トムプロジェクト

2018/06/22
【第1105回】

梅雨の晴れ間にもう一枚...このCDは西荻窪にあるjazz喫茶juhaで見つけました。この店は新宿名曲喫茶「らんぶる」に勤務してたマスターと、下北沢にあった名店jazz喫茶「まさこ」でバイトをしていた奥さんが結婚して始められた温かい店です。素朴さの中におしゃれ感覚が盛り込まれています。レコード演奏のみってところが粋ですな...だって片面だいたい平均25分だから調理しながらの盤の交換も大変だと思います。でもこのアナログ音を味わっていただきたいという姿勢に拍手を送りたい。この店のキーマカレーもなかなかのものです、そのあとの手間暇かけたコーヒーも居心地を良くしてくれます。というわけで、この店にあった小冊子に「Moment」が紹介されてました。曲も聴いてないのに、早速注文するところがおいらの直感と言いますか迅速な行動力ですな...一時はなかなか入手困難なCDだったらしく検索して即注文しました。針を落とすと...と言いたいところだが残念ながら小さな円盤です。1曲目から心を諫めるようなタッチのピアノ音。ウクライナのピアノ・トリオ「キエフ・アコースティク・トリオ」が残した唯一の1枚です。静謐な中にも、人生の様々な記憶を思い起こさせてくれる至極の8曲が心豊かな気分にさせてくれます。ジャケットも霧が立ち込める雨のハイウェイの写真、この季節にお似合いです。前回紹介したアルバムと共に梅雨時最強の2枚となりました。交互に聞きながら、グアテマラフレンチの豆を挽きながらのコーヒーの味も格別です。この至福の時間こそ、おいらの最高の贅沢です。

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静謐

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