トムプロジェクト

2017/05/26
【第956回】

渋谷は嘗て多くのジャズ喫茶が存在し活気を呈していました。その中でも1972年開業の「メアリージェーン」は老舗でもあり、今なお渋い存在です。久しぶりに訪れました...二代目店主が淡々と店内で動き回っており、何故かアフリカ系の民族音楽がかかっていました。CD4000枚、LP4000枚を誇るジャズの殿堂なのに何故かしら?と思いつつ本読んでると、この時点で客一人のおいらの年代からいっても、こりゃまずいかなと思ったのかタイミング良く懐かしきジャズが流れてきました。1950年代の名ピアニスト、ウィントン・ケリーのアルバム「ケリー・ブルー」。彼のピアノは、とても耳に馴染みやすく、他の共演者とのコミュニケーションが実に巧みで、聴き手の気分を心地よくさせてくれる。ジャズを聴きながらの読書は、おいらの至福の時間の一つである。活字も思わず自由奔放なジャズの音曲に乗せられ踊り出す...なんて感じの読書体験でございます。
この店も、2027年まで続く渋谷再開発のためビル自体が壊され来年の8月には閉店だそうだ...下北沢にあった名店「ジャズ喫茶マサコ」。56年間の営業も、下北沢再開発の名の下で閉店に追い込まれた。どこもかしこも資本のチカラで再開発、東京は2020年のオリンピックに向けての整備とやらの土掘り返し、町が街になり最終的に無味乾燥なCITYになっちまうお決まりのコース。人の匂いがしない場所なんて、ほんまにおもろうなくてあきまへんがな...

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レジェンド

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店内・黒田征太郎が画いた猫

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