東おんな……夫の浮気で離婚した嫁。
   
京おんな……浮気を理由に家を飛び出した姑。

奇妙な二人の生活、奇妙な世代を超えた女の関係、その先に……。
【あらすじ】
東京都内にあるマンションの五階の一室に住む藤城里佳(冨樫真)。部屋には最近別れた夫の荷物が残っている。京都の家を飛び出した元夫の母みどり(岡本麗)が、ある日突然部屋にやってきた。里佳の私生活に遠慮なく介入してくるみどり、そして奇妙な同居生活が始まった。 「嫁」と「姑」という世間的役割を演じ合っていた女二人が、離婚によってその枠をはずされた後、30代と50代の女としてどう向き合うことになるのか・・・。絶妙な会話のやりとりが笑いを誘い、その中に女たちの今日的な主題が展開する。
岡本 麗 プロフィール

長崎県出身。劇団俳優小劇場付属養成所を経て、舞台・テレビ・映画・CMなど多方面で活躍。松金よね子、田岡美也子と「グループ る・ばる」を86年に結成し、20年近く話題作を上演し続けている。テレビ朝日『はぐれ刑事純情派』シリーズ、TBS『輪舞曲』『病院
冨樫 真 プロフィール

仙台市出身。98年、映画『犬、走る』(崔洋一監督)でヒロインを演じ、高崎映画祭最優秀新人女優賞受賞。『閉じる日』(行定勲監督・主演)『マブイの旅』(出馬康成監督・主演)などにも出演。舞台では、蜷川幸雄演出『十二夜』で主演バイオラ役、世田谷パブリックシアター『リア王の悲劇』、トム・プロジェクト『子供騙し』『カラフト伯父さん』『夕空晴れて』など
◆演出 田村孝裕 →ONEOR8
「嫁と姑」という関係は、未婚の私のとっては未知のものである。ただそれを母と祖母という関係に置き換えた時、会えば必ず笑顔を絶やさなかった二人を思い出す。その不自然さに幼心に違和感を覚えた。あの笑顔の裏で何を思っていたのか、そこにはたくさんのドラマがあるような気がした。「嫁と姑」はあらゆる人間関係の中でも特殊だ。その関係を踏み越えた先が、この物語にはあると思う。だから、やりがいがある。願わくは亡くなった祖母にも見てもらいたかった。
田村孝裕 プロフィール

東京都出身。98年舞台芸術学院を卒業後、同期卒業生9人で劇団ONEOR8(ワンオアエイト)を旗揚げ。以後、劇団の全作品の
作・演出を手がけ、年2〜3回のペースで公演をしている。人間の本質を優しく見つめた作風は、多くの人の共感を得てその評価も高く、最近は、ラサール石井プロデュース『なかよし』など劇団以外の作品の作・演出を多数手がける。また、テレビドラマの脚本や出演など活動の幅を広げている。
◆作 ひょうた
思いがけず賞をいただいた戯曲が思いもよらず舞台化の運びとなりました。しかも、スタッフ、キャストともに手練のプロの手によって。自分の書いた場面はどう表現され、二人のおんなはどんな姿を見せてくれるのか?そして観客のみなさんの反応は?期待も不安も100%です。ジョークは気前のいいケーキバイキングのように盛り沢山にご用意しました。どうか、みなさんのお気に召しますように。それが今の作者の「思い」なのです



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