トムプロジェクト

2017/08/01
【第982回】

渋谷はがきんちょの街だと思っています...センター街の子供の行列、アイドルの写真を首からぶら下げて道行く高校生に売りつけるオッさん、なにをすることもなく女の子を物色する精気のない若者、お店のありかたもてんでんばらばら、おいらも大体は興味津々、目を皿のようにして見ているのだが、どうも引っかからないというより、はやく通りすぎたい思いで足早になってしまいます。街と、そこの集まる人種は大いに関連性があるんだなと...

そんな渋谷のパルコの前で、イタリア人旅行者がギターを弾いていました。流れるJAZZギターが心地よく、ついつい聞き惚れてしまいました、イタリア人特有のラテンの乗りで織りなす路上ライブは、久しぶりに昔のシブヤ文化の香りがいたしました。パルコが出来たときに観た土方巽の舞踏、唐十郎と蜷川幸雄のタッグで創る唐十郎の新しい世界。教会の地下にジャン・ジャンという小劇場があり、長嶺ヤス子の裸足のフラメンコ、美輪明宏の迫力満点の臭い芝居、泉谷しげる・井上陽水なんかのフォークもここで聴いたな...そんな文化の香りが新宿に負けじという時代もありました。

街の匂い骨格は、人が創り出すものであるのだが、もともと持っている街の歴史が、その土地から醸し出す必然も見逃すことができません。その土地で暮らして人達の無数の声が、どんなに文明が進化しようとも地の底から蠢めいているのかもしれませんな...おいらも、ふと足を止め、アスファルトで固められてる地の底に耳をそばたてることがありますよ...聞こえます!聴こえます!民衆の怒りの声が...

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惚れ惚れしますわ♡

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