トムプロジェクト

2018/05/21
【第1091回】

久しぶりに中国映画を鑑賞...「山河ノスタルジア」冒頭から、なんじゃこりゃ嘗ての日活青春映画じゃありませんかいな。ヒロインは浅丘ルリ子と笹森礼子を足して二で割った女優、男優は浜田光夫クラスではなく脇役レベルの地味系の俳優。あくまでもヒロインを立てる設定。1999年から2025年にわたる大河ドラマなのだが、何とも大味の感じ。その点も、あの日活青春映画に共通する点があるのだが、日活の荒唐無稽さがない分面白味に欠ける。
要するに全てが中途半端で、どこ観りゃいいんじゃいみたいな映画でした。おいらの記憶に残る中国映画は「ラストエンペラー」「さらば、わが愛/覇王別姫」「山の郵便配達」「芙蓉鎮」特に印象に残っている作品が「芙蓉鎮」1966年から1976年まで続いた文化大革命の時間軸で翻弄される民衆の苦悩、愛憎を描いた謝晋監督の傑作。文革が終えてまだ10年しか経ていないなか、よくぞ製作したなという思いだ。一歩間違えば拘束、思想犯として獄中に入れられる運命だったかもしれない。若い人にぜひ観てもらいたいな...今や世界に大国として君臨している中国の歴史を「ラストエンペラー」と共に鑑賞すると中国の闇を垣間見ることが出来るかもしれないな...それにしてもだ、こんな体験をしているにもかかわらず、南シナ海で国際法を無視して、人工島を建造し、空母艦を造り軍拡に邁進する中国。中国に限らず世界の指導者、歴史に学びませんな...身の保身、権力亡者ほんまにあんぽんたん揃いでござりまする。またしても、時の権力者によって民衆は右往左往させられるんでしょうかね...しっかり監視しないとあきません皆の衆。

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