トムプロジェクト

2019/07/12
【第1238回】

いやいや、お天道様なかなか顔出してくれないな...これは深刻ですぞ!まず野菜類が高騰しています。せんべい屋さんも天日干し出来なくて困っていますし、魚の干物屋さんも大変です。そして、ニンゲンたちもどことなく憂鬱でさえない表情で街を歩いています。サマーセールで盛り上がるはずの衣料品売り場も閑散としています。やはり夏と言えば太陽、キラキラ輝く太陽が主役でございます。去年の異常な暑さもまいりますが、汗が出てこない夏なんて夏じゃございません。青い空、青い海、蝉の声、蚊取り線香の煙と匂い...年々、季節の風物詩がこの国から消えていってる気がします。生き物は人間だけじゃないんだぞ!自然界の生き物の抗議の声が聞こえてきます。昨日もカラスが会議しとりました「人間どもの残飯あさって食べたんだけど、なんだか薬品ぽい味がして腹の調子がおかしくなりやした。ならば虫の方がまだましなんて思ったんだが、虫も栄養失調なんだか、あんまりうまくないな...」てなこと、ぶつぶつかかあかあ囁いておりました。トカゲなんか見つけると頑張れよ!と声を掛けたくなっちゃいます。この地球に生きるすべての生き物に思いを馳せ、四季折々の恵まれた環境の中、すべての生物が平穏無事に過ごせたらいいな...その主役がお天道様です。早く顔出してちょうだいな。

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恋しい太陽

2019/07/10
【第1237回】

昨日、「A列車に乗っていこう」の稽古場を覗いてきました...石田さんと松風さんの自然体の演技が印象的でした。今回の北村想さんの戯曲、とっても不思議です。この不思議な世界を舞台化するには、俳優の透明感が必要であると思いました。手垢が付いた演技術ではとても適わない、いや想さんの世界がどんどん遠くなる...その心配は、昨日の稽古場で完全に払拭されました。透明感なんて、月並みな言葉ではあるんですが表現に携わる者にとっては、この言葉を体現することは至難の業でございます。場数を踏めば踏むほど、思考すればするほど手垢演技の泥沼に陥ってしまうのが俳優業の恐ろしいところ。素人の芝居に、目から鱗なんてことも耳にします。身に付けたものをいかにそぎ落としていくか?と言って下手じゃしょうもないし、とっても難しい修行の過程かもしれませんね。

ハンセン病提訴断念。当たり前のことです...誤ったことをやったんだからできる限りのことを国がするのは当然ですが、お金で今までの虐げられた時間が戻るわけがありません。冤罪も含めて間違った判断でどれだけの人たちが苦難を強いられたか、過去の歴史を紐解けば闇に葬られた案件が多々あります。新聞の片隅の情報から知らされることも多々あります。これらを見逃さず、地道に記事にする記者こそ本物のジャーナリスト。新聞が消える時こそ世界の終わりだ!決してオーバーじゃありませんことよ。

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又、咲きましたアンネのバラ

2019/07/08
【第1236回】

先週の週末は、成瀬己喜男監督の映画を2本鑑賞...1本目は1962年制作の「放浪記」は作家、林芙美子の物語である。菊田一夫の舞台で有名になったが、こちらは高峰秀子が見事な目線演技でドラマを盛り立てている。上目遣いの視線一つで主人公の感情がすべてわかるくらいの演技である。仲谷昇も宝田明も若々しくいい男。そして相変わらずきっちりと脇を固めている加東大介が素晴らしい。この俳優にはずれがない。どんな役をやらしてもハマる。芸人一家で育った血筋と彼の人生観が役者として見事にマッチしているとしか言いようがない。2本目は1943年制作の「歌行燈」泉鏡花の原作である。戦時中、国家総動員体制により、映画界においても当局による統制が図られる中、制作されたものである。芸道ものが国威高揚になったかどうかは定かではないが、国の狙いはわかるような気がする。親から勘当を受ける能楽師を演じる新派の名優、花柳章太郎は色っぽい。そして相手役の山田五十鈴がこれまた奇麗でございます。早朝、松林の中で章太郎が五十鈴に舞を伝授するシーは、これこそ成瀬巳喜男が映像作家と言わしめた名シーンではなかろうか。屋外シーンの光線の美しさ、役者の表情と衣裳に映る木漏れ日の影などは絶品。カラー映画では決して体験できない、まさしく光と影の芸術。
嗚呼、やはり映画が娯楽の王者であった時代の映画は素晴らしい!時間をかけじっくりと創り上げ、役者に余計な演技をさせない演出。映画にかける時間と情熱が湯水のようにあったのだ。残された時間、日本の名作をまだまだ観なきゃと思った週末でした。

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京王線高井戸駅ホームから

2019/07/05
【第1235回】

またまた選挙...この選挙だけでいくらお金がかかると思います?大体600億近いお金が吹っ飛んでしまいます。名前を連呼するだけの選挙カー、党が掻き集めた聴衆の前で絶叫する弁者、おいしい文を並べ街路に張られたポスター、昔ながらの選挙お祭りが今月から17日間繰り広げられます。いいかげんにしなさい!と怒ってる人、もはや諦めに近い心境で傍観してる人、誰に入れても変われへんと棄権を決め込んでる人、昔ながら利益誘導に執心する人などなど、この国の選挙の在り方はこの国に似つかわしい構図で何年もの続いています。香港のような激しいデモなんて、もはや日本では懐かしい昔話です。間違ったことがあれば、若者は声を大にして起ち上がり命を賭けて戦ったもんですが、今の若もんにそんなこと言っちゃったら、なにとち狂ってんこのオッさんなんて嘲笑もんでございます。でも、この国を維持し変革するにも選挙という手段しかないんですから1票を投じなきゃなりません事よ。でも、投票すればいいってもんじゃございませんよ...政治家は嘘つきが多いから、よくよく人相、言動、立ち振る舞いを観察し、己の想像力を駆使しながら選ばなければなりません...と言っても、おいら政治の世界に関してはほぼ絶望の境地だから、結局は消去法でしか選ぶことが出来ませんな。身を捨ててお国のために、弱者のために奉仕しようなんて人が少しでもいればなんて希望的観測ではいるんですがね...

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新宿のウツボ

2019/07/03
【第1234回】

いやいや、今週やっと今日会社に来れました...元気一杯なんて能天気なこと言い続けながらも、やはり体力は確実に落ちていますな。特にこの時期、季節が梅雨と重なり、湿気と何処に行っても容赦なく吹き付けるクーラーの冷気で、おいらのナイーブな身体を痛めつけてしまいます。ことに居酒屋のクーラーはいけませんな。みるからに古そうで汚そうで、出てくる冷気も汚染されてんじゃないかと戦々恐々でございます。電車に乗ると、西瓜冷やしてんじゃないぞ!と怒りたくなるような冷房車。抵抗力がなくなりつつある高齢者にとっては、とっても生きづらい環境になってしまいました。

最近、次々と友人が黄泉の国に旅立ってますんで、おいらも体調崩してしまいますと、ついつい弱気になってしまいます。ついつい、黄泉の国からお使いが来るんじゃないかしらなんて...正直、好きなことやってきた人生だから未練はないんだが、折角この世に貴重な生を受けたんだから少しでも健康で長生きしながら残り少ない人生楽しまなきゃと思います。そして、少しでも社会に恩返ししないと罰が当たりますがな...

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自然に優るものなし

2019/06/26
【第1233回】

新宿の街も随分とおとなしくなったもんだ...カオスが売り物である街がソフィスティケートされたんじゃ話になりまっせんがな。怖いオッさん、無国籍らしき人物、ハイテンションで練り歩く若者などなど、こんな人達が見かけなくなった街は新宿ではありませんな。この季節、新宿花園神社では劇団唐組、新宿梁山泊、椿組といった集団がテント芝居を興行してます。舞台に登場する人物のほとんどがアウトロー、社会からこぼれ落ちた人間の心情をロマンの世界に飛翔させ、観客を魔界の世界に誘ってくれます...昔なんぞは、舞台に登場していた奇人変人がそのまま新宿の街を闊歩していた気がします。そんな彼らを見ながら、決して世の中のお偉いさんが作ろうとしている既存の社会に染まっちゃいかんぞなもし...なんて思っとりました。破壊と創造を繰り返すことによって、新しいアートを生み出すエネルギーが新宿の街には充満していましたね。今は若者のデモもなく、異国の観光客が、かろうじて残っている新宿のディープな場所を物珍しそうに冷やかしてる街に成り下がったのかな?いや、行政側からすれば安全で安心な街になったと宣伝しとります。これも時代の流れ、しかたんなかですばい...変革の意識が薄れ、事なかれ主義の世の中じゃやっぱりおもろくありませんがな。

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あら、お久しぶり!

2019/06/24
【第1232回】

先週の週末も2本の芝居を観てきました...1本目は劇団文化座の「アニマの海」。石牟礼道子さんの「苦海浄土」を基に水俣に暮らす人達を描いた作品です。トムでも水俣の作品を創ったのですがなかなか難しいものがありますね。患者、チッソ工場、自然豊かな水俣の海、そして時代の変遷、これらが絡み合った水俣をどう描くか?説明だけでは物足りないし、公害に晒された人達の苦しみはそう簡単に表現できないし、演劇がどう向き合っていくのか?その難儀なことから逃げるのではなく、この水俣の世界を語り継ぐためにも演劇が果たすべく役割はあると思います。トムでも10月に水俣に再チャレンジ、ふたくしつよし作・演出で「風を打つ」を上演します。

2本目は温泉ドラゴン「渡りきらぬ橋」。大正から昭和初期に掛けて女性の人権向上に奔走した女流作家、長谷川時雨を柱に据え、その当時の樋口一葉、林芙美子などが登場する。この芝居の見所は、なんといっても登場人物全て男優陣でやりきったことではなかろうか。最初は、どうしても違和感があるのは否めないのだが、観ているうちに過去から現代に渡る性の問題、最近急速に叫ばれてるジェンダーなどなど様々なことが浮き彫りにされてくる不思議な感覚に襲われる...これは、例えば歌舞伎なんかの様式美に拘ることではなく、俳優個々の感性を信じ創りあげた演出、シライケイタのチカラに拠るところが大きいと思う。演劇だからこそ出来るもの、敢えて挑戦、冒険、これ無くなっちゃたら演劇も過去の遺産で終わっちゃいますぜよ。

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絶滅危惧種

2019/06/19
【第1231回】

又しても、セメント大臣が連日口をゆがめながらいい訳と言うより、いつものように臭い物には蓋をしての手法で、年金問題をスルーしようとしている。しかし、何年掛けて年金問題やってるの?与野党含めて、この大切な年金問題を政争の具にしているのが許せませんな。この切実な問題はお互いにベストな案を出し合って協議すればいいだけの話じゃないのかしら...ほんまに日本には政治家が存在しない情けない国でございます。

昨日、夜遅く新潟、山形に地震発生。原発は?地震が起きる度に頭を過ぎります。誰しもが、近未来に必ずや大地震が起き、原発の放射能が日本全土を被う様を想像しているのではなかろうか?年金問題一つさえ解決できない政治屋さんが、この非常事態に思いを馳せるなんてことは難しいことかもしれませんな。地元の選挙区のサービスばっかりで、日本の国全体を俯瞰できない人ばかり。来月の参議院選挙、国民の関心も今一つ、いや諦めに近い心情じゃないだろうか...何年か前、新宿西口の街頭を手渡しで己の政治信念を訴えた元俳優、参議員であった中村敦夫氏が、政治の世界に見切りをつけ、自ら福島原発、チェルノブイリに赴き原発廃止に向けた脚本を書き朗読劇を各地で実施している。もはや、この方法しかないのではなかろうか。要は頼りになるものは己しかない...自ら己に出来る範囲でアクションを起こし己を守るしかない。ほんまにあてになりません事よ、この国のお偉いさん方々。

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梅雨に咲く花

2019/06/17
【第1230回】

ライオンズの秋山選手、昨日、ひとり親家庭の親子の前でホームラン...ライオンズの選手の中で一番好きな選手です。この日は父の日、小学6年時に父(享年40)を胃がんで亡くしている秋山は、14組35人のひとり親家庭の親子を招待。この活動を2015年から定期的に続けている。小さい頃から父とキャッチボールをしながら野球選手を夢見ていたそうだ。まじめな性格と、野球に対する謙虚な姿勢、そして俊足、強肩、好打、しかもホームランも打てる選手となるということなし!ウナギフェイスで愛嬌もあるし好感度は抜群である。まじめな選手であるだけに打撃不振になると、ちょいと考えすぎ、ましてや今年からキャップテンも任され責任感が強いのも、彼を悩ませる一因となる。でも、今日の時点で打率.322を維持しているからさすがというしかありません。こんないいお手本がいるのに、木村、金子の両外野手頑張らんかい!レギュラーで我慢して起用されているにもかかわらず打率.200から.215じゃ話になりまっせんばい。二人ともそんなに若くもないしここで結果を残さないと後がありません。そして、相変わらずのライオンズの投手陣、一試合5~6点取られるのは当たり前なんですから打者はたまりません。何度も言いますが補強しないフロントの怠慢ですな。

残すところ交流戦も6試合。現状から3勝3敗がいいところかな?今年はリーグ優勝は難しいと思います。でも、少しずつ若手も育っているのが救いです...筋書きのないドラマ、そして駆け引き、選手個々の個性、多種多様なものが詰まっているベースボール、やっぱり観ちゃいますな。

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梅雨空

2019/06/14
【第1229回】

昨日は、トム・プロジェクトでお馴染みの風間杜夫、村井國夫さん出演の「黒白珠」をシアターコクーンで観てきました。先ず入場料¥10000、芝居を観るのも大変な時代になってきました。勿論、人件費その他諸々お金がかかる時代であることは重々わかっちゃいるけれど、一日働いた賃金そのまま頂くなんて事、おいらは心苦しゅうございます。7、8千は当たり前。トムの入場料¥5000は一杯一杯でございます。税理士さんからも消費税分ぐらいはあげても当然と再三にわたり警告を受けては居るんですが...当然、今のままでの入場料では役者さんのギャラにも影響し、役者さんにも申し訳ない気になってしまいます。なんてこと考えてると憂鬱になっちゃいますので、ケセラセラ精神でやれるとこまでやりまっせ!みたいなことでやるしかないんじゃありません。

芝居は九州長崎が舞台。ベテランのご両人のやりとりが大変面白しゅうございました。共に長い間、舞台をこよなく愛し己に厳しく芸の道を歩まれた二人。達者な二人の応酬に、ドラマの本筋から離れた人間の持つ面白可笑しいものが垣間見れました。ここが、生の芝居の持つ魅力の一つです。この日この時間の瞬間に流れる命の交流、とっても見応えがありました。

街には色とりどりの紫陽花が咲き乱れています。なかでも何故か白い紫陽花に目が惹かれます。白い紫陽花の花言葉は「寛容」、この時代に一番必要な言葉かも知れませんね。

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寛容

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