トムプロジェクト

2021/04/19
【第1471回】

昨日、埼玉県志木市民会館パルシティホールで「Sing a Song」の公開舞台稽古を上演してきました。建前上稽古を公開するということになってはいるんですが、実質上本公演と同じです。役者さんもマスクを外しての芝居となりました。このご時世、稽古中はずっとマスクをしたままの稽古でした。少しでもリスクを避けるための仕方のない対応でしたが役者さん良く頑張ってくれました。ようやくこうして再演できたのに、まさかのコロナの再延、またしても苦難を強いるのかコロナ野郎と苦々しく思うのですが、なんとかコロナ網を潜り抜け公演を成就させねばなりません。この日も万全の態勢で無事公演を終えることが出来ました。お客様の温かい声援が何よりも強い励みであり後押しでした。アンコールの拍手もいつもよりヒートアップしてた感じがしました。終演後、楽屋に行き、少しでも会話を少なく時間も短くとプロデューサーのおいらも随分と気を遣いながらの対応してまいりました。いつもだと帰りに一杯やりながら当日の芝居の仕上がりなど含め歓談するのも芝居屋さんの楽しみの一つなんですが、もしや感染すれば今までの苦労も一瞬にしておじゃんになってしまうんですからここは自粛するしかありません。

27日から愛知県、東京公演、そして関西、中部北陸と6月一杯46ステージを予定してるのですが、このコロナのまん延でどうなることやら?安心して眠れませんがな...と言ってもおいらには芝居の神様が付いておりますけん大丈夫じゃないかしら...とポジティブに思っとります。

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キャベツの花

2021/04/16
【第1470回】

昨日、「Sing a Song」錦糸町稽古場での最終稽古を観てきました。マスク着用での稽古、俳優さんも大変だと思いますが芝居は完璧に仕上がっていました。戸田恵子さん演じる歌手三上あいこの台詞「早く戦争が終わって、みんなが好き勝手に歌を楽しめるようになればいいのにね。」この言葉がそのまま、今回の芝居をコロナ禍のなか駆けつけてくれたお客様に対する希望のメッセージになればと思いました。コロナもまさしく戦争です、この非常時に人はなにがしかの救いを求めていると思います。芝居がその一助になれればとキャスト、スタッフ一丸となって感染対策も含めて稽古してきました。日々増え続ける感染者、そして新たな変異株の問題、はっきり言ってアチャ~と悲鳴をあげたいところですが、ここで引き下がるわけにはまいりません。どんなに警戒しても、眼に見えないコロナちゃんだけに困ったもんでございます。

もうそろそろ堪忍してや!全世界の人たちが戦争は止めにします、環境を大切にします、もう金品に対する欲望もいいかげん止めにしますなんてことを頭下げてコロナちゃんに申し立てすれば許してくれるかもしれませんな...

政治家、行政の人たちの自粛要請の掛け声にも関わらず、人は相変わらず飲食し不要不急の外出をしています。片やオリンピックもやるのかやらないのか?いつになってもおかしなニッポン...どうすりゃいいんでございましょう?うん、つまるところは自己防衛しかありませんな。

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スカイツリーさん
見守ってちょうだいな!

2021/04/14
【第1469回】

今日の東京久しぶりに雨が降りました。若葉に降り注ぐ様がとても美しい!コロナのことも暫し忘れさせてくれます...つい最近も親類の訃報が届きました。こんな時期ですからお線香をあげにも行けず、唯、懐かしい日々を想い出しながら手を合わせました。もうかれこれ7年前に古都奈良から上京され、共に飲食しながら楽しく歓談していたのですが、おいらのサプライズで新宿ゴールデン街に誘い出すことにしました。世界に誇るディープな世界にビックリしながらもキラキラした表情は強く記憶に残っています。まるで子供に戻った如く無垢な魂も垣間見た瞬間でもありました。

生者必滅、会者定離...生まれてくるものは滅び、出会っても別れる定め。その通りではあるが、死しても、かかわった人、あらゆるものに生きた証は歴然として残ります。その記憶が記録として、残された人をサポートし、共に歩む力になることは間違いない事実です。おいらの世代、これからも沢山の別れがあると思います。勿論覚悟はしてますが、おいらに蓄積された想い出の財産はいつも生き続けおいらを励ましてくれてます。

福島第一原発汚染水、海洋放出...きれいな海、そこに住む魚、そして漁業に携わってる人達、なんとも納得しづらい決定だと思います。天災然り、コロナ然り、場当たり的な対応しかできないこの国の現状あまりにも悲しすぎて涙も出ませんばい。

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萌える新緑

2021/04/12
【第1468回】

今日から東京もまん延防止が始まりました。でも、街は緊張感もなくコロナ慣れした人たちが何事もなく行き交う光景がなんとも不気味な気がしました。

先週の土曜日、映画「ノマドランド」観てきました。画面から漲る圧倒的な人間の存在感に恐れ入りました。アメリカの社会から零れ落ち、自ら選択したノマド(遊牧民)の淡々とした生き方のなかに孤独と、過去と、自立と、自由とどのように折り合いをつけていくか...アメリカの荒涼とした大自然の中でくり広げられる時空間は、まさしくこれからの世界をどう舵取りしていくのか観客の想像力を問う作品だと思います。安っぽい連帯、ヒューマニズムなんかより、この孤独からこそしか、もう一度世界を立て直し構築するしかないのではないかと思える作品でした。

何といっても主演のフランシス・マクドーマンドが素晴らしい。2017年にアカデミー主演女優賞を受賞した「スリー・ビルボード」を観た時にも凄い女優さんだと思ったのだが、今回もノーメイクで居るだけの存在感で勝負できるなんて、さすが映画の国アメリカだ。日本でも生きてきたそのすべてを飾ることなく勝負できる俳優さんが出現して欲しいなと思うのだが、今のテレビ、映画産業の状況下では無理でしょうな...この映画も想い出も、モノも捨てていくことがテーマなのだが、役者の演技だって同じことだと思う。余計なものをそぎ落とし何もしないことが究極の演技だと思うのでございます。

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稽古場近くの横綱公園

2021/04/08
【第1467回】

あちゃ~東京もまん延防止要請決定。緊急事態宣言とどう違うのかな?国も行政も打つ手がなく新語を作って目先を変えるしかないのかな...なのに、満面の笑みで聖火リレーを実施し、沿道を埋め尽くす観客から声援が飛び出す始末。これはもはやマンガですな...あまり好みでないあの楽天の親分もさすがにオリンピックは中止すべきと言っておりますし、早く結論を出さないといけないんじゃないかしらと思うんですがね。

こんな状態でありながら春のお花は次から次へと花を咲かせています。なんだかきれいなお花さんから頑張れよ!とエールをいただいているみたいです。木々に芽吹く新緑の美しさを見る度に命のありがたみをつくづく感じます。ここ何年かで亡くなった6人の親友との楽しい日々が何故か想い出されます。かれらも、コロナの感染にはさぞかしびっくりしているでしょうね。でも、あっちの世界にも違ったウイルスが蔓延しているかも知れませんな。

いずれにしても、いつまでも美しいものを見続けて死んでいきたいもんでございます。

 

美は訓練である。金が万能という刷り込みの世で長年戦って疲れ果てた皆さんの前にいきなり美を持ち出しても、戸惑うばかりはわかっている。だから、少しづつ皆さんに訓練を施したい。皆さんが金と生活に苦しんでいる間、ぼくは貧に苦しみ、美によろこんできた。

美とは、殉ずるに値する、唯一の地上の宝である。

 

と、画家の亡き堀越千秋さんもおっしゃっております。美しいものにどれだけ接し日常に活用していけるか?これこそが楽しんで生きる極意かもしれませんな。

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地上の宝

2021/04/06
【第1466回】

東京は桜も散りましたが、又、少し寒さが戻ってきました今日この頃でございます...先週の土曜日から「Sing a Song」の稽古が始まりました。昨年のコロナ感染を受け旅途中で公演を中止せざるを得なかった作品です。初演で戸田恵子さんが第43回菊田一夫演劇賞を受賞し、大和田獏さんはじめ他の役者さんの個性的な演技も高い評価を得たなかなかの芝居でございます。まさか!一年後はコロナも収束し思い切り芝居が出来ると思っていただけに、この現状には正直言ってまたもや苦難を強いられてるなと思います。でも、昨年の9月以降4本の舞台を東京、地方で何とか乗り切ってきたので、ここはネガティブに考えないでポジティブシンキングでコロナの波をかわしていきたいと思っています。これまでの4公演で感じたことは、コロナが及ぼす閉塞感を芝居の持つ魅力で随分と開放できたとの意見を多数いただいたことです。こんな状況でのなかでもアクティブな発想が何かを動かすことは自明の理です。だから芝居をやり続ける!お客様もリスクを承知で劇場に駆けつける。舞台と客席との空間を、舞台人と観客が共有して創り上げる時空間の素晴らしさは体験したものしかわからないと思います。この時空間が芸を生み、客席の呼吸で芸が工夫された芝居の歴史をコロナごときで中断するわけにはいきません。

漆黒の闇に灯りが入り、セットが建てられ、客席に観客が埋まっていく過程を眺めながらワクワク、ドキドキしながら過ごしてきたこの夢の時空間がいつまでも継続できますように...ここは演劇の神さんにお願いするしかありませんな。

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今年もありがとう!又来年待ってます...

2021/04/02
【第1465回】

散る桜 残る桜も 散る桜...ひらひらと舞い散る桜の最後の舞は本当に美しい。咲かせてくれた自然に対して感謝の気持ちを込めて落ちていく。どんな生き物も誕生したからにはやがて死が訪れる。自然界の掟を、こんな情景であらためて教えてくれるこの季節の桜のなんと潔いことか...これを見せられて、人はどう生きた方が幸せなのか?よーく考えてくださいませ。そんな桜とは違う、大きな幹にこれでもかという執念で咲いている桜を見て、おいらはなんとでも咲いて見せる!という執念と、ひっそりと可愛げに咲かせていただきますというけなげさを同時に思い致す次第でございます。森羅万象、生き物はいろんな姿形を変えて他の生き物にクエスチョンを投げかける。これを受け止める感性、思考、行動がその人の人生を決めるといっても過言ではないと思いますよ。

いやまた、マンボウなる言葉が世の中を騒がせています...おいらなんてこの言葉からマラカスを手にして愉快に踊るマンボチャチャチャ♪を連想しますな。コロナに合わせて一同楽しく踊りましょうなんてことになったら一大事でございます。せいぜい省略しても、まん延防止でしょう。それにしても、次から次言葉を変えて世の中の空気を換えようとしても大衆はもううんざりでございます...それにしても連日にこにこしながら聖火リレーしている画像を見るにつけ何か変だと思わない?これこそが不条理演劇じゃないかしら...

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なにがなんでも...
いや、ひっそりと。

2021/03/31
【第1464回】

いやいやまいりました...プロ野球開幕したばかりというのにソフトバンクの強さというより層の厚さに、今年もぶっちぎりのリーグ制覇、日本一になっちゃうんじゃないかしらと不安になりました。とてもライオンズのいっぱいいっぱいの戦力と比較すると心配しますがな。逆転されても、いぶし銀みたいな選手が代打で出て試合をひっくり返すんですから余裕すら感じます。我がライオンズも何とか3勝1敗でいいスタートを切りました。ブランドン、若林という新人を積極的に使う辻監督いいですね。金満チームに選手を盗られても若い獅子達が育ってくるライオンズのチームカラーが好きですね。野球は金じゃないんだぞ!というところを見せてくれるだけでも応援し甲斐があるってもんでございます。

いやいやまいりました...厚生省、更生しろ!と叫んでもいまや馬耳東風でしょうな。あきれて言葉が出ませんがな。ほんまに危機感、使命感のない人達がこの国を司っている悲劇です。コロナ感染第四波が来るっていうのにただ単なる傍観者集団。本当に納税者は怒らんといけませんぞ!こんな自然に恵まれた国の春爛漫の季節におっかなびっくり状態で過ごさないといけないなんて情けない話です。

でも、樹木、草花は、怒りを諫めてくれるがごとく美しい光景を繰り広げてくれます。感謝感謝です...

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春の恵み

2021/03/29
【第1463回】

先週土曜日、杉並区善福寺緑地公園に行ってきました。さすがにいつものシーズンに比べて花見客も少ない気がしました。シートを敷いての飲み会禁止の看板が掲げられてるのにも関わらず無視している若いグループも何組か見かけました。こんな輩から感染していくんだろうね。コロナ慣れ、そして何の手を打つことなく一方的に自粛の連呼を呼び掛けるだけの政治、行政に対する諦めからきた行為なのかな...でも、どんなことがあってもひとりひとりの自覚行為がなければコロナの収束はあり得ないということを徹底しなくちゃコロナエンドレス状況は続くに違いありません。

それにしても、現在進行中の聖火リレー、なんとも珍奇な光景にしか映りませんがな...復興の証としてスタートした福島なんぞは笑っちゃいます。走るところだけ整備して、いまだ倒壊し、ままならない町を走りもしないし絵も写さない。おいおい、誤魔化してんじゃないぞ!と言いたい。汚辱に塗れた今回の東京オリンピックを象徴してるようでございます。外国から選手が派遣される情報もなく、日本選手権大会でもやろうとしてるんじゃないかしら?さすがに国も都も気勢が上がらないどころか口数少なくなってきましたね。

開幕したプロ野球の観客の数も驚きました。まあ、声をあげないから少しは大丈夫とは思いますが、あれだけ多くの人達が移動し集まってるんですから危ないなとは思いますが...いずれにしてもコロナとうまく付き合っていくしかこの国の方策はないんでしょうね。こちらも来月から2本の芝居の稽古が始まるのでしっかりと準備してかかりたいと思っています。

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善福寺川緑地公園

2021/03/26
【第1462回】

今日から待望のプロ野球が始まります。昨年よりコロナ感染者が圧倒的に多いのに(昨年の3月25日96人、昨日は1917人)開幕なんて言うのもなんだか複雑な心境なんですが、ここはコロナで閉塞感に陥っている現状にパット明るい灯をともして欲しいもんでございます。おいらのライオンズ愛も70年になります。寝ても覚めてもライオンズ...おまえ仕事よりも家族よりも友人よりもライオンズの方が大切なのか?なんて聞かれたことも多々ありました...でも、おいらの生活のリズムに不可欠なひとつであることは確かです。少年の頃、西鉄ライオンズの選手になることは大きな夢でした。

その夢を未だ追い求めているわけではないのだが、人生の節目節目にライオンズがひょっこり顔を出してきたのも事実です。やはり、西鉄がクラウンライターズ、太平洋クラブに身売りされたときはショックでした。そして、所沢に来たときは涙がチョチョ切れましたでございます。でもライオンズの名前が継続されたので西武ライオンズも応援することが出来ました。この野球シーズンに応援するチームがないなんて、とても寂しゅうございます。野球は本当に奧が深いスポーツです。一投一打のなかにドラマがあり、人生のヒントになるものがたくさん詰まっています。今年はコロナ感染予防の中での開催で鳴り物、声出しも禁止されるのでじっくり野球そのものを堪能できるのがとても嬉しい。昨年は一度も球場に行くこともなかったのですが、今年は改装なったメットライフ球場(西武ドーム)に行ってみようと思っています。ビール飲みながら若獅子の活躍を、そして今年20年目栗山巧選手の2000本安打達成をこの目で確かめることが出来れば言うこと無しですね。今年は優勝しますぜ...頑張れ!頑張れ!ライオンズ!

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ピンクと黄の競演

2021/03/24
【第1461回】

桜も満開で、気分も高揚し、飲めや、歌えや、踊れやの大騒ぎしたいところだが、コロナが立ちはだかり、ましてやこの時期は花粉症でハクション大魔王。鼻はクシュクシュ、目はカユカユ、なんともさえない2021年の春である。新宿で見かける卒業生の晴れ着が何かモノ申したげにも見える。飲食店も営業時間が一時間延長したにもかかわらず、まだまだ普段の日常には程遠いようだ...新宿西口には都庁勤務帰りの人たちに必死の呼び込みをしているのだが、なかなか応じる気配はないようだ。しかも、呼び込みしてる娘さんがマスクもしないで声掛けしてるんだからヤバイ。この娘さんの神経どうなってるんでしょうね?新宿にはホントに世にも不思議な人たちがウロチョロしております。奇人変人も数多く見かけますが、これが新宿の魅力でもありますが、コロナ拡散の時期はやはり浮いちゃうような危うさを感じます。

新宿には花屋さんもたくさんあります。普段であれば、お付き合いのある役者さんが出演している舞台にお祝い花を出すのが通例なのだが、これもコロナ禍のなかではままなりません。付き合いのある花屋さんも苦戦してるのではと心痛めております。飲食店ばかり助けやがって!と怒りの声を方々から聞きますが、為政者はなんら打つ手は考えてないみたいです。何とも憂鬱なこの時期、ちょいと花屋さんに立ち寄り花一輪買い込んで自宅で眺めていると少しは心豊かさを取り戻せるのかも知れませんよ...

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今日の神田川

2021/03/22
【第1460回】

昨日は一日雨で一歩も外出せず...土曜日は桜の開花と共に一斉に街、公園に人が繰り出しました。昨日で緊急事態宣言解除、これまでの状況をみてもなにが緊急なのか今一つはっきりしませんが...あのセメント大臣「マスクなんて暑くなって口の周りがかゆくなって最近えらい皮膚科がはやっているそうだけど。いつまでやるの?」アホ抜かさんでちょうだいな!こっちが聞きたい質問ですがな。旧態依然セメントでガチガチに凝り固まった悪しき政治が幅をきかせてる現状ではやはり自分の身は自分で守るしかありませんな。

雨の休日もなかなかオツなもんでございます。「雨の日には雨の音楽を」というキャッチフレーズでCDを販売している店(雨と休日)で購入した曲はなかなかのもんでございます。寝る前に聴くと、これまたぐっすりと眠れるんですよ。しとしとと降り注ぐ雨垂れとピアノが見事に調和して心身を心地よくほぐしてくれます。昨日は、2020年下半期に芥川賞を受賞した宇佐美りんさんの「かか」を読みました。弱冠21歳、現役の大学生、鮮烈な文体がまるで矢のように綴られていく。中上健次の傑作「十九歳の地図」を彷彿とさせる。

 

降りる駅になって、夕日に焼けた冷やこい風がさあっとうなじのあたりを抜けました。縮毛矯正でまっすぐにしたはずの髪も、こうして汗に濡れるとおくれ毛のあたりには癖がでます。くるりと巻いた髪を指に巻きつっけて、ぐいぐい伸ばしながら乗り換え時間を過ごしました。雲がはやく流れ、唐突に光が散らばったり、また翳ったりします。

 

多感な感性がちりばめられた文章が次から次に繰り出されてきます。時代、人は確実に変化しています。なのに変わらない旧態依然のオヤジたちの政治...どうにもならんですばい!

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六分咲きかな?今日の神田川

2021/03/19
【第1459回】

「たぬきと狸とタヌキ」昨日、越前市いまだて芸術館で無事終えることが出来ました。昨年9月の再開以来4本すべて何事もなく公演することが出来ました。何度も言いますけど、キャスト、スタッフの並々ならぬ努力のたまものだと思います。旅先でも美味しい酒と食べ物を口にしながらその日の芝居の出来なんぞを話しながら寛ぎたいところをぐっと耐え忍んで芝居に集中した結果だと思います。演劇の楽しみの一つに、見知らぬ土地の人たちと触れ合い交流を深めることにあります。大都会ではなく地方の小さな町でキラキラした眼で芝居を楽しんでくれる人たちにどれだけ勇気づけられたことでしょう...東京のお客様の厳しい目に晒されて落ち込んだ役者が、地方の温かい声援で立ち直った話もよく耳にします。地方のお客様の芝居をとことん楽しもうとするおおらかな受け止めが、神経戦で疲れ切った役者の心身を程よくほぐしてくれたんでしょうね。芝居は都会だけの見世物ではございません。全国各地を駆け巡り時間かけての旅芝居こそ芝居の醍醐味でございます。

多和田葉子『ヒナギクのお茶の場合』読了。ドイツ在住の作家だが、なんとも不思議な文体を持った作家である。主人公が哺乳瓶の乳首になったり、平凡な日常がまるで宙を舞い特有な世界に誘ってくれる感覚はハマる人にはたまらんだろうなと思います。知の冒険はコロナ疲れの心身にとてもよろしい旅でもございます。

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おいらも、もうすぐ...

2021/03/17
【第1458回】

桜が咲き始めましたね...この時期いつもだとウキウキするんですが、コロナの影がウロチョロしてて今一つスッキリしないのが正直なところですね。緊急事態宣言21日には解除するみたいですが、またもや新しいコロナ株が拡がっている情報を耳にするとアチャという気分になっちゃいます。こちらも5月に「Sing a Song」「狸の里帰り」2本の公演を控えているだけに、来月から始まる稽古にもピリピリしています。幸いにして、これまでの公演はなんとかみんなの努力とお客様の心温まる支援で乗り切ってきましたが、一寸先は闇なので気を緩めることは出来ません。

まあ、心配ばかりしても折角咲いてくれてる桜にも悪いですから「今年もありがとう!」という気持ちで愛でたいと思います。ウイルスにも災害にも負けず毎年決まって咲き誇る樹木の生命力にニンゲンも学ばなきゃいけませんな...科学の力に頼って進歩の名のもとに突き進む人類に対する愛のある表現だと思います。これから新緑も、あっという間に芽生えてきます。どんな薬よりも、この困難な時期、樹木が織りなす絢爛な世界は我々にとっては最適な特効薬に違いありません。

ただ、満開の桜のもとでの多数の集まりは今年に限って桜に対しても迷惑なことになりますのでくれぐれもお控えくださいませ。

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咲きました!

2021/03/15
【第1457回】

「たぬきと狸とタヌキ」先週金曜日、両国シアターX(カイ)で無事東京公演千秋楽を迎えることが出来ました。昨日は広島県福山市神辺文化会館でも上演しました。怖いくらいに順調に芝居を上演できてることに感謝です。何でもそうですが、一人では何も出来ません。上手く事が運ぶには様々な要素が絡み合っているのが常ですが、この演劇の世界でも同じです。1994年に第一作を創って27年こうやって芝居をやり続けてこられたのも、つくづく人との縁を感じます。誰と出会うかでその人の人生は決まってしまうと言っても過言ではないと思います。夫婦、友人、会社、そして芝居の世界でも同じです。ことに一癖二癖もある人種が集う演劇の世界、一歩間違えば奈落の底に突き落とされる社会です。おいらも感度の良いアンテナをおったてて、時には大胆に、時には細心の注意を払いながらお付き合いしてきたのですが、最終的には信頼関係を築かねば何事も上手くいきません。おいらだって仏様じゃありませんから時には「この野郎...おめえなんて他人様の前に立てる人間じゃありまっせん!」と怒り心頭に達したこともままありますが、ここは心が広いキヨシ君を登場させることによって事なきを得たなんてこともございました。プロデューサーもうまい役者でないと務まりませんことよ...昔取った杵柄で危機を避けられるなんて、何事も体験は無駄にならないということですな。あまりうまい演技だとあざとくなるので、ここはヘタウマ演技の方が効果があるのかもしれませんね。

この芝居、残すは兵庫と福井の2ステージとなりました。無事に終えることを祈るのみです。

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両国にある吉良邸跡

2021/03/11
【第1456回】

今日は東日本大震災から10年...メディアはここぞとばかり連日特集してますが、10年前の3月11日の出来事は、1945年8月15日の敗戦同様、今生きてる人すべてが心して日々忘れてはならないことだと思います。ついつい調子に乗りすぎて上の空になりがちな日常の歯止めにしなければならない啓示だと言うことを肝に銘じたい。自然はことあるごとに人間に懲らしめとして黄信号を提示しているのに、今ある太平楽に安易に妥協してしまう体たらく。こんな大惨事にあいながらも未だ原発に依存しようとしている政治、行政の人達の気が知れない。福島の原子炉、汚染水などなんら解決の道筋は見つかっていません。この事故で故郷を失った人達の思いは如何ばかりか...なにが復興のためのオリンピックか!先ずは未だ先が見えない避難民のためにお金を投資するべきだし、悩み苦しんでる被災者に最善の環境を提供することを最優先にして貰いたい。この10年被災者皆さんの過ごした時間は、想像を絶する葛藤の日々であったに違いない。この気持ちを人として共有できる人がひとりでも多いことを願いたい...そして、その想いが必ず困難な未来にある道筋を与えてくれることを信じたい。

「たぬきと狸とタヌキ」の東京公演も明日の一日を残すのみとなりました。客席50%ながら日々満席状態です。皆さんほぼ満足して劇場を後にしていく姿を見るにつけ、こんな状況のなか芝居をやれることに唯々感謝です。

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公演地の両国界隈

2021/03/09
【第1455回】

昨日「たぬきと狸とタヌキ」の東京公演初日を無事終えることが出来ました。緊急事態宣言が又もや延長されてのなかでの公演だけに関係者全員ピリピリしています。でも、皆さん本当に頑張っています。頑張るってフレーズあまり好きではないんだが、ことコロナに関しては耐えて頑張る以外は打つ手もない状態です。政治、行政はまったくあてにならない処かコロナを政治の駆け引きに使うぐらいの人達だから呆れてしまいます。手洗い、うがい、マスク、必要のない飲食などなど生活者は守ることはきっちりとこなしていますよ...

昨日の芝居も、テンポ良く今の状況をしっかりと見つめた演劇として成立していました。客席を50パーセントにしなきゃならないことは、制作側としてはなかなか辛いところなんですがお客様が喜んで頂ければ嬉しい限りです...緊急事態制限下でも劇場に足を運んでくれるんですから頭が下がります。世の中には、この非常時に「演劇なんてやりくさって...」なんて、芝居屋を悪人扱いにする人達も居るんですから涙チョチョ切れてしまいますがな。

乾いた心身に潤いをもたらすからこそ、無くしてはならないアートでございます。今すぐ効く特効薬でないかもしれないけどジワリジワリ効果を発揮する漢方薬ってところかな。

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春を待つメタセコイヤ

2021/03/05
【第1454回】

またまた緊急事態再延長、政府も知事も耐えに耐えてる人たちに要請してばっかりではございません?たいした対策もしないでお願いばかりでは頭に来ますわ。昨日も税務署に行ったのだが、わずかな年金生活者にも容赦なく税金を取り立てるんですから言っちゃいましたよ。「年金は長年せっせっと貯金したお金じゃないの...それにしても不埒な政治家、官僚なんかに、汗水たらして一生懸命に働いて納めた税金を気持ちよく納めたくないのが本音だよ。」おそらく大半の人が同じ思いだと思います。コロナ対策にしたって、なんでPCR検査を未だに渋っているのか?オリンピックありきで感染者が増えるのを恐れているのは分かるのだが、オリンピックと人の命どちらを最優先させるか子供だって分かります。コロナが発生して1年、あんたら何やってたの?一番大変なときには、むにゃむにゃ幹事長の肝いりでGoToトラベルで感染拡大させ、あんたらは国会閉会なんて体たらく。商売やってる人達は資金繰りで右往左往してるのに、あんたら自ら給与返金なんてしおらしいことする人一人もいませんでしたね。いい加減怒るで!と言っても変わらんでしょうなこの国の体質はと諦めの心境です。ミャンマーよりはましなんて呑気な気持で居たら、いつの間にか同じような国家体制になりますぞ...今年一月に亡くなった昭和史に光をあてた作家でジャーナリストの半藤一利さんも遺言として言っとりました。「日本人は歴史から学ばない」あの戦争だって一部の権力者に惑わされ地獄を味わった。要は一人一人が自立しなきゃいかんと言うことです。ぼけっとしてると悪巧みしてる輩の思いのままになりますがな...気持ちよく税金を納められる未来がこないと浮かばれませんでございます。

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役所の前に立つ像

2021/03/03
【第1453回】

今日も快晴、又、寒さが戻りましたが気持ちの良い一日になりそうです...著名な哲学者の本を2冊ばかり読んでましたが、途中何だか嫌になり中断しました。何が嫌になったかといいますと、この方の文章がすべて頭の中で構築されていて、言葉を巧みに操ることに徹底し万事、屁理屈にしか感じられなくなり、なんだか言葉遊びにつき合ってること自体が馬鹿馬鹿しくなったと言う訳でございます。こんな方に、いくつもの賞を与えるこの国のアカデミック第一主義にあらためてうんざり、がっかり、ごめんなさい。でも、文学の世界では言葉を軽快に操り観念だけで見事なドラマを成立させる世界があるのも確かです。やはり書き手がしっかりと大地に立ち、今まさに生きてる人間の息遣いを肌で感じ言葉にしていく。そうでないと、読者の心には響いてこないのではなかろうか...

と言う訳で、言葉から絵画に目を転じました。スペインをこよなく愛した堀越千秋さんの画集『堀越千秋画集 千秋千万』を眺めながらにんまりしております。彼は2016年10月に67歳で亡くなりました。スペインで一度、日本で二度ほど会いました。彼のカンテも聴かせてもらいました。カンテと言うより浪花節を聴いてる感じがしましたな(ほとんどスペイン人なんですが根っこはやはり日本人)20代後半からスペインに住み始め、スペインの庶民の中に裸一貫で飛び込み、画壇とは無関係に画きまくった無頼のアーチストでありました。文も絵も精細さと奔放さを持ち合わせた、おいらが好きな放浪の画家の一人です。

それにしても、この画集を出版した大原哲夫さんも大したもんです。赤字覚悟で576ページ、厚さ5センチ、重さ2500グラムの本を出版するんですから、ほんまもんの出版者です。この世の中に絶対に残したいと言う信念で成し得た仕事です...確かに二人の熱量がおいらの魂を今一度熱くさせてくれてます...一度きりの人生、悔いのない生き方、仕事せんといかんですばい皆の衆。

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千秋千万

2021/03/01
【第1452回】

週明けの今日は3月1日に相応しい春日和です...梅が咲き誇り、各地の河津桜も満開のようです。弥生という響きも何とも柔らかい匂いがしますね。昨今は花粉症という厄介な代物が出現し、弥生という季語も煙たがられていますが、やはり身に纏った服を一枚一枚と脱ぎさっていく爽快感はこの季節特有のものです。まさしく、軽くなる感覚は心身を解放していき何かが始まる予感さえしてきます。進学、就職、栄転なんて事柄が目に浮かんできますが、昨年今年と、このコロナが立ちふさがり行く手を阻む悪魔のようにも見えてきますが...これも又、自然界の法則をぶち壊したニンゲンの所業なんですから仕方がありませんね。

そして、いよいよプロ野球も始まりますね。昨年はなんと7月からのオープンだったことを考えれば、今年は球春にぴったり、昨日も練習試合をニコ生で見てましたが、なんとコメントの文字が次から次に出てきて肝心の試合の様子がよく分かりませんがな...これもSNSの産物なのかな?一億総批評家の時代ですな。試合は静かに観てくださいなといっても熱狂的なファンはそうはいきません。発散することが観客の定義なんて考えてる人達が居て成立していることも事実ですが、そろそろ鳴り物の応援は止めてくれないかな。敵も味方もいいプレーが出たら拍手、ゲームそのものを楽しむなんて球場になったらいいなとおいらは考えています。昨年は一度も球場に行けなかったので今年は是非行ってみたいと思っています...勿論、改装して観客目線を大切にしたメットライフドームです。

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春薄暮

2021/02/26
【第1451回】

昨日、埼玉県志木市民会館パルシティホールで「たぬきと狸とタヌキ」の公開舞台稽古をやってきました。昨年の9月から再開した3本の芝居はジャンル的にも、どちらかと言うと硬派という印象が強かったのだが、今回の芝居はコロナ禍のなかで狐とタヌキの騙しあい風のコメディに仕上がっています。この窮屈で何とも重苦しいご時世、笑い飛ばしてすっきり劇場を後にして頂ければと思っています。さすがプロという榊原、岡本両ベテランの丁々発止の掛け合いに小林、生津、カゴシマが入り乱れ、人間関係をより複雑にしていく運びはエンタメ演劇の王道ではないだろうか...観客を入れての初めての芝居は役者さんとっても緊張するもんでございます。ここはベテランも若手も一緒です。思わぬところで笑いが起きたり、受けようと思ってたところで反応がなかったりと、役者は薄氷を踏む思いで板の上に立ってるんでござんすよ。きっと心臓がパクパクとしていることでしょう...台詞が出てこなくなったときに巧みに誤魔化し危機を乗り越えていく様を見届けるのも、プロデューサーとして別の意味での楽しみですね(ちょいと意地悪な鑑賞方かな)そして、この日は、劇場での観劇が叶わないお客様にも、作品をお届けできるようイープラスの配信サービス「Streaming+(ストリーミングプラス)」での映像配信のカメラも入っていたので余計に緊張していたのではないかと思います。

今日の東京は肌寒い曇り空、白い可愛い梅の花もチラホラと散り始めていました。

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白梅

2021/02/24
【第1450回】

祝日開けの今日、またまた如月に相応しい気温になりましたが春は確実にやってきています。梅があちこちで咲いており、それにつれて人の外出も増えだしております。ここで油断するとコロナ第四波がやってきますぞ!と各々が自覚しないとコロナエンドレスなんてことになっちゃいますね。

最近TVでよく旅番組を見るんですが、なんだかホッコリするシーンが多くて豊かな気持になってきます。昨日観たラオスのビエンチャンの庶民の表情、邪心なんぞ感じません。世界遺産もなければ高層ビルもない、なんともゆるい街です。舗装されていない道を走る乗り合いバス、バイク、信号なんぞもあまり見かけません。乗り合いバスの運転手が荷台につるしたハンモックで昼寝してる姿なんぞは笑っちゃいます。おいらが過ごした昭和30年前後の博多の街にも似た感じがありました。お金なんかよりも大切なものがあった時代です。貧しくとも身近なものに感謝し、ささやかな喜びを見いだし生きている様に、人間本来のあるべき姿を見る思いです。すべての先進国が捨て去った不便さに、もういちど光を当てれば少しは平和を取り戻せるかも知れませんね...なんでせわしく、ぎすぎす、他を気にして生きなきゃならんのよ、ほっこり、のんびり過ごせばストレスなんか寄ってきませんがな。

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都庁裏の庭

2021/02/22
【第1449回】

暖かい日が続いています...先週の週末、劇団チョコレートケーキの「帰還不能点」を観てきました。なぜ日本は敗北を予想しながら、敗戦の道を辿る対米戦に踏み切ったのか。9人の男優が、亡き同僚の三回忌に奥さんが経営する居酒屋に集まり、劇中劇形式で時に笑わせ、時には激高しながら、当時の有様を息もつかせず展開していく。人間としての良心と責任を語り合うラストは、時代を超えて今に生きる人たちへの確かなメッセージとなっている。

今や教育の現場で教えられない戦争にまつわるエピソード、若い人達に是非観てもらいたい作品でもある。年明けて観劇する作品、ことごとくクオリティーが高い作品ばかりである。

コロナで苦しめられてる演劇人の何とかせねば!という気合と志の高さが垣間見えて嬉しい限りだ。まさしくコロナごときにくたばってたまるかという創造者たちの更なる前進に拍手を送りたい。そんな刺激的な現場に、どうぞ劇場に来て下さい!なんて言うことも緊急事態宣言下の中では恐縮するのだが、そんな中でも人間の尊厳を切々と訴える役者の姿を観てるだけでどれだけ勇気を貰えるか、どうかあなたの身体で感じてくださいな...勿論、中にはつまらんものもありますからその時は許してちょんまげ。

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初夏の様な今日の空

2021/02/19
【第1448回】

オリンピック組織委員会の会長に橋本さんがなったのは仕方が無いにしても、この人もオリンピック開催ありきを口にしている。国民の多くの人、そして国際的にも疑問視されているにも拘わらずどうしてもやりたいんですな...その皺寄せが我々演劇関係者を含むアートの分野に暗い影を落としつつあるようだ。夜の公演の制約、客席を半分に制限などなど、オリンピック開催の犠牲になるなんてとんでもない話だ。アメリカの大統領も言ってるじゃありませんか「五輪開催は科学に基づいて判断」と。コロナ収束無くしての開催はあり得ない話だというのに、開催ありきの進め方にはどうしても納得できない。そして話題の女性トロイカ体制で果たして上手くいくのか?三本木のオッさんの院政はないのか?いずれにしても、オリンピックごり押しでまたまた悲鳴を挙げなきゃならないなんて、ごめん被りたいもんでございます。

春の足音が日増しに聞こえてきます...鳥の声も一段と高らかに、木々の蕾もニョッコリと、川のせせらぎも太陽の光を浴びながらキラキラと輝いています。おいらはこんな風景を感じながら夕陽を眺めるのが大好きです。今日も一日、平穏無事に暮れていく景色に唯々感謝。

夕陽に向かって「明日も頼みまっせ!」と手を振りたくなります。

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今日も一日ありがとう

2021/02/17
【第1447回】

なかなか外でお酒を飲めない昨今、何気なくテレビで観た映画が当たりだと嬉しいものだ。先日観た「127時間」なかなか面白い作品でした。登山家アーロン・ラルストンが体験した実話を監督ダニー・ボイル、ジェームズ・フランコ主演で2010年映画化したサスペンスドラマ。なんと2011年第83回アカデミー賞の作品賞、主演男優賞にノミネートされてたんですね。アメリカ ユタ州にあるブルージョン・キャニオンという名の渓谷で岩壁のロック・クライミングを楽しんでいる際に、上から転がり落ちてきた大きな石に右腕を挟まれ そのまま見動きがとれなくなるという、なんとも不運としか言いようがないアクシデントに見舞われ、それから127時間残り少ない水を飲みながら過去と妄想と苦悶を彷徨いながら、なんと中国製の安っぽいポケットナイフで挟まれた右腕を切断して脱出すると言う話なんだが、カメラワーク、音楽のセンスの良さでなかなか飽きさせない。腕を切り落とすシーンは、さすがに目を背けてしまう程の痛い!痛い!痛い!のシーンでございました。それにしても岩に挟まれたこの場面だけでここまで膨らませていく映画人の創意工夫に拍手を送りたい。

今日から国内でワクチンの接種が始まった。テレビでライブ中継してるのにも驚いた。それだけ歴史的な事件だということだ。とにかく一刻も早くコロナ禍の収束を願うばかりだ。芝居も安心して出来ないし、老舗のお店は潰れるし、もうこれ以上悲しい気持にさせんで欲しいわ!しかし、このコロナ君、確かにこれからの新しい生き方の指針を指し示したことは間違いない事実だ。当たり前のことだが何事もバランス、どっちかに偏ると異常な現象が起こるってことを忘れませんように...

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アンコ椿は恋の花

2021/02/15
【第1446回】

いやいや、10年巡って再び、13日の地震には驚きました。東京もかなり揺れましたね...天災は忘れた頃にやってくるなんて言葉がありますが、10年前のあの爪痕はまだまだ記憶にしっかりと残っているだけにショックは大きかったと思います。こうなりゃ、もういつ来てもおかしくないという心構え、準備をするしかない。

この日の昼間は、天気も良かったので久しぶりに井の頭公園に行ってきました。コロナで縮こまった心身を解放すべき多くの家族、カップルが穏やかな日差しを浴びながら平穏な時間を楽しんで居ました。平和だから、健康だから持ち得る幸せなひととき、このありがたさを享受出来ることに感謝すると共に、どうしたら継続できるかを真剣に語り考えねばならないと思います。偶然に出来た平和ではないし、先人が汗と涙と、そして時には血を流しながら獲得した平和だからこそです。池を泳ぐカモたちも、憂き世のコロナ騒ぎを知ってか知らずかスイスイと気持ちよさそうにはしゃいでおりました。

帰りの電車の中で中年のカップルがいちゃついておりましたな...といっても二人でお手々を濃厚に触りながら囁いているだけなんだが、となりのオバサン嫌だったのかな?他の席に移動しました。人間観察が好きなおいらはなんとなく観ておりましたが、これは夫婦ではないなと見ました。まあどちらでも良いのだが、電車の中は公衆の場でありまして、先ずはマナー重視といきましょう...そのちょっとした仕草で、殿方淑女の生き方全てが出ちゃうんですぞ。いくつになっても、男も女も粋じゃなきゃね...

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春を待つ井の頭公園

2021/02/12
【第1445回】

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長辞任、その本人が川淵氏を指命したのだが密室と非難され川淵氏も辞退。昨日の夕方自宅前で「人生最後の仕事だと思って、どんなことがあってもオリンピックを成功させます」と決意表明したばかりなのに...なにやってんの?何だか義理人情の古くさいドラマを見ているようであったのだが、今度は政治の介入。ほんまにこの国の体質はいつまで経っても変わりません。今度は女性じゃなきゃなんてご都合主義的な発言をする人も現れ、急に女性をクローズアップさせるなんておかしさ百倍になってる感じでございます。自民党も、都知事も風見鶏、様子を窺い、ここぞというタイミングで庶民を味方に付ける手法も見え見えでたまりませんばい...一体全体、この状況の中で本当にオリンピックが出来ると本気に考えてる人がいるのかな?世界の国のオリンピックに対する意見もいまいち伝わってこないし、第一アスリートは選出されてるのでしょうか?そんな記事みたことありませんがな。どの国もコロナでそれどころではないのに絶対やるなんてことを喋ること自体が可笑しくありません...最近のオリンピックは金塗れ、アメリカのNBCが多額の放映権を持っているのをはじめすべてが金絡み。この際、冷静にオリンピックなるものを再考するいい機会にしたいもんでございます。

オリンピックを夢見ながら試練に耐えたアスリートの方々には大変残念なことだとは思いますが、コロナが世の中の不条理に刃を突きつけている今、ここは未来を見据えてすべての人が真摯に思考し行動しなければいかんと思います。

何年経っても、同じ風景、光景をみせられて、ほんまにこの国変わるんかいな???

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梅は咲いたか~ 桜はまだかいな~

2021/02/10
【第1444回】

世界がコロナで大変な時期、おいらの第二の故郷スペインも、もちろん非常事態であるに違いない。でも、おいらの想像だが以外にものんびり明るく暮らしているのではなかろうか?あのキンキラした太陽のもとで暮らしてる人たちには何ともマスクがお似合いではなさそうだ。美味しいものを思いきり食べて、楽しい会話をたくさんして(人の話を聞かないでまずは自分が喋りたいことを優先するのが大前提だが)愛する人とこれでもかというぐらい愛し合ったならば死んじゃっても、悔いは無しなんて思ってるんじゃないかしら。いや、そうした方がコロナに勝てるに違いないなんてぶっ飛んだ発想で生きているに違いない。そんな国だから、ピカソ、ダリ、ガウディなんてとてつもないアーチストが生まれたんですな。

特においらが長年住んでたアンダルシアの人達に至っては、コロナさえも日々の祝祭として大好きなワイン、シェリー酒飲みながらバルで陽気に過ごしてるに違いない。

苦労して、悩んで、ストレス溜めながらの人生よりも楽しく人生を終わらせたい!そうは人生上手くいかないとしても、考え方としては正解ではなかろうか...

コロナ確かにやっかいですけど、あんまり煮詰まった思考ではほんまに疲れますがな皆の衆。

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スペインアンダルシア

2021/02/08
【第1443回】

週明けの東京は昨日に比べ寒い日となりました。まさしく三寒四温、春の足音が近づいていることは確かです...先週の週末、座・高円寺でトラッシュマスターズ「堕ち潮」観てきました。休憩挟んで3時間20分という大作です。この非常事態宣言下のなか、硬派の芝居を長時間上演するってことは余程自信があってのことでしょう。政治家の談合あり、差別問題あり、南京大虐殺を巡る教育など、いくつもの問題点を速射砲のごとく撃ってきます...この手強い弾を15人の役者が上手く捌いています。捌くというより自分の言葉にしているので時間を感じさせません。それぞれの役をきっちりと生きているんでしょう...この日は30分の間を置いて2ステージ目をこなすんだから頭が下がります。すべての演劇人が危機感を抱きながらステージをこなしてる様が目に浮かびます。

コロナの感染者数が下がったと言われても未だに不安感は払拭できない気がします。オリンピックに向けての数の操作かもしれないし、GoToトラベルの再スタートのための数合わせかもしれないし、とにかく不信感極まりない政治、行政のやることだし不透明としか言いようがない状況であることは間違いない事実です。救世主であるはずのワクチンだって半信半疑...この世の中、何が真実なのか?今日もメディアでピーチクパーチクいろんな分野の人たちがつぶやいております。この人たちにとって、コロナは飯のタネなんでしょうね。

コロナ特需で喜んでいる人達、逆に泣いている人達。まさしく人生いろいろでございます。

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裸木

2021/02/05
【第1442回】

今日も東京は良い天気、春が間違いなく近づいています...「モンテンルパ」が終わるやいなや、「たぬきと狸とタヌキ」の稽古もピッチが上がっています。2月25日には埼玉県志木市で公開舞台稽古をやります。俳優という職業つくづく大変な仕事だと思いますね。あんな膨大な台詞を短期間で覚えての真剣勝負なんですから心身とも休まる暇がないのでは...役を創る過程での模索の中、一度、ダメでもいいんだと覚悟したときにふっと楽になり思わぬチカラが沸く瞬間があるのではといつも思う。開き直りとも違う、これぞ余分なチカラを抜くと言うことではないかしら。心身が解放された時に無敵になるってことかな...所詮、うまくいこうが、うまくいかなかろうが己は己以上でも以下でもないありのままの姿でしかないんだから。脱力こそが人生を楽しく生きる智恵なのではないでしょうか。

それにしても三本木のおっさん、完全に耄碌してるんじゃないかしら。昨日の記者会見、全然謝罪の気持皆無。むしろ俺は被害者と言わんばかりの憮然とした表情でございました。そんな老害者に対して現内閣の閣僚一人として辞任を進言しないんですから呆れて言葉も出ませんがな。都知事のオバサンも言わんかい!まあ、両者ともオリンピックの実績を歴史に刻みたいがために、権謀術数を弄しながらの様子見をしてるんでしょうな。ジェンダー・ギャップ指数、日本は144カ国中121位、何とも恥ずかしいお国でございます。政治は世襲、老害議員が睨みをきかせ、他の議員は口出しも出来ない有様。受難のこの時期に、公僕たる議員の給与削減すら出てこない政治屋には呆れるばかり...これは野党も共犯でござりまする。特権意識ぷんぷんの輩にはアチャ、困ったもんでございます。

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新宿の夕景

2021/02/03
【第1441回】

昨日は節分、おいらも豆まきいたしました。窓を開け「鬼は外、福は内!」こんな時期ですからコロナのことを考えながら思いっきり豆を放り投げた次第です。恵方巻も南南東に向かいガブリとやりました。おいらは神頼みというやつはしたことがなく、神社仏閣に行っても手を合わせ「生かして頂いてありがとうございます」と感謝の言葉をつぶやくだけです。でも、今年は豆に託してコロナ退治も必要なのかもしれませんね...緊急事態延長なんてことになってしまいました。庶民は日々一生懸命にまじめに行動してるのだが、政治家どもはいい加減な輩ばかりです。ほとんどの人が信用してないんじゃないかしら?そして又もや、補償金のいい加減さに怒髪天。相変わらずアートの世界もほったらかし状態でございます。客席は半分、外出自粛じゃ赤字公演は自明の理。それでも劇場に足を運んでくれるお客様はほんまに神様でございます。

あの養老孟子さんも言っとります。「都市の解毒剤」としてアートが存在してきたのではないか...けだし名言、ウイルスに汚染された時の特効薬はアートだと思います。「モンテンルパ」に来ていただいたお客様にこんな言葉がありました。「芸術がないとお肌もボロボロ、心もガサガサになって早死しちゃいます!芸術は人に生きる喜びを与えてくれます。」なんと嬉しいお言葉でしょう...勇気凛々、コロナが吹き飛ぶような芝居創らんといけませんな。

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新宿のオブジェ

2021/02/01
【第1440回】

先週土曜日「モンテンルパ」無事に千秋楽を迎えることが出来ました...緊急事態宣言下の中での公演が何事もなく無事に終えることが出来たこと本当に嬉しい!何度でも書きますが、キャスト・スタッフの心労いかばかりかと胸が痛む日々でございました。そんな状況での役者は、何故か芝居の神様の魂が乗り移った感さえしました。ラストステージは見事な舞台でした。コロナにもかかわらず劇場に足を運んでくれた皆様も大したもんでございます。この鬱屈した日々の中、舞台から何かヒントをもらえるのではないか?いや、こんな時こそ舞台人を援護したい!様々な思いを抱きながら来て頂いたのではないかと思っています。

終演後、普段であればおいしいお酒と食事で打ち上げをやるのですが、この状況では無理です。ロビーで軽く三本締めで締めました。勿論、再演を願って...

おいらは初日から舞台後方で芝居を見続けていたんですが、劇場に昨年亡くなられた大和田獏さんの奥様、岡江久美子さんがいらっしゃる感じがしてなりませんでした。今回の公演が成功したのも、きっと岡江さんが見守ってくれたに違いないと思います。劇場には目に見えない多くの舞台の先人が住みついています...カーテンコールでの獏さんの挨拶が何故か岡江さんに向かって「ありがとう!」と言ってるように見えました。

コロナに負けてなるものか!次ぎの芝居に走り続けます。

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東京芸術劇場前の広場

2021/01/29
【第1439回】

「モンテンルパ」今日と明日の2ステージを残すのみとなりました...関係者皆さんの猛烈な自覚の賜物でここまで来たと思っています。いつも葉書にびっしりと感想を書いてくださるOさんから今回も届きました。

 

昨今、自粛が叫ばれ、外へ出ることも、人と会うことも少なくなった折に、劇場でこうした心に残る芝居に出会えることはまことに幸運なことです。人の生死を考えるにはまたとないきっかけですから。疫病で死者が出てもあまり動揺するでもない世間の鈍い反応を見ていると戦争に駆り立てられて行った当時の世相も、知らないうちに限られた者たちの決断によって不幸がまき散らされ、その尻ぬぐいをさせられるのは名もない人々であったのだと思いながらも、自分たちの責任を全うしないのも名もなき我々だと考えてしまいます。芝居を続けるには困難な事情が山積するなか、こうした心に訴えてくる話を世に問うご一同様の見識に頭が下がります。

 

この状況の中、しっかりと観て頂き感想を述べられる方々が居る限り我々も芝居をやり続けます。昨日は昼と夜の2回公演でしたが、役者も気合い十分、舞台で渾身の演技をしておりました。この気持こそがコロナを寄せ付けない要因かも知れません。

帰りには雪がチラホラと降っていました...厳しい冷えであったのだが、何故か暖かさを感じました。役者の熱気がそのまま、おいらの心身に残り火みたいに居留してたんですね。

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池袋西口

2021/01/27
【第1438回】

こんな時期に何で又?とお思いでしょうが、昨日から3月初旬に始まる「たぬきと狸とタヌキ」の稽古が始まりました。只今公演中の「モンテンルパ」も弾みがつき3ステージ目を迎える中、錦糸町の稽古場に...稽古前のPCR検査も無事済ませ(何とかなりませんかな...芝居やるごとに何度かやる検査、結構お金がかかって大変でございます。GoToばかりに忖度してアートの方には冷ややかな気がしてなりませんがな)キャスト、スタッフ元気な姿でほっといたしました。この作品は昨年6月に上演する予定だったんですが、コロナ禍の中、中止になった舞台です。なんとかやれないものかと奔走した末に実現しただけに皆嬉しそうでした。役者はやっぱり舞台に立ってなんぼの世界です。大御所Mさんも言っとりました。「芝居やってないと酒飲みのただのおっさんやね...」このコロナ禍で舞台に立てる喜びを一段と噛みしめた役者はたくさんいると思います。

「たぬきと狸とタヌキ」は「モンテンルパ」とは全く違う作品だけに楽しみです。え?こんな作品も創るんだ!なんてところが芝居屋の面白いところです。芝居なんて所詮、いかにお客様を裏切り騙すかってことですからね...騙し騙され、しばし日常を忘れさせてくれるなんて素敵じゃないですか!そして、この芝居自体が騙し騙されての話になってるんですから興味津々でございます。でも、下手な技では「ホンマに騙された!お金と時間を返せ...」なんてことになっちゃいますからね...とにもかくにも、3月の初日に向けてコロナに負けずに精進あるのみ。

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稽古初日

2021/01/25
【第1437回】

先週23日(土曜日)、「モンテンルパ」無事初日を迎えることが出来ました。見えない無気味なコロナに脅えながらのキャスト、スタッフの日々を思うと感無量です!そして、緊急事態宣言の中、劇場まで駆けつけたお客様には唯々感謝あるのみ!いやいや、大変だと思いますよ...初日は19時開演21時終演だったので20時過ぎの不要不急の外出自粛に触れちゃいますので、かなり躊躇されたのではなかろうかと推測いたします。それでも来てくれるんですから、まさしく応援団。そんな熱い応援に応えるべく役者の皆さんは入魂の演技で答えておりました。勿論、熱演即いい芝居ではございません...でも、前代未聞の状況の中で演じる役者の内面はただならぬものがあると思います。

初日に比べ、二日目の舞台は更にグレードアップされていました。まさしく芝居は生き物。危機を乗り越え舞台に立てる喜びが役者の身体に憑依し見違える芝居に仕上がっていました。劇場を後にするお客様から「元気もらえました!」なんて言葉を掛けられると、いや、こちらこそと言いたいところです。コロナが収束した数年後には、きっと昨年末から今年の初めの舞台は一生忘れることが出来ない貴重な財産になっていると思います。

まだまだ油断禁物、明日から30日まで舞台は続きますので気を引き締めて参りましょう。

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無事幕が開きました

2021/01/22
【第1436回】

緊急事態宣言が発令中、2本の芝居を観劇しました...1本目は神奈川芸術劇場で上演された「セールスマンの死」、2本目は下北沢ザ・スズナリの劇団ONE OR8「グレーのこと」両作品とも再演なのだが、初演と比べて数段良くなっていた。このコロナ禍のなか舞台に関わる人間にとっては、日々不安の中で如何に表現していったらいいのか?その苦悩、逡巡がより優れた舞台成果に繋がったのではないかと思う。

この状況の中、演劇は大きな矛盾を孕みつつ存在自体が厳しく問われている気がします。この時期に「どうぞ来てください!」と力を込めてお誘いできない歯がゆさが全てを物語っているのではなかろうか。劇場は会話をすることもなく観客は検温と消毒を済ませマスクをかけておとなしく観ているだけで何ら危険性はないとは思うのだが、「緊急事態宣言が出てるのに公演するのがおかしい!」「こんな時期に行くなんて信じられない」なんて仰有る人達が居るのも紛れもない事実です。

昨日の小劇場ザ・スズナリは座席の間隔を空けながらもほぼ満席だった。芝居をやる人間にとってこんな嬉しいことはない。こんな時期だからこそ演劇にエールを送りたい!芝居を観て未来に繋がるヒントを得たい!こんなアクティブな人達に支えられて芝居が成立してることを再確認した日でもありました。役者は観客の息遣いにより気づかされ成長していく生き物であり、演劇に関わる人達は全て、劇場に足を運んでくださる人達に最良のプレゼントを手渡したい!と言う一心で日々研鑽しているのでございます。

明日、「モンテンルパ」幕が開きます。

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下北沢の夕景

2021/01/20
【第1435回】

寒い日が続いています...酒飲みの老いたる輩にとっては、コロナの影響でそうそう簡単に酒場に足を運ぶことにためらう日々でございます。そんな今日この頃、家に帰り一杯やりながら旅番組を観ることは暫しの憩いのひとときです。旅好きなおいらの好きな番組にNHKBSプレミアム「世界街歩き」があります。この番組の良いところは歩き目線でカメラを移動させるところです。今まさに視聴者が街を歩き異国の見知らぬ地を散歩してる気分にさせてくれます。昨日はイギリスのヨークという町の街歩きでした。ヨーロッパの街並みは古い建築物が今なお立ち並び歴史を感じさせてくれます。まさしくいにしえの匂いがプンプンと立ち込めています。住人もその歴史に尊敬の念を抱きながらゆったりと暮らしているさまに人生の豊かさを感じます。このヨークの街にある古きパブが経営困難に陥ったときに、180人の住民が株主になり店を立て直し憩いの場として酒を飲みながら、それぞれ好きな楽器を持ち寄り演奏会を繰り広げているシーンは何とも素敵でした。

もう少しゆったり過ごしましょう...お金も大切だけど、一度きりの人生もっと大切なことがあるんじゃないかしら?団体旅行じゃなくふらりと旅してみませんか...いろんものがいろんな形をして視えてきますよ。そしてなにが自分にとって大切かということを教えてくれますよ。若い頃、世界あちこちを放浪したおいらが言うんですから間違いありませんことよ。

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春の兆し

2021/01/18
【第1434回】

今週も幕が開きました...先ほど「モンテンルパ」関係者30名ほどのPCR検査の結果が出ました。全員陰性。今週23日から始まる本番に向けてのGOが出ました。いやはや、ハラハラ、ドキドキ身体が持ちませんがな...この段階で陽性者が一人でも出たならば公演は中止。既に発注した大道具、小道具、衣装すべて無駄になり人件費も含めると大赤字になっちゃいます。そんなリスクを背負いながらの日々、ほんまにコロナちゃんいいかげんにしーやと言いたいところですが、欲塗れのニンゲンには徹底的に反省を促す勢いでございます。今日陰性が出たからといって安心は出来ません。明日以降にもメンバーの誰かが感染してしまったらアウトでございます。今日も新宿は相変わらず多くの人達が行き交っています。正直言ってどの顔にも危機感は感じられませんな。もう、政治家の意見なんて今や馬耳東風、だってあの総理のスポークスマンが辻褄合わないこと言ってるんだもん。「ランチはみんなと一緒に食べてもリスクが低いというわけではありません」どっちやねん!飲食店全店休業と言いたいところだが補償もせんといかんのですべて曖昧な言い回しでお茶を濁す始末。行ったり来たりの、ゆや~んゆよ~ん状態は今後も続くと思います。

ラグビートップリーグも延期、大相撲も横綱休場で貴景勝に期待がかかったんですが、ころころと土俵をころがっています。ちょいと太りすぎですな、なんだかロボットみてるみたい。

国民みんなが落ち込んでますんで、ここは颯爽と空気を変えるヒーローが出てきて欲しいもんでございます。

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冬の暮

2021/01/14
【第1433回】

綿引勝彦さんが亡くなりました...トムでは2009年に「逝った男の残したものは」に出演していただきました。あのこわもての顔とは裏腹に、とってもナイーブで優しい役者さんでした。舞台出身の役者さんだけあって芝居に対する厳しさも人一倍強いものがありました。今でも熊本の旅公演で、お酒を飲みながら馬刺しに舌鼓を打ってる嬉しそうな笑顔が忘れられません。悪役から優しいお父さん役までの幅広い演技は、綿引さんの一見人を寄せ付けない風貌を武器にしながら、しっかりと人間観察をしていたんだと思います。2008年にトム・プロジェクトが第43回紀伊国屋演劇賞団体賞を受賞した時に、奥様でもある樫山文枝さんも個人賞を受賞され、受賞会場で共に喜んだ日も良く覚えています。そして受賞から数日後、綿引さんから美しい花が送られてきました。デンドロビウムというラン科の花なんですが、なんとなんと毎年春の訪れとともに愛らしい花を咲かせてくれるんです。肥料も与えず水だけで11年間トムのベランダに今尚鎮座しております。その生命力、チカラ強さは綿引さんと同じだなとおいらなりに感心していました...なのに、逝ってしまったんですね。おいらと同学年であっただけに同時代の話も出来た人でした。でも、これだけ役者としての業績を残されれば悔いはなかったのではと思います。死して尚、綿引勝彦の生き方、演技は多くの人の記憶として刻まれ残ることも紛れもない事実です。

今日も綿引さんの笑顔を想い出しながら、会社のベランダのデンドロビウムに水をあげますね...本当にお疲れ様でした。

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おつかれさまでした

2021/01/12
【第1432回】

週末は不要不急の外出を控えました。こんな日は家で軽い体操をし、コーヒーを一杯。まずは新鮮なコーヒー豆を手廻しのミルでガリガリと豆が砕ける感触を味わいながら、立ち上がる芳しい香りに包まれる何とも心地よい良いひとときでスタート。この感覚を持ち得た時こそ、おいらも心のゆとりを持っているんだな~と実感するのでございます。次は抽出、ここはやはりネルドリップ、ネルフィルターを使うとコーヒー豆に含まれるオイル成分が多く抽出され、少しとろりとした滑らかな舌触りと豊かな芳香を楽しめるんですよ。挽きたての粉に湯が染み入り、コーヒー豆に含まれるガスが放出されて粉が膨張し、ふっくらと膨張する様がたまりません。こうして時間をかけて入れたコーヒーには、やはりそれに相応しいカップが必要ですね。琥珀色をしたコーヒーにはやはり白磁が似合いそうですね...あの魯山人も言っとります。「器は料理の着物」折角、心込めたコーヒーにもお似合いの器を用意してあげないと申し訳ありません。あとは、その日の気分にふさわしい音楽を聴きながらしみじみと手間暇かけたコーヒーを堪能するのでございます。

ここまで来たらアナログ世界に浸りましょう...レコードに針を落とし、知る人ぞ知るシャンソン歌手シャルル・デュモンなんていかがでしょう。エディット・ピアフとの繋がりが深い歌手なのだが、彼の深く語りかける唱を聴きながらのコーヒーは滋味深いひとときになること間違いありません。

てなことで、不要不急の有事をおいらなりに過ごしてみました。

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神さん頼みまっせ!

2021/01/08
【第1431回】

緊急事態宣言発令...どんよりと疲れ切った眼で相変わらず原稿を読みながらの頼りない姿。これがこの国の政治の現状を象徴しています。この有事に国会を閉め、当たり前のように給料、賞与をもらってるあんたら恥ずかしいと思いません?これは与党も野党も同罪です。市井の人達はコロナ禍の中、必死で生きてます。医療関係者は命懸けなんです。なのに議員は4人までの飲食にしましょうなんてルール作りに頭を悩ましています。ほんまにアホですバイ。コロナが発生してから1年間何やってたんでしょうかね...ムニャムニャ幹事長に忖度し又もや振り出しに戻りました。もはや、政治家の意見なんて聞く耳を持たず、今日も相変わらず繁華街では危機感を持たずちんたらしている人も随分見受けられます。今日から20時閉店なので昼間から密に飲んでる人達が居るのも事実です。ここまできたら一人一人の自覚に希望を持つしかありません。飲食店も大変でしょうが、おいら芝居屋も、タクシーの運転手も、介護施設も、衣料店などなどすべて必死豆炭でございます。飲食店一律1日6万円保障というのもなんだか大雑把でしっくりきません。一人で5,6人しか入らない店なんかは得したなんて言っとります。一事が万事、なにを信じていいやら?本当に情けない。でも、そんな政治にしたのも国民の政治に対する無関心から生じたことなんですよ!そのことを肝に銘じない限りこの弛んだ状況は一向に変わりません。取り敢えずは、次回の選挙で今ここにある危機に対してハッキリとした意思表示するしかありませんね。

今日も23日の初日に向けて「モンテンルパ」の稽古に励んでいます。何とか観客の皆さんが安心して芝居を観れる環境になって欲しいと願うばかりです。

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今日の新宿西口の夕景

2021/01/06
【第1430回】

年末年始、久しぶりに自宅で「男はつらいよ」を3本ばかり観ました。改めて渥美清という役者の凄さを再認識した次第です。演技は間が命です...間は魔と同義、上手い役者はおしなべて間がいいのでございます。そしてリズム感、立て板に水を流すが如くのテンポ、そしてアーティキュレーションの良さ、聴いてる人はまるで音楽を楽しんでいる心地よさを感じてしまいます。このしゃべくりに完全にはまってしまう。そして一度観たら忘れることが出来ない顔立ち、細く小さな目であるのだが実に細やかに演じているのには恐れ入りました。まさしく、目は口ほどに物を言うことを見事に体現していました。そして、彼の実人生で体験した蓄積が芝居のあちこちに見え隠れしていました。若い頃の肺結核、浅草のストリップ劇場の下積みなどなど、病と闘いながらも人間の営みをしっかりと観察し自分の身体に蓄積していったに違いありません。何度も言いますが、役者は生き方そのものがありのままに現れる恐ろしい生業でございますから心して日々の生活をなさってくださいまし。

この「男はつらいよ」ほとんど観ているのだが、話はいつもの流れ、しかしこの映画が長く継続されたのは昔の良き日本の風情をこれでもかと描いてるところかな。そして家族に対する深い愛情、分かっちゃ居るけど思わずホロリとさせちゃいます。日本人の欲する真髄を憎たらし程心得ている山田洋次監督...おいらはこの監督の作為的なとことは昔から疑ってかかってはいるのだが、まあ映画はあくまでも娯楽なんですから、ここまでヒットさせる有能な職業監督であることは認めています。この監督よりも、同時代を生き昨年亡くなった森崎東監督の方が好きです。この「男はつらいよ」最初の原案は森崎東さんだったんですよ...この監督の描く人間像が、骨太で愚鈍で正直で不器用なところが信じられるから好きなんです。

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今日の冬空

2021/01/04
【第1429回】

あけましておめでとうございます。

 

新しい年が始まりましたが、コロナ感染が収束する気配はありません。今日も頼りにならない政府は緊急事態宣言を出すかどうかの議論が続いています。トムも今日から1月23日からの公演「モンテンルパ」の稽古再開です。トムは勿論、キャスト、スタッフ、そして観劇を予定されてるお客様の不安が高まる中でのスタートになりました。トムとしては劇場が封鎖されない限り、前向きに初日に向かって全力で走り続けたいと思っています。

年末年始、おいらはどこにも行かずのんびりしていましたが、たまにテレビを観ると正月恒例の福袋に、箱根駅伝の応援にワンサカ人の波...ここまで来たら、人はコロナに、もはや諦観の域に達しているのか、それとも己の我欲に支配されての行動なのか、この国の曖昧さの特性がそのまま表現されてる気がします。以前から言われているコロナによる死と、経済による死、この狭間で国も民衆も揺れ動いている1年だった気がします。このスポンジみたいな在り方は平和な時代にはとても有効な気がしますが、非常時においては有効な手段にはなり得ないのではないか...やはり、この国には秀でたリーダーが不在なのがまたしても浮き彫りになった。でも、そんな他人様のことを論評してても埒があきません。

演劇を生業にしてるおいらとしては、今年もあらゆるリスクを背負いながらも、何とか芝居の魅力を全国各地に届けることだと思っています。昨年の年末に公演した「砦」に参加したキャスト、スタッフ、観客の胸に迫る思いこそが芝居の醍醐味だと改めて確信したからこそ、今年も張り切ってやりまっせ!何卒、よろしくお願いいたします。

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今年は良い年に!