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【第501回】


現在公演中の「青空…!」は東京下町の両国…昨日も、大きな体で今にもチャリンコのタイヤがパンクしそうな風情でペダルを踏んでるお相撲さんを見かけました。器用にも手には携帯、耳にはヘッドフォン、これも時代の流れでしょう。ここ両国は国技館の他、赤穂浪士が討ち入りした吉良邸跡、回向院など見所たくさんの人気スポットでもある。勿論、ちゃんこ鍋屋も数多くあり、食い道楽の者にとっても魅力的な街である…
昨日は千葉で公演している「百枚めの写真」に出演している若手俳優の向井康起、森川由樹が昼の公演後、両国の劇場までお手伝いに来てくれた。連日の公演で疲れているはずなのに感心な若者達である。ここは彼らの好意に応えなくちゃ!ということで両国で130年の歴史を持つ鰻・蒲焼「両国」に連れて行きやした。いやいや、歴史そのものでした。炭火で鰻を焼いているおじさんの団扇の手の捌きに感動いたしました。遅からず、早からず、手首の微妙な動きから、あの表面カリッ、中フンワカの焼き上がりを生み出すんでしょうね。まさしく匠の技でございました…それにしてもちょいと暑くないかい?しかし冷房効き過ぎの涼しいところで鰻食べるのも絵になりませんな…じんわりと汗を掻きながら食べるのが江戸っ子だい!との演出なのかな?と思いつつ天井の空調機を見上げると、これも確かに歴史を感じるシロモノでした。どちらでもいいじゃないの、口の中でじゅわぁ〜と拡がる鰻の感触を味わえる日本人であることに感謝!感謝!でございます。
それにしても、あまりにも鰻獲り過ぎ、食べ過ぎ、心配ですな…店を出るときに三代目、四代目の親子の表情もなんとなく不安気でした。頑張れ「両国」といっても、肝心の鰻がねえ…おいらもちょいとばかり傾向と対策考えてみますがねえ。

 




うなぎ焼いて50年

 

2013/8/23  岡田潔