【第319回】
はや12日、もう正月ではありません。いつものようにいつもの気合いでお仕事に励んでいます。震災後10ヶ月経ったのに復興という言葉が虚しく聞こえ、流れてくるニュースは疲れ切った被災地の人達の顔。その中で、明るく前を向いて生きている人達の子供、漁師、農業者の表情はこれからの日本の希望です。正月休みにやっていた「男はつらいよ」寅さんシリーズ。初期の作品には、日本各地に生活している人達の哀感が見事に日本の美しい風景とマッチしていて素敵な人間ドラマになっていました。渥美清演じる寅さんは主役なんですが、庶民と地方を繋ぐパイプ役として絶品でした。人間にとって自然と、ごく普通の日常が、いかに尊いものであるかを、これらの作品は、さりげなく教えてくれた気がします。ここに戻れば、日本も大丈夫なんだが…数日前観た黒澤明「生きる」何度観てもいいんだな…登場する役者の存在感というかリアリティ説得力が、今のペラペラ俳優とは月とスッポン。志村喬はもちろんだが、伊藤雄之助のあの演技はなんだ!こんな作品を観ながら、やはり役者も時代が創りあげるもんだと再確認。そのためにも、クニャクニャこんにゃく日本列島なんとかせないかんですばい!
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