2012年に初演を行い好評を博した本作!2年半ぶりに再演が決定!




山間の天狗伝説がある村で起こる、家族の絆と民話が重なりあう物語
作・演出

 東 憲司

出 演

 村井 國夫
 山崎 銀之丞
 藤澤 志帆
 岡本 麗

 【初演時舞台写真】

【introduction】

満月の人よ…満月とは天狗の意味である。
神隠しは天狗の仕業と云う説がある…
家人を遥か彼方に連れ去る。
古今東西にある伝承だ。
ここにひとつの家族がいる。
かつて天狗に母親をさらわれた家族。
が、父親と息子は泣かなかった…それどころか嫉妬した。
どうして天狗は母親を選び、自分達を選ばなかったのだろうと。

年月が流れた…天狗にさらわれた母親が帰ってきた。
そして今…彼らの奇妙な生活が始まる…。

僕は福岡の田舎で生まれ、そこで育ちました。田んぼや山に囲まれたのどかな場所です。
その場所が紛れもない、僕の原風景です。僕のお芝居の舞台は、そんな場所が物語の場所となります。 経済成長に取り残され、人口も減ってゆく…若い人達は未来を求め、都会に出てゆく。そこに残った家族はその場所で静かに生きてゆく。

今回の物語は天狗伝説、神隠しの云われのある場所。
天狗に怯え、天狗を愛しながら、脈々と此所で暮らしてきた…でも年月と時代の波にのまれ、その風習も消えうせそうな…その中で育まれる人間の絆の物語です。
天狗を信じる家族…なんと豊かで、優しい人々。きっと暖かな人間性が地方都市にはあるのではないでしょうか。

僕は演劇を志し東京に出ました。故郷の福岡、福津市に帰る度、山々や川、海に心癒され、刺激を受けます。 あの子供の頃の見慣れた風景がなんと優しく、暖かであるか再認識するのです。
そんな思いをこめて、この『満月の人よ』を書きました。…この公演をご覧になったお客様が、故郷を素晴らしさを、そして自分の子供の頃の風景を思い出してくれたなら、こんなに喜ばしいことはありません。

『満月の人よ』…ちょっとおかしく、哀しく温かい人間ドラマにご期待下さい。

                                                                  作・演出/東憲司


村井國夫プロフィール


佐賀県出身。俳優座養成所15期生。歌える演技派として、ストレートプレイからミュージカル、大劇場から小劇場でどんな役でも、どんな空間でも見事な存在感で躍動感と深みのある芝居を見せる。
近年の主な舞台作品は「シスター・アクト」、「今度は愛妻家」、「モンテ・クリスト伯」、「秘密はうたう」、「ハムレット」、「ニューヨークに行きたい!!」、「エリザベート」、「キャンディード」など。また、声優としても活躍しており、インディージョーンズやスターウォーズを始め、ハリソンフォード等の吹き替えも担当している。


山崎銀之丞プロフィール


福岡県出身。86年より地元のRKBラジオパーソナリティを務め、人気を博す。一方、自らの劇団「劇団空想天馬」を旗揚げ。91年、つかこうへいにその高い演技力が認められ上京。現在までに数多くの舞台やドラマに出演。代表作にTBS系「3年B組金八先生」第5シリーズ〜第8シリーズ、NHK「八重の桜」(2013年)などがある。舞台「熱海殺人事件」シリーズ主演、「蒲田行進曲完結編 〜銀ちゃんが逝く」主演。


藤澤志帆プロフィール


東京都出身。安定した演技力でテレビ、映画、舞台と幅広く活躍。銀座博品館「あの頃のまま」(ブレッド&バター・平川地一丁目 他)ではヒロインとして出演。ミュージカル等での歌唱力や持ち前のアクションにも定評がある。主な出演作に映画「サヨナラCOLOR」(竹中直人監督)、テレビ「こちら本池上署」(TBS)「連続テレビ小説 わかば」(NHK)「新・風のロンド」(CX)、舞台「アルプスの少女ハイジ」「ゴースト」「タイム・フライズ」「だいだいの空」「案山子」など。トム・プロジェクト所属。

岡本麗プロフィール


長崎県佐世保市出身、福岡県飯塚市育ち。数々のテレビ、映画、舞台に出演するベテラン女優。国民的人気ドラマ『はぐれ刑事純情派』の田崎刑事役として長年活躍した。舞台では演劇ユニット“グループる・ばる”を結成し、松金よね子、田岡美也子とのトリオで、長年に渡り良質な作品を発表し続けている。主な舞台作品は「躾」「ポテチ」「金閣寺」「ダブルアルバム」「片付けたい女たち」など多数。トム・プロジェクトでは「たたかう女」「東おんなに京おんな」に出演。

  【初演時劇評】
秀作が続いているトム・プロジェクトがまたひとつ好舞台を作りだした。「満月の人よ」は、夫婦・家族の絆、人間同士の絆を温かい眼差しで描いている。土地の伝説を巧みに取り込む東だが、今回も天狗伝説を道具立てに、歯切れの良い九州弁を使い、シンプルだが、心温まる舞台に仕上げた。四人の役者がしっかりと絡んで、緩まない。特に村井が人の良い達吉を自然に、そして柔らかく演じて、見事だった。満月の中、屋根に登り、もう二度と大切な人を連れて行くなと叫ぶラストシーンは達吉の二十七年間の深い寂しさとともに、愛しい人と一緒にいる事がどれほど大切かが切々と伝わってくる。

(テアトロ2012年12月号 丸田真悟 劇評より抜粋)

美しい詩情に満ちた舞台だ。しかも全編、ユーモアに溢れている。「満月の人よ」とは、満月の夜に現れるとされる「天狗」のこと。「天狗の里」といわれる寒村の人里はなれた一軒家が舞台で、この息子が久しぶりに帰ってみると、幼児期に「神隠し」にあったと教えられてきた母親が二十七年ぶりに戻ってきていた、というのが冒頭。調子がよく物にこだわらない妻と、鷹揚で底抜けに人が好い夫の、岡本麗と村井國夫のコンビが絶品だ。ことに村井。「天狗」を本当に演じているのかいないのかも定かではないが、「天狗」を心から必要としている男を演じて見事だった。

(悲劇喜劇 2013年3月号 七字英輔 劇評より抜粋)


  【初演時アンケートのご紹介】

九州弁のテンポのよさに引き込まれました。東京出身の私にとって"ふるさと"がどのようなものか、本やテレビ舞台からしか知るすべがありませんが、ひととき"ふるさとに帰る"とはこんな心の洗濯が行われることなのかなと思いました。 心が洗われると素直に楽しい嬉しい気持ちが表れてくるのですね。 
- 女 性 -



こんなに笑える舞台だと思っていなかった。良い意味で意外だった。懐かしい家の風情、響く音、大きな月、どれも良かった。シリアスになる一方、穏やかなエンディングにホッとした。 
- 50歳 女性 -



とても楽しく、また感銘(人間愛の)を受けました。熱演ぶりも嬉しく拝見しました。ありがとうございました。 
- 68歳 女性 -



お天狗様をテーマに話がこんなに広がるとは、芝居は本当に楽しいですね。
村井さんの深みと温かみのある演技が良かったです。岡本さんに明るさを頂きました。 
-54歳 女性 -



ユーモアがあり、感激してとても良かったです。主人と観に来れば良かったと思いました。ありがとう! 
- 60歳 女性 -



期待してなかったので、すごく良かったです。自然体に中に入りこめて空気を共有できて。
俳優さんが上手な方ばかりだから、たんたんと良い空気がでていた。また観ます! 
- 60歳 女性 -



ほわっとした気持ちになりました。温かい家族愛に沢山癒されました。九州弁もすてきでした。
いっぱい笑顔になれました。ありがとうございました。 
- 31歳 女性 -



三十年来の演劇ファンです。円熟した演技は安定感と安心感があり、観る側が楽しく気分よく観れて良いです。 
- 50歳 男性 -



久しぶりによい演劇をみて感動しました。心温まる思いです。 
- 73歳 男性 -



人間の生活と民話を絡めてとてもストーリーが上手に出来ていた。とても楽しめました。
- 61歳 男性 -



チラシのプロットを読んだとき、もっと深刻な話かと思いましたがとても面白かったです。満さん、とても感情移入してしまいました。彼女のその後が知りたいです。家族のその後も...。素晴らしい時間をありがとうございました。 
- 48歳 女性 -


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