トムプロジェクト

2021/07/30
【第1510回】

5月の連休の時、近所の花屋さんで何気に買った野菜さんたちの収穫期を迎えました。最初のきっかけはキャベツを買ったところ可愛い花を咲かせたので、こりゃいいやとばかり鑑賞用にと考えていたところなんとたわわな実をプレゼントしてくれました。

考えて見りゃ、コロナ、災害などなど何だか地球存亡の危機に瀕してる昨今、もはや自給自足の態勢に備えなければなんて考えてしまいます。人にも逢えない、飲みにも行けない巣ごもり状態では、新たな楽しみを見つけるのもひとつの方策です。日々成長する姿を見るにつけ何だか励まされてる感じさえいたします。ただの水やりで逞しくのびのびと育っていく過程にあらためて生命力の凄みをみせつけられます。又、都会のアスファルトジャングルを突き抜けて生えてくる雑草を見る度に人間のひ弱さを感じ、少々のことで弱音を吐いてる場合じゃござんせんとついつい敬意を表して雑草に頭を下げてしまいます。

無農薬で育った野菜ちゃん達の味は極上でした。ましてや我が家で育った我が子であり喜びもひとしお感謝の気持ちで一杯でございます。この何気ない方策が思いもかけない豊作と繋がりめでたしめでたし!

さていよいよ大変になった首都東京、誰も守ってくれない週末、これまで以上に気をつけて過ごさねばと思っとります。それにしても昨日食べたキュウリ何処の店のものより美味かったですばい...

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収穫祭

2021/07/28
【第1509回】

あちゃ...3000人超えました。オリンピックの日本選手金メダルラッシュで連日メディアは盛り上げています。日々しつこいくらいコロナ情報を流し、徹底討論をし続けた局も視聴率を考えるとオリンピックに傾きますわ。オリンピックで盛り上げて片や相変わらずの自粛の呼びかけ。どう考えても矛盾してることは素人でも分かりますがな。若者は緊急事態宣言慣れして、もうお上の意見なんぞに耳を傾けません。路上で集まって試合観戦しながらアルコールで勝利の乾杯をしています。なのに、この緊急事態に国会を開かずトップは「人の流れが抑えられている...」なんて能天気な発言するし、都知事のおばちゃんはいつも人ごとのような会見、あんたら1年8カ月なにやっとったんや!もう、怒る気もしませんがな。

こちらも9月、10月、11月と3本の芝居を予定しています。去年の悪夢のような体験をしている身にとって又してもなんて思いが過ります。芝居屋ばかりじゃございません、コロナで苦しめられ続けた人たちにとってこれ以上の困難を負わせないでと言いたい。

堪忍袋の緒が切れた!とアホな人たちにドスを突きつけたいくらいだが、ここは来るべき選挙でこの国のシステムを変えるしかないんだが、いつものように半分ちょいの投票率では多くは望めませんな...もうこれが最後のチャンスでございますよ!

この季節の夕焼けを眺めていると何かが起きそうな予感がします...自然も様々な景色を見せながら変革を促しているように見えるんですが...どうか感じてくださいな。

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高井戸駅ホームにて

2021/07/26
【第1508回】

4連休も終え7月最終週を迎えました...コロナに猛暑のダブルパンチだと、やはり巣ごもりになってきますね。だと、やはりオリンピックテレビ観戦も選択肢のひとつですかね。昨日の阿部一二三、詩さんの柔道は素晴らしかったですね。金メダル瞬間の妹のはしゃぎ方、一方お兄さんの冷静さ、対照的でした。妹さんは可愛かったし、お兄さんの武道家としての処し方は凛として素敵でした。おいらも柔道、空手をやっていたのでよくわかります。武道はスポーツと一線を画すところがあります。武道は生死を掛けた戦いです、負けた相手を前にして喜ぶなんてことは礼を欠きます。礼に始まり礼に終わる、この佇まいは日本の精神が受け継いだ優れた伝統のひとつだと思います。戦いの場である畳を去る時にも、正座し頭を畳にこすりつけて感謝の気持ちを表していました。前日の金メダリスト高藤選手も同じスタイルを貫いていました。

コロナ禍のなかでのオリンピック、東京を含め感染者の数は増え続けています。医療従事者の逼迫した姿を見るにつけ、改めて政治家、知事の無策に腹が立ちます。あんたら喜んでみてる場合じゃないんじゃない!飲食店も必死です、アスリートの活躍ばかり目を奪われてると、今後とんでもないことが待ち受けていることも予測、想像しなければなりませんことよ...

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夏の大宮八幡宮

2021/07/21
【第1507回】

いやいや今日も猛暑でございます。卵を割って道路に置いておけば目玉焼きが出来ちゃいますわ...そんな暑さの中、新宿を長年見続けた責任から今日も新宿の地回りを実施いたしました。オリンピック関係で新宿地区のホームレスの人達の荷物は見事に撤去され、いつものメンバーの姿もありませんでした。

IOCの総会でお偉いさんたちが歯の浮くような美辞麗句を羅列しているのには笑っちゃいました。「世界中が日本国民を称賛する」「若者や子どもたちに夢と希望と感動、勇気を与えてくれると確信している」「復興が進んだ日本の姿を力強く発信する機会になると思う」バカ言ってんじゃないよ!と多くの国民が思っているのによくまあ白々と言えるところがこの人たちの鉄面皮たる所以でございます。

こんな不安を抱える中、昨日は益田ミリさんのことを書きましたが、今日は安西水丸さんを紹介します。7年前に71歳で亡くなるまでイラスト、エッセイ、小説、絵画などたくさんの本を出しています。文壇と遠いところで、淡々と日常に零れ落ちる機微を描く作風は益田ミリさんと共通するところもあります。水丸さんは海外暮らしの経験もあり、そのぶんよりワイルドな感じがします。イラストもペンネームに相応しく流れる水の佇まいの如くサラッとしています。このサラッとがなかなか難しいんですね...いろんな体験、知識、美意識がないと、この境地に達することができません。軽妙洒脱って言葉がありますよね、これも我欲に執着している限り無理でございます。

さて、明日から4連休、そしてオリンピック、じりじりと照り付ける太陽のもと、それこそ一寸先は闇でございますぞ皆の衆。

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今日の新宿東口アルタ前

2021/07/19
【第1506回】

いやいや週明けの今日の暑さは半端じゃありません...新宿の街をちょいと歩いただけで汗が滴り落ちるんで、新宿を網の目のように張り巡らしている地下道に逃げこもうとも思ったんだが、キンキㇻキンの太陽と青空キャンパスに描き出された雲の表情も捨てがたく地上歩行を選択しちゃいました。やっぱり旬の夏を感じてこその日本でございますね...

コロナ、オリンピックなんたらかんたら、なんともすっきりしない日々が続いていますが、こんな時に益田ミリさんの本なんか読むとほっこりとして嫌なことも忘れてしまいますよ。

大阪出身の52歳の女性作家のイラストと文章が実に心に染みるんですね。感動ではなく日々のしみじみとした哀歓がじわりじわりと疲れた神経を程よくマッサージしてくれる感覚かな。街のあちらこちらに見かける怪しいマッサージ屋さんよりも疲れたツボをやんわりとほぐしてくれますよ...あくまで女性の視点から観たエッセイであるのだが、男性のおいらも「そうそう...良くわかる」なんて思っちゃうんですから人間観察においては男も女も関係ありません。彼女の文章に連れ添っているイラストが又いいんだな...シンプルな線で描かれたヘタウマなイラストからも日常の情感が精一杯零れ落ちています。

嫌なことが、腹立つことが多い日々が続いてますが、何卒ほどほどのバランスを維持してくださいませ...血管ブチ切れたら終わりですからね。

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週明けの空

2021/07/16
【第1505回】

今日、関東でも梅雨が明けました...梅雨って何となくジメジメして鬱陶しい季節のイメージがありますが、おいらはそんなに嫌いじゃありません。といって大好きということでもないのですが、あのシトシトと降る雨の感覚は好きです。すべてを水に流すって言葉があるじゃないですか。いらいら、もやもやとした感情をあの雨音と流れに任せて洗い流す感じがいいですね。若い頃、悶々としていた時に大雨に身をさらし一瞬にして気持ちの切り替えができた経験もあります...雨にもいろんな表情があります。ぽつりぽつりと落ちてくる水滴を眺めていることで時間というものを考え直したり、霧雨に自然が織りなすアートを感じたり、梅雨の季節にしか味わえない思索の旅へと誘ってくれる魅力が満載って感じかな。

その梅雨が明け、来週にはオリンピックが始まります。東京のコロナ感染者1300人を超えました。医療関係者が予測していたシナリオ通りでございます。なのにいつものように危機感がない政府、都知事、安心安全をアホみたいに繰り返す映像を観る度に、もう言葉がでませんわ。自粛しろなんて言われても誰も聞きませんがな...マスコミも、もう諦めたのか中止なんぞも言わなくなったどころか、どうやってテレビ観戦を楽しむかなんて報道になってます。そりゃそうだよね、メディアもオリンピック中継で懐が潤うのでございます。

世の中の仕組みしかり、この世は全て表と裏があって、情報にうかうかと乗っかっているとえらい目にあっちゃいますぞ皆の衆。

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梅雨明けの新宿の空

2021/07/14
【第1504回】

コロナ、災害、楽しめないオリンピックなどなど、スッキリ、ハッキリ、まして梅雨空で蒸し蒸しした晴れない気分のなか唯一希望の星になっているのがアメリカ大リーグで話題になっている大谷翔平選手ではなかろうか...今日のオールスター、ワクワクしながら観てました。第一打席ヒット性のセカンドゴロ、投げては先発、三者凡退で抑えました。そしてなんとこの日の試合の勝利投手にまでなりました。この翔平君なにが凄いかというと成績は勿論のことだが、野球を楽しんでる姿が何とも素晴らしい!イチローという偉大な選手も優れたプレーヤーだと思うのだが野球道に邁進する修行僧的な感じがするのに比べて、この翔平君いつもニコニコ、少年の笑顔を大人になっても保ち続けている。やはり笑顔は人を幸せにしてくれる人間最良の表現であることを証明してくれてますね。おいらもどちらかというとアウトロー的な人生を歩んできたせいか、あまり真面目なプロ野球選手というのは魅力に欠けると思っていたのだが、この翔平君の真面目さは世の中の常識を覆すスケールの大きさを感じさせる希有なる真面目さに違いない。グランドに落ちたゴミをさりげなく拾いポケットに入れる姿、自分に不利なことがあっても嫌な顔せず笑顔を絶やさない翔平君。子供の頃からいくつもの目標設定をしていつもチェックしていたそうだ。やはり己に厳しい人は他人に優しいんですね...ようやく前半戦が終わったばかり、どうか怪我せず初の日本人ホームラン王を獲得してくださいね。ショウータイムはまだ始まったばかりです。

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梅雨の晴れ間の狛犬さん

2021/07/12
【第1503回】

今日から4回目の緊急事態宣言が発令されました。新宿の街は相変わらず多くの人が行き交っていますし、通勤電車も普段通りの混み合いです。もう誰も政府の言うことなんか信じてないし、何の緊張感もない週が又も始まったという印象です。こんななか、来週にはオリンピックが開催されますが、ぼったくり男爵の来日、無観客での開催不満、そして見え見えの広島訪問、もうしらけてオリンピックなんてどうでもいい!という人達が随分出てきました。なんとも盛り上がらない大会になっちゃったもんでございます。アスリートのみなさんも複雑な気持ちだと思います。片や、ずれずれの大臣がとんちんかんな発言も飛び出し全くもって呆れたもんでございますね...飲食店も聞く耳を持ちません「このままじゃ潰れてしまうし12日からは平常通り酒も出し営業します」なんて張り切っていました。

すべてがオリンピックありきで進められた結果がこの有様では到底国民は納得できません。オリンピック関係者であろう人物がマスクもしないで新宿の街を歩いていました。大きな声で会話してるので皆避けるようにしていたのだが、実際のところこの外人さんの方が危ないのじゃないかしら?だって、日本人のワクチン接種率はまだまだなんですからね。

おもてなしを宣言したことで、大会関係者をはとバス東京観光コースに連れてってくれるとのこと。修学旅行も運動会も中止してるのにこんな計画理解されるのでしょうかね?

ともあれ、時は暑さと共に確実に進んでいます。行きつくところは所詮、自分の身は自分で守らないかんということですな...コロナに感染しなかった人、そして医療の最前線にいる人こそメダルをあげて欲しいでごわす。

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あんトーストで一服
(西荻窪JUHAにて)

2021/07/09
【第1502回】

昨日、今年10月に公演する東憲司作・演出「にんげん日記」チラシ・ポスターの撮影を行いました。午前中は能嶋三智枝役の賀来千香子さん、トムの芝居には初めての出演です。いや、本当に綺麗な方ですね。若い頃からモデルの仕事もされただけあってスタイルも見事です。人の前に立つことを生業としていることを意識されたプロ中のプロですね。柔らかい物腰からその人柄の良さも十分伝わってきました。三人のベテラン俳優をいかに翻弄していくか稽古場のバトルが今から楽しみです。

午後からは、能嶋桜役の大手忍さん、劇団桟敷童子の女優さんです。可愛い顔した年齢不詳の素敵な方です。東憲司さんの世界を表現していく重要な役を見事にこなし多くのファンを獲得しています。今回も忍さんの魅力全快の役柄なので期待しています。

続いては村井國夫さん、トムの芝居には4回目の出演になります。いつみてもダンディ、トムの芝居では剛と柔を織り交ぜ、作品に様々な彩りを施して頂きました。そして今回トム初登場の小野武彦さん。映像、舞台で小野さんの的確な演技と存在感は皆が納得済みです。最後に高橋長英さん、トムの芝居はなんと6本目、長英さんの飾らない人柄がそのまま舞台にも反映され、まさしくいぶし銀の味ですな。長英さんとは良く酒を飲み、物まね合戦をしてきました。

それにしても、俳優座花の15期である小野、高橋、村井さんが長い芸能の世界で初めての共演となる今回の芝居。しかも三人が大好きな東憲司さんの作・演出ときたもんで、おいらも大いに楽しみにしている芝居でございます。

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神様ハグロトンボ

2021/07/06
【第1501回】

昨日、福岡県小郡市文化会館で「狸の里帰り」の千秋楽を無事に終えることが出来ました。5月21日東京で幕を開けたものの、コロナ禍のなかでの公演は艱難辛苦の連続でした。キャスト、スタッフの努力の賜物だと思っています。そして何よりも、この困難な状況下でありながら劇場に駆けつけてくれたお客様には感謝の気持ちで一杯です。昨日のカーテンコールで柴田理恵さんが言ってました。「俳優なんぞはお客様の前で芝居できなかったら何の存在もありません...こんな時にこそ来ていただいたお客様は一生忘れません。」カーテンコールに並んだ6人の俳優の表情は全ステージをやり終えた達成感と、事故もなく千秋楽を迎えることが出来た安堵感で満ち溢れていました。福岡出身の岡本麗さんの九州弁が笑いを誘っていました。芝居はまたスタッフの力なくしては成しえません。朝早く仕込み、芝居の間は転換、終わればバラシ、休むことなく舞台を支えてくれるスタッフの皆さんがあってこその舞台です。

2021年が始まりこの日まで不安を抱えながら4本の芝居を何とか上演できました。緊急事態宣言で無観客なら許可するなんて理不尽な達示で「Sing a Song」の東京公演はやむなく中止をしましたが、ここまで数多くの公演ができたことは奇跡に近いと思います。コロナで多くのことを学んだのも確かだし、演劇が世の中の大切なピースであることも確認できました。まだまだすべて道半ばですが、芝居を観たいという人がいる限り演劇が滅びることはないということを確信した半年でもありました。

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野に咲く花