トムプロジェクト

2020/08/12
【第1374回】

乗客、乗員520人が亡くなった日本航空のジャンボ機墜落事故から今日で35年が経ちました。このニュースは本当に衝撃的だった。お盆の時期、東京~伊丹に向かった日航機が墜落するなんて誰が思ったであろうか...当時、人気絶頂であった歌手の坂本九さんも犠牲になった。この日テレビで流れた救出の様子も生々しいものであった。救出された少女はその後マスコミに登場することなく、静かにその後の人生を過ごしているに違いない。うるさいマスコミから逃れるのも難儀であったであろうと推察する...大変な時代になったものである。スキャンダルを求めて鼻をクンクンさせながら汗水垂らすことが生業と言え、いまいちスッキリしない。これじゃ、全ての分野において大物は育たない気がします...野人なんて言葉があります。田舎者、粗野な人、または無粋な人のことを指すようだが、昔はこんな人の中から世のリーダーが育った気がします。この窮屈な社会から未来を背負って立つ子どもたちを放牧しておくれといいたいですな。

10日に香港国家安全維持法違反の容疑で逮捕された民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏、香港紙創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏が保釈されました。まだまだ油断は出来ませんが、世界の言論弾圧の抗議の嵐に、さすがの中国も手を緩めるしかなかったのではと思います。言論の自由のない国は国ではありません。言論を封殺する国には未来はありません。

今日は、坂本九さんの「上を向いて歩こう」を歌ってみよう♪

明日から16日までお盆休みです。皆さんも有意義なお休みをお過ごしくださいね。

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8月の夕暮れ

2020/08/11
【第1373回】

休み明けの新宿の街を歩いていると、身体が溶けちゃいそうです。それにコロナの恐怖ですからたまりませんばい...特に最近は、20代、30代の感染者が増大してるので、マスクもしてない、お兄さん、お姉さんが近寄ってくると、お~怖でございます。まあ、ぺらぺら良くお喋りしてますから怖さますますヒートアップ。さすがに、街中に年配の人は少なくなりましたね。今日の暑さでは熱中症でぶっ倒れてしまいます。昨日も夕方、家の近くを散歩してたら救急車と消防車が飛んできて何事やかと思ったら、おばあちゃんが道ばたで倒れていました。意識はあるので大丈夫だと思いますが、多分熱中症でしょう。この熱中症、部屋の中でも発症するんですから気を付けなきゃね、おいらはあんまりクーラー好きではないので、ついつい扇風機で涼んでいると、気がついたときは救急車の中なんてことになっちゃいますから...

8月6日(広島)9日(長崎)、今年は原爆を投下されて75年目を迎えました。迎えたなんていい方も可笑しいかな、勝手に落としたんだから...おいらも昨年は長崎に行って来ました。あの地獄絵図を75年間、世界の人に見せつけても何ら変わらない処か、ますます核による抑止という構図は拡大しています。被爆者の高齢化による直接の訴えは減少の一途を辿っています。この唯一の被爆国からの訴えの矢は届くことなく空しく消え去っているなんて考えたくないのだが、現実は厳しいものがあります。世界をリードする指導者がトランプ、プーチン、習近平じゃ仕方がありませんな。でも、残されたものが語り継ぎ、NOを言わねばならないと思います。それが残された、そして存在しているニンゲンの責任です。

香港然り、自由と平和が無くなったときは世の終わりです。自由と平和を維持し守るのは一人一人の日頃の心の鍛錬でしかありません...対岸の火事なんて思ってると大変なことになっちゃいますぞ。

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テッポウユリ(純潔)

2020/08/07
【第1372回】

コロナと一緒に今日も又、あっちっちでございます。暑いさなかに、ふと手に思いを寄せる。生まれてこのかた一日の休みもなく、もちろん修理に出したこともなく、よくまあこき使ったものである。勿論、皺も増え汚れも目立ち、シミもあちこちに出来ている。そんな手に愚痴をこぼしちゃいけませんことよ。この手が指があってこそ何事もスムーズにいくもんでございます。手を見ると、その人の仕事が分かるくらい生活の歴史が刻まれています。工事現場の人達のゴツゴツして手も、事務仕事している人の優しい手も、アートに関わっている人の繊細な手も、どれも美しい。末端の神経が、時と場所と状況を機敏に察知して最終決断を下す、まさしく神の手である。そんな厳しい働きをさせているんですから疲弊するのは当たり前のことでござんすよ。だからこそ労り、感謝の気持ちを持ってくださいね。

そして足指も然り、手に比べ普段は被い隠され目立たない存在です。こっちだって行動の要で、これなくして生の営みはあり得ないくらいの働きでございます。おいらは毎日、風呂に入ったときにもみもみしながら「ありがとう」と呟いています。10本の指が嬉しい悲鳴を上げるのがよくわかります。外出するときも感謝の気持ちを込めて、少しお洒落な靴下を履いております。足下から「ありがとう」が聞こえてきます。

こんな時期だからこそ、己を何気なく支えてるものに思いを寄せるのもなかなかいいもんですよ皆の衆。

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8月の空

2020/08/05
【第1371回】

梅雨が明けた途端に猛暑、そしてコロナの拡大、えらい夏になってしまいましたな...こんな時は、ただひたすら我慢でございます。飲みたい酒も自宅で済ませ、なるべく人に会ってべらべらとお喋りしない。以前より自宅にいる時間が随分長くなりました。自宅のテレビで只今絶不調のライオンズの試合を苦々しく観ております。先発投手が壊滅状態、山賊打線が子猫打線になり、今年は最下位でもおかしくないという危機的状態です。そんな折、アマゾンプライムで観た「ゲーム・オブ・スローンズ」に嵌りまして大変でございます。全部観れば62時間という長丁場、おいらはまだまだ12時間くらいかな。お金をかけた大叙事詩であるのだが、人間の隠しようのない欲望がストレートに描かれているのでリアル感は半端じゃございません。これはコロナのこんな時期にはもってこいの娯楽かもしれませんな。俳優も多士済々で、おいらが関係した、あの人、この人に似てるかな?なんて楽しみ方もしております。

読書もこの時期は最適です。寝床で短編集なんかを読むと自然と眠りにつくことが出来ますね。ひとつの話を凝縮して短編にする作業は大変なことだと思います。無駄を切り落とし、すっきりした文体は読後感も気持ちがいいもんです。双葉文庫が出してる「1日10分のごほうび」なんか面白いですよ。なかでも田丸雅智さんの「梅酒/綿雲堂」ショートショートの傑作ではないかと思ってます。考えてみれば人生も短編の積み重ねでございます...これからもどれだけの素敵な短編を持てるかな?それを楽しみに、残された人生過ごしてみせまっせ!

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鳴く場所違うとちゃいまっか?

2020/08/03
【第1370回】

新宿のランチの大お勧めの「新宿割烹 中嶋」。以前は20分、30分待ちは当たり前だったのですが、外国観光客が来れなくなったのとコロナの影響で今はスイスイと入れます。ここでも何度も書きましたが¥880で新鮮な鰯料理が食べれるなんて本当に素晴らしい。刺身、フライ、煮付け、柳川鍋(¥990)どれを食べても美味なんですが、おいらはいつも刺身。丁寧に胡麻、ネギとまぶされている活きの良い鰯を生姜醤油につけ、ピカピカの白米と絶妙に絡み合い、口にした途端、ああ今日も生きてて良かったと感じる瞬間でございます。ご飯は一膳ではもったいない。勿論、ご飯もおかわり(一杯は無料)しちゃいます。一緒に附いてくるお新香がまた旨いんですわ、もちろん味噌汁も。白木のカウンターで板前さんが捌く腕前を見ながらの食事も、なかなか乙なもんでございます。先輩の板さんが、後輩に向かって発する元気な声も、嫌みではなく食に対する厳しさと礼儀を表していて、これまた気持ちがいい。こんな風景が、日毎に無くなりつつある昨今、新宿の片隅で良心的に営業してる姿に拍手を送りたい。最低でも週に一度は食べたいと思わせてくれる貴重な店でございます。

店を出ますと、目の前には最近コロナクラスターで有名になった劇場「新宿シアターモリエール」があります。入り口は固くシャッターで閉められたままです。表現者は劇場がなければ成り立ちません。コロナが終息した後には又、以前のように新宿文化の旗振りをしてくださいね!

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今日も健在

2020/07/31
【第1369回】

芝居がままならない今、芝居を始めた頃を想い出しました。今から54年前に東京で初めて観た芝居、代々木小劇場「ザ・パイロット」作・宮本研、演出・竹内敏晴、代々木にある60人入れば一杯になる倉庫みたいな空間だった。原爆を投下した飛行士の話なのだが、間近に迫る俳優の演技、見事な戯曲に、芝居って面白いだけではなく社会に訴えるチカラが半端じゃないという印象を受けた記憶がある。次に観た新宿花園神社のテント芝居、状況劇場「腰巻お仙・振袖火事の巻」は頭を金槌で殴られたくらいの衝撃があった。役者が放つ肉体の氾濫と唐十郎の詩的な台詞が相まって、まさしく1970年前後の時代背景にマッチした芝居であった気がする。そんな時代に、サラリーマンなんかやってられるかという思いと、海外放浪の旅予定が、帰りの旅費がないという理由で外務省によって拒否されたことにより芝居の世界に首を突っ込むことに相成ったという次第でございます。

芝居の持つ魅力はなんと言っても総合芸術の極致であり、生身の人間の織りなす芸ではないかと思います。そんなアートがコロナでにっちもさっちもいかない状況に陥っています。

今日も、東京の小劇場でのクラスター発生の情報が流されていました。そして遂に東京では新規感染者が463人に達しました。

なのに、国会はお休み、不思議な国です...日本はもはや国の体をなしていないことに呆れるばかりでございます。

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蜜をみっけた

2020/07/29
【第1368回】

コロナコロナの毎日でございます...正直なところ、いい加減嫌になってきましたね。一歩外に出ればすべての人がマスクを着用してるなんて誰もが予想してませんでした。たまに見かける無着用の人が普通じゃないなんて、なんだか不思議な感じがしています。目元だけしか見えないので無表情の顔がなんとも不気味でもあります。まさしく神の使いコロナは世界の既存の価値観を変えようとしています。人間の叡智が試されてるのか、驕りを気づかせようとしているのか...飲食店での団欒が無くなり消費が冷え込むと、とたんに経済が疲弊し一人一人の収入も少なくなる。考えてみれば、世の中、軽佻浮薄なご時世に乗せられ調子よく世渡りしてきた人たちに匕首突きつけたようなもんで、良かったのかもしれませんね...それだけニンゲンという生き物、鈍感で強欲な生き物ってことですね。勿論、そんなことをとっくに気づいて世のため人のために生きてる人たちも沢山います。そんな人たちに共通してる点は感謝の気持ちを常に持っているということです。そうなんです...ニンゲンの感謝の気持ちの割合が少なくなってくると、ウイルス、天災が舞い込んできます。今一度、感謝の気持ちを取り戻し「俺が俺我の我を捨てて、お陰お陰の気(ゲ)で暮らせ」なんてキャッチフレーズを思い出して欲しいもんでございます。

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サルスベリ(百日紅)

2020/07/27
【第1367回】

福岡市中央区六本松の「マッドハウスひろ」が7月24日に閉店しました...六本松の片隅で50年、ママの田和玲子さん、そして今年1月に亡くなったご主人大志さんともども時代と共に多士済々なお客に向き合いながら店を続けてきました。金儲けではなく、人との関わりから生まれる活力を自ら楽しみながら切り盛りしていたパワーに圧倒されました。おいらが初めて顔を出したのは47年前かな...貧しい演劇青年に温かい愛情をたっぷりと与えられた記憶が今でも忘れられません。あの日のママの言葉がなければ、海外を放浪し再び演劇の世界に戻ることはなかったと思います。「あなたたちのやってる演劇が世の中を変えるとよ...あんたの芝居も素晴らしい!」今思えば大した芝居もできなかったおいらに声を大にして励ましてくれたママの言葉にどれほどの勇気をもらったことか...そして、この店に来るお客の情にどれほど癒されたことか。博多に戻ることは「ひろ」に顔を出すことであり、この店のお客さんと楽しい時間を過ごすことでもありました。この店に集まるお客は誰しもママの薫陶を受けながらも、個々それぞれがユニークな個性を持っている点です。こんな人達と一献傾ける時間は、まさしく至福のひとときです。

人生は言うまでなく、何処で、誰と、どんな時間を過ごしたかによって大きく左右されます。

この「ひろ」はおいらにとって紛れもない人生の豊かさを手に入れる入り口でもありました。

50年間、お疲れ様でした...そして、ありがとう!

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おつかれさま、そしてありがとう
2020年7月15日西日本新聞にひろの閉店について記事が載りました。

2020/07/22
【第1366回】

いやいや、東京は手が付けられない状態になりつつありますな...芝居という生業も厳しくなってきました。そんななか、映像配信を頼りに様々な形でのアプローチをしている演劇界。これからの新しいスタイルの演劇を模索している姿には頭が下がります。すべての表現は人の目に触れてこそのアートです。観てもらってなんぼの世界です...おいらも何本か配信される演劇観たのですが、やはり違和感があります。勿論、色々と工夫しながらの演出も分かるのですが、今のスタイルでは映画芸術には敵いません。演劇の良さは生モノであることは紛れもない事実です。改めて、劇場で味わう役者の息遣い、演技に対しての観客の反応、一回限りのその日、その時だけに生じる生身の人間同士の交わり、なんて贅沢なことなんでしょう!と思っちゃいます。日常の生活の中で、どうしても芝居が必要であるか?なんて言われちゃうと返答に詰まってしまいますが、このアナログアートが無くなった時は、この地球かなりやばい状態だと思います。手間暇かけたものだからこそ価値があるんでございます。コロナなんかに負けてなるものか...幾多の危機を乗り越えて尚、世界に存在感を発揮し続けた舞台芸術、必ずや皆さんのもとに安心してお届けできる日が来るに違いありません。

明日から4連休、都知事も政府も自粛の掛け声ばかり...具体的なことやってくだしゃんせ!と思ってる人たくさんいると思いますが迷走国家はあてになりません。何度も言いますが自分の身は自分で守るしかありませんということですな。こんな時にしかできないことを楽しみながら明日からの連休をお過ごしください皆の衆。

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ギボウシ(花言葉・沈静)

2020/07/20
【第1365回】

おいらが大好きだった映画人が二人亡くなった。先ずは森崎東監督、「男はつらいよ」は山田洋次監督の代表作みたいに言われているのだが、実は森崎さんが考えた話である。「男はつらいよ フーテンの寅」では監督も務めたが、寅さんに立ち小便させるなど型破りな描き方が会社から嫌われ、この1作でシリーズから外された話は有名である。松竹という枠組みからはみ出した規格外の人であった。おいらが大好きだった「喜劇 女生きてます」は新宿ゴールデン街に都電が走ってた一角にある、森繁久弥と左幸子夫妻が営むいかがわしい芸能社を舞台に繰り広げられる人情重喜劇。猥雑さの中から溢れ出てくる生のエネルギー、人間の底力が全編に溢れ、愛おしくなってしまう映画だ。思えば40年前に新宿ゴールデン街「ガルガンチュア」で親しくして頂いた松竹の貞永方久監督と森崎さんとご一緒したことがある。貞永さんは大分県、森崎さんは長崎、おいらは博多、ママは佐賀、九州の話で盛り上がり楽しい飲めや歌えやの夜を過ごした日が懐かしい。山田洋次監督が松竹の天皇に昇り詰めていく姿を横目で眺めながらも、凛としてニンゲンの本質、優しさ、弱さに拘り続けた頑な生き方、おいらは好きです。先に逝った貞永監督と大好きなお酒たくさん飲んでくださいね。

もう一人はイタリア映画に欠かせなかった作曲家、エンニオ・モリコーネ。1960年代にセルジオ・レオーネ監督とのコンビで創った「マカロニ・ウエスタン」で脚光を浴び多くの名曲を世に送った。なかでも、「ニュー・シネマ・パラダイス」は何度聴いてもシーンが目に浮かんで来てしまいます。音楽がたたえる郷愁、優美、心音、すべてが物語の進行、役者の演技と相まって観客の想像力を夢幻・無限に拡げてくれることで、作品が時代を超えて永遠の命になりえることを気づかせてくれた気がします。映画が人生のより良き学校であり、師であることに大きな力を与えた作曲家でもありました。名画に名曲あり...最近は無機質な音が求められるのも時代の流れですかね。感情、心情がたっぷりと溢れた音楽でいいじゃないですか...底に流れるものが純粋であれば立派に通用しますばい。

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梅雨の晴れ間

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