トムプロジェクト

2016/07/29
【第847回】

一昨日、演劇群「走狗」の同窓会を久しぶりにやりました。集まったのは11人、うち3人が癌と闘っています。この日は今、演劇界で最も活躍してる舞台美術家の一人、島次郎ちゃんの旭日小綬章受賞も兼ねての同窓会です。いやいや、皆確実に老いへの道に突き進んでおります。血気にはやった、あの日あの頃の面影は、さすがに穏やかな顔貌になりましたな。でも話が盛り上がってくると少年、少女の愛くるしさが出るのは、やはり演劇を愛してやまない朋友だったんでしょうね...おいらの手元にあった当時の舞台写真をコピーして全員に渡すと皆一様に食い入るように見ておりました。人生、決して後には戻れないんだが、夢と希望とロマンを求め全身全霊芝居に打ち込んだその足跡は、次郎ちゃんの賞に勝るとも劣らない勲章に値するもんでございますことよ。

同窓会を終え新宿の街に出ると、いつもより多くの若者がスマホをいじってました。今はやりのポケモンGOなるものかな?そんなもん探さんで公園に行きゃ鳥も、虫も、花も居るやんけ!ありんこの動き見てるだけで一日飽きることがありませんことよ。金の亡者の手口に容易に乗っかって踊らされてるワカモンGOなる輩が不憫でなりまっせん。そのうち一億総ボケモンになりまっせ...なんて宣うとオヤジの愚痴だとお思いでしょうが、決してそんなことはないと断言できますな。今こそ人間回帰に戻らねば...感覚、感性、体温、知性、己の中に宇宙は存在するのでございます。便利、安易にかまけてると世界はロボットに支配されちゃいますぞなもし...

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若かりし頃の「走狗」軍団

2016/07/27
【第846回】

一昨日、バングラデシュで、ストリートチルドレンを集め育てている渡辺大樹さんの番組をテレビで観ました。大学時代にタイのスラムの光景を見て、この貧困の中で暮らしてる子どもたちに何が出来るか?という疑問から単身バングラデシュに来て13年。今はマンションを借り46人の子どもたちの面倒を見ています。来年には大学に受験する子も育ってきました。こんな日本人が存在することに拍手を送ると同時に、まだまだこの国も捨てたもんじゃないと言う気がしてます。おいらも30代の頃に世界放浪さなか、インド、アフリカで多くのストリートチルドレンと直に接し、食事も喉に通らなかった経験があります。同じ人間として何故?どうにも出来ない自分に苛立ちを感じたことも事実です...その思いを自らの意志で実行に移す渡辺さんの行動力には唯々頭が下がります。この渡辺さんを支えているのが、トム・プロジェクトの芝居にも出演した大塚麻恵さんです。4年前に渡辺さんと結婚し一児をもうけ、共に渡辺さんの夢実現に向けて異国の地で奮闘しています。テレビにも少し移っていましたが、ますます綺麗になったと言うより観音様みたいに見えましたな...東京で女優さんやってるときよりも、遙かに人間として大切なモノを得ていることは間違いないと思います。つい先日、テロ事件が発生し日本人が犠牲になり緊張が続く中、渡辺夫妻も多くの艱難辛苦が待ち受けてるとは思いますが、なんとかプロジェクトを為し遂げて欲しいです。

昨日発生した戦後最多19人の殺人事件、人間の心の有り様が大きく変貌しつつある現在、渡辺さんの一連の行動が、心の使い方の原点回帰のきっかけになればと願う...

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バングラデシュの子供達

2016/07/25
【第845回】

先週の土曜日、ちょいとした仕事で東急大井線尾山台に行って参りました。この近辺、おいら九州博多もんにはなかなか縁がなく、初めて駅を降り立ちました。石畳と街路樹があるハッピーロード商店街は、下町風情ではなくスマートな通りでした。その中でも、おいらのお目々がぱちくりとしたお店が八百屋ジャズ。この日は仕事場に朝8時半集合と言うことで、このお店まだシャッターが閉まっとりました。駅から、今日仕事するスタジオまでは15分。環八をを渡ると立派なお屋敷ばかり。建物も多彩、車庫には外車が並んどりました...お家から出てくるお嬢さんもお洒落でツンとしておらっしゃたですばい。この日のマル秘仕事は順調に進み、足取り軽く尾山台駅へと向かったのですが、気になる八百屋ジャズは是非見ておかねばと思い写真をパチリ。店の前には産地直送、有機野菜が所狭しと並んでいました。好奇心旺盛なおいらは、早速お店の人に尋ねました。「どうしてこの店名を付けたんですか?」優しそうな店員さんが「店主がジャズピアニストなんですよ...」中を覗くと、どうみてもガテン系に見える店主がお客の応対に追われていました。あの店主が繰り広げるジャズピアノの世界をいろいろと想像してみました。豪快な中にも繊細な音色が立ち上がってくるような気がしました。そう言えば、並んでる野菜ちゃんもいろんな音色、いや味色を持った個性溢れる音野菜に見えてきました...ちょいとした店の名前から、こんなに素敵な想像の世界に誘ってくれるなんて、何だか得した気持ちになりました。

夜は横浜に足を運び、今年の5月に風間杜夫ひとり芝居「正義の味方」でお世話になった横浜演劇鑑賞協会の人達との懇親会に出席しました。芝居好きな人達との飲み会は楽しい時間でございます。二次会に行った店のアルゼンチン赤ワインは、グラスの中でタンゴの香りを放ち、口内から喉元を過ぎ踊りながら胃袋に落ちて行く...妖艶にして華麗なる風味を感じました。

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JAZZ野菜

2016/07/21
【第844回】

昭和が消えていく...野坂昭如、永六輔、大橋巨泉、次から次へと天国に召されちゃいました。昭和ってなんだろう?戦争そして敗戦、戦後の闇市から日本のみなさん一生懸命働いて経済大国になったがいいものの、大切な日本の心を無くしちゃいました。便利さにかまけて、魂抜かれちゃったんですな。そんななか、平和と自由をベースにしながら世の中をかどわかした人達が亡くなった3人なのかな...モノの流れはすぐ停滞するもんでございます。停滞の中で、日本の人達はすぐさま安穏体制にゆるりんとしちゃいます。その流れをかき回しごちゃ混ぜにしてしまう遊び心こそが大切なんでございますよ。世の中疑いに始まり、なんら真理が見えてこないからこそ面白いんじゃありません。

今日は、昔共に芝居をやった仲間が意識のない状態で入院しているとの報を受け、お見舞いに行ってきました。管を通され眠るような状態の彼女の綺麗な顔を見ながら、嘗ての気品と知性に溢れた舞台姿を想い出しました。常に冷静で、荒くれ者の集団を菩薩のようにまとめてくれたのも彼女でした。

おいらも、そのうち死んじゃいます...だからこそ、今日も一生懸命生きてこそ悔いなく死ねると思うのだが...でも、あんまり堅苦しく考えないで、猛暑の中、今日の雨の有り難さとか、そよ吹く風に揺れる葉っぱのダンスとかを眺めながら、ケセラセラ精神で過ごしましょう。

あのね、このケセラセラの意味「なるようになる、先のことなど解らない」と解釈されてますが、原語では「自分が信じるようになっていくんだ」と言うんだそうだ。

なかなか深いですな...

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雨の南新宿

2016/07/19
【第843回】

暑いです...夏なんですから当たり前でしょう!おいらにとっての夏の思い出は、20代の頃にふらりと旅した北海道ですね...駒ケ岳の麓ではオオカミに襲われそうになったし、知床の浜辺でのドラム缶での一風呂、番屋での酒盛り、礼文島でのウニ漁、民宿での恋などなど...まさしく青春一人旅でござんす。気力、体力とも万全で挑んだ北海道三カ月の旅はキラキラと輝いていましたです。今更、青春なんて忘れたフレーズなんだけど、なぜかしらこの季節になると記憶を呼び覚まさせてくれますな。ぎんぎら太陽、晴れ渡る空、日々変化する雲、蝉の声、その環境の中に立ち尽くし、流れ出る汗に男の活力を感じたもんでございます。青臭い男は、自ら吹きこぼれる汗ににしか生きてる実感を持てまっせんでした...

随分昔のことを思い出すなんて、3分前は過去なんてうそぶいてる男にしてはちょいと感傷的じゃございません。

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清涼2

2016/07/15
【第842回】

昨日は東京都知事選の告示日、今回の候補者の顔ぶれ、何となく嘗ての懐かしい日本の風景を想い出しました...増した田んぼに、小池がぽつんとあるところを、鳥が越えていく様は、まさしく日本の原風景じゃございませんこと。目指すところはこの風景なんだよ...湯水のように税金掛け流しの伏魔殿都庁をゴシゴシ洗い流し、清廉潔白な役所に戻してくんろ。きれいな小池、増す田んぼ、颯爽と険しい嶺を越えていく鳥、三人とも真摯な気持ちでいかないかんばい!と思うのだが、昨日の記者会見で見せた三人三樣の表情には、それぞれの思惑が読み取れました。小池のおばちゃん、自信たっぷりにみえるのだが、政界渡り鳥を地でいく過去を物語るように、彼女は所詮風見鶏。増田のおっちゃんは、いかにも実務家に見えるのだが、結構世渡りがうまそうに見えますな。ダンディ鳥越は、いつもの歯切れがなく、やはり病と年齢の厳しさを感じますな。いずれにしても、腐れ切った東京都の病巣にメスを入れ、庶民が優しく暮らせる東京にしてくれればいいんだよ...と言っても、現状の都議会が問題だな。利権で動いてる都議会議員がうじゃうじゃ居るもんね...あの人たちの貌見ただけで、こりゃ駄目だと思ってしまうほどの酷さでございます。誰が当選してもこの難問をクリアしなければ、又しても道半ばなんてことになっちゃいますことよ。

とりあえず、この17日間、三人の日々変わりゆく表情と言葉をじっくりと照査してもらいますがな...おいらが投票する人は、もう決まっていますけどね。

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伏魔殿

2016/07/13
【第841回】

「百枚めの写真」いよいよ地方公演が始まりました。安保法案、憲法改正などなど、なんだか70数年前の空気に近づいている感がしますが...でも、この国の人、なんだかこの日本国がまさか戦争なんてことに巻き込まれるなんてあり得ない...戦前も、そんな状況の中じわじわと外堀を埋めながら戦争に突入しました。あり得ないことがあり得るのが権力を握っている輩の常套手段でございます。

おいら、演劇を生業としてるもんですから、何とか芝居のチカラで戦争がいかに虚しいものであるかを伝えたいと思っとります。早速、一昨日、京都の公演に行ってきました。伏見区にある呉竹文化センターには多くの観客が集まってました。京都労演の主催で、会員さんが集めた戦中の家族の写真が何枚も掲示板に貼られていました。出征時の写真、今もって行方が分からない息子の写真などなど、セピア色した写真を見ているだけで涙がちょちょ切れてきます...戦地から帰り、国のため、家族のため、生を全うしたかったに違いない...とんでもない一部の権力者のために300万の人たちが亡くなったことは決して忘れてはいけません。なのに、新たな権力者は、私利私欲のための歴史を作り後世に残すことに躍起になっとります。この悲劇を繰り返さないためにも、おいらも含め創造力を駆使して、なんとか戦争に加担しない国を形成しなきゃいけまっせん。

終演後、地元の伏見の酒を主催者、出演者と夜が更けるまで堪能しました。こうやって芝居やれるのも、美酒に酔いしれるのも平和があってのことですばい。

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七月の夕景

2016/07/11
【第840回】

参議院選挙、予測どうりの結果で試合終了...それにしても有権者の半分ちょいの投票で、国の行方が決まるなんておかしな制度だね。半分の人のほとんどが誰に入れても政治は変わらないと思ってる人、おいらの友人なんかは今の政治家、制度に頭から否定して、選挙自体にナンセンスを唱えてるやつもいまっせ。驚いたのは、今年から選挙に加わった18歳~19歳までの若者のほとんどがの投票先が自民、公明だったこと。この国の未来も決まったもんみたいなものですな。要は、大きな変化を求めず可もなく不可もないどっちに転んでもいい状態で居たいってとこかな。そりゃそうだよね...お先真っ暗じゃおー怖、不安でしょうがないもんねえ。まだまだ若いんだから、おいらみたいに世界放浪の旅してから、世の中で何をしたらいいのか思考しても遅くはないと思うんだが...そりゃ無謀なんだが、若いときは当たって砕けろチャレンジ精神が欲しいですな。まあ、おいらはそのうち死んじゃうんからいいんだが、若い諸君が戦地に行かねばならない状況を考えると悲しいな...戦争に加担しては絶対になりません!

選挙運動の最終日、新宿西口広場で落選した候補、様々なミュージシャンが演奏しながら楽しい選挙運動をしてました。絶叫して嘘ッパチほざいてる人なんかよりよほどよかですばい!

今回、ひとつだけ良いニュースがありましたな。鹿児島知事に反原発の候補者、三反園さんが当選したこと。今回の選挙で原発が争点にならないなんてあり得ないと、おいら頭にきとりましたので。

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楽しい選挙

2016/07/08
【第839回】

風間杜夫ひとり芝居が終わったと思ったら、今日から又、新しい作品の公演が始まります。

これまた再々演になる「百枚めの写真」。おいらも半世紀ばかり、いろんな反戦劇は見てきましたが、この作品は、手前みそで恐縮なんだが反戦劇ベストスリーに入る逸品です。この芝居の中に99枚の名もなき庶民の記念写真が写し出されるんですが、この写真は胸に迫ってくるものがあります。戦地にいる父、息子たちに、元気な姿を確認させるために国家が撮ったものなんだが、その表情からいろんなものを想像させてくれます。国は戦意高揚を狙った意図がみえみえなんだが、明らかに残された家族の表情には、不安と期待と願い、そして恐怖の感情が読み取れます。歴史に国家に翻弄される市井の人達の悲しみが伝わってきます。この写真に6人の俳優が立ち向かっていくさまが、まさしく演劇的です。淡々と、時には激しく俳優の生身の身体が99枚の写真と拮抗していきます。

明後日は参議院選挙です。この国は、何だか不穏な空気に支配された時代に戻りつつあります。事実、国外でも日本人がテロの対象になりました。戦争は勿論良くないのだが、その行為に絶対加担しないための憲法9条を死守するための選挙かもしれませんな...忘却の民ニッポンの皆さま、どうせ投票したって変わらないんだから...なんていつもの常套句を垂れてると、貴方も、いつの間にか百枚めの写真に撮られ、近未来の戦地にいる父、息子に送られる羽目になりますぞなもし。

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清涼

2016/07/06
【第838回】

久しぶりの北海道でございます...お上り、観光絵はがき旅行は嫌いな一人だが、宿の近くでもあり挨拶代わりに時計台には行って参りました。ビルの隙間に申し訳なさそうに建つ時計台、元気でひとまず安心でございます。この日の収穫は、すすきのの飲み屋で会った82歳の漁師。いやいやまずはその風貌に圧倒されました。田中角栄とガッツ石松を足して二で割ったいかつい顔なんだが、笑うと赤ん坊みたいな表情がたまりません。60年間船に乗り生死を彷徨ったことも幾度もあったそうな...彼の話で一番印象に残ったのは「海は生き物であるっぺ、この海をなめたらあかんぜよ...おっかちゃんであり、おとっちゃんであり、よかおなご、わるかおなご...いろんな顔した海と生きてきたっぺ...」話が絶好調になったところで歌をご披露。3曲とも津軽、道産子の海の歌でございました。荒波にもまれた喉から絞り出される歌声は、そりゃまあ人生そのものでございました。とても82歳には見えない頼もしいおとっつぁんでありました。

なんで北海道に行ってたの?昨日が、風間杜夫一人芝居の、ほんまもんの千秋楽でございました。遊びで行ったんじゃございませんことよ...ちゃんと仕事してますがな。

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お久しぶりでした

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桑名の味噌ラーメン

2016/07/04
【第837回】

昨日は、風間杜夫ひとり芝居「正義の味方」東京公演の千秋楽でした...再々演なのに連日満員。それしてもよう入りましたわ、19年間やり続けた意義、意味、拘りが実を結んだような気がします。普通であれば、一、二回観ればもういいでしょう...なんてなるんだが彼の芝居は噛めば噛むほど味が出るガム、いや、するめみたいなもんでしょうな...今回の公演のパンフレットに書いたおいらのコメントがすべてです。来年もひとり芝居の新作を創るし、昨日の飲み会では、7年前に封印した牛山明を描いた「ひとり芝居五部作」をまたやろうか!なんて言葉が出てくるんだから、たいしたたまげた役者さんですわ...

<パンフレット掲載文>
ひとり芝居を19年間続ける風間杜夫は、とてつもないエネルギーを蓄積しているに違いない...英気、鋭気、色気、覇気、志気、狂気、笑気などなど、これだけの気を持ち合わせていないと、孤立無援の舞台を一人で立てるわけがない。彼は芝居が終わると必ずと言っていいほど酒を飲むし、稽古場だって稽古時間の倍の時間酒を嗜む。唯、飲んでいるのではなく、たわいもない話の中に何かを感じ、客観的にニンゲンを観察しているに違いない。趣味の麻雀だって、その時間に凡人と違った時間の過ごし方を楽しんでいるのではなかろうか...
それにしても19年間6本のひとり芝居を携えて、日本のみならず世界を巡演している俳優はギネスブックに登録されてもおかしくないはずだ。水谷龍二の台詞を縦横無尽に遊び尽くし、多くの観客を魅了する彼こそ、もっとも相応しいひとり芝居役者ではなかろうか。
再々演になる今回の芝居、更なる進化を遂げて観客を大いに楽しませてくれるに違いない。

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今日の明治神宮

2016/07/01
【第836回】

昨日は風間杜夫ひとり芝居「正義の味方」の昼公演後、友人の芝居を観てきました。この方御年72歳、アングラ演劇一筋の素敵なオッサンです。若いときは、そりゃカッコいい個性的な役者さんでした。印象的な面構えと手足が長い痩身で新宿を歩いていると、そりゃ目を引きますわ。おいらとはアングラ劇団「走狗」で出会ったんだが、相当自信があったんでしょうな、ブイブイ言わしておりました。まあ、おいらが見てもマスコミに行けば売れるだろうなと思っていたし、年上だからしゃあないと傍観しとりました。アングラ劇団のテント芝居では暴れまくっていました...日本全国テントを持っての過酷な旅の中で、一番とんがってる存在で、終演後の飲み会は喧々諤々、最後は殴り合いの喧嘩になる始末でございました。

ほぼ半世紀、彼の人生が一貫してるところに頭が下がります。今でも、当時住んでた木造の風呂なしのアパートワンルームに愛する奥さんと二人で住んでます。生活は朝6時から百貨店店内の商品運搬係をやっとります。好きな芝居を、それもお金にならない場でこつこつと演じ続ける彼の姿に男の生きざまを見ましたな...終演後、体調どうなの?と聞いたところ前立腺肥大で大変だとのこと。しかしながら、精悍な顔つきと誇り高き姿勢はなんら変わることありまっせん...人生ってなんだろう?お金ではなく社会的な立場でもなく、己が信ずる道を真っすぐ突き進む生き方に、今やあまり見なくなった気骨なるものを感じましたがな。達ちゃんいつまでも元気でいてくださいね!

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東京暮色