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初演: 1997年11月7日〜16日 
シアタートップス

つかこうへい時代の風間杜夫の舞台は、まさしくキラ星のごとく輝いていた。「熱海殺人事件」「蒲田行進曲」等々、新劇でもなく、アングラでもないこれらの舞台は、当時の若者の心情を見事に捕らえて離さない傑作であった。もちろん、少年の面影と、青春の光と陰、そして俳優としての色気を持ち合わせていた風間杜夫の存在があったことは、誰しもが認めているところである。舞台役者として出発した風間杜夫が、その後映画、TVで活躍していく過程は、いまさら説明する必要がない位の役者ぶりであった。
俳優として旬の時期である風間杜夫が、満を持しての一人舞台。演劇ファンのみならず、今まで芝居に縁が無かった人をも劇場に足を運ばせるビックイベントではなかろうか。
そんな舞台を仕掛けるのが、作・演出の水谷龍二。現在、芝居、TVで活躍中の作家、三谷幸喜の師匠であったことは有名な話である。今は亡き三波伸介を主人公にした人情ドラマは人間の機微、庶民の哀感を見事に謳いあげた作品として高い評価を得ている。その後数々の作品を創ってきた水谷龍二が、いよいよ本格的に舞台に参入してきたのである。ここ二、三年の水谷龍二、作・演出による「星屑の町」シリーズは、水谷ドラマの集大成と言えるのではなかろうか。ラサール石井、小宮孝泰、太平サブローらのコーラスグループが織り成す人間模様は、笑いあり、泣きがあり、ラストに向かうドラマツルギーは、新しい人間喜劇の誕生ではなかろうか。水谷龍二の人を見る視線の優しさ、悲しみは、観る人の心の襞まで深く浸透していく。
水谷龍二が今回の風間杜夫に託したのは、ある日、突然記憶喪失者になった中年男の話である。記憶喪失によって引き起こされるオカシサ、カナシサ、ペーソスを、いかように風間杜夫が演じるか?興味は尽きない。老若男女がともに楽しめる一人芝居がまさに開幕しようとしている。

作・演出 水谷龍二
美術 松野 潤
照明 五十嵐正夫
音響 原島正治
舞台監督 松本仁志
宣伝美術 吉澤正美
宣伝写真 平松真次
プロデューサー 岡田 潔
協力 オフィスカザマ



 
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