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『特権階級のセクト主義とイデオロギーの演劇に抗し、あくまで一般庶民のための格調ある舞台を創造する。この信念は終生、変わることがない』 これは1996年に93歳でこの世を去った劇作家、北條秀司が生涯貫いた劇作精神である。この庶民に対するあくなき愛情が、どの作品にも色濃く表れている。高いところから見下ろすのではなく、同じ人間の目線で見つめつづけた作家の洞察力は確かで、こんな時代だからこそより強い有効性を感じる。 この作品は、1961年に東宝劇場で上演された戯曲である。この作品はタイトルが示すように狐と狸の化かし合い。人間の際限ない欲望を喜劇タッチで描いた傑作を、ナンセンスな笑いとポップな感覚で現代の演劇シーンをリードする「ナイロン100℃」を主宰するケラリーノ・サンドロヴィッチが見事に平成の世に甦らせた。 総勢13名の役者たちが舞台を縦横無尽に駆け回る。
KERA(ケラリーノ・サンドロヴィッチ) プロフィール

1982年、ニューウェーブバンド・有頂天を結成。並行して85年に犬山イヌコ(当時は犬山犬子)、みのすけらと劇団健康を旗揚げ。 92年の解散後、翌93年にナイロン100℃結成。(現在も活動中)99年「フローズン・ビーチ」で第43回岸田國士戯曲賞を受賞。以降、数々の演劇賞を受賞。近年、舞台活動では劇団公演に加え、外部プロデュース公演への参加も多数。また、映画・テレビドラマの脚本・監督も手がけるなど多方面で活躍中。



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