トムプロジェクト

2018/04/16
【第1079回】

昨日、「砦」の東京公演、無事両国シアターカイで千秋楽を迎えることができました...日々進化するこの芝居、言葉の持つチカラと、今の時代に即したテーマ性、その大切さを十分に把握した俳優の意識の高さが相まって見事な再演になりました。70歳を超えた2人の名優はさることながら、様々な役をこなした3人の役者の演技に心打つものがありました。地道にサポートできる共演者がいると心強いものがあります。この仕事、どうしても己が目立ちたいという役者の業が頭をもたげがちなのだが、今回の3人は、唯々いい芝居にしたいという一心で取り組んできました。この3人で30人分の仕事をしている感じすらしました。よくぞやったあっぱれ三人衆!芝居もいいんだが人柄が更にいいときたもんだから文句のつけようがございません。長い旅公演が続くと人間関係がうまくいかなくなり、なんとなく気まずいツアーになりまして、早く公演終わらないかな...なんてことになれば、当然のことながら芝居の中身がひび割れ状態になっちまうんですね。こうなると、何のために無駄な労力を費やしてなにやってるんだろう?なんて虚しい感情がむらむらと立ち上り、徒労の旅芝居になっちまうんでござんす。いままでにこんなことがあったかって?いやいや、そのためにキャストもスタッフも十分に人間性を吟味して選出しているんでございますよ...でも、そんな素振り身振りを感じた時は向こうを上回る演技も必要ですね...製作者も役者の素養がないと務まりませんことよ。

終演後、役者さんと両国国技館を眺めながらちゃんこ料理に舌鼓をうちました。元大関霧島が経営しているお店です。さすがちゃんこ、刺身にしてもけた外れのある厚みと量、こんなもん毎日食べてたらどすこいになっちますばい。ちゃんこ鍋の具も然り、暫し関取気分を楽しませていただきました。「砦」に関わったキャスト、スタッフの皆さん事故もなく怪我もなく無事公演を成功させてくれてありがとう...そして、この公演に足を運んでくれた多くの皆さん本当にありがとうございました。2020年に再々演が実現できればなと思いつつ両国を後にしました。

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両国

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