なんともいえない「間」で、観客に笑撃を与える…。
 このお芝居を観て禁煙する人はいないかもしれませんが、
 このお芝居を観て笑う人はいると思います。


チェーホフが生まれたロシアにて公演を成功させた!!

京乾電池は91年に初めて新劇の古典、チェーホフの「かもめ」を取り上げ、以降「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」「桜の園」と4大作品を上演して、当時のチェーホフ・ブームの先駆けとなり、またとかく深刻に悲劇的に解釈され、演じられがちなチェーホフ作品を、本来の人間喜劇として上演し、人気を集めました。そして93年に初めてのひとり芝居の試みとして、本作品を柄本自身が構成、演出して上演し、好評を博しました。その後再演を重ね、息の長いレパートリーとして、各地での上演を続けています。<br>
チェーホフの原作は上演時間20分程の短編ですが、柄本版では他のチェーホフ作品を部分的に取り入れ、またあらたに書き加えて、1時間ほどの風変わりなひとり芝居を作り上げました。柄本はナンセンスで奇妙なユーモアに溢れたこの作品の中で、実にリアルな人間性、一人の人間の人生を見事に浮かび上がらせています。<br>
独自の芝居作りに打ち込んできた中で、鍛え抜き、熟成してきた舞台俳優・柄本明のナマの魅力を、存分にお楽しみ下さい。





  柄本明プロフィール
1948年、東京都銀座出身。幼少より映画大好きの両親、家族に囲まれて映画漬けの毎日を送る。74年「自由劇場」に参加、76年に退団後、ベンガル、綾田俊樹らと共に「東京乾電池」を結成。既成の演劇の枠を越えたユニークな舞台で圧倒的な人気を博し、常に最先端の演劇を求めて、50回に及ぶ公演を重ねる。近年は外部出演も多く、『浅草パラダイス』では中村勘九郎、藤山直美との三枚看板で主演し、水谷八重子、波乃久里子ら新派勢とも共演。『ガリレオの生涯』ではガリレオを演じて麿赤舁らアングラの大御所とも共演し、好評を博した。 映画では『セーラー服と機関銃』『天城越え』『道頓堀川』『男はつらいよ』『疑惑』『キネマの天地』『Shell We ダンス?』ほか多数に出演。『空がこんなに青いわけがない』では初監督も務めた。97年度カンヌ映画祭グランプリ受賞作『うなぎ』に出演後、98年同映画祭招待作『カンゾー先生』に主演し、日本アカデミー賞はじめキネマ旬報、日刊スポーツ、報知映画賞など各賞の最優秀主演男優賞に輝く。2004年には『花』『ドッペルゲンガー』『座頭市』にて第58回毎日映画コンクール 男優助演賞を受賞。現在も数多くの映画、テレビにひっぱりだこで、多忙を極める怪優である。
 

TV・映画・舞台で何故か気になる俳優、柄本明。彼が居るだけでニヤリと笑ってしまう。彼の表情は千変万化。卑屈な人間から政治家、医者まで様々な人物を演じ分ける怪優。 そんな彼が傾倒する劇作家チェーホフに挑戦状を叩きつけた。というよりも、よりチェーホフの世界に接近しようとした芝居なのかもしれない……。 柄本明の演技は、どんな役柄も自分自身に引きつけるところに特徴がある。 そういう意味では、柄本明を通して役を見るという面白い現象が生じることとなる。彼の笑いのツボにはまると、たちまち柄本ワールドの虜になることは間違いない。今まさに、心身ともに充実した時期を迎えた柄本明。誰にも邪魔されないひとり芝居で、たっぷりと楽しみたい!

  バック