トムプロジェクト

2023/12/06
【第1831回】

昨日、すみだパークシアター倉にて劇団桟敷童子「空ヲ喰ラウ」を観劇。錦糸町から徒歩15分~20分かかるのだが相変わらずコアなファンでいつも満杯である。今回のパンフに主宰者である東憲司さんがこんなことを書いていた。

 

来年、劇団を旗揚げして25年を迎える。今考えると、あっという間だったような気がする。まさか25年も劇団が続くとは思わなかった。旗揚げ公演は1999年秋、辰巳の倉庫でだった...魚の匂いが充満していた。なにもかも手探りだった、がむしゃらだった...コン畜生、コン畜生の精神でここまで続けてきたような気がする。現在劇団員は17人...東京にたくさん劇団がある中で、この桟敷童子を選んでくれた...それだけで感謝である。この劇団は俳優だけでなく、大道具も小道具も、衣装も、音響も、制作業務もやらされるのである。本当に大変だと思う。これをいつまで続けるのであろう。そろそろ終焉を考えるようになった。しんどい...(笑)

 

おいらは芝居創りの原点を見る思いも含めて観客、プロデューサとしてこの劇団のファンである。頑張ってきたどころか、演劇界の数々の賞を受賞している点からみても今やなくてはならない劇団のひとつである。出来、不出来以前にこの劇団の人たちの情熱、心意気、純粋さがおいらにとってはたまらない魅力である。

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劇場近くでカワセミ発見

2023/12/04
【第1830回】

風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン~最後のロマンス~」昨日、無事に東京公演終えることが出来ました。芝居が終わったあとも、まだ観たい!帰りたくないという雰囲気が漂っていました。こんなに愛されている牛山明こと風間杜夫、なんとも素敵な俳優さんです。おいらも6ステージすべて観ましたがそれぞれの趣がありました。普通、芝居は当然のことながら相手役と観客とのやり取りで成立するものですが、このひとり芝居は観客と見えない相手役とのコミュニケーションでのイレギュラー版。やはり観客の反応がその日の劇場盛り上がりを支配します。誰も手助けしてくれない杜夫ちゃん、当然のことながらその日のお客の反応を敏感に感じ取りながらドラマを進めていきます...ヤバいと思ったり、予想通り、いや、ここは違う手でやってみようなどなど...台詞を吐きながら心中穏やかじゃない状態で演じてる様が手に取るように分かります。そんなことも含めて演じ続ける風間杜夫の飽くなき探求心と遊び心に拍手を送りたい。

ベースボールシーズンも終わり、冬のスポーツと言えばラグビーですね。昨日は大学ラグビー伝統の一戦、早稲田と明治の試合が東京・国立球戯場で行われました。1923年に第1回が行われた早明戦は今年で100周年(99回目)を迎えました。おいらも1987年12月6日に旧・国立競技場、雪が舞うなかでの早明戦、よく覚えています。その後も名勝負が続きラグビー人気を盛り上げた両校の戦い、いつも楽しませてくれます。新年2日の準決勝で再び両校が相まみえるのか...勝負ごとは筋書きのないドラマ、誰にもわかりません。

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まだまだ燃えてます

2023/12/01
【第1829回】

今日から師走です。本当に1年はあっという間ですね。歳を重ねると、良いのか悪いのか余計にひしひしと感じる次第です。

風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン~最後のロマンス~」東京公演、昨日で3ステージを終えることが出来ました。いやいや、日毎にエンジンがかかり満員のお客様も満足気で劇場を後にしています。なにせひとりでやるんですから、百戦錬磨の杜夫ちゃんも壁にぶち当たることもあり、日毎の体調もあり、そりゃ大変な舞台だと思います。そんな時に、おいらはプロデューサー、一観客として終演後に率直な感想を述べに楽屋に直行します。ここは長い歳月を費やし築いてきた信頼関係もあり素直に耳を傾ける杜夫ちゃん...ここが名実とも一流の役者である所以だと思います。このキャリアの役者さんのほとんどは、他人の意見を聞かず身の保身に走る傾向が多々あります。一味違う役者さんは、創っては壊しを繰り返し常に新鮮な表現を目指しながら前に進んでいます。勿論、自信があってのことだと思います。

それにしても一人で連日客席を満員にしてしまうんですから、たいしたたまげた役者さんです。

これから寒さは一層厳しくなってきます。どうか一日も早くウクライナの侵略戦争、ガザ地区での戦闘を終え、いつものように平穏なクリスマスを迎えて欲しい!演劇も平和だからこそ素敵な一日を過ごすことができるんです...

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師走のバラ

2023/11/29
【第1828回】

風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン~最後のロマンス~」東京公演、昨日俳優座劇場で無事初日を迎えることが出来ました。北海道、関西、九州を巡演しての公演です。地方公演とまた違って東京という演劇激戦区での初日というのもなかなかと緊張するものでございます。劇場には演劇評論家の方々を始め芝居に対して厳しい目で観劇される方も多々いらっしゃるので、もう一度褌を締めてかからねばなりません。勿論、風間さんを愛するファンの皆さんは、杜夫ちゃんの一挙手一投足、なにをやっても楽しいなんて見方をされているかとは思いますが油断禁物、どこに落とし穴が潜んでいるのか分からないのがナマの舞台の恐さでございます。百戦錬磨の風間杜夫も、その辺のところは当然熟知していて手探り状態で芝居しているのが良くわかりました。これがナマの面白さでありスリリングな舞台の魅力です。

石川県の知事、アホですな。いや正直もんですな。こんな人が国会議員になり知事になるんですから、選んでる人もアホですなと言われないようにせにゃアカンですな。

今回の芝居の中にも、時事ネタで今の世界、日本の現状を憂えています。日々変化する世相を上手く切り取り芝居に取り込むことが出来るのも現代劇の良さだと思っています。

今日は東京公演2日目。杜夫ちゃんどんな芝居みせてくれるのかな...楽しみです。

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場外でも熱演中

2023/11/27
【第1827回】

いきなり寒くなり人も樹木もおたおたしております...一足早く紅葉した葉もひらひらと地上に落ち始め思わず枯葉♪を口ずさんでしまいました。勿論、シャンソンの名曲ですがジャズでのマイルス・デイヴィス、ビル・エバンスの演奏も極上です。

それにしてもこの季節、黄や紅で多くの人を魅了する樹々に拍手を送りたい。そんな光景を見ながら、人間もこれほど見事に変身できれば楽しいに違いないと思ってしまう。新緑の鮮やかな緑に始まり燃えるような色に変化し、風に吹かれながら舞い踊る。枝で美しさを誇り、落ちて惜しまれるなんて最高の生きざまじゃございません。

 

「昨日より今日はまされるもみじ葉の明日の色をば見でや止みなん」 恵慶法師

 

ガザ地区での停戦、人質解放、取り敢えずほっとしています。この時代に相も変わらず殺戮が日常化し、なかなか止められない世界の現状悲しい限りです。でも、これこそ人間が背負わなければならなかった業なんですかね。見渡せば、他の生き物が良いお手本を見せてくれてるはずなんですが...困ったもんでございます。

余計なことには手を出さず、自然界の法則に則って命を全うすることが困難な環境であることは分かっちゃいるけど、すべて原点回帰でいかんと大変なことになりますぞ...

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まだまだ魅せます

2023/11/24
【第1826回】

福間健二は生きていました...昨日、東中野にある粋な映画館ポレポレ東中野で福間健二監督の新作で遺作になった「きのう生まれたわけじゃない」を観てきました。今年4月に健二さんが74歳で亡くなったのを知り即、伴侶でありプロデューサーである恵子さんに連絡し自宅に伺いました。知り合って40年、こんな別れがあるなんてとても信じられない一日でした。その時、恵子さんはすでに前を向き今回の新作上映の準備を進めていました。

心の通わない母と二人で暮らし、中学校に通わず、希望を抱けない14歳の七海(ななみ)。妻を亡くし、過去にとらわれた元船乗りの77歳・寺田。ふとしたきっかけで心を通わせた二人は、友人かつ家族のような日々を過ごす。そんな中で、新たな人生の歯車が動き出すというストーリー。なんと寺田の役を健二さん自身が演じていました。いい顔してました!遺作に監督自身が主要な役を務め、詩人に相応しい透明感のある言葉を散りばめ、日常を説得力のある映像で見せられると、あたかも自らの死を予感していたとしか思えませんでした。

そして健二さんの7作目になる今回の作品が、今までの作品の集大成に匹敵する作品ではないかと...健二さん、恵子さんとの交流を通じ二人が生きてきた志、思考、人間としての在り方においらも共感しお互いに切磋琢磨することが出来たと...様々な表現方法はあるのは当然のことながら、確かなことは福間健二でしか表現できない言葉、映像を新鮮な感覚で作品として観れることがおいらにとっては秘かな楽しみでした。

今回が遺作となったのだが、この新作の健二さんの全身から発する表情は、まさしく「きのう生まれたわけじゃない」彼が信じた世界が彼の中に存在する限り、未来永劫生きてることを証明している映画だと思いました。福間健二は生きています!

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福間ワールド

2023/11/22
【第1825回】

作家、堀田善衛さんが1997年7月、60歳になった日からスペインに住み始めて430日に渡る日々を記した「スペイン430日~オリーブの樹の陰~」を読み始める。読んでいるうちに、おいらがアンダルシアの小村サロブレーニャに住み始めたことを懐かしく想い出しました。 

最初にスペインに行き、次に来る機会があれば必ず住もうと決めた村がサロブレーニャでした。グラナダ県サロブレーニャ村。グラナダからコスタ・デ・ソル(太陽の海岸)に山越えバスで一時間半南下すると海を眺めるような白い鯨の形をした巨大な塊が見える。この塊がサロブレーニャだ。砂糖きび畑と海を持つこの村は、ほぼ自給自足で生活している。

この村に着き先ずは家探し。最初に借りたマンションは家財道具付の2DK、もちろん目の前は地中海を前にしたベランダ付。家賃は日本円にして1万5千円で言うことなし。喜び勇んで住み始めたが、日本人にとって生活の一部である浴槽に問題が発生。電気でタンクの水を温めるため、大きな浴槽の三分の一溜まれば、タンクが空になってしまう始末。浴槽に身を沈めても精々身体の半分しか浸かれない。そりゃそうだ、スペイン人には湯船にゆったりと身を横たえる習慣がない。ここはスペイン流に妥協も考えたが、長く住むことを考えると、ここはどうしても譲れないところだ。管理人に契約解除を申し出る。すると、善良そうな管理人ぺぺおじさん「何とかしてみる!」この善意を無碍にも出来ず、様子を見ることになった。次の日から修理道具一式を持ち込み必死の修理を試み、シャワーのお湯を出し「ほら、こんなに熱いお湯が出るでしょう」と自慢げにのたまう。僕もしっかりと言い返す。「熱いお湯はいい。問題はこの浴槽にたっぷりお湯が溜まらんといかんのよ...」と日本人の習慣を話すのだが、ぺぺおじさん不思議そうな顔をして納得がいかず、みずから上半身裸になり、石鹸をつけてシャワーを浴び「こんなに綺麗になるのに、なんの問題があるの?」洗えば綺麗になるのは当たり前、問題はねえ...僕もすかさず反撃を取るべく浴槽の中に入り横になり身振り手振りで説明するのだが、ぺぺおじさん「なんで浴槽の中でこんな格好しなきゃならんのよ...」まるで埒が明かない様子。自分が納得いかない以上、前家賃を返すわけにはいかないと渋い答え。そりゃそうだ!ここはスペイン。異質の文化の違いを目の当たりにしてサロブレーニャの生活が始まった。

今日みたいな青空と、紅葉を眺めていると第二の故郷スペインで生活していた日々が眼前に果てしなく拡がってくる。

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今日の紅葉

2023/11/20
【第1824回】

先週の週末は歌声を鑑賞してきました。金曜日には大和田獏さんと娘さんの大和田美帆さんによる「BAKUMIHO」。獏さんが芸能生活50年、美帆さんが20年を期にこのようなユニットを結成し今回の公演が実現しました。めちゃ明るい美帆さんのキャラクターと温厚な人柄獏さんによるとっても温かい雰囲気に包まれたひとときでした。この時間を過ごして感じていたことは、コロナで亡くなられた母であり妻であった岡江久美子さんがこの二人を見守りながら最後はみんなと一緒に大きな拍手をしているなと...

土曜日は、「コットンクラブ東京」での村井國夫さんの渋い唄を堪能しました。若い後輩の俳優さんとのコラボでしたが、さすが79歳の年輪とダンディズムに拘ってきた村井さんの表現は群を抜いておりました。この年齢になっても己に厳しく鞭打って表現者としての高みを目指しているところがたまらんですばい。

急に寒くなり、東京のあちこちの樹木もかなり色づいてきました。でも道行く人の服装も様々、冬物を着た人が居るかと思えば、半そで短パンで平気な顔で散歩している人も居る有様。この情景だけでも気候変動の異常さが理解できます。新宿で歩いている外国から来た旅行者の中には、ランニングシャツで汗拭きながら闊歩している輩がいるんですから驚いてしまいます。これは明らかに食べ物の違いでしょうね...おいらもいろんな国に行きましたが日本食がやはりベスト1です。最後の食事は、白いご飯に梅干、ちりめんじゃこ、着色なしの明太子で十分でございます。

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善福寺緑地公園

2023/11/17
【第1823回】

最近、芝居関係で地方に度々行っています。おいらは生来旅人、流れ者性分で生きてきましたので、地方に行くだけでワクワクしたもんでございます。この世界にはまだまだ隠されているものがある...その隠されたものが存在するのが地方だという気がします。自分の知らない未知なるものとの出逢いで、自分自身も成長出来たのではないかと...そんな期待も持ちながら出かける地方、最近は何処に行っても同じ顔をしています。地方都市の商店街はシャッターが閉まった店が軒を貫いていて、少し郊外に行くと大きな駐車場付のショッピングセンターがあるのが普通になってきました。昔は地方色豊かな個性的な店が点在し、耳を傾けると訛り言葉で話す言葉が聞こえてきました。お店も生活と深く繋がり人の営みがまともであることを嬉しく感じられました。この国の大切な序列が、お金と所有欲へと舵を切ったところからこうなることは十分予測されたことだと思います。

その後、村おこしとか町おこしなんて動きも出てきてはいますが、これもどうやら結局は特定企業が力を持ち、その企業に寄り添わないとなかなか本来のプロジェクトと縁遠い方向に向かうことが多々あります。

でも、まだまだ地方の魅力は必ずあると思っています。それを確かめるには自分の足で、町や村のなんでもない路地に迷い込み、知覚をピクピクさせながら何かを感じようとする好奇心があれば大丈夫です。この国にはまだまだ見知らぬ魅力があちらこちらに散りばめられているはずです。ひょっとしたら鈍感になりすぎたこの国の人より、異国の人がその魅力を楽しんでいるのかも知れませんね。

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新宿西口

2023/11/15
【第1822回】

あちゃ~プロ野球史上最悪のFA宣言の選手が誕生しました。西武ライオンズに所属しながら女性問題で不祥事を起こし、自ら事の顛末をひた隠し、今年の3月実施されたWBCにいけしゃあしゃあと出場し、そのまま今年のシーズンに入り1本のホームランも打てない有様。そりゃそうだわ、いつばれるかわからない爆弾抱えて心中穏やかではないのは当たり前。その後、週刊誌で報道され、無期限出場停止。その後、持論を展開しあたかも自分が被害者であるかのような態度。西武ライオンズもさすがにクビにせず練習場を与える温情を見せていたのだが、ほかの球団の意見も聞いて見たいとFA宣言。要は不祥事のことは水に流し、高いギャラで契約してくれるところに行きたいのでライオンズ以外の球団さん検討してくださいなと言うことですな。実績、そして成績さえよければ少々のことは目をつぶってくれるし、時間が経てばほとぼりが冷めるであろうプロ野球界の悪しき風潮を巧みに利用しようとしてるんだね。

冗談じゃございませんことよ!球場に来るお客さんは、そうは簡単に許してくれないどころかブーイングが鳴りやまないでしょう。多くの野球少年に今回のことをどう説明したらよいのかホトホト困っている親御さんも居るでしょう。今回のFAの届け出もギリギリ、しかも代理人を通しての届け出、迷惑かけたライオンズの選手たちにも謝罪もせず。人間として如何なものかと思える行動ばかり。

そんな選手を、4年間20億円で迎え入れようとしている球団が、又もやソフトバンク。博多のファンの皆さんこれでいいんですかね?大金注ぎ込んでも優勝できないわけを根本的に考え直さないとそのうちファンからもそっぽを向かれますよ。

この選手の名前?どすこいの山川穂高選手です。ほんまに男を下げましたな...

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新宿南口

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