが良いんでございます。お上りさんみたいな田舎もんでない品のいいい紳士なのかもしれませんぞ...スカイツリーにもまだ上ったことはございませんし、ディズニーランドなんかもまだまだでございます(これは、半世紀お江戸に住んでいながらの、かなりの記録ものかも知れませんな)ちゃらちゃら、はやりもんに手を出すおっちょこいのぱーぱら品種じゃございませんことよ。こんなはやりもんより下町風情溢れた小路をちょろちょろ歩いたり、大阪のジャンジャン横丁でオッサン、おばはんの表情観てる方が楽しいですな。京都よりも奈良の素朴な畑路をゆったりととぼとぼと歩いてる方がよろしゅうございますな。

ところで表参道ヒルズ、築年数80年を経過した同潤会青山アパーを取り壊し安藤忠雄設計のもと建てられたとのこと。ま、それはお洒落なことでございますことよ。田舎のお上りさんもついつい気取った顔つきになりますがな。無理せんといて...普段着で宜しゅうございます。人間急には変われません、田舎の香りをほんのり残しながらの自然体で近未来の街を散策するミスマッチが思わぬ絵になるかもしれませんぞ。

原宿の竹下通りも久しぶり。スカウトマンらしきあんちゃんが目ん玉ぎょろつかせて若い娘さん追っかけていました。おいらも、一応この世界のプロでございます。見たところ将来スターになるような娘さんいなかったような気がしますな。いつの世も夢追い人が集う場所には危険な臭いもしますのでくれぐれもご注意あそばせ...いや、今時の娘さんの方が一枚も二枚も上手かもしれませんぞ...オッサンの方が騙されちゃいますがな。

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表参道ヒルズ

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竹下通り

2016/06/24
【第833回】

昨日、沖縄は太平洋戦争の沖縄戦の犠牲者を悼む「慰霊の日」を迎えた...おいらも昨年、戦後70年の沖縄を訪れた。青い空に、エメラルドグリーンにかがやく沖縄の海を眺めながら1945年3月にアメリカ軍が上陸した浜に立っていました。地元の住民はどんなに怖かったんだろうか...こうやって本土の人達は、美しい素朴な島に憧れて物見遊山で来るのだが、沖縄を好きといいながら現実は基地を押しつけている現状。このことに罪の意識を感じない本土の人達は、沖縄を愛しているといいながら、実のところ差別しているのではなかろうか...アメリカ軍が沖縄を植民地化している姿となんら変わることがない。沖縄の人達は、米軍基地を本土にも引き取って欲しいと言っているにも拘わらず、未だ検討の機運さえ生まれません。本土の人達が痛みを感じずにいられる構造が延々と続くこの有り様は、犯罪的かもしれませんな。おいらも含めて、沖縄の人達の心情、現状を我が身に置き換えて、どげんかせんといきません。嫌がることを他人に押しつけて、見て見ぬふりをする本土の皆さんは姑息ですぞ...世界に誇れる美しい海の数百種のサンゴと、色 あざやかな熱帯魚が群れをなして泳いでいる姿に酔いしれると同時に、島の大半を占めるアメリカ軍基地をしっかりと、この目に焼き付け、本土に帰ったら沖縄の苦しみに思いを馳せ、アクションを起こさないと犯罪の加担者になりますぞ...そうだ、本土なんて言葉自体が差別だ...沖縄も日本の県、本土です。沖縄の人達が他県の人達に対して使う本土という言葉は、戦後、何もしてこなかった日本国に対する怒りと諦めが込められた言葉ですぞ。

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アメリカ軍が上陸した浜

2016/06/22
【第832回】

先日、1978年から年頃の娘さんたちを連れ各地を転々とし、79年に福岡に拠点を構えた「イエスの方舟」を扱った芝居を観てきた。千石イエスよ、娘を返せ!と大いにマスコミを賑わせた事件だ。宗教ってなんだろう?新興宗教もたくさん出現したのだが、その要因は家族という共同体の崩壊。戦後第一の共同体である家族を捨て、第二の共同体である企業を信仰してきたのであるが、その企業の発展も個人や家族の犠牲の上に成り立ってることに人々は気付きはじめ宙吊り状態になったところを、すかさず心という抽象的なものを餌として新たな共同体を提案した次第である。新興世俗宗教の集会は派手である...代表者が壇上で檄を飛ばし、華やかな曲を流し、集まった信者を一気に取り込む、企業では物を売り込むことが拡大拡張であるのだが、宗教は形のない心を手を変え品を変え売り込むのである。この新しい手法は、企業と家族の間で宙づり状態になった市井の人達のとの都合の良い受け皿だったのかもしれませんな...大体において共同体なるものが幻想であり、権力者が権力を手にしたいがための容器であり、人の弱みに付け込んで容器に一人二人と押し込め洗脳していくのであります。その点、冒頭のイエスの方舟の教祖千石剛賢氏は、家族崩壊した女性の良き相談者として慕われ富を築くこともなく、皆で細々とアルバイトしながら共同生活した愛らしい集団でございます。九州博多中洲で営業している「シオンの娘」に、おいらは何度か行ったのだが、それはそれは素敵なお店でした。カウンターの足元にある足裏マッサージ機器には驚いたなもし...お酒を飲ましながら健康にも気を使ってる店なんぞありませんがな。

おいらの宗教観は、神羅万象すべてが神であり、行きつくところ己の中に唯一神が宿っているんじゃありません...困った時の神だのみにすがってると洗脳されちゃいますぞなもし?

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水無月の神さん

2016/06/20
【第831回】

何やってんだ!田辺監督、潮崎ヘッドコーチ、あんたらのへぼ作戦でまたもや5連敗。今シーズン沈みっぱなしのライオンズに喝を入れるため貴重な日曜日の昼間、神宮球場に参上いたしました。それにしても、昨年の13連敗という惨めな記録を作りBクラスにさせてしまったお地蔵監督(ベンチで黙って座り込んだままの指揮にはホトホト)を続投させ、毎年ガラクタ外人を連れてきては反省もしないフロント。あのかっての強いライオンズを、ここまでしちゃ長年のライオンズファンはたまらんですばい...昔のライバルチーム、ソフトバンクホークスがあまりにも強いので、そりゃ見ちゃおられんですばい。親会社にお金がなくても、今年首位を行く広島カープがうらやましかですたい。ライオンズだって魅力あふれる若き獅子がいるのに、それらの選手を上手く使いきれないお地蔵さん自らやめて頂戴な。人間には向き不向きがございます(二軍の打撃コーチなら最適)。それを知りながら無責任に押し付けたフロントのばかちんには腹が立ちますが、ここはファンあってのプロ野球ですから潔く...

そんな日々の思いを抱きながら神宮球場に...チケット少しは余裕あるのかなと思いきや、外野自由席、バックネット見キレ席しか残ってないとのこと。外野席はおいらは好きませんな...ライオンズの攻撃になると全員が立ち上がり飛び上がるわ、走るわ、合唱するわ、そりゃかないませんわ...本場アメリカみたいに、鳴りものなしで観客が自由に己の感情のままに応援している姿を見習ってほしゅうございますがな。うるさいったらありゃしない!敵も味方もいいプレーしたら拍手喝さいなんて光景をアメリカの屋根なし球場で拝見してるとなんともうらやましい。

ところで見キレ席なんぞは初めての体験。バックネット真後ろの2階席で屋根を支えるポールが4本ばかりあり、場所によってはポールが邪魔になるというわけで設定した席でございます。ちなみに料金は¥3200。おいらの席はそんなに気にならないどころか、全体を見渡せる絶好のポジションでした。隣の五十代のご夫婦が、おいらが一人なので気軽に声をかけてくれ、三人でライオンズの勝ちを信じ手のひらが痛くなるほど応援しました。この日も、昨日リリーフ失敗した野上投手が出てきて、このアホベンチ何考えてるんや?と心配したのだが、何とか塁審に助けられ(際どいジャッジをライオンズにとって有利な判定をしてくれはったんですわ)6連敗を免れましたとさ。おいらが60年ライオンズ一筋のファンだと言ったら、この二人びっくりたまげておりました。三人で勝利を祝して喜びの握手をして球場を後にしました。この日負けたら、監督の出待ちして「いい加減にしろ地蔵!」と一発過激なヤジでも飛ばしたろかと思ったのですが、幸い勝ちましたのでテロリストまがいな行動を慎むことができましたのでございます。

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おいらの席からの球場

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一塁側(ヤクルト)

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三塁側(ライオンズ)

2016/06/17
【第830回】

昨日は、おいらの昔の芝居仲間であり、今はギネスブックにも掲載されている名店「しぇりークラブ」(銀座と京都にあります)のオーナーである高橋美智子さんがスポンサーである番組のゲストということで収録に行って参りました。地下鉄京橋駅直結、3年前に建てられた24階建てのビル、東京スクエアガーデンにあるスタジオに向かったのだが、日々変貌する都市のスピード感に圧倒されました。出店しているお店も皆こじゃれた飲食店ばかりで、今度来てみようかな...なんて気になる店ばかりでした。高橋美智子さん、おいらはミーコと昔から呼んどります。出会った頃は、それはそれは可愛い娘さんでした。小柄でクルリとした瞳に、歯に衣着せぬ発言をズバズバ発する、当時アングラ人気劇団の早稲田小劇場の看板女優でした。映画の主演にも抜擢されるほんまに魅力ある女性であったんですぞ...おいらとは演劇群「走狗」で7年ばかりテント芝居をやりながら全国を巡演してました。小柄な体ながら全身リポビタンDファイト一発!で途中挫折しそうな軟弱な男にはっぱ掛けとりました。そんな気力で、しぇりークラブを切り盛りしたんでしょうね。京都にあるお店は祇園の近く石塀小路にある蔵を改装したなかなか粋な店でございます。あの薄暗い灯りと石畳の小路を歩いてるだけで、ほっこりしますがな...京都に行ったら是非あがってみんさいな。

この日は二週分の収録で、おいらのお気に入りの曲を二曲かけてもらえるというので最初の週はJAZZ。一曲目はデューク・ジョーダンの「フライト・ツゥ・デンマーク」。二曲目はマッシモ・ファラオ・トリオの「懐かしのストックホルム」。こんな曲聴きながらシェリーを飲むと気分は最高ですよ!なんてお店の宣伝に繋がる話をするところなんて友達思いですな。二週目はスペインの話ということで、スペインに住んでた時にラジオから頻繁に流れていたフラメンコの伝説的な歌い手カマロンの歌をかけてもらいました。天才ギタリスト、パコ・デ・ルシアとの歴史的共演のCDから「COMO EL AGUA」(水に流して)「GITANA TE QUIERO」(ヒターナ、おまえを愛す).ミーコちゃんからスペイン生活のあれこれを聞かれたもんで、たくさんありすぎエピソードのなかから選ぶのが難しかったですがな。進行役の岸本さんの乗せ上手もあって、何とか楽しく二週分を取り終えることが出来ました。トム・プロジェクトの芝居の宣伝もしてくれてありがとう。そして何よりも嬉しかったのは帰り際にミーコが、おいらが大好きなシェリー「フィノ・キンタ」をプレゼントしてくれたこと。おいらがスペインに住んでた時に、いつも枕元に置き寝酒に愛飲してた代物でございます。ところで、この番組いつ流れるのかしら?興味のある方は下記のところに問い合わせてくださいませ。

 

中央FMラジオ番組
  「Salud ! Jerez ようこそ!しぇりークラブへ」
毎週・月曜日 20:00~20:29(本放送)
毎週・土曜日 19:00~19:29(再放送)
出演:高橋美智子(しぇりークラブ代表)
進行:岸本美智子
↓WEBからも聴くことができます。↓
http://www.simulradio.info/#kantou

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84.0 Radio City

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ミーコと岸本さん

2016/06/15
【第829回】

家族ってなんだろう...舛添のおっさんが家族のことを持ち出して知事を辞めたくないと涙ながらに語る。こんな風に家族を遡上にあげないで欲しいな。迷惑してるのは身内の家族なのに...

家族愛、家族が一番、家族の為なら、なんて言葉が巷では良く耳にしますがほんまかいな?そのくくりが逆にプレッシャーとなって悲劇を生み出す原因にもなって居るんじゃありません...家族の為に見栄はって無理したり、追い込んだり、迷惑千万でございます。この日本って国はなんと貧しい国なんだろう...感受性が最も豊かな幼少期から塾通い、どんなにええ学校、会社に入っても、あきまへんがな。出世にはあまり役にたたんが、このシステムが人生を最も豊かにしてくれるであろう想像の世界に羽ばたく翼を持ちえないまま大人にしてしまうんですね。

おいらが住んでたスペインアンダルシアの家族は貧しいながらも家族愛にかけては、そりゃたまらんぐらいのものでした。高等ではあるが地球をないがしろにする人間よりも、むしろ動物に近い愛情かな...いろんな形の幸せ、家族のありかたあるとは思いますが、所詮つまるところ人は個体から発するもんでございます。国家、社会、家族なんて言葉を安直に都合良く使う輩は気をつけてくださいな...

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家族

2016/06/13
【第828回】

本格的な梅雨の季節になりましたな...こんな日は五十嵐一生の「サマー・オルモスト・ゴーン」なんか聴くと夏の先取りができまっせ!このアルバムも行きつけのジャズ喫茶で見つけたのだが、ほんまに日本のジャズメンも地道にいいアルバム創っとります。一曲目から少し乾いたトラッペットが流れ聞き惚れてしまいますがな...この方、北海道出身のミュージシャンでどことなく寂寥感がある夏の匂いがたまりません。三曲目のボブ・マーリーの名曲「 ノー・ウーマン・ノー・クライ」がこれまたいかした曲ですばい。鬱としい夜に何度も何度も流していると高い湿度が、瞬く間に下がること間違いなし。

おいらのジャズ熱は収まらず、CDもだいぶ増えてきて、この先不安になってきますがな...今は、断捨離の時代。モノが増えることを良しとしない時代ですから、じゃんじゃん捨てなきゃなりまっせん。ましてや、死の世界に少しづつ突き進んでる年代ですから最もな話です。

三分前は過去でございます。いいことも悪いこともどんどん忘れ捨て去って、今のおいらがピカピカしてこその人生でございます。

美味しい酒、コーヒーのお供が、ジャズであることは終生変わらない気がします。今夜もジャズ聴きながら一日を終えたいと思っていますことよ...

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ジメジメをぶっ飛ばすCD

2016/06/10
【第827回】

三枝三七子さんの個展に行ってきました。三枝さんは、おいらが2009年、西日本新聞にエッセイを連載した時に挿絵を描いてもらった絵本作家です。連載は3ケ月50回に渡って掲載されたのですが、三枝さんは毎回、楽しく懐かしいカラーの絵を描いてくれました。この挿絵のおかげでおいらの拙文も、どうにか形になりました。表参道のポイントギャラリーでの今回のテーマは平和です。丁寧に描かれた三枝さんの作品は、彼女の平和への願いがひしひしと伝わってきました。彼女はたくさんの絵本を出版しているのですが、これらの作品の中で、ひときわ目を引くのが水俣に関する絵本です。2011年に「みなまたの木」(創英社)、2013年に「よかたい先生」(学研教育出版)。絵本の世界で公害を扱うのは異例のことだと思います。でも、果敢に粘り強く出版にこぎつけた三枝さんの精神力はたいしたたまげたもんでございます。いくつかの出版社に企画を持ち込んでも「いや、売れないですね...」「暗いですね...」との回答ばかり。まさにテレビの視聴率戦争と同じです。まあ、資本主義社会ですからわからんこともないんだが、こうやって良心的な作品が闇に葬られるのが世の常...ここを突破する表現者が現れたときはまさしく拍手喝采です。

トム・プロジェクトも今年、水俣の芝居創ります。忘却の民に何度も何度も口酸っぱく伝えないと、この国の行く末は安閑としてられませんことよ...

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絵本は語る

 

2016/06/08
【第826回】

梅雨入りしたのですが、何となく爽やかな日々が続いています。なのに世の中は、舛添要一東京知事の不祥事情報一色。昨日の都議会での答弁でも、あの元気もりもり、相手を威圧する迫力するのが売り物であった彼がショボンとしとりました。連日の疲れか、途中居眠りもしてましたね...ここまできたら辞めるしかないのにね。何をここまで踏ん張ってるのか...貧しい家庭環境から成りあがった彼にとっては、ここまで上り詰めた立場、権力を失いたくない一心なんだろうね。普通だったら、この貧しい体験を世のため人のために活かそうと思うのだが、このおっさん私利私欲に転嫁しちゃったんだね。あの人相見てりゃ誰だってわかるのにね...男の顔は履歴書でございます。あのぎんぎらぎんの目ん玉ぎょろつかせて品性感じさせない話ぶりを聞いただけで、おいらはこのおっさん胡散臭くて信用できないな!と思っとりました。ほんまに日本のヒトはお人好しで他人任せでございます。来月には選挙もあるのだが、投票率はいつも50%から60%、結果は現状維持。これだけ騙されてるのに危機意識を持てない鈍感人種なんでしょうかね?おいらは、今の日本で政治家は一人もいないと思っていますよ。皆さん政治屋という商売人の集まりですね。出でよ!真の政治家!といいたのだがこの国の教育、制度などなどからして無理でしょうな...ならば、今生きてる者がしっかり己を鍛えて権力に対峙できる体力と精神と頭脳をゴシゴシと磨く以外にありませんな...

それにしても、東日本大震災、熊本震災の諸問題もいまだ未解決だというのに、舛添おっさんのことで時間使ってる場合じゃありませんことよ。はよ辞めてもらって、この困難な時代みんなでなんとかせんばならんですばい。

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出番です!   

2016/06/06
【第825回】

関西、九州と旅から帰ってきたと思ったら、見なきゃいけない芝居が2本待っとりました。1本目はトムの芝居にも出演してもらった林田麻理さんが主演している「残花」。戦時中の移動劇団さくら隊が、滞在中に広島の原爆に遭うまでの話。林田さんは劇団の主演女優であった園井恵子役を美しく誠実に演じていました。内面の演技に磨きをかける麻里ちゃんの新境地を感じさせる舞台でした。

高円寺から新宿に戻り、おなかを満たすために十年ぶりに「てんや」に行きました。昔食べた時はやたら天ぷらの衣が分厚くまずい印象で、あの値段じゃ仕方がないのかなと思っとりました。久しぶりに食べた天丼、それはそれは進化しとりました。企業努力してるんですな。道理でお客がわんさか、ガイドブックにも掲載されているのか中国の団体客が嬉しそうな顔して入ってきました。注文してレシートがくるとすかさず電卓で何度も確認しとりました。お客さん...日本のお店は大丈夫だよ!と言いたいくらい何度も電卓はじいていました。

おなかも整えたところで、鳥山昌克企画!泉鏡花×鳥山昌克シリーズ第五弾!「水中花」を雑司ヶ谷の法明寺境内にある、みみずく会館に観に行きました。鳥山さんが初めて挑む唐十郎さんの本を構成したひとり舞台。演劇の世界に独自の世界を持ち込んだ唐さんの本は、誰しもがもがき苦しみ難攻不落の作品。この難関に果敢に挑戦していく鳥山さんの姿が美しい。何のために、誰のために...表現者にとっては愚問である。自分の生きる過程の中で、己の身体にまとわりついてくる感覚に酔いしれ、果てに迷路をさまよい、瞬間的に憑依の現場を知り...演劇も旅である。鳥山さんのライフワークにしてもらいたいシリーズである。

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法明寺

2016/06/03
【第824回】

6月1日、鹿児島県霧島市での公演、風間杜夫一人芝居「正義の味方」に行ってきました。

霧島といえば、豊富な湯量と緑豊かな温泉郷、1866年(慶応2年)には坂本龍馬夫妻が訪れたとのこと。スタッフは前日に先乗り、温泉三昧でお肌がつるりんこになっとりました。今回の公演は宝くじがバックアップしてくれ、なんと前売¥2000、当日¥2500という破格の入場料でございます。めったに観ることができない芝居、多くの人達が集まりました。まして、演劇の世界でも稀有なジャンルの一人芝居、霧島のお客さん「どげなもんじゃろかい?」期待と不安が入り混じる複雑な心境で開演を待っていました。場内が暗くなると突如、甲斐バンドの、『HERO(ヒーローになる時、それは今)』が流れ、内田裕也風の杜夫ちゃんが登場。客席は一気に盛り上がり手拍子の中、ギアはトップ状態でござりまする。芝居は、やはり最初の掴みが肝心、ど頭でお客のハートを鷲掴みしておくと後は一気呵成にいくものでございます。それにしても杜夫ちゃんの腕はたいしたたまげた千両役者。

終演後は、焼酎の本場、美味しい魚とさつま揚げで、こちらの方も一気に盛り上がりました。

今日は徳之島での公演。チケットも完売、島の人達の待ちわびた顔が目に浮かびます...

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良水に、うまか焼酎

2016/06/01
【第823回】

時間があるときに、ふらりとジャズ喫茶に入るのが大好きです...先日も、お気に入りのジャズ喫茶に入り丁寧に入れられた深煎りのコーヒを飲みながら至福の時間を過ごしていました。おいらもたいがいのアルバムは知っているのだが、「おや、何だろう?」気になりジャケットを見たら日本人アーチストの曲でした。タイトルは「MY WONDERFUL LIFE~TOGASHI Masahiko BALLAD COLLECTION」1970年前後、唐十郎などともにアバンギャルドアートの先駆者として活躍し、その後下半身不随になるものの2007年67歳まで音楽活動をした鬼才ドラマー・富樫雅彦が作曲したバラードを、友人たちが2009年に演奏していた先品でした。一曲目のMy Wonderful Lifeがたまりません。サックスを偲ぶかのように吹き鳴らす渡辺貞夫の入魂のプレイに思わずほろりしそうになっちゃいました。サポートするピアノの佐藤充彦がこれまたいいんですね...その他、日野皓正、峰厚介、山下洋輔も参加してます。亡き盟友を、残された仲間が、尊敬と友情を音楽で表現した名盤の一つだと思います。早速、購入し毎晩聴いてますがな...アルコールを嗜みながら、音色の中に込められたそれぞれの人生を愛おしみ、今夜もジャズにありがとうですたい!

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泣きまっせ!