バックナンバー第502回

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【第502回】


「青空…!」東京公演無事千秋楽を迎えることが出来ました。公演場所であった両国シアターX(カイ)文芸部三村さんから、月刊シアターΧ批評通信のインタビューを受けたのですが、この劇場の芸術監督・プロデューサーである上田美佐子さんの入場料¥1000断行の話には驚いたというより、上田さんの演劇に対する志の高さに拍手を送りたい気持ちになりました。
上田さん曰く、「動機は入場料の低料金化が目的ではないとのこと、3.11以降、地球汚染を引き起こしながら、修復を抛棄しっ放しのこの国の悪政と欺瞞行為とに対する、演劇創造者達が立ち向かう憤りの様が、死ぬほどイージーなこと…試行錯誤もなしに創られる作品の質の低下などなど…」そして、上田さんは観客にも刃を突きつけています。
「いつまで、今みたいな“安楽生”謳歌の演劇ごときに大金を支払うつもりですか?それは怠慢、堕落です。」
いやいや、上田さんの仰有る通りです。この今の、忘却の民の集合体日本、誰かが問題提起しない限りボロボロになっちゃいます。どんな作品にも、社会に対する批判的な視点、命の尊厳、平和、環境などなど…創る側に志の高さがないと、お客に観せることが出来ないはずです。
次回公演は、中津留章仁作・演出「裏小路」。心してかからねばなりません…

 




腹さすり、ごっつぁんです!



回向院、鼠小僧次郎吉の墓

 

2013/8/26  岡田潔