トムプロジェクト

2019/08/09
【第1248回】

猛暑なんてどこ吹く風...家の近くの広場で、ちびっこ盆踊り大会が催されてました。夜になってもこの暑さ収まりそうもありません。広場もコンクリートで固められ、上から下からの照り返しで、少々の夜風で温度が下がるものでもないのだが、ちびっ子は元気です。汗を拭き拭き、くたびれた表情をしているのは連れ添う親達。可愛い浴衣をはだけながら見よう見まねで踊る姿を見ていると、おいらもほっこりしてしまいます。

おいらの時代は、ガラの広っぱ(石炭のガラを捨てて出来た広場)で毎年盆踊りしてました。おいらの興味は、踊りよりも水飴を舐めること。そして、お目当ての女の子の踊る姿をこっそり眺めること。お目当ての子はお金持ちのお嬢さんで、おいら貧乏人のガキにとっては高嶺の花でありました。きれいな浴衣着て上品に踊ってる様を見ながら、キヨシ少年は何を思ったことでしょう...このガラの広っぱではいろんな催しが開催されました。仮説のスクリーン(白い布きれ)を立てての映画上映会、野球大会などなど。子供にとっては格好の夢場所でもありました。広場があれば何かが起こり、そこから子供の夢は大きく羽ばたいていきました。それは今も昔も変わりません...今尚、世界の各所で内戦が起き広場さえも、がれきで埋まり遊ぶ空間を失ない路頭に迷う子どもたちの報道を見るにつけ、改めて平和の有り難さを思わずには居られません。今日は74回目の長崎原爆忌...今日もこの国のトップの口から核兵器禁止条約に関する言葉はありませんでした。

明日からお盆休み、16日まで夢吐き通信お休みです。

1248.jpg

夢の広場

2019/08/07
【第1247回】

昨日は、広島に原爆が投下されて74年目。74年間この悲劇を伝えようとしても世界は応えてくれません。核を保有している国が、開発途上国に核を持たないように脅しを掛けるのも変な話じゃございません。この正論が世界で通用しないこと自体、おかしな人達のおかしな話です。その点、世界の中でも堂々と正論を展開し核廃棄に向けての行動を出来るのが唯一の被爆国である日本なんです。が、しかし大国に遠慮して口先だけの論調に終始しているのが我が国の現状。今日も確かに暑い、でも1945年8月6日原爆投下時刻の午前8時15分に遭遇した人達の暑さは地獄絵を呈する熱さ。これまでに映画、写真、舞台、絵画で何度も目にしました。こんな酷いことをした米国、その状況を作り出した日本の軍部、更に拡げればこの戦争を生み出した世界の愚か者。なのに、いまだ核を含む軍拡、そしてこれからは宇宙の領域まで拡大しての領土争い...ほんまにアホですな!

昨日、電車の中で二人の幼い兄弟がスマホを見ながら「捕まえた!」なん狂喜の声をあげておりました。何捕まえたが知らんけど、バーチャルの世界でしか体験できないこの子どもたちの環境ほんまに悲しゅうございます。おいらの子供の頃なんか、この夏休み野原を駆けずりまわり、バッタ、ザリガニを捕まえながら生き物の生態から命の在り方を学んだもんでございます。大人はと言えば、だんまりこんでスマホとにらめっこ。こりゃあかんわ...日本未来は、世界の行く末は?おいらはもう死んどりますわ。

1247.jpg

ふたくちつよし作品集

2019/08/05
【第1246回】

いやいや、この暑さ半端じゃございません...そんな中、今年も「百枚めの写真」の稽古が始まりました。この芝居の初演は2010年で、今回が4度目の上演になります。いい作品は、いつどこでも上演される!のいいお手本です。この8月は広島、長崎の原爆、そして8月15日の終戦記念日。戦争を考えさせてくれる月でもあります。おいらは敗戦後、中国朝鮮半島の混乱の中、帰国途上で危機的状況にあった母のおなかにいた時期でもあります。いつも思います...この世に生まれてこなかったことも十分考えられる。生まれ来たからには、戦争のない世界にする一助にならないと、無駄な戦争のために死んでいった人たちに申し訳ない気持ちで一杯です。この芝居もその一つです...稽古初日の本読みでも、なんども、胸迫る台詞がありました。戦地にいる名も無き兵士は家族を思い、どんな気持ちで死んでいったんだろう...天皇陛下万歳なんて思って死んだ人は居るわけ無いでしょう。皆、故国の家族のことを案じながらに決まっています。「百枚めの写真」の芝居には、このことが切実に描かれています。

そして、この作品の作・演出家である、ふたくちつよしさんの作品集が出版されました。彼の代表作が2冊の本に凝縮されています。家族の在り方、平和の尊さ有り難さを今更ながら感じさせてくれます。興味がある方は是非読んでみてくださいね。

1246.jpg

新宿の避暑地

2019/08/02
【第1245回】

猛暑が続いています...熱帯夜で寝苦しい夜もなかなか大変です。おいらは寝る前に読書しながら、ウトウトタイムを待ってます。便利な時代になったもので、枕元に置くライト、ブックスタンドともに安価な値段で売ってます。静かなピアノの音色も眠気を誘います。いやいや大変な時代になったもんでございます。おいらの子供時代は蚊帳を吊り、ぐーすか鼻提灯で、ほんわか気分で寝とりました。でも、あの蚊帳の中から観る風景はなんとも摩訶不思議な世界でした。人の気配、吊るされた蚊帳の形、蚊帳越しに見る人影はまるで幽霊のようでもあり怖かった。蚊帳に入るときは何回か蚊帳を振って入らないと良く叱られたものだ。同じ部屋が異形の空間になり、異次元の世界に居るなんて子供にとっては面白可笑しい世界でした。

今や、クーラーがないと過ごせない時代になっちまいました。そのクーラーの排気と車両の排気、そして照り付ける太陽がアスファルトに反射して街路は地獄の熱さ。道行く人の表情は、寝不足と疲労から、明らかに苦悶に満ちています。そんななか、大道芸人は暫し休息をとばかりに涼風代わりの音色を届けていますが、この暑さでさすがに立ち止まって聴く人は皆無...でも、この心意気がいいじゃありませんか。淡々と流れるアンデスの曲に、あのマチュピチュを想像しました。と、想像した瞬間、アンデスの風がおいらの身体を吹き抜ける感覚に襲われました。

1245.jpg

アンデスの風

2019/07/31
【第1244回】

久しぶりにLPレコードに針を落としました...いいですね!このアナログ感はたまらんですばい。ジャズ、シャンソンそれぞれのジャンルの歌姫の歌声が、まるでその場に居るみたいで幸せな感じです。ビリー・ホリディ、エディット・ピアフと言えば半端じゃない生き方をしてきた歌手。目の前でクルクル回るレコード盤に刻み込まれる針の動きが、まるで彼女たちの壮絶な人生を想像させてくれます。両レコードとも半世紀以上前に吹き込まれたライブ盤。ピアフはパリのオランピア劇場、ビリー・ホリディはカーネギー・ホール、その熱気がレトロな雰囲気で味わうことが出来るのがレコードのいいところです。この感触を知ってしまうと、又再びレコードの世界に回帰してしまいそう...断捨離の世界に差し掛かったおいらとしては、これは苦渋の決断をせざるを得ないですな。今ある貴重なレコードで我慢し、あとはコンパクトなCDで音の世界を楽しむしかありませんな。幸いにして都内にはレコードを掛けているJAZZ喫茶がありますので、ふらりと出かけ珈琲飲みながら読書を兼ねての喫茶店巡りをすれば良し。レコードの素敵なジャケット、レコードを取り出し盤に乗せ、針を落とす、この一連の流れが至福の時間です...なんでんかんでん便利になればいいってことじゃありません。ひとつひとつ手間暇掛けてこそ、そのさきに至上の喜びが待っているってことですな。

1244.jpg

至上の歌声

2019/07/29
【第1243回】

「A列車に乗っていこう」東京公演、昨日無事千秋楽を迎えることが出来ました。この不思議な台本を舞台化してくれたキャスト、スタッフの皆さんに感謝です。勿論、この芝居を観た人たちの感想は様々だと思います。芝居の楽しみ方も又、十人十色。おいらはこの手の作品正直言って好きです。わからないものに対して、とことんのめりこんでいくチャレンジ精神がなくなったらモノを創る人間として失格だと思います。この芝居で好きなセリフがあります。登場人物のそらさんが幕切れ近くに言うこの言葉こそがこの芝居のすべてを語っているのでは...

 

ええ、彼がこんなことをいったんです。自分は星占いは信じないけれど、よく、占星術を否定する人の中に、地球から観ると星座だが、あの星々の一つ一つは、何千光年も離れているんだから、何の結びつきもナイって、そういうひとがいる。でも、ボクは、その意見には反対だ。むしろ、何千光年も離れている星々が、地球から観ると星座になるという、神秘性でではなく、人間の想像力が好きだ。

 

そうなんです。想像力を刺激、喚起させるものに触れた時の喜びはなにものにも代えることが出来ません。知的冒険、感性の錬磨、心身が踊りだす瞬間こそ、極上の快楽ではなかろうか。

この芝居、今日の横浜から始まって9月1日の三重公演まで15ステージの公演があります。地方の皆様、この夏の想い出に是非、A列車に乗ってみませんか?まさしく銀河鉄道の世界が拡がって行くことでしょう...

1243.jpg

夏だ!

2019/07/25
【第1242回】

選挙終わりました...投票率は50%を切り、相変わらず自公政権安泰、既成の政治に嫌気がさすのも分かる気がします。何年経っても変わらない政治屋さんのパフォーマンスに辟易してるのに、一石投じたのがれいわ新撰組の山本太郎。比例区で10%取ったんだから大したもんでございます。ひも付きなし、身体張って辻説法してる姿に庶民は飛びつきますがな。こんなやり方でしかこの国の政治に風穴を開けられないなんて、何とも寂しい限りです。おいらも彼の話を聴き納得できる部分多々あります。しかしながら、政治も数の世界、この現状においてひっくり返すのは並大抵の事じゃございません。でも、本気になってる人間を国会に送り込み、腐敗と馴れ合いに満ち溢れた仕組みをぶっこわすことでしかこの国の未来はないのかもしれませんな...世間の人、山本太郎はただのパフォーマンスだとせせら笑いしてる人が居るのも事実です。でもね、笑ってるうちに、いつのまにかとんでもない国になってるかもしれませんぞ。

今日、新宿の伊勢丹前でイタリア人旅行者家族が大喧嘩していました。母親らしいおばはんに、若い夫婦が泣きながら叫んでおりました。嫁さんが大声でゼスチャーたっぷり振る舞ってるんで、通行人は芝居でもやってるのかと立ち止まり観てました。それにしてもお国柄、ラテンの人は所かまわず己の主張を貫き通すんですね。政治を変えるのもこのエネルギーが必要なんだなと思った次第です。

1242.jpg

梅雨明け

2019/07/22
【第1241回】

「A列車に乗っていこう」先週の土曜日から始まりました...初日は、作家の北村想さんも名古屋から来ていただきました。自分が頭の中で空想した世界がどんな形になるんだろう?書いた人間でしかその気持ちはわかりません。しかし、自分が思い描いたものと違っていても、これは仕方がないことであります。この難攻不落の想作劇、どこから手を付けていったらいいのか本当に至難の業であったと思います。演出の日澤君以下スタッフの総力戦で素敵な舞台に仕上がったと思います。勿論、言葉を舞台で表現する二人の女優さんも大変だったと思います。おいらも久しぶりにドキドキいたしました...そういえば、芝居をやり始めた時は、すべてがアバンギャルドの精神で立ち向かい腹をくくってやったもんでございます。誰しもが経験したことがない、感じたことがない領域を模索しながら、やみくもに突っ走る...なんだか、久しぶりに、こんなことを体験させてくれた今回の芝居でした。

初日の舞台を観ながら、半世紀前に観た唐十郎の状況劇場、早稲田小劇場、ベケット、イヨネスコなんて芝居を思い出してしまいました。モノを創るものはとどまってはいけない!創っては壊し、そしてより新しい刺激的なモノを創る。心身ともに少しは老いを感じ、バタバタと鬼畜に入っていく芝居の戦友を見送っているおいらに「まだまだくたばるわけにはいかんぞなもし...」なんてはっぱをかけられた今回の芝居。

自分の道は、自分しか歩けないし、この果てしない宇宙を、如何様に生きていくのか、そして何が心理なのか...ほんまに芝居は奥が深かくておもろいもんでございます。

1241.jpg

今日もどんより

2019/07/19
【第1240回】

いや、今日は久しぶりに青空を拝むことが出来ましたな...そんな新宿西口歩いていると、向こうから元F1ドライバーという参議院候補者がおいらの顔見てニコニコしながらやって来るではないか。こりゃ困りましたな、おいらこの人、別に応援してるわけじゃないし逃げようと思ったんですが、無理やり握手をしようとするもんですから、またまた困り果ててしまいました。おいら握手したくなかったんで、丁重に断り難を逃れました。一難去ってまた一難。今度は、あの小池東京都知事に反旗を翻し都議会議員を辞し、東京北区の区長選に立候補するも落選、今度は維新から参議院東京地方区から今回立候補したとっちゃん坊やみたいな人が、選挙カーからおいらに向かって猛烈に手を振るではないか...おいら興味ないから無視すると、隣に座ったウグイス嬢がカン高い声で「頑張ってます!温かい応援励みになります!」おいら何も応援した仕草してないのに勝手に言ってんじゃないよ...とほほです。困ったんもんですな。こんな人たちが立候補してるんですから政治良くなるわけないじゃん!と久しぶりの青空の下での心地良さに水を差された気持ちになりました。

それにしても昨日の京都の無差別殺人...世界全体がささくれた感情を生み出す流れになっているのがなんとも絶望的です。何かに急き立てられ心身が歪になるシステムが問題だとわかりながら、人は富を名誉を求め只ひた走る...青空眺めながら、何が本当の幸せなのか?

もう一度考えてほしいなと思います。

1240.jpg

久し振り!

2019/07/17
【第1239回】

小雨続く連休、久しぶりに、ちあきなおみの最後の一曲「紅い花」を聴きました。いや、いいですな...あの独特の声に、語りかけるような歌唱スタイル。まさしくシャンソンですな。本物の歌手は決して歌い上げません。自然な姿で言葉を大切に優しく伝えてくれます。昨今、歌の世界はメロディ中心で進んでいるので、言葉を聴かせてくれる歌は貴重です。

 

紅い花 想いを込めて ささげた恋唄

あの日あの頃は 今どこに いつか消えた 夢ひとつ

 

なんてことのない歌詞なんですが、ちあきなおみが歌いだすと人生、時間が視えてくるんですね。歌はまさしく3分間のドラマ。芝居なんぞは、2時間かけてドラマを創り上げるんだから3分間というのは凄い。歌い手本人の中にも聴き手の人生を凌駕するものがなければ商いになりません。いずれにしても壮絶な人生です...要は、生半可な生き方では人の前には立てないということですな。

 

今日も曇天。東京では7月の日照時間が5.4時間と記録的に少なく、一昨日の海の日も海岸、プールともども閑古鳥状態。この後、一気に猛暑なんてのもたまらんですな...年々、体力落ちてるおいらにとっては体内調整が難しい地球になってしまいました。

1239.jpg

曇天の中での連呼

1