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昭 和 の 時 代 の 確 か な 人 の 温 か さ を 描 く ヒ ュ ー マ ン ド ラ マ
                                                   

                                                 
作・演出/東憲司
                   出演者/たかお鷹 松金よね子 冨樫真 岸田茜 清水伸

  

   




 
introduction
 


昭和30年前後の九州博多の町には文化があった。
石炭景気、映画、そして西鉄ライオンズ。戦後の焼け跡の中から、博多の町が生み出す明るさの中で、庶民は逞しく生活をエンジョイしていた。
末広長屋に住む人々にもいろんなドラマが刻まれていく。

昭和の時代の確かな人の温かさが、平成の混迷社会に警鐘を鳴らすヒューマンドラマ。
 

― 初演時劇評 ―    
登場人物は新聞配達少年(たかお鷹)、鉄工所のおばちゃんスズエ、旅館の風呂焚きトモ、朝鮮人の少女ヒロコ、赤線遊郭の娼婦ユカリ。時は昭和32年、33年。この時代には西鉄ライオンズが快進撃を続け、日本シリーズで奇跡の逆転優勝を遂げた背景がある。この五人も熱狂的なライオンズファンである。作者はライオンズと博多に関する資料を活用して当時の流行語も交えながら、少年を中心とした軽妙な会話を展開する。舞台の進行につれて人物たちの人生が分かるようになるセリフ運びは巧みである。それぞれの幸せになるルールが見えない実人生の現実に対して、プロ野球の世界は、プレーする選手はもちろん、観戦するファンたちにとっても、先にあるルールに基づいて展開する明るい現実である。たかお鷹の強いて少年らしくない演技がよかった。

テアトロ2009年11月号 蔵原惟治 劇評より抜粋


2009年8月撮影



 
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