【作・演出】東憲司
【出演】川島なお美 冨樫真 真山章志 大西多摩恵
2010年9月28日~10月3日【再演】
赤坂レッドシアター
時代に翻弄されながらも、奇跡を起こそうとした逞しい女達の物語
戦後の時代をたくましく生きた人達をユーモアたっぷりに描く、おかしくも切ない悲喜劇。
劇中、登場人物たちは繰り返す。あの戦争を進めた日本人は「愚か」で「あんぽんたん」
だったと。
作・演出は劇団桟敷童子を主宰する東憲司。その作品の多くは、出身地である福岡を
舞台に、自分の過去や社会に対して傷を持つ者が、その出来事に対面し、それでも生き
ていくという普遍的なテーマを持っている。
ウエットな作風でありながら、ラストはダイナミックな大仕掛けの演出により「生」への渇望
みなぎる力強い東の作品は世代を超えて幅広い支持を受けている。
今回はいつもの大仕掛けを封印し、人間の心の葛藤に焦点をあて掘り下げた。新たな新境地を開いた作品である。
【あらすじ】
戦後間もない1946年、多くの引き揚げ者でであふれていた博多の街。
復員してきた松尾大吉が妻・弥生の元に帰ると、そこには二人の女・番場と小梅が居候していた。
弥生たちは大吉が死んだものと思い込み、すでに葬式も済ませていた。
さらに弥生が本当に待っていたのは戦争のどさくさで結婚してしまった大吉ではなく、番場の息子・裕介だったことが判明する。
鬼灯に囲まれたその家で、大吉、弥生、番場、小梅はそれぞれの思いを抱えながら共同生活を始めるのだった......