トムプロジェクト

2018/04/09
【第1076回】

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 」を鑑賞...エンターテインメントの巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が描く社会派作品。40年前のベトナム戦争に関わる最高機密文章をワシントン・ポスト社が 報道すべきかどうかを巡る顛末を描いた作品。この監督のホロコーストを描いた「シンドラーのリスト」は、いまでもおいらの記憶に残る傑作のひとつです。 ジョン・ウィリアムズ作曲のテーマ曲が流れる度に、数々のシーンが浮かび上がってくるんですからたまりません。今回の作品は叙情性を極力排除し事の顛末をリアルに積み重ねたドキュメンタリータッチの作品ながら、メリル・ストリープとトム・ハンクスが共演し、さすがに実在の人物像を的確に表現し人間ドラマとしても立派に成立させています。この映画の制作が決まったのは、トランプ政権が発足してわずか25日だったというから、製作側も相当の覚悟で踏み切ったんでは無かろうか...今尚、トランプ大統領がワシントン・ポスト紙に対し再三フェイクニュースと喚き叫んでいるだけに、タイムリーな作品だと思います...アメリカだけではございません。この日本国においても公文書改竄、自衛隊日報隠蔽などなど問題になってます。そう言う意味でもスピルバーグ監督の現代を切り取る臭覚はただものではございません。演劇、映画は時代とともにあるものですからね...この映画の中でも言ってるんですが「報道が仕えているのは国民であり、統治者(政府)ではない」。その通りでございます。権力者が都合の悪いジャーナリストを排除し、公務員が庶民に顔を背け、権力者にすり寄る構図が出来つつある日本国、よそ事ではございませんことよ。一昨日も、映画の帰りに新宿西口広場で一般市民がプラカードを掲げ現政権を糾弾していました。ほとんどが初老の男女、未来の子供のために体を張っての行動頭が下がります...知らんぷりはいけませんことよ皆の衆。

1076.jpg

ハナミズキ

<<次の記事 前の記事>>