【第315回】
先ほど、紀伊國屋書店より第46回紀伊國屋演劇賞の発表があった。トムプロジェクトでも、ここ数年作・演出を依頼している中津留章仁氏が個人賞を受賞した。彼と出会って14年になるかな?当時の彼は大きな身体に、大きな目ん玉、そしてなによりも演劇に対する飽くなき情熱と探求心を持ち備えていた。そんな彼に劇団を作りガンガン芝居することを勧めたことを良く覚えている。紆余曲折があったとは思うが、彼の才能が遂に花開いた気がする。
しかも、今年は震災、原発という未曾有の出来事が起きニッポンの国自体に刃が突きつけられたにもかかわらず、敢然と演劇のチカラを信じて、2本の震災関連の芝居を立ち上げ、観客に深い感銘を与えた。最初の1本は震災1ヶ月後に初日を迎え、その生々しさと共に、命の大切さを、まざまざと見せつけた。その勇気と演劇人の気概を大いに評価したい。
今回の受賞も到達点ではなく、これからの彼の新たな演劇活動の出発点だと思っている。
おめでとう中津留君!
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