過去の作品 一人芝居
一人芝居三本立興行
麗しき三兄妹
【作・演出】水谷龍二
1999年6月29日～7月4日【初演】シアタートップス
【出演】有薗芳記 渡辺哲 西牟田恵
2002年7月4日～7月7日【再演】カメリアホール
【出演】渡辺哲 酒井敏也 麻乃佳世
昭和20年後半から30年代にかけて、九州、博多の町にはいくつかの三本立の映画館
があった。30円を握り締め、小便臭い客席で石原裕次郎、小林旭、宍戸錠の日活アク
ションを、片岡千恵蔵、中村錦之介、市川歌右衛門の東映時代劇を食い入るように見
た記憶がある。
映画と野球が少年にとっての宝物であった時代の話である。
何故、三本立てであったのか？
一本立てが高級料理とすると三本立ては、さしずめチャンポンといったところか......
いろんな具が入り乱れ、食後の満腹感は十分に手応えを感じさせてくれる。
まだまだ貧しかった時代には、なかなかタイムリーな企画であったと思う。
今回の企画は、風間杜夫一人芝居「旅の空」で作・演出を依頼した水谷龍二さんとの酒
の席で決まった。水谷さんも北海道の映画間で、ボクと同じ思いで三本立映画に夢中に
なっていたのではなかろうか......。
一人芝居を数多くプロデュースしてきた私にとって、今回の企画は、少年時代に手にした
おまけ付のグリコみたいなものだ。
ドキドキ、ワクワクしながらおまけの箱を開くと、なんと、芳記・哲・恵の＜麗しき三兄妹＞
が肩を寄せ合いながら入っているではないか...
手前味噌だとは思うが、なんとも幸せな気分にしてくれるお得な企画である。
― プロデューサー 岡田潔 ―
