トムプロジェクト

2018/02/19
【第1057回】

「Sing a Song」16日に東京公演を終え18日から地方公演に突入しました。最初の公演地は四国の高松市、3月25日まで21ステージを巡演します。今回の芝居の劇評が日本経済新聞、朝日新聞、赤旗新聞に掲載されました。

 

「涙や哀しみの先の透明な情感を宿す歌そのものの力が激しく胸を打つ。戦争を知らない世代の心と過去の声との交感が感じられる」「戦争の暴力を、流行歌手のささやかな抵抗からあばけないか。近代史をアクチュアルな人間ドラマにしてきた作者の古川健と演出家日澤雄介のコンビが、間奏曲のように軟派な大衆歌謡を素材に、硬質な試みをした。コミカルでいてシリアスな芸質と、感情を繊細に届かせる歌唱力を持つ戸田恵子を得て、胸に迫る。批評する力は強い。軍部は歌を兵器とみなす。あいこ(戸田恵子)は平和と命の尊厳を願う心と思う。同じ言葉で違う意味が衝突し、批評する。戸田がささやくように歌う『リリー・マルレーン』もそうだ。戦線で兵士に愛唱された恋の悲歌。のびやかに澄んだ高音で、戦争と平和の二重の意味を帯びる」「~歌はね、人の心に生きることの喜びを与えるもの。人に死ぬことを奨める軍歌は、あれは歌でありません~インパクトのあるせりふが強烈に響く。奥行きのあるドラマを6人の人物によって展開する筆力のすごさ。そして、それぞれの役柄を見事に体現した俳優陣によって緊張感みなぎる舞台を創りあげていた」

 

なかなかの劇評でございました。少数精鋭で創りあげた舞台であるが、スタッフと俳優陣が総力を結集した実りある力業でした。まだご覧になってない方は、トム・プロジェクトのホームページでスケジュールを確認し、是非とも劇場に足を運んでくださいませ。損はさせませんぞ...間違いなく。

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ほんのりと春の匂い

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