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演劇のエンターティメントとしての面白さを見せてくれた。いくつになっても夢を追い続ける登場人物に、
安心して、笑って泣ける舞台だ。
テアトロ2006年9月号 劇評 丸田真 初演時の劇評からの抜粋
ものがたり

とあるダンススタジオ。かつては多くのダンサー、ミュージカル俳優を輩出していたが、主宰者の早川美知子が急逝してからはさびれ、今は美知子の教え子だった3人の女性が細々と素人相手に運営している。亡き主催者の夫で現オーナー早川慎之助(風間)は、かつて小さな劇団を主宰し、長年演劇の世界に身を置いてきた自称「知る人ぞ知る」、実はほとんど知る人はいない、という男。
昔も今もダンススタジオに食わせてもらっているという状態だが、卑屈さもなく、傲慢で傍若無人。しかし憎めない性格の慎之助は、3人の女性達を育ててやっている!という妙な自信に満ちている。スタジオに通ってくる、夢の叶わなかった男たち。そして3人の女性の本音。閉ざされた空間で複雑に絡み合い、それでも微妙な均衡を保って、彼らは居心地の良いスタジオから抜け出せずに暮らしていた。ところがある日、早川と美知子の息子だ、という青年(伊達)が突然現れ、彼らの世界は大きく変化していく…

風闢m夫 プロフィール

1977年からつかこうへい作品に出演、「熱海殺人事件」「蒲田行進曲」などで舞台俳優として熱狂的な人気を得る。その後「スチュワーデス物語」等、テレビドラマ、映画でも欠かせない存在となる。また、大好きな落語にも真摯に取り組み、近年では噺家としても一目置かれる稀有な俳優。 2003年「ひとり芝居三部作」の公演で、「文化庁芸術祭賞 演劇部門 大賞」「読売演劇大賞 最優秀男優賞」を受賞。演劇界を支える名優である。本作品の初演(2006年7月紀伊國屋ホール)には、長谷川康夫とのタッグ復活に多くのファンがつめかけた。自身が体験してきた「口立て」による演出や豊富な経験を、若い俳優達に伝えたいという想いが込められている。

伊達 暁  プロフィール

「阿佐ヶ谷スパイダース」の旗揚げより、長塚圭史作品の中心的役割を担う。鍛え抜かれた体と、特徴のある独特の声、奥深く幅の広い心理描写に定評がある。舞台・映画・ドラマと活躍の場を広げている。阿佐ヶ谷スパイダースの前公演「イヌの日」では、激しい狂気の裏に秘めた愛憎を演じ、犯罪者の心理に深く迫った伊達が、今回ははにかんだ笑顔、ユーモア溢れる笑いを交えながら、青年の複雑な想いを好演する。(舞台)「エビ大王」RUP、「腑抜けども悲しみの愛を見せろ」劇団、本谷有希子、「胎内」青山円形劇場+ゴーチ・ブラザーズ共同プロデュース、「セルロイド」演劇企画集団THE・ガジラ (TV)「僕の魔法使い」水田伸生監督、「おいしい殺し方」ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督 (映画)「容疑者室井慎次」君塚良一監督、「ユビサキから世界を」行定勲監督

長谷川康夫 プロフィール

1953年札幌市生まれ。早稲田大学在学中より、劇団つかこうへい事務所に所属。劇団解散後はテレビ、コンサートなどの構成、演出を経て、86年の初の書き下ろし演出作品「いちどだけ純情物語」より劇作・演出に専念。以後「少年日記をカバンにつめて」「とりあえずロマンス」「夜明けの花火」「フレンズ」などの多数の作品を発表。また、90年からは活動の場を映画にも広げ「君を忘れない」「ホワイトアウト」「ソウル」「卒業」「深呼吸の必要」「亡国のイージス」「幸福の食卓」などの脚本、「バカヤロー!3」「恋は舞い降りた」の監督作がある。

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