トムプロジェクト

2016/10/13
【第877回】

明日から「静かな海へ~MINAMATA~」上演します。今回も、改めて水俣に関する本、資料、映像再見、再読しました。その中で印象的だったのが、漁師でありながら自ら穫った魚を食べ水俣病患者になった男性の話です。勿論、訴訟を起こしチッソ工場の玄関前に一人で座り込み抗議しているうちに「俺は被害者ではなく、俺もチッソ側の人間ではないのか...」人間だけが賠償金よこせと騒ぎ立てているのだが、海中の魚、のたうち廻る猫、その他生きとし生けるものすべてが、人間社会に便利なものを生み出すための犠牲になっているのではないか...人間の途方もない驕りに気づいた漁師は、早速、利便性が高いプラスチックの船を破棄し木造船を造り再び漁生活を再開しました。

そうなんです。おいらは何度も口にしているのだが、まさしく地球の癌細胞がニンゲンなんです。平気で森林を伐採し、排気ガスをまき散らし、静かな海を汚し、欲望のままに生き物を殺戮し、ああこりゃこりゃなんてだらしないない生き方をしている動物なんです。もう、ええ加減、発展、便利お休みにしたらええんと違います...

今日の朝のテレビでカヌーの選手が言っとりました。カヌーの競技場は東京じゃないと困る...何抜かしとるんじゃ!金塗れ、業者と役人・政治家の金儲けのために建設する新競技場なんて誰も喜んでおりまっせん。2020年のオリンピックは復興のための大会じゃなかったのかな?宮城県での開催異議なしでござんす。おいらは、今もオリンピック中止論者でございます。東日本、熊本の震災の後始末、復興もままならないのにオリンピックどころじゃないでしょう...いつの世も権力者は、世間の目をお祭りごとに向けさせ、都合の悪いことには蓋をするのが常套手段でござんすよ。皆の衆、しっかりせんとえらいことになっちまいますがな...

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暮れなずむ東京駅

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