トムプロジェクト

2019/11/20
【第1280回】

昨日横浜、県民共済みらいホールで「風を打つ」最終公演をやってきました。このホールには毎年トムの作品を呼んで頂いているのですが、今回の作品、支配人のS氏に大変ありがたい言葉を頂きました。「この作品こそ、今の時代、多くの人が観るべきである...」日頃は手厳しいコメントを出されるS氏も、今回ばかりはひとつのダメ出しもなく諸手を挙げての讃辞。俳優座劇場の公演でも多くの方の素晴らしい評価を頂きましたが、嘗て俳優座の演出部にも所属されたこともある辛口S氏の言葉はおいらもとても嬉しかった。来年も3本呼んで頂いているので今回以上の作品を創らねばと今から気が引き締まる思いです...今年ラストの公演、事故もなく見事に責務を果たしたキャスト、スタッフ、そしてトムの制作の皆さん本当にありがとう。感謝感謝!

芝居を観る前に久しぶりに野毛にあるJAZZ喫茶「ちぐさ」に足を運びました。相変わらず半ばボランティアに近い従業員の方が、店内に置いてある名盤レコードを取り出しターンテーブルに置き丁寧に針を落としていました。このアナログな一連の動作がたまらなく愛おしいのでございます。今やなかなか手に入らないレコードばかりで、貴重なレコード鑑賞タイムです。こんな喫茶店が無くなるときこそが、いよいよ日本の終わりかな?なんて思わせてくれるお店です。JAZZの曲に酔いしれ読書するのが、おいらの至福に時間でございます。疲れた心身に心地よい風が吹き抜けていきます...

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みなとみらい・野毛

2019/11/18
【第1279回】

昨日で「風を打つ」無事に東京公演千秋楽を迎えることが出来ました。大いに笑い、泣き、感動してくださったお客様本当にありがとうございました。そして、5人のキャストと多くのスタッフよくやりました。まさしく「ONE TEAM」、家族の芝居だからこそ、この言葉は重みがあります。家族の再生はもちろん、国の再生、教育の再生などなど全てが問われてる昨今、この芝居が問いかけるテーマは果てしなく拡がっていく感じです。ラストに男聚3人が打ち鳴らす太鼓、そして魚の気持ちを代弁して語り掛ける音無さんの方言こそが、時代に翻弄され国から捨てられた人達に届ける痛切な叫びと哀悼に通じます。おいらは、弱者の視線で芝居を創りたいと常々思っています。市井の息遣いが感じられる芝居創りこそが、今一番必要なのではなかろうか...勿論、そんなことにお構いなく創ったとしても、血の通わない芝居なんぞは観客に伝わらないと思いますがね。

日毎、街中にも秋の気配が、いや、もはや冬の到来かも?なんて季節になりました。この季節の青空、移りゆく雲の表情、木々の紅葉、愚かなニンゲンを優しく包んでくれる自然界の大きさを改めて感じます。飽きることなく傲慢な手法で世の中を蹂躙しようとする権力者の皆さん、他人の目ばかり気にせんで、深く深呼吸しながら、自然の織りなす大パノラマに暫し目を向けてちょうだいな...心眼なるものに少しは近づけるかもしれません事よ。

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また一段と色づいて...

2019/11/14
【第1278回】

今日また大嘗祭、先日に続き国費が費やされます。全国の被災地、その他もろもろ救済しなければならないお金が必要なのに、陛下も心苦しく思ってるんではないでしょうか?秋篠宮様が質素にやればといった発言も完全無視。そして今度は、能天気な花見に税金を私的に使う政治屋さんたち。少しは国民の皆様怒ってくださいませ!日本伝統の文化はわからないでもないが、こんな体たらくなこの国のシステムでは納得できませんがな。そして先日の式場でも「天皇陛下万歳!」の大合唱、先の大戦で300万人の戦死者は、どんな思いで聞いたのであろうか?少しの想像力を持てる人であっても、あの万歳三唱はやはり無神経な叫びと聞こえるのではなかろうか...おいらは左翼でも右翼でもありませんぞ。

「風を打つ」今日入れて残すところ4ステージ。またまた、演劇関係のページにこんな書き込みがありました。

 

俳優座劇場にてトム・プロジェクト『風を打つ』を観劇。
1993年の熊本・水俣を舞台とした家族のお話。3年前に拝見した同団体の『静かな海へ―MINAMATA―』で、それまであまり詳しい知識を持ち合わせていなかった水俣病という公害問題について様々な学びを得られた中で、今回はそんな水俣に住むとある家族の物語ということもあり、個人的にとても興味のあるテーマの作品でした。
水俣病は高度経済成長期にあった1956年に熊本県と新潟県において発生・発見が認められた公害ですが、今回の作品はその公害発見から37年後の1993年を舞台としたもの。その間に公害自体は改善が図れたものの、40年近い月日が流れているのにも関わらず、尚様々な問題を抱え、水俣地区の人々にのし掛かっている様子が随所に垣間見れて、やはりこの手の大きな公害問題は一度起きるとその完全解決にはとてつもない年月、そこに暮らす人々の苦悩・努力などが伴うという何とも言えない重みのようなものを痛感させられました。しかし、この作品はそのような社会派の内容であると同時に、決してその悲観的・マイナス的な要素だけでなく、むしろ水俣公害を乗り越え、バラバラになりかけていた家族の希望溢れる再生の物語であったようにも感じます。家族の愛情、家族の素晴らしさを感じました。
トム・プロジェクトさんの作品は今年2月の『芸人と兵隊』以来9ヶ月ぶりでしたが、毎度のことながら自分自身の知識アップになるとともに、心地よい笑いシーンも盛り込みながらテーマに沿って丁寧に描かれている印象を受けるので見応えがあるし、とにかく色々と考えさせられます。『萩咲く頃に』『にっぽん男女騒乱記』で拝見した音無美紀子さんは今回は肝っ玉母さんのような役。相変わらず好演が印象的だと感じました。また、個人的にテレビの旅番組のイメージが強い太川陽介さんのお芝居は初めて拝見させて頂きましたが、何となく普段から印象の強い笑顔の中に、九州男児の役らしい強さのようなものも感じました。他の3名の演者さん含め熊本弁も違和感なく使いこなされていたと思います。やはり今回もトム・プロジェクトさんの作品は"当たり"でした。

トム・プロジェクトの作品が"当たり"てのが嬉しいですね。貴重なお金と時間を敢えてトム・プロジェクトに割いてくれたんだもん、きっちりとお返ししないと罰があたるってもんでございます。この芝居、今週の17日が俳優座千秋楽です。この芝居観ずして今年の芝居のこと語れませんことよ皆の衆。

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少しづつ...

2019/11/11
【第1277回】

「風を打つ」昨日で4ステージを終えました。終演後、何人かの人が今年のベストワンとか言ってくれてます。芝居が観客にきちんと届いてることが一番嬉しいです。先日水俣に長年関わってきた水俣フォーラムの方が観に来て、こんなメールが送られてきました。

 

水俣病患者・杉本栄子さん一家をモデルにした舞台「風を打つ」の初日公演を昨晩見てきました。正直、予想外に素晴らしかった。みんな泣きました。一緒に行った4人以外に見覚えのある人に会いませんでしたから、客席は水俣病についてよく知らない人がほとんどだったと思われますが、あちこちからすすり泣きが、時には笑い声が聞こえていたのは、この舞台のメッセージがそんな人にも届いていた証拠でしょう。

杉本さんのお宅を模した舞台には、栄子さん、雄さん、肇さん夫妻、実さんを演じる5人以外は登場しませんし、時代も1990年初頭のある2ヶ月ですから大変シンプルです。悪役もいなければ、思わせぶりな映像も使いません。もちろん、栄子さん役の音無美紀子や雄さん役の太川陽介が水俣病の患者さんに見えたわけではありません。こんなに早くしゃべり動くことは、患者さんにはできないことですから。それでも、あの人たちが言いたかったことを甦らせている。そしてそれは、私たちの日々の喜怒哀楽と同水面でつながっている。だから終演後、拍手が鳴り止まなかったのでしょう。

 水俣病を題材にした近代演劇は10本以上作らていますし、そのほとんどを私は見ました。例えば砂田明の1人芝居「天の魚」があります。それは確かに多くの人の胸を打つものでした。しかし、この作品から原作「苦海浄土」の力と支援者としての砂田さんの存在感を引いてしまえば、オリジナルな舞台表現としての力はどれほどあったかと考えてしまうのです。しかし、今回の舞台は劇作家ふたくちつよしの書き下ろしで自身による演出です。しかもこの脚本のほぼ9割は事実で、構成上付加されたフィクションはまことに僅かなのです。でありながら、これほど私たちの心を揺さぶるのは、見事です。もしかしたら、私がこれまでに見た「水俣病を描いた近代演劇」としてはベストと言い得るかもしれないのです。

しかし大変残念なことに、この舞台は今月17日(日曜日)で終演ですし、今後の公演予定もありません。水俣病の患者たちの訴えに耳を傾けたいと思っていらっしゃる方はもとより、一般の方もこの舞台なら仕事を休んでも六本木・俳優座に駆け付ける価値はあります。そうして特別な地位や学歴、権力金力から遠いところにあって、己が肉体を用いて自然に働きかけ暮らしを紡いできた人びとの悲しみと勇気に触れてもらいたいと願わずにはいられませんでした。

​騙された思って見に行って下さい。よろしくお願いいたします。​


​おいらが語るより、この方の思いがそのものズバリです。本当に騙されたと思って劇場に来てくださいな。家族の、そして日本、世界の、もちろん人間一人一人の再生の物語です。

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ホトトギス
(秘めた意思)

 

2019/11/08
【第1276回】

東京は連日の秋晴れ、気持ちのいい日が続いています。こんな日々であればいいのですが、自然界の神様は、驕れるニンゲンに警鐘を鳴らすかのように災いを引きおこします。早く気付かないと更なる天災が年を追う事にやってくることを覚悟せねばなりません。

昨日、六本木俳優座劇場で「風を打つ」、初日を迎えることが出来ました。3年前に上演した「静かな海へ~MINAMATA」を踏まえ、再度、水俣に挑戦しました。水俣は、まさしく経済優先社会のなかで犯した人災です。人間関係が崩壊し街が荒んでいく様は、東日本大震災の構図と同じです。水俣もわれわれが決して忘れてならない言葉です。さて、今回の芝居、作・演出のふたくちさん、キャストの皆さん、そして舞台を支えるスタッフの総力戦で素敵な芝居が仕上がったと思います。水俣を全面に押し出すのではなく、家族の再生、町の復興に苦悩し尽力する姿を描いた結果として、水俣病なるものが、まるで透かし絵のように浮かび上がってくる戯曲、演出、俳優の演技が功を奏したと言えるのではなかろうか...芝居は生き物です。劇場に溢れる熱を感じたときにこそ、プロデューサー冥利に尽きます。

まだ始まったばかり、この生まれた我が子が順調に育ち、日本各地を旅していろんな人達と出会い、格差無き街や村になれば芝居も捨てたもんじゃございません。

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そろそろ色づき始めました

2019/11/05
【第1275回】

沖縄首里城が炎に包まれ崩れ落ちる姿を見ながら涙が流れてきました...35年前くらいに沖縄に3カ月ばかり滞在し首里城の前に立った時に、琉球王国の歴史を直に感じました。沖縄戦で米軍に焼き尽くされ再建した首里城はキラキラした朱の色が印象的でした。そして今回の火災、辺野古の問題も含めて何故か歴史の節目に沖縄で何かが起こります。今回の火災でいちはやく1億円ものカンパが集まったのは嬉しい限りです。常に日本の犠牲になった沖縄に対する、せめてもの優しさの表れだと思います。沖縄を見捨てるな!何もできない本土の人たちの意思表示にまだまだ、日本人の良心を信じたいと思います。そして、この連休の間に被災地に駆けつける老若男女のボランティアの人たちの姿にも、なんだか未来の明るさを見つけた次第です。この小さな国で、困った人が居たら手を差し伸べようぜ!いつ立場が逆転するか分かりません...だってこの国の政治、行政に頼ってなんとかなりませんこと分かってます。だとすれば、ひとりひとりの善意しかありませんことよ。

まだまだラグビー熱が冷めない日本の繁華街...道行く異国の人たちは皆笑顔、笑顔があれば争いもなし。苦虫を噛み潰したような顔じゃいけませんぜ!どうも笑顔作りが苦手な日本人、こんな時こそ笑顔をじっくり味わってくださいませ。

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今年も我が家に参上

2019/10/31
【第1274回】

昨日、東京亀戸カメリアホールで「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」無事に千秋楽を迎えることが出来ました。9月に始まって二ヶ月にわたる公演でした。おいらも冒頭でヒーローを歌う70歳の杜夫ちゃんを観ながら「よくぞやった!」と声を掛けたくなりました。だって、この日本でいや世界で、誰がこの歳になって3時間もの一人芝居をやれますか?この役者魂に先ずは敬意を表したい。昨日も絶好調、観客の反応を巧みに取り入れ瞬時にギアを入れるところなんぞ天才役者でございます。22年間、彼と一人芝居をやり続けたプロデューサーとして感慨深いものがあります。時には止めたくなったときもあるでしょう、でもこうやって継続できたことは彼との信頼関係があったからだと思っています。役者という生き物、尋常な精神ではやれるものではありません。その微妙な心理、身体を日頃から観察してないとなかなか役者とつき合いきれないのも事実です。特に一人芝居ともなると、一対一のサシの勝負です。逃げも隠れも出来ません、全てをさらけ出すしかありません。この仕事をしてて思うことは、下手な駆け引きは通用しないと言うこと...かといって、こちらのカードを総べてみせるということも違うような気がします...でも、最終的には己が培った人間力に賭けるしかないと言うことですね。

一人芝居を支えるスタッフのチカラも相当のものでした。まさしく、今年の日本ラグビーチームの「ONE TEAM」そのものでした。打ち上げの席でスタッフの一人が作ってくれたくす玉を割ると「祝 千穐楽」の垂れ幕が落ちてきました。こんな所にもスタッフの愛を感じます。スタッフ、観客に愛される杜夫ちゃん幸せもんですな。そして本当にお疲れ様でした!

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おつかれさまでした!

2019/10/28
【第1273回】

先週の週末、金沢に行って来ました...全国演鑑中部・北陸ブロックの例会が金沢であり出席。全国に12ブロックの演劇鑑賞会があり、皆さん演劇を通して民主的な社会創りに邁進している人達ばかりです。土曜日は4時間にわたり様々な苦労話も交えながら真剣な討議が為されていました。最後の方に発言された女性の言葉には身が引き締まる思いがしました。

「私達は、演劇がこの世の中に何故必要なのか...そして演劇の楽しさを伝えることが、仲間が増えることに繋がっていくことだと思います。」しょうもない芝居創ったらいかんですばい!そういわれた感じです。会議の後は懇親会、おいらのテーブルに同席した、いなざわ演劇鑑賞会、岡崎演劇鑑賞会の方々と和気あいあいの中、かなり飲んでしまいましたかな。おいらが芋焼酎好きと分かると、矢継ぎ早に持って来てくれる親切な方々でした。

酔いを醒ますため、ふらりと歩きながらちょいと入った喫茶店が地元でも歴史ある「茶房 犀せい」でした。経営者の方は記者出身で、地元で精神衛生のためと称しライブや舞台などもプロデュースしてるとのこと。東京渋谷にあったサブカルの聖地でもあった「渋谷ジャンジャン」を受け「金沢ジャンジャン」の主宰者でもあった女性である。おいらも我ながらよくぞクンクンと嗅ぎわけながら、こんな店に辿り着いたものである。なにせイヌ歳生まれの習性でござりまする...ホテルに帰りばったんきゅう、金沢の素敵な一日でした。

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2019金沢

2019/10/23
【第1272回】

昨日は、日本全国メディアも含めて皇位継承式典の話題で持ちきりでした。日本古来の儀式でありながらも、とても簡素でよかったと思います。台風の被災者のことも考えパレードを中止したのも賢明でした。経費は160億円だからひとり160円のお祝い金といったところですね。この式典でただ一つ気になったのが、首相の音頭取りで「天皇陛下万歳」を唱和した場面。ふと、戦時中にこの言葉を発して戦死した300万の兵士のことが頭をかすめました。どんな気持ちで、この言葉を発したのであろうか?おいらは個人的にはあまりいい感じがしませんでした...象徴天皇、そして市井の人たちに寄り添うように行動されてる天皇に対して似つかわしくないのではないか...いまだに、この国の天皇制も含めて各界物議を醸しているのだが、要は天皇を政治的に利用してはいけないということだけは間違いない事実だ。

そんななか、又しても演劇群「走狗」の戦友であった伊深宣一の訃報が入ってきました。今年は田島君、島君に続いて3人目。伊深君は、ささくれだったテント芝居の状況の中、いつもヤギのような髭をなでながら「まあまあ...諸君」てな具合で神様みたいな人でした。得意な楽器で疲れた役者の心身を癒してもくれました。劇団解散後は優しい姉さん女房とジーンズ店などをやってました。おいらも、とっておきの一枚を買った覚えがあります。最近は埼玉県富士見市民文化会館キラリふじみのコンサートに参加しながら楽しく過ごしていたのに...71歳まだ若いな。でも好きに生きてきたんだから悔いはなかでしょう宣ちゃん。今日、これからお通夜に行って最後の別れをしてきます。

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いつか来た道

2019/10/21
【第1271回】

今日はやはりラグビーでしょう...日本チーム負けましたがよくぞやりましたね!誰もが夢を見させてもらったという感じです。最初は、異国の人がなんで日本チームの一員なのという疑問も抱いていたと思いますが、これぞ人類皆兄弟!政治の世界では不可能なことをいとも簡単に成就したという感じです。試合前に国歌が流れ「君が代」を共に口ずさむ姿に胸打たれるものがありました。日本選手の中には、対戦チームである南アフリカ出身の選手もいました。あんな激しい戦いをしながら、試合後に共に相手をたたえ合うノーサイドこそラグビーの本質です。おいらも高校の時ラグビーを少しかじり、そこからラグビーファンになりました。大学ラグビーの早明戦、そして日本選手権での釜石、神戸製鋼の強さ、野球のシーズンが終えるとラグビーに夢中になっていました。ラグビーの聖地秩父宮ラクビー場にも良く足を運びました。雨中の中、泥んこになりながら男たちが闘う姿に人生を感じたこともあります。15人が一つになって80分の時間、まさしく「ONE TEAM」。下手なドラマよりいろんなものが見えてくる面白さがありました。

30年前、新宿ゴールデン街の仲間から誘われラグーチームに参加し、久しぶりに楕円形のボールを手にして多摩川のグランドに立ちました。目まぐるしい試合展開の中、おいらにボールが回ってきました。チャンスとばかりおいらはトライを狙いゴールポストの下を狙い猛ダッシュ、あと少しというところでタックルされノーサイド。おいらの後ろの人にパスすればトライに結び付いたのに...この時、おいらはひとつの啓示を受けました。「俺がオレガノ我を捨てて、お蔭オカゲの下で暮らせ」この時の教訓が、今でもおいらの生きる指針になっとります。

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秋の気配

2019/10/18
【第1270回】

昨日は、トム・プロジェクトの芝居でもお馴染みの村井國夫さんのコンサートに行って来ました。75歳になるダンディな村井さんの歌声に痺れました。前半は昭和の懐かしい歌、フォークも交えて語りかけるような唄は村井さん人生そのものの様でもありました。表現はすなわち生き方であることを証明していることを実感した次第でございます。トークも、村井さん特有のユーモアで会場は爆笑の渦。この辺りは百戦錬磨の役者でございます。後半はミュージカル「レ・ミゼラブル」の初演から900ステージ近くをこなしたジャヴェール警部の持ち歌をはじめ、映画の数々の名曲を重厚かつ軽やかに歌いこなすところなんぞはまさしく和製フランク・シナトラ、いやイヴ・モンタンといったところか...考えてみれば、村井さんみたいな役者さん、この日本でもなかなか見あたらない気がします。おいらが先ず驚いたのは、トムの芝居に初めて出演してもらった「満月の人よ」でのだらしない親父さんの役でした。ミュージカルの俳優さんだと思っていたのだが、見事に田舎のダメ親父を肩の力を目一杯抜きながら演じてくれました。村井國夫という役者の底チカラをまざまざと見せつけられた次第です。

来年もトム・プロジェクトの「砦」の再演が決まっています。村井國夫さんが放つ人間臭さと同時に、表現に対する飽くなき探求心にまだまだ目が離せませんですばい。

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東京原宿にて

2019/10/15
【第1269回】

日本沈没を予測させる自然の猛威。年毎にひどくなる自然災害に為すすべもないニッポン。これも、何年も前から言われている地球温暖化による海中の温度の上昇。この問題に対してアメリカ日本は何となく消極的。これじゃ、ちっぽけなこの国は、近い将来間違いなく沈んでしまいます。なのに手早い対策を打ち出せない政治、オリンピックなんてやってる場合じゃないでしょう!と大きな声を上げないこの国の呑気な人たちにはホトホト呆れてしまいます。どうみたって、来年再来年と甚大な被害が持ち受けているのは明らかなのに...もうそろそろ、利便性の追求止めませんか地球の人たち!と一部の人は声を大にしてるのですが、たいして危機感を感じさせないのは、利益に奔走している企業家の巧みな戦術。豊かになりますよ!なんて夢を持たせて時間稼ぎしてるのが見え見えなのに、目の前にニンジンぶら下げられると為す術もなし...

クライマックスシリーズ、ライオンズお疲れさまでした。これはもう諦めるしかありません。だって、4試合で失点が32。1試合で8点取られちゃライオンズの強力打線もどうしようもなかですばい。観てて思うにメンタルが弱すぎ、へっぴり腰弱気の投球じゃ打たれます。

若い投手が多いので、ここは優秀なコーチで鍛えなおしてほしいですな。今年は野球は終わりです。巨人とソフトバンクの金満チームの日本選手権はどうでもよかですばい。それよりも、今は日本チームのラグビーに注目。地湧き肉躍る!これぞ男のスポーツですたい。おいらが野球の次に好きなスポーツが注目されて嬉しゅうございます。

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台風一過、今日の新宿

2019/10/10
【第1268回】

「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」九州公演を終え戻ってきました。博多の公演の盛り上がりは大変なものでした。650人の博多の観客の笑いと拍手は、杜夫ちゃんのテンションギアをトップまで上げさせ異常ともいえる状態でした。最後の落語「芝浜」も絶品でした。博多はやっぱりラテンの血が流れているんですね。どんたく山笠、サッカーもいいけど、こんなに芝居を喜んでいらっしゃるんだから、芝居小屋ひとつでも作りなさいって話です。歴代の市長にそんな考えがなかったんでしょう。いや、おいしい食材と温暖な気候、そして災害が少ない土地柄が文化をそれほど必要としなかったかも...博多に来ると、何故かふらりと散策したくなります。おいらを育ててくれた街の変貌に驚くと共に、昔そのままに残った風景を見つけると、思わずタイムマシンに乗っかって昭和の世界を旅してる気分になっちゃいます。中洲、川端、祇園、春吉あたりは基本的に昔の佇まいを残しています。65年前に亡くなった親父が、ふと路上で店を構え商いをしている光景が幻のように現れる気がします。それは何年経っても街の匂いが残っているからだと思います。

東京の家に戻ると、なんとおいらの帰京を待っていたかのように月下美人が三輪も咲き出しました。これは奇跡です!今年はまさしく狂い咲き。一晩の短い時間しか咲かないものがよりによって...残り少ない今年、なにか良いことでもあるのかな?

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miracle

2019/10/08
【第1267回】

「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」地方公演スタートです。10月6日長崎公演に行ってきました。おいらも長崎は久しぶりです。20代の頃テント芝居で、テントを担ぎながら神社の長い急坂の階段を息も絶え絶え登った記憶が鮮明です。今回の公演もそうなんですが、今やどこに行っても立派なホールがあり、素敵な環境の中で公演できるのは本当にありがたいことです。この日も杜夫ちゃん絶好調、観客の笑いを芝居のテンポに取り入れながら無事公演を終えることができました。終演後は、博多にある1970年開店のレトロバー『MAD HOUSE ひろ』で出会った原さんに思案橋の小料理屋でご馳走になりました。45年後にこうやって杯を傾けることができることに感謝です。そのあとはスタッフも交えて旅初日のお疲れ会となりました。

昨日は、原さんにいただいた長崎くんち奉納踊りの会場である中央公園に行き、くんちを満喫しました。アンコールを求めて「もってこい!」の掛け声を連発するさまが面白かったですばい。会場を後にして向かったのは平和公園と原爆資料館。改めて、原爆の理不尽さとやり切れなさに唯々立ち尽くすのみ...アメリカとロシアの圧倒的な核の数を見るにつけ、なんと愚かなニンゲンの姿。原爆投下地点から上空を見上げると青い空と夏の名残を残す雲が広がってました。1945年8月9日午前11時02分、あの日あの時空を見上げた人たちのことを思うと涙が出てきました。この亡くなった人たちのためにも、残された人生、平和について思考し行動せねばと思いました。

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2019長崎

2019/10/04
【第1266回】

「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」昨日、無事千秋楽を迎えることが出来ました。風間さんはじめスタッフの皆さんの総力戦でいい舞台に仕上がったと思います。稽古中にもいろいろありましたが、さすが千両役者の杜夫ちゃん、多くの観客の声援に後押しされ日毎に舞台の精度が上がっていきました。3時間、演者も観客も充実したひとときではあったと思います。誰があんなことできますか?改めて役者風間杜夫の凄さを感じた次第です。

10月6日から長崎からスタートして地方公演が始まります。10月30日に東京亀戸で最後のステージがあります。東京で見逃した人は最後のチャンスです。三部作一挙上演なんてことはもうないと思いますので是非いらしてくださいな。

10月というのに、今日は猛暑日。いよいよ地球は不完全な様相を呈しています。災害も含め、自分の身は自分で守るしかありません。勿論、生き方も含めて、今問題になっている関西電力然り、何を信じていいのやら?今回の芝居にもこんなセリフがあります。

「この広い宇宙で、青く輝くこの星だけだよ、人が生きてるのは。それなのに、どうして争い、憎しみあうんだ。」

生き物としての自覚と尊厳を持たなきゃ、他の生き物に笑われますよ...

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学園祭

2019/10/02
【第1265回】

昨日から消費税が10%になりました。この影響で街の商店が次々と閉店しています。年金暮らしが多い常連客を思うと値段を上げるのが忍びない、新しいレジの器械を購入するのが困難、そして度重なる災害などなど、街の交流の場であり年配者にとっての憩いの場が消えていく...考えてみれば街の商店街こそが、その街のへそであった気がします。身近な人の情報もお店に来ることによって知らされ、孤独死なんてことも考えられなかった。スーパーは確かに便利ではあるけどすべてが機械的、物を配給されてる感じがしてなりません。商店街に貼りだされた「9月30日にて閉店いたします。長い間の御贔屓ありがとうございました。」こんな告知を見るたびに寂しくなってしまいます。そんな庶民の気持ちも何処吹く風、苦渋の決断どころか簡単に消費税を上げてしまいました。ほんまに将来の社会福祉のためなら理解できるけど、これまでの政治手法ではその恩恵を感じられないのが正直なところです。こんな政治を選択したのも庶民なんだけど...そろそろ気付かないとあきまへんで。

「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」東京公演、残り2ステージ。70歳の杜夫ちゃん張り切って演じてます...今一つ覇気がない人、元気になりますから是非劇場へいらしてくださいな。

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硝子越しの秋

2019/09/30
【第1264回】

「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」今日で5ステージを迎えます...いやいや、一人で3時間喋り動き回るんですから、今年4月に古希になった杜夫ちゃん大変です。持ち前のエキセントリックハイテンションを駆使しながら、舞台を所狭しと演ずる姿に唯々感心するばかりです。この年になって、こんなことできる役者どこにも居ないんじゃないかしら?お客が楽しんでくれる姿、そしてそれを成し遂げた後に褒められることのために命を懸ける姿に役者魂を感じます。演者も観客も一つになって、二度と戻らない時間と空間を共有できるなんて、なんて素敵なことでしょう...今回の芝居、普段の芝居より男性客が多いのが嬉しいですね。芝居なんぞより、飲み屋で一杯を選択するオッサンたちが劇場に足を運んでくれるなんて嬉しいじゃありませんか。そして70歳になっても、あんなにエネルギッシュに立ち振る舞ってる杜夫ちゃん観て、こりゃいかんですばい!俺ももうひと踏ん張り社会のために平和のために、そして愛する家族のために生きねばと思ってくれればと思ってます。

おいらの好きなスポーツの一つラグビー、大金星を挙げて盛り上がっています。泥臭く戦う男たちの姿にもドラマを感じます。何事も、いい汗かいての酒の方が、美味いに決まってますよ皆の衆。

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曼珠沙華

2019/09/26
【第1263回】

いや、ライオンズ勝ちましたね...今年は優勝無理だと思ってました。投手の失点、毎試合5点~6点じゃ勝てるわけないというのが常識。その常識を覆す山賊打線が凄いですな。打率、打点、本塁打、そして盗塁まですべてライオンズの選手がトップなんですから、観る方にすれば面白くてしようがないという訳。こんなチームは本当に稀かもしれませんね。打って走ってダイアモンドを駆け巡り、次から次へと点が入るシーンを観るたびに、そりゃ楽しいに違いありません。24日の優勝が決まる日、ライオンズが勝つだけでは駄目なので、同タイムに試合をやっていた楽天対ソフトバンクの試合も同時にテレビで観ていました。この日ばかりは楽天を応援しました。昨年までライオンズに居た浅村がこの日はいい仕事をしてくれました。この浅村、何故かライオンズ戦になると狂ったように打ちやがって、この野郎なんて思ってましたが、やっとこの日、お世話になったライオンズに恩返しができたんじゃなかろうか。短い選手生命、お金のために移籍するのも分かりますがなにか寂しいものがあります。特にライオンズのエース、主力打者として活躍した選手たちが、ここ最近去っていくので複雑な思いです。でも、このライオンズは移籍した選手たちに代わる若手が出てくる伝統があるのも確か。無名の溌溂とした若手のプレーはとても気持ちいい!今年こそクライマックスシリーズを勝ち抜き11年ぶりの日本一を掴んでくださいな。

そんなことよりも、今日は「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」の初日でございます。秋晴れの東京、これから下北沢の本多劇場に向かいます。

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今日の新宿

2019/09/24
【第1262回】

涼しくなったり、暑くなったり、こんな事繰り返しながら秋になるんですね...先週、11月に公演する「風を打つ」の本読みをしました。題材は水俣です。
2016年にも「静かな海へ~MINAMATA~」を創ったんですが、再度の水俣へのチャレンジです。水俣のあの歴史、姿をどう伝えればいいのか?なかなか難しい課題ですが、自然を破壊し、利益追求のための犠牲を強いられた庶民の思いを語り継いで行かねば、この国の未来は無いと思っています。今回も、ふたくちつよしさんに作・演出を依頼しました。彼の作風は家族の在り方を戯曲にしています。水銀を垂れ流した会社、この事実に手ぬるい対応をし続けた国を弾劾するのではなく、水俣病を引き受けざるを得なかった漁師一家の再生の物語です。

昨日は、いよいよ今週26日から始まる「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」の最終稽古でした。一人で3時間喋りっぱなし、いったい全体、彼の頭脳は如何様に組織されているのか?いつも感心を通り越え、ただただ驚嘆するのみ。今年、古希を迎えながら、この無謀なる挑戦に挑む風間杜夫の役者魂炸裂といったところかな。こんなことできる、いや、やろうなんて言う俳優、世界探してもいやしませんがな。この世紀の大一番、見逃す手はないと思うのだが...3時間辛い?そんなこと忘れさせてくれる中身でございます。

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秋の日は釣瓶落とし

2019/09/20
【第1261回】

東京電力前役員全員無罪...文書改ざんの件も含めて、なんだか司法の世界も忖度塗れの気がしてならない。世界のジャーナリストも驚いているそうだ。今回の千葉の停電然り、何の反省もないのではと疑ってしまう。あれだけの事故を起こしておきながら何の罪も問われないなんてありうるのだろうか...来月から消費税もアップ、この国の未来がホンマに心配だ。

新宿の路上で、久しぶりに素敵な音楽に出会った。ディジュリドゥ奏者Chapa。 ディジュリドゥとはオーストラリアの先住民アボリジニの楽器で世界最古の金管楽器と言われている。 その不思議な音色と共に、リズムマシンを駆使して即興のダンスミュージックを奏でていた。これは受けますな。新宿南口はストリートミュージシャンにとっては格好のエリアだ。広々とした歩道に開放感溢れた空間、誰もが夢見ながら音を奏でている。おいらも、時には立ち止まり聴いてはいるのだが様々ですな。この世界も、何か一つ惹きつけるものがないと見向きもしてくれない。そんななか、Chapaの世界は今まで体験したことない音だった。早速、路上で販売していたCDを購入し、我が家で聴いたのだが自然に身体が動き出し、おいらの舞踏まがいの踊りに顔面踊りも加わり、どうにも止まらない事態になっちゃいました。これ、日々の肉錬にいいかもね...

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イカした音

2019/09/17
【第1260回】

千葉の停電の現状を見るにつけ、この国の災害に対する対策があまりにも杜撰な気がしてならない。原発事故での教訓がいかされてないのではないのかと思わずにはいられない東京電力、そして台風直撃だというのに、大した効果がみられない内閣改造を呑気にやっちゃう政府、国も電力会社もどなんなってるの?これじゃ、アメリカから武器をいくら買い込んでも、北朝鮮からミサイル打ち込まれたら一瞬にして日本沈没ありゃりゃんりゃんの世界は現実のものとなってしまうんじゃないかしら...よく分からんことが、現実に起こっていることをしかと受け止めないと、ほんまにえらいことになっちゃいますよ。

9月中旬だというのにまだまだ暑い日が続いています。そんな日に、オリンピックのマラソン選手の代表を決めるレースがありました。東京の名所巡りのコースはなかなかいいのだが、来年の8月にほんとにやるの?というくらい暑さとの戦い大丈夫かなと心配してしまいます。今回のレース、本命では無い選手が優勝しました。マスコミに騒がれることなく、地道にコツコツと練習した人が報われる事例が増えれば社会もきっと良くなるんでしょうね。

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平和なひととき

2019/09/13
【第1259回】

今年も咲きました...去年10年振りに咲いた月下美人、我が家のベランダにて見事に9月11日午後9時半にぱっくりと姿を見せました。初期に垂れ下がっている蕾が開花直前になると自然に上を向いて膨らみ、夕方に芳香を漂わせはじめ、じっくり時間を掛けて一気に咲く。その様は官能的な感じさえしてしまう。もともとサボテン科・クジャクサボテン属に分類される着生サボテンの1種。咲いたときの匂いはジャスミンに似たやわらかい香りで、くらくらと目眩がしてしまい悩殺されちゃいそう(笑)一夜限りってのがいいじゃないですか潔くって...翌朝、閉じてうなだれてる姿を見るにつけ、あの美しい瞬間は幻ではなかったのではなかろうかと思ってしまう。今度はいつ、この不思議な瞬間に出会えるんだろうか?自然が生み出すファンタジー、おいらにもわからない。

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美人薄命

2019/09/11
【第1258回】

「皆さん、自由を謳歌してますか。幸せを当たり前のように感じていませんか。」香港から来た留学生が、ある大学でスピーチしたそうな...香港でいま行われているデモは深刻です。30年後に迫った中国の権力支配化に対する自由民権の戦い。今なお言論統制下に置かれた中国の現状を見るにつけ、自由のありがたさを満喫してきた若者たちが危機感を感じるのは当たり前のことです。30年前に中国の若者たちが立ち上がった天安門事件も権力者によって圧殺されました。それほど怖い中国の権力機構、香港若者の悲痛なる叫びだと思います。さて、これに比して日本の若者の呑気な事といったらありゃしない。選挙にも行かず、アジアの緊張状態にも大した興味も持たず、大企業の就活に勤しみ、唯々スマホに熱中し世界に目を向けようとしません。いやいや、若者ばかりではありませんな。人生をあきらめたオッちゃんたちも酒喰らって愚痴こぼしゲームに興じております。そんな呑気な人たちは権力者にとっては好都合な味方です。そうなんです!自由なる権利、あっという間に不自由なるものに取って代わってしまいますぞ...日本、そして世界の戦争に至る過程が証明しています。

今日、改造内閣がスタートするそうな...相変わらずの論功行賞人事、まさしく忖度国家。大切な文書書き換えても罰せられず、それに対して大規模な抗議デモも起きない国じゃ権力者も枕を高くして寝てられるってなもんですな。

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秋の予感

2019/09/09
【第1257回】

先週の土曜日、横浜演劇鑑賞会での「百枚めの写真」観てきました。いい芝居は何度観てもいい芝居ですな。役者のテンションもかなり高く、そして内に秘めたるものが切々と伝わってくる。回を重ねる事に、キャストの思いが観客に伝わる様を感じられるなんて幸せです。そして、改めて平和の大切さを次の世代に継承しなければいかんなと改めて思う次第でございます。この芝居、このあと長野県で8ステージやって今年は終わりです。こんな芝居こそ毎年やらねばと、芝居に関わった一人として責任を感じます。今回、会場には戦時中に撮られた横浜演劇鑑賞会関係の家族の写真が掲示されていました。あの忌まわしき戦争の記憶を忘れてはならないという決意表明と受け取りました。

終演後の、みなとみらい地区はいつものように穏やかで潮の香りがほんわかと匂っていました。こんな平和な光景が何時までも続きますように...いい芝居と、潮の香り、そしてお酒、戦争が起こればこんな至福の時間も持てませんがな。

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横浜みなとみらい21

2019/09/06
【第1256回】

又、暑さが戻ってきましたね...地球の環境も大きく変わり、災害も含めニンゲンはあたふたとしています。これもニンゲンが招いた人災なんですがね。今年の蝉の声、例年比べ力強さもなくしょぼい感じがしました。炎天下の中、命の限り鳴き続ける蝉があってこその夏でございます。この夏、家族に見守られ笑顔いっぱいの子供もいれば、親の虐待を受け命をなくす子供もいます。この世に奇跡的にニンゲンとして生を受けた尊い命を親が殺めるなんてことが、実際起こるんですから、まさしくこの世の中、今までと違う人種が育ち、親になってるんですね。生き物もモノの一部であり、究極は記号程度にしか考えられなくする、この国の取り巻く環境の諸々に問題があるんでしょうね...文書を改ざんしても罰せられない理不尽、自国の主張を通せない外交、一部の富裕層にのみ優遇される制度...などなど庶民は諦めに転じ、刹那的な思考が蔓延していった結果かな。

でも、生きねばなりません!なんとしても...おいらもここんところ随分と友を見送り、少しばかり弱気になっていますが、残された人生、少しでも充実した時間を過ごしたいものです。今日も青い空のもと、絞るような最後のメッセージを届け地上に舞い降りた蝉を見ながら「あんたの分まで、おいら今日も元気に生きまっせ...」と声をかけました。

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お疲れ様でした!

2019/09/04
【第1255回】

先週、今週と芝居を2本観たのですが...改めて演劇というジャンルの難しさを感じました。先ず演技そのものが日常と相容れないモノになっていないかどうか?もともと芝居が好きな人にとっては既に演劇そのものが、その人の身体にインプットされているので、そのパイのなかで処理出来る。がしかし、この趣味の多様性の現世において、この芝居自体がある特殊性を帯びているのではないかと思うことがある。観客の日々の生活史を余程凌駕することが無い限り、観客に時間とお金を強要するには限界があるのではないか...といっても、ミュージカル、今流行の2.5次元芝居、旬の役者が出演している芝居、いわゆる商業演劇に類するジャンルには相変わらずの集客力。そこなんですね...演劇が娯楽なのか、それとも社会との関わりの中で創られていくモノであるべきなのか...両者が上手く絡み合えば一番いいのだが、そうは簡単にいかないのが世の常。でも、考えてみれば表現自体そのものが千差万別。要は己のやりたいことをやればいいじゃん!と言う答えに落ち着いてしまう。確か昔、劇団のある主宰者が野球場に集まる多くの観客を眺めながら「芝居にも、この何分の一でもお客が来てくれれば嬉しいな...」と呟いたとさ。野球と芝居、所詮、似て非なるものかもしれませんな。

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今日の空

2019/09/02
【第1254回】

いやいや、今年はライオンズ、ダメかなと思いきや盛り返してきましたな...7月にソフトバンクと8.5ゲームあったゲーム差が、昨日の時点で1となりました。こりゃわかりませんぜ。なにせライオンズの打力が凄い、山川、中村、外崎、森、秋山のホームラン。それに加えて金子、源田、木村、外崎、秋山の俊足、こんなチームは両リーグ通じて皆無。試合見ててワクワクしますがな...これに投手のチカラが充実すればダントツ1位のチームなんですが、今年は防御率最悪。1試合平均5点以上は失うんですから打撃陣の負担は半端じゃありません。点を取ったらすぐ取られるゲームを何度目にしたことか。しかも、ピッチングコーチがマウンドにアドバイスした途端に打たれてしまう悲惨な光景に、腹が立つどころか諦めに近い心境でありました。コーチの指導が悪いのか、それに応えられない投手の甘さなのか、とにかくおんぼろ投手の無様な姿にファンのみなさんも呆れかえったことでしょうね。ところが、最近、投手が大崩れしなくなった途端、ゲーム差が縮まった次第でございます。

なにせおいらは、ライオンズ一筋67年に渡るファンであるのは勿論だが、金に糸目をつけず他球団の選手をかっさらうチームが嫌いです。鷹、鷲、巨人、なんてチームが野球界の盟主なんてことになったらベースボールも終わりですたい。なんでんかんでん、この世の中、金でどげんでもなると思ったら大間違いでございます。夢とロマンと冒険は、お金で買えるもんじゃなかとよ...と、少年キヨシは西鉄ライオンズに教えて頂きました。

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9月の空

2019/08/30
【第1253回】

アマゾンが燃えている...みんながよく利用してるあのアマゾンじゃありませんよ。世界最大の熱帯雨林を有するブラジルのアマゾンです。世界の熱帯雨林の60%がブラジルに存在します。しかも、世界の酸素の20%はアマゾンの森林でつくられると言われています。ブラジルのトップは、トランプと結託しなにかと金勘定に思考を巡らし、自国の大切な資源をないがしろにしてます。燃え続ける樹木を見ながら、何故か書物が燃え尽くされてる感じさえしてしまいます。樹木が無くなることはすなわち、この世界から本なるものが消滅してしまうことです。一時、電子ブックなるものが流行駆けたのだが、最近車内でもあまり見かけません。そりゃそうでしょう!書物は自然界で長い時間育まれた樹木から派生し人間の知恵で生まれた貴重な文化資産なんです。ページをめくるあの喜び、しっとりとした紙に印刷された文字に喚起される夢とロマンと冒険心。読書することで、世界のあらゆる人達が、人間形成の一助になったことは紛れもない事実です。

その樹木が燃えていく姿は何とも忍びがたい。でも、世界のトップの連中は、そんなことよりも兵器産業で成立しているアメリカ、そして中国、ソ連の兵器を買い漁ることに夢中になっています。自然環境より武器、なんとも嘆かわしい状況でございます。

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読書の伴侶は美味なる珈琲

2019/08/28
【第1252回】

えらいこっちゃ...「百枚めの写真」の東京公演が終わったと思ったらすぐさま旅公演。「A列車に乗っていこう」も現在旅公演の終盤。そして、月曜日からは「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」の稽古が始まりました。今年70歳の古希を迎えた杜夫ちゃん、満を持しての公演でございます。稽古初日、一気に読み合わせをいたしました。予定通り、休憩15分を挟んで3時間。いやいや、この膨大なセリフを今から覚えていく役者の凄さを今更ながら感じます。なにも、こんなつらいことしなくてもとお思いでしょうが、役者風間杜夫は並みの役者ではございません...子役から始まり、全共闘運動にも遭遇し、アルバイトの日々を乗り越え今の立場を得て、みなさんご存じの一級品の俳優になったのでございます。芝居に対する執着は飲めば飲むほど熱く語りかけてきます。役者さんが良く発する言葉「舞台の上で死ねれば本望...」杜夫ちゃんはどう思ってるか知らんけど、この心情を絶えず持ち続けながら舞台に上がってると思います。

韓国と日本大丈夫かな?なんだか、日本はアジアで孤立してしまうんじゃないかしら。トランプ一辺倒の外交姿勢を改めたいととんでもない事態が起こりますぞ。平和だからこそ芝居もできるってこと、一人一人がもっと政治、行政に目を向けんとえらいことになっちゃいます。

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晴れたり曇ったり

2019/08/26
【第1251回】

先週の週末「百枚めの写真~一銭五厘たちの横丁」の東京公演、両国のシアターXで無事終えることが出来ました。2010年の初演以来4回目の上演です。この芝居が、この時代に必要不可欠な作品である事の証でもあります。赤紙によって戦地に赴いた兵士に届けるために撮られた99枚の写真(戦意高揚のため)と、名もない東京下町の一家族のドラマが観客の心に深く突き刺さる作品です。おいらが原作者である児玉隆也さんの自宅に伺ったのが12年前です。この作品を書き上げ38歳で亡くなった児玉さんの自宅で、奥様とご子息夫婦に熱くこの作品を舞台化したいと語った記憶があります。松下竜一さんの時もそうであったのですが、原作と突然の舞台化の話が遺族の人達には唐突であり、おいらは唯々粘り強く説き伏せるしかありませんでした。芝居なんぞの世界に馴染みのない人達にとっては、おいらなんかインチキ興行師では?なんて思われたかもしれません。でも、おいらの心意は伝わり舞台に上げることが出来ました。そして今年も意義ある8月に上演することが出来感慨深いものがあります。児玉さんが写真を頼りに、留守家族のその後を訪ね歩いた様に、プロデューサーも舞台にしたいという執念から、コツコツとその心を伝える地道な仕事からしか始めるしかありません。そして、こうやって何年も上演できる事で報われた気がします。こんなアナログな作業だからこそ、観客に確かなものを届けられると思っています。

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両国駅前

2019/08/21
【第1250回】

昨日は、10月8日(火曜日)「風間杜夫ひとり芝居平和三部作」博多ももちパレスで公演に向けての宣伝も兼ねて風間杜夫トークショーをやってきました。おいらの故郷でもある博多、自然に恵まれおいしい食べ物と飾り気のない人柄で人気ある街なんだが、アートに関しては行政機関の方々ちょいと無関心かな...だって、これだけの街で芝居に適した劇場がありまっせん。たくさんのアーティストを輩出してるのに、はなはだ恥ずかしい限りであります。そんななか、ここ「ももちパレス」が何とか演劇人口を増やしていこうとする今回の企画に拍手を送りたい。杜夫ちゃんも、この日朝早くから地元のテレビに生出演し少々お疲れ気味にもかかわらず、ジョークも含めて笑いに包まれた和やかなトークショーでありました。

久しぶりの博多、昔よくふらついた中洲近辺を散策したのだが、おいらが日々通っていた映画館も無くなり、昔の面影は影も形もありませんでした。博多の庶民の味でもあった豚骨ラーメン屋が巨大なビルを構え商売するような時代です。しかも高い値段でのラーメン、こんな豚骨に反骨し、おいらは今でも¥320の豚骨ラーメンを食べに行きます。博多が気取ってどげんするとね!博多はいつまでも庶民が真ん中にある街であってほしいですね。

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昨日の博多

2019/08/19
【第1249回】

こんな暑い日は、映画館で過ごすのも一案でしょう...というわけで「ライオンキング」観てきました。長生きしてみるもんですね、技術の進歩に唯々驚くばかりです。これ、本物のライオンじゃん!これだけで感動しちゃいます。話自体は、どこにでもある勧善懲悪、因果応報てきな話なんだが、とにかく引き込まれます。喪失、友情、愛、てんこ盛り、そして過去に向き合わないと幸せな未来はないなんてこともきっちりと描かれています。こんな映画創られると、俳優要らないんじゃないのかななんて、役者にとっては死活問題になっちゃう危機感さえ感じます。アフリカの壮大なサバンナを彷彿とさせる音楽もいいですね。これ、日本語吹き替え版も上映されてるけど、やはり字幕じゃないとこの映画の雰囲気は味わえない気がします。

高校野球はいよいよ、明日準決勝、星稜の奥川投手いいですね。実力もさることながら笑顔が素敵です。笑う門には福来る!こんな猛暑でも笑顔があれば救われますね。

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熱帯夜に咲く花

2019/08/09
【第1248回】

猛暑なんてどこ吹く風...家の近くの広場で、ちびっこ盆踊り大会が催されてました。夜になってもこの暑さ収まりそうもありません。広場もコンクリートで固められ、上から下からの照り返しで、少々の夜風で温度が下がるものでもないのだが、ちびっ子は元気です。汗を拭き拭き、くたびれた表情をしているのは連れ添う親達。可愛い浴衣をはだけながら見よう見まねで踊る姿を見ていると、おいらもほっこりしてしまいます。

おいらの時代は、ガラの広っぱ(石炭のガラを捨てて出来た広場)で毎年盆踊りしてました。おいらの興味は、踊りよりも水飴を舐めること。そして、お目当ての女の子の踊る姿をこっそり眺めること。お目当ての子はお金持ちのお嬢さんで、おいら貧乏人のガキにとっては高嶺の花でありました。きれいな浴衣着て上品に踊ってる様を見ながら、キヨシ少年は何を思ったことでしょう...このガラの広っぱではいろんな催しが開催されました。仮説のスクリーン(白い布きれ)を立てての映画上映会、野球大会などなど。子供にとっては格好の夢場所でもありました。広場があれば何かが起こり、そこから子供の夢は大きく羽ばたいていきました。それは今も昔も変わりません...今尚、世界の各所で内戦が起き広場さえも、がれきで埋まり遊ぶ空間を失ない路頭に迷う子どもたちの報道を見るにつけ、改めて平和の有り難さを思わずには居られません。今日は74回目の長崎原爆忌...今日もこの国のトップの口から核兵器禁止条約に関する言葉はありませんでした。

明日からお盆休み、16日まで夢吐き通信お休みです。

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夢の広場

2019/08/07
【第1247回】

昨日は、広島に原爆が投下されて74年目。74年間この悲劇を伝えようとしても世界は応えてくれません。核を保有している国が、開発途上国に核を持たないように脅しを掛けるのも変な話じゃございません。この正論が世界で通用しないこと自体、おかしな人達のおかしな話です。その点、世界の中でも堂々と正論を展開し核廃棄に向けての行動を出来るのが唯一の被爆国である日本なんです。が、しかし大国に遠慮して口先だけの論調に終始しているのが我が国の現状。今日も確かに暑い、でも1945年8月6日原爆投下時刻の午前8時15分に遭遇した人達の暑さは地獄絵を呈する熱さ。これまでに映画、写真、舞台、絵画で何度も目にしました。こんな酷いことをした米国、その状況を作り出した日本の軍部、更に拡げればこの戦争を生み出した世界の愚か者。なのに、いまだ核を含む軍拡、そしてこれからは宇宙の領域まで拡大しての領土争い...ほんまにアホですな!

昨日、電車の中で二人の幼い兄弟がスマホを見ながら「捕まえた!」なん狂喜の声をあげておりました。何捕まえたが知らんけど、バーチャルの世界でしか体験できないこの子どもたちの環境ほんまに悲しゅうございます。おいらの子供の頃なんか、この夏休み野原を駆けずりまわり、バッタ、ザリガニを捕まえながら生き物の生態から命の在り方を学んだもんでございます。大人はと言えば、だんまりこんでスマホとにらめっこ。こりゃあかんわ...日本未来は、世界の行く末は?おいらはもう死んどりますわ。

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ふたくちつよし作品集

2019/08/05
【第1246回】

いやいや、この暑さ半端じゃございません...そんな中、今年も「百枚めの写真」の稽古が始まりました。この芝居の初演は2010年で、今回が4度目の上演になります。いい作品は、いつどこでも上演される!のいいお手本です。この8月は広島、長崎の原爆、そして8月15日の終戦記念日。戦争を考えさせてくれる月でもあります。おいらは敗戦後、中国朝鮮半島の混乱の中、帰国途上で危機的状況にあった母のおなかにいた時期でもあります。いつも思います...この世に生まれてこなかったことも十分考えられる。生まれ来たからには、戦争のない世界にする一助にならないと、無駄な戦争のために死んでいった人たちに申し訳ない気持ちで一杯です。この芝居もその一つです...稽古初日の本読みでも、なんども、胸迫る台詞がありました。戦地にいる名も無き兵士は家族を思い、どんな気持ちで死んでいったんだろう...天皇陛下万歳なんて思って死んだ人は居るわけ無いでしょう。皆、故国の家族のことを案じながらに決まっています。「百枚めの写真」の芝居には、このことが切実に描かれています。

そして、この作品の作・演出家である、ふたくちつよしさんの作品集が出版されました。彼の代表作が2冊の本に凝縮されています。家族の在り方、平和の尊さ有り難さを今更ながら感じさせてくれます。興味がある方は是非読んでみてくださいね。

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新宿の避暑地

2019/08/02
【第1245回】

猛暑が続いています...熱帯夜で寝苦しい夜もなかなか大変です。おいらは寝る前に読書しながら、ウトウトタイムを待ってます。便利な時代になったもので、枕元に置くライト、ブックスタンドともに安価な値段で売ってます。静かなピアノの音色も眠気を誘います。いやいや大変な時代になったもんでございます。おいらの子供時代は蚊帳を吊り、ぐーすか鼻提灯で、ほんわか気分で寝とりました。でも、あの蚊帳の中から観る風景はなんとも摩訶不思議な世界でした。人の気配、吊るされた蚊帳の形、蚊帳越しに見る人影はまるで幽霊のようでもあり怖かった。蚊帳に入るときは何回か蚊帳を振って入らないと良く叱られたものだ。同じ部屋が異形の空間になり、異次元の世界に居るなんて子供にとっては面白可笑しい世界でした。

今や、クーラーがないと過ごせない時代になっちまいました。そのクーラーの排気と車両の排気、そして照り付ける太陽がアスファルトに反射して街路は地獄の熱さ。道行く人の表情は、寝不足と疲労から、明らかに苦悶に満ちています。そんななか、大道芸人は暫し休息をとばかりに涼風代わりの音色を届けていますが、この暑さでさすがに立ち止まって聴く人は皆無...でも、この心意気がいいじゃありませんか。淡々と流れるアンデスの曲に、あのマチュピチュを想像しました。と、想像した瞬間、アンデスの風がおいらの身体を吹き抜ける感覚に襲われました。

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アンデスの風

2019/07/31
【第1244回】

久しぶりにLPレコードに針を落としました...いいですね!このアナログ感はたまらんですばい。ジャズ、シャンソンそれぞれのジャンルの歌姫の歌声が、まるでその場に居るみたいで幸せな感じです。ビリー・ホリディ、エディット・ピアフと言えば半端じゃない生き方をしてきた歌手。目の前でクルクル回るレコード盤に刻み込まれる針の動きが、まるで彼女たちの壮絶な人生を想像させてくれます。両レコードとも半世紀以上前に吹き込まれたライブ盤。ピアフはパリのオランピア劇場、ビリー・ホリディはカーネギー・ホール、その熱気がレトロな雰囲気で味わうことが出来るのがレコードのいいところです。この感触を知ってしまうと、又再びレコードの世界に回帰してしまいそう...断捨離の世界に差し掛かったおいらとしては、これは苦渋の決断をせざるを得ないですな。今ある貴重なレコードで我慢し、あとはコンパクトなCDで音の世界を楽しむしかありませんな。幸いにして都内にはレコードを掛けているJAZZ喫茶がありますので、ふらりと出かけ珈琲飲みながら読書を兼ねての喫茶店巡りをすれば良し。レコードの素敵なジャケット、レコードを取り出し盤に乗せ、針を落とす、この一連の流れが至福の時間です...なんでんかんでん便利になればいいってことじゃありません。ひとつひとつ手間暇掛けてこそ、そのさきに至上の喜びが待っているってことですな。

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至上の歌声

2019/07/29
【第1243回】

「A列車に乗っていこう」東京公演、昨日無事千秋楽を迎えることが出来ました。この不思議な台本を舞台化してくれたキャスト、スタッフの皆さんに感謝です。勿論、この芝居を観た人たちの感想は様々だと思います。芝居の楽しみ方も又、十人十色。おいらはこの手の作品正直言って好きです。わからないものに対して、とことんのめりこんでいくチャレンジ精神がなくなったらモノを創る人間として失格だと思います。この芝居で好きなセリフがあります。登場人物のそらさんが幕切れ近くに言うこの言葉こそがこの芝居のすべてを語っているのでは...

 

ええ、彼がこんなことをいったんです。自分は星占いは信じないけれど、よく、占星術を否定する人の中に、地球から観ると星座だが、あの星々の一つ一つは、何千光年も離れているんだから、何の結びつきもナイって、そういうひとがいる。でも、ボクは、その意見には反対だ。むしろ、何千光年も離れている星々が、地球から観ると星座になるという、神秘性でではなく、人間の想像力が好きだ。

 

そうなんです。想像力を刺激、喚起させるものに触れた時の喜びはなにものにも代えることが出来ません。知的冒険、感性の錬磨、心身が踊りだす瞬間こそ、極上の快楽ではなかろうか。

この芝居、今日の横浜から始まって9月1日の三重公演まで15ステージの公演があります。地方の皆様、この夏の想い出に是非、A列車に乗ってみませんか?まさしく銀河鉄道の世界が拡がって行くことでしょう...

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夏だ!

2019/07/25
【第1242回】

選挙終わりました...投票率は50%を切り、相変わらず自公政権安泰、既成の政治に嫌気がさすのも分かる気がします。何年経っても変わらない政治屋さんのパフォーマンスに辟易してるのに、一石投じたのがれいわ新撰組の山本太郎。比例区で10%取ったんだから大したもんでございます。ひも付きなし、身体張って辻説法してる姿に庶民は飛びつきますがな。こんなやり方でしかこの国の政治に風穴を開けられないなんて、何とも寂しい限りです。おいらも彼の話を聴き納得できる部分多々あります。しかしながら、政治も数の世界、この現状においてひっくり返すのは並大抵の事じゃございません。でも、本気になってる人間を国会に送り込み、腐敗と馴れ合いに満ち溢れた仕組みをぶっこわすことでしかこの国の未来はないのかもしれませんな...世間の人、山本太郎はただのパフォーマンスだとせせら笑いしてる人が居るのも事実です。でもね、笑ってるうちに、いつのまにかとんでもない国になってるかもしれませんぞ。

今日、新宿の伊勢丹前でイタリア人旅行者家族が大喧嘩していました。母親らしいおばはんに、若い夫婦が泣きながら叫んでおりました。嫁さんが大声でゼスチャーたっぷり振る舞ってるんで、通行人は芝居でもやってるのかと立ち止まり観てました。それにしてもお国柄、ラテンの人は所かまわず己の主張を貫き通すんですね。政治を変えるのもこのエネルギーが必要なんだなと思った次第です。

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梅雨明け

2019/07/22
【第1241回】

「A列車に乗っていこう」先週の土曜日から始まりました...初日は、作家の北村想さんも名古屋から来ていただきました。自分が頭の中で空想した世界がどんな形になるんだろう?書いた人間でしかその気持ちはわかりません。しかし、自分が思い描いたものと違っていても、これは仕方がないことであります。この難攻不落の想作劇、どこから手を付けていったらいいのか本当に至難の業であったと思います。演出の日澤君以下スタッフの総力戦で素敵な舞台に仕上がったと思います。勿論、言葉を舞台で表現する二人の女優さんも大変だったと思います。おいらも久しぶりにドキドキいたしました...そういえば、芝居をやり始めた時は、すべてがアバンギャルドの精神で立ち向かい腹をくくってやったもんでございます。誰しもが経験したことがない、感じたことがない領域を模索しながら、やみくもに突っ走る...なんだか、久しぶりに、こんなことを体験させてくれた今回の芝居でした。

初日の舞台を観ながら、半世紀前に観た唐十郎の状況劇場、早稲田小劇場、ベケット、イヨネスコなんて芝居を思い出してしまいました。モノを創るものはとどまってはいけない!創っては壊し、そしてより新しい刺激的なモノを創る。心身ともに少しは老いを感じ、バタバタと鬼畜に入っていく芝居の戦友を見送っているおいらに「まだまだくたばるわけにはいかんぞなもし...」なんてはっぱをかけられた今回の芝居。

自分の道は、自分しか歩けないし、この果てしない宇宙を、如何様に生きていくのか、そして何が心理なのか...ほんまに芝居は奥が深かくておもろいもんでございます。

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今日もどんより

2019/07/19
【第1240回】

いや、今日は久しぶりに青空を拝むことが出来ましたな...そんな新宿西口歩いていると、向こうから元F1ドライバーという参議院候補者がおいらの顔見てニコニコしながらやって来るではないか。こりゃ困りましたな、おいらこの人、別に応援してるわけじゃないし逃げようと思ったんですが、無理やり握手をしようとするもんですから、またまた困り果ててしまいました。おいら握手したくなかったんで、丁重に断り難を逃れました。一難去ってまた一難。今度は、あの小池東京都知事に反旗を翻し都議会議員を辞し、東京北区の区長選に立候補するも落選、今度は維新から参議院東京地方区から今回立候補したとっちゃん坊やみたいな人が、選挙カーからおいらに向かって猛烈に手を振るではないか...おいら興味ないから無視すると、隣に座ったウグイス嬢がカン高い声で「頑張ってます!温かい応援励みになります!」おいら何も応援した仕草してないのに勝手に言ってんじゃないよ...とほほです。困ったんもんですな。こんな人たちが立候補してるんですから政治良くなるわけないじゃん!と久しぶりの青空の下での心地良さに水を差された気持ちになりました。

それにしても昨日の京都の無差別殺人...世界全体がささくれた感情を生み出す流れになっているのがなんとも絶望的です。何かに急き立てられ心身が歪になるシステムが問題だとわかりながら、人は富を名誉を求め只ひた走る...青空眺めながら、何が本当の幸せなのか?

もう一度考えてほしいなと思います。

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久し振り!

2019/07/17
【第1239回】

小雨続く連休、久しぶりに、ちあきなおみの最後の一曲「紅い花」を聴きました。いや、いいですな...あの独特の声に、語りかけるような歌唱スタイル。まさしくシャンソンですな。本物の歌手は決して歌い上げません。自然な姿で言葉を大切に優しく伝えてくれます。昨今、歌の世界はメロディ中心で進んでいるので、言葉を聴かせてくれる歌は貴重です。

 

紅い花 想いを込めて ささげた恋唄

あの日あの頃は 今どこに いつか消えた 夢ひとつ

 

なんてことのない歌詞なんですが、ちあきなおみが歌いだすと人生、時間が視えてくるんですね。歌はまさしく3分間のドラマ。芝居なんぞは、2時間かけてドラマを創り上げるんだから3分間というのは凄い。歌い手本人の中にも聴き手の人生を凌駕するものがなければ商いになりません。いずれにしても壮絶な人生です...要は、生半可な生き方では人の前には立てないということですな。

 

今日も曇天。東京では7月の日照時間が5.4時間と記録的に少なく、一昨日の海の日も海岸、プールともども閑古鳥状態。この後、一気に猛暑なんてのもたまらんですな...年々、体力落ちてるおいらにとっては体内調整が難しい地球になってしまいました。

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曇天の中での連呼

2019/07/12
【第1238回】

いやいや、お天道様なかなか顔出してくれないな...これは深刻ですぞ!まず野菜類が高騰しています。せんべい屋さんも天日干し出来なくて困っていますし、魚の干物屋さんも大変です。そして、ニンゲンたちもどことなく憂鬱でさえない表情で街を歩いています。サマーセールで盛り上がるはずの衣料品売り場も閑散としています。やはり夏と言えば太陽、キラキラ輝く太陽が主役でございます。去年の異常な暑さもまいりますが、汗が出てこない夏なんて夏じゃございません。青い空、青い海、蝉の声、蚊取り線香の煙と匂い...年々、季節の風物詩がこの国から消えていってる気がします。生き物は人間だけじゃないんだぞ!自然界の生き物の抗議の声が聞こえてきます。昨日もカラスが会議しとりました「人間どもの残飯あさって食べたんだけど、なんだか薬品ぽい味がして腹の調子がおかしくなりやした。ならば虫の方がまだましなんて思ったんだが、虫も栄養失調なんだか、あんまりうまくないな...」てなこと、ぶつぶつかかあかあ囁いておりました。トカゲなんか見つけると頑張れよ!と声を掛けたくなっちゃいます。この地球に生きるすべての生き物に思いを馳せ、四季折々の恵まれた環境の中、すべての生物が平穏無事に過ごせたらいいな...その主役がお天道様です。早く顔出してちょうだいな。

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恋しい太陽

2019/07/10
【第1237回】

昨日、「A列車に乗っていこう」の稽古場を覗いてきました...石田さんと松風さんの自然体の演技が印象的でした。今回の北村想さんの戯曲、とっても不思議です。この不思議な世界を舞台化するには、俳優の透明感が必要であると思いました。手垢が付いた演技術ではとても適わない、いや想さんの世界がどんどん遠くなる...その心配は、昨日の稽古場で完全に払拭されました。透明感なんて、月並みな言葉ではあるんですが表現に携わる者にとっては、この言葉を体現することは至難の業でございます。場数を踏めば踏むほど、思考すればするほど手垢演技の泥沼に陥ってしまうのが俳優業の恐ろしいところ。素人の芝居に、目から鱗なんてことも耳にします。身に付けたものをいかにそぎ落としていくか?と言って下手じゃしょうもないし、とっても難しい修行の過程かもしれませんね。

ハンセン病提訴断念。当たり前のことです...誤ったことをやったんだからできる限りのことを国がするのは当然ですが、お金で今までの虐げられた時間が戻るわけがありません。冤罪も含めて間違った判断でどれだけの人たちが苦難を強いられたか、過去の歴史を紐解けば闇に葬られた案件が多々あります。新聞の片隅の情報から知らされることも多々あります。これらを見逃さず、地道に記事にする記者こそ本物のジャーナリスト。新聞が消える時こそ世界の終わりだ!決してオーバーじゃありませんことよ。

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又、咲きましたアンネのバラ

2019/07/08
【第1236回】

先週の週末は、成瀬己喜男監督の映画を2本鑑賞...1本目は1962年制作の「放浪記」は作家、林芙美子の物語である。菊田一夫の舞台で有名になったが、こちらは高峰秀子が見事な目線演技でドラマを盛り立てている。上目遣いの視線一つで主人公の感情がすべてわかるくらいの演技である。仲谷昇も宝田明も若々しくいい男。そして相変わらずきっちりと脇を固めている加東大介が素晴らしい。この俳優にはずれがない。どんな役をやらしてもハマる。芸人一家で育った血筋と彼の人生観が役者として見事にマッチしているとしか言いようがない。2本目は1943年制作の「歌行燈」泉鏡花の原作である。戦時中、国家総動員体制により、映画界においても当局による統制が図られる中、制作されたものである。芸道ものが国威高揚になったかどうかは定かではないが、国の狙いはわかるような気がする。親から勘当を受ける能楽師を演じる新派の名優、花柳章太郎は色っぽい。そして相手役の山田五十鈴がこれまた奇麗でございます。早朝、松林の中で章太郎が五十鈴に舞を伝授するシーは、これこそ成瀬巳喜男が映像作家と言わしめた名シーンではなかろうか。屋外シーンの光線の美しさ、役者の表情と衣裳に映る木漏れ日の影などは絶品。カラー映画では決して体験できない、まさしく光と影の芸術。
嗚呼、やはり映画が娯楽の王者であった時代の映画は素晴らしい!時間をかけじっくりと創り上げ、役者に余計な演技をさせない演出。映画にかける時間と情熱が湯水のようにあったのだ。残された時間、日本の名作をまだまだ観なきゃと思った週末でした。

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京王線高井戸駅ホームから

2019/07/05
【第1235回】

またまた選挙...この選挙だけでいくらお金がかかると思います?大体600億近いお金が吹っ飛んでしまいます。名前を連呼するだけの選挙カー、党が掻き集めた聴衆の前で絶叫する弁者、おいしい文を並べ街路に張られたポスター、昔ながらの選挙お祭りが今月から17日間繰り広げられます。いいかげんにしなさい!と怒ってる人、もはや諦めに近い心境で傍観してる人、誰に入れても変われへんと棄権を決め込んでる人、昔ながら利益誘導に執心する人などなど、この国の選挙の在り方はこの国に似つかわしい構図で何年もの続いています。香港のような激しいデモなんて、もはや日本では懐かしい昔話です。間違ったことがあれば、若者は声を大にして起ち上がり命を賭けて戦ったもんですが、今の若もんにそんなこと言っちゃったら、なにとち狂ってんこのオッさんなんて嘲笑もんでございます。でも、この国を維持し変革するにも選挙という手段しかないんですから1票を投じなきゃなりません事よ。でも、投票すればいいってもんじゃございませんよ...政治家は嘘つきが多いから、よくよく人相、言動、立ち振る舞いを観察し、己の想像力を駆使しながら選ばなければなりません...と言っても、おいら政治の世界に関してはほぼ絶望の境地だから、結局は消去法でしか選ぶことが出来ませんな。身を捨ててお国のために、弱者のために奉仕しようなんて人が少しでもいればなんて希望的観測ではいるんですがね...

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新宿のウツボ

2019/07/03
【第1234回】

いやいや、今週やっと今日会社に来れました...元気一杯なんて能天気なこと言い続けながらも、やはり体力は確実に落ちていますな。特にこの時期、季節が梅雨と重なり、湿気と何処に行っても容赦なく吹き付けるクーラーの冷気で、おいらのナイーブな身体を痛めつけてしまいます。ことに居酒屋のクーラーはいけませんな。みるからに古そうで汚そうで、出てくる冷気も汚染されてんじゃないかと戦々恐々でございます。電車に乗ると、西瓜冷やしてんじゃないぞ!と怒りたくなるような冷房車。抵抗力がなくなりつつある高齢者にとっては、とっても生きづらい環境になってしまいました。

最近、次々と友人が黄泉の国に旅立ってますんで、おいらも体調崩してしまいますと、ついつい弱気になってしまいます。ついつい、黄泉の国からお使いが来るんじゃないかしらなんて...正直、好きなことやってきた人生だから未練はないんだが、折角この世に貴重な生を受けたんだから少しでも健康で長生きしながら残り少ない人生楽しまなきゃと思います。そして、少しでも社会に恩返ししないと罰が当たりますがな...

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自然に優るものなし

2019/06/26
【第1233回】

新宿の街も随分とおとなしくなったもんだ...カオスが売り物である街がソフィスティケートされたんじゃ話になりまっせんがな。怖いオッさん、無国籍らしき人物、ハイテンションで練り歩く若者などなど、こんな人達が見かけなくなった街は新宿ではありませんな。この季節、新宿花園神社では劇団唐組、新宿梁山泊、椿組といった集団がテント芝居を興行してます。舞台に登場する人物のほとんどがアウトロー、社会からこぼれ落ちた人間の心情をロマンの世界に飛翔させ、観客を魔界の世界に誘ってくれます...昔なんぞは、舞台に登場していた奇人変人がそのまま新宿の街を闊歩していた気がします。そんな彼らを見ながら、決して世の中のお偉いさんが作ろうとしている既存の社会に染まっちゃいかんぞなもし...なんて思っとりました。破壊と創造を繰り返すことによって、新しいアートを生み出すエネルギーが新宿の街には充満していましたね。今は若者のデモもなく、異国の観光客が、かろうじて残っている新宿のディープな場所を物珍しそうに冷やかしてる街に成り下がったのかな?いや、行政側からすれば安全で安心な街になったと宣伝しとります。これも時代の流れ、しかたんなかですばい...変革の意識が薄れ、事なかれ主義の世の中じゃやっぱりおもろくありませんがな。

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あら、お久しぶり!

2019/06/24
【第1232回】

先週の週末も2本の芝居を観てきました...1本目は劇団文化座の「アニマの海」。石牟礼道子さんの「苦海浄土」を基に水俣に暮らす人達を描いた作品です。トムでも水俣の作品を創ったのですがなかなか難しいものがありますね。患者、チッソ工場、自然豊かな水俣の海、そして時代の変遷、これらが絡み合った水俣をどう描くか?説明だけでは物足りないし、公害に晒された人達の苦しみはそう簡単に表現できないし、演劇がどう向き合っていくのか?その難儀なことから逃げるのではなく、この水俣の世界を語り継ぐためにも演劇が果たすべく役割はあると思います。トムでも10月に水俣に再チャレンジ、ふたくしつよし作・演出で「風を打つ」を上演します。

2本目は温泉ドラゴン「渡りきらぬ橋」。大正から昭和初期に掛けて女性の人権向上に奔走した女流作家、長谷川時雨を柱に据え、その当時の樋口一葉、林芙美子などが登場する。この芝居の見所は、なんといっても登場人物全て男優陣でやりきったことではなかろうか。最初は、どうしても違和感があるのは否めないのだが、観ているうちに過去から現代に渡る性の問題、最近急速に叫ばれてるジェンダーなどなど様々なことが浮き彫りにされてくる不思議な感覚に襲われる...これは、例えば歌舞伎なんかの様式美に拘ることではなく、俳優個々の感性を信じ創りあげた演出、シライケイタのチカラに拠るところが大きいと思う。演劇だからこそ出来るもの、敢えて挑戦、冒険、これ無くなっちゃたら演劇も過去の遺産で終わっちゃいますぜよ。

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絶滅危惧種

2019/06/19
【第1231回】

又しても、セメント大臣が連日口をゆがめながらいい訳と言うより、いつものように臭い物には蓋をしての手法で、年金問題をスルーしようとしている。しかし、何年掛けて年金問題やってるの?与野党含めて、この大切な年金問題を政争の具にしているのが許せませんな。この切実な問題はお互いにベストな案を出し合って協議すればいいだけの話じゃないのかしら...ほんまに日本には政治家が存在しない情けない国でございます。

昨日、夜遅く新潟、山形に地震発生。原発は?地震が起きる度に頭を過ぎります。誰しもが、近未来に必ずや大地震が起き、原発の放射能が日本全土を被う様を想像しているのではなかろうか?年金問題一つさえ解決できない政治屋さんが、この非常事態に思いを馳せるなんてことは難しいことかもしれませんな。地元の選挙区のサービスばっかりで、日本の国全体を俯瞰できない人ばかり。来月の参議院選挙、国民の関心も今一つ、いや諦めに近い心情じゃないだろうか...何年か前、新宿西口の街頭を手渡しで己の政治信念を訴えた元俳優、参議員であった中村敦夫氏が、政治の世界に見切りをつけ、自ら福島原発、チェルノブイリに赴き原発廃止に向けた脚本を書き朗読劇を各地で実施している。もはや、この方法しかないのではなかろうか。要は頼りになるものは己しかない...自ら己に出来る範囲でアクションを起こし己を守るしかない。ほんまにあてになりません事よ、この国のお偉いさん方々。

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梅雨に咲く花

2019/06/17
【第1230回】

ライオンズの秋山選手、昨日、ひとり親家庭の親子の前でホームラン...ライオンズの選手の中で一番好きな選手です。この日は父の日、小学6年時に父(享年40)を胃がんで亡くしている秋山は、14組35人のひとり親家庭の親子を招待。この活動を2015年から定期的に続けている。小さい頃から父とキャッチボールをしながら野球選手を夢見ていたそうだ。まじめな性格と、野球に対する謙虚な姿勢、そして俊足、強肩、好打、しかもホームランも打てる選手となるということなし!ウナギフェイスで愛嬌もあるし好感度は抜群である。まじめな選手であるだけに打撃不振になると、ちょいと考えすぎ、ましてや今年からキャップテンも任され責任感が強いのも、彼を悩ませる一因となる。でも、今日の時点で打率.322を維持しているからさすがというしかありません。こんないいお手本がいるのに、木村、金子の両外野手頑張らんかい!レギュラーで我慢して起用されているにもかかわらず打率.200から.215じゃ話になりまっせんばい。二人ともそんなに若くもないしここで結果を残さないと後がありません。そして、相変わらずのライオンズの投手陣、一試合5~6点取られるのは当たり前なんですから打者はたまりません。何度も言いますが補強しないフロントの怠慢ですな。

残すところ交流戦も6試合。現状から3勝3敗がいいところかな?今年はリーグ優勝は難しいと思います。でも、少しずつ若手も育っているのが救いです...筋書きのないドラマ、そして駆け引き、選手個々の個性、多種多様なものが詰まっているベースボール、やっぱり観ちゃいますな。

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梅雨空

2019/06/14
【第1229回】

昨日は、トム・プロジェクトでお馴染みの風間杜夫、村井國夫さん出演の「黒白珠」をシアターコクーンで観てきました。先ず入場料¥10000、芝居を観るのも大変な時代になってきました。勿論、人件費その他諸々お金がかかる時代であることは重々わかっちゃいるけれど、一日働いた賃金そのまま頂くなんて事、おいらは心苦しゅうございます。7、8千は当たり前。トムの入場料¥5000は一杯一杯でございます。税理士さんからも消費税分ぐらいはあげても当然と再三にわたり警告を受けては居るんですが...当然、今のままでの入場料では役者さんのギャラにも影響し、役者さんにも申し訳ない気になってしまいます。なんてこと考えてると憂鬱になっちゃいますので、ケセラセラ精神でやれるとこまでやりまっせ!みたいなことでやるしかないんじゃありません。

芝居は九州長崎が舞台。ベテランのご両人のやりとりが大変面白しゅうございました。共に長い間、舞台をこよなく愛し己に厳しく芸の道を歩まれた二人。達者な二人の応酬に、ドラマの本筋から離れた人間の持つ面白可笑しいものが垣間見れました。ここが、生の芝居の持つ魅力の一つです。この日この時間の瞬間に流れる命の交流、とっても見応えがありました。

街には色とりどりの紫陽花が咲き乱れています。なかでも何故か白い紫陽花に目が惹かれます。白い紫陽花の花言葉は「寛容」、この時代に一番必要な言葉かも知れませんね。

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寛容

2019/06/12
【第1228回】

6月10日、錦糸町すみだパークスタジオで今年の2月27日に73歳で亡くなったベニサン・ピットの支配人であった瀬戸雅壽さんのお別れ会があった。ベニサン・ピットは戦前染色工場を営んでいた株式会社紅三が、1985年に染色工場のボイラー室を改装し江東区にオープンした下町の劇場である。紅三の経理部長であった瀬戸さんが蜷川幸雄さん演出の「タンゴ・冬の終わりに」を観劇し芝居の世界にのめりこむことになる。採算を度外視して自分が気に入った劇団、集団に場所を提供する男気で生きた人であった。蜷川スタジオ、二兎社、TPT、そして亡くなるまでとことん面倒をみた劇団桟敷童子。桟敷童子の人たち全員が、衣装、大道具、小道具をすべて手作りし、役者として演じる姿に瀬戸さんが思いを注ぎ込むのも良くわかる。ひたむきに生きる演劇人に、これだけ愛情を注いだ人は居ないのではないか。トム・プロジェクトも2本の作品を上演。2009年にはベニサン・ピット最後の公演「かもめ来るころ」でフィナーレを飾らせていただいた。公演中に豪華な鮨を何気なく差し入れしてくれた瀬戸さんの笑顔が今でも印象に残っている。

この日に集まった人たちの言葉の端々に、怖い中にも一本筋が通った優しさと気っぷの良さで演劇人を虜にしたことが良く分かった。一人暮らしであることから、死後の始末もすべて指示し迷惑が掛からないようにしていたそうだ...瀬戸さんの人生はあっぱれ!

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京王あじさい電車

2019/06/10
【第1227回】

先週の土曜日、恒例の新宿花園神社、唐組テント芝居観てきました。唐十郎率いる状況劇場のテント初見参から50年になるんだなと、感慨深く薄暮の紅テントを眺めておりました。

半世紀ものテント芝居に拘っている唐十郎の演劇哲学、大したものでございます。演劇双六から言うと、精算性を考えてみても、あるところで資本の波に乗っかってテントはたたんでしまいます。紅テントが持つ計り知れない意味...テントの薄い布切れ一枚で、虚構と現実の狭間で遊べる仕掛けこそがテント芝居の魅力であり、風雨の音に晒されながらも表現しなければならない役者の強靭さ。まさしく、特権的肉体だからこそ人の心を打つのであります。

猥雑さの中にも、果てしないロマンと冒険心をくすぐる唐十郎の台詞。観るものを困惑させあらぬ世界へ誘惑してくれます...いつもの手口だと思いながら癖になる芝居でございます。

今回の「ジャガーの眼」は1985年に花園神社で上演された作品だ。唐十郎のライバルであった寺山修司へのオマージュから創作された作品だそうだ。芝居の冒頭に寺山修司が愛用したサンダルの登場から芝居は始まる...移植された眼の果てしない旅であると同時に、肉体の一部の眼が、脳の束縛から逃れ奇想天外、予測不可能な展開に導いてくれる。いやはや、こんな芝居創ってくれる人は唐十郎以外に居ないのではないか。おいらも生きてる限り唐十郎の世界を満喫したいと再確認した一夜でもありました。

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魅惑の紅テント

2019/06/07
【第1226回】

一昨日、横浜演劇鑑賞会で9月に公演する「百枚めの写真」の説明会に行ってきました。演劇好きの人たちとお話するのは大好きです。この演劇鑑賞会を長いこと支えてきたNさんとは、阿吽の呼吸で楽しくなっちゃいます。だって観てきた演劇体験が、ともに共通した歴史であり、会話しているうちに、あの時代に引き戻される感覚は郷愁に通じるものがあります。様々なジャンルの演劇が乱立し、政治の季節と相まってほんまに楽しい時代でございました。さらりとしていて、猥雑さがほとんど無くなった昨今の演劇事情とはかなり違います。

ところで、今回の「百枚めの写真」の楽しみ方として、芝居で映し出される99枚の写真に役者の表現がどこまで拮抗できるか?ここは本当に見どころです。だって戦時中に写し出される東京下町の家族の写真は真に迫るものがあります。ある者は不安を抱え、ある者は戦地に居る夫、息子を安心させるために精一杯の笑顔をつくる、そして無邪気な子供の表情。はっきり言って、この99枚の写真には観る者の想像力を喚起するチカラがあり過ぎ。それを背負込みながら、なお一層、戦争の虚しさを届けるのが演劇の底力でございます。2010年の初演以来4回目の公演自体が、この芝居に脈々と流れる生命の尊さを感じさせてくれるんです。

昨日は、本多劇場でKAKUTAの芝居を観てきました。この劇団の作・演出家である桑原裕子さんとは2013年に上演した「熱風」を作・演出して頂きました。女性劇作家のなかでも、独特の感性と社会の切り口で演劇界を盛り立てている一人です。女優としてもなかなかいけますな...書いて、演出して、お客を沸かす演技をして、まさに才女ですな。

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この季節になりました

2019/06/05
【第1225回】

いやはや日々、辛いニュースが流れています...東大卒業してエリート官僚まで勤め上げながら、人生の第4コーナーの終盤を歩み続けている最中に、我が息子を殺さなければならないなんて、こんな辛いことありません。40代のひきこもりが多いとのこと...1982年にパーソナルコンピュータが発売されたころに生まれた世代である。と言うことは、あらゆる情報が心身を蝕み始めた時代の子である。ある意味では被害者であるのかもしれない。お金のためならなんでもありの資本主義社会の行くつく先が、心身の破壊であるのは自明の理であるにもかかわらず人は目先の物量の欲に走り心を失ってしまう。

こんな事件が多発しているにもかかわらず、死ぬんだったら一人で死ね...なんて乱暴な言葉が飛び交い、この社会の闇を解明しようとしない刹那的な輩が居るのも嘆かわしい限りだ。殺された息子がゲームにしか拠り所を見いだせなかったことも、川崎で無差別殺人を犯した男の孤独感も、現代社会が生み出した病であることは間違いない。自然界の他の生き物のシンプルな親子の姿を見るにつけ、ニンゲンのなんともあさましい姿か。虐待、いじめ、ひきこもり、無差別殺人などなど...ニンゲンで生まれてきて良かったのかどうか?もっと他の生き物、自然に対し興味を持ち、思いを寄せないと癌が体中(地球)におよび、間違いなく死にいたる。ピコピコしてる場合じゃありませんことよ...

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政治で変わるのかしら?

2019/06/03
【第1224回】

3度目の「海辺のカフカ」観てきました...いや、改めて、蜷川幸雄さんの演劇的才能を再確認できました。演劇でしかできないことを実現するだけでも、大変な労力とお金がかかるのは自明の理。やりたいけどやれないのも事実...美術、音楽、小道具、衣裳、どれをとっても絵描きになりたかった蜷川さんのセンスが光る。おいらが知ってる昔の蜷川さんはアングラ演劇を裏切り資本に魂を売った演劇人というイメージがあった。がしかし、理想の演劇を実現するために資本家を巻き込み次々と斬新な舞台を創っていった彼はまさしくアーチスト。売れっ子タレントにも徹底的にダメをだし、一人前の舞台役者に仕立て上げる手腕もたいしたものだ。これなら少々、お金出しても納得。だって高いお金出してガッカリなんて芝居が多いのにうんざりしているなかで救われる思いだ。ヒロイン役の寺島しのぶさんは健闘してますな。初演は田中裕子、再演は宮沢りえ、今回の寺島さんが一番あってるかな。歌舞伎の血を受け継ぎながらも、映像の世界でも大胆な表現力で観る者を巻き込んでいく女優魂がキラリと光る。様式美を持ちながらも、自分をさらけだしていく表現者の葛藤がこの芝居の資質にも合ってる気がしました。昔からの友人、木場克己も今年古希を迎える年齢ながら若々しくも的確な演技を魅せてくれました。狂気を演じる新川将人も一段とヒートアップ。そしてトム所属の鳥山昌克はカーネル・サンダースを愛嬌たっぷりに演じておりました。蜷川さん描く万華鏡の世界を心地よく遊べる役者と、窮屈に見える役者、舞台に立つ役者は皆横一線。アップなんてありません。役者の演技一つ一つを観客がフォーカスしていくのでございます。舞台の上は、まさしく役者にとって残酷な場所でもあり、脚光を浴びることが出来る絶好のチャンスでもあるのです。

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さてどうしよう...

2019/05/29
【第1223回】

10年ほど前、気になっていたフランスの歌手ZAZ(ザーズ)のコンサートに行ってまいりました...日本では、まだまだオーチャードホールを埋め尽くすまでの人気ではないんですね。でも、モンマルトルの街頭でストリートミュージシャンを始めながら、今やフランスを代表する歌手の一人となりました。オープニングから観客を煽りながらのステージ、観客はスタンディング、おいらの目の前は総立ちした隙間から垣間見るZAZの姿...あちゃ!これが最後まで続くと思っただけで意欲が失せてしまった。じゃあ、みんなと一緒に立ち上がり身体をくねらせ手拍子すればいいじゃんとお思いでしょうが、おいらは音楽なるものじっくりと味わい鑑賞したいのでございます。確かに演者と共に一体化して心地よい時間を過ごす音楽体験もありだとは分かっていますが、お歳を召したおいらは着席し歌い手の表情と、演奏者の音のセンスなどなどをしっかりと楽しみたい!これじゃ野球場に行って、選手の一挙手一投足を観察しながらゲームを楽しむのではなく、鳴り物を交えてジャンプしたり横移動したりして応援しているスタイルと同じじゃありません。さすが、バラード調の曲になると皆さん着席し、しっとりとした雰囲気に浸っていました。やっぱり、おいらはJAZZのライブが好きなんだと改めて思いました...でも、音楽全般好きなんだから、これぞと思ったミュージシャンのコンサートは覗いてみたいとは思っています。その時は、スタンディングしても意欲が失せない席を確保せねばと!一考の余地ありのステージでした。

勿論、ZAZは期待を裏切らない歌い手でありました。何といってもハスキーボイスがたまらんですばい。

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ZAZ

2019/05/27
【第1222回】

メットライフ球場(西武ドーム)今年、初見参...今年のライオンズ相変わらずの投手陣崩壊状態にありながら何となく首位に近づいております。なにせ6点以上取らないと勝利できない体たらく。何年も前から指摘されているのに改善しようとしないフロントの責任かもね。今年のピッチングコーチも昔ながらの精神論をぶちかます能なし軍曹みたいな人だから始末が悪い。鬼瓦せんべいの焼き損ない見たいな面下げて、火事場状態のピッチャーに向かう姿はもう勘弁してくださいな。キャンプ中に何教えとったんや!といいたい。こんなコーチしか呼べないフロントの罪は重うございます。それにアメリカから連れてくるピッチャーがことごとく使いものにならない。金使ってまともな選手連れてこんかいな!全く改善されないのはやはりお金そして肝心要な頭脳がないのかしらと思いたくなりまっせ。打っても打っても、次ぎに点取られてしまうと強力打線もやる気なくしますぜ...所沢という遠方まで出かけて応援してるファンの皆さんの声に耳を傾けるどころか、そのうち何とかしてくれるだろうなんて呑気な事考えてるようじゃ早くしっかりした所に身売りなさいませ。なんて事考えながら観てたんですが、この日は勝ちました。生ビールが半額だった日でもあり売り子の娘さん達は大忙し、勿論、ビールの旨さも勝てば言うこと無し。

帰りの電車の中に、嘗てのおいらを見つけました...この子のためにも、いつまでも魅力溢れるライオンズであって欲しいと願わずにはおられませんでした。フレ!フレ!西鉄ライオンズ!いや、今は西武ライオンズでございました。

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ライオンズ愛66年

2019/05/24
【第1221回】

前反りヘアー大統領とアベカワモチが逢うんだって...いやいや交通規制も大変ですな。ゴルフと大相撲鑑賞、要するに遊びに来るんですな。そしてアベちゃんも見事に令和元年をショータイムにしたいんでしょうな。そしてきな臭いのが、いずも型護衛艦「かが」への乗艦も予定しています。これは明らかに「かが」を空母にしたいという両者の意向が働いていますな。東シナ海、朝鮮半島の有事の際に日本がどれだけアメリカの手助けが出来るか?という相談をアメリカに行ったときに恫喝されたんでしょうね。勿論、空母に搭載される戦闘機も買わないといけませんよ!なんてね。嗚呼、悲しいかな日本はいまだアメリカの属国であります。羽田に発着する飛行機が横田基地の上空を飛んじゃいけないなんて、戦後何年経ってるんやといいたい。確かにアメリカの戦力を盾にして日本が守られてるの事実だが、戦後一貫してアメリカに物言えない政治の貧困が、沖縄も含めて腹立たしい状況を作り出している。そんななか20代から30代の人達は今の安倍政権の支持者が多いという...野党のだらしなさもその一因なのだが、やはり経済の不安が第一らしい。そりゃそうだ、生まれたときから物が溢れ何不自由なく育った世代にとって信じられるのはお金と物。要するに現実主義に基づいた思考...でもね、この先の日本の未来は決して平坦ではありませんがな。現実を見据え、未来社会に想いを馳せるビジョンがないとジ・エンド。おいらはいいとしても、今日も車内で見た赤児のつぶらな瞳を眺めながら、どげんかせんといかんばいとついつい思ってしまいました。

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新宿の夕焼け

2019/05/22
【第1220回】

昨日は大変な雨風でしたね...家のベランダに咲き乱れていた花が無残にも吹き飛ばされ痛々しい感じでございました。その一方、樹木は新緑の葉を揺らしながらも久しぶりの雨シャワーを浴びながら嬉々としておりました。風の音、水の音を聴くと何だか心和らぐのは何なんでしょうね...羊水の中にいた時の胎児の記憶、胎内から世界に初めて触れた風の記憶、長いこと生きていると、ふと胎内回帰なんて郷愁めいたことを考えてしまう。

こんな日は、雨と休日という「穏やかな音楽を集める」というコンセプトのCDショップから購入した音楽に耳を傾ける。これが又、自然が織りなす情景を見事な旋律にした曲ばかりで至福のひとときにしてくれる。人の思いと自然との理想のコラボレーション...これは、これからの地球を防衛するための最大のポイントだと思います。これが叶えば、紛争も戦争も減少していくと思ってます。雨の音、風のささやき、そんなもん聴いてる暇なんかありませんがな...なんて思ってる人はもはや不幸せな旅路を歩き始めてるんじゃありませんかな?世界は、刻一刻テクノロジーの波に飲み込まれ、ナチュラル的なるものを排除しようとしています。そんな鈍感な現代人に警告を発するかのように、自然は猛威を振るい災害を引き起こします。最近、頻繁に起きる悲惨な自動車事故。これも便利社会に対する厳しいお叱りかもしれません...このままだとチコちゃんに叱られますよ!

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雨にも負けず

2019/05/20
【第1219回】

今年も咲きました...紀伊國屋演劇賞団体賞を受賞して10年。そのときに頂いたお祝い花、今年は駄目かな?なんて思ってたら見事に咲きました。会社のベランダ、おいらの席の後ろにぽつんと置いて、たまに水をあげるだけなのに10年も咲き続けるってことは...まだまだ芝居創り続けなさい!ってことなのかなあ。いやいや四半世紀やっとりますがな!大変ですがな!仕事嫌いなおいらがこんなに一生懸命やれたのも、これ皆、共に創ってきた社員、スタッフ、キャストのお陰でございます。そして何よりも、創った作品を観に来てくれる観客の皆さんが喜んでくれる姿でございます。昨日もこんな便りがありました。

 

日常ではついいい加減に走る私に、常に「誠実に生きること」と正しい方向に導いてくれる舞台があります。
それは「ダモイ」です。四谷の劇場で観た記憶があります。
どんな状況に、または内心は乱れることがあっても、人としての品位を失わず、声高に叫ばずとも、尊いことは何か、羅針盤の狂うことのない生き方を教えていただきました。 平田さん、阿南さん、新納さんもこの作品に心打たれて演じていらっしゃるように感じました。丁度私が観た日に、山本さんのご家族がご覧になっていて、最後にご挨拶なさいました。舞台のお父さんに対面なさった息子さんの発言も、お父さんの意志を継いでいらっしゃる素敵な温かい言葉でした。共有した時間は少なくとも、生き方は脈々と引き継がれる。でもそうなるに当たっては、どれ程の苦労があったのだろう。でもお父さん、息子さんもご立派に生きていらっしゃった!抑留中の山本さんに呼び掛けたい気持ちになりました。その時、平田さんは涙をこらえ、阿南さん、特に新納さんは流れる涙を手でぬぐっていらっしゃった姿が忘れられません。いい方なんだなあと、とても感じ入りました。演劇とは、こんな風に静かに、それだからこそ力強い主張があるべき!生意気ながらそう思いました。そんな場と時間を共有できて、うれしかったです。いつかお伝えしようと思いながら、十数年が過ぎました。しかし、私の心を常に灯し続けてきましたし、これからも忘れないでしょう。  そんなことを今日は強く伝えたくなりました。自分が今萎えているので、カツをいれたいのかもしれません。長々お付き合いいただき、すみません。この舞台の関係者にお礼を言いたいです。ありがとうございました。

 

こんな便りが来ますと、止めるわけにはいきませんがな...生の芝居の持つチカラ。それはそれは計り知れないチカラです。こうやって手作りの作品を、手作りのかたちでお客様に届けられれば舞台に関わる人間は本望でございます。
咲いてくれた花びらのひとつひとつが、感動したお客様の顔の様でもあります...。

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今年もありがとう!

2019/05/17
【第1218回】

「モンテンルパの夜明け」新井恵美子著を読了...太平洋戦争が終わった後もフィリピンの牢獄で生きなければならなかったBC級戦犯日本兵たちの苦難の日々を描いたノンフィクション。加害者である日本兵、そして取り残され戦犯として扱われた不条理のなかで戦争の持つ数々の残虐性が明らかになっていく。14名の戦犯が絞首刑になり、日々次は己というう恐怖心の中、戦後、異国の地で過ごした心境はいかばかりであろうか...戦争は勝者、敗者ともども得るものがないどころか、こんなバカげたことをいまだ無くせない人間を改めて愚かだと思う。アジアの島で追いやられた兵士の心情を思うと、こうやって何事もなく平穏無事に過ごすことのできる戦後生まれのおいらを含めての輩は、ただただ手を合わせるしかない。本の中にも出てくるのだが、食べるものがなく同胞の肉を食するシーンは正誤を判断しがたいほどの極限状態だとしか言えない。

今日も夏を思わせる空。その空に向かって新緑、花々が咲き乱れています...この素晴らしい光景が一日でも長く続きますようにと願わずにはおられません。美しいと思える感情が己のなかにある限り、争いの感情は芽生えません。生きとし生けるものすべて美しいなんてことは理想かもしれないけど、こちらに寄り添うほうが断然いいに決まってますよね皆の衆。

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新緑と花

2019/05/15
【第1217回】

参議院選挙が近づく中、京王線明大前駅前で山本太郎さんが公開討論してました...この人に対する評価は様々だとは思いますが、こうやってラフな姿で政治を語ってるのがいいじゃないですか。古臭いオッサンたちがタスキをかけて口から出まかせ言ってるより身近に感じますな。質問も様々、例えば50過ぎのオッサンがゆとり教育なんてとんでもないとの質問に「ゆとり大いに結構、勉強ばかりしてゆったりと過ごさないからおかしな国になるんですよ...」こんな意見はおいらも大賛成。太郎さん、最初に選挙に立った時は緊張のあまり殺気立った光景を目のあたりにしたとき、頭に目立つ円形脱毛症が彼の状態をものの見事に表していました。でも、一人決然と政治の世界に殴り込みを掛けんばかりのエネルギーは、人の心を鷲掴みにして見事に当選しました。その後の動きは、国会中継なんぞでたまに拝見はしてたのだが、所詮少数派、質問時間が短すぎてほとんどスルー状態。そんな政治家としての経験の中から新党を立ち上げました。その名が「令和新撰組」。なんじゃらほいあまりピンときませんな...新撰組って徳川幕府の用心棒じゃありません?もっと今の時代に即したネーミングあったんじゃございませんかな?

いずれにしても、もう少しみんなが政治に関心寄せなきゃ一部のオッサンのやりたい放題の国になっちまいますぜ皆の衆。ビール箱に立ってみんなと話し合いをしている太郎さん行けるとこまでやっておくんなさい。

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やる気満々太郎ちゃん

2019/05/13
【第1216回】

5月11日(土曜日)新宿で田島恒さんのお別れ会無事終えることが出来ました...40数名が集まり田島さんの思い出を語り合いました。黄泉の国に旅立って40日、まだまだ現世に未練があるんじゃございませんでしょうかね?こっそり会場を覗き見してる感じもしましたね。異論反論もあるかもしれませんが、皆、貴男に対する愛情があってこその発言。許してちょうだいな。この日流した45分のビデオを見ながら、あの日あの時を懐かしく想い出しました。考えてみれば半世紀近くの付き合いだもんね...でも、最後まで好きなことして人生終えることが出きたんだから悔いをないでしょう?いや、一度だけ結婚生活送りたかったんでしょうな...でも、貴男のようにたくさん恋した方が幸せだったかも知れませんよ。フーテンの寅さんじゃないけど愛嬌あって寂しさもあって、皆、貴男の佇まいには一目置いていました。

この日は、おいらも酒に酔いしれ田島恒状態になっておりました...危ない危ない!貴男だったらするりと逃れることが出来るかも知れないけど、呑んでもしゃきっとしているおいらは未知なるゾーン。田島君、おいらを道連れにしないでちょうだいな(笑)おいら、もう少し生きたいですから。まあ、遅かれ早かれそちらにも伺うかとは思いますが、そのときは又、わいわいがやがや酒飲んで、いつものように田島君の理想の女性像の話を聞かせて頂きますから、待っててちょうだいな。いや、あの世で理想の女性が見つかって結婚してるかも...それはそれで、めでたしめでたしですがな。

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田島君に依る自画像
(この日流したDVD)

2019/05/10
【第1215回】

今年もアンネの薔薇が咲き誇っていました...杉並区高井戸中学校の生徒が、第二次世界大戦時にナチスの強制収容所で15歳の若さで命を落としたユダヤ人の少女、アンネ・フランクの「アンネの日記」を読み感動し、アンネの父オットー氏から寄贈された薔薇である。おいらは毎年、この薔薇を見る度にオランダで見たアンネがナチスから逃れるために隠れていた家を想い出します。どんな気持ちで日々を過ごしたであろうか?想像しただけで胸が痛みます。というか、こんな悲劇が起きたのに未だ憎悪の連鎖で戦争、殺戮が継続している世界の現状に呆れるばかりです。歴史に学ばない為政者を、放逐できないニンゲンの怠慢さにただただ呆れかえるばかりです。この薔薇の美しさのなかに、アンネが抱いていたであろう夢と希望を感じ取り、絶対に戦争への道を歩んではいけないことを誓って欲しいと思います。世界はネオナチズムの思想が台頭し、排斥することが正義とばかり一部の指導者が民衆を扇動しています。歴史は繰り返す...日本でも同様な動きがあります。世界で唯一の被爆国であるからこそ、核のない平和を声高々に唱えても良さそうなのにトランプのおっさんの顔色伺いながら外交している今の政府はあきまへんがな...アンネの薔薇見ても想像の翼を持ってませんから何も感じないんじゃないのかな...でも、この薔薇見ながら平和を願っている人も居るから大丈夫ですよアンネちゃん。

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平和を願うバラ

2019/05/07
【第1214回】

GWも終わり、又、日常が戻ってきましたね...10連休の是否が問われてますが、働き過ぎの日本人にはいいことではないでしょうかね。おいらも近くに住む妹家族に誘われて三浦半島に行って来ました。昼のランチはマグロのかぶと焼きに始まってマグロづくしのご馳走でした。沢山の人が三崎港のマグロを目指して名店に集まってました。この店の名物店長がマグロに向かってお祈りしホラ貝吹いて供養しておりました。捌いてくれたマグロのかぶと我々7人が束にかかっても食べ尽くすことが出来ずお持ち帰りになりました。地元の採りたての野菜も新鮮でした。お腹ぱんぷくりんの後はイチゴ狩り。おいらの人生にとっても初めての体験。30分ちぎり食べ放題、といってもそんなに食べられるもんじゃございませんことよ。子どもたちは喜びはしゃいでおりました...平和だからこそ出来ることですね。3日の憲法記念日、5日の子供の日、この二つの意義をしっかりと噛みしめながら楽しみたいものです。マイカーに乗って休日を過ごすなんて、おいらの子供の頃は夢の又夢。当たり前の便利さに甘えることなく、世界を俯瞰し今ある幸せに感謝し、世界の平和に奔走する子どもたちが沢山増えると嬉しいな!なんて事考えながら無邪気に遊ぶ子どもたちの表情を眺めておりました。子供は未来の宝ですからね...ゴミにするのも大人そして社会。頼みますよ皆の衆。

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マグロ供養

2019/04/25
【第1213回】

平成も今日入れてあと6日となりました...色々ありましたね。なんと言っても東日本大震災が脳裏から消えそうもありません。この教訓を生かさずして、これからの日本の国の未来はありません。終戦後、戦争の負の遺産を背負いながら戦後の平和が維持されたように...先ずは、原発の全面廃止。これがやれないようじゃ、この国の世界に対する信用はないでしょうね。次は、オウム真理教事件でしょうね...高学歴の人達がいとも簡単に、あんな男に洗脳されてしまう怖さ、明らかに物質文明の弊害でしょう。人の心はいつ何時にも、思わぬ方向に向かってしまうんです。己の心身をより強固に、そしてしなやかにしておかなければ、これまた思いもよらない人生を歩んでしまいます。

一週間後は令和の始まりです...どんな時代が待ち受けてるんでしょうかね?おいらはそんなに長くは令和タイムを楽しめないけど、未来ある子どもたちのためにも、今生きてる大人達がしっかりとした環境を造って欲しいですね。てめえのことばかり考えてんじゃねえよ!政治家、役人、企業家の皆さん。この世に生まれたことは、この世に恩返しすることなんです皆の衆。

夢吐き通信も5月6日までお休みです。ではでは、皆さん素敵なGWをお過ごしくださいませ。

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平成ありがとう

2019/04/24
【第1212回】

野良猫からお叱りを受けました。

「なんだい!あのお惚け大臣。復興より議員の選挙が大事なんて本当のこと言っちゃってるニャン」

「警視庁の天下り先の運転免許教習所の管理能力の低下で、未来ある子供たちが相次いで亡くなってるニャン」

「AAAのリーダー、いい歳こいて笑って謝罪している場合じゃないニャン」

「辺野古、沖縄の人NOと言ってるのにアメリカに何も言えないこの国トップの人たちどうしようもないニャン」

「愚かなニンゲン、目には目を歯には歯をなんて復讐の連鎖で罪のない人達の命を奪うなんてあんぽんたんニャン」

スマホも、新聞も、テレビも見ないニャンだからこそわかるのでございます。

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お叱りニャン

2019/04/22
【第1211回】

戦士の休息...今年は1月~3月まで三本の芝居が続きバタバタしていました。この4月なんとか一息ついたので温泉地に向かいました。関東近辺での名湯の一つ四万温泉に行ってきました。その中でも室町創業500年の老舗宿「四万たむら」は、まさしく温泉三昧。七つの湯を存分に堪能できます。温泉と言えば、やはり源泉かけ流しに尽きますな。源泉からこんこんとあふれ出すお湯を見ているだけで幸せを感じてしまいます。ふと、この貴重なお湯が出なくなってしまったらと想像しただけでゾッとはしますがな。四万の多くの人たちが生活の場を失い路頭に迷ってしまいます。そんなことを思いながら思わず湧き出る泉に手を合わせてしまいます。この旅館の売りは何といっても蒸風呂、地下から出る源泉からの蒸気を直に浴び汗がたらたらと落ち、鼻の粘膜、喉を心地よく潤してくれるんですから花粉の時期には最高の良薬。サウナと違って肌をしっとりと包んでくれる柔らかさがなんとも言えません。この後のビールがたまらんですばい...生きててよかった!こんなことあと何回繰り返しながらおいらは死んでいくんでしょうかね...世界あちこち周って、行きつくところは、やはり温泉大国ニッポンが最高だということです。地震と温泉は背中合わせですが、これも自然界もたらす掟です。優しさと厳しさ、この定めのなかでひとはどう生きていくか?なんだか温泉談義も哲学的になってしまいましたがな...さてと、週末から10連休、そして令和...どんな時代になるんでしょうかね?

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桃、桜、鯉のぼり

2019/04/18
【第1210回】

新緑のこの時期はおいらが大好きな季節です...新芽が出て瑞々しい葉っぱを見てるだけでおいらは幸せ一杯です。今日も新しい葉っぱが太陽の光を浴びキラキラと輝いていました。誰に指示されることもなく、決まったように芽吹き始める樹木の律儀さと逞しさに唯々感嘆するおいらでございます。こんな当たり前な事も出来ないニンゲンどもはなんと愚かな無様な生き物でしょう...今こそ愚かなニンゲンは、身近な自然な成り立ちから生きるという根源的かつ初歩的なことを学習してちょうだいな!と言いたい。スマホなんて便利なものに寄りかかり思考を停止せざるを得ない不幸せな時代であるからこそ、時には樹木に寄りかかり新しい命の誕生と、移りゆく雲の動きを眺めながら生き物にとっての本当の幸福を思考したらいかがでしょうか...心地よい風に揺れ動く葉っぱが、なんとなくメロディを奏でているようでもあり、軽やかなダンスを舞ってるように見えれば、その日一日が極上な日となること間違い無し。

今週の週末も、芽吹き、目にも鮮やかな新緑を探す小旅行を計画しています。自然が織りなす壮大なドラマから明日の活力を頂いてきます。

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新緑

2019/04/15
【第1209回】

昨日、「走狗」の一員であったTちゃんから電話があった。御年74歳になる彼は新劇の劇団をスタートし、その後「走狗」に入団、解散後もアングラ演劇一筋で役者をやり続けている強者だ。Tちゃんの電話は「今朝、神宮外苑散歩してたら可愛い野花があったので、来月11日の田島のお別れ会には行けそうにもないので、彼が住んでたアパートに花を手向けたい...」とのことであった。田島君と激しい演劇論を闘わせ、到底仲がよいとはいえない二人であったが、Tちゃんの田島君に対する深い愛情を感じた。愛すればこそあんなにきつい言葉を突きつけていたのか...亡き人の思いは、葬儀、お墓に行けばいいというのではない。そんなところに顔を出さなくとも、亡き人をいつも想い続けることが故人にとっての最上の喜びではないだろうか...何人かの故人が「死後、葬式も別れの会も不必要」なんて遺言を残しこの世に別れを告げた心境、おいらはよく分かる。現世の諸々のしきたり、何故かお金がまつわることばかり。お金での戒名のランク付けなんてものなんてその最たるものではないか...人は死んでしまえば皆同じ。

一昨日、沢山の人に見送られ舞台美術家・島次郎、黄泉の国へ旅立ちました。

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春の花

2019/04/12
【第1208回】

こんな残りサクラ好きだな...この異常な寒さでサクラ延命しとります。そんな中、樹木の幹からひっそりと咲いてるやつらおいらとても愛おしくなっちゃいます。豪華絢爛に咲き誇る群れに入るのではなく、我が道を往くなんて心意気が、なんとなくアウトローサクラ野郎みたいでええじゃん!おいら昔から群れるのが大嫌いで、名もなく貧しくとも一匹狼で生きてきたつもりです。勿論、現世において一人では生きられませんがな。いろんな人のお陰でおいらも生活できてるのはわかっちゃいるけど、なるだけ「寄らば大樹の陰」「赤信号みんなで渡れば怖くない」なんてことからは、なるべく遠いところで生きとうございます。孔子の言葉に「中庸の徳たるや、それ至れるかな」なんて言葉がありますが、どちらにも偏らないことは確かに理に適う言葉かもしれないが、この世に生を受けたんだから己しかできないことを七転八倒しながら探し実現に近づけようとすることこそが人生じゃないかしら?この人生も残り少ないが貫き通しまっせ!

明日は島次郎の葬儀、来月は田島恒のお別れの会。ひらひらと優雅に散りゆくサクラを眺めながら二人の懐かしい顔が浮かんできます...

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生きてまっせ!

2019/04/10
【第1207回】

桜散る頃に、またも訃報が...先月、嘗て共にアングラ劇団演劇群「走狗」を共にした田島恒の骨を拾ったばかりだというのに昨日、同じく「走狗」の戦友、島次郎の死を知ることになる。ほんの3日前に次郎ちゃんから送られた「舞台美術1986-2018」の本のお祝いとお礼を兼ねて電話したばかりであった。入院中ではあったが、しっかりとした話しぶりであった。「走狗の写真使わせて頂いて...」なんて恐縮してたので「退院したら出版祝いをやろうよ」と言うと「ケッちゃんいつもありがとう...」それが最後の会話であった。次郎ちゃんは演劇の世界では知らぬ人がいないくらいの大家ではあるが、決して偉ぶることなくどんな人にも優しい男であった。

思えば、今から半世紀近く前に「走狗」で出逢った次郎ちゃん。共に演劇でなんかで飯喰えるわけないんだから多種多様のアルバイトで日々の飲み代を稼いでいた。その頃、次郎ちゃんは古新聞の回収をしていた。回収業者から軽トラックを借りスピーカで回収のお知らせを流しながら古新聞を集めるのである。おいらは見習いとして次郎ちゃんの助手として団地を駆け巡った。次郎ちゃんの人柄であるのか随分と集まり、この日二人で早速居酒屋でご馳走と相成る。これはいいバイトかな?と数日おいらも独立してやったのだが、飽き性のおいら早々と止めちまった。コツコツ、じっくり事を構える次郎ちゃんとはえらい違いである。

アングラ劇団「走狗」の日々はまさに戦いの連続であった。テントを担いで全国の河原、空き地、大学構内、神社と放浪の旅芝居。お金無し、そのため食事もままならず、そして表現を巡っての葛藤、対立。こんな過酷な状況の中でも次郎ちゃんは美術スタッフとして淡々と自分の仕事をこなしていた。役者が足りないときはイヌの役で狂気と愛嬌を振りまいていた。走狗解散後は、才気が見事に開花し舞台美術家として名実共に演劇界でなくてはならない人となる。

次郎ちゃん、まだまだ創りたい舞台あったと思うが、こんなに数多くの作品を提供し関係者に喜んで頂いたんだから悔いは無いはず。ゆっくり、先月逝った田島君と美味しい酒でも飲んでくださいね!

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桜の樹の下には...

2019/04/08
【第1206回】

土曜日、南青山にある銕仙会能楽堂で三島由紀夫の「綾の鼓」「卒塔婆小町」を観劇...観ているうちに1970年11月のことが甦ってきました。今から49年前、おいら池袋の小劇場で「卒塔婆小町」に詩人の役で出演していたんでございます。三島由紀夫が自決した直後の上演のため、一時は中止も考えていました。だって、間接侵略に備えるための民間防衛組織(民兵)として、三島由紀夫が結成した軍隊的な集団「楯の会」の人たちが公演中止を訴え殴りこみに来るなんて噂がたっていたもんでビビりまくりの状態でした。おいらは、こんな時こそやってやろうじゃないか!とスタッフ出演者に檄を飛ばしました。この緊張感があって芝居は無事千秋楽を迎えることが出来ました。その頃は、アングラ演劇が世の中にデビューして脚光を浴びた時期でもあり、楯の会との一悶着があったにしても、この事件が芝居になるような時代でありました。事件を起こすことによって、注目を浴びるなんて理不尽なことが堂々とまかり通るけったいなことがたくさんありました。既成の価値観を打ち砕き新しい価値観を生み出そうとする輩がうじゃうじゃと徘徊していた面白おかしい頃の話です...そんなことを思い出しながら観た芝居なんて初めてでございます。

日曜日は善福寺緑地公園にサクラを観に行ってきました。いつものように、サクラの樹の下に思い思いに集まり宴をやっとりました。このところ、友人たちが次々と亡くなっているので、おいらもこのサクラあと何回観れるんやろか...散りゆくサクラの花びらが川に舞い落ちてゆく様を眺めながら思った次第でございます。

散るサクラ 残るサクラも 散るサクラ こんな心境の昨日でした。

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善福寺緑地公園

2019/04/03
【第1205回】

令和なんですね...響きはいいですね。万葉集もいいですね。この日、この国の首相はいかにも自慢げに各局のテレビに出て話してました...自国を強調するあまり、またもや国際社会からいちゃもんも付いとりました。元号なんか、さりげなく決めてさりげなく新しいスタートをしてもらいたいものです。この国は誰のものでもありません。当たり前のことですが、この国に住んでる人たちのものです...この肝心のことを忘れ、あたかも自分のものと勘違いする人たちがあまりにも多いため、もううんざりしている人たちがたくさんいるはずです。これから地方選挙があちこちで始まります。先日駅に立ち、既成政党に所属せず市民派として演説している女性がいました。おいら、めったに声なんか掛けないんだが、その真摯さに思わず声掛けちゃいました。34歳の市民派女性杉並区会議員が誕生するかどうかはわかりませんが、もはや既成政党には本当にうんざりです。

プロ野球も始まりました...ライオンズいきなり3連敗。ソフトバンクの強さを再認識した次第です。やはりお金のチカラには勝てない!なんて当たり前の壁をどう打ち破っていくかが野球の面白いところです。今年も弱体投手陣、でも打って打って点取りゃ勝てまっせ。これからまた一喜一憂の季節が始まります...思えば子供のころから野球も人生の一部になっちゃいました。宿命として受け入れるしかないんでしょうかね...これも人生あれも人生あ~こりゃこりゃ♪なんといっても今や満開桜の季節でございます。

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饗宴

2019/04/01
【第1204回】

先週の金曜日、土曜日、大阪中之島にある国の重要文化財「大阪市中央公会堂」で「黄色い叫び」を公演してきました...いやいや、立派な公会堂でした。中に入った瞬間、嘗てヨーロッパで観た歴史と伝統を感じさせる劇場を想い出しました。周りの風景ともども、こんなところで芝居をやれる喜びを感じた次第です。メトロ淀屋橋駅を降り、右手に土佐堀川を眺めながら公会堂に向かう道すがらの、何となくワクワク感がいいですね。すでにドラマは始まっているのでございます。さて、肝心の芝居なんですが出演者の一人が風邪で高熱を発しチームに緊張感が走り、スタッフ、出演者が一丸となって気合いの入った2ステージでした。東京公演と違うところは、さすがに笑いの本場でございます。東京では笑いがこなかったところで笑いが来たと言うことは、関西の人のほうが人間の機微に長けてるってことですかね...でも、笑いもなかなか深いものでして声に出さない笑い、内面で笑いを吟味したりと、一概に何を良しと捉えていいのか不可解の部分があるのも確かです。でも、今回はシビアな芝居であるだけに笑いが起こると何だかホッとするのが正直なところかな。笑いは世界を救う!そうですな、笑いが絶えないところには争いがありませんものですね。笑いあり、涙ありなんて演し物は、やはり芝居の王道です。

土曜日に梅田で打ち上げをやりました。食い倒れの街だから呑まなきゃ損、食べなきゃ損、皆さん結構呑んで食べて話し倒れていたようでございます。今回の公演も無事に千秋楽を迎えめでたしめでたし。1月「萩咲く頃に」2月「芸人と兵隊」3月「黄色い叫び」怒濤の三ヶ月、我が愛するトムの社員の皆さんも本当にお疲れ様でした。

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大阪市中央公会堂

2019/03/27
【第1203回】

「黄色い叫び」東京公演、昨日無事千秋楽を迎えることが出来ました。10人の役者さん最後まで気を緩めることなく演じていました。芝居の流れからいってもついつい熱が入ってしまうのだが、おいらはこの熱なんてものあまり信用してません。要するに熱演することによって役を担っているという大きな勘違いが好きでありません。勿論、熱に至る導線がしっかりしていれば熱の持つ意味が理解できるのだが、果たして人は、あんなに熱っぽく語るのであろうか?なんていう素朴な疑問を持つのであります。てなことを考えながら連日芝居を観てました。観客にどう映ったかはわかりませんが?

昨日の東京中日スポーツに劇評が掲載されました。劇評の最後に「これは何も被災地限定の物語ではない。人間の弱さを認め、生きるということ、命があるということの意味を問い直す直球勝負のドラマだ。被災の現場をつぶさにすくいとった異色の作品は、これからも上演されていい。」「生きる」意味を問い直す舞台という見出しに始まるこの劇評家の方には、この時期になんでこの芝居をやらねばならないかという意義を痛感されたに違いない。全てが時流に流され、あらゆるものを風化しようとするチカラを何とか食い止めなければこの国の未来はありません。そのための熱は勿論不可欠です...明後日から大阪公演2ステージ公演してきます。関西の人達に、この直球勝負のドラマがどう映るのか?楽しみでございます。

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22日の桜が今日、こんなに

2019/03/25
【第1202回】

半世紀近くの友人である田島恒さんあの世に逝っちゃいました...あの人のことだから、ありゃどなんなってんの?と未だにあの世とこの世を行ったり来たりしちゃってるんじゃないかしら...いやいや、たくさんお酒飲みました。20代の頃、新宿近くに住んでたおいらのアパートに夜中転がるように入ってきて宿代わりにしてる時期もありました。女性にも惚れっぽくてつき合うと少年のようにウブでした。酔っぱらって何度か死にかけました...生涯、結婚もすることなくマイペースの人生でしたね。でも、気配りは最高で日頃蓄えた知識を偉ぶることなくジョークを交えながら同席した人達を笑いの場に誘い込んでいくテクニックはさすがでしたね。このテクニックを惚れた女性に活かせなかったのが返す返すも残念でなりません。悪戦苦闘のテント芝居の時期も、今にしては懐かしい想い出ですね。貴男とTちゃんが殴り合いの喧嘩寸前までいきながら、いつも止めるのがおいらの役割でした。しかし貴男のテント芝居で演じた昭和天皇役はアングラ演劇史にも残る絶品の演技でした。芸に対する執着は人一倍厳しいものがありました。出来ない役者に対する批判も痛烈でした...へたくそなおいらになんで言わなかったの?...温泉も大好きで那須の北温泉にはよく行きましたね。お湯に浸かって酒飲んでるときが、貴男にとっての至福の時間ではなかったのでは...貴男との想い出は数限りなくあります。最後にあったのが先月の「芸人と兵隊」観劇後での池袋清瀧での飲み会。帰り道、「田島君気楽でいいね...」と声掛けると「俺だって寂しいときもあるよ...」その一瞬の表情は哀感そのものでした。その寂しさを振り払うように彼はポジティブに振る舞っていたんですね。ありがとう!貴男が居るだけで場は盛り上がり、楽しい時間を過ごすことが出来ました...人は何れ死ぬんです。早いか遅いかだけの話です。みんなそのうちそっちに行きますから又、いつものように馬鹿話でもしながら一杯やりましょう!

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本日、新宿駅東南口前

2019/03/22
【第1201回】

「黄色い叫び」20日に幕を開け今日が3日目です...若い人たちが真剣に舞台に向き合う姿がいいですね。おいらも遙か昔、ぶきっちょな身体をさらけ出し、あーでもないこーでもないと悪戦苦闘した日々を想い出します。芝居という麻薬に取り憑かれ青春を捧げた思いと時間、ものになるならないを超越して貴重な体験でございました。おいらなんかがやれなかったことを、ひょいと飛び越え簡単にクリアしていく若き演技者にただただ感心するばかり。震災がテーマだけにいい加減な芝居できないという覚悟に、なんとなくひりひりしてしまいます。芝居観た人の感想にこんな言葉がありました。「日本のおエライさんを招待して無理やりにでも見せた方がいい。見せても分かんないかもですが。」その通りですな!被災地の現状、被災者の気持ち、日本の天災に関する事前予防などなど、芝居の中で問題提起してはいるのですが今の政治、行政の中ではなんだか鈍感にしか感じていないような気がしてなりません。そして期待しても無駄なような気がしてならないのが現状。要するに個々人が意識改革をして己自身で身を守るしかないと言うこと...またまたチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られないようにいたしましょうね皆の衆。

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桜開花

2019/03/18
【第1200回】

先週の週末もバタバタしてました...土曜、日曜は今年の夏の公演する「A列車に乗っていこう」のチラシポスターに向けての撮影。今回、トムの芝居初登場の石田ひかりさん、今春高校を卒業し大学に進学した松風理咲さん。この二人が北村想さんのシュールで幻想的な世界を演じてくれます。いやいや、手強い戯曲です。想さんとは1997年に、戸川純ひとり芝居「マリィヴォロン」を依頼してから22年振りの新作です。今でも戸川純さんの魅惑的なステージが目に浮かぶくらいの素敵な作品でした。この人以外にこの作品は書けないなんてものを持ってる作家はそうそういるもんじゃございません。今回の作品を渡されたときも、正直言ってキャスティング迷っちゃいました。この世界を演じる女優さんは果たしているんだろうか?いろいろと熟考したうえでの二人です。今からわくわくしちゃいます。

撮影が終わった後、西荻窪にあるロマンスミュージックカフェ・JUHA(ユハ)に行きました。ここもおいらが愛するjazz喫茶のひとつです。お店の拘り、センスなどに満ち溢れた空間に居るだけで幸せになっちゃいます。だって若い頃考えていたことは、おいらがこの歳になったときは、jazzを聴きながら昼は珈琲、夜は酒なんて飲みながらの店をやろうなんて思ってたもんだから、こんな店についつい足が向いちゃうんですね。アナログのレコードを聴きながらもの思いに耽ったり読書したり、なんと贅沢な時間でしょう。ここのトーストに粒あんのあんこがのっかってるのは、今は無き下北沢のjazz喫茶「マサコ」の名物メニューの継承。昔バイトしていた人達が夢の空間を再び立ち上げていく姿においらも応援したくなります。音と空間を味あえるお店探しも楽しいものでございます。

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JUHAの人気メニュー

2019/03/15
【第1199回】

昨日、来週20日から上演する「黄色い叫び」の通し稽古を観に行きました...この芝居2011年に起きた東日本大震災の年に上演した作品です。トラッシュマスターズの主宰者である中津留章仁が、稽古中であった作品を書き改めて、果敢に攻めの姿勢で震災に向き合った画期的な作品です。あの震災を前にして、ほとんどの人が茫然自失の状態に陥ったのは確かです...芝居なんて、この大惨事の前ではクソの役にもたたないじゃないか?芝居だけではなく、表現そのものが絵空事にしか見えないくらい自然が繰り出す強烈なパンチでございました...こんな時に中津留章仁は、この作品も含め2011年に震災に関する作品を2本書き上げ公演したんですから大した男です。この事だけで世界の演劇史に名を残してもおかしくないと思います。表現者は何時如何なるときでも、時代に対峙しなければならないと思います。震災後も日本のみならず世界各地で数々の災害が頻繁に起きてます。この作品は、まさにその後の世界情勢を予見させる物語であり、人の在り方を地方の青年団という設定で描いたものだと思います。

ところで、4度目の今回の芝居の仕上がり具合は?昨日観た範囲では、又新しいドラマが進行してるなと言う感想かな...トム・プロジェクトでは珍しい10人の群像劇。皆、中津留君の厳しいダメ出しを浴びながらいい汗かいていました。若者が真摯に芝居に向き合ってる姿、おいら好きです。しらけないで、内向しないで、ましてや人騙しなんかの稼業に足踏み入れないで、いい汗かいておくんなせい!と若者に言いたいのでございます。

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稽古場に行く途中

2019/03/13
【第1198回】

来ました待ってました?...杉並区の職員を名乗り、過去5年分の医療費の還付金がもらえるので手続きをして欲しいとの電話。おいらもこんな話は千載一隅のチャンス?とばかりに年金老人暇人を装い偽職員に真面目に対応していました。この詐欺請負人もなかなかの役者じゃのう...田舎から出てきた素朴な青年を演じていました。半分ボケ風に受け答えしていると、相手もこりゃいけると思ったんでしょうな、銀行口座の話をしだしました。ここでおいらも、なんのこっちゃと不安な素振りを見せると、この偽職員、またもや丁寧に説明を始めました。おいらその後は、間を置きながら「はい」を繰り返すのみだったので相手は、こりゃ手ごわい年寄りと感じたのか慌てて電話を切りました。おいらの感想、こりゃ、暇なお年寄りは騙されるなと思いました。事務的ではなく、優し気な語り口で語られると、ついつい聞いちゃいますがな...お年寄りは寂しいんです。若い素朴な青年であればあるほど愛おしくなり、その深い闇に飲み込まれて行ってしまうんですな。それにしても、こんな仕事を請け負い飯のタネにしてるなんて、この青年の心の深い闇はいかほどのものか...想像しただけでもいたたまれない気持ちになってしまいます。なんて考えるおいらは旧い人間でしょうかね?以外と割り切って楽しくやってるのかもしれないのが当世流なのかも...嗚呼おそるべし!当世風流儀に活路を見出す新人類。

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沈丁花

2019/03/11
【第1197回】

8年前と同じ時間、北品川で芝居を観劇中に起きた地震を思い出しながら書いています。まさかです...災害が起きる瞬間の前まで、さりげなく日常が続いていたのに...この時期になると、いつものようにメディアが一斉に東日本大震災のことを取り上げます。取り上げないよりはましなんでしょうが、なにせ健忘症大国日本ですから必要不可欠なことでしょう。メルトダウンした核デブリはどうするんでしょうか?核廃棄物は廃村になった地に置いたまま永久に住めない土地になるんでしょうか?再度、地震が起きた時は完全にアウトです。そして、いつまでも消えることのない心の傷。昨日もテレビでやるせない気持ちで訴えていました。二階建ての家で一階部分が全壊した人は最高200万円の保障しかないとのこと。朽ち果てた部屋を見ながら「死んだ方がまし...」と諦め顔。禁止地区が解除になり我が家に帰っても、以前は畑があったところに除染した土の山。窓からの眺めがこれじゃいたたまれない気持ちになってしまいます。来年のくそ暑いオリンピック何ぞ中止にして、これらの人たちを救え!って話だろうにと思いますが...景色ぶち壊しの防波堤、本当に役に立つんだろうか?なんだかこの国の政治、行政の過去の在り方みてると、ゼネコン含め大企業を潤わせるための手立てとしかみえません。そうやって疑いたくなることの連続でしか見れないこの国の貧困なシステム。と、ボヤいていても前には進みません。ここは心ある人たちが、無償の行為で被災地に出向き心のケアをしています。そして、忘れてならないことは、この震災の記憶をいつも留め置き、次なる災難に備える想像力を働かせることが肝心なことだと思います。こんなことを体験していながら、いまだに原発再稼働なんてこと言ってるやつはホンマにアホですな!

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2019年3月11日 穏やかな新宿

2019/03/07
【第1196回】

一昨日、「芸人と兵隊」兵庫県立芸術文化センターでの公演に行ってきました。この劇場は指揮者で有名な佐渡裕芸術監督のもと「劇場はみんなの広場」という言葉を合言葉に素敵な演目を並べ、年間、主催・貸館事業あわせて600公演を実施し、毎年約50万人の観客を集め、我々舞台人にとっても頼りになる劇場です。トムの公演も数多く呼んでいただいています。おいらも久しぶりに芝居観たのだが、この劇場に集まる質の良いお客様にも後押しされ上々の出来でございました。村井さんが冒頭の漫才シーンで飛び上がったり、髙橋洋介が乗りの良い観客についつい台詞が止まったりと、相変わらず生の芝居だからこそ起きるハプニングはありましたが、お客様の終演後の拍手の熱さが十分に芝居の出来を証明していました。

終演後は北新地にある隠れ家的なイタリアレストランでお疲れ会をしました。ワインも上々、料理もとても手が込んだもので、役者の皆さんにはとても喜んでいただいておいらもほっこり。

翌日は、大阪でおいらが一番好きなディープな街新世界に行ってまいりました。大阪からこの地が無くなるときは大阪らしさが消える時だとは思っているのですが、この地も明らかに中国、韓国観光客に占領されつつありますな...じゃんじゃん横丁に数軒あった将棋会館も今では一軒だけ。ちょいと覗いてみましたが坂田三吉らしきおっちゃんは居ませんでした。でも、昔ながらゆったりと一日将棋に興じる姿はほっとしますな...ここ来て串カツ、どて焼き、お好み焼き食べへんかったら、ええ加減にしぃや!と言われること間違いなし...勿論、食べて帰京しましたがな。

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ディープな街

2019/03/04
【第1195回】

先週の週末にはトラッシュマスターズ「オルタリティ」を観劇...この劇団も来年で20周年目を迎えるとのこと。主宰者である中津留章仁君と出会ったのが1998年だから21年になるんだな。感慨深いものがあります。スタジオで勉強してないで演劇界に殴り込みを掛けるくらいの気概で打って出なさい!と中津留君にけしかけたことをよく覚えています。その言葉通りに若き演劇人を代表する劇団、作・演出家になりました。がしかし、この芝居の世界ここからが大変なのであります。一度認知されると、周囲はより以上の成果を求めるし、劇団内でもマンネリにならないようにあらゆる手立てをしながら創作活動に勤しまなければなりません。加齢と共に周辺にも様々な変化がおこり、なかなか事はスムーズには運びません事よ...今回のトラッシュマスターズの公演、今までで一番少ない6名の出演者でした。この日も2時間半の芝居を2ステージこなし飲み会では、さすがにお疲れのようでした。でも、芝居が好きだからやるんです!意地でも自分たちのスタイルの演劇を公演し続けるんです!歳喰ったといっても、まだまだ40歳代じゃございませんか...おいらなんかは40歳前半まではふらふらしてたんですから、人生も演劇もこれからでございますよ。

仕事もプライベートもちょいとした変化で気分が変わります。この気分って奴がネガをポジに変えちゃうんですな。おいらはJAZZが流れる喫茶店で、深煎りの珈琲を飲みながらぼんやりしたり本読んだり過ごすことで、気分のチェンジを図ってます。この日も下北沢の素敵なJAZZ喫茶で囃子ライスと珈琲を頂きました。

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Jazzと喫茶 囃子

2019/03/01
【第1194回】

昨日は第26回読売演劇大賞の授賞式に、投票委員の一人として会場である帝国ホテルに行って来ました...今回の優秀作品賞の中に劇団チョコレートケーキ「遺産」が受賞したことは大変喜ばしいことでありました。いつものように作、演出家、出演者が顔をそろえ宴席に設けられた出前寿司なんぞを飲食する姿が微笑ましい。寝食を忘れ経済的にも決して恵まれない中、芝居に命を注いだ青春を思うと、おいらも何とかしてあげたいと思いますがな。芝居やるなんて親に話したら「そんな河原乞食みたいなもん許せん!」と鬼のような顔をして怒られたもんでございます。ましてや、親がせっせっと働いて大学まで入れてあげたのに、なんで見世物芸人になるんやなんて話です。おいらは子供のころから風来坊ですからそんな経験はありませんがね。普通の家庭のシステムであれば当たり前の話、昨日の受賞者の一人岡本健一さんが話してました。初めて芝居の世界に入った時に周囲の役者が皆キチガイに見えたとのことでした。そして、今回、芸術栄誉賞受賞者である87歳の演出家・木村光一さんも、唯々貧乏の連続でした。演劇に関わる人達がお金持ちになれれば嬉しいな~なんて本音の話をしていました。そんな世界の人達が表彰される会、この世知辛い世の中で26年も続けてる讀賣グループも粋じゃありませんか...あのなんとかツネさんはなんとかなりませんかなとは思っていますがね。

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おめでとう!劇団チョコレートケーキ

2019/02/27
【第1193回】

この国に民意なんてあるのかしら...沖縄で辺野古移設に関しての県民投票が実施され72パーセントの人達が反対と言ってるのに、政府は耳を貸さず辺野古の海に土砂を放り続ける始末。アメリカに対して対等にもの申せない人達に、この国を統治させていいものだろううか?多くの国民がそう思ってるはずなのに、口ごもってしまう日米の防衛問題はすべてアメリカ任せ、敗戦後アメリカがこの国を占領して以来、この構図は変わることがない。今日は米朝の会談、韓国との関係も悪化、ロシアとの北方領土問題も進展なし...一体全体、この国の外交はどうなっとるんじゃ!もしロシアが2島返還に応じたとしても、この基地にアメリカ軍が駐留するなんてことになったらてんやわんやの大騒ぎ。あっちもこっちも八方ふさがりのお手上げ状態が長いこと続いているのに手の打ちようがないニッポン。

そうなんです...この国は選挙しても民意が正確に伝わらない不条理な国と思えば納得がいくのかな?建前の民主主義クソ喰らえ!と言い放ちアナキストになりたい気分ですな。アナキズムなんて言うとテロリストみたいに勘違いされがちなんだが、アナキズムは、語源的にはギリシア語のアナルコス、つまり支配者がいないということばに由来し、権力的支配や国家、政府のような権力機関の存在を極端に嫌い、人間の自由に最高の価値を置く思想として位置づけられているんですよ。今の政治屋さんの集まりで、日毎税金無駄遣いの議会なんぞであれば要らんですバイ!と、愚痴零していてもしよんなかですばい...芝居創って形にして、この国に真の民意を届けねばと思っとります。

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如月の公園

2019/02/25
【第1192回】

「芸人と兵隊」東京公演無事終了しました...土曜日のマチネーの回、芝居が始まるやいなや照明のトラブルで舞台監督が登場し「トラブル発生、申し訳ありません、しばらくお待ちください。」との挨拶がありました。おいらとしては最悪のケースも考え、その後の対応におつむが回転し始めたときに、村井、柴田の夫婦漫才コンビが登場し即興の漫才を始めました。さすがベテランのお二人、この緊急事態にお客の不安を解消するどころか、このピンチをお笑いに変え拍手喝采。この日の観客は、夫婦漫才をプラスワン楽しめて大満足ではなかったかと思います。これが、まさしくライブですね...なにが起こるか分からないのが面白く怖いところです。本番中に役者が倒れ、そのまま救急車に運ばれ亡くなったこともあり、今回みたいに舞台機構の不備により中止になったことも当然あります。生身の人間が織りなす舞台であるからして、いろんなことを予測し想像しながら日々創っているのでございます。

東京公演が終わる間もなく、今日は横浜で公演し3月10日まで地方公演が続きます。何事もないようにと芝居の神さんに祈るのみ。

そして、今日から、3月20日から上演する「黄色い叫び」の稽古が始まります。今日の会社でのミーティング、皆さすがに疲れは見えるのだが元気でありました。こうやって日々演劇に夢中になれることに感謝です...そして、公演を楽しみにしているお客様の顔が見えるからこそのことですな。

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東京芸術劇場前の広場

2019/02/21
【第1191回】

「芸人と兵隊」の休演中に2本の芝居を観てきました...1本目は、こまつ座「イーハトーボの劇列車」井上ひさしさんの名作です。松田龍平の初舞台ということもあって満員の盛況。休憩入れて3時間半の大作。「世界ぜんたいが幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」と述べた宮沢賢治に対する作家の傾倒ぶりが良くわかる作品です。賢治のいろんな作品に登場する人物を配し、いろんな手を駆使しながら飽きさせないように創り上げた作品でした。トムの作品に何本も出演した宇梶剛士さんとってもぴったりの役で存在感ありました。

2本目はシアターコクーンで上演している「唐版 風の又三郎」奇しくも、こちらも宮沢賢治に関わる作品。唐十郎さんの世界、何年たっても何回観ても飽きませんね。溢れ出るポエムを振り絞る熱情を込めて語られると、そこはまさしく幻想の世界...テントで何度感動したことか。今は亡き蜷川幸雄さんが大きな劇場で上演してからも唐十郎がいかに演劇を変革したか、その意義を改めて確認した次第です。今回も宝塚出身の柚希礼音、若手人気俳優の窪田正孝をキャスティングし、リピーターらしき観客で盛り上がっていました。アングラ芝居に無縁であった人たちを劇場に集める功績は大だと思います。ましてや唐ワールド、この芝居観て今なお紅テントで上演し続けている本家唐組の芝居も観て頂戴な!と願いたいですな。この芝居、杜夫ちゃんの菊の御紋をつけながら奮闘しとりました...6月WOWOWで舞台中継放映が決定しているのだが大丈夫かいな?

「芸人と兵隊」は今週24日(日)まで東京芸術劇場シアターウエストで上演中です。日々進化しとります。お見逃し無きように!

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絶賛上演中

2019/02/18
【第1190回】

こだま著「ここは、おしまいの地」読了...作者の故郷の暗い話を諧謔調で綴った文章。なかなか上手いと言うより、故郷に住む人達の行動を客観的に捉えてる視点が面白い。しかもおしまいの地が、文章の中からより鮮明にイメージされてくるのが作家の筆力。こんな恥部さらけ出したくないのが普通の感覚なのだが、このSNS流行の時代出版会社は目を皿のようにして売れそうな作家を捜している昨今、売れると思ったんでしょう...読者の好みも様々、触れたくない、隠したい、そんなことは誰しもが抱えている秘所であり、そこにスポットを当てれば共感するだろうなんてことは当然。この作家の最初のヒット作が「夫のちんぽが入らない」なんですかいな?このタイトル付けるのも勇気があるというのか、人目を惹くのに付けたんじゃないのと勘ぐりたくなりますね。おいらはこの本は未読なんだが、今回の本で大体の予想はつきますな。私小説は誰しもが一作、二作目までは書けるとは思いますが、プロの作家になれるかどうかは私小説から距離を置いたときが勝負だと思います。

「芸人と兵隊」東京のステージも5ステージを終えました。日々、芝居が弾んできましたね。観客の笑いが、ギャグではなく役者の関係性の中から生まれてきてるのが何よりの証拠。芝居は本当に難しいし奥が深いですな...何年やっても闇は深まるばかりでございます。

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東京の梅

2019/02/15
【第1189回】

えらいこっちゃ!忙しすぎて...一昨日なんぞは「萩咲く頃に」の今季最終公演を神奈川県海老名市で、「芸人と兵隊」の東京公演を池袋芸術劇場で初日を迎えました。少数精鋭部隊であるトムの皆々はあちこちを飛び回り大変でございました。芝居は呼ばれてなんぼの世界でございます。需要がなきゃただのマスターベーションに終わってしまいます。一日に異なる芝居を同時にやれる喜びをしみじみと感じております。「芸人と兵隊」東京初日、確かに地方のお客様に比べると、東京の観客の目は厳しいものがございます...なかには、ただただあら捜しを見つけるのが楽しみで来る天の邪鬼も居てござる。まあ、お金払って来て頂いているんだから見方は人それぞれ、こちらがあれこれと言える立場ではございませんが、おいらにしてみれば素直に観ればもっともっと楽しめるのにもったいないという気持ちが正直なところかな...そんな観客の中で演じる役者さんも大変でしょうが、ある面鍛えられますな。今回も村井國夫さん、柴田理恵さんというベテランに混じって若手4人が奮闘しています。あれこれと壁にぶち当たりながら、飯がノドに通らないなんて日々を過ごしながら舞台に立っている姿を見るにつけ、幸せな人達だと思います。だってこの世の中、なんとなく霞がかかった手応えのない現状です。成すべきことが目の前にある喜びをしかと感じながらこれからの舞台楽しんでほしいな若手衆。

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曇天の新宿

2019/02/12
【第1188回】

昨日、「萩咲く頃に」を観に仙台に行って来ました...東京よりも暖かい杜の都でした。仙台演劇鑑賞会の皆さんが呼んでくれた公演です。この芝居は、東日本大震災が起きて3年半後に創られた作品です。あの震災後は、全ての人達が思考停止状態に陥り何事も手に付かなかった記憶があります...そして創られた今回の作品、いつの日か被災地に届けたいという思いが常にありました。被災された人達にどんな形で舞台を捉えて頂けるのだろうか?昨日の舞台は、そんな諸々の思いを抱きながら観劇しました。それは、舞台に立つ役者さんも同じ、まさしく魂が込められた素晴らしい芝居でした。昨日で95ステージになるこの芝居、なんだか新作を観ているような時間でした。終演後の拍手が、この日のステージの質の高さを実証していました。

終演後、鑑賞会の皆さんと交流会。未だ行方不明の家族を捜しながらも笑顔でお話しされる老婦人。その方に「いい芝居だったよ!」なんて言葉を掛けられおいらもホロリです。そうなんです...生き残った人間が、何とかしようとアクションを起こさない限り何も変わりません。漫然と生きてると「ボーっと生きてんじゃねーよ!」とチコちゃんに喝を入れられますぞ皆の衆。

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仙台のこの酒はうまかった!

2019/02/08
【第1187回】

宿野かほるの「ルビンの壺が割れた」読了...いやはや、SNS時代にぴったりの読み物ですな。結婚するはずだった男女のメールのやり取りを羅列したものが果たして小説と言えるかどうかは分かりませんが、1時間ほどで読めるミステリー、しかも結末のビックリマークで売れてるんでしょう。なんだか、今の世相を反映したような、この軽さが感覚を言葉を安っぽくしてる気がしてなりません。でも、活字離れしている若者に、本に対する興味を持たせるのには絶好の読み物かも知れません。日本あちこちで古本市なるものを開催してるのだが、物色している年齢を見るにつけ先々の出版業界の将来に不安を感じます。今回、芥川賞を受賞した作家もスマホで執筆してるそうな(執筆ではなく打筆がぴったりかな?)新聞不要は若年層に定着し、次なるターゲットが紙の本。電子ブックに出版業界が次なる手を打ったのだが思うようには伸びていないらしい...そりゃそうだよね。あの本を手にした感覚こそが、人の想像という羽翼を羽ばたかせながら未知なる世界に誘ってくれる第一歩ではなかろうか。本なるものがなくなったときは世界の終わりですぞ皆の衆。

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一昨日、機内から

2019/02/06
【第1186回】

2月4日(月)九州博多で「芸人と兵隊」地方公演スタートしました。ここ、ももちパレスで上演するのは久しぶりです。以前は中心街天神にあるエルガーラホール、西鉄ホールで公演できたのですが、何故かおいらの故郷博多はアートに優しくない街のようです。全国の市で5番目の人口(158万人)でありながら行政管轄の芝居向けの小屋がないのでございます。他の市に行けば500人規模の、芝居にはうってつけのホールが必ず存在してるのに、我が故郷には皆無です。山笠、どんたく、そして海の幸山の幸に恵まれた食材は豊富なんですが、心の食材であるアートにはなかなか理解してもらえないようですな...以前、物申すつもりで市長室の乗り込んだこともありますが、のらりくらりの応対でござりました。

そんな博多での公演。来ていただいてるお客様は、さすが芸どころの土地柄でございます。出だしから反応も良く、今回の芝居の勘所をしっかりと把握して最後までしっかりと観てていただきました。その空気を感じ取り役者も気を引き締め演じてくれました。

終演後は、博多の食材と美酒に酔いしれ歓談...いいスタートがきれました!

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博多の梅

2019/02/04
【第1185回】

先週の土曜日、埼玉県志木市民会館パルシティで「芸人と兵隊」公開舞台稽古をやってきました...地方公演に出る前に、本番通りに上演し最終チェックを兼ねる意味もあります。自由席ということもあって、3時間前からお客様が並ぶ大盛況。600人の観客が入り当日券はなし。こりゃ気合入りますな。本番前は、さすが初めてお客様の前で芝居するんで、役者さん緊張感漂ってました。スタッフも同じく何度もチェックしていました。勿論、おいらも果たして上手くいくかどうか緊張しますがな...出だしのお客の笑いから、これはいける!少々の硬さがありましたが、満員のお客様のハートを鷲掴み、食い入る様に役者の演技に魅入っていました。終演後の拍手の質で、その日の芝居の出来がわかるんですが、この日の拍手は上々でした。会館を後にするお客様の表情は皆、「貴重な土曜日の昼間、本当に来て良かった...」そんな顔を見させて頂くたびに、苦労が報われるおいらでございます。終演後は、反省会も含めて志木駅の近くで一杯。上々の滑り出しでお酒もぐいぐいいけました。
さて、今日から地方公演スタートです。最初の公演地は、おいらの故郷博多でございます。博多の皆さんに、よか芝居魅せますばい!

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満員御礼

2019/02/01
【第1184回】

葉室鱗「曙光を旅する」読了...一昨年12月に66歳で亡くなったおいらが好きだった作家の一人である。歴史の大きな部分ではなく、小さな部分を見つめることで、日本と日本人を知りたい。そんな思いに突き動かされ、九州から京都を中心にした旅エッセイ本である。この本の中に登場する松下竜一さん、上野英信さんなど、九州の片隅で名も無き民衆の息遣いを語り継いできた人達も登場する。上野英信さんの絶筆「筑豊よ 日本を根底から 変革するエネルギーの ルツボであれ 火床であれ」。松下竜一さんが生涯唱え続けた「誰かの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならば、その文化生活こそ問い直さねばならぬと。」彼らの生き方に共鳴し、葉室さんも多くの小説を書いてきた。歴史小説は、自分に似た人を歴史の中に探して書きますと本人が吐露している。直木賞を受賞した「蜩ノ記」は、まさしく上野英信さんがモデルである。

歴史上に燦然と輝く武将ではなく、路地裏でひっそりと暮らす庶民に光をあて人間を見つめ直してきた葉室鱗さんには、まだまだ書きたいものがあったに違いない。この作家の目線が限りなく低く、温かい感覚が読後にいつまでも残るのが読書の喜びでもある。

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暗闇の思想

2019/01/30
【第1183回】

元民主党細野豪志衆議院議員が、あの自民党の夜明けのガス灯みたいな幹事長のところに行くんだって...この人、頭おかしくなったんじゃないかしら?男前で頭がきれきれで結構人気があり期待された政治家だったのに、何だか哀れですな。今思えば、民主党を解散させ、あの何だか策士みたいな緑のおばさんと希望の党を作り、排除の論理で結局は与党を助ける結果になったということは...ありゃ、自民党のスパイじゃなかったんじゃないかしら。正常な神経してるならば、今後人前で政治信条なんぞ話せないはずですがね。いやいや、政治の世界は、まともな理想と希望に満ち溢れた人間を異常な世界へと誘う魔界の世界です。

森友、加計問題いまだ未解決。今度は厚労省不適切検査、なんなんでしょうね?韓国、ロシアとの外交問題もさっぱり、なのに与党内からも声が上がらず。野党もばらばら、今年も相も変わらず税金の無駄遣い国会でございます。

そんな折、東北巡演を開始した「萩咲く頃に」のチームからいい知らせが舞い込みました。福島公演、被災地の方々に大変喜んでいただいたとのこと。震災から8年を迎える人たちに、少しでもチカラになれればプロデューサーとして嬉しい限りでございます。国がやれないならば、誰かがやらねばこの国の未来はありませんことよ。

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静寂

2019/01/28
【第1182回】

いやいや、まいりました...週末の午後2時~3時頃になると、吉祥寺のあの「いぶきうどん」の麵とだし汁といりこ揚げが、ちらほらと目の前に浮かんでくるのでございます。こりゃ完全にいぶき中毒に違いありません。矢も盾もたまらず3週間続けて「いぶきうどん」の発券売り場に立っているおいらに呆然としました。でも、昨日は無料配布の揚げいりこが終了。やばいやばい、これは口コミの猛威で確実に全国のあちらこちらからいぶき参りが始まっているかも知れません。大阪十三にあったお店が、東京出店第1号店に選んだのが吉祥寺。なかなか目の付け所がよろしゅうおますな。うどんを食べた後、散策してると、なんとなんとパリ10区のサンマルタン運河近くにある人気パン屋が日本1号店として出店した「リベルテ」にも多くの人だかり。早速、食パンを購入したのだがモチモチ感満載、花の都のパリの香りがしましたことよ。吉祥寺人気止まるところがありません...

先週の週末は、テニスで大坂なおみ。マラソンでは小原さん福士さんが頑張ってましたな。

福士さん転んじゃって、膝と口から出血してしまい途中棄権。いやいや、スポーツは何が起こるか分かりません。只ひたすら走り続けることの苦悩と快感、おいらにはわかりませんが、多くの人を惹き付けるこの競技には、人生と相通じるものがあるんでしょうな。

夕方には、嵐ニュースがあちこちに駆け巡っていましたな。そりゃそうでしょう、人間40歳近くなったら考えますがな...人は何のために生まれ、何のために生きるのか?

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夕暮れの井の頭公園

2019/01/25
【第1181回】

マスクの季節である...インフルエンザに対する予防が一番だが、これってたいした効果はないらしい。自分がかかっていて人に移さないための効果が一番。それとマスクしてると防寒対策にもなるし、乾燥してるときなんぞはノドを潤すにはもってこいの小道具だ。しかし、皆が皆マスクをしてこちらに向かって来る様は何とも異様だ。秘密警察の一団か、もっと言えば環境汚染で地球滅亡のシナリオが着々と進んでる気さえする。最近は白いマスクではなく黒いマスク集団をよく見かける。これは不気味ですな...おそらく中国から来た観光客だと思うが、北京辺りの汚染された塵芥を吸い込み、そのまま持ってきてるんじゃないかしら?なんて思うくらい、見た目あまり清潔な感じがしませんな。いや、単なるファッションかもしれません。こうなったらカラフルに色とりどりなマスクが闊歩すれば、これはこれで面白いかもね。白マスク集団の威圧感から少しは解放されるかも...おいらもマスクをしたときはなんだかスパイもどきの気分でワクワクします。他人を観察するにはなくてはならない必需品です。これにサングラス、帽子があれば完璧。徹底的に人物ウオッチングを楽しめますよ。電車の中で、前の席に座ってる人達のアナザーストーリーを想起し書き上げることも可能です。街のあちらこちらには、思いもよらないドラマが転がってますんで楽しんでくださいませ...お金もかからんことだしね。

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今日の新宿アルタ前の空

2019/01/23
【第1180回】

戻ってきました...南米ペルーのケーナが復活しました。もう何年経つだろうか?新宿の街からペルーの音楽集団が消えてから。4,5人のチームが民族衣裳に身を固め、新宿のあちこちの路上で「コンドルは飛んでいく」などなど哀愁たっぷりの音色を聴かせて道行く人達のオアシスの場になっていたのだが、さすがに取り締まりが厳しくなったんでしょうな。不法滞在、路上での演舞禁止、やたらとこの国のお上は厳しいのでなかなか異国の人達の音色は聴けなくなってしまいました。昨日は一人で演奏していました。あまり立ち止まる人も居なかったのだが、この竹で作られた素朴な楽器はアンデスの風景を呼び覚ましてくれます(おいら南米大陸だけは行っておりません)だからこそ余計に想像が膨らみます。多くの謎に包まれた空中都市マチュピチュ。チリの本土から太平洋へ西に約3700km沖に浮かぶ、孤島イースター島に並ぶモアイの像、ナスカの地上絵などなどアンデスの曲が流れる度に、この地に行った気になるんでございます。

新宿は昔から自由人が往来した街。だからこそ、日本のアートをリードし続けてきたんです。この街から吟遊詩人が消えちまったときは、新宿が新宿でなくなるときでしょうね...

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待ってました!

2019/01/21
【第1179回】

住みたい街ナンバーワンである吉祥寺には週末によく行きます...井の頭恩賜公園有り、こじゃれた店数々、美味しいレストランあちこち、老若男女誰しもが楽しめるところがミソなんですね。先ずは井の頭公園駅を降り、公園に居並ぶ手作りアート品を眺めながらちょいと冷やかすのが楽しいですね。勿論、気にいれば購入しますよ...手書きの立体パノラマ葉書、ユーモアたっぷりの「ちょんまげ課長」の葉書なんぞは嬉々として手に入れました。ちょんまげ課長の作者、さぞかし有名になったんでしょう?このところ見かけませんがいいことじゃないですか。この寒さの中、終日突っ立てるのも辛いもんがあると思います。売れりゃ懐が暖かくなり自ずから体温も上昇するとは思いますが、おいらが見てもこりゃ厳しいなと思うお店もありますな。その中で思い切りボランティアに徹しているおじちゃんおばちゃんコンビの「顔面紙芝居」。子どもたちを筵に座らせて、おじさんが仮面を被っていろんなクイズを出し、当てた子供に手作りのお土産をあげるんだから、たいしたもんでございます。資金はどうしてるんだろう?年金切り崩しながらやってるんだったら...ふたりに想像絶する何かがあり、それをきっかけに子供への奉仕に人生を賭けたんじゃないかしら...とか、想像をいろいろと膨らませて見ておりました。池にはスワンのボートが行き交い若いカップルが甘い恋のひとときを楽しんで居るんでしょう。

街中も色とりどりのショップが並び、飽きることなく散策できます。最近のお気に入りは、立ち食い「いぶきうどん」。こちらは伊吹いりこ出汁で頂く讃岐うどん。出汁に香川県伊吹島で水揚げされたいりこを使用しており、うどんにかける揚げいりこも無料。こりゃ、いけますばい!¥300のかけうどんで十分満足。ほんまにいろんな店がごちゃ混ぜになったおもちゃ箱の街ですな。

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憩いの場

2019/01/18
【第1178回】

「萩咲く頃に」東京公演2ステージ無事終えることが出来ました...場所は両国、大相撲初場所開催中で、大銀杏に付けるびん付け油の匂いがなんとも色っぽい。この地には多くの相撲部屋があり、関取の歩く姿だけでレトロな町に一変しちゃいます。あのゆったりとした存在感も、この世知辛い世の中を和らげてくれる感じがしてホッとしちゃいます。稀勢の里の引退もあり、寂しいかなと思いきや、多くの人達が国技館の周辺集っています。このスポーツ、いや国技はモンゴルだろうがどこだろうが関係ありませんな。あの小さな丸い土俵上での肉弾戦は、他のどんな競技より特殊性を秘めており、飽きさせない魅力を持っているんでしょう。力士の鍛えられた肉体と大銀杏、まわし、異国の人が初めて目にしたときはなんじゃこれ?なんて思ったことでしょう。おいらが初めて子供の頃に博多で見た力士は、巨人の国から来た異人さんに見えました。12月の寒い季節なのに裸であることも驚きでした。新聞配達の後、櫛田神社近くの万行寺で見学した二所一門の激しいぶつかり稽古には身震いしまともに凝視することが出来ませんでした。そして改めて、こりゃやっぱり異人さんに間違いないと確信した次第です。

ところで、芝居は上々の出来でキャストの皆さんと、ちゃんこを食べに行きました。両国に来てちゃんこを食べないで帰るなんて失礼な気がします。これからの東北の旅の無事を祈ってちゃんこちゃんこした次第でございます。

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睦月の空

2019/01/15
【第1177回】

昨日の昼間は、明日から始まる「萩咲く頃に」の最終稽古に行ってきました。稽古を観て感心したのは、キャストの皆さんがシーン毎、時には繊細に、時には大胆に過去の表現とは違う方法で役に対する新たな挑戦をしていたこと。これは、新たな芝居を創ろうという意欲が並々ならないものだと嬉しくなっちゃいました。役者はこうじゃなきゃいけませんな!同じ事なぞってやるなんてもはや死に体でございます。なんとか役に新たな命を吹き込み、相手役に刺激を与え、より高いレベルで競い合う。プロデューサーにとっては願ったり叶ったりであります。今回は8年目を迎える東日本大震災の被災地で公演することも俳優陣も期するものがあると思います。12日、93歳で亡くなった哲学者梅原猛さんもおっしゃっていましたよ。東日本大震災については「文明災の面もある」と持論を展開、脱原発の文明論を掲げていました。脱原発社会の実現を主張し、「技術が進歩すれば自然は奴隷のごとく利用できるという近代哲学が問われている」「和の文明、利他の文明に変わらなければならない」と訴えておられました。誰かが言い続けねば、すんなりと風化してしまいこの時代。だからこそ、この芝居もやり続けます!

夜は錦糸町に「芸人と兵隊」の稽古場を覗いてみました。こちらも来月、博多での初日に向けて熱が入っていました。稽古終了後、この日誕生日でもあり還暦を迎えた柴田理恵さんのお祝いを近くのイタリアレストランでやりました。60歳とは思えない柴田さんのパワーに圧倒されながらキャスト、スタッフの和気あいあいの祝福に柴田さん本当に嬉しそうでした。

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昨日のスカイツリー

2019/01/10
【第1176回】

新しい年も始まったばかりというのに、今日、井の頭線で不満爆発のおばちゃんに遭遇しちゃいました。「若い娘に偉そうに言いやがって...あの親父」「ネチネチしてるんじゃないよ...言いたいことあったらはっきり言えよ」「孫にでれっとして...そんな気持ちあったら私にも優しくして」いやいや、ブツブツおいらの隣で喋っておりました。前の席、隣の席の人も席を移動したので仕方なくおいらは聞き役になっちゃいました。おいらも席替えすると、このおばちゃん喋るのやめるのかしら?いや、きっと寂しいんだね。おいらが受け止めてあげないと、このおばちゃん発狂しちゃうんじゃないかしらと思ってしまいました。ふと、おいらがなだめたり質問ぶつけたら、このおばちゃんどんな反応するのかしら?なんてこと考えながら7、8分は聞いていたかな。この時代、老若男女、年齢に関係なく悩み苦しんでいるんですな。おいらなんて経済的にも物質的にも決して豊かではなかったけれど、昭和平成と心豊かに活かさせていただきました。ことに戦後の昭和は面白おかしく過ごしました。そうなんですね、ものを持たない、ものがないからこそ、人は想像力をバネにして自分なりの創造物を創り出すんじゃないかしら。悩んでる暇なんてございませんことよ...その貴重な体験があったからこそ、今なお好奇心キンキラしながら日々楽しく生きてます。時代が勝手に向かって来ようと、要は己の思索に基づいて、己の心身に揺るぎ無いなにものかを持ち得ないと、この時代を乗り越えていくのは厳しいかなと思う次第でございます。

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寒い今日の空

2019/01/08
【第1175回】

「芸人と兵隊」も本格的に始動...年初から事務所フル回転でございます。稽古場は一つしかないので他の稽古場を借りて二か所での稽古。どちらもベストな芝居を創ろう!と気合十分です。まさしく人力に拠る細かく積み上げていく手法なので、役者の心身の強靭さが頼り。貰った役に如何に憑依していくか?この憑依こそが役者のレベルそのものだと思います。

ということで、「アリー/スター誕生」に続いて、「ボヘミアン・ラプソディ」を鑑賞。クイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーにどこまで肉薄できるか...演じたラミ・マレック見事でした。エジプト系の顔つきと目の表情が伝説のフレディを彷彿とさせてくれました。IMAXという画像、音響をアップした劇場システムで観てるとライブのシーンでは、さながら会場にいる気分にさせてくれます。これは映画館に誘い込む大きな武器になりますな。家のテレビでは味わえない臨場感は、お金を払うに十分な満足感を得ることができます。

椅子も立派だし、昔の小便臭い映画館も懐かしいけど、今の時代は残念だが付加価値を感じさせてくれないと映画館、劇場には来てくれないのかもね...それにしてもハリウッドの役者の裾野は計り知れない。探せばいくらでも居るんでしょうな実力、魅力兼ね備えた憑依者どもが...それに比べるとこの国はいかがなものかと、つい考えてしまう。でも、嘆いている場合じゃございませんことよ。おいらが信じた役者が魂込めた芝居やってくれると期待してまっせ!

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初春の新宿

2019/01/04
【第1174回】

あけましておめでとうございます。

 

今日から仕事始めです...早速、今日から「萩咲く頃に」の稽古が始まり、明日は「芸人と兵隊」の稽古が開始されます。新年早々、大忙しのトム・プロジェクトでございます。それだけ多くのお客様が期待して待ってると言うことだから、年明け早々嬉しい悲鳴でございます。とにかく3月まで3本立て続けに公演を控えているので、キャスト、スタッフ何事もなく乗り切って欲しいと願うのみです。

おいらは、年末年始のんびりと過ごしました、大晦日には近場の高井戸天然温泉(井の頭線高井戸駅にある美しの湯)でのんびり、酒を飲みながらサスケと格闘技観てました。紅白はもういいでしょう?なぜって?おいらに響く唄がないってことかな...元日は大宮八幡宮にご挨拶、2日は近くに住む妹夫婦の家でご馳走になりました。3日は「アリー/スター誕生」鑑賞。レディ・ガガの存在感に圧倒されました。話はよくある話でどうってことないのだが、ガガの魂込めた歌と演技に唯々スクリーンに釘付け状態。おいらこの映画観て確信しました。現在の世界の歌手のナンバーワンであることを...表現者としてではなく一人の人間として社会に対峙している姿、そして行動、その哲学・美学が彼女の身体を通して感じられる凄さは半端じゃありません。全てが過酷な状況の中で、彼女が手にしたものと思えます...やはり表現は生き方そのものです。新年早々、ガガの凄さに魅せられ、改めて気を引き締めて芝居創らんといかんなと思った次第でございます。

 

今年も何卒よろしくお願いいたします。

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元旦の夕暮れ

2018/12/27
【第1173回】

今日でトム・プロジェクトも仕事納めです...今年も怒涛のような一年でした。芝居に関わったすべての方々に感謝です。このハイテクに時代に、ローテクな芝居をこつこつと創り上げ観客に届けることの意義を改めて考えさせてくれる年でもありました。少数精鋭のトムの社員が何とか頑張れたのも、楽しみに待ってる全国の観客の顔が日々立ち顕れたからこそだと思っています。芝居から人の体温、匂いが感じられなくなったらアウトです。この感覚こそが、芝居がこの社会で果たす使命であり生き残っていく根幹だと肝に銘じています。

今年も大切な友を何人か見送りました...さぞかし無念であったろうと思う反面、己の責務を果たし旅立ったのかも知れません。人の命なんて所詮限られたものだし、あれこれと詮索しても仕方がありませんね。おいらも含めてこうやって生きてる者が、少しでも社会が弱者にとっても生きやすい世の中、自然環境に優しく出来る思いなどなど負の遺産を増やさないことに邁進せねばと思う次第でございます。いつものように今年も残り僅かになりましたが、こうやって何事もなく無事に終えていく何気ない日常に改めて感謝です。

おいらのコラムも年明けの4日までお休みです。皆さんも2019年が素敵な年でありますように!

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12月27日の空

2018/12/25
【第1172回】

いやいやお寒うなりました...先週の金曜から「芸人と兵隊」の稽古が始まりました。芸人と兵隊なにやら意味深なタイトルですな。ここは観てからの楽しみです...笑いを追求してきた柴田理恵さんと、ミュージカルから現代劇までなんでもござれのベテラン村井國夫さん、そして小劇場で活躍している3人の若手俳優が乱入し予想外の展開になるんじゃないかしらと思っとります。芝居は稽古を重ねるごとに変化してきますし、台本も削除、追加などの書き直しもございます。同じことはありませんことよ...日々新鮮、日々発見を経て進化していきます。これもすべて貴重な時間とお金をかけて来ていただくお客様に最高のプレーを観て頂くための産みの苦しみでございますよ。昨日も今年亡くなった劇団四季の浅利慶太さんの特集をTVでやってました。おいらとは方向性は違ってはいますが、お客に喜んでいただける芝居創り、俳優が芝居で食べていけるシステムの確立などなど確かに演劇のイメージを変えた人であることは間違いありませんね。先人が成しえなかったことに挑戦する人はどんな人であろうと敬意を表しますな...生ある限り、驕ることなく精進したいもんですな。

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今日はクリスマス

2018/12/20
【第1171回】

昨日、東日本大震災を題材にした「萩咲く頃に」の本読みをしました...来年の1月~2月にかけて東北の演劇鑑賞会で公演します。その前に東京で2ステージ。来年で東日本大震災が発生して8年、未だ避難生活を強いられてる人たちが7万5千人。様々な補償も2020年に打ち切りが検討されている。国が力を入れてるのがオリンピック、そのための工事の人員、工具などなどが東京に奪われ復興も遅れているらしい...なんと弱者に冷たい国なんだろう!辺野古然り、数のチカラでなんでんかんでん国会の論議無しで決めてしまう政治ってなんなんだろう?世論はどことなく見て見ぬ振り、メディアも政治の話はスポンサーの圧力でどことなく及び腰になり、どうでもいいことをだらだらと垂れ流してる。それをちんたら観させられてる能天気な人たち。おいらホンマにこの国の未来悲観してまっせ。どうにもならんです!アクションを起こしてるのは老人部隊、新宿駅で寒風に晒されながら悪法反対のゼッケンを身に付け抗議しとります。孫の時代が暗黒の世にならないように体張ってやっとります。

今回の4度目の公演になる「萩咲く頃に」が、東北の人たちに優しく届くことを願って稽古に入ります。悲観はしているが諦めてはいけませんね...どんな戦略、戦術であろうが弱者を労る社会でなければと思います。街に流れるジングルベルがどんな人にも楽しく温かく聞こえる国であればいいな...

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街はクリスマス一色

2018/12/17
【第1170回】

先週土曜日、毎年恒例のトム☆トム倶楽部会員さんとの交流会を開催しました...今年は2018忘年会。多くの会員さんと所属俳優そしてトムの社員と3時間楽しい時間を過ごすことが出来ました。今年も6本の作品を事故もなく、全国各地で上演することが出来ました。これは奇跡に近いことでございます。地方に行けば朝舞台を仕込み、終演後にはバラシを終え次の公演地に向かう。舞台の設営は危険を伴う仕事であり、役者にしても健康を損なえば公演中止に繋がることになりかねない状況のなか何事もなく全ステージを完遂、ほんまに芝居の神さんに守られてますな...今年も残すところ約2週間やれやれと、ホッと一息ついているところでございます。

それにしてもトムの芝居を毎回欠かさず観劇してくれる会員さんには唯々感謝です。娯楽情報氾濫のなか、これは大正解でございますよ。だって、おいらも仕事柄舞台はよく行きますけど、トムの芝居は品質良好、価格破壊などなど損してお客を帰しませんことよ。土曜日の会員さんの意見もほとんど異議なし!中には、入場料を上げてもいいんじゃないか?とプロの税理士さんに強く意見された次第でございます。消費税にも屈することなく、未だにこの業界の中では良心のトムで通ってます。5000円以上の入場料は忍びない...来年10月には消費税がアップ、さてどうなることやらどころか、トム・プロジェクト2019年は8本もの公演が待ち受けてます...なんでそうなるの?観たいお客様が居る限り、どこまでも続きますがな。皆さん期待して待っておくんなせい!

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師走の空

2018/12/12
【第1169回】

劇団桟敷童子公演「その恋、覚え無し」を観劇...作・演出の東憲司さんの少年時代に過ごした福岡の神隠しの話だ。チラシのコピーにこんなことが書かれていた。

朦朧とした意識の中でわらべうたが聞こえてきた。

幼い頃に遊んだあの子を想い出す。

名前も知らない女の子だ。顔も思い出せない。

死ぬ間際にその子の顔を思い出そうと苦笑する。

 

曇天の向こうに、彼岸花が揺れている。

そして遠くに赤く燃える紅葉の群れ...。

凍てついた身体がぎくしゃくと動き出す。

あそこに行けば、あの子の顔が思い出せそうな気がした。

あの子の名前が思い出せそうな気がした。

 

いや、もしかしたらあの子は、

年をとらずそのままで、

あの紅葉の中で笑っているかもしれない。

きっと全裸で眩しくて、

秘めたる輝きに満ち...。

 

東君はいつも少年の面影を残しつつ、見事な劇空間を創り出してくれる才気溢れた演劇人だ。おいらは大好きだ...だからこそ何本もの作品を依頼してきた。一本の作品を世に出すために命を削りながら机に向かっている。この劇団の演劇に向かう姿も謙虚で大好きだ。

この日の芝居の最後に魅せてくれる見事な紅葉の一群...いつの日か、東君が大劇場で思い描く東ワールドを観たいものだ。

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そろそろ魅せじまい...

2018/12/10
【第1168回】

先週の金曜日、渋谷のライブハウスサラヴァ東京で、きゃんひとみさんの「琉球歌人三姉妹2018」に行って来ました。きゃんさんは沖縄出身のラジオパーソナリティ・フリーアナウンサー、歌手、女優と、幾つもの顔を持つ素敵な女性です。この日も沖縄の歌を聴かせてもらいましたが、あの三線の音色に乗って歌い語られる唄には痺れますな...こればかりは日本のどの地方にもない独自の文化、伝統に根付いたものです。沖縄の青い空と海が蘇ってきます。なのに、今日も沖縄の民意を無視して辺野古埋め立てを実行している権力者の横暴には無茶苦茶に腹立ちますがな。きゃんさんの願いを込めた歌声は、戦中戦後、日本の盾になりながら苦難を強いられた沖縄の人達の叫びにも聞こえました...でもさ、きゃんさんの明るさが会場の重苦しさを解き放ち楽しい会に盛り上げてくれました。それはきゃんさんの話芸のチカラ。さすが長年パーソナリティをやっている経験値によるものと人柄ですね。この日三線を演奏したオキリサさんも良かったさ~来年、三線の良さを広めるために英国に留学するとか。24歳の期待の琉球歌人とみましたよ...ピアノの平家章子さん、ドラムの坂本清高さんとのバランスもとても良く三時間近くの素敵な沖縄の宴を満喫させて頂きました。特別に沖縄料理が出されたのも粋な計らいでしたな。おいらが大好きな豆腐ようも早速注文、ほんの少しの量を舌の上にのせて、ゆっくりと味わいながらノドチンコを通過するあの快感は、いっぺーまーさん!

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紅葉と冬空

2018/12/07
【第1167回】

人生は祝祭である...この言葉はおいらが日々大切にしているフレーズだ。その祭りは型にはまったものではなく、むしろ型から外れたところに意義があるような気がする。音に合わせるよりも音から外れたところに音自体が活かされるような...おいらが大好きなjazzなんかがいい例だ。本筋からどんどん外れ、新しい世界が展開されこれまでに聞いたことのない表現が誕生する瞬間でもある。型にはまった窮屈な儀式から外れ、己の無謀な思考、肉体、精神で己のレールを造り、果てしない人生を切り開いて行くことこそがお祭りだ。そうなんです、人生は楽しい筈なんです。外れることを恐れたら祭りはやってきません。祭りのない人生なんてなんと無味乾燥な生き様でしょう...あの賑やかしい音も響くことなく、細胞は何の刺激を感ずることなく荒廃の道を辿るのみ、命を授かることは己にいろんな音を発する楽器を与えられたみたいなもんです。その楽器を打ち鳴らすことなく終える人生なんて、タワーレコードのキャッチコピーじゃないけれど"NO MUSIC,NO LIFE."でござんすよ。

そんなコピーに踊らされ、数多くのCDを買わされたのも事実でござりまする。なんでんかんでん楽しいお祭りの日々であれば、愛でたし!目出度し!ですたい。

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お空もお祭りだ!

2018/12/05
【第1166回】

昨日は、今年の春上演した「Sing a Song」の役者さんたちと、渋谷のスペインレストラン「ラ・プラーヤ」(スペイン語で浜辺、海岸)で食事会をしました。この店のオーナーの徹さんとは35年前スペインで知り合いました。おいらが住んでたアンダルシア地方のサロブレーニャという小さな村に旅人徹さんが現れました。観光地ではないこの村には日本人なんかは来るはずがありませんが、来たんですから、おいらと同じ変人奇人だったのかもしれませんな。この村を大変気に入り、住みたいというのでアパートと仕事場紹介しました。岬に立つレストランでスペイン料理の腕を磨き、もちろん恋の味付けもなかなかのものでして...充実したスペイン生活を満喫したのち、東京に戻り新宿三丁目にスペインレストランをオープンしました。個性が強い彼のスペイン料理は、違いが判るお客のハートをたちまち鷲掴みにし、いま在る渋谷に移転して25年目を迎えるそうです。レトロな雰囲気の中、様々な書物を散りばめ隠れ家的なレストランに、これまた個性あふれる人たちが集まるそうです。天井が高いのが何よりも居心地を良くしてくれます。自作のオーディオを駆使しながらの音もなかなかよござんす。おいらも久しぶりだったので、徹ちゃんと懐かしいスペイン話で盛り上がりました。美味なるワインと生ハム、オムレツ、カジョス、パエリアなどなど、今宵も素敵な一夜でございました。

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パエリア鍋底のコゲがうまか!

2018/12/03
【第1165回】

枯れ葉よ♪はらはらとひらひらと舞い落ちる枯れ葉のなかに一輪、鮮やかに自己主張しています。その横には大きな木がすくすくと成長している。大きな木を一本成長させるためには、少し小ぶりな木をまわりに植えなくちゃならないそうだ。人間社会と同じなんですな。勝手に大きくなるなんてことは有り得ない。周りのチカラを借りながら影響を受けながら一人前になるんですね。だのに、ニンゲンに限って俺のチカラで私の才能で、なんて勘違いして天狗になっちゃう愚か者が現れます。そしてキラキラとしたものを身に付けて自慢げに見せつける。そんな時には視線をずらし、自然の佇まいを凝視すれば邪悪なことから逃れられるってもんでござんすよ...今日も、電車の中で大きな荷物を抱えたでっぷり中年男がおいらの横に座り、いきなり新聞を拡げ遠慮会釈なしで腕をおいらの腕に乗せてきた。しばくぞ!おんどれ何してけつかる...と、おいらのボルテージ一気に上昇しつつあったのだが、ふと窓外に映る見事な紅葉が、おいらの高揚した感情をほどよく諫めてくれやした。そうなんです、こうやっておいらは何度も下品な感情から品格ある姿に戻してくれたんですね自然界の有り様で...不思議なもんでござんすよ。おいらの気持ちが穏やかになった途端に、隣の男おいらの心をまるで読んだかのように、腕を引っ込め身体も縮ませたのでございます。参りました!おいら試されたんですな...日常にはいろんな罠が仕掛けられてます。それが生きる、活かされてるってことですかね皆の衆。

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枯葉の中に花一輪

2018/11/30
【第1164回】

このところ紅葉の見事な色つけに魅せられている...「うらを見せおもてを見せてちるもみじ」江戸時代後期の僧侶、良寛の辞世の句だ。死ぬときに人生なんてストリッパーみたいな心境になるんですかね。生きてる間はニンゲン表と裏を上手に使い分けながら行かざるを得ないのだが、逝くときは裏も表もありゃしない...なるほどおいらも、今日の紅葉のひらひらと散る様を眺めながら、拘りを捨て慾を捨て残りの生を全うしなきゃと思うんだが、果たして出来ますことやら...ほんまに朽ち果てるまで同じ場所に立ち尽くし、風雨に晒されながらも、こんなに美しい姿を魅せてくれる樹木達。ニンゲンなんか太刀打ちできませんがな。舞い落ちる落ち葉が土壌を形成し、あらたなる作品を創り続ける自然の営みにあらためて感謝。所詮、人が創りあげるものなんて自然界が織りなす世界に敵わないとは思ってますが、自然への敬意を込めながら創ることによって、なんとか共生出来るんじゃないかしらと思う次第でございます。

ついでに良寛の「散る桜、残る桜も、散る桜」この句も見事...生きてると自然界はいろんなものを見せてくれる。ただぼーっと生きてたんじゃいけませんことよ。良寛まではいかなくとも少しは感性を研ぎ澄まし、眼ん玉ひん剥いてよく見、耳の穴かっぽじってよく聞けば、ちーとばかりいい句が浮かぶかも知れませんよ。よっしゃ!おいらもやってみよう...

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美の競演

2018/11/28
【第1163回】

先週の金曜日、勤労感謝の祝日に、劇団チョコレートケーキの主宰者である日澤雄介さんの結婚式ということで築地治作に行ってまいりました...昭和6年創業ですから87年、老舗に相応しく隅田川沿いに建つ日本家屋は実に風情があるものでございます。おいら結婚式やったことがないので式に行くたびに、こんなおいらに連れ添った方に申し訳ない思いで、いつも後ろめたいものがありますな。古今東西、芝居をやってる輩は河原乞食と蔑まれ結婚する相手の両親が苦虫を潰した顔をされたものです。芝居=貧乏この方程式は残念ながら今なお引き継がれているみたい...そう思われたらここは開き直ってアウトローで行こうじゃないか!犯罪そして人様に迷惑かけなきゃ何やっても構いませんことよ...嫌なことシコシコやりながら死んじゃうよりも好きなこと悔いなくやりまくってあの世に行った方がよござんしょ。というわけで、今回も芝居をやってた今日子さんとのめでたい席。日澤君は今や劇団の主宰者、演出家として演劇界で数々の賞も受賞している時の人。再来年にはイギリス演劇界からも招聘を依頼され、今後の日本現代演劇の若きリーダー。しかし、男はどんな状況であろうとも、常に将来の不安と日々の葛藤の中で生きてるしがない動物です。ましてや芝居稼業、こんな時にささえてくれるのが愛しき女房でございます。晴れて夫婦になった今日子さん、おいらと同郷福岡、愛情深く気っ風の良い九州おなご。日澤君いい人を伴侶しましたな...勝負はこれからです。いいことばかりではありません、躓きそうになったら、相手に感謝の気持ちを抱きすれば、たちまちピンチはチャンスへと変わること間違いなし!

いつまでもお幸せに...

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天然のアートⅡ

2018/11/26
【第1162回】

先週の週末もスケジュールびっしりバタバタしておりました...木曜日は劇団東演「屋根裏の仏さま」観劇。創立60年、老舗の新劇劇団です。女優11人、さすがに歴史ある劇団だけに年齢層も様々、いろんな形で観せてくれました。今から100年前、たった1枚の写真を頼りに新天地を求め、何週間も船酔いにあいながらアメリカにたどり着いた写真花嫁を劇化した作品。いやいや、大変な時代を生き抜いただけで充分ドラマチックでございます。こんな体たらくな時代を考えると、生き切ることを身をもって体験したんでしょうね。状況が過酷になればなるほど人は強くなれるんです...でも、この安穏とした支柱のないこの国の人達は心の疲弊で別な意味で大変な思いをしてますね。そうなると、時代、環境はあてにせず己の内なる宇宙を探索しながらの自分探しが一番全うな生き方なのかも知れませんな。

土曜日は「バルバラ セーヌの黒いバラ」を鑑賞。伝説的なシャンソン歌手バルバラを描いた作品なんだが、ちょいと凝りすぎてませんかな?という印象。実在の人物を描くにもいろんな工夫が必要だと思うのだが、どこにフォーカスを置いてるのか今一つはっきりしませんな。しかし、東急文化村の映画館、今回もそうなんだが文化の匂いを前面に出して芸術やってます感が強すぎてちょいと引きますな。アートの押し付けは得てして外してしまいます。この日も土曜日のいい時間なのにガラガラ、東急資本のチカラで屁でもないんでしょうが、やはりお客さんは正直だってこと理解しないと痛い目に遭いまっせ...

ようやく、紅葉も空の色とマッチできるようになりました。所詮、自然が織りなすものには敵いませんことよ。

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天然のアート

2018/11/22
【第1161回】

横浜みなとみらいに「男の純情」観に行ってきました...今回も神奈川県民共済の主催で呼んでいただきました。このホールの責任者Sさんは、嘗て歴史ある新劇劇団で演出部に在籍した方で芝居を観る目は確かなものがあります。時には厳しい意見も遠慮なく言ってくれるので頼もしく思ってます。この方が、何故かいつもトムの芝居を呼んでくれるのでおいらとしては嬉しい限りです。この気持ちに応えるべく今回の「男の純情」お客様の心の琴線を大いにくすぐったんではないかと思っています。満員のお客様、笑いの渦に飲み込まれ溺れちゃうんじゃないかしらと心配しちゃいました。まさしく笑いは健康の源でございます。笑う門には福来るという言葉がありますね。この国の人、なんだか遠慮してるのか笑いを押し殺した笑いが美徳なんて考えてる人が居るらしいが、おもろいときは思いっきり大笑いした方がええがな...身体の毒素は出るし顔の筋肉体操にはなるし、観劇後のお酒も一段と美味しいに違いない...ということで、終演後、こちらもお世話になっている横浜演劇鑑賞協会の方々と、みなとみらいの美しい夜景をバックに楽しい一夜を過ごすことが出来ました。さすがに芝居好きな人に悪い人はいませんな...窓の向こうの観覧車を眺めながら、人生もぐるぐる廻る観覧車みたいなもんやと思った次第でございます。

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みなとみらい

2018/11/19
【第1160回】

横浜KAAT横浜芸術劇場に「セールスマンの死」を観劇...風間杜夫がアーサーミラーの名作に挑戦。いやいや原作完全ノーカットということで休憩入れて3時間20分の芝居でした。アメリカンドリームのなれの果ての一人の男の話。無駄に自信満々に夢を見続け、大事な言葉を受け止めようともせず、現実を直視するのを避け家族ともうまくいかない男の狂喜寸前の極限状態を杜夫ちゃんが演じてました。彼の一人芝居「カラオケマン」に相通じるものもあるのだが、アーサーミラーの世界はアメリカの戦後すぐに書かれた戯曲なのでより深刻さが際立つ。「カラオケマン」は人情喜劇を書かせればこの人、水谷龍二さんの作だけに笑いたっぷりの作品なのだが、今回は重い空気が一貫している。

終演後、劇場の近くで一杯。ほとんど出ずっぱりの芝居だったはずの杜夫ちゃん開口一番「いや、もう一回やれまっせ!」何ちゅうこと言うのかいなこの人...誰でもそうなんだが、好きなことやってると身体も心も疲れ知らずでいられるんですな...そうですな、おいらも好きなことして活きまっせ!と言っても、一本の芝居創るのにも、あれやこれやと大変ですし人間関係もいろいろと難しいものがありまして、この大海の渦の中で悪戦苦闘する「プロデュサーの死」なんて芝居もありかもね...いやいや、おいらは芝居で死ぬなんて嫌ですがな。人生なにごともケセラセラ♪

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休日

2018/11/14
【第1159回】

劇団チョコレートケーキ第30回公演「遺産」を観劇...第二次世界大戦のさなか、中国の満洲に傀儡国家満州国を建国し、1940年から1945年の間、細菌兵器を作るために中国人を実験台として残虐行為を行った悪名高き731部隊の話である。国という集団と、その中にいる個人の葛藤劇ではあるが、今なお世界で頻発に起きている出来事と相通じるものがあり極めて現代的なテーマである。現代と過去を交互に見せながら、個人の尊厳に加えて、医学者の倫理と言う国を越えた普遍的なテーマを見事な構成で綴ってくれる。舞台上ガラスで作られた試験管を散りばめ、まさしく一触即発状態での役者の演技はスリリングであった。終演後、演出家に聞いたのだが、ガラスが割れた時点でいったん公演は中止するとのことだった。こうやって役者に対して緊張感を強いるのも演出家の狙いだったのかもしれない。それにしても、この劇団、歴史上とても触れない題材を敢えて選び果敢に挑戦していく姿勢に拍手を送りたい。これこそが現代演劇である。多くの賞を受賞した大正天皇を題材にした「治天ノ君」ナチス政権時代を扱った「熱狂」「あの記憶の記録」どれもが現代演劇のトップランナーとしてのポジションンを維持し続けている。

今年の紅葉、なんだかぱっとしない感じだな...色褪せた感じ、これも地球がやせ細った所為なのかな。今日もニュースで流れてました。北京ではマスク無しでは外出できない危険な状態。いくら経済大国になったとしても、これは頂けません。人間ほんとにアホですな...

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カマちゃんも生きてます

2018/11/12
【第1158回】

先週の土曜日、トム・プロジェクトがお世話になっているアルファ税務会計20周年感謝祭に行って来ました...150人ほど集まった会場は熱気に包まれていました。おいらもアルファ税務会計さんには随分とお世話になっています。会社を経営してる人達にとって憂鬱なのは税務調査。細々とやってる中小企業に厳しくしないでちょうだいな!悪の権化の企業たくさんあるんだから、そちらにチカラをいれてちょうだいな!と言いたい。24年ほどで3回入りました。税務調査官は、何を根拠にしているのか嬉々としてやってきます。なにかしら確信があるんでしょうな...おいらのところは不正なんかしてないのに、そりゃ少々のミスはありますがな。その鬼のような税務官に敢然と立ち向かってくれるのが正義の味方アルファ税務会計の皆さんです。あれを出せ、これを見せろなんて高飛車に出てくる税務官にピシャリ苦言を呈します。その表情は、まさしく今年の流行語大賞候補の「ボーっと生きてんじゃねえよ!」のチコちゃんに迫るものがありました。いやいや頼もしい限りです。

何故なのか?おいらが乾杯の挨拶をし、2時間半、楽しいアトラクションも含めて大盛会でございました。世の中本当に厳しい情勢であることに変わりはありません...皆、一様に来年10月からの消費税アップの話で持ちきりでした。すんなり社会保障費に使われるのなら理解できるのだが、これまでの政治家が行ったことを考えると、どうしても納得できないものが多々あるんでございますな。議員の縮小もやらず、不正しっぱなしの政権に誰もが不信感を抱くのは至極当然のことでありんすよ。

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日本のいい塩梅と出会う

2018/11/09
【第1157回】

今日の東京は雨がしとしと降っています...アメリカの中間選挙、アメリカは分断の道を突き進んでいます。世界はポピュリズムが蔓延しつつあります。自国主義第一、これは嘗ての世界が苦い体験をした世界第一次、第二次大戦の再来を予感させるくらいの負のイメージを抱いてしまいます。人は何故歴史に学べないのか、我欲をコントロールできないのか、愚かとしか言えません。連日報道されるアメリカを目指す移民キャラバン、貧しさと暴力から逃れる人たちの表情から希望は見えません。アフリカからヨーロッパに移動する難民も然り、こうやって豊かさと貧しさを日々見せられることによって人は何を考え、行動するのか、何故かほとんどの人が無力感に駆られているのではなかろうか...おいらの人生は残り少ないのだが、死後の世界も何度も何度もこの繰り返しをしながら地球という星は死滅してしまうんではなかろうかという悲観的な観測...ホンマにもったいないことでございます。こんな素敵な星は宇宙のなかで皆無でございます。多様な命が様々な形で共存し助け合いながら生きる星、これにストップをかけてるのがなんと人間、しかも同種の人間が殺し合う滑稽さを何千年行ってきています。

今日、久しぶりに新宿の街を散歩しました。新宿駅の通路を堂々と、しかも誇らしげに自慢のおっぱいを、これみよがしに見せつけるゲイの姿を見ながら、ここ日本国新宿解放区はまだまだ大丈夫かなと思った次第です。

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にゃんこも生きてます

2018/11/07
【第1156回】

月曜日の行橋市での「男の純情」一時間半笑いが絶えない公演でした...今年の3月にも「Sing a Song」で訪れたばかりのコスメイト行橋。お客様が演劇を楽しみにしていることが良くわかります。こうやって良質な作品を持っていけば、確実に芝居好きな観客を増やすことができるのではなかろうか。終演後、地元福岡出身の山崎銀之丞さんが挨拶で話した「お客さんの温かい声援のおかげで背中を押され、最後まで無事務めることが出来ました」

そりゃそうでしょう、あれだけのお客の反応がドッカンドッカン来れば乗りやすい役者さん天まで上るでしょうな。まさしく芝居は生き物です。演者と観客のキャッチボールで場内は幸せな雰囲気に包まれめでたしめでたし。ホールを後にする40歳前後の女性に「いつも素敵な作品ありがとうございます」と声を掛けられ、おいらほんまに嬉しゅうございました。

この日で、今回の九州公演は終わりということで役者、作家と共に「魚やビストロ遊楽」で打ち上げ。この店の大将は魚大好きの料理人、旬の魚を地元漁師と提携してリーズナブルな価格で提供しお客さんに喜んで頂くことが生き甲斐という、お客にとっては神様みたいな経営者。この日は、プロの芝居屋とプロの料理人が相対しての素敵な打ち上げになりました。無事に芝居を務め上げた役者と作家が旨い!を連発しながらの食する顔は、舞台で見せる顔とは一味違う表情でございました。

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お疲れさまでした!

2018/11/05
【第1155回】

昨日は福岡県小郡市での「男の純情」公演に行ってきました。小さな町に500人の人達が来てくれました。ほんなごつありがたいことでございます...芝居創ってるおいらとしては、改めてよか芝居を持ってこんといかんですばいと思った次第でございます。つまらん芝居を観た人は二度と芝居を観ることがありません。時間とお金を奪われた人の悲しみは計り知れないものがあります。そして芝居が悪の権化として語り継がれると思うとぞっとします...昨日のお客さまの笑いと、劇場を後にしていく人たちの満足気な表情を見るにつけプロデューサー冥利に尽きます。

公演終了後、作家の水谷龍二さん、市川猿弥さんと一緒に博多の名店「さきと」でおいしいお酒と魚を食しました。ここはカウンターだけの店でありながら予約なしでは入ることができません。その日の選りすぐった魚と、銘酒が一日に疲れを癒してくれます。博多はどこに行っても美味しいものを安く頂けるというものの、やはりより吟味されたものを出してくれる店が名店と言われる所以です。高くておいしいのは当たり前、ほどほどのお金で鮮度抜群の魚を出してこそ心ある名店ではなかろうか...そして店主の凛とした立ち姿、これがあってこそ画竜点晴ってもんでございます。締めは、やはり中洲屋台のラーメン、夜風に吹かれて今日も一日無事過ごせたことに感謝!

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博多の夜

2018/11/02
【第1154回】

昨日、無事に「男の純情」東京公演千秋楽を迎えることが出来ました...キャスト、スタッフの皆さん事故もなく本当に感謝です。おいらも1ステージを除き日々楽しませて頂きました。jazz好きなおいらはjazzに見立てての観劇。今日はピアノトリオ、さしずめ山崎銀之丞はピアノ、市川猿弥はベース、宇梶剛士はもちろんドラムなんて想像しながら三人の丁々発止のやりとりの1時間半ライブを満喫。ある時は管楽器のトリオ、ある時は弦楽器という具合にjazzと演劇が融合しあう様においら自身新たな発見をした次第でございます。

それにしても、改めて芝居はアンサンブルの良さにかかってます。今回の出演者の三人とも稽古期間も含めて良くお酒を飲んだのだが、芝居は勿論、酒宴の席でも三人の掛け合いが芝居同様面白く、別物の芝居を観ているようでありました。特に宇梶さん、猿弥さんのやりとりは漫才レベルの面白さ。つっこみの宇梶さんに、ぼけの猿弥さん、このコンビの漫才いけまっせ!こうやって無駄な酒は飲んでませんことよ。稽古以外の時間にも次なる戦略を錬ることを怠らないのがプロの役者でございます。

昨日は、新宿花園神社の一の酉の日でもありました。商売繁盛を祈っての熊手を求め沢山の人が集まり賑やかな日々の始まりです。おいらは随分昔から顔を出してるのですが、最近、熊手の売り手の人達の顔が優しくなったのが物足りないですかね?昔は小指を落とした強面の兄さん、オッさんがゴロゴロ居てまして、修羅場を潜った人達から買ってこそ御利益がありそうな気がしてたんですが...こんな見方って変でございましょうかね。

さて、「男の純情」11月4日から旅公演です。こんなご時世ですから、ここは劇場に足を運んで思いっきり笑い転げて明日の糧にしてくださいな皆の衆。

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笑売繁盛

2018/10/29
【第1153回】

先週土曜日、中部・北陸ブロック演劇鑑賞会第28回総会出席のため三重県津市に行って来ました。演劇が大好きだけではなく、人との繋がりを大切により良い社会を目指すことを主旨とする会です。おいらも久しぶりに参加させて頂きました。演劇は観客が居なければ成立しません。1年に6本の作品を観ている演劇通の人達なので、こちらもよりクオリティの高い作品を持って行かないと二度と呼んでもらえない緊張感があります。午後2時~6時まで真剣な討論が続いたあとの交流会。おいらのテーブルには富山、金沢、いなざわ、豊橋、岡崎、尾北、津の事務局の方々と一緒に話をすることが出来ました。会員を維持し増やしていくことがいかに大変かということをじっくりと聞くことが出来ました。ここで又、身が引き締まる思い...二次会は劇団1980の代表であり俳優である柴田氏と談笑。同じ福岡の出身でなにかと話が合うので、ついついお酒飲みすぎたかなと思ったのだが、柴田氏はおいら以上に呑んどりました、戸畑の出身で川筋気質、言いたいことはズバリと言うので人気もんじゃないかしら...この日は全国の各ブロックの総会が重なりトム・プロジェクトのスタッフも各地を飛び回っていました。東京では「男の純情」の本番中、いやいや多忙なことはいいことです。暇でどこからも呼ばれず、芝居もしてないんじゃ、とっくにトムも吐無になってますからね...改めて、気合い入れ直してよか芝居創らんといかんですばい!

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津のホテルからの眺め

2018/10/26
【第1152回】

昨日、「男の純情」無事初日を迎えることが出来ました...冒頭からラストまで笑いが絶えない舞台に仕上がりました。こんな舞台もなかなか珍しいんじゃないかしら?とにかく本が良くできてます。アメリカ、フランスにはこんな喜劇がたくさんあるんですが、こちら島国、湿度が高い日本ではなかなか生れにくい。勤勉、義理人情、とかくべたついた心情がお好きな国に育つと遊び心が無くなってくるのかしら...抱腹絶倒劇でありながら男の哀感がじんわりと滲み出てくるんですから堪りませんな。演劇も多種多様、こんなシチュエーションコメディーを書ける作家はほんまに希少価値です。長年、一緒にやってきた水谷龍二さんにはまだまだ頑張ってもらいたいですね。来年も風間杜夫ひとり芝居の新作を依頼してるんですが、やはり魅力ある役者をイメージするといい本が書けるそうです。

今回も三人三様の魅力ある役者が揃ったこその出来です。まるで当て書きしたかのような設定。芝居を観ながら、そうそうこんな人周りにいるなんて想像を膨らませながら観れるところも楽しみの一つ。笑いってあらためて難しいもんだと思います...ギャグで笑いを取るのではなく、人間の関係性、内面から零れ落ちる笑いこそ観客の心を鷲掴みするんじゃないのかな。おいらがやってるのは演劇ですからね...劇場を出て、男っていくつになっても可愛いね!なんて思ってくれると嬉しいな...なんて感じた初日でした。

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秋の空

2018/10/24
【第1151回】

先日、練馬にあるブレヒトの芝居小屋に行ってきました...ここは1977年に東京練馬区・武蔵関の辺境に on the corner をこころざして劇場を建設し、演出家・広渡常敏を中心とした約70名の劇団員が、常にアクチュアルな演劇を求めつづけた東京演劇アンサンブルの拠点であったが、来年の春には諸事情で閉めるという。芝居創りには拠点なるものがどうしても必要になってくる。じっくりと想を練り、何日もかけて形にしていく作業場に相応しい場を持ちえることは理想だ。しかし、東京の地で維持していくには相当の負担になるので、おのずから辺境の地に構えざるを得ない。でも、共に汗をかき良質なる作品を完成させるためにも、このブレヒトの芝居小屋はベストなのかもしれない。

今回は、温泉ドラゴンの「THE DARK CITY」を観てきました。天井が高い自由な空間を作品に合わせて作り上げた舞台、客席がとても心地良い。芝居の内容とこの空間がなくなることも含めての想いを込めての作・演出のシライケイタの着眼点が素晴らしい。ここ数日報道されてるジャーナリストの怪死、解放など、現代に繋がるジャーナリズムの問いに十分答えうる作品に仕上がっていた。

終演後、今一度芝居小屋を見上げると、都心ではなく辺境の地に掲げられてる演目看板と秋の空が見事に調和していた。こころざしさえあれば芝居はどこだって出来るのだ...

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こころざし

2018/10/22
【第1150回】

今年のライオンズ終わりました...よくやりました辻監督。お金のない球団に、能なしフロントを相手に辻監督の人柄、センスが選手に浸透し、のびのびプレーで開幕から一度も首位を明け渡すことなくリーグ優勝に導きました。源田、山川、秋山、浅村など若い選手が躍動する姿に何度感動したことか。今年程、数多く所沢の球場に足を運んだことはありませんことよ。都心から遠いのによくまあ、あれほどの観客が集まるのかと不思議に思ったこともありましたが、魅力溢れるプレーを魅せてくれれば観に行きたくなるのは当然ですね。おいらが好きな秋山選手のファインプレーを観る度に、これがプロ、銭が取れる選手だと思いました。

反面、今年の投手陣はほんまに情けなかったですバイ・クライマックスでのホークースとの試合、5試合で失点44点なんて、そりゃ勝てませんがな。ペナントレースでも打力で勝てたようなもの...なかでも菊池、これじゃ大リーグに行っても通用しませんよ。メンタルが弱いし、あんな球じゃあきまへん。十亀もひどかったね、この人同じ過ちを何回も繰り返す子供みたいな人ですね。守りは野球の要、ここを補強しないと来年の日本一も無理ですな。残すところ、野球も日本シリーズのみ。ここは、地道に球団を経営し育ててきた広島カープに日本一になってもらいたいですね。いまだにドーム無しの青空球場、広島市民と共に歩んできた姿、どこかの金満球団と違い好感持てますがな...嘗ての西鉄ライオンズみたいです。

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おつかれさまライオンズ

2018/10/19
【第1149回】

「音無美紀子の歌声喫茶」行って来ました...2011年の東日本大震災の一日も早い復興を願い、復興支援活動として、また、人と人との触れ合いが減っていくこの時代、コミュニケーションの場を広げ、もっと日本を元気にしたいという願いを込めて、2011年12月に仲間と立ち上げた音無さん。それ以来100回以上開催、皆さん勿論ボランティア、収益金で被災地を訪問、なんと素敵な人達でしょう。しかも夫である村井國夫さん、長女の麻友美さん、長男の健太郎さん、家族みんなでやってることがいいですね。おいら、昔から歌声喫茶には抵抗感があったのだが、この日ばかりは気持ちよく歌わせて頂きました。これも会場の雰囲気がなせる業でしょうね。本当に温かい会でした...ゲストで来ていた尾藤イサオさん、中尾ミエさんも活き活き歌い語っていました。これも無償の行為だからこそ無心になれるのではないかと思いました。誰かが誰かを思い、アクションを起こす人達が居る限り地球はまだまだ大丈夫じゃないかしら。

次回は12月18日(火)昼開演13時30分、夜開演19時、料金3500円(1ドリンク付き)恵比寿駅西口より徒歩1分、アート・カフェ・フレンズにて。予約・問い合わせ070―5549―1094です。7周年&クリスマスという催しです。

おいらがこんな告知をするのは珍しいことでございます。一緒に舞台を創ってきた、村井國夫さん、音無美紀子さんご家族の息の長い活動に大いに共感したからです。生きていれば嫌なこともたくさんありますが、こんな会に接するとほんまにほっこりいたします。

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継続はチカラなり

2018/10/17
【第1148回】

会社の近くに、ちょいと風変わりなファッションをした若者が実に楽しそうに闊歩しております。そうなんです、すぐ近くにあの有名なデザイナー、コシノ姉妹、山本耀司、高田賢三を輩出した文化服装学院があるんです。いやいや、随分とお目目を楽しまさせてもらってますがな。こんな光景、日本広しといえども新宿JR南口から学校がある約1㎞の区間だけです。まさか、おいらはあんなスタイルは無理としても、ヒントにはなりますな。常に既成の概念を打ち破り新しいものを産み出そうとする精神と行動力に拍手を送りたいですな。

その学院でショーの準備をしてたので、ちょいと覗いてました。多くの若者が集まり、試行錯誤を繰り返している様を見ていてとっても刺激になりました。芝居も同じですね、現状に甘んじていては停滞してしまいますね。それにしても、日本人の体型も随分と変わってきました。手足は長いし、顔はちっちゃいし、西洋人に見劣りしなくなってきてますね。でも、ポッコリ小柄の日本人も可愛いですよ...何から何まで、西洋崇拝、コンプレックスなんて思考はやめにしましょう。日本、そして日本人の魅力はまだまだ捨てたもんじゃございませんことよ。

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前を向いて歩こう!

2018/10/15
【第1147回】

ふとした時間、何の予定もない空白のひととき...そんな不意をつかれた脳に暫しの刺激を与えるのも楽しいものだ。現代ブラジル作家、ジョアン・ギマランイス・ホーザ著「最初の物語」を読む。南米大陸からは、あの奇才ガルシアマルケスを輩出している。我々、東洋の人間にとって計り知れない人々、出来事が日々跋扈しているに違いない。おいらにとっても南米大陸はいまだ摩訶不思議な世界である。この本に出てくる登場人物も、ずば抜けた才能をもつ子供や青年、聖人、ならず者、吸血鬼などなど多種多様だ。なんだか日本昔話を聞かされてる文体も面白い。まるで地を這う人達が、地の底から掘り起こした蠢きを天に差し出してるようでもある。まさしく、文学は面白すぎまっせ!

そんな本を読んだ後の散歩時の空も、日毎、様々な顔を魅せてくれる。なんだか空に、こちらの気分を見透かされてるなと感じるときもある。空の色、雲の形、動き、一瞬で変わる空の表情にドラマを見ているようでもある。健康な頭脳、心身あってこそのひとときだ...そんなおいらを産んでくれた亡き両親に、こんな時間を持たせてくれる周囲の人達に感謝。

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ソラミタカ

2018/10/11
【第1146回】

昨今の若者の、ある志向を反映したお店が増えてますな...先日も、ぶらり散歩してたらおもろそうなお店があったので入ってみました。店の名前が「珈琲杖」素朴な看板がいいじゃありませんか。アパートの入り口を開けるとヤギみたいな髭をはやした兄さんが仏頂面で出てきまして「席は二階です...」急な階段を上がるとレトロな空間があり8席ある席に4人の先客が座っていました。うち一組のアベックは申し訳なさそうなか細い声で会話をしとりました。わざわざ、こんな窮屈なところに来なくてもとも思ったんですが、このヒソヒソ話がまたスペシャルな快感なのかも知れませんな...残りの二人の女性は、心地よく流れるjazzを聴きながらの読書。ここは、まさしく日常から逃れひとり静かに過ごす時空間なんですね。

先日にも紹介しました井の頭公園にある「トムネコゴ」と発想は一緒なんです。自分の拘りを徹底しお客を選んでるんですね。それは良しとしても、おいらが心配したのは、こんなやり方で商売なるのかしら?少ない客席に一杯¥520の珈琲、どう計算しても儲けまでは到達しないんじゃありませんがな...そうなんです!彼らは商売でやってるんじゃありません!彼らの生きる哲学から始めた店なんです。その哲学に共鳴した人達が来るだけで、生きてる実感を確かめたいんです。まあ、それだけ人とのコミュニケーションが難儀になったってことですかね...この時代、一体何を心の糧にしていいのか分からない心の難民が漂流してる気がします。その意味では、こんな主張の仕方での表現、おいらは歓迎しますのことよ。

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独立独行

2018/10/09
【第1145回】

連休も終え季節は秋に向かっています...渥美清さんの俳句を集めた「風天 渥美清のうた」読了。若い頃、寅さん映画は盆と正月と2本観てました。おいらも風天みたいな生き方してたんで、大いに共感し同志愛みたいなものを感じてました。多くの観客も、高度成長経済の真っただ中にいて、寅さん的な生き方に憧れを感じながら観てたんでしょうね。その寅さんが、こんなにたくさんの俳句を作ってたなんて正直びっくりしました。この俳句の中から見えてくるのは、映画に出てくる車寅次郎、俳優・渥美清、本名である田所康夫、そして俳号である風天。言葉の端々、情景、心情からこの四者が見え隠れする...あの厳しい芸能の世界で、あれほどの芸を披瀝しながら心中は自然界、人間界の細やかな形象に心していたんでしょうね。力なき小動物、弱者に対する眼差しは句にくっきりと刻まれています。

僕の好きな俳句は以下の句です。

 

だーれもいない虫籠のなかの胡瓜

ゆうべの台風どこに居たちょうちょ

好きだからつよくぶつけた雪合戦

赤とんぼじつとしたまま明日どうする

お遍路が一列に行く虹の中

ひぐらしは坊さんの生まれかわりか

貸ぶとん運ぶ踊り子悲しい

おふくろ見にきてるビリになりたくない白い靴

 

おいらも一句

風天の思いの丈は無常かな

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そろそろ色づき始めました

2018/10/04
【第1144回】

我が家の月下美人10年振りに咲きました...そりゃそうだ。水だけ与えて他は知らん顔、そうは簡単に咲きませんがな。この月下美人とは、サボテン科・クジャクサボテン属に分類される着生サボテンの1種です。自生地のジャングルでは、老樹の幹や朽ちた木、腐葉土の上などに根を張り育ちます。数日前から、蕾が現れいつなのか?今年も駄目なのか?とやきもきしたんですが、時間は8時、一瞬の間で開きました。この時間はまさしくドラマ、感動もんでございます。なんと言っても一晩限りのご開帳、なんともったいぶった植物でございましょう。しかも香りが良いときたもんで幸せな気分にさせてくれます。月下美人の花は、強い香りを放つことで知られています。「甘く気持ちのよい香り」「上品な香り」「優雅で心地良い香り」と表現される、ジャスミンに似たやわらかい香りで、香水のように鼻をさすような刺激がないことが特徴です。ここでjazzなんぞを聴きながらワインなんぞのシュチュエーションならば、我が家は天国でございます。

ベランダの前の木々も秋の気配を感じます...こうやって周りの自然と共に時の移ろいを堪能できる環境に感謝です。世界から樹木がなくなり、青い空が見えなくなったら...日々、目にする何気ない風景こそ人間にとってかけがえのないものですぞ。

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やっとだね...

2018/10/01
【第1143回】

いやいや、10年ぶりに我がライオンズが優勝しました。毎年毎年、寂しい思いをしたのでとっても嬉しいです。今年は所沢の球場にも良く通いました、終盤にホームランで逆転するたびに狂喜乱舞いたしました。周りのファンとともにおいらには珍しくハイタッチ、こんなことするおいらに驚くほどの喜びようでございました。この神がかった奇跡の逆転劇で手を叩きすぎ腫れちゃいました。なんだか昭和30年前後、西鉄ライオンズに夢中になったキヨシ少年が舞い戻った感じです。なんでこんなに、たかが野球に舞い上がってしまうんだろう...ライオンズが勝利したからって何か得があるのかしら?そうなんです、少年は損得で生きてるんじゃございません。憧れのチーム、選手が活躍するだけでウキウキしちゃうんです。大人になると、このウキウキ感が減少し夢を見なくなっちゃうんですね。野球少年だったおいらは大人になっても、ライオンズを忘れることなく心の宝物としていつもピカピカと磨き続けました。ライオンズと共に生きてきたといっても過言ではないでしょう...こんなものを持ち続けた幸せを痛感いたします。

今年の優勝は辻監督の功績が大です。西武ライオンズ時代に名二塁手であり地味な選手であったのだが、このチームを率いて2年、個性あふれる選手を見事に使いこなす頭脳、人柄があったからこそだと思ってます。監督が目立つチームはいずれ駄目になります...いまはそんな時代ではありません。多種多様な選手をいかに活かすか!それがピタリとあたりました。暫くは辻監督で行きましょう...と、おいらが思ってもフロント次第、あまりお金がない親会社西武だから、あまり期待はしておりませんが、選手がのびのびと楽しくやってる限りファンは応援しますから大丈夫でございます。出来るなら日本一になってくださいね!フレフレライオンズ!

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やった!ライオンズ

2018/09/28
【第1142回】

「男の純情」の稽古が始まりました...稽古初日顔合わせの後、早速初めての本読みをしました。おいら最初から最後まで笑いの連続でした。水谷龍二さんが書いたこの台本はシュチュエーションコメディの傑作のひとつだと思ってます。最初に上演したのが、2002年「乙女の祈り」出演者は、片桐はいり、光浦靖子、山田花子。この組み合わせ観ただけでおもろいなと思いますでしょう。いやはや、抱腹絶倒劇で皆さんお腹抱えて観てましたな。次は2014年「淑女のロマンス」前田美波里、柴田理恵、キムラ緑子という人気、実力とも申し分のない熟女が素敵な芝居を創ってくれました。勿論、笑い満載でありながら熟女の魅力を客席に十分に伝えてました...そして今回、出自の異なる異色キャストが勢揃いしました。シュチュエーションコメディの成否は、やはり出演者の微妙な掛け合いにかかってますね。お互いの腹の探り合いの様が、観客の想像力を掻き立て、その波動が役者に伝わりより演技に拍車がかかるって訳ですね。舞台と観客が織りなす場内のうねりの様をびんびん感じることが出来ればプロデューサー冥利に尽きますがな。

稽古初日という言うことで、稽古場の近くにある韓国料理「ハンラサン」で一杯やりました。

オモニの手作り料理がとっても美味しいお店です。マッコリ飲みながらの談笑が、これまた芝居を観てるようでした...役者という生き物、どんなシュチュエーションであろうとも駆け引きが始まってるんですね。今から本番が楽しみな芝居です。

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昨晩の月

2018/09/26
【第1141回】

長年の友人から、共通の友人が亡くなった知らせが入りました...毎月のように送られてくる散歩中に撮影したであろう鳥の写真付き葉書。ここ三ヶ月ばかり来ないので、どうしたんだろうと思ってました。誰にも知らせず彼岸の世界に旅立ったのもあいつらしいな...頑固な奴でした。青春の真っ盛り、いろんなとこを旅しました。降り積もる雪の中を転げまわったり、山中の露天風呂で酒を酌み交わしたり、そのうち大口論になりお互いに罵倒したりと、お互いにストレートな気持ちを素直にぶつけ合える友でした。どちらかというと体育会系の奴だったんだけど、おいらと付き合うようになると映画、写真などにのめりこむ様になり、映画館から出てくる様は、まるで高倉健のようでもありました。出版系の会社にいたこともあり、おいらが出した2冊の本にはいろいろとアドバイスしてくれました。

今年になって二人の友の死...おいらもあと何年だろうか?なんて、ふと思わざるをえません。人はいずれ死に至る、とりあえず肉体という借りものを借りているだけと思いつつも現生との別れとなると万感胸迫るものがあるのだろうか、それとも意外と淡々としたものであろうか...終活の準備なんて記事をよく目にするが、この年になればそろそろそんなことも考えねばとも思いますが...でも、おいらはとことん人生最後まで楽しみまっせ!楽しみ方も少しずつ変化はしてますが、生きて活かされている以上、人生は祝祭でござんす。

先に逝った奴の分も含めて、まだまだ楽しく、おもろく、可笑しく、人生しますがな。

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黄昏時の井の頭公園

2018/09/20
【第1140回】

「にっぽん男女騒乱記」18日横浜で千秋楽を無事終えました。最後のステージも役者さん気合十分で見ごたえありました。消えゆく紙芝居への郷愁、母と子の絆、遊郭を舞台に逞しく生きる庶民の哀感が色濃く表現された舞台でありました。作者が描く人物は皆、貧しくともぴかぴか輝いてます...博多に住んでたおいらの少年時代には、似たような人達が沢山いました。金はなくとも心は錦、心意気で生きてる人の姿にいろんなことを教わりました。そして、人はどんな立場に立とうとも心優しき男であれということを心身に刻み込まれました。遊郭のお姉さん、土方のあんちゃん、博打打ちのおっさん...どれもこれもドラマになりますバイ。今回の芝居を観ながら60年前の博多を想い出しました。

それにしても、芝居は、やはりチームワークですね。5人しか登場しない芝居でありながら、その当時の空気を存分に描き出す役者のチカラに改めて胸に迫るものがありました。5人の気持ちがひとつにならないと出来るものではありません。得てして役者という生き物自己中になりがちの人も多々居ますが、作品良ければおのずと我を捨て本の持つチカラ惹き寄せられるんですね。何度も言いますけど、芝居の出来は本で決まります...命を削って書いた本には、当然のことながら血が通っています。創作劇ばかりやってること自体が博打なんですが、いい作品に仕上がると、その喜びもたまりませんことよ。

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みなとみらい

2018/09/18
【第1139回】

ヤン・ラングレンピアノトリオの演奏を聴きに行ってきました...北欧スウェーデンの音楽世界、端正にも、美しく織り上げられる音楽は、ノスタルジックであり、優しさに満ちたサウンドでありました。おいらも10年前に「BLUE LIGHTS」のCDを購入し、疲れた時に耳にすると妙に落ち着きます。その後、4枚ほどのCDを手に入れ、彼が育った北の大地の厳しさを共有しながら至福のひとときを暫し楽しませて頂いております。スカンジナビアに位置し、数多くのアメリカ人ジャズ・アーティストを迎え、伝統を育んできたスウェーデンには、独特の安定感と、穏やかさ、緩やかな抒情が漂います。ジャンルから言えば、ビル・エヴァンスに近いかな...でも、jazzの世界では、まだまだマイナーなのかな。この日の杉並公会堂(客席1100)も半分の入り。でもイケメンのラングレンさん、心を込めて2時間半もの間演奏してくださいました。音響効果が優れた会館に響き渡るトリオの演奏は、それはそれは言葉で表すことが出来ない時空間でございました。常日頃、演劇を観劇し言葉に追われ熟考せざるを得ないおいらにとっては、心地よい珠玉のサウンドのシャワーを浴び心身を解き放たれる時間でもありました。瞼を閉じ、透明感溢れるピアノの音色を聴きながら...ホンマにjazzは極楽浄土の世界でございます。

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新宿の秋祭り

2018/09/13
【第1138回】

川口俊和著「コーヒーが冷めないうちに」読了、いや半了...なんですかいなこの物語。ホンマにチープですわ。ここ最近読んだ中でもワーストもんです。こんな安っぽいストーリーで荒波に揉まれ人生を生きてきた人間が泣きませんがな。でも、世間では多くの人が4度泣いたとか、涙がちょちょぎれたとか、そんな商魂に乗って9月21日から映画が公開されるそうな...今の世の中の流れを象徴してますな。軽佻浮薄なものを乱作し、おつむを軽石にしようという戦略が着々と進行してます。なんでんかんでんコミックでヒットさせテレビ映画化して安易に大金を手にする商業資本の手の内が見えてきますな。おっとどっこい、おいらはその手にゃ乗りませんぜ。この本を早々と手放し、今は先日、芥川賞を受賞した高橋弘希著「送り火」を読んどります。あまりにも青臭い文章の後だけに、やはり文学の匂いは感じます。といっても、最近の賞レースも本が売れなくなっているので、なんとなく売らんがための受賞が多い気がしますね。うっかり購入して古本屋なんてことも多々あるそうな。でも、古本屋も店仕舞いしてるところが多いので、この循環コースは必要かもね。先日、古書店の聖地神保町に行ったのだが寂しくなりましたね。店の前に並べてある掘り出し物の本を物色してる人の年齢層があまりにも高すぎる。昔は貧乏学生が、目の色変えて少しでも安く良書をと鵜の目鷹の目で群がっておりました。本を読まんと人生豊かに送れませんことよ...新聞も読まない、本も読まない人が多数を占めてくる国に未来はありませんぜ。

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久し振りのパエリア

2018/09/10
【第1137回】

連日、災害の報道ばかり...地球滅亡のシナリオは確実に進行してるんでしょうか?北海道の地震に遭遇し16歳で土砂に埋もれて命を落とした高校生の記事を読みながら、人の運命の惨さを思い知らされました。生と死を分けるその境界はなんなんだろうか?歩道を歩いてる時、乗り物に乗っている時、安らかに眠りについているときさえ、生と死の選択が絶えず迫られている。幸いにして、おいらはここ迄生きることへの選択を授けられた。感謝感謝でございます。残された人生、世のため人のために生きねばバチが飛んできますね...昨日も芝居の終演後、役者の皆さんと呑んでるときに2020年のオリンピックの話題で盛り上がりました。全員、猛暑の中でのオリンピック反対、そのお金で地震、台風など自然災害で被害にあった人、地域を救うべきであるということで一致しました。

今回の芝居の中で、音無美紀子さん演じる遊郭の女将が、幼くして亡くなった我が子に対しての思いを吐露する台詞「あの子が生きとったら、あんくらいの年やな...一才で亡うなって、もっと生かしてやりたかったな...戦争中よう思いよった、うちはあの子が生きとったら絶対に戦争なんかに行かさんち...非国民と罵られても、ウチはあの子を守っちゃるっち...生きとったらどげな男になったんやろな」

この台詞だけで、母と子の情愛、平和への祈りが込められている。芝居が限られた観客の中でリアルに問いかける言葉が、いつしか世界に蔓延し少しでもましな世の中になる一助になればと願う。芝居観たことない人この指止まれ...なかなかのもんですバイ。

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逞しき野花

2018/09/07
【第1136回】

5日に幕を開けた「にっぽん男女騒乱記」も順調に今日3日目を迎えます。とてもいい芝居に仕上がりお客様も満足気に劇場を後にしています。観客を前にすると役者のギアも一気に上がるもんだと...いや、芝居は観客と一緒に創っていくものだと改めて思い知らされた次第です。

それよりも、今回の北海道地震が心配です。つい一週間前まで風間杜夫一芝居「ピース」でお世話になったところを直撃し、いまだにインフラがままならない状態が続いています。活断層がない所で起こった想定外の地震。日本には2000の活断層が確認されてるんですが、隠れ活断層が4000あるといわれています。世界でもこれだけ地震多発な国はないそうです。今回も北海道に唯一存在する泊原発所が危なかったらしいです。冷却する電源が途切れる状態があり、緊迫したことがあまり報道されなかったところに、なんだか国と電力会社の今なお原発を継続しようとする意図が見え隠れしてる気がします。真剣に、日本のエネルギーについての対策がなされてないところに一番の問題があるんじゃないかと思います。

水害、地震、猛暑、今年の夏は大変な年になりました。いやいや、安心してはなりません...来年、再来年、更なる天災が予想されてます。オリンピック?今から中止にしても遅くありませんことよ。自然の神様の警告が度重なる災害です。どう考えてみても更なる猛暑、台風、地震の恐怖の中で競技どころではないでしょう...そう思ってる人、かなり居ると思うんですがね。思い切って手を挙げ声に出しましょう皆の衆。

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北海道庁旧本庁舎は大丈夫かな?

2018/09/05
【第1135回】

そうだ!北海道と言えば札幌ラーメンですね...おいらは博多の人間やけん豚骨が一番だと思っとります。でも、北海道に来るとなぜか札幌味噌ラーメンが食べとうなります。それもここ最近にやっとその気になりました。というのも東京はじめ全国津々浦々、豚骨ラーメンブーム。しかも高い値段付けやがってなんばしようとか!と怒り心頭、¥700以上する豚骨はおいらの中ではストライキ状態でございました。たかが豚骨分際で¥900~¥1000なんて有り得ない。焼酎も然り、己をわきまえてのそれ相当の値段設定が当たり前でしょう。そんなわけで、北海道に来ると、何故かラーメンブームを巻き起こした元祖である札幌ラーメンに敬意を払って食するようになりました。麺のおいしさ、味噌の味、昭和30年代から8年かけて創意工夫された結果誕生した逸品です。半世紀前、初めての北海道での旅で食べた味噌ラーメン、博多育ちのおいらは、なんがおいしいと?と一蹴したもんです。東京に住むようになっても食べませんでした。昭和43年、新宿三丁目に出店した豚骨「桂花ラーメン」ができるや否や喜び勇んで出かけたもんです。おいらの四国出身の友人なんか一日三杯食べてました。それがたちまち豚骨ブームになって荒れ放題、余程のことがない限り食べませんがな...と、3日前に食べた札幌ラーメンのことを思い出しましたとさ。

今日は「にっぽん男女騒乱記」の初日です。さてさて、どんな仕上がりになっているのか?とても楽しみです。それにしても「ピース」の公演、そして今回、台風の影響もなく公演が出来てるってことは、おいらも含めて関わってる面々の日頃の行いがいいんでしょうな...

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機内からの景色

2018/09/03
【第1134回】

7月28日沖縄からスタートした風間杜夫ひとり芝居「ピース」、昨日、北海道稚内で無事千秋楽を迎えることが出来ました。それにしても沖縄から北海道なかなかワイルドな旅でございました。風間杜夫という俳優のとてつもないエネルギーとサービス精神、そして何よりも役者としての飽くなき挑戦、探求心にはただただ感嘆しきりでございます。

おいらも北海道に行って参りました。満員のお客様の満足した表情がすべてを物語っていましたね。地元ネタも入れながらのアドリブに客席は大爆笑。これぞライブです!一人しか出演していないのに、何人もの登場人物が見えてくるのがひとり芝居の醍醐味ですな。来年の秋には、新作を加えての平和三部作一挙上演を敢行いたします。一人で三時間半、70歳の風間杜夫が舞台で古希祝いを兼ねて躍動いたします。プロデューサーのおいらが一番楽しみにしているのかもね。

3年ぶりの札幌...いつ来ても北海道はでっかい道ですな。道は広いな大きいな、空も青いな無限大、身も心も開放され、いつまでも歩いていられます。北海道庁旧本庁舎前のれんが通りでイベントをやってました。シンガーソングライターの歌声も大空に響き渡り、ええ歌に聞こえますがな。沖縄然り、北海道然り、東京から遠く離れたところは、やっぱりよかですばい。

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貴重な絵画きの時計台(工事中)

2018/08/31
【第1133回】

帝国劇場にて「騎士物語」観劇...堂本光一、井上芳雄という若手人気実力者の初共演ということもあり劇場は女性ファンが大挙来場。女子トイレには大行列、いやいやウーマンパワーに圧倒されちゃいます。ガラガラの男子トイレに申し訳ない感じで入るありさまでございます。何といってもお客様があっての演劇です...ライブの持つチカラ、魅力を十分に感じ取っていただいて、じゃあストレ―トプレイも観てみるか!なんて観客が増えれば言うことありませんな。今回の芝居、脚本・演出ジョン・ケアードのしなやかな演出によっていい作品に仕上がっていると思います。音楽に和楽器を取り入れ、ダンスのシーンでも画期的な振り付けを施し日本とヨーロッパのスタイルを融合させようという演出意図が明確に表現され観客を飽きさせません。それを支える島田歌穂さんほかベテラン実力俳優の安定した芝居が、より上質な芝居にしています。

今日で8月も終わりです。夏休み明けの児童の自殺が多いそうです...又、勉強かと憂鬱になる気持ちよくわかります。学力至上主義の社会のシステムなんとかせんとなりませんな。勉強がいくらできてもロクでもない政治家、役人生み出すばかりじゃありませんか!遊び心のない教育からは不毛の社会が蔓延るのは至極当然。芝居には遊び心満載、必死科目で楽しい教育現場にしてみませんか...夏休み返上で早く学校に行きたい!なんて子供が増えます倍。

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秋の予感

2018/08/29
【第1132回】

新宿の街も暑さのために、異常な人たちがあちらこちらで活躍しとります...今日も新宿海水浴場と勘違いしたであろう男がうろうろしてました。広場のポールに写真機を置きポーズを取ったり、一人リズムを取りながら小刻みに踊ったり...道行く人もそんなに関心を示さないのでちょいとがっかりしてた感じです。もっと耳目を集めたかったんでしょうかね、いや甘すぎですぞ!ここは世界に冠たる奇人変人を数多く輩出した新宿です。少々の奇抜さでは振り向きも驚きもしませんがな。彼のパフォーマンスもどことなくどん臭く今一つ目を引きません。あまりの反応なさに引き上げてしまいました。次なる場所に移動したのか、トイレに入り普段着に着替え日常に戻ったのか知りませんが...ゲイでもスターになれますよ!なんて宣伝車が派手に走っている脇には、国籍不明なホームレスの人たちが投げ銭缶を前にしてうつろな表情をしていました。もしや、富裕層の旅行者ばかりではなくホームレスの出稼ぎかもしれませんな。それにしても中国、韓国、台湾のひとたちがわんさか動き回っています。時には日本人であることで肩身が狭いなんて感じることもあります。間違いなく100年後の日本の大都市は様変わりしてるに違いない。街の表示板の順序も日本語は3番目か4番目、いやいや、そんな街には住みたくありませんな...大企業でも、社内では英語優先で語られ日本語の会話禁止なんてことが進行中です。この馬鹿垂れが!と言いたい。世界にこれほど美しく深淵な言語は日本語しかありません...この言語の国に生まれたことに至上の喜びと幸せを自覚しないと後悔しますよ皆の衆。

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新宿奇人変人列伝

2018/08/27
【第1131回】

箱根、彫刻の森美術館に行ってきました...おいら昔から観光については、ちょいとへそ曲がりなところがありまして、誰しもが行く定番の人気スポットには足が遠のく性癖がありましてね。要するに写真、動画、雑誌で華々しく紹介され物見遊山的な人たちがあるところが苦手なんでございます。旅とは自分の感性を信じ、己でその土地と生活者の生の姿を五感で感じることだと思ってます。おいらの旅の記録はそうやってコツコツと蓄積され、人間形成の一助になっていると勝手に考えています。

今回の彫刻の森美術館はおいらの想像を超える素敵な場所でありました。自然の中に自己主張している作品が生き生きしているさまに爽快さを感じさせてくれました。ある意味では、箱根の自然の中であるからこそ作品としての存在感を示し得ているのではないか...この作品群を観ながら、改めて自然との調和こそがこれからの地球の未来の可能性が残されてるんではないか...少々、オーバーかも知れないが、そんなことをふと考えさせてくれる貴重な場所かも知れませんね。夏休みと言うこともあって子どもたちもたくさん来館し、抽象彫刻を不思議な顔をしながら眺めてました。室内でなく風の音、鳥の声、雲の流れ、箱根の山脈を眺めながら作品に対峙できることがなんと言っても素晴らしい。ほどほど歩いたところにピカソ館があるのもいいですな。冷房の効いたところでピカソの生涯変わらない愛、情熱、挑戦、遊び心の変遷を再認識。子供の想像力を喚起させる所かも知れませんね...

へそ曲がりも損することもありますよ...そんなことを気づかせてくれた一日でした。

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自然があってこそ...

2018/08/24
【第1130回】

蝉が最後のチカラを振絞って鳴いております...精一杯泣き続けた後の姿がなんとも愛おしい。おなかを天に向けて道のあちこちに転がっています。3年から17年幼虫として土の中で暮らし長くても一か月で命を終える。ミンミンと鳴いてるのは雌に合図を送ってる雄のみです。雌はこの短い一生のうちに一度しか交尾できません。蝉の世界では男女ほぼ同数というわけだから、人間社会と同じでモテモテ男は複数の愛を与えられ、持てない雄蝉は一度の交尾をすることなく一生を終えることとなる。長い苦闘の末、世の中に出てきたのになんとも不憫ではありませんか...そんなことを考えながら、台風の余波を受けた首都圏での蝉の命の叫びを聴いております。おいらにも愛をくれ!まだまだ愛が足りない!双方の声が入り乱れ愛の戦場になっとります。と、蝉が突如ゼロ戦の如く飛翔し壁にぶち当たり短い一生を終えました。何だか神風特攻隊を思わせる一瞬の出来事...こんなことを連想させるのも8月という季節だからでしょう。愛の戦いは良しとしても、武器を手にしての戦いは許されるものではありません。残り少ない8月、もう一度平和の大切さを噛みしめたいものですね。

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百日紅

2018/08/22
【第1129回】

盛り上がった甲子園も終わりましたね...秋田地元出身だけの県立高校、誰しも判官贔屓しますがな。今や高校野球も、名門校は全国から少年野球のスター選手を集めてプロ並みの管理の下の野球漬け。そんななか農業の勉強してプロ級の優勝候補のチームをなぎ倒して決勝戦まで駒を進めたんですから大騒ぎになりますな。エースの吉田君が予選から全試合完投なんてどんな身体しとるんやろか?プロに行った途端、鉄腕がぼろぼろ腕なんてことも考えちゃいます。でもこの金足農業高校の選手達、ほんとうに野球を楽しんでプレーしてるんだなという姿がひしひしと伝わってきます。アマチュア野球の魅力を存分に感じさせるスタイルはあらためて野球はいいなと思いました。おいらも甲子園、いや西鉄ライオンズの選手になりたかった...でも、おいらの性格からしてやっぱり団体競技に向いてないなと思います。中学時代監督に物申し喧嘩して野球を断念しました...言わずにおれない気性がさすらいの人生の始まりました。でもね、そんな経験を経てこそいまのおいらがあるとは思ってますんがな。

昨日は、東京ドームに行って来ました。ロッテ主催のライオンズ戦...地鳴りがするようなロッテの応援団の凄まじさ。おいらは苦手ですな、サンフランシスコにあるドジャースの本拠地で観た野球場の風景が懐かしい...敵味方関係なく好プレーが出れば老若男女誰しもが拍手、鳴り物は一切無し、観客が本当に野球を楽しんでいる姿に感動。軍国主義みたいな応援おいらは好きでありまっせん。野球も芝居も同じ、人によって受け取り方も千差万別、大切な時間とお金を費やして来てるんですから強制しないでちょうだいな!と言いたい。プロ野球も終盤、果たしてライオンズは10年振りの優勝なりますかな?まだまだはらはらどきどきの日々でございます。

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ロッテファンで真っ白け

2018/08/20
【第1128回】

吉祥寺は住みたい街のトップになる地域らしい...おいらも近いので良く出かけるのであるが、公園有り、昔ながらの闇市がそのまま残った飲み屋街有り、jazz喫茶有りなどなど老若男女誰しもが楽しめる佇まいが受けてる要因ではなかろうか。井の頭恩賜公園では土曜日、日曜日はたくさんの出店が色とりどりの手作りアクセサリー、オモチャを並べ散歩してる人達を楽しませてくれる。勿論、様々な大道芸人が競って芸を御披露して子どもたちも大喜び。このお手頃な広さの中で自由に選択出来るところがミソですな...新宿、渋谷、銀座、六本木、青山どこにもあてはまらないエリアである。昨日もブラリ散歩してると気になる喫茶店を見つけ珈琲を一杯。店内にはjazzのレコードが優しく流れ日常を忘れさせてくれる...ここのオーナー、カップルで来るお客にわざわざ「ここは会話するところでないですが、よろしいでしょうか?」なんて言葉を掛けていた。なるほど店内に入るとjazzをBGM代わりに読書したり、ぼんやりしたり、思考・思索に耽るところなんですね。このオーナーの拘りもたいしたもんでございます。商売より信念に近い生き方を貫いて行きたいんでしょうな...なのに喫煙は許されてる...てなとこがまたおもろいやんけ。店内のインテリアがまたまた個性的。まとめようとしていながらまとまっていないのだが主張は理解できる。このがたくら精神こそがこの店の真骨頂ではなかろうか。まあお客を選んでるんですね...同じ価値観を持った人と時間と空気を共有したい。窓から見えるベランダには鳥寄せ餌付け箱もありましたな。このオーナーまさか鳥たちにも同じ価値観を求めてるんでしょうかね?いやいや、いろんな思いを巡らせてくれるお店でございました。

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ふらり立ち寄ってみたら...

2018/08/17
【第1127回】

終戦記念日、お盆の時期に合わせた今回の風間杜夫一人芝居「ピース」東京公演、池袋あうるすぽっとで無事終えることが出来ました。劇中で杜夫ちゃんが唱える般若心経が、戦場、災害で、そして身近の亡くなった人たちに届くようでございました。まさしくタイムリーな企画であったと思います。笑いの中に平和の大切さ、家族への愛が込められた一人芝居。連日大入り満員のお客様も満足気に劇場を後にしていました。この東京公演に限り、今年4月に67歳で亡くなったおいらと杜夫ちゃん長年の友、歌手紀藤ひろしのアルバムジャケットを拡大し居酒屋のシーンで飾りました。勿論彼の曲も流しました。このお盆の時期、彼も会場のどこかに居るような気がしました。亡き人を偲ぶ形も様々でございます...肉体が滅んでも、魂は生者の思いでいくらでも呼び戻すことができ対話し続けることができるんですね。今回の芝居の出色な点は、彼岸の世界がこんなにも楽しいところなのかと思わせるシーンではなかろうか...この芝居を観て、この悩み苦しい此岸の世界を一刻も離れて、早く彼岸の世界に行きたいわ!なんて気分にさせてしまうくらいの楽しさ面白さ満載でございました。これもひとえに風間杜夫の圧倒的な表現力の為す技ではなかろうか。勿論、水谷龍二という作・演出家と長年築いてきた信頼感があってこそのことではあるが...やっぱり芝居はいいもんだ。手作りでつくったものを、時間とお金をかけて劇場に足を運んでいただいたお客さんと素敵な時間を共有できるんだもん...こんな場に居れることだけで感謝!またいい芝居創らなければとの思いを強くした次第でございます。

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池袋の空

2018/08/13
【第1126回】

世間は盆休み、電車に乗るとキャリーバッグを手にして帰郷かな、旅行かな、働きに行く顔と違い嬉々とした表情をしています。ええこっちゃ!こんな時にこそ、思いきり心身を思いきり開放し新しい風を吹き込まないと...おいらは、週末2本の芝居を観てきました。まずは新劇の女優さん7人で結成したOn7の芝居「その頬、熱線に焼かれ」広島で被爆した原爆乙女の話です。25人の被爆女性が原爆投下国アメリカに治療に行った話です。この地で過ごした乙女の心情は如何許かりであったろうか...その苦渋を7人の女優が真摯に演じてました。戦争も知らない彼女たちが、こうやって演劇を通して戦争、原爆のことを伝えていく地道な活動に拍手を送りたい。あと数年で戦争体験者も皆無になってしまいます。誰かがバトンタッチをしないと間違いなく歴史は繰り返されます。

昨日は、ベテラン俳優の芝居を観劇。八千草薫さん村井國夫さんが共演した「黄昏」。37年前にヘンリーフォンダとジェーン・フォンダという実の親子が実生活を投影したような関係を描きながら、その二人にキャサリン・ヘップバーンが絡む映画がありましたな。それを87歳になる八千草さんと村井さんが淡々と演じてました。村井さんの硬軟併せ持つしなやかな演技が光ります。トム・プロジェクトの作品にも2度出演して頂いたんですけど、実に惚れ惚れする演技に魅了されます。今回も、間違いなく村井國夫さんがしっかりと舞台を締めていました。老い、家族、これからの人生の過ごし方のヒントになる作品かも知れませんね。

少し暑さも一段落したかなと思いきや、今日も熱中症注意報が出ています。こんな時、野に咲く花に出会うと一服の清涼剤になりますね。一句「ひっそりと活きて生きたい夏の花」。

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夏の花

2018/08/10
【第1125回】

昨日も11時2分、長崎に原爆が投下されて73年目、長崎に向かって1分間黙祷しました。それにしても長崎市長の田上さん、いつもの粛然たる姿を見るたびに、この市長のもとで長崎市民が平和について地道な活動をしていることを心強く思いました。今回の平和宣言で長崎の核兵器廃絶運動を長年牽引し、昨年亡くなった二人の被爆者の言葉が印象的でした。その一人の土山秀夫さんは、核兵器に頼ろうとする国々のリーダーに対し、こう述べています。「あなた方が核兵器を所有し、またこれから保有しようとすることは、何の自慢にもならない。それどころか恥ずべき人道に対する犯罪の加担者となりかねないことを知るべきである」。もう一人の被爆者、谷口稜曄さんはこう述べました。「核兵器と人類は共存できないのです。こんな苦しみは、もう私たちだけでたくさんです。人間が人間として生きていくためには、地球上に一発たりとも核兵器を残してはなりません」。

そんな思いも届くことなくこの国の首相は、唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」の実現に向けての核禁条約には参加しないとする立場を維持している。昨日も苦々しい顔もせず、この問題に触れることない形式だけの演説をしていました。

沖縄の翁長知事もなくなりました。この方はもともと自民党員でありながら、政府の沖縄に対する上目線の姿勢に怒りを覚え政府と対決するようになりました。おいらも先月沖縄に行ってきました。一等地はすべて米軍基地、タクシー運転手さんも諦めに近い溜息をついていました。いつまでこの状態が続くのだろうか...沖縄の明るさの裏には深い悲しみが宿ってる気がします。この日本の今ある平和は数多くの先人の犠牲の上に成り立っていること、そして核兵器然り、沖縄然り、他人事としてではなく自分の問題としてもう一度何をなすべきか沈思黙考するに値する8月だと思います。

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しっかりせんと...

2018/08/08
【第1124回】

夏祭り真っ盛り、その主役は花火じゃなかろうか...華やかに打ち上げられ消えていく様を見てると人生そのものだ。シュルシュルと上がって、夜空の広大な闇に広がる光のショーは思わず掛け声を掛けたくなる。そして、あの消えていく瞬間がたまりませんですな。人生の喜怒哀楽も瞬間で次なるステップを余儀なくされる。その余韻を感じる間がなんとも愛おしい...おいらが子供の頃の役割は花火大会の場所取りでありました。博多の街では中洲、大濠公園が花火大会の会場でした。繁華街であった中洲の場所取りは怖かったな。ゴザの上に陣取ったおいらを睨みつけ「誰の許可でおるとや?」明らかに中洲を牛耳ってるやくざのチンピラのあんちゃんが凄味を利かしてくる。みかじめ料でもあるまいし、ここは市の土地であるにもかかわらず脅してくる。ここですごすごと立ち退くようでは男じゃない!ちっこい身体を張ってがんとして動かないおいらに業を煮やしながらも立ち去るあんちゃんの背を見ながら、おいらやくざに勝ったばい!と勝利の余韻に浸っておりました。大濠公園では場所取りとラムネ売りを兼ねていて大変でした。思えば花火を鑑賞するよりも、小遣い銭稼ぎの方が重要案件であり、唯ひたすらにラムネ売りに没頭してた記憶があります。場所取りしてたことも忘れラムネが売れる度においらの頭はそろばんになっとりました。

昨今の花火大会、会場に向かう娘さん達のカラフルな簡易浴衣に身を包み嬉々とした表情を見る度に、ほんなごついい時代になったと改めて平和に感謝。

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たまや~かぎや~

2018/08/06
【第1123回】

73年前の今日8時15分に広島に原爆が投下されました。広島に向かって1分間黙祷しました。その日の地獄絵図が脳裏を駆け巡ります...熱かっただろうね、痛かっただろうね、水が欲しかったんだろうね、こんな事実があったにもかかわらず2018年になった今でも残念ながら...この地球の上には14205~14955発もの核弾頭が存在しているのが現状なのです。ほんまにあんぽんたんな人間でございます。昨年ノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が提案し122カ国が国連の核廃絶条約に賛成したのに米英など、核保有が知られている9カ国はいずれも賛成しなかった。そして日本も。こんなことあるんかいな...唯一の被爆国なのにトランプの顔色うかがっての判断。こんなこと断じて許してならんです。原爆そして無益な戦争、こんなことで無念にも死んでいった人たちの心情を思うと涙が出てきます。

先週の土曜日、メットライフドーム(西武球場)に行ってきました。いやいや蒸し風呂ですたい。すり鉢状の観客席は皆、団扇を扇いでの観戦。この日は残念ながらライオンはハムを食べつくすことが出来ませんでした。ぺろりと食べてほしかったんですがね...この日、感心したのは、前日の敗戦の因を作った選手をスターティングメンバーに起用した日本ハムファイターズ栗山監督。決定的なエラーをした選手にチャンスを与えた監督に感動しました。結果は出せなかったのだが、おいらも敵ながら思わずヒットを打ってくれと願わずにはいられなかった...あのエラーがなかったら間違いなく勝利したに違いないくらいの致命的なエラーで、青ざめた顔でベンチに引き上げ茫然自失な表情が辛かった。人生も同じ、失敗もするさ!そんな時にそっと救いの手を伸ばしてくれる家族、上司、友人がいれば間違いなく再起できるに違いない。この日はゲームよりも、この選手の守備、打撃が気になってライオンズの負けもそんなに気になりませんでした。野球っていろんなドラマを魅せてくれるんですね...

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10年振りの優勝なるかな?

2018/08/03
【第1122回】

夏のお祭り真っ盛り...家の近くの広場で昨日もちびっ子盆踊りやってました。このクソ暑いのに子供はピチピチキラキラと元気よく踊ってました。浴衣姿が可愛いですな...おいらも子供の頃、ガラの広っぱ(石炭カスを捨てられ、後広場になったところ)で盆踊りがありました。戦後間もない頃で、それはそれは裸電球がチラホラと吊られ質素なお祭りでしたが、炭坑節が流れると老若男女入り乱れ、博多もん特有のぼせもんエネルギーが爆発し一気に盛り上がりました。綿飴、水飴しゃぶりながらおいらは憧れのお嬢さんの一挙手一投足に眼が点になっとりました。その子は、当時の地域では珍しく貿易の仕事をしてる家庭で育ってるんで、なんとも異国の匂いがプンプンと漂い、洟垂れ小僧仲間にとっては垂涎の的でございました。あんたんこと好いとう...なんて言おうもんなら、なんて馬鹿なこと言いよっと...なんて言葉が返ってきそうで強気のおいらもついつい思いとどまってしまいましたばい。広場ってとっても大切な空間だと思います。見知らぬ人が出逢い、そこで開催されるお祭り事で喜び楽しみを共有し、人生の想い出として己の心の隙間に宝物としてそっとしまい込まれる...そんな日常の積み重ねが人としての人格を形成していくんじゃないかしら。

博多山笠も終わり、今は東北三大祭り「青森ねぶた祭」「秋田竿燈祭」「仙台七夕祭」の時期でございます。こんなお祭りも平和だからこそ出来るもんでございます。来週は広島、長崎に原爆が投下された日が来ます。平和であることについて真摯に向き合う週にしたいものですね。

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ちびっ子盆踊り

2018/08/02
【第1121回】

9月に上演する「にっぽん男女騒乱記」の稽古が猛暑の中始まりました。トム・プロジェクトでもお馴染みの東憲司さんの新作です。チラシ、ポスター見ただけでなんだか騒乱しちゃいますね...戦後間もない九州のある地域が舞台で面白く、可笑しく、逞しく生き抜いた人たちの物語です。世の中すべからくスマートになった昨今、武骨に必死に生きてる人間は懐かしい気がします。まさしく、おいらの少年時代の話です。少年時代、立ち入り禁止地域である鉄道線路に侵入し鉄くず拾ってアイスキャンデーを買った時代です。鉄くずを集める元締めは在日の人たちでした。おいらはすばしっこいガキでした。よそのガキが鼻水たらし拭ってる隙にちゃかり鉄くずを拾い集め換金するのも早かった。のんびりしてると生き残っていけない時代だったんですね...最初の本読みを耳にしながら、そんなことを思い出しました。今回の登場人物のなかにも似たようなインチキ親父、娼婦のねえさん、ちょいと頭の足りないあんちゃん...居ましたな。インテリを装ってよその嫁さんにちょっかい出す親父いたな。色白なハンサムやせ型、一応女性に持てそうな容貌をしてたんだが所詮はヒモ男。彼の辞書には働くという語彙が皆無でした。子供のおいらにも稼いだお金で買ったキャンデーをせびるんですから困ったもんでございます。この親父はおいらの人生の中でも立派な反面教師になっとります「自分の人生は自力で生きる」と。

猛暑も中ではありますが、キャスト・スタッフのみなさん9月5日の初日に向けておもしろか芝居創りましょうね!

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夏祭りのあと

2018/07/31
【第1120回】

沖縄より只今戻ってまいりました...2018国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ「りっかりっかフェスティバル」に風間杜夫一人芝居「ピース」が招聘され行ってまいりました。沖縄に真の平和をと言ったところでしょうか...28日29日の2ステージだったんですが、早々にチケット完売、29日は追加公演までやってきました。沖縄の皆さんの芝居の反応もよく大成功、鳴り止まぬ拍手でおいらも感動しちゃいました。それに急遽決まった「銘苅シャイニングキッズ」の13名のダンサーが応援に駆け付け踊ってくれました。まさしく一人芝居に華を添えてくれましたね。沖縄の人達は本当に優しくのんびりしてます...思わずおいらもほっこりして嬉しくなっちゃいます。タクシーに乗っても、飲んでいても、心身ともにほぐれ「なんくるないさ」と思わず言葉が出てきてしまいそう...そうなると、ついつい夜の宴会で泡盛を飲みすぎちゃいます。この泡盛がアルコール度数が高いにもかかわらず翌日に残らないから困ったもんでございます。首里の古民家を居酒屋にした「あしびうなぁ」とってもよござんした。料理は良し、沖縄に来て飲んでる雰囲気がたまらんですばい。ついついこちらに住み日々来たくなるお店です...というのも、沖縄もすっかり都会の佇まいに近くなり、沖縄らしさを探すのも一苦労。そんな時に、こんな店を見つけると飲んべい共は嬉々とした顔になります。それにしても3日間、よく飲みましたな。杜夫ちゃん、スタッフの皆さん本当にお疲れさまでした。でも、このツアーやっとスタートしたばかりです。東京公演も含めて9月1日の北海道稚内公演まで猛暑が続く中、どうか無事に千秋楽を迎えることができますようにとプロデューサーのおいらは祈るのみです。

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沖縄2018

2018/07/27
【第1119回】

オルゴールの想い出...少年時代、オルゴールを貰い毎日聴いてました。「エリーゼのために」
あの手巻きの瞬間がなんとも夢の世界に誘ってくれるようであり音楽の目覚めだったのかもしれません。手動でネジを巻くなんてこと自体が、己の身体を通して器械に音色を送り込んでるみたいでワクワク、ドキドキ...このアナログ感やはり正しいのかもしれません。身の回りの物を見るとほとんどがデジタル、便利なのはいいのかもしれないが何とも味気ない。何かを生み出すのにはそれなりの労力が必要だし、生み出す過程を楽しむこと自体に価値がある時代が来る予感さえします。まさしく歴史は繰り返される...ゴールデン街の「ポニー」という店では、今時珍しい手巻き蓄音機が置いてあります。手動で立ち上げ針をレコード盤に落とすそのときめき感はたまりません。そして何よりも流れる音が肉声に近い。目の前で歌手がマイクを握り歌ってる感じがするんですから唯々感動しちゃいます。こんな風に日常の生活の中から、アナログ、ローテク感あふれるイロイロを見つけると和みます。デジタル世界は人をストレスの世界に誘導してるんじゃないかしら?
今年2月に上演した「Sing a Song」。この芝居で主演した戸田恵子さんが菊田一夫演劇賞を受賞し、そのお礼として戸田さんがキャスト・スタッフ全員にオルゴールを贈ってくれました。我が家にも置いてあります。時々、少年の頃を想い出し一巻き二巻き...あの芝居のラストで戸田さんが歌った「リリー・マルレーン」が心地よく流れてきます

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椅子まで付いてます♪

2018/07/25
【第1118回】

今週の28日~29日、沖縄の演劇フェスティバルで風間杜夫ひとり芝居「ピース」公演のための最終稽古を錦糸町の稽古場でやってます。いやこの暑さ、稽古場に行くだけで汗だらだらでございます。稽古場に向かう途中に聳え立つスカイツリーももう勘弁してください!という声が聞こえてきます。稽古場は、もちろんクーラーで癒されますが、いざ稽古が始まると杜夫ちゃんのテンションが一気に上昇し冷気も熱気にチェンジしてしまいます。それにしても、よくぞ台詞が流暢に出てくるもんだと感心しきり。居ない相手役が見えてくるんですから大したたまげた芸の虫。それも、ひとりで楽しんですから、どんなに気持ちがいいもんだか...と、見えるところがプロ中のプロ。実は天才は隠れたところで必死の努力をしてるんでございますよ。先日も大竹しのぶさんとの初めてのミュージカル共演の際、ミュージカル流の発声で血の滲むような自主稽古をしたそうな...お客さんからお金を頂いているからには、それに見合うものをお見せしないとプロとしては失格。己に厳しくなれない人は生涯陽の目を見ることが出来ないのが芸の世界。しかも浮き沈みの激しいこの世界で仕事が切れない役者なんぞはほんの一握り。来年、古希を迎える杜夫ちゃんが、未だこの立ち位置で俳優業を維持していること自体が押しも押されぬ実力人気俳優の証拠。沖縄公演、東京公演のチケットも完売。興行主としても嬉しい限りでございます。

稽古終わりの飲み会が凄まじい...稽古時間より長く盛り上がりも半端じゃございません。お客様が楽しんでくれるいい芝居に仕上がればすべて良しの世界でございます。

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熱中スカイツリー

2018/07/23
【第1117回】

フラメンコダンサー、グラシアス小林さんが古希を迎えた...彼が死にそうになったのを2,3度見守ったおいらとしては感慨深いものがあります。彼と出会ったのは42年前かな、おいらが単身スペインに渡り、いきなりマドリードのマヨール広場でインチキ大道芸やったり、蚤の市で物売りしたりと大胆なことやったので迷惑掛けたんじゃないかしら...こんなへんてこりんな日本人と知り合いになるんじゃなかったと...でも、彼とは同じデラシネの血が流れていることをお互いが共感し、その後は楽しいスペイン生活を過ごすことが出来ました。映画を創ろうと二人でシナリオ書いたり、キャンプに行ったり、彼は何処に行っても異国の人に負けない身体と面構えをしていました。30年に及ぶスペイン生活を終え日本に戻ってきました。その第一声が「俺は総理大臣になる!」この人、スペイン熱に冒され頭おかしくなったんじゃないかしら?と正直思いましたでございますよ。でも本気でしたね、衆議院選挙に茨城から出馬し、次点ながら4万票を集める大健闘。おいらも選挙戦初日の演説を見学したんだが、それはそれは今の政治家よりも立派なもんでございましたよ。その後、トム・プロジェクトの若者の俳優訓練にチカラを貸してもらったりと、日本での友情関係は繋がっていました。そして、満を期してのフラメンコスタジオ創設。自らダンサーとして舞台に立ちながらも、若いフラメンコダンサーを育てながらの古希を迎えた今日、美しいお弟子さんに囲まれとっても眩しかった。グラシアス小林が常々吐く言葉「フラメンコは生き方そのものである」まさしく貴方はそれを実践している中の一人です。これからも艶っぽく、そして男らしく舞ってくださいね...人生70なんてまだまだです。共に命ある限り過去を封印し未来に向かって突っ走ろうではありませんか!と言いながらも、この猛暑はたまりませんばい。

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前の人も眩しい

2018/07/19
【第1116回】

東急シアターオーブでミュージカル「エビーター」を観てきました...おいらミュージカルあまり観ないんです。何故?それは異国で作曲されたメロディに日本語が上手く乗っからないんですな。どうしても無理無理感が残り気持ち悪い。その無理が生じて演者の役の掘り下げが薄くなる。それをカバーするために自己陶酔型の演者が出てくるという始末。でも、音楽、踊りは、何といってもエンターテインメントの王道でございます。多くの人達を魅了する演目であることは間違いない。今回の「エビータ」はそのことをまさしく実証させてくれました。何といってもアンドリュー・ロイド=ウェバーの作曲が素晴らしい。彼は「オペラ座の怪人」「キャッツ」も手掛けてる才人。筋書きも、貧しい庶民から女優になり、大統領夫人の座まで上り詰めるが子宮癌で33歳で死を迎える波乱万丈の人生自体がドラマティックなんだ。このドラマをより立体的にしているのが革命家ゲバラの登場。ゲバラを狂言回し役として起用してのバランス感覚が絶妙。この役を演じたブロードウェイで絶大な支持を集めるミュージカル界のトップスター、ラミン・カリムルーの演技、歌唱力が絶品。勿論、主役エビーターを演じたエマ・キングトン嬢もよろしゅうございましたよ。この手のものはやはり生演奏、英語版のミュージカルに限ります。これだったら、おいらあまり好きでないスタンディングオベーションも理解できますな。おいらも立ちましたがな...だって全員総立ちで前のデッカイお尻見てどうすんね...5回ものカーテンコール、いやいやよろしゅうございました。

ミュージカルと言えば、劇団四季の創始者、浅利慶太さんが亡くなりました。創立当時のフランス演劇や寺山修司、加藤道夫を上演した時代がとても懐かしい。おいらも含めて、あれこれと言いたいことはありますが、学生演劇から始めて全員が芝居で食べていける劇団にしたこと、演劇の観客の裾野を拡げたことの功績は大だと思います。おいらは会ったことはないんだけどきっと寂しがり屋で可愛い人だったんだろうな...長い演劇人生ほんとうにお疲れさまでした。

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ブロードウェイに行かなくても観れますよ!

2018/07/17
【第1115回】

「石牟礼道子と出逢うpart2」に出かけてきました...今年2月に90歳で亡くなった石牟礼さんを偲ぶ会です。会場には沢山の人が集まっていました。彼女の生き方に共感した人、著作の愛読者、関係者などなど...5時半に始まり終わったのが9時。お別れの言葉を6人の方が述べ、作家・赤坂真理さんの講演と言うより楽器も参加しての公演。第二部の米良美一さんのコンサートは本当に良かった。米良さんもどことなくシャーマン的要素を持ってる方で、この日のイベントで石牟礼さんと魂の交流を最もしていたと思いました。彼が詠う「ヨイトマケの唄」絶品でした。実のところ本家本元美輪さんより良かった!美輪さんの臭さが無く、米良さんの小さな身体から絞り出される歌声が天空まで届きそうな感じがしました。この日、いろんな方が石牟礼さんに対する思いの丈を届けようとしていたのだが、おいらにとっての石牟礼さんは神格化された石牟礼さんではなく、水俣の渚にぽつねんと佇む農民、漁民、主婦であるからこそ、あれだけの言霊が産み出されたと思っています。観念から生み出された言葉ではなく、生活者の発する言葉を己の心魂に蓄積し醗酵し発せられた言葉だからこそ、読む者の奥底に沈潜し心動かせるチカラがあるんだと思います。

発展、進化の果てにうち捨てられた棄民、自然のうねりが石牟礼さんの数々の著作から聞こえてきます...怨念ではなく無垢なる言霊として。

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宵待ちコンサート

2018/07/13
【第1114回】

暑い日が続いています...西日本豪雨の惨状が日々拡がる様を知るたびに胸が張り裂けんばかりの思いです。おいらもボランティア活動したい思いがありますが、この暑さの中で熱中症にでもなって迷惑がかかりそうなので止めときます。こんな時に、参議院の定数を6議席増やすなんて頭に来ちゃいますな。こんな不要なお金、少しでも被災した人たちに回せってことだろう...出鱈目、嘘つき国会にどれだけのお金が注ぎ込まれてるんだろうか...ほんまに素直に抗議しない、怒らないこの国の人たち外国の人たちが驚いています。新宿の西口広場で抗議文を掲げ意思表示している人たちのほとんどが60歳以上のお年寄りです。残念ながら、若者の姿は見ませんがな。諦めてるんですね、どうせ誰がやっても同じだろう。余計なこと言ってエネルギーを消耗するんだったら、快楽の方に費やしたいのが楽しいに決まってんじゃん。こんな国はいずれ滅びますよ!なんて脅かしても上の空。今日も朝のテレビで居ない筈の場所に熊が出没。森林を伐採し野生の住処を侵された生き物は海を渡り別天地に行きますがな。この地球、人間だけのモノじゃないという自明の理を理解できない人たちも困ったもんです。この大宇宙のなかの小さな惑星地球でいろんな生き物が共生できる哲学を持ってる人たちが多数を占めれば、こんな災害も少なくなるんじゃないかしらと思う週末でした。

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お空にスケッチ

2018/07/11
【第1113回】

遅まきながら第158回芥川賞(2017年下半期)受賞作、若竹千佐子氏(64)の「おらおらでひとりいぐも」を読了...史上2番目の年長者受賞らしい。いやいや圧倒的な東北弁(岩手)の語りが読む側のリズムを鷲掴み。石牟礼道子さんの口承文学を感じさせる見事な文体だ。子供のころから小説家になりたいと思いながら家庭の主婦、子育てに追われ、なかなかチャンスがなかったのだが55歳の時、夫に死なれ、日々の悲しみの中から書いてみよう!という気持ちが生まれたそうだ。夫の死から沸々とこみ上げたものは、これまでの人生、自分の本来の欲望を見失って人の期待に生きて、自分を苦しくしてしまっているんじゃないか?旦那を支えるのが人生の第一主義であり、愛に通じるものと考えたものに疑問を抱き、その総決算として己の一番信ずる方言を駆使して書き上げた小説に見える。この小説の快テンポリズムは、作者の父が浪曲師・広沢虎造「石松三十石船道中」が好きで良く唸ってたのだが、子供の頃はよくわからず、YouTubeで聴き衝撃を受け、これを小説の文体にしようと決めたそうだ。すべての表現に一番大切なものはテンポ、リズム。これを兼ね備えていれば読者・観客は飽きることなく魅入られるってことだ。若竹さんの書こうとする意欲は、とことん生きようとする姿勢だ。諦めたらいけまっせん!この小説に「おらだば、おめだ」

「おめだば、おらだ」のリフレインが何度も出てきます。同じようにおいらの周辺に居るたくさんの人達、それぞれがおいらであり、友であり、母であり、父であり...ってことは、人なんて良くも悪くもそれぞれにいろんなもの抱えてるんだから、気にしないで思い切り好きに生きないともったいないってことだよね。

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覗いてみようかな...

2018/07/09
【第1112回】

いやはや大変な豪雨災害ですね...今回の被害の状況を見るたびに年々地球が悲鳴を上げているのがよく分かります。もうこれ以上、森林を伐採したり、地球温暖化がもたらす1番の原因といわれる、自動車や飛行機を動かしたり、電気を作ったり、ゴミを燃やしたりすることで、たくさん発生している二酸化炭素の抑制。そして、地球温暖化の2番目の原因といわれる、牛や豚などの家畜のゲップや天然ガスを掘り出すときなどに出てくるメタン。世界の政治家、科学者が何十年も会議を重ねて対策を練ってはいるものの、時の権力者の人気どり政策でままならないのが実情だ...こんな恐ろしいことが起きてるのに、この国では原発廃止の声が盛り上がらないのがいい例だ。アメリカ、ロシア、中国の頭のオッサンたちも己の権力を維持するのに躍起になっているレベル。地球の未来、そして子供たちの将来を熟慮できる創造力と想像力を兼ね備えたリーダーが出現しない限りアウトですばい。

6日には、オウム真理教の教祖・麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚と6人の元教団幹部の死刑が執行された。7人が一日で処刑されるのも前代未聞である。確かに極刑に値する人たちであり人道的にも許されない人達であるが、その主たる要因も解明されないまま執行していいものだろうか?この事件から教訓を得ずして、この種の事件は必ずや起きるであろう。裁判官が麻原死刑囚は演技していると断定したことにも疑問が残る。何とか彼の口からこの事件に至る経緯を喋らせるべきではなかったか...それにしても、執行前日、上川法相は「赤坂自民亭」で女将役を務め、安倍首相をもてなし酒宴を開催...なんだか不気味ですね。どんな人間であれ死を前にしての作法があるんだろうとは思うんですがね。

今日の雲間に除く青空がいついつまでも見れますように!という願いは不可能だろうか?

残り少ない人生のおいらだって切に願ってますがな...

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この空が被災地に届きますように...

2018/07/06
【第1111回】

昨日、劇団唐組の辻孝彦さんが亡くなりました...52歳はまだ早いですね。唐十郎さんの世界を支える個性溢れる俳優さんの一人でした。強面の俳優さんが多い中、ひとりニコニコした表情が印象的でした。細身の体でありながらいったん舞台に登場するや否や、狂気すら感じる演技は観客の心を十分にとらえて離さなかったと思います。唐ワールドを会得するには、ただ単に演技の修練を積めば成立するものではありません。少々オーバーかもしれないが、唐十郎と寝食を共にしてかろうじてその世界を覗き見する程度かな...後は、己の特権的肉体と眼前に展開する唐ワールドの旅人としての一員としての覚悟があるかどうか...そんな厳しい状況の中、辻さん最後まで唐組を支えてきましたね。唐さんが病に倒れた後は厳しい日々があったと思いますが、先日に紅テント芝居を観ながら感じたことは、確実に若い人達にバトンタッチできてることを確認出来とても嬉しかった。その最後の仕事を辻さんが担っていたんですね。最後に会ったのが、今年2月下旬に帝国ホテルでの読売演劇大賞の授賞式でした。唐組の藤井由紀さんが優秀女優賞を受賞し唐組の皆さんと出席してました。おいらが声を掛けると「元気になって、またやりますよ...」とても元気だっただけに...でも、辻さん、貴方が演じ魅せてくれた芝居に、人間の不気味さの中に垣間見る優しや、弱さ、おいらの記憶の中にいつまでも残ってますよ。お疲れさまでした...ゆっくり休んでくださいね。

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聳え立つ紅テント

2018/07/04
【第1110回】

この世の中、すべてがマニュアル化してしまうんだろうか...コンビニにお酒を買いに行くと必ず年齢承認のパネルが出てきます。おいおい、見りゃわかるだろう?と思いつつ、つい承認押さざる得ないのが実情だ。あるタレントがハンバーガーと飲み物をスタッフに差し入れしようと50個近く注文したところ、「店内でお召し上がりですか、お持ち帰りですか?」と聞かれたので頭に来て「こんなに一人で喰えないだろう!」と怒ったそうだ。そりゃそうだよね...なんでんかんでんマニュアル通りの教育をし、肝心かなめのお客とのコミュニケーションが疎かになる。ここから人は個に埋没し、ジレンマに陥り、病に、そして挙句の果てに犯罪さえ起してしまう。考えてみれば、アジアの労働者が増え、そうしなければならない実情もわからないではないが、お店は人と人との触れ合いで品物を手にし喜びを感じるのではござませんか。子供のころ駄菓子屋さんのおばちゃんと四方山話をしたころが懐かしかですばい。親の言うことは一切聞かず、おばちゃんのアドバイスは何故か説得力がありました。ついつい悩み事を聞いてくれ、いつの間にか子供人生相談所も兼ねるようになっちゃいました。ある意味、出先が世迷い人にとっての良き相談相手だった豊かな時代だったかもしれませんね...すべてが便利、合理性を求めていった至極当然なマニュアルシステム。もっと感情を出さんかい!と、おいらは思うのだが、若い人にすれば鬱陶しいでしょうな。でもなんだかスマホピコピコ静まり返った車内も不気味なもんございます。果たして人類はロボット化した生態系へと向かっていくんでしょうかね...最後のアナログ人類の一人として、おいらはぼちぼち楽しみながら生きていく所存でござりまするがな。

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梅雨明けと夏のはざま

2018/07/02
【第1109回】

いやいや、早や猛暑の日々が連日続いています...「ファントム・スレッド」鑑賞。音楽、衣装、名優の演技どれをとっても、こんな創造物を¥1100(ごめんなさいシニア料金です)で観れるなんてなんて幸せでしょう...不思議な映画です。SM的な愛なのか、究極の愛なのか、観る人によって愛の形が幾様にも変貌していく様が面白い。というより愛の迷路に嵌ってしまう。あんな田舎の娘に、立場あるアーチストがコロリとまいっちゃうのがなんだか滑稽にも思えてしまうのだが、徹底した映像美で最後までぐいぐい魅入ってしまうところがみそですな。史上初となるアカデミー賞主演男優賞3度受賞したダニエル・デイ=ルイスの、いかにもイギリス仕立ての演技も、おいらはあまり好きではないが計算しつくした知的演技はさすがです。田舎娘を演じたヴィッキー・クリープスはルクセンブルグ出身の34歳の女優。美人ではないのだが、あの手の顔は見る側の想像力を喚起させてくれる...したたかにも、純情にも、淫乱にも...なかなか掴みどころのない女性の不可思議さを十分に表現してるから相当の演技者と見た。目立たないけど気になるってところが役者としても最大の武器なのかもしれない。映画館に行くたびに思うのだが、あちらさんの俳優さんは皆惚れ惚れしますがな...それに比してこちらの俳優さんは、やっぱり残念ながら劣りますね。おいらだってこちらの映画頑張って頂戴なと念じてるんだが、どうしても旬なタレントさん重視の営業第一、コミック頼りの映画創りになっちゃうんで出来上がりがチップみたいな薄さ。あちらはビフテキ、こちらは魚、いやいや食べ物のせいではありませんことよ。もっと分厚い文化を根付かせなきゃならんのですが、この国の現状からして無理なんかな...と悲観的な思いを吹き飛ばすようなカンカン照り。いよいよ本格的な夏の到来、汗流しながらもなんとか生き延びなきゃ...

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梅雨明けの街路樹

2018/06/29
【第1108回】

そんなに興味ないサッカー、昨日はつい観ちゃいました...W杯、ポーランドに負けたのに決勝トーナメントの出場だって、最後の10分近くの球回し、なんじゃらほい。こんなの初めて見たが、これも勝つための戦術であり、セネガル対コロンビアの経過を見ながらの作戦。観客からのブーイングはすさまじかった。スポーツマンシップにあるまじき行為として映ったのだろう。しかし、おいらが思うに、今大会出場チームの中で世界ランキング下から三番目、コロンビアに勝ったこと自体が奇跡に違いない。いまだ世界のスピードにほど遠く、じっくりとチームプレーで胡麻化しながら進めていくのが持ち味の日本チーム。勝つために仕方がありませんがな...まさしく日本らしい試合の進め方でしたね。まあ、ベスト16に残り、次の試合も観れるんでいいんじゃないかしら。でも、渋谷地区の人達は迷惑してるんじゃないかしら...朝まで大騒ぎ、あんなエネルーギーあるんだったら無様な政治、不均衡な社会、環境、原発問題なんかに目を向けて欲しいなんて思っちゃいます。そして、いつも思うんだが点を入れるたびに狂喜乱舞しながら抱き合う選手たち...素直、正直でいいんでしょうが、おいらは粛々とプレーしながら、肉弾戦を戦い抜く男のスポーツラクビーの方が好きだな。喜びをぐっと押し殺して前に進むラガーマン格好ええやんか。それにしても、スポーツが古今東西、未来永劫、愛される所以は筋書きのないドラマ。これに拮抗できる芝居をどうやって創るか?そんなことも考えながらスポーツ楽しんでる今日この頃でございます。

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梅雨明け

2018/06/27
【第1107回】

米本浩二著「評伝 石牟礼道子 渚に立つひと」読了...いやいや、石牟礼さんが若い頃3度の自殺未遂をやってたなんて初めて知りました。幼少の頃、水俣の娼婦のおねえさんと遊び可愛がられたこと、社会的に地位の低い労働者と身近に接したことが、その後の彼女の生き方を決めたのかもしれません。この本のタイトルにもなっているように少女時代から海辺の渚に立ち、波の波動に宇宙のすべてを感じ見ていたに違いありません。近くの子供たちと一緒に磯篭で貝を採り、潮の満ち引きで地球が生きてることを実感する。『かすかな渚の音、わきいづるトロイメライ。天草の島めぐりめぐり遂の果は不知火の火にならむとおもふ』14歳の時に記した「不知火」の書き出しである。不知火のほとりに住む14歳の乙女の少年へ寄せる思い思春期の心の揺れが、寄せては返す波を思わせる自然なリズムで描かれている。そしてこう続く「ああ人間はこの世で一体幾辺、望みを絶つのを繰り返すのでございましょう。限りない絶望の果て、一つを捨てる為に人間は美しくなると申します。その度に悲しみが何とはなしに絹糸の様に、その細い故に切れることなく続き、その絹糸が何時しかに一つの調べを持ち、その調べを孤独の底で奏でる時に、人間は、美しいものへ近づくかもしれません」穏やかな言葉の裏に、彼女の中に激しく渦巻く情愛を読み取ることもできます。

今年亡くなった石牟礼道子さんの著作から、これから人が人として生きるヒントがたくさん散りばめられている気がしてなりません。文学を超え、生きとし生けるものが共生できる地球にならなければという遺言の数々...おいらが敬愛する松下竜一さんと等しく、時折ページをめくりたくなるバイブル書です。

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本日事務所ベランダからの景色

2018/06/25
【第1106回】

先週の土曜日は芝居のダブル観劇...昼間は新宿紀伊国屋ホールでの、てがみ座「海越えの花たち」。敗戦時に朝鮮半島に百万を超える日本人が存在し、徐々に引き上げが始まったのだが、日本に戸籍がなく身元引受人に確認されず在韓日本人妻として収容された「慶州ナザレ園」の話、資料を基に丁寧に仕上げた舞台でした。トムにも関係した3人の役者さんが元気そうで何よりでした。

夜は上野に場所を移し、トラッシュマスターズ「奇行遊戯」。8年ぶりの再演である。あのトラッシュマスターズが帰ってきた!という乗りで大変楽しかったです。最近、主宰者である中津留章仁がなんだかんだと言われてるのでこの日は嬉しかったな...芝居の原点は人間ドラマです。ドラマがない芝居はただの描写でしかありませんことよ。ぐだぐだと、どこかで見聞きしたことを喋られても退屈するだけですし、なんの生活感もない役者がそれらしく演じてもこっちにはなんにも伝わりませんがな。その点、この日の役者は妙にリアリティがあってついつい引き込まれちゃいました。中津留作品の魅力はこの生活感と荒唐無稽な話の展開。話は多岐にわたりなんじゃらほいと思いがちなのだが、不思議なエンターテインメント性を感じさせる劇のチカラを持ち合わせている。チマチマした芝居が多い中、このスケールの大きさは今の演劇界で貴重な存在である。芝居も長いことやってるとマンネリに陥ることは世の常、ここを開き直って我が道を往くスタイルで乗り切って欲しいもんですな。

それにしても、てがみ座2時間20分、トラッシュマスターズ2時間40分、午後12時40分に家を出て帰宅したのが24時40分。芝居を観るのも命懸けですがな...ちょいとオーバーかな。

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そろそろかな?梅雨明け

2018/06/22
【第1105回】

梅雨の晴れ間にもう一枚...このCDは西荻窪にあるjazz喫茶juhaで見つけました。この店は新宿名曲喫茶「らんぶる」に勤務してたマスターと、下北沢にあった名店jazz喫茶「まさこ」でバイトをしていた奥さんが結婚して始められた温かい店です。素朴さの中におしゃれ感覚が盛り込まれています。レコード演奏のみってところが粋ですな...だって片面だいたい平均25分だから調理しながらの盤の交換も大変だと思います。でもこのアナログ音を味わっていただきたいという姿勢に拍手を送りたい。この店のキーマカレーもなかなかのものです、そのあとの手間暇かけたコーヒーも居心地を良くしてくれます。というわけで、この店にあった小冊子に「Moment」が紹介されてました。曲も聴いてないのに、早速注文するところがおいらの直感と言いますか迅速な行動力ですな...一時はなかなか入手困難なCDだったらしく検索して即注文しました。針を落とすと...と言いたいところだが残念ながら小さな円盤です。1曲目から心を諫めるようなタッチのピアノ音。ウクライナのピアノ・トリオ「キエフ・アコースティク・トリオ」が残した唯一の1枚です。静謐な中にも、人生の様々な記憶を思い起こさせてくれる至極の8曲が心豊かな気分にさせてくれます。ジャケットも霧が立ち込める雨のハイウェイの写真、この季節にお似合いです。前回紹介したアルバムと共に梅雨時最強の2枚となりました。交互に聞きながら、グアテマラフレンチの豆を挽きながらのコーヒーの味も格別です。この至福の時間こそ、おいらの最高の贅沢です。

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静謐

2018/06/20
【第1104回】

雨がしとしと降る日にはこんな曲をお勧めします...おいらが良くJazz喫茶に行くのは、あの大音響の中に身を沈め好きな本を読む時間の過ごし方が好きなのは勿論ですが、見知らぬプレイヤー、曲との出会いです。先日も雨降る中、新宿DUGでしばし休息、雨降る新宿を駆け抜けこの店に入るとなんとこのタイミングで心地よい音楽が店内に響いておりました。誰だろう?と早速CDを手に取ると「sadao plays bach」なんと渡辺貞夫がalto saxでバッハを奏でているではないか...心地よく身体に染み込んできます。さすが世界のナベサダ、どんなジャンルだろうが一流の演奏者はその人の人となりを感じさせながら聴く者を圧倒するチカラがあるんですな...このCDは17年前2000年に行ったサントリーホールでのコンサートライブと個人録音2曲との構成。伴奏を務めるピアニスト小林道夫さんも良くハモってます。こんなCDに遭遇すると改めてjazzの神様に感謝です。岩手県一関市にある伝説のジャズ 喫茶であるオーナー菅原正二さんがこんな事を言ってます。

 

「しあわせ」を手にした方々に、より「しあわせ」になる方法を教えます。それはこのアルバム、何時間でもかけ放しにしておくことです。太陽のまわりを回る惑星軌道のように円を描き、終わりのない「しあわせ」が持続するからであります。ちなみに僕は12時間というのが今のところの最長記録、いずれ記録を更新したい。

 

おいらも試してみました...2時間「しあわせ」がぐるんぐるんと回っておりました。いやいや騙されたと思って購入してご覧なさい。あなたの生活にもうひとつ「しあわせ」が寄り添ってきますことよ。

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雨の日にほっこり

2018/06/18
【第1103回】

「ワンダー 君は太陽」鑑賞...お子様ランチの映画じゃないかしらと思ったのだが、脚本がしっかりしていて、子供が生きていくのに困難な状況のなか一筋の光が差し込んでくるような清涼感がありました。遺伝子の疾患で顔の骨が変形し何度もの手術を乗り越えながらも明るく生きる10歳のオギー少年と、それを巡る家族、子供たちとの群像劇。原作はアメリカの作家R・J・パラシオの小説「ワンダー」。実際パラシオがオギー少年のような顔を持つ子と出会った経験から物語にしたようだ。学校が安全な場所であると言う神話が崩壊しつつある現況、いろんな子供たちの個性、それぞれの悩み等々子供の側に寄り添って進行していくストーリーが巧みだ。映画の中では親切にすることの大切さが何度も繰り返し伝えられる。親切?なんども語りつくされたワードである。親切とは一方的なものでなく、きちんとしたキャッチボールが成立してこそ活きてくる言葉だ...また、そうして生まれた親切が伝播されてこそ親切が肉付けされ威力を発揮するのではなかろうか...この映画で感じることは親切のスタートは先ず笑顔。そうですね!笑顔の波が蔓延すれば、そうそう争いは起こらないのではなかろうか。そういえば日本人は笑顔が苦手ですな...海外に住めば、先ずは笑顔からスタート。人種に関わらず気楽に笑顔を交わす習慣は気持ちがいいもんだ。暗い顔は誰も幸せにしませんことよ...スマイル人生を今日から始めましょう!それにしても、この映画でオギー少年の母親役を演じたジュリアロバーツ、リチャードギアと共演した『プリティ・ウーマン』で華麗に変身するコールガールを演じたのが1990年。あれから28年、さすがに老けましたが相変わらず美人でしたな...

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そんなに見つめないで...

2018/06/15
【第1102回】

今日は本格的な梅雨ですね。残り紫陽花も、まるでシャワー浴びたみたいに雨垂れを心地よさそうに楽しんでます。それにしても今年の紫陽花の色合い今一つのような気がしてなりません。これも年々言われてる天候不順のせいなんでしょうね...自然界の佇まいを見てれば、ニンゲンの欲望が透けて見えてきます。確実に地球滅亡のシナリオは進行してますな。と悲観的なことばかり考えていると滅入っちゃいますから、こんな時は地球防衛軍の歌なんぞを聴きに行きましょう!なんてことで留守晃さんのライブに行ってきました。赤坂あるノヴェンバー・イレブンスは宇崎竜童・阿木燿子さんが経営しているライブハウスです。小さなフラメンコタブラオといったところかな。ここでトメちゃんがピアノ、ベースを携えて1時間半ほど歌い語りました。若い伴奏者をリードしながら結婚後、おいらが初めて観るステージだったんですが、やはり家庭を持った余裕というか温かさを感じました。奥さんも女優さんですれ違いもあるそうなんだが、トメちゃんの我が道を行く感を残しつつも歌の端々に新妻に対する愛を感じたのは思いすぎかな...いやいや、結婚前、後の違いは歴然としてましたよ。最後に歌ったトメちゃんのオリジナル曲「休日」おいら涙が止まりませんでした。この曲、本当にいろんな人に聴いてもらいたい名曲です。生きることの大切さが歌詞、メロデイに込められてます...トメちゃんが歌ってこその心曲です。

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梅雨時の夕暮れ

2018/06/13
【第1101回】

先週の土曜日、4月に67歳で亡くなった歌手・紀藤ヒロシのお別れの会があった...紀藤ちゃんとは42年ほど前に三國連太郎座長の芝居で出会った。そして同じくまだ無名だった風間杜夫ちゃんとの出会いもこの時である...この芝居の最中、旅先でも一番仲が良かったというより、ちょいと浮いてた紀藤ちゃんを杜夫ちゃんが優しく包み込んでくれていた気がする。この日、杜夫ちゃんは最初から泣いていた。最後の締めの挨拶では号泣。そういえばそうだ、20年前に再会し、紀藤ちゃんから再三飲み会の連絡があり3人に数人プラスしてよく飲みに行ったもんだ。杜夫ちゃんは紀藤ちゃんに手荒いダメを出しながらも実に嬉しそうな顔をしていた。早口でおっちょこちょいでちっこい彼を弟のように可愛がっていた。杜夫ちゃんにはたくさんの後輩がいるはずだが、紀藤ちゃんほどの親密な関係がある人は居ないのではなかろうか...そうさせる魅力が紀藤ちゃんにはあったような気がする。実にまめなひとではあったが、嫌みがなく愛嬌のある男だった。そんな彼のお別れ会で号泣する杜夫ちゃんも心優しき男である...男の友情は男の純情...そして男の涙は何故か万感胸迫るものがある。おいらもついついもらい泣きしちゃった素敵な会でした。紀藤ちゃんおいらはまだそちらには行かないけど、あんたが大好きだったビール飲みながら、あんたの残したCDたまには聴きまっせ...67年間お疲れさまでした。

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紀藤ヒロシお別れ会

2018/06/11
【第1100回】

この季節恒例の花園神社紅テント公演を観てきました...唐十郎がこの地にテントを建て51年になるんだな。おいらは、その時から立ち会ってるわけでございまして感慨深いものがあります。最初に見た時は金槌で頭ぶん殴られたくらいの衝撃がありました。おいらも入団してテントと共に世界をさすらいたいと一瞬思ったのだがなぜか止めました。なにせその当時の役者群が、人間離れした特権的肉体を誇示した人ばかりで観る分は良いのだが、結構我が道を行くおいらは入団してもすぐ止めちゃうんじゃないかと思いました。それにしても唐さんの宇宙規模の戯曲、繊細で大胆な演出、予測できない役者の演技、まさしく演劇に革命を起こした事件そのものでありました。今回の公演は唐さんの息子・大鶴佐助、娘・大鶴美仁音の二人が重要な役に付き新しい唐組のスタートを感じさせました。驚いたのは、この二人の芝居が唐さんの演技と瓜二つであったこと。台詞の言い回し身のこなし、唐さんのトリッキーでありながら透明感のある表現を満員の観客に見せつけていました。観客も老若男女入り乱れ立ち見客が出るほどの大人気。ニュー唐組の誕生です。綺羅星のごとき唐十郎戯曲をかかえている劇団としては、この財産を多くの人たちにプレゼントして欲しいですな。大劇場でもいいでしょうが、やはり唐さんの芝居はテントが良く似合います。もしくは銭湯、古びたアパート、歴史のある料亭、工場跡などなど人が残した匂いを未だ感じさせる場所でこそ唐ワールード百花繚乱といったところでございます。

テントを出た後の花園神社の樹々も、なぜかしら興奮したのかざわざわと揺れておりました...この樹木たちも51年見続けた根強い観客樹です。

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不滅の紅テント

2018/06/08
【第1099回】

今年の10月に公演します「男の純情」チラシ、ポスター写真撮り西荻窪のスタジオで2日間やりました...最初の日は山崎銀之丞さん。トムの芝居には過去「藤島土建」「満月の人よ」に出演してもらってます。「満月の人よ」では、なんとバッカーズ アワード演劇奨励賞を受賞しました。50歳半ばに差し掛かろうというのに、男の色気満載、まだまだ青春というのはちょいと言い過ぎかもしれませんが、とにかく若い。彼と会ったのは40年前近くかな?博多のラジオ局でパーソナリティをやっていて、何故かおいらがスペインからふらり帰った時にゲストで出させていただきました。銀之丞さんにぺらぺらといい頃加減で能天気な話をしたんじゃないかしら。博多で人気劇団を主宰して人気者でした。その後、つかこうへいに見いだされつか芝居の常連として心情溢れる舞台を勤め上げました...あれから40年、感慨深いものがありますね。もちろん、おいらも歳喰っちゃいましたけど、今回こうやって一緒に仕事できるなんて嬉しい限りです。カメラに向かっていろんな表情をする銀之丞さんいかしてますよ。

昨日は宇梶剛士さん、トムの芝居は「「あとは野となれ山となれ」「南阿佐ヶ谷の母」に出演。あのでかい身体に彫りの深い顔、言わずと知れた伝説の暴走族ブラックエンペラー7代目の総長。とにかく優しい人である...これだけのいろんな経験があったからこそ人に優しくできるんだろうなと思ってしまいます。でも、厳しさ、人としての礼儀にかんすることは何度か稽古中、旅先で見させていただきました。そのしぐさがなんともかっこいいんだな...表現者はいろんな引き出しを持っているんだが、やはり究極は生き方じゃないのかな。己の身体と五感を限りなく開放し吸収し、そこから人間とは何ぞや?これが表現者の為すべきことではございませんかね...この二人と市川猿弥の三人芝居「男の純情」面白い芝居になりまっせ!

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西荻窪のJAZZ喫茶JUHA

2018/06/06
【第1098回】

ぐらぐらこいた腹かいた...ほんなごつ頭に来て怒髪天!何ですかいな財務省の処分発表、あんなもんで許されるんなら税金払いませんことよ。それにしてもこの国の真面目な人々はおとなしすぎですばい、お隣の国ではデモ隊で溢れかえり内閣総辞職もんですたい。そのあとのテレビも、何だか自主規制してるのかされてるのか、あまりこの問題をしつこく報道しなくなった。その代替えといっては変だが、日大問題とか、ここ頻繁に登場するのが和歌山のドンファン怪死事件。こちらに目を向かせておいて逃げ切ろうとする戦術かもしれんですが、おいら許しません。あのセメント大臣の発言「「それがわかりゃ苦労せんのです。どうしてスタートしたのか」事態がなぜ起きたか、省内調査では全容を把握できていないことを認めながらなんじゃこりゃ!それを佐川のおっちゃんから聞き出すのがお前さんの仕事じゃございませんか...ほんまに、こんな人が権力の中枢ででかい顔してのさばり臣民を小馬鹿にしているなんて情けないお国でございます。あべかわ餅、そしてその連れ添いに忖度してるのは子供だってわかりきってるのに、未だにシラをきるこの人達は一体全体なんだろかいなアホクサ。1年間に渉り、嘘に基づいて国会審議を継続したその責任は犯罪に等しい事件ながら、この処分。セメント大臣170万の返却、嘘付いて出世した長官は513万の返却で済ませるなんて、汗水垂らしてせっせっと労働してる人はたまりませんことよ。

おいらほんまに失望してます...今回のことが、時間が経ちあまり話題にもならず何事もないようになったときに、この国は確実に日本沈没雪やこんこん...寒々とした国になりますばい。

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水無月のたそがれ

2018/06/04
【第1097回】

あの小さな倉庫を劇場にした場所で屋台崩しとは...やりますね!劇団桟敷童子の皆さん。コアなファンを持つこの劇団の新作「翼の卵」を観てきました。今回の公演もチケット完売。嬉しい限り...舞台一面を覆いつくす緑、古めかしい館などなどすべて劇団員の手作り、もちろん衣装もです。セット、衣装すべてが身体にフィットして、まるで九州地元の人たちに見えますばい。九州弁もすっかり板につき、博多出身のおいらもご機嫌です。それにしてもこの劇団の主宰者・東憲司さんは徹底的に九州に拘ります。観客に飽きられようが、憲司少年がかつての福岡で夢見た人間の温かさ愚かさ冷酷さをドラマに仕立て上げていきます。彼の芝居を観ているといつも思います。おいらが住んでた博多の末広長屋にも同じような人たちがたくさん住んでました。まともに生きられない反社会的なワル、いつも騙される心優しき人、貧しくとも夢見る少年少女、頑固おやじに浮気おばさん...などなど、ドラマになる登場人物オールスター勢ぞろいでございました。それだけに人間関係がうるさいほど濃密であり、現代のSNS時代とは真逆の環境の中、皆必死豆炭で命を燃焼しながらも楽しく生きてた気がします。そんな時代を彷彿とさせる劇団桟敷童子の芝居おいらは好きです。

もっとお洒落で、軽くて笑えて面白い芝居もいいでしょう...でも、こんな芝居が上演されなくなった時代こそ無味乾燥、殺伐な時代では無いかと思います...そんな時代にならぬようにと、なんとかブレーキをかけてる気がしてなりません。いつまでも上演し続けて欲しい劇団のひとつです。

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休日の公園

2018/06/01
【第1096回】

森友学園問題、全員不起訴...文書改ざん、虚偽公文書作成や、国有地を不当に安く売却したとする背任など6容疑がありながら38名全員が不起訴なんてありえません!なんて思うのが一般庶民の共通の思いではありませんでしょうかね。汗水たらしてせっせっと税金払ってる身はたまりませんばい...何年かに一度、税務調査に来る税務官の厳しい態度も何度か体験してるので、おいおいこんな小さな会社を責めないで巨悪の巣をきっちりやってくださいなと言いたくもなりますね。それにしても酷い、一年間も国会で嘘を付いた人が罰っせられることもなく、ましてやその長も責任を取らずしらを切る。この国、一体どうなってるんでしょうかね。この構図は、今話題になっている日大も全く同じだ。思えば 1968年、日大で約20億円の使途不明金が発覚し、学生らは5月27日に日大全共闘を結成。6月11日に機動隊が導入されたことに反発し、各学部校舎をバリケードで封鎖した。その時にバリケードを打破するために体育会系の学生を動員、その時の相撲部にいたのが現日大理事長。この時から力でねじ伏せる権力組織が形成されたわけだ。全共闘の議長だった秋田明大とは新宿ゴールデン街で何度かあったことがある。若者の純粋な思いはいつも潰される...中には、お坊ちゃんの頭でっかち、世間知らずのあまちゃん学生も多々いましたけどね。おいらはセクトに入ることなく一人闘ってましたね...不届き者には声を上げないと、いつまでも横暴な振る舞いを許すことになりますからね。この国の人は、あまりにもおとなし過ぎ、無関心の衆が過多...またまた嘆き節が出てきますばい...ホンマにこの国に未来はないのかいな。

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わたしも旬の花

2018/05/30
【第1095回】

街のあちこちに紫陽花が咲き始めている...梅雨の花なんだが、何とも言えない色でパステルで描いた感じがとても素敵だ。それにしても自然界は粋な計らいをするもんだ。じめじめした季節に鮮やかな色を目にすると、よしゃ!という気にさせてくれる。誰が決めたわけでもないのに程よい順序で咲き、季節感を盛り上げ、ささくれだった人の気持ちを和らげてくれる。今や多くの葉を持った樹々たちが、この情けない社会の現状に「君たちは、しっかりとした根を持ちえないから、豊かな花や葉を咲かせることができないのではないか...なのに欲張りですべてを得ようとしている」そうなんです。もういちど、大地にしっかりと根を張ることから始めないと、とんでもない世界が待ってるような気がします...おいらのマンションの玄関前には樹齢300年くらいの大木が大空に向かって聳えています。いつも声をかけています。そうするとこの大木はなんだか嬉しそうな表情をします...身の回りの生き物の声を聴く習慣を大切にしています。そうすると、あらゆる生き物がおいらに対して何らかの声をかけてくれます。人の言葉よりも新鮮でシンプルで、おいらの五感を奮い立たせて、その日一日が気持ちよく過ごせることが多いのも事実です...嗚呼もったいない!こんな環境が身の回りに備わっているにも拘らず、見もせず感じようともせずピコピコとスマホに翻弄されてる現代人...そりゃ社会が良くなるなんてことはありませんがな。誰も責任を取らない無法国家、寂しい限りでございます。

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さあ出番です!

2018/05/28
【第1094回】

今日は朝から今年の10月に公演する、おじさん3人組のシチュエーション・コメディ「男の純情」のチラシ、ポスターの写真撮りをしました。この日は市川猿弥さん、歌舞伎界の中では一目をおかれている方です。おいらも歌舞伎は勿論、他の作品でも拝見してるんですが実力、演者としての個性も秀でたものがあります。映像、現代劇でも活躍して頂きたい役者の一人です。先日観劇したシス・カンパニー公演 「近松心中物語」のなかでも一人、あの時代の人物描写を見事に表現していました。俳優の身体に時代に生きる匂いがあるかないかは不可欠なものだと思っています。これだけは努力して出せるものではありませんね...生まれながらにして、そこを嗅ぎつける事の出来る嗅覚を持っているかどうかにかかっています。その優れたアンテナに様々な情報をキャッチし咀嚼する能力、そして頭ではなく五感で処理するチカラがあるかどうか、ここにかかっています。今日の写真撮りで見せる猿弥さんの表情には表現者としての潤沢なものが多々ありました。昨日、名古屋公演を終え今日は朝から撮影、その足で午後のフライトで博多入り、夕方から博多座で6月2日~26日まで始まる歌舞伎公演の稽古があるそうです。一年に休めるのは一ヶ月程度らしい...一年中、芝居やってる人にはそりゃかないませんがな...総身役者、そんな彼が出演する「男の純情」とっても楽しみです。共演者は宇梶剛士、山崎銀之丞のふたり。この二人も個性むんむん、この三人のバトルはいかに...今から興味津々、楽しみな舞台になりそうです。

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一足お先に...

2018/05/25
【第1093回】

先日、一通のハガキが舞い込んだ...絵画個展の案内なのだが、遺作展と小さく記されていた。差出人のお姉さんから「顕子の作品是非観てほしい...」と添えられていた。長谷山顕子さんは繊細と大胆さを兼ね備えた素敵な女性でした。おいらも2、3年に1度くらいしか会えなかったのだが、最初の個展を拝見した時、彼女が如何様に精神世界をさ迷っているかという過程が少しは理解できたような気がした。何かを表現するときに人は錯乱し混迷を極めるのであるが、その先に夢の世界が訪れるのを心待ちしているからこそ悪戦苦闘の時間も耐えられるのである。彼女と最初にあったのは14年前くらいではなかったろうか?二十歳前後の創作意欲旺盛な女性であった。当時通っていたデザイン学校の教育方針にも異議を唱えていたような気がした。ある時、イタリアで勉強したいので相談したいといわれたので海外放浪推薦者のおいらとしては大いに勧めた記憶がある。個展会場に行くとお姉様が昨年の夏に亡くなった状況を説明してくれた。死の直前まで創作意欲は旺盛だったようだ。作品群の中に顕子さんが綴った文章も記されていた。

 

「毎日を生きる中で、私たちはこの地上にたくさんの足跡をつけている。

 あなたはどんな足跡をつけているだろうか。

 あなたの最後の一歩、そのあと、

 あなたがいなくなったそこにはどんなものが残るだろうか。

 私やあなたが通る道=足跡に、たくさんの小さな花、悦びが咲きますように。

 生きている間に、たくさんの種を蒔いていく。

 そんな風に生きていくこと、命を輝かせることができますように。

 そんな祈りを込めて...」

 長谷山顕子≪足跡≫より

 

33歳で逝った長谷山顕子さん、貴女の残した作品、言葉は残された者の記憶にしっかりと刻まれていますので...ゆっくりやすんでくださいね。

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長谷山顕子展<還る>

2018/05/23
【第1092回】

若者が正直に話し、世俗に塗れ権謀術数ばかりを学習し平気で嘘をつくオヤジ達...昨日の日大アメフト部の部員のインタビューを聞きながら情けなくなっちゃいました。大人になるってこといけないことを証明してるもんですな。純粋無垢な魂を持って生まれた人間を、敢えて正義と反対のベクトルに向かわせるこの国のシステムに問題があるんですね...20歳の若者を矢面に立たせて巨大マンモス大学の幹部は何しとるんですかね。この構図は、今のモリカケ問題と相通じるものがあります。権力のしもべとして遣える者が、罪を背負い込み死に至った大阪財務局の公務員の件なんか、もっと問題視しなきゃならんのではなかろうか...無名の庶民の死にすら無情でいられるこの国のエリート軍団。そりゃそうだよね、トップがセメント大臣だもんね。またまた言っちゃいましたね...米朝会談で刈り上げ君が乗るであろう北朝鮮の専用機に対して「途中で落っこちちゃったら」という発言。この国際感覚の無さ、世界のセクハラ問題に対する意識の無さと通じるものがあるレベル。これに何の意見も言えないあべかわ餅。本当に困ったもんでございます...この国は、ますます真実を言ったら呼吸困難に陥る窮屈な国になっちまいました。おいらは左翼でも右翼でもありませんことよ...自由に翼を拡げて大空を軽快に飛翔する自由翼ってところかな。あの世に逝くまで、まだまだ面白可笑しく旋回しますがな。

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新宿サザンタワー2

2018/05/21
【第1091回】

久しぶりに中国映画を鑑賞...「山河ノスタルジア」冒頭から、なんじゃこりゃ嘗ての日活青春映画じゃありませんかいな。ヒロインは浅丘ルリ子と笹森礼子を足して二で割った女優、男優は浜田光夫クラスではなく脇役レベルの地味系の俳優。あくまでもヒロインを立てる設定。1999年から2025年にわたる大河ドラマなのだが、何とも大味の感じ。その点も、あの日活青春映画に共通する点があるのだが、日活の荒唐無稽さがない分面白味に欠ける。
要するに全てが中途半端で、どこ観りゃいいんじゃいみたいな映画でした。おいらの記憶に残る中国映画は「ラストエンペラー」「さらば、わが愛/覇王別姫」「山の郵便配達」「芙蓉鎮」特に印象に残っている作品が「芙蓉鎮」1966年から1976年まで続いた文化大革命の時間軸で翻弄される民衆の苦悩、愛憎を描いた謝晋監督の傑作。文革が終えてまだ10年しか経ていないなか、よくぞ製作したなという思いだ。一歩間違えば拘束、思想犯として獄中に入れられる運命だったかもしれない。若い人にぜひ観てもらいたいな...今や世界に大国として君臨している中国の歴史を「ラストエンペラー」と共に鑑賞すると中国の闇を垣間見ることが出来るかもしれないな...それにしてもだ、こんな体験をしているにもかかわらず、南シナ海で国際法を無視して、人工島を建造し、空母艦を造り軍拡に邁進する中国。中国に限らず世界の指導者、歴史に学びませんな...身の保身、権力亡者ほんまにあんぽんたん揃いでござりまする。またしても、時の権力者によって民衆は右往左往させられるんでしょうかね...しっかり監視しないとあきません皆の衆。

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お空にスケッチ

2018/05/18
【第1090回】

東日本大震災から7年...岩手県大槌町に、18歳になる高校生男子を同じ18歳の女優さんが訪ねる番組があった。当時11歳だった彼の家族で生き残ったのはお父さんと彼のみ。母親、弟、祖父、祖母の4人が車で避難途中に津波にのみ込まれる...7年間の記録の中で、男親として彼を育てるお父さんは常に泣いていた。その涙は、もちろん悔しさ、深甚さを含め様々な感情を感じさせ、見る側に迫るものがあった。慣れない手つきで野菜を切り刻む仕草、食卓での二人の気配りしながらの会話。この7年間の親子の葛藤が手に取るように描かれていた...高校の卒業式で父親がカメラを回しながら、とても嬉しそうな表情が印象的であった。故郷を離れ、東京のデザイン専門学校に進学する息子の旅立ちに嬉しさと寂しさが入り交じり又しても大粒の涙が流れだす。この涙の一粒一粒に、あの震災の惨さを感じる。この親子の他にも様々なドラマが存在するに違いない...なのに、原発を強引に再稼働しようとする国の姿勢が不可解でならない。日立製作所が計画している英国での原子力発電所の建設事業を巡り、日立と英国政府の協議が週内にも決着し、早ければ月内に合意する見通しとなったことも解せない。企業も利益を生み出すのが使命なのは理解できるが、7年前のあの事故が、こんなにも早く風化していくこの国の在り方に心寂しいどころか、薄気味悪さを禁じ得ない。この火山に囲まれた小さな地震国...何を大切にしなければいけないのか?その本当の意味、価値をもういちど考えてみようじゃありませんか皆の衆。

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新宿サザンタワー

2018/05/16
【第1089回】

毎日新聞社特別編集委員でニュース番組のコメンテーターなどを務めた岸井成格さんが15日、肺腺がんのため自宅で亡くなった...熱いものを感じるジャーナリストであった。随分前、時の佐藤首相が記者団を前にして「新聞は嫌いだ」と発言した時に、真っ先に他の記者に声をかけ退室したそうだ。常に権力に対する監視役として購読者、視聴者に対してわかりやすく語り掛けた最後の真のジャーナリストではなかったかと思う。右寄りの人には左翼と映るかもしれないけど、おいらには常に庶民の視点から社会、政治を論じた人だと思う。彼のジャーナリストとしての覚悟を決めたのが水俣病の事件。虐げられた人の声を救い上げるのがジャーナリストの使命だ。民放でのテレビの発言、いやNHKも然り、この世界で飯を食ってるキャスターの発言は実に神経を労してコメントしているのがよくわかる。岸井さんも民放のコメンテーターのアンカーを務めていたのだが、あまりの安倍政権の横暴に堪らず激論を吐き外された経緯がある。権力、財界にたいして如何に立ち振る舞うか?この術に長けてないとこの立場を死守することは難しい。今や長老になった田原総一朗なんかはもはや役者の粋ではなかろうか...それにしても、これぞと思うジャーナリストが数少くなってきているのも確かだ。おいらの岸井さんの思い出は、夜遅くどこかで飲んできて赤ら顔で照れることもなく、正論をいけしゃあしゃあとテレビの前で陽気に語っていたいたずら岸井少年。少年の面影を感じさせない男は男じゃありまっせん!73歳でまだまだやり残したことはあるかとは思いますが、貴方の歯切れ良い言葉は万人の記憶に歴然と記されている筈です...お疲れさまでした。

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今年も咲いたよ!
(2008年紀伊國屋演劇賞団体賞の時に頂いた花)

2018/05/14
【第1088回】

先週の土曜日、吉祥寺で食事した帰りの井の頭線での一コマ...おいらの隣に、小学5年生くらいの男の子がライオンズの帽子を被っていたので、思わず「ライオンズのファンなの?」と聞くと「はい!」40歳前後のご夫婦と弟、妹も一緒でした。先週メットライフ球場でライオンズの試合を観戦したとのこと。誰が好きなの?と聞くと山川という答えが返ってきました。昨年後半からブレークした沖縄出身の内野手、愛くるしい顔でバットをブルンブルンと振り回すホームランバッターです。西鉄ライオンズ時代の怪童中西太を彷彿させる豪快な選手のニューヒーロの出現で子供に大受けといったところかな。なにせ空振りした時にヘルメットがぶっ飛んでしまうくらいの迫力ですから子供は大喜び。三振した時のやっちゃった表情もマンガになりますな...プロ野球もショーですから魅せてくれんと銭払えませんがな。真面目一筋は高校野球で十分ですからね...この少年、守備はライトで打順は8番の少年野球チームで頑張っているらしい。お父さんも熊本の出身でライオンズのファンだとのこと。同じ熊本出身の秋山幸二選手が大好きで、子供に伝説のホームベース上でのバク転を嬉しそうに説明していました。弟も野球、妹はサッカー、三人の子供皆ほんまにええ顔しとりました。勉強なんかせんでよか!スポーツと遊びに夢中になりなさい...といいたいところでしたが、両親に渋い顔されそうなので止めときました。子供から子供らしい顔が消えつつある勉強第一主義の昨今、スポーツ好きでこんがりと焼けた少年少女を見ると何だかほっとします。昨日は母の日、土曜日の野球少年の顔を想い出しながら、おいらも小学生の時に夜鍋をして布のグローブを作ってくれた母を想い出しました。高価な革のグローブがが買えずシュンとしていたおいらのために作ってくれた布のグローブは今でもおいらの心の宝物です...3年前に97歳で亡くなったかあちゃんありがとう!

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托鉢僧 何を見る?

2018/05/11
【第1087回】

朝鮮情勢が慌ただしい中、この国は未だにモリカケでちんたらしとります。昨日の参考人招致でも官僚がするりするりと答弁して知らぬ存ぜぬ答弁。セメント大臣は相変わらずセクハラが当たり前のような談話を連発...この国に未来がないのがはっきりしましたな。こんな政治家に税金払ってると思うと腹立ちますな。諸問題が山積してるというのに一向に前に進まない国の姿に若者はしらけてしまい夜の巷を彷徨っています。昨日の新宿の夜も遅くまで多くの若者、外人がふらついていました。久しぶりにゴールデン街に立ち寄るも、異国の地に来た感覚に襲われます。だって6割~7割外人なんですから、おいらが長年通ってる老舗の店「ガルガンチュア」なんぞは、英語で「外国の観光客お断り」と張り紙してありました。お店に入り、一杯のドリンクで長居された挙げ句の果てに、会計の段になるとお通し代で一悶着。そう言えば、外国にはお通しなんてないもんな...でも、ここは日本です。郷に入れば郷に従えってわけでござんす。もう一ついえば、ゴールデン街を古く知っているおいらに言わせれば、この地は観光地ではございません。新宿の数々の文化を輩出した聖地でございます。この狭いカウンターの席が外人観光客に占拠されちゃ、もはやゴールデン街ではございません事よ。新宿西口の想い出横丁も今や国際通りになっちゃいましたが、ここは飲み食いするところでありますから問題ないと思いますが...それにしても50年近くゴールデン街フラフラしとりますが、この佇まいが観られなくなったときには、もはや新宿は新宿では無いんでしょうな...おいらが先に逝くかゴールデン街が消滅するか、どげんなるんでしょうかね?

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揺るぎない姿

2018/05/09
【第1086回】

GWの間、絶好調のライオンズの試合をパリーグテレビで見ていたのだが、嫌なシーンを何度も見ちゃいました。仙台での楽天3連戦、楽天はあえなく3連敗したのだが、球場には連日満員御礼の大盛況。連休中でもあり多くのチビッ子野球ファンが詰めかけ楽天選手に大声援を送っていました。そんな盛り上がりの中、楽天の助っ人外人のはしたない光景を目にしたとき、野球への愛がないプレーヤーに見えちゃいました。三振した後、バットを真っ二つに折っちゃうんですから、こんなシーン前代未聞。そのバットを投げ捨て憮然とした表情でベンチに向かう姿...チビッ子ファンは悲しい顔をしたに違いない。おんどりゃ!何のおかげで飯食えてんの?バットのお陰でしょうが...こんなことわからん奴が野球やっちゃいけません。又、それを咎めない監督、コーチ、選手、最下位に低迷する楽天を象徴しとりますがな。もう一人の外人選手も、三振した悔しさからヘルメットをベンチの壁にぶっつけてました。己のせいやんか、頭を守ってくれてるヘルメットに失礼しちゃいますがな...この外人助っ人たち、まさしく害人です、即刻母国に帰っておくんさいと言いたい。今後、どんなに活躍しようが、こんな選手には二度と拍手は送りたくありませんね。その点、我がライオンズの選手は皆マナーは上々です。おいらも少年時代は野球選手に憧れ、夢は西鉄ライオンズの一員になるのが夢でした...平和台球場で観るライオンズの選手の胸躍るプレーを観ながら、どれだけの夢と希望とロマンを頂いたことか...そんな子どもたちが球場に足を運んでることを忘れちゃいけませんぞなもし。

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アンネ・フランクのバラ

2018/05/07
【第1085回】

長いGWも終わり今日からまた仕事が始まりました...おいらはのんびりと杉並の新緑を楽しみながら近場を散策してました。毎度のことながらこの季節のピカピカ葉っぱちゃんには心が洗われ、勇気を貰います。良いことも悪いこともちゃらにしてしまうとてつもなく大きなものを感じます。今年亡くなった石牟礼道子さんも言ってました。東京に出てくるとアスファルトに封じ込まれた土が呼吸不全に陥り、自分自身も呼吸困難になってしまうと...だからこそ、このアスファルトジャングルの中、逞しく壮大に春の訪れを告知する樹木たちに感動するんですね。よくやった!大気汚染と僅かな大地の隙間から今年も、自然破壊の第一人者ニンゲンを恨むことなくプレゼントしてくれるんだから大したもんでございます。そんなことを思いながらも、5月2日にF氏と気持ちよく痛飲した帰り、バス停近くで立ち止まっていると40代半ばの男が「邪魔くせい!」と吐き捨てながら立ち去るので、温厚なおいらも思わずかっとなり「なんだよ...言い方ってものがあるだろう」と怒っちゃいました。その男、ニヤニヤ嫌味な顔してへらへらしとりました。最近、国会を騒がせてる森友問題のS氏、加計問題のY氏の人相に似てましたな...後で反省しました。そんなレベルの人間に対等にブチ切れるおいらが情けなくなりました。まだまだ人間修業が足りませんな...人からも自然界からもいろんなこと教えて頂いてる今日この頃です。

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GW最後の日の公園

2018/04/27
【第1084回】

昨日、第43回菊田一夫演劇賞の授賞式がありました。今年の2月に上演した「Sing a Song」に出演した戸田恵子さんが見事受賞しました。この日、和服で登場した戸田さん、とっても素敵でした。素敵な女優さんは何着ても様になるんですね...受賞の挨拶で「この賞は、この芝居に関わったすべての人で頂いた賞です...」芝居に長年関わった人から発する言葉だと思いました。この日は、キャスト、スタッフも当然のことながら出席しました、皆、我がことのように嬉しそうな笑顔が印象的でした。どんな分野であろうと、その一つ一つの行為が芝居の精度を極めクオリティの高い作品に仕立て上げるのが演劇です...少しの綻びが芝居の流れを狂わせ結果的に悔いが残る結果になることが多々あります。技術はもちろんですが、一番大切なのは作品を良くしよう!という気持ちです。心無き人が作った作品が観客に届くはずがありません...授賞式会場の隣が、なんと一ツ橋講堂でした。想い出しました。50年前、建て替え前のこの講堂で、おいら初舞台踏みました。演目は清水邦夫さんの作品「あの日たち」不器用なおいら、大声張り上げながら芝居の冒頭に棒立ちしてた気がします。あの日から50年経て、この日プロデューサーとしてこの地に居るのも何だか不思議な気がします。一時は芝居からも遠のきながらも、こうやって演劇に関わってることに感謝。やっぱ好きやねん芝居が人間がね...どなんなるかわからん筋書きのない人生ドラマが性に合うんでしょうな。
明日から世の中GWに突入いたします。このコラムもお休みです...みなさんもご機嫌なGWでありますように...

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Sing a Song

2018/04/25
【第1083回】

長年の友人、紀藤ヒロシが4月19日に68歳で亡くなりました...1976年の真夏、新宿花園神社の社務所の一室で彼と出会った。三国連太郎さんを座長とした芝居「からふとの詩・血に咽ぶ霧の伝説」の出演者のひとりとして貴方は芸能人面した生意気そうな顔してましたね...おいらはアングラ俳優の一人として参加してました。同じくまだ無名だった風間杜夫もここで出会いました。何が芸能人かよ!といきがってたアングラ一派は貴方を無視してました。ただ一人杜夫ちゃんが貴方に優しかった...それから数年後、貴方は世に出た杜夫ちゃんと、その後も切れることなく長い付き合いをしていることを知りました。おいらも杜夫ちゃんをひとり芝居に引きずり込み、貴方と再会することとなりました。貴方は演歌歌手としてカラオケ教室の先生として頑張ってましたね...おいらが貴方を尊敬するようになったのは、あの小さな身体のハンディを背負いながらも、いつも明るく優しくあらゆる人たちに接していた姿です。思うに、昨年亡くなった貴方のお母様の愛情あふれる育て方が良かったんですね。お母様から受けた愛情をそのまま世間に恩返してたんだと納得しました。芝居にもたくさんのお客を連れて来てくれてありがとう!毎年恒例の紀藤ヒロシを囲む会にも呼んでくれてありがとう!なにやっても憎めない紀藤ちゃん、貴方の早口過ぎて聞き取れない声が、もう聞けないなんて寂しすぎるよ...でも、よく頑張った!6月9日の偲ぶ会で、みんなが貴方の人柄を称えると思うよ...お疲れさまでした。

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野に咲くシャクナゲ

2018/04/23
【第1082回】

戦士の休息...4月20日~22日、社員研修旅行で四万温泉に行ってまいりました。何の研修や?と聞かれそうなんですが、それは企業秘密ですがな...トムの皆さん本当によく働いていただいております。今年も正月明けから稽古が始まって「Sing a Song」「砦」の2本無事に終えることができました。少数精鋭部隊の見事な活躍で今年も順調な滑り出し、ここらで暫し温泉でも浸かって心身のメンテナンスというわけでございます。関東にもいろんな温泉ありますけど、この四万温泉湯量豊富な源泉かけ流しがとってもよござんす。2日連泊しての温泉三昧はこの世の天国。眺め良しの半露天風呂、汗が滴れ落ちてくる源泉サウナ、河原の清流を聞きながらの大浴場などなど七つの浴場があるんでございます。夜は美味しい日本酒でわいわいがやがや、冗談トーク連発で大盛り上がり...あまりの料理の美味しさと笑いの渦で、研修のテーマがぶっ飛んでしまいました。改めてトム・プロジェクトの社員の質の良さを再確認した次第です...なにも考えず、ぼんやりと青空を眺めながら湯に身を任す幸せな時間を持てる幸せをつくづくと感じた3日間でした。来年も、再来年も、いや未来永劫こんな至福のひとときを持てる会社の環境、人との繋がりを大切にしたいな...さてさて、今日から今後上演する芝居の準備。前半の勢いをそのままに後半戦に備えたいと思っとります。あっ!忘れてました。この四万温泉に美味しいうな重を食べさせる店があるんですよ。お店の名前は「くれない」温泉水の蒸気で蒸しあげていて、柔らかくふっくらとした食感のうな重。かりっとした焼き具合も上々、温泉とうな重、その組み合わせも今一つしっくりこないのだが、美味けりゃ馴染んでくるってわけさ...今でもあの極上の鰻の食感が甦ってきますがな。

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四万温泉

2018/04/20
【第1081回】

ミュージカル「リトル・ナイト・ミュージック」を観劇...風間杜夫初めてのミュージカル出演ということで大変話題になっていました。彼の師匠つかこうへいさんからも「風間、間違ってもミュージカルだけには出るな...」言われていた禁断の劇に出ちゃったんです。70歳を前にしての大変な決断だったそうな。いやいや、杜夫ちゃん頑張ってましたよ。周りのほとんどがミュージカルの常連、大竹しのぶと風間杜夫の役者組がミュージカルをドラマにしてたような気がしました。おいら、どちらかというとあんまりミュージカル好きではありませんことよ。だって異国のメロディを日本語に訳して歌うことに大変な違和感を感じます。そしてやたら美声で歌ってますなんて佇まいが大仰な気がしてなりません。そのスタイルが劇的な部分を弱め、なんだか美声の品評会のように見えてしまうんですな...その点、今回の役者二人のやり取りは歌の中に人間味が程よく刷り込まれ芝居としても成立していました。終演後、例によって宴の席で褒めてやりましたよ...いくつになっても挑戦を厭わない役者魂に乾杯!どんな名声を得ようとも、更なる上を目指す俳優こそ真の表現者です。今年も一人芝居「ピース」演じます。来年は古希を記念して一人芝居の8本目の新作を加えての「平和三部作」一挙上演も企画中です。ますます元気な杜夫ちゃん、貴方の才能あふれる一人芝居を楽しみにしている人が全国津々浦々いますけん、くれぐれもご自愛くださいませ。

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街の小さな喫茶店

2018/04/18
【第1080回】

なんだかまだまだ肌寒い日が続いていますね...最近は新宿に限らず都内のあちらこちらに立ち飲みの居酒屋が増えてきてますね。外国に行くと、その飲み姿がなんとも粋に感じるんですが、この国はまだまだ慣れてないのか、まだまだやぼったい感じがしますな。ただ安いからこの店で飲んでるという佇まいが寂しいな...なにも気取ったポーズで飲めなんて言ってませんよ。お酒を余裕持って飲んで欲しいなと思います。昨日も新宿思い出横丁のごみごみしたところに、外人観光客がひしめき合うように飲み食いしてるんですが、なんだか無邪気な子供のようでもありました。すべからく何事も遊び心が大切ですね...酒飲むにしても楽しんで飲みなはれ!愚痴を言ったり、他人の悪口言ったりの酒なんてまずいに決まってるじゃありませんか。酒をよき潤滑剤として人のつながりを円滑にして、また明日も頑張ろうなんて月並みなんですが一番よろしゅうございます。おいらの好きなスペインのバル、ちょいと飲んでつまんで又、次の店に出かけるはしご酒。これがスペインの粋な飲み方なんですよ...アンダルシアの田舎のバルに行くと、暇な年寄りが朝からワイン片手に、道行く若い娘さんのお尻ぷりぷり闊歩する姿を、穴があくように見つめる姿がなんとも微笑ましく感じるのもお国柄のせいですかな...なにはともあれ快適な季節に溶け合う酒でありたいものですな...昨日も駅のホームで新入社員らしき者がゲロってましたよ。これも社会人一年生の儀式かもしれませんが、スマートではありませんことよ。何事も、一度は許してくれはりますけど、二度目はあきまへんで...

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日本古来の花

2018/04/16
【第1079回】

昨日、「砦」の東京公演、無事両国シアターカイで千秋楽を迎えることができました...日々進化するこの芝居、言葉の持つチカラと、今の時代に即したテーマ性、その大切さを十分に把握した俳優の意識の高さが相まって見事な再演になりました。70歳を超えた2人の名優はさることながら、様々な役をこなした3人の役者の演技に心打つものがありました。地道にサポートできる共演者がいると心強いものがあります。この仕事、どうしても己が目立ちたいという役者の業が頭をもたげがちなのだが、今回の3人は、唯々いい芝居にしたいという一心で取り組んできました。この3人で30人分の仕事をしている感じすらしました。よくぞやったあっぱれ三人衆!芝居もいいんだが人柄が更にいいときたもんだから文句のつけようがございません。長い旅公演が続くと人間関係がうまくいかなくなり、なんとなく気まずいツアーになりまして、早く公演終わらないかな...なんてことになれば、当然のことながら芝居の中身がひび割れ状態になっちまうんですね。こうなると、何のために無駄な労力を費やしてなにやってるんだろう?なんて虚しい感情がむらむらと立ち上り、徒労の旅芝居になっちまうんでござんす。いままでにこんなことがあったかって?いやいや、そのためにキャストもスタッフも十分に人間性を吟味して選出しているんでございますよ...でも、そんな素振り身振りを感じた時は向こうを上回る演技も必要ですね...製作者も役者の素養がないと務まりませんことよ。

終演後、役者さんと両国国技館を眺めながらちゃんこ料理に舌鼓をうちました。元大関霧島が経営しているお店です。さすがちゃんこ、刺身にしてもけた外れのある厚みと量、こんなもん毎日食べてたらどすこいになっちますばい。ちゃんこ鍋の具も然り、暫し関取気分を楽しませていただきました。「砦」に関わったキャスト、スタッフの皆さん事故もなく怪我もなく無事公演を成功させてくれてありがとう...そして、この公演に足を運んでくれた多くの皆さん本当にありがとうございました。2020年に再々演が実現できればなと思いつつ両国を後にしました。

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両国

2018/04/13
【第1078回】

一昨日、おめでたい席に出席いたしました...本多劇場グループの主宰者、本多一夫さんが第52回吉川英治文化賞を受賞しました。あの下北沢の街を演劇の街にしたんですから、その功績は大だと思ってました。おいらは以前から、なんで本多さんが演劇に関する賞を授与されないんだろうと長年不思議に思ってきました。読売演劇大賞の投票委員になってからは毎年特別賞に本多さんに尊い一票を投じてきました。芝居は小屋がなければ出番はありません。その小屋を、下北沢の街に財産を注ぎ込んで七つも作ったんですから、まさしく表彰状もんでございます。表舞台の役者ばかりに光を当てないで、それこそ縁の下の力持ちである本多さんみたいな人に感謝の気持ちを形にしないといかんと常々思っていたので、本当に嬉しい授賞式でした。受賞の挨拶で「こんな賞いただいたので、これを記念してもうひとつ劇場を作りたいと思ってます。劇場の名前は吉川の吉と私の本の一字ずつを頂いて、吉本劇場にしようと思ったんですが、これはさすがにまずいですよね...」こんな冗談を喋る本多さんは本当にチャーミングです。御年84歳、北海道から出てきて新東宝のニューフェイスに合格し俳優の道を志した夢を、若き演劇人が芝居をやれる場へと発展させ、多くの演劇人を育ててきた志、とっても素敵です。おいらも本多劇場グループの小屋で随分と芝居をやらせていただきました。芝居が終わった後の一杯がまた楽しいもんでございます。演劇で多くの若者が集い多種多様な飲み屋が誕生しました...終演後の芝居談義もまた更なる進化への一歩です。街から若者の声が聞こえなくなったときに街の灯は消えてしまいます。劇場が街の往来に弾みをつけ活性化していく様を見続けた本多一夫さん、帝国ホテルの授賞式で最年長ながら一番若々しく見えましたよ...本当におめでとうございました。

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春薄暮

2018/04/11
【第1077回】

昨日「砦」の東京公演の初日を迎えることが出来ました。先月より北海道、四国を巡演してからの公演です。この国では現在、公共事業を含め様々な問題をめぐり大変な騒ぎになっており、今回の上演はタイムリーな作品になっているのではなかろうか...それにしても主人公である実在の人物室原知幸さんのダム建設に対し、徹底的反対する様は尋常ではない。今の政治、行政、司法の歪みに対し敢然と闘う市井の人たちと何故か重なる。そしてその夫に従順に寄り添った奥さんの心情が、夫婦の深い情愛へと繋がっていく。二人だけの旗を作っていく過程に中に、夫婦の得もいえぬ葛藤が観客の心を捉えて放さない。

僅か5人の登場人物でこの壮大なドラマを創りあげた東憲司さんの筆力、演出力はただものではない。東さんの描く世界には、常に弱者に対する慈しみが満ちあふれている。演劇も様々なジャンルがあって当然なのだが、おいらにとっての芝居は常に名も無き市井の人たちの目線で創りたいと願っている。なにもプロパガンダ劇を創ろうとは思っていないし、警鐘劇なんて考えても居ない。唯々、ささやかながら懸命に生きている人たちの貴重な汗に通じるドラマを産み出していきたいと思っているだけだ...

4月15日(日)までの公演です。今この時期、観て損はさせない芝居ですぞ!

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ビルの春

2018/04/09
【第1076回】

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 」を鑑賞...エンターテインメントの巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が描く社会派作品。40年前のベトナム戦争に関わる最高機密文章をワシントン・ポスト社が 報道すべきかどうかを巡る顛末を描いた作品。この監督のホロコーストを描いた「シンドラーのリスト」は、いまでもおいらの記憶に残る傑作のひとつです。 ジョン・ウィリアムズ作曲のテーマ曲が流れる度に、数々のシーンが浮かび上がってくるんですからたまりません。今回の作品は叙情性を極力排除し事の顛末をリアルに積み重ねたドキュメンタリータッチの作品ながら、メリル・ストリープとトム・ハンクスが共演し、さすがに実在の人物像を的確に表現し人間ドラマとしても立派に成立させています。この映画の制作が決まったのは、トランプ政権が発足してわずか25日だったというから、製作側も相当の覚悟で踏み切ったんでは無かろうか...今尚、トランプ大統領がワシントン・ポスト紙に対し再三フェイクニュースと喚き叫んでいるだけに、タイムリーな作品だと思います...アメリカだけではございません。この日本国においても公文書改竄、自衛隊日報隠蔽などなど問題になってます。そう言う意味でもスピルバーグ監督の現代を切り取る臭覚はただものではございません。演劇、映画は時代とともにあるものですからね...この映画の中でも言ってるんですが「報道が仕えているのは国民であり、統治者(政府)ではない」。その通りでございます。権力者が都合の悪いジャーナリストを排除し、公務員が庶民に顔を背け、権力者にすり寄る構図が出来つつある日本国、よそ事ではございませんことよ。一昨日も、映画の帰りに新宿西口広場で一般市民がプラカードを掲げ現政権を糾弾していました。ほとんどが初老の男女、未来の子供のために体を張っての行動頭が下がります...知らんぷりはいけませんことよ皆の衆。

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ハナミズキ

2018/04/06
【第1075回】

春から演技がよござんす...つい先月下旬に旅公演を終えたばかりの「Sing a Song」で三上あい子役を演じた戸田恵子さんが第43回菊田一夫演劇賞を受賞しました。東京で初日を開けてから、いろんなところでいい評判を聞いてはいたのだが嬉しい限りです。戸田さん自ら言っていたのだが「この賞は、この芝居に関わったキャスト・スタッフ全員で受賞したものです。」さすが戸田さんも良く分かっていらっしゃいます。主人公を支える共演者の演技の密度が大変濃く、三上あい子の人間像を見事に浮かび上がらせていると思いました。これはなかなか簡単なようで難しい作業なんです。それをコントロールした演出家、その演出を信じた作家、日々ミスを恐れず細心の注意を怠らず舞台を進行させたスタッフのチカラが上手く嚙み合ったからこその結果です。いい舞台を創るために、持てるチカラを惜しみなく注ぎながら進行していく舞台のありかたに改めて乾杯!誰一人としてアクシデントもなく31ステージをこなせたのも舞台に対する限りない愛情と責任感があったからこそだと思います。そして今回の受賞、その苦労が報われたってわけだ...なにも賞を取るために芝居やってるんじゃございませんよ。おいらが一番嬉しいのは、お客さんが喜んでくれることでございます。特に、なかなか芝居を観れない地方のお客さんが満面の笑みを浮かべて劇場を後にする姿を見たときなんぞは、おいらの方が涙チョチョきれますばい...

この作品、秋から暮れにかけての賞レースにも出場しそうな気がします。その勢いで再来年辺り再演できればと思ってます。まだ観ぬ多くの人達にお届けしたい作品です。なんといっても三上あい子のこの台詞が気にいってます。「人を死に追いやるような歌は歌じゃない。だから私は絶対に軍歌は歌わない。」改めて申します...戦争は絶対やってはいけません!

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まだまだしぶとく

2018/04/04
【第1074回】

いつものことながら、樹々に芽吹く新しい葉には生きててよかったという喜びを感じさせてくれます。誰に頼まれたわけではなく、いつものようにサクラが散った頃から、さりげなく芽吹く姿は愛おしくもあり、おいらも「待ってたよ...」なんて言葉を掛けたくなります。こんな不透明な時代だからこそ、自然の持つチカラに改めて救われ、失意に落ち込んでいるときなんぞは、もう一度やってみよう!なんて気持ちにさせてくれます。なんといっても色鮮やかなピカピカの葉色に心洗われます...邪悪な心であればあるほど、あの色でお掃除してくれそうな気がしますね。そんな神さんにも匹敵する樹々を伐採し地球を汚し続けているニンゲンという生き物はなんなんでしょうね...自然界の復讐は、すでに世界のあちこちで起きており、このままいけば地球滅亡のシナリオが現実化しそうな勢いです...聖なる自然界の掟は厳然と存在します。空を見なさい!樹々の変化を捉えなさい!空気を感じなさい!これらの当たり前の作動を出来なくなったときに生き物は死に絶えるでしょう...おいらは、どんなことがあっても、この動作を習慣化してます。そうすれば、少々上手く事が運ばなくてもドンマイドンマイという声が聞こえてきます。身の回りに、こんな助っ人がうじゃうじゃ蠢いているのに、気付かず感じずにいる人達が、それこそうじゃうじゃいるんでございます。自然はいつも助太刀したがっているんですから、もったいない話でございます。あのキラキラ葉っぱちゃん見てると、今日もルンルンしちゃうおいらです。

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今年も出会えたネ

2018/04/02
【第1073回】

待ってました!いよいよプロ野球開幕...ライオンズはむしゃむしゃとハムを喰いちぎっての3連勝でのスタート。10年ぶりの優勝も夢ではなくなったと思いますが、何せ始まったばかり、こればかりは正直この時期では皆目見当がつきません。がしかし、走攻守がぴったしカンカン、まさしく野球の魅力満載の3連戦でした。特筆すべきは外崎、金子の盗塁、そして2年目源田の好打。派手な一発ホームランより、機に敏なるプレーの積み重ねこそ勝利の方程式なんでございます。地味ながら勝つための方法論を熟知した辻監督のライオンズ入団が、大味なライオンズの選手の意識改革に繋がりました。今年こそ、辻監督の胴上げを観たいものです。そして昨日、センバツ高校野球の準々決勝4試合行われました。高校野球で一番見ごたえあるのが準々決勝なんです。勝ち残った8チームがしのぎを削る必死の戦いは実に見ごたえがあります。第2試合の智辯和歌山(和歌山)と創成館(長崎)の試合は壮絶な打撃戦、最後の最後まで読めない試合でした。甲子園球場には魔物が棲んでいることを証明したような展開、下手なドラマ見てるよりも面白い筋書きのないドラマで魅了されてしまいます。逆転されても諦めないあの選手の精神構造はどうなってるんじゃろか?いろんなスポーツあるのだが、この高校野球でしか見ることができない不思議な現象です。チームが一塊の球になって球場に球魂を産み出すんですね。画面に映し出される球児たちの表情からそのことが十分に伝わってきます。この瞬間のために寝食を共にした、いがぐり頭の青春のキラキラした時間が視えてきます。おいらだって中学1年生の夏まではそうだったんだから...良くわかります。なんでも良かばい、人生一度でも無我夢中になれた時を体験できれば、それだけで生きてきた価値があるというもんでごわす。

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3月31日 満月と桜

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4月1日 最後の桜 善福寺川緑地公園

2018/03/30
【第1072回】

「スリー・ビルボード」鑑賞...いやいや、冒頭からラストまでスクリーンに釘付け状態でございました。今年のアカデミー主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンドの演技が凄すぎます。これは演技を超越した生身の人間の表情、一貫して一つの顔で全編を貫き通しています。しかもノーメークに近い普通のオバサンってところがたまりません。だからこそ観客の想像力をどこまでも掻き立ててくれるどころか、彼女と一体化してしまいます。同じく助演男優賞を受賞したウディ・ハレルソンの芝居もこの映画の程良いアクセントを付けてくれてますね。カメラワークが実によい...ここまで俳優の表情をアップして持たせられたのも、俳優の芝居を信じ余計なテクニックを必要としなかったからではなかろうか。そして、いつもながら名作には素敵な音楽が必然...感情を露わにしない主人公の感情に寄り添うように流れる曲のテンポ、リズム、メロディが抜群である。嗚呼なんで日本では創れないの?そりゃ無理でしょう...今の日本の映画を創るスタンスが、原作は漫画、コミックが主流であり、主演俳優もモデル上がりの人気タレントを使わねば興行的にリスクを負う状態。なるほど上質、重厚な作品は創れませんがな...最近映画観まくってますが、映画館の前に立ち日本映画のポスターには目がいきません。なんだかお子様ランチのメニューを見てる感じがしてなりませんし、これではテレビで十分なんて気がします。でもこれじゃいけませんことよ...映画を心から愛し身を粉にして映画創りにいそしんでいる方々が沢山いると思います。そんな人達が日の目を見るような映画界であって欲しいですな...ガキの頃から西鉄ライオンズと映画を愛するおいらとしては切に願っとります。

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まだまだ愛でてくださいませ

2018/03/28
【第1071回】

サクラ満開、全快です...皆、心地よく浮かれとります。この時ばかりと、いやこの時を待ってましたとバカ騒ぎする輩には困ったもんでございます。昨日も花見の飲んだ勢いを車内まで持ち込んで周りに多大なる迷惑をまき散らしてる若者が居ました。注意しても、こんな状態では火に油を注ぐようなもんですから、いや逆襲され死に至る危険性もはらんでいるので止めときました。いくら空手の使い手といってもお歳も召してますし、刃物にはかないませんがな。おいらの若い頃の武勇伝が懐かしゅうございます。新宿の路上でチンピラ相手に極真ケンカ空手を何度も実践したあの日あの時...確かに、あのサクラの咲き方は人の感情を裂く狂気性を持ってますね、裂くらといっていいかもしれません。しばし、日頃のストレスを忘れサクラに身を預けたい気持ちもわからないわけではありませんが、サクラの美しさと潔さに相応しい姿で愛でたいもんですな。今年も例年のように新宿御苑に出かけようと思ったのだが、あの行列、そして外国の観光客の多さに少々辟易しとりますのでやめました。苑内に響く≷↔Å∫∽∝∬♪♩㏋⧺ℏ♭様々な言語が飛び交って頭がんがんしますがな...もはや日本ではありません。なんだかサクラも異国の花に見えてきます。情緒なんてもんは皆無、そんな御苑はもはやおいらにとっての御苑ではありません。狂乱の時期が去ったあと、ゆっくりと散策したいものです。身近な所にも素敵なサクラが咲き乱れてます...おのれの気持ちに添ったサクラの季節にしたいものですね。

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神田川のサクラ

2018/03/26
【第1070回】

昨日、東京亀有リリオホールで「Sing a Song」全31ステージ無事終えることが出来ました。1月5日の稽古初日から、ほぼ三ヶ月、事故もなく誰一人としてインフルエンザに感染することもなく完全達成。いやいや、奇跡でございます...いつものながら芝居の神様が見守ってくれてるんやなと感謝しとります。東京公演での高評価の勢いをそのまま地方に持って行くキャスト、スタッフの体力気力には、ほとほと感心いたします。これもいい芝居だからこそ、これだけのモチベーションを持てるんでしょう。昨日、終演後、役者さんと話をしたんですが地方公演のお客さんの反応にいたく感動したそうです。日頃はめったに観ることがない芝居に、新鮮な感性で観てくれる人達の熱い気持ちが舞台上の役者さんに伝わってくるんでしょうね。舞台に立った経験があるおいらにはよく分かります。この肌に突き刺さる感覚が生の舞台に立つ役者の財産になるんです。テレビ、映画では決して味わうことが出来ない醍醐味です。今まさに「生きてる...!」てな臨場感は、何事にも変えることができない貴重な瞬間です。今回の芝居は、少人数ながら6人の役者さんが個性的な役作りをしたことがドラマの展開に弾みを付け、ラストに至るまで観客を釘付けにしたのでは...これってなかなか難しいことなんですよ。ほとんどの芝居、どこかしら落ち零れがあり、今一つなんてことが多々あるのだが、今回の芝居も見事に6人の役者が皆活きてる!てな手応えがありましたね。

「舞台の素晴らしさは新鮮な感動であり発見です!観る側と創る側が夢を持てる舞台を創りたい!これが私達のメッセージです。」

これはトム・プロジェクトの社是です。これに叶った芝居が誕生し、全国津々浦々巡演できれば嬉しい限りです。今日からは「砦」の四国公演が始まります。待っててちょうだいね!吐夢は、読んで字の如く夢を吐き続けるチームですからね...

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こっちもあっちも満開

2018/03/22
【第1069回】

スペイン在住の画家、小林海来個展にギャラリー桜の木銀座まで行って来ました。4年振りの作品展です。彼はなんと3歳の頃から知ってます。おいらが初めてスペインに渡りマドリードのマヨール広場でインチキ大道芸やってる時に、見物人の投げ銭を拾って、おいらに渡してくれました。みーくんこの恩は一生忘れないと思い続け40年が経っちゃいました...月日が流れるのは早いもんでございます。おいらは芝居を創る羽目になり、みーくんは画家になっちゃいました。スペインと言えばアーチストの宝庫でございます。ピカソ、ダリ、ミロ、ガウディなどなど天才、奇才がごろごろしとります。あの太陽と海、そして乾いた大地、そんな中で育ってると遊び心が沸々と沸いてくるんですな...イスラム文化の影響も強いと思います。そこが同じヨーロッパの他の国との決定的な違いだと思います。そこにハポネスみーくんの和がプラスされるんですから、みーくんの絵は独自性を発揮しています。抽象画の面白いところは、こちらもあれこれ想像しながら遊び心を掻き立ててくれるところです。みーくんが何を見、何を食べ、どんな女性遍歴を経てきたか...ここんところが肝心とおいらみーくんに聞いてみました。4年前に比べて明らかに色使いが変わってきたので「女でしょう?」するとみーくん、にやにやしながらスペイン人になっとりました。ええこっちゃ、折角異国の地に居るんだから、腹一杯恋しなくちゃ。ここんところは素直に、偉大なる先輩ピカソを見習ってちょうだいな...みーくん¡Hasta luego!

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海来

2018/03/19
【第1068回】

先週の週末は映画観賞を堪能しました...金曜日は「グレイテスト・ショーマン」レ・ミゼラブルで圧倒的な演技、歌唱力を魅せつけたヒュージャックマン主演のミュージカル。こんな映画は、残念ながら日本映画界が逆立ちしたって作れっこないだろうなと思いながら観てました。出演しているどの俳優も個性があり、表現力も確かなものを持っている。ハリウッドには実力派俳優がゴロゴロしてるんだろうな...映画の評価は、まあ楽しめるんだけど浅いって感じ。特にサーカスグループに対しての扱いが雑であり、人間関係が希薄、歌と踊りで強引に押し切ったという印象を持ちました。昨日は「シェイプ・オブ・ウォーター 」を鑑賞。今年のアカデミー賞作品賞・監督賞・美術賞、作曲賞、を受賞したのも納得できる仕上がり。映像、音楽、演技どれもがバランスよく進行しラストの美しい映像で幕を閉じ、観客の心地良い余韻を残す。作品の良し悪しは、観客をどこまで想像力の羽根を拡げ伸ばしてくれるかの一点に尽きる。この作品を観ながら人種差別、男尊女卑、階級差別、性的マイノリティ、国家間の駆け引きなどなど、いくつもの問題点が交錯し愛の本質に迫る手法はなかなかのものである。監督はメキシコ出身のギレルモ・デル・トロ。なるほど土着、ファンタジアが程よく交流しながらセンスのいい作品に仕上がった。アスファルトジャングルでの思考から生まれてこない創造力、すべてが進歩、発展という名のもとに進行してきた現代社会の大きな課題、壁をぶち壊し、新しい価値観を生み出すのは、経済的にも恵まれず土着の中に潜む原色の鮮やかさのなかで育った人たちかもしれませんな...便利さから身を引き、不便の世界に身を置くことがもっとも幸せな道かもしれませんよ。

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今日の新宿駅東南口

2018/03/16
【第1067回】

連日、森友問題でマスコミは大騒ぎ...そんな折、東北学院大学名誉教授・岩本由輝さんがこんなことを書いていた。国が歴史的にも東北を利用し続けたことへの批判である。

2年後の「復興五輪」を掲げた東京五輪。誘致活動を始めたときは想定外だったのに、震災と原発事故が起きたからって利用するのは安直というか、無責任な感じがする。行政側は、景気づけに利用しようと思ってるかもしれません。被災者の人間としては、人の不幸をキャッチフレーズにしないで欲しい。東京五輪は東京五輪としてやればいい。政治家や官僚達は世間への体裁を取り繕っているだけで。本心では「まぁ、東北だからいいや」という考えがどこかにある。復興相も7年の安倍政権で7人変わり、前の復興相は、震災は「東北で良かった」などと言い更迭されたが、あれは失言ではなく本音でしょう。一人歩きしている絆という言葉には、なにか上から目線を感じてしまう。自分のところで心配のない人々が、哀れみを持って絆を強調しているのが見え見えで。そんなお仕着せなら願い下げだと思います。被災地の現実は、「絆でつながっている」とか、そんなもんじゃないんです...日本は一つと言いながら、絆が強調されるのは、現実には分断が進んでいるからこそ、なのかもしれません。

東日本大震災から7年、この反省から何も学ばず、政府・行政、今回の問題も含めてどこを向いて仕事をしているのか?全てが身の保全、多くの人達の汗水垂らした結果としての税金での生業の人達に猛省を促したい...防戦一方の政府、官僚。あんたらに最初にして最後になるかもしれない人間としての尊厳を示して欲しい。それやっとかないと、ご臨終のとき後悔しまっせ!

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もう少し待ってちょうだいな

2018/03/14
【第1066回】

なんじゃい!あの苦虫を噛み潰したような表情で、セメントをバックにして偉そうな顔で権力を牛耳ってるふりしてるおっさん、はよ退場せんかい。あんたが最高責任者だろ、頭もさげんで部下に押しつけて、ほんまに戦後最低の政治家ですばい。福岡に行くとあちこちにグループの名前を見かけるが県民の恥ですな...財界がらみ、お金と財閥の潤沢な資金を投じての当選回数でしょうな。黒ハット似合ってると思ってるんでしょうね...ちんちくりんですよ!なんて言おうなら即刻クビが飛ぶんで誰も言わんでしょうな。まさしく可哀想な裸の王様でござんす。と、ここまで書きたくなるような連日の報道。いつになったら、この国まともになるんでしょう...こんな政治屋を選んだのも残念ながら、この国の人達。いつになったらまともな選択出来るんでしょうか?おいらが生きてるうちは無理でしょう、いや未来永劫無理でしょうなんて思いで一杯でございます。

そんななか、公共事業とはなんぞや?ということに一石を投じた「砦」先ずは北海道の地方公演からスタートします。口を開かんことには、手足を動かさんことには何も始まりません。他人事みたいな顔してるあなた!後悔しますぞ...このコラム読んでる方には、そんなあんぽんたんなひとはいないと思っとります。

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新宿御苑の春

2018/03/12
【第1065回】

先週の土曜日、「砦」の最終稽古に行ってきました。ダムの底に沈む故郷に異議を唱え反対し、最後は敗れ去った室原友幸さん夫婦をベースにした芝居です。奇しくも事故から7年、未だに故郷に戻れない東日本大震災の被災者の人たちのことが重なりました。生まれ育った土地は、その人の人格、品格を育んでいきます。その土地でしか生まれないエキスを存分に吸い込み、たくさんの思い出を身体に染み込ませます。どこに行っても、その思い出は終生忘れることがありません。そんな故郷が見るも無惨な形になるなんて、ましてや帰還困難なんて状態になったときの衝撃は計り知ることができません。いつものことながら、こんなことも急速な時代の流れと共に風化し、過去のこととして忘れられるのが世の常です。

今回の「砦」の実話も、どれだけの人が知ってるんでしょうね...そんな無念の人達の気持ちを掬い上げ、利便性、発展、金儲けに邁進してきたこの時代に一石を投じていくことが、今まさに生きてる人達の責任だと思いますよ。ぼけっとしてたら、今日も話題になってる行政のごまかし、政治家の横暴、司法の権力への癒着みたいな体たらくに、気づくこともなくただただ日常のくだらないテレビのおちゃらけ番組を見ながらの垂れ流し人生になっちゃいますぞなもし...そんな人間をより多くつくり出し、時の権力者、経済優先の企業家の下部にしようとする企みに疑問を抱き、人が人として生きていける社会にせにゃなりませんがな。

と、言うわけで今回の「砦」ご覧になるとその辺のところがよく分かると思いますので、是非ご覧になってくださいませ。

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暮れそうで暮れぬ

2018/03/09
【第1064回】

旅の見知らぬ街でついふらりと入る素敵な店...これはもう直感としかいいようがない。入店して、しまった!と言うこともあり、おいらの勘ピューターがずばり当たれば、あぁこりゃこりゃと至福の時間を過ごすことが出来るというわけだ。入った瞬間の五感を揺るがす(ちょいオーバーかな?)店内の空気が大事です。棚に並べられた酒瓶の配置、中に立つ主人の立ち姿、カウンターの幅、長さ、質感、これもとっても重要でございます。椅子に座りグラスにアルコールを注ぐ振る舞いで、その店の佇まいが決まってしまいます。なんてえらそうなことをのたまわってますが、この一瞬一瞬の空気感が、このあとの心豊かな時間を期待させてくれるんですな...他のお客さんが誰もいないと、自ずからオーナーと話をしないとなんとなく気まずいので四方山話をするのだが、お互いの共通する話題が見つかるとしめしめ。あとは時間を忘れ会話とお酒で、瞬く間に時間が経過していきます...こんな時に店内に流れているBGMも、貴重な時空間をサポートしてくれる要素です。おいらなんかjazzが流れてるだけでご機嫌なんですが、レゲエ、ラテン、ボサノヴァなんて粋な曲が流れてくると踊り出したくなりますんね...ほんとにお調子もんで困ったもんでございます。トイレタイムに入ったトイレのインテリア、これは店のポリシーを決める決定的なものかもしれませんね。おしっこしながら壁に飾られたお洒落な絵なんぞ見たら、よしゃ!もう一杯なんて気分になりまっせ...そうやって微に入り細に入り戦略考えんと、お店は生き残ることはできませんがなもし。

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トイレに飾られた絵

2018/03/06
【第1063回】

昨日は福岡県行橋市での「Sing a Song」の公演に行ってきました。満員の中、俳優陣、スタッフも連日の公演にも拘わらず全力投球。戸田さんが登場すると拍手、大和田さんが登場すると更なる拍手。お客様も終始のりのりの環境の中で、最高の舞台でした。地方のお客さんに気づかされることがたくさんあります。まず第一に、何の予備知識なしに素直に芝居を観てくれること。第二に劇場を出てきた時の輝くような表情に、おいらも心が洗われる思いがします。まさしく一期一会、もう二度と会えることがないであろう土地に来て、芝居で出会えるなんてなんと素敵なことではなかろうか...良い芝居であれば、あの街、この町で語り継がれることは間違いないと思います。そして、この町、あの街から俳優、作家、演出家、美術家等々が輩出することがあれば、なんと夢がある仕事ではございませんか...この日、以前松下竜一さんの芝居でお世話になった方々が中津から9名来てくれました。皆さんの元気そうな顔を見ただけでうるうるしちゃいました。松下竜一さんと共に社会の歪みに敢然と闘ってきた梶原さんご夫婦、新木さんご家族、そして竜一さんのご子息健一さんご夫婦。めったに会えないけど、おいらは固い絆で繋がってますよ。今月中旬から松下竜一さん原作の「砦」の公演も始まります。今こそ、松下竜一さんの暗闇の思想が伝播することを願わずにはおられません。

終演後、俳優陣と共に食事に出かけました。魚も肉も安くて旨い「遊楽」で極楽の時間を過ごしました。一年に数回しか出回ってこない魚タケノコメバルの煮付けがめちゃ美味しかった。これは奇跡ですばい...そう言った店長が自ら店を空けラーメン店、行橋で歴史あるバーにまで案内してくれました。こんな親切な人はおらんですばい。ホテルに戻ったのが午前1時...ほんごつ今夜は最高!の行橋でした。

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行橋駅

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月曜日水揚げされたタコ

2018/03/02
【第1062回】

第25回読売演劇大賞の受賞式、この賞の投票委員として帝国ホテルに行って来ました...大賞を受賞された宮沢りえさん、それはそれはお美しゅうございました。先日も堤真一さんとの共演「近松心中物語」観に行ったのだが、あの細さで折れ尽きんばかりの演技でしたが、ちょい心配しますね。美しさを維持するための体調管理はわかりますが、これが芸能界でごわす...この授賞式で嬉しかったのは三つ。トム所属の劇団チョコレートケーキの演出家、日澤雄介さんが優秀演出家受賞。トムお馴染みの作・演出家、東憲司さんの優秀スタッフ賞。そして、劇団唐組の藤井由紀さんが優秀女優賞をもらったのは本当に嬉しかったな。テント芝居という過酷な状況の中、長年ヒロインを演じ続けてきた由紀ちゃん、唐十郎さんも涙して喜んでおられることでしょう。

なにも、賞が頂きたくて芝居やってるんじゃないけれど、やっぱり嬉しいんじゃないかしら...それにしても、観客100人程度の小劇場から1000人規模の大劇場まで足を運んで、日々観劇してる審査員の方々も大変でしょう。おいらも、審査員の方々と劇場で隣り合わせでご一緒したりするのだが、首が落ちてる方よく見ますな。芝居がつまらんのでお休みしてるのか、それとも昼夜の観劇でお疲れになってるのか知りませんけど、このお役目も大変でございます。先日も、「Sing a Song」にいらした年配の評論家の方がおっしゃっていました。「役者は動きまわって気持ちいいかもしれんけど、こちらは一度着席したら身動きできんし地獄やな...」まさしく本音でなかろうか。首が落ちない舞台にせにゃならんですばい...

草木が萌え動く弥生、明日は満月、ひな祭り。四季を楽しめる日本に生まれてほんまに幸せですたい。

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弥生初日の夢見月

2018/02/28
【第1061回】

待ってました!花粉の季節です...、喜んでるのは耳鼻咽喉科のお医者さん、薬屋さん、この季節を一日千秋の思いで待っておりました。新聞、車内の広告に新手の薬があちこちに見かけます。目ん球じゃぶじゃぶ洗いたい方には是非!なんて書いてると、ついつい買いたくなりますがな。おいらも、ほんまに目ん球取り出して綺麗に洗濯したい日々です。家を出るときには花粉症対策用のメガネとマスクは欠かせません。しかしながら、このふたつを使用してるだけで世界が変わります。どう変わるって?何か、変装して世の中の動向を窺ってる気がして面白いですな。いつもと違う自分が、いつもと違う風景を楽しんでるおいらが不思議です...ものは考えよう、なんでも楽しめばいいんじゃないの。花粉の季節、嗚呼憂鬱と思うか、こんな時こそ忍者の姿になって春の季節を縦横無尽に駆け巡る!そんな気持ちになっただけでも楽しいじゃございません。

桜のつぼみもちらほらと膨らんできてますし、梅はあちこちで咲いています。まだまだ寒さと暖かさが繰り返す三寒四温の時期ですが、明日から弥生「弥生のついたちより、しのびに人にものら言ひてのちに」なんて、古今和歌集の恋の歌がありますように、なんだか3月の声を聴きますと浮き足だって気もそぞろ、キョロ松ちゃんのおいらも、よりキョロキョロと道行く麗人に目を奪われないかと心配しとります...でもね、人間好奇心が無くなったら終わりでございます...弥生を存分に満喫するつもりですばい。

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梅は咲いたか、桜はまだかいな...

2018/02/26
【第1060回】

冬期オリンピック、終盤に日本の活躍もあり大変盛り上がりましたね。それにしてもチームプレーになると、さすがに日本は強い。パシュートのワンラインはその最たるもの、このチーム年間300日もの日々を一緒に過ごすんだから勝って当然かもね。でも、ここまで勝利に対する執念よりも、己との記録との戦いに勝ったということに感じるものがありました。勝負事なんだが、国のためとか言われると、なんだか自国第一主義のトランプと同じ。こんなところから戦争への道に繋がっていくのでは...それにしても、オリンピックを舞台にアメリカ、北朝鮮の駆け引き、まさしく世紀の祭典が政治の駆け引きの場になってます。所詮、オリンピック自体が商業主義に傾いているのだから当然のことかもね。国の戦いではなく、アスリートの個との戦いとしてみると、どの種目もアートに通じるものがあります。

蝉の抜け殻を発見!自然との共生を大切にしながら生を全うしている生き物の真摯な一生を考えちゃいました。奢りもなく己の定められた命に忠実に、愚かな人間に季節の喜びを教示してくれる自然界の生き物に唯々感謝です。三寒四温を繰り返しながら春に向かっています、桜の蕾もほんの少しだが膨らみ始めました。ほんまに自然界は、何事もなく無理することもなく、おばかちゃんの人間に様々な恵みをもたらしてくれくれますがな...それに比して、いつまでも欲深く争いが絶えないことを繰り返すあんぽんたんの川流れな人類ですたい。

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おつかれさま...

2018/02/23
【第1059回】

漣ちゃん死んじゃった...早すぎるな。漣ちゃんと逢ったのは40数年前だな、赤坂の古アパートの1階のアトリエで転形劇場の芝居を観たのがきっかけだった。この頃のアングラ俳優は皆喰えなくても、芝居になると狂気じみた形相で観客に対峙していましたな。先輩の俳優に混じって、痩せこけた漣ちゃん負けじと自分の思いを激白...今は無き新宿昭和館の映画館前で偶然に会ったときは、ピンク映画でなんとか喰ってるよ!なんて言ってたな。映画館の掲示板のポスター見ると出演者に大杉漣と書かれておりました。何とかしなきゃ!ピンクだろうが何だろうが家族を喰わすために男優も裸になりまっせ。いくらか売れたときに、舞台に立つのだが、なかなか上手くいかなくて、俺やっぱり下手なんだなとおいらに呟いておりました。漣ちゃん、その上手くやれないところが漣ちゃんの魅力だよと、おいら励ましの言葉をかけました。その後は、あの人柄の良さと、表現者としての飽くなき奮励でバイプレーヤーとして確固たる地位を築き上げました。まだまだ、これからいろんな顔を魅せてくれる筈だったのに...本人が一番残念がってるに違いありません。でも、漣ちゃんが遺した作品たくさんあるし、貴男の魂は貴男が好きだった人たちに引き継がれていきますから大丈夫ですよ。ゆっくり好きなギターでも弾きながら休んで下さいね...合掌

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冬の公園

2018/02/21
【第1058回】

下北沢で芝居公演中に素敵な店を見つけました...Jazzと喫茶・囃子「はやし」。下北沢には56年間にわたって営業を続けてきた「ジャズ喫茶マサコ」が存在していたのだが、2009年9月24日に閉店してしまいました。おいらも、下北沢を訪れる度に寂しい気持ちが8年間続いておりました。空いた時間に、こっそりとjazzを耳にすると疲れた心身が息を吹き返す...これは、おいらの健康のありかたのひとつでもあります。ましてやLPレコードで聴けるなんて贅沢じゃございませんか。オーナーは「マサコ」でアルバイトしていた女性です。まず、店内に入り、そのセンスの良さにうっとり。出された珈琲、お酒、つまみもとっても美味しいのですからたまりません。おいらもまだ食していないのだがハヤシライスがとっても美味しいらしい。今度チャレンジしてみます...こんな店が、いつまでも続いて欲しいのだが、再開発で街の形が大きく変貌しつつある昨今、家賃が高騰している。小さな店で単価が安い飲食物で大丈夫かしら?珈琲一杯で何時間も居られちゃたまらんですばい。でも、心優しいオーナーはそんなこととは無縁で、自分の納得いく店というより、生き方も含めてのオープンであると思う。全国的にJazz喫茶が減少している今、おいらは残り少なくなったjazz喫茶行脚をしているのだが、残念ながら微力でしかない。かといって、趣味は人それぞれ「頼む!存亡の危機にあるjazz喫茶に行ってくれ...」なんてことは言えまっせんことよ。でもでも、お試しに行ってご覧なさい...いい音が疲れた身体を癒してくれますよ。又、明日から頑張ろう!なんて気分になったら、めでたしめでたし...

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はやし

2018/02/19
【第1057回】

「Sing a Song」16日に東京公演を終え18日から地方公演に突入しました。最初の公演地は四国の高松市、3月25日まで21ステージを巡演します。今回の芝居の劇評が日本経済新聞、朝日新聞、赤旗新聞に掲載されました。

 

「涙や哀しみの先の透明な情感を宿す歌そのものの力が激しく胸を打つ。戦争を知らない世代の心と過去の声との交感が感じられる」「戦争の暴力を、流行歌手のささやかな抵抗からあばけないか。近代史をアクチュアルな人間ドラマにしてきた作者の古川健と演出家日澤雄介のコンビが、間奏曲のように軟派な大衆歌謡を素材に、硬質な試みをした。コミカルでいてシリアスな芸質と、感情を繊細に届かせる歌唱力を持つ戸田恵子を得て、胸に迫る。批評する力は強い。軍部は歌を兵器とみなす。あいこ(戸田恵子)は平和と命の尊厳を願う心と思う。同じ言葉で違う意味が衝突し、批評する。戸田がささやくように歌う『リリー・マルレーン』もそうだ。戦線で兵士に愛唱された恋の悲歌。のびやかに澄んだ高音で、戦争と平和の二重の意味を帯びる」「~歌はね、人の心に生きることの喜びを与えるもの。人に死ぬことを奨める軍歌は、あれは歌でありません~インパクトのあるせりふが強烈に響く。奥行きのあるドラマを6人の人物によって展開する筆力のすごさ。そして、それぞれの役柄を見事に体現した俳優陣によって緊張感みなぎる舞台を創りあげていた」

 

なかなかの劇評でございました。少数精鋭で創りあげた舞台であるが、スタッフと俳優陣が総力を結集した実りある力業でした。まだご覧になってない方は、トム・プロジェクトのホームページでスケジュールを確認し、是非とも劇場に足を運んでくださいませ。損はさせませんぞ...間違いなく。

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ほんのりと春の匂い

2018/02/15
【第1056回】

「Sing a Song」東京公演明日が千秋楽です...芝居をきっちりと観てくださるOさんから観劇後の感想を速達ハガキで送られて来ました。

 

話の内容は予想がつきました。ポスターにも戦時中の色が染みついていましたから。ただ芝居はその浅はかな想像をはるかに越えていました。気合いの入った完成された舞台に正直感動しました。こんなひとたちが居たんだ。こんな奴も存在していたんだと。芝居の中の現実感に引き込まれてしまったのです。良く練り上げた脚本を理解して演じた役者各位の迫力のなせる業です。そして、その役者に正面から向き合った演出家の世界観が作りあげた世界です。この芝居を成立させたプロデューサーの熱意が全編を通じて感じられます。知覧なのか出水なのか、飛び立つ少年兵の姿を思い浮かべ、会場にはすすり泣きが満ちて、この芝居のリアリティを実感せずにはいられませんでした。こうした芝居が上演される今を大切に守らねばと肝に銘じた次第です。しかし、この芝居の成功の要因は戸田恵子さん演じる三上あい子の実在感でしょう。ひとがいきるということを歌に託した主人公の痛々しいまでの生き様が話に引き込ませるのです。その美しい歌声とあいまって、観客を70年以上前の緊迫した時代に運び込むのですから。それに対峙する各役者の真剣な表情にささえられ、この芝居の成功があるのだと納得させられます。本当はみんな優しく穏やかな人生を生きたかったに違いないわれわれの先人に思いをはせたひとときでした。拍手!

 

一枚のはがきにびっしりと思いの丈を綴られた言葉を眺めながら、いや本当に芝居はいいもんだと改めて感じた次第です...手造りで皆のチカラを結集して作品を生み出し、お客様に喜んでいただく。プロデューサー冥利につきますばい...

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春がひたひたと...

2018/02/13
【第1055回】

石牟礼道子さんが亡くなりました...水俣と共に歩まれ、常に弱者の側に寄り添い生きてきた生涯はキラキラと輝くものでした。長男が結核にかかり、その入院先で当時「奇病」と呼ばれ症状に苦しむ人たちを目にしたのがきっかけで物語を紡ぎ出す。言葉を失った患者の魂の叫びを過激な言葉としてではなく、優しい言霊として表現する石牟礼さんの著作は、この世の巫女的な存在でもあった。彼女は物書きとしてではなく、患者のチッソ本社に対する抗議活動にも同行し、東京本社で患者、家族共々座り込み、会社の責任追求に日々を費やした...そのときの彼女の言葉が印象的である。「東京にゆけば、国の在るち思うとったが、東京にゃ、国はなかったなあ」今も、この構図は変わらない。権力者は常に真相を隠蔽し、都合が悪くなるとうやむやにし切り捨て、弱者を棄民扱いにする。その後の東日本大震災、熊本地震等々...石牟礼さんが住む不知火の美しい海を見続けたからこそ、綴られた言葉は何度読み返しても心の琴線に響いてくる。

トム・プロジェクトでも2016年に水俣を題材にした芝居「静かな海へ~MINAMATA~」を上演した。どこまで水俣に迫っていけたか分からないけど、生きてる人間が声を上げ続けていかない限り水俣も過去のものとして忘れられてしまうに違いない。明治150年、近代化を唱え経済は確かに潤い利便な世の中になったかも知れないが、その影でうち捨てられた民、自然、もの、そして人間性いや魂。地の底に落ちようとも人は明日を思い、他者を思いやる気持ちが大切であることを教えてくれた石牟礼道子さん...貴女の残した言葉いつまでも読み続けます。

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苦海浄土

2018/02/09
【第1054回】

「Sing a Song」今日で3日目を迎えます...初日の緊張感は全員が、心臓ぱくぱくもんでございます。稽古場でどんなにいけると思っていても、お客が入り幕が開くと稽古場とは全く違う空気が流れ、役者の一挙手一投足で微妙な動きが劇場内を包みます。観客のハートをどこまで鷲づかみできるかどうか?しかも早い段階でつかまないと、あれ終わっちゃいましたなんてことになってしまいます。今回の芝居の見所は、もちろん戸田恵子さんの歌、信念を貫く表現、大和田獏さんの人生を感じさせる味わい深い佇まい、地味ながらきっちりと支える藤澤志帆さん...そして、今回際立つのが3人の憲兵、大佐、軍曹。これまでは日本の軍隊の役を演じる場合はパターン化したケースが多いのだが、今回の鳥山昌克さん、高橋洋介さん、岡本篤さん、もちろんキャラクターの違いは当然として、それぞれに人間性を程よく役に刷り込み、三者三様の軍人像を創りあげている。その変化、違いをストーリーとともに追っていくと、また芝居の楽しみ方がより深みを帯びてくるというものだ...芝居の面白いところは、テレビ、映画とは違って舞台上の人物をすべからく俯瞰出来るところにある。映像の場合は監督の意図により、又、主役優先ということもありアップで注視するところを決められてしまう。ところが舞台の場合は、台詞のないただ突っ立っているだけの役者が全身で思いの丈を表現している...この瞬間に出会えたときこそ、演劇に立ち会えた喜びを享受出来る。どんなに台詞が多くても、駄目なもんは駄目!これが芝居の厳しさでござんすよ...この芝居、来週の16日(金)までやっとります。いろんな角度から、芝居の奥深さを楽しんで観るのもよござんすよ。

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つかれちゃいますがな...

2018/02/07
【第1053回】

先日の沖縄の名護市長選挙、心が痛いです...地元のほとんどの人が辺野古への移設に反対し続けているにも拘わらず、国策を止められず諦めの気持ちが出てきている。現に現地の人たちから「辺野古が止まる可能性があるなら現職に投票する。でも、無理でしょう...」だとすれば、国が移設に反対する県と市に見せしめ行為?として頂けなかった国からの交付金を頂いて、医療福祉、子育て支援、商業の活性化に当てた方がまだましだと考えたのであろう。それにしても、この沖縄いつまでこの難題を押しつけられるのであろうか...アメリカは核軍縮どころか拡大の方針を打ち出し、世界は果てし無き軍拡の道を突き進む。アメリカの核の下での保護を沖縄だけに負担させ、他県の人は見ぬふりしてる日本人も姑息だと思う。日本全国で均等割すべきではないか?こんな意見言ったら、選挙で落選するから与野党含めて議員の誰ひとりとして口にしない。そして、反対ばかりするのも理が通らない気がしますがな...

今日から「Sing a Song」が始まります。この芝居も反戦に繋がる芝居です。もうすぐ、母の三回忌です。大陸から、おいらを腹に抱えて引き揚げてきた母が何度も何度も口にしていました。「戦争は勝っても負けても地獄、絶対しちゃいかんとよ!」まずは、身近なところから、出来るところから始めましょう...いつまでも見上げてられる青い空がありますように...今日からの芝居もその一つです。

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見上げる空であって欲しい...

2018/02/05
【第1052回】

昨日、7日から始まる「Sing a  Song」の最終稽古で錦糸町の稽古場に行ってきました。長い稽古の総決算である最後の通し、俳優さんにとっても最終確認作業である。役作りは俳優の創造力が問われる最も重要な評価のひとつである。その人の日頃の生き方、つまり感性の錬磨、観察力、美学などなど、どのように日々を過ごしているかが一目瞭然に判るから怖い...今回も、6人の役者さんのそれぞれが役を通して見えてくる。その人しか出せない味、又、見る人の思いを裏切る一面を見せつけられたときの驚きなど、稽古場でしか感じられない面白さがあるから、稽古場見学はやめられないのかもしれませんな...明後日からは、いよいよ本番だ。舞台上で照明、音響が加わり、観客を前にしたときには次なるステップが待ち受けている。一回性の演劇が持つライブ感は、何物にも代え難い貴重な体験である。が、しかし、そのたった一回の体験が、つまらんものであった時は観客が二度と劇場に足を運ぶことがない危うさも同時に兼ね備えている。プロデューサーからすれば、それこそ博打でございます。こんな恐ろしいこと、よく24年間もやってるな!とおいらも驚き桃の木山椒の木。お陰で命が縮まったのか?と言われると、そうでもないので結構楽しんでやってるのかな...いやいやラテン気質ですので芝居稼業もケセラセラでござんす。まあ、やるだけのことはやったんだから後はお客様にお任せします。金返せ!なんて言う人が出ないようにしっかりと勤めますんでよろしくお願いいたします。中には、これは?なんて小言をいう御仁も居るでしょう...そんな時は許してちょ!

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稽古場へのいつもの道

2018/02/02
【第1051回】

今日も大雪かと思いきや、なんとか平穏な降りで済みました...テレビを見てると首都圏の雪情報がトップで、まるで大事件並みの扱いであるが、雪国の人たちからすれば「なんじゃい...これくらい当たり前でごぜえます。」なんて気持ちで見てるんでしょうな。すべてが東京中心で物事が進行しているこの国ってなんなんだろうね...国会も始まりました。予算委員会で相変わらずモリカケ問題で今まで同様の質疑応答をして、いまだ五里霧中の状態であるのだが...当事者である籠池泰典夫妻は8月に逮捕され未だ拘置所生活、あべちゃんの奥さんは旦那と一緒に外遊三昧、認可された加計獣医学部の学長は雲隠れ、なんじゃろかいな?出てきて喋らんかい!と皆思ってるんだが、なにせあべ一強政治、なんともなりませんがな。それよりも、これまでの与野党含めての質疑応答で、誰一人としていまだ困窮生活を強いられてる東日本大震災、熊本地震、九州北部豪雨、各被害者に対するやりとりがありません。おいら何度も言ってるんだが、2020年のオリンピックなんか中止して、この費用でこの人たちを普通の生活に戻してやることが先決ではなかろうか?猛暑の中でのオリンピック普通の感覚じゃありませんがな...そして、福島第一原子力発電所2号機で先日行われた格納容器の内部の調査で、東京電力は原子炉の真下で最大で1時間当たり8シーベルトの放射線が測定されたとのこと。この値は人が近くにとどまると1時間ほどで死に至るレベルの被ばくをするとされ、事故から7年ほどたっても格納容器の内部は極めて強い放射線が出続けていて廃炉の難しさを示しているんでござんす。

この先、なにが起こるか分かりません...皆の衆、眼を開けて本質を視なきゃあかんぜよ!

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今日の寒い新宿

2018/01/31
【第1050回】

長年の友人であった斎藤暁さんが亡くなったことを昨日息子さんから連絡がありました...斎藤さんはNHKのテレビ界で長く、演出家・プロデューサーとして活躍され、NHKエンタープライズ21代表取締役社長、NHK専務理事、放送総局長と大役を歴任されました。大河ドラマをはじめ数多くの傑作を世に送り出した方です。そんなことよりも男としてダンディで気品があって、とっても優しい方でした。偉ぶることなく年下のおいらと対等に付き合ってくれました。おいらがまだ風来坊の時代から、気さくにゴールデン街で酌み交わし、いろんなことも教えてくれました。「けっちゃんみたいに自由に生きるだけで、僕は尊敬するよ...」なんて煽ててもくれました。何事も媚びることなく大人の仕事を凛としてこなされていく姿に、大人として歩む道を背中で教えてもらった気もします。年末に今は亡き母と弟が上京したことを知ると、紅白歌合戦のチケットを特別に頂き、母がとっても喜んだことも良い想い出のひとつです。男の品格、とっても大切だと思います...ボロは着てても、心は錦。

どんな境遇にあろうとも精神が屹立し心がピュアでありたいでござんす。おいらは、まだまだ修行中の身でござんす...昨日は斎藤さんの83年間の生涯に対してワインで献杯しました。

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はや梅でございます...

2018/01/29
【第1049回】

トム・プロジェクトでは芝居以外にも「ありがとうの手紙」というステージをやっています。先日も四国中央市土居町文化会館でやってきました。地元の人達から「ありがとうの手紙」を募集し、その手紙を下條アトムさんの温かい語りで読み上げ、沢田知可子さんの歌声を交えながら進行する舞台です。先日の公演で読み上げた方の娘さんから、当日は遠方(福岡)なので参加は出来なかったのだが、お母様から「本当に素敵な想い出が出来た...」とうれし涙の電話がかかってきたとのことで感謝の手紙が送られてきました。取り上げられたお母様の手紙は次の一文です。


                  あなた、ありがとう

そちらの天国は、どうですか。この世とあの世、どこに境があるのでしょうね。あなたが私の側にいなくなって、はや三年。朝、「いってらっしゃい」と見送ってそのまま。あなたの死の知らせ。もうパニックになって頭真っ白に。苦しかった、痛かった、心細かったね、一人で寂しかったね。もう、たまらなくて、いとおしくて、いとおしくて...。心の底が、哀しみにまみれた時は不思議と涙出なくて。会いたい、会いたい、声聞きたいよ。あなたとは、大学入学時に、知り合い、その時、ピッピッピッと電流が走り、このね。沢山笑わせてあげてね。沢山の人に幸せをあげてね。みんなをあたたかくしてあげてね。あなたの隣で、あなたの笑顔に包まれて、すごした全ての時間、本当に幸せでした。ずっとずっと一緒にいると思っていたのに。私の心のフィルムに焼き付いているよ、十年後も、二十年後も、いつまでも。私いい奥さんだったかな。今を大切にいきていくね。この星であなたと出会えたこと、あの星でもあなたと会いましょう。言い尽くせない、沢山の思いを、この言葉で「ありがとう」。わたしがそちらに行ったら、一番先に見つけるから、必ず見つけるからね。胸に飛び込んで行くからね。抱きしめてね...

 


そして、お母様が公演当日と次の日も嬉しくて、そして亡き夫を思い出してなかなか眠れなかったほどに喜ばれていたとのこと...母に最高のプレゼントを本当にありがとうございました。そして、空の上の父への想いを届けてくださって、本当にありがとうございました。と娘さんからのありがとうの手紙。
感謝の気持ちが、ありがとうになって、世界のあちこちに羽ばたいていけば戦争なんぞは無くなる筈なんですがね...日々、己の心に「ありがとう」の文字を刻み込み生きていきたいものです。

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ありがとうの手紙

2018/01/26
【第1048回】

東京芸術劇場で和製ミュージカルと銘打った「写楽」を観劇...あの浮世絵師写楽の絵、実は影武者の女性が描いていたという設定で進んでいくドラマ。この芝居で版元、蔦屋重三郎を演じる村井國夫さんがとっても素敵でした。御年74歳、色気もあり、重厚な演技にしびれる歌声。若い俳優にとって、こんな魅力あるベテランが居るだけで、とてつもない勉強になると思います。トム・プロジェクトでは2012年に上演した「満月の人よ」での、だらしなく飄々とした佇まいで演技する村井さんには本当にびっくりしました。それまでの村井さんのイメージは、ニヒルで威風堂々としたミュージカル俳優という認識でしかありませんでした。ところがどっこい、田舎の駄目親父を何の違和感もなく自然体で表現していく姿に唯々感動。それだけではとどまりません...2016年での「砦」の芝居では、権力に対峙する老人を、まさしく骨太で心情溢れる表現力で演じて頂きました。舞台に立つ役者の姿には、その人の過ごしてきた人生が重なります。試行錯誤の中、己の感性で何を掴み取ってきたのか?どのような人間関係を培ってきたのか?役者の一挙手一投足ですべてが視えてきます。そこが生の舞台の面白いところです。普段は、物静かで淡々と話される村井さん。舞台に上がると、74年間生きてきたエッセンスを要所要所に散りばめていく演技力は、これぞ役者。

その「砦」、今年の春、再演します。これを見逃しちゃ、芝居の話は語れませんぞなもし...

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まだまだ雪国です

2018/01/24
【第1047回】

稲垣えみ子著「寂しい生活」読了...2011年東日本大震災をきっかけに、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、エアコンなどなどほとんどの電化製品を破棄し、まるで江戸時代の生活に戻った稲垣さん。しかも、長年勤めた朝日新聞社も辞めちまった...今ある家電は、電灯、ラジオ、パソコン、携帯だけという、まさしくシンプルライフ。その環境の中で次々と新しい発見を見いだし心豊かな生活を過ごしている様が活き活きと語られている。挙げ句の果てにガスもやめちゃい新たな食生活のチャレンジしている。現世が欲望をひねり出す時代を産み出すために、有名企業が戦略十訓として掲げている。

 

もっと使わせろ

捨てさせろ

無駄使いさせろ

季節を忘れさせろ

贈り物をさせろ

組み合わせで買わせろ

きっかけを投じろ

流行遅れにさせろ

気安く買わせろ

混乱をつくり出せ

 

この戦略に踊らされ、人は終わりのない欲望ゲームに否応もなく参加させられ疲弊してしまう。そろそろこの果てしない欲望ゲームから脱せよ!という訓戒が原発事故ではなかったのか...なのに、いまだ原発を他国に売り込むこの国って一体なんだろうね!所有することの貧しさ、所有しないことによって生ずる豊かさ、そんなことを考えさせてくれる書物である。

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まだまだ溶けませんぞ...

2018/01/22
【第1046回】

名画の灯を守り続けている飯田橋ギンレイホールに行ってまいりました...この日、上映の映画はフランス映画「エル ELLE」とイランフランス合作映画「セールスマン」。いやはや「エル ELLE」の変態?人物オンパレードには楽しませていただきました。さすがおふらんす、日本人の道徳観からすれば変態に映るんでしょね。しかし、変態男に犯される主役を演じるイサベル・ユペールには圧倒されました。63歳の熟女女優がすべてを曝け出しながら、生い立ちの不孝から始まり男遍歴女遍歴、そして駄目息子を含めてなんら愚痴をこぼさず平然と仕事と私生活をこなしていくタフさに女性の底チカラを感じました。日本の女優でここまで演じ切れる人はいないでしょうね...女優は奇麗じゃなきゃ、憧れのスターじゃなきゃ、というのが定番でございます。日本だけじゃございません、この映画の主役をハリウッドの名だたる女優も全員断ったそうな。これぞ役者魂!を魅せつけられた映画でございました。あっぱれ!賞をあげたいです。

「セールスマン」は89回アカデミー賞外国映画賞受賞、第69回カンヌ国際映画祭脚本賞、男優賞受賞ということで期待して、こちらをメインに劇場に足を運んだのですが...まあ、しっかりと創られてはいるんですが、新劇を観ている感じ。設定もアーサー・ミラーの代表作「セールスマンの死」の舞台を交えながらの展開、主役を演じる俳優さんがもろ新劇の役者さん。端正な顔立ちは老舗劇団俳優座の若かりし頃の加藤剛さんを彷彿とさせましたな。ほかの俳優さんもしっかりとした演技で非の打ちどころがないのだが、破綻してるストーリーなのに破綻のない演技が、おいらにとっては食い足りない。

今日は、都心も雪が降るそうな...雪に弱い東京の交通網、週明けの飲み屋さんがっくり。こんな日は、どなたもゆっくり家で暖かい鍋でもつつきなさいな...

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どなたかな!?

2018/01/19
【第1045回】

一昨日、第158回芥川賞を受賞した若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」。これから読みますが、63歳での受賞は賞の歴史上二番目の高齢者。岩手県遠野市出身で子ども2人を育てた専業主婦。55歳のとき夫が亡くなったことをきっかけに小説講座に通うようになり、執筆活動を始めたとのこと。いやいや、人間その気になればなんだってやれることを証明しましたな。専業主婦をやりながらのもやもやした気持ちと、連れ合いの死により残された人生の尊さを改めて思い起こし行動に踏み切ったんでしょうね...おいらも、しみじみと残された人生(少ないかもしれないけど、まだまだという気もします。あくまでも本人の自覚次第だと思いますが)ほんまに考えちゃうけど、今日を生きる!ってことは、いや生きてることを実感出来るのは、やはり世のため人のためになってるかどうかがバロメーターじゃなかろうか?自己満足じゃただのマスターベーションでございます。日々新鮮!日々発見!なにか生み出さなきゃ生きてる意味がありまっせん...といって、張り切り頑張りすぎるのも良くありませんな。おいらはもともとラテンの血が流れてる性分、血気盛んではあるのだが、まあどうでもいいやなんて気質も持ってます。その幅をのらりくらりと楽しみながら生きてきた気がします。でも、勘ピューターだけは、いつもピカピカに磨いております。これが錆ついたら最期、全てがガラガラと音を立てて崩れ落ちてしまいます。今日も不可思議な街新宿ををふらりんちょんしながら次なるアイディアを探し求めております。

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今日も新宿燃えてます

2018/01/17
【第1044回】

阪神・淡路大震災から今日で23年が経つ...新宿のマンションの部屋にあるテレビを見ながら、これがこの世の出来事か!と呆然としているおいらが居た。あのときに原発の危険性を察知、予知していれば、東日本大震災で今なお廃墟となったしまった村、街はあり得なかったはずだ。自然は何度も警告をしているにも拘わらず、愚かな人間はいつの世も己の欲望に邁進するばかり...昨日も、車内で狂ったようにゲームに熱中している青年を見るにつけ未来の希望が失せるばかりだ。その顔は鬼のようであり、穏やかさ、優しさとはとうてい無縁の形相である。隣の母親も息子の負けじとゲームに興じている...こんな光景に異を唱えるわけではないが、おいらは静かに本のページをめくり続ける。生きてることは想像力を楽しむゲームではなかろうか...大きく羽ばたく想像力を駆使しながら、この世に不可欠な創造物を生み出す人たちが増えれば、自然が時折人間にお叱りをする災害も最小限に食い止めることが出来るに違いない...歴史に学ばない人類はいつか滅びるに違いない。

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冬枯れの樹

2018/01/15
【第1043回】

先週の土曜日はトムトム倶楽部の会員さん、トムの社員、所属俳優が一堂に集い新宿で新年会をやりました...芝居は観客があってこそ成り立つものです。その中でも、トムトム倶楽部の会員さんはトムの芝居が大好きでどんなものが仕上がるか判らないのに、年間会費を先払いしてくださる応援団みたいな方々ですから、まさしくお客様は神様!にぴったりの皆さんです。だからこそ、この日は華やかに楽しくをモットーに3時間プログラムを組みました。飲んで食べて一言コメント、社員と役者のコント、ジャンケン大会による景品の争奪戦などなど素敵な時間であったに違いありません...と、おいらは理解しておりますが。
そして、今日から又、仕事がいつものように始まりました。今日のランチは伊勢丹会館にあるフラメンコレストラン「ガルロチ」勿論、昼間はフラメンコショーはやっておりません。12時半に入ったのだが、広い客席においらを除いてお客は一組。なんじゃろかいな?早速、パエリアランチを頼むのであるが、こんなにお客が少ないと何だか緊張しますがな...el gordo(太った)女性が流暢な日本語で料理を運び丁寧に説明をしてくれる。さて頂きだしたのはいいとして、その女性と年配のメガネをかけた男性が、おいらの食べ姿を凝視して居るではないかいな...何だか緊張しますがな。そんなに見らんといてと思うのだが、これもお客が居ないので観察される宿命なのかな?でも、メインのパエリアは大変美味しゅうございました。注文してから調理するので25分はかかったかな。スープ、前菜、パエリア、珈琲で¥1600なのでまあまなのかなと思うのだが、どうしてお客来ないんだろう?この店の前身は「エル・フラメンコ」。新宿で45年ばかりスペインの一流フラメンコダンサーを招聘して見事なショーをやっていました。おいらがスペインで鑑賞したダンサーより格上の踊り手が観れると言うことで何度か通ったもんです。そんな馴染みの愛する店ですからエールを送りたいのだが、あの観察スタイルをやられるとちょいと引いちゃうかな?年配のおじさんはエル・フラメンコ時代から居る方で昔話をすると嬉々として話し出しました。これもまたちょいとうるさいのかな...お店の在り方は本当に難しいもんでございます。

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まあまあの味ですばい。

2018/01/11
【第1042回】

寒風吹きすさぶ新宿のビルで、まるで曲芸師の如く立ち振る舞うガラス磨きの職人。数年前にデビューしたバスタ新宿の大きな窓を、ひらりひらりと渡る姿に信号待ちのお客も驚きの表情で見とれていました。おいらも大昔にやったことがあるので、それはそれは冷や汗もんでございましたよ。生きた心地がいたしません...落下してひしゃげた蛙みたいになるのも嫌なんで、ただただ窓ばかりを見つめて磨いていました。一度、スクイジー(ガラスを磨く道具)が手元を離れ道行く人に当たりそうになったときは肝を冷やしましたな...それを機にこのバイトはやめました。一昨日も、その当時一緒にバイトしていた芝居仲間のたっちゃんとでの宴席で、この当時の話で盛り上がりました。草刈り、清掃、公衆便所のパトロール清掃などなど日銭を稼ぐために人が嫌がる仕事も厭わず黙々とこなしましたものでございます。好きな生き方をやるには、仕事に関しては選別出来る立場ではないのは至極当然。アウトローの視点から凝視する社会だからこそ見えてくるもんがあるんですな...誰に気を遣うわけでもなくおのれの感性で、それぞれの価値を見いだす絶好の機会であったかもしれません。あの日あの時の、嘗てのおいらの姿を眺めつつ、思えば遠く来たもんだ...

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街中の忍者

2018/01/09
【第1041回】

今年の第一作「Sing a Song」の稽古が始まりました...戸田恵子さんをお迎えして平和の尊さを訴えたドラマです。心温まる戸田さんの歌と演技、しっかりと支える円熟した芝居を魅せてくれる大和田獏さん、唐組で重厚な演技で人気があった鳥山昌克さん、トラッシュマスターズで個性あふれる演技で注目された高橋洋介さん、劇団チョコレートケーキで人間味あふれた表現で観客を虜にした岡本篤さん、トムプロジェクトの数々の芝居でおなじみの芯のある女優藤澤志帆さん...いやいや、いいメンバーが集まりました。2月7日の初日が楽しみです。

春の陽気で一杯の新宿では、憲法九条を守る集会が行われていました。

今年こそ、いや未来永劫、穏やかで平和な世界であってほしいものですね!何度も言います!戦争は勝者も敗者も得るものは何もありません。世界に誇る憲法九条、まさしくノーベル平和賞を受賞して当然だと思います。こんな素晴らしいものを世界に誇らしげにするどころか変えようっていう輩がいるのがおいらには信じられません。日本のお宝をもっと大切に、右も左も関係なく、もっと知らしめる働きをせねば宝の持ち腐れになっちゃいますぞなもし皆の衆。

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未来永劫の平和を

2018/01/04
【第1040回】

新しい年が始まりましたね...今日から又、エンヤコラ仕事です。おいらは仕事ってやつ生まれて以来、あんまり好きではないんですが、仕事としてではなく何かに出会いたいという好奇心から働いたのではないかと思ってます。端を楽にさせたいから働く。端とは中央や中心からいちばん離れた部分、そうです、あまり光の当たらない生き物、場所、物のために身を粉にする。これが本来の正しい仕事の定義ではなかろうか...おいらは、それはそれは子供の頃からよく働きましたよ。正月なんぞは、新聞配達、郵便配達の掛け持ちでお雑煮なんかの記憶はありまっせん。でも、一度だって嫌だとか苦しいとか思ったことはありませんでしたね...世の中の出来事をいの一番に知りたい人のために届ける新聞、待ちに待った年賀状を手にする人達の笑顔を思うと、一刻も早く届けたい。そりゃ韋駄天小僧になりますわね。

まあ、そんなわけで今年もぼちぼちやりますのでよろしくお願いいたします。

それにしても年頭から、刈り上げクンと、ややこしヘアーのおっさんが机の上の核のボタンの大きさ自慢をしてるニュースが流れるとこの時代の不幸を感じます。おいらも、この先そんなに長くない人生なんで、勝手にしてくれや!なんて思いますが、この美しい地球防衛隊の一員として微力ながらワン、ワンと吠え続けたいですね...おいら年男でもありますから。

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元旦、東京の空

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2日、スーパームーン

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3日、新宿の空

2017/12/27
【第1039回】

会社は今日が仕事納めでございます...今年もいろいろありました。芝居は5本上演しました。その中でも「萩咲く頃に」は春と秋の2シーズン、たくさんのお客さんの前で上演することが出来ました。こうやって東日本大震災のことを忘れないためにも、演劇はなくてはならないものと改めて思います。風間杜夫一人芝居新作「ピース」の旅公演で、大分県津久見市での公演が台風のために中止になったことがとても残念でした。自然災害、世界状況の不穏、勿論国内のいびつな形などなど、未来に対する展望は決して明るいものではないと思ってます...が、生きて居る限りなんとかせねば生かされてる意味がありません。先日、パーキンソン病で入院中の石牟礼道子さんの凛とした姿に勇気を頂きました。「土と水と緑を自らの手で殺し続けて来て日本人はその罪にまだ気づかない。水の地獄がすぐ目の前にやって来ようとしているのに...」肉体が衰えようと強靱な精神力と、利便主義が蔓延る世界に楔を打ち込む信念を持続している人が存在する限り、この世界はまだまだ捨てたもんじゃございません。

今年もなんとか微力ながら、芝居を続け多くの人たちとの繋がりを持たせて頂きました。感謝感謝です...憎しみを感謝に変えれば世界はもっと平穏になるのにと思いつつも、そうならないのが人間の愚かなところです。生かされてることに感謝しながら、来年も良い芝居創ることは勿論、きな臭くなるこの国に苦言を呈しながら元気溌剌なおいらでありたい思っとります。皆さんも、良い新年をお迎え下さいね!

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師走の風物詩

2017/12/25
【第1038回】

週末は年賀状を書いていました...こんなご時世、メールで新年の挨拶してる人たちも沢山居るとは思いますが、やはり一年に一度、何年も何十年も逢ってない人を想い出しながら筆を進めていると、あの日、あの時の情景がつい昨日のことのように蘇ってくるのが不思議ですね。年賀ハガキ52円の持つ意味はとてつもない価値がありますね。普段、思いもしなかったことがこの年賀状をしたためる一瞬にドラマを再現してくれるんですから、まさしく魔法のハガキです。そんな貴重な機会を頂いてるんですから、なるだけアナログに近い手作りの年賀状にしたいのがおいらの遊び心です。クレパスで、あーでもないこーでもないと落書きしながら来年の干支であるワンちゃんを書きあげました。なんとおいらの年なんです...自画像みたいなワンちゃんになっちゃいました。まるでおいらを見てるみたいなんて、なんだか自分で書きながら嬉しくなっちゃいました。ほんまにおいらは幸せな人でございます...そりゃそうでしょう、義理で出す年賀状だったら、おいら出しませんことよ。何事も楽しみながらわくわくしながら書いてこそ、相手にその心が伝わるもんってことですよ...ましてや新しい年、もらって笑顔になるお便りにしないとね!

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今日はクリスマス

2017/12/22
【第1037回】

連日、大相撲の話題で持ちきりでございます...こうなったら白鵬以下、モンゴル一派に賛同する人たちは別組織で興行相撲を立ち上げたらどうだろうか?八百長もあり、プロレスみたいなショーでいいんじゃないかしら...モンゴルの人たちに日本の相撲道を押し付けても無理があるでしょう。それにしても、力士になる日本人が少なくなり、異国の人たちに力を借りなければ成立しなくなっちゃった相撲界も哀れですな。そんな危機を救ってくれたのもモンゴル力士。水と油じゃ、こういう流れになるのもいたしかたありませんな。公益社団法人という優遇された立場でありながら知恵者がいないということが最大の悩み。それにしても貴乃花親方のだんまりも異様な感じもしますね。確かに弟子が傷つけられ、傷害事件であることが一番の問題であるのだが、そろそろ喋るなり、己の相撲界の改革の指針を示さねばならんのではなかろうか?それにしても根っこが深いというより、やはり特殊な世界ですよね。あんな身体にすること自体が普通じゃありません...普通の世界じゃないのに世間常識を当てはめようってのが所詮無理な話。おいらも少年時代に新聞配達の帰りに、九州場所中、博多万行寺に居を構えていた二所ノ関部屋の稽古場を覗きに行ったのですが、それはそれは恐ろしい光景でした。下っ端の力士を竹刀でミミズばれができるくらい先輩力士が殴ってました。いたいけなキヨシ少年は思わず「やめんしゃい!」と声が出そうになったのだが、ノドちんこが縮み上がり発することが出来ませんでした。その稽古場にすらりとした力士、後の名横綱大鵬がいました。ひとりキラキラと輝いていました...そんな時代から何も変わっていないんだから、しょうがなかんべさ。

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ホントかな?

2017/12/20
【第1036回】

今村朝子の「あひる」読了...平易な文章の中に人の思いがずっしりと感じられる小説だ。読みやすいので1時間ぐらいで読めるかな?でも、行間に詰められている想像せざるを得ない空白が、文学の深さを思い知らせてくれる。日常会話で綴られる文体で、不思議な寓話を生み出す作家の人間を凝視する優しさ、怖さがなんとも心地よい。

新宿も師走の足音とともに賑やかしい...この時期になると、道のあちこちにお恵みを乞う人達が出現する。40代の働き盛りの男性が「助けてください!」という紙を持って立っている。思わず、おいらも「何を助ければいいのかな?」なんて声をかけようと思ったのだがやめときました。一方、80代のおじいちゃんがカンカンを前において手を合わせている。百円でも入れようかなと思ったのだが、こちらもやめときました。この人たち喜捨した人たちの気持ちを正しく理解し感謝し、今ある状態からプラスに転化できるかどうかは、誰にも分らない...一方、喜捨することに自己満足している人も確かだ。師走に見る風景は、その言葉のごとくせわしさに溢れている。

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師走・新宿の空

2017/12/18
【第1035回】

先週土曜日は錦糸町に劇団桟敷童子「標」を観劇...いつもながら劇団員全員の手作り舞台を堪能させて頂きました。丸太で組まれたセット、ラスト壁一面に飾られた千本を越える赤い風車、セット、小道具、衣裳など全てが共演者に見えるところが感動しますね。再来年で劇団旗揚げから20年になるそうです。芝居が好きで好きで青春を芝居に賭ける人達の熱い思いがストレートに客席に伝わってきます。時代と共にお洒落になっていきがちな演劇の世界で、人間の一番確かなアナログの感覚を忘れずに芝居を生み出してるこの劇団、おいらはいつまでも応援したくなりますな。

昨日は、昭和56年12月にオリエントレコードより「死ぬまでだまして」で歌手デビューした紀藤ヒロシのファンの集いに行って参りました。彼とは今から42年前に三國連太郎さん主演の舞台、戦後30年記念作品「カラフトの詩」で一緒になり全国を巡演しました。そのときに、まだ無名だった風間杜夫とも知り合いました。芝居そのものよりも、旅先で夜毎地元の居酒屋で飲みまくった記憶が鮮烈です。北海道での破天荒な夜遊びは、それはそれは想い出してもわっはっはでござんす。そのときの紀藤君、背丈と相反して随分と背伸びしたあんちゃんでした...そんな彼が歌手として活動を続けて居られるのも、彼のマメさと人間としての優しさではなかろうか。長年の付き合いになった杜夫ちゃんも、この日彼のために3曲絶唱してました。どんな職業であれ、人に好かれるのは最大の武器ですな...

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タワービュー通り

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そりの足音が聞こえてきます...

2017/12/14
【第1034回】

一昨日、久しぶりに名古屋に行ってきました...名古屋在住の劇作家北村想さんと会うのが目的です。想さんには、1997年に戸川純ひとり芝居「マリィヴォロン」で作・演出をして頂きました。それは、それは、本当に素敵な芝居でした。純ちゃんの魅力を存分に引き出した夢のような純文学作品ではなかったかと今でも思ってます。想さん、最近も精力的に新作を世に送り出しています。体調も良く、食事とお茶しながら昔話も含めて楽しい時間を過ごす事が出来ました。帰京するまで少し時間があったので、懐かしい大須観音に向かいました。名古屋の中でもレトロ感溢れるおいらが好きなところです。まず向かったのは七ツ寺共同スタジオ、ここは若かりし頃「走狗」「燐光群」で芝居をやったところです。宿泊も兼ね備えたところで、芝居がはねると飲み会が始まり、ほろ酔い加減ですぐさま寝れるのがよかところです。今は地元の劇団が常時公演をしてるみたい。商店街を歩いて感じたことは、昔のようにがらくた市をやってる店が少なくなり、若者向けの古着屋が多くなっていました。この街の魅力は、メインストリートからひょいと小路に入れば、粋な店が見付けられると言うこと。ありました!文殊小路を入ったところに11時~21時まで営業している日本酒バーがありました。その名は「木花咲耶」京都出身の24歳の爽やかな青年が店長、お客は2日前に結婚したばかりの24歳の女性と、友人である20歳の女性。ついつい話が弾み店長おすすめの辛口日本酒2杯飲んじゃいました。暫し、新宿ゴールデン街で飲んでる錯覚に陥ってしまいました...見知らぬ街で、見知らぬ店と、見知らぬ人と出会うのが旅の楽しみであり醍醐味であります。この日も、その思い出をおいらの引き出しに仕舞い、夕刻の新幹線に飛び乗った次第でございます。

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大須観音

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七ツ寺共同スタジオ

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文殊小路

2017/12/12
【第1033回】

先週の金曜日から昨日までなんと5本の芝居を観ました...金曜日は風琴工房「ちゅらと修羅」沖縄の苦難の歴史を、あの手この手で表現しているのであるが今ひとつこちらに上手く伝わらなかったのでは?土曜日は劇団チョコレートケーキ「熱狂」「あの記憶の記録」の2本立て、5年前に上演された作品で、今回が再々演。この2本の作品は、ヒトラー率いるナチスとユダヤの民との対をなす作品なのだが、何度見ても観客の心に十分訴えかける内容を持っている。異国のことであり過去のことであるのだが、今の日本の状況に呼応しているところが演劇的である。芝居の魅力は今まさにリアルに、生身の人間が演じるところに魅力がある。若い役者がひるまず精神と肉体をぎりぎりまで追い込んで表現する様は実に清々しい。日曜日は、水戸芸術館ACM劇場プロデュース「斜光」戦後最大の誘拐事件と言われる「吉展ちゃん誘拐事件」(昭和38年発生)を題材に刑事と犯人との取調室でのやりとりを緊迫感溢れる手法で描いた作品。作家は劇団チョコレートケーキの古川健...いやいや今年はたくさん書きました。と言うより執筆依頼が山のようにきて大変な年だったと思います。もはや人気劇作家。多忙で作品が荒れないかと心配さえしてしまいます。昨日は青年座の「断罪」中津留章仁が老舗の新劇団に書き下ろした作品。芸能事務所を舞台にしているのだが、そこは中津留作品、日本の闇の部分を織り交ぜながら社会派作品に仕上げています。

4日間でこれだけの作品見ると、さすがに疲れますな。お尻を何回もずらしながらも、何とか堪え忍び怒濤の観劇会を終えることが出来ました。それにしても東京は凄い!日々、あらゆるジャンルの芝居が果てしなく上演されてるんです、が、くれぐれも嗚呼来るんじゃなかった!時間とお金返して欲しい!なんて事だけは避けてくださいな。衰えていく心身が加速度的にガタガタになりますばい...怨劇だけは許してくんろ。

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師走の公園

2017/12/08
【第1032回】

久しぶりに浅草に行って来ました...観光じゃありませんことよ。先日、「東おんなと京おんな」の演出をした田村孝裕さんが主宰しているONEOR8の新作「グレーのこと」を観に行ったんでございます。おきまりの雷門の門をくぐり仲見世通りを歩いたのだが、18時半ともなるとほとんどの店が店仕舞いでお客もまばらでございました。そのほとんどが中国、韓国の人達でした。この商店街今、大変な騒ぎになってるそうな。来年1月から家賃が16倍、仲見世通りにある89店の家賃の平均は月2万3000円それがいきなり16倍の約37万円となれば、ほとんどの店はやっていけませんがな。東京都と浅草寺の揉め事が商店街の人達に波及したというわけだ。小池のおばさんしっかりしてよ!それにしても、浅草すっかり変わってしまいました。古き良き浅草の香りがほとんどなくなってしまったという感じ。新しいビルが建ち並びどこにでもあるようなお店が入った浅草は浅草じゃないでしょう...おいらも40年前、まだかろうじて浅草がまだ健在の頃、テントを張って芝居をしました。芝居が終わりテント内で打ち上げをしているとき、突然テントが燃えだし、おいら咄嗟に火の手が上がったテントの最上部に上がり火を消した途端、落下してしまいました。運良く怪我もなく一件落着。火元は、当時この広場に住んでたホームレスのおっちゃんが、自分の居場所を奪われた腹いせに火をつけたそうな...そんな昔話もあったとさ。

芝居は田村孝裕さんの環境の変化を思わせる内容でした。結婚し子供も授かったことにより作風も変化したような気がします。もともと才能のある作・演出家ですから今後の芝居も期待したいものです。ちょいと一杯ひっかけて帰りたいところでしたが、なにせ開演19時半、終演21時半、おいらの家は杉並区。なんとなくそんな気にはなりませんことよ。やはり歳とっちまったのかな...良いのか悪いのかわかりませんがね。

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夜の浅草

2017/12/06
【第1031回】

昨日、久しぶりにニーナシモンのCDを聴いた...14年前に70歳で亡くなったアメリカを代表するジャズシンガーである。「ソウルフル・アンソロジーRCAイヤーズ」の中のwhy?(キング牧師は死んでしまった)はたまりません...この曲を聴く度に当時学生運動に傾倒し挫折していった友人のことを想い出します。新宿のデモの帰りに倒れ込むようにおいらのアパートにきた彼に、僅かな食事と安ウイスキーを提供し慰め励ました記憶があります。その当時、おいらはLPレコードの蒐集をし始めJAZZのLPも数枚持っていました。心身ともに困憊状態である彼に癒しの一曲と言うことで、このwhy?に針を落とした次第です。その当時、人気と実力の絶頂期に、マーティン・ルーサー・キング・Jr.を中心とする黒人公民権運動、さらにより過激なマルコムXやストークリー・カーマイケルらの運動に傾倒していくと同時に、メインストリームの音楽シーンから忌避されていったニーナシモン。彼女の心境と運動に疲れ壊れていく彼の姿が重なったかもしれません...

曲と人生がオーバーラップするほど、一枚のLP、CDは人生の伴走・伴奏者でもあります。数あるなかから、ふと手にしたアルバムから、過去の記憶がまるで走馬燈のように蘇ってくる音楽のチカラは半端じゃありません。確かに、音楽はいつだって世界のあらゆる人々の心に訴える、最も強力な言語かもしれませんね。

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街はクリスマス一色

2017/12/04
【第1030回】

いやいや、インフルエンザワクチン騒動も収まり週末は久しぶりに劇場に足を運びました。

トム・プロジェクトでもお馴染みの作・演出家ふたくちつよしさんの作品「あした天気になぁれ」。設定は4台のベッドが並ぶ病室でのお話し。患者さんのそれぞれの人生模様を、ふたくちワールドで描いた心温まる作品。確かに病んだ人達が入院している場所はドラマの宝庫。そこにどんなメスを入れるかは作家の腕の見せ所なんだが、ここは常に家族というキーワードを基に、人間に対する心情溢れる愛情を描き続けてきたふたくちさんの真骨頂が溢れんばかりの芝居でした...それだけに演じる役者の抑制力が大切なんですが、何人かは声優を主にしているせいか、声に頼っちゃうんですね...でも、全体的に気持ちの良い芝居でございました。

昨日は、大学ラグビー伝統の一戦、早稲田対明治の一戦をテレビ観戦。今や大学ラグビーは帝京大学が一人勝ちの時代になっちゃいました。嘗ては、この時期の伝統の一戦は旧国立競技場のスタンドを超満員にしてラグビーファンを魅了したものでした。1987年の雪の早明戦は壮絶な試合でした。雪の中どろんこになりながらぶつかりあう30人の肉弾戦は、まさしく鍛え抜かれた男たちのドラマでした。おいらは、野球と共に、このがちんこで闘う男の競技ラクビーが大好きです。サッカーみたいに一喜一憂しない姿も好感を持ちますね。命を賭けた男の荒ぶる姿は感動します!今の大相撲は残念ながら見せ物ですね...それにしても、あれだけ身体をぶつけながら、よくまあぴんぴんしとりますな。ただただ驚くばかりでございます。

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本日、新宿の紅葉

2017/12/01
【第1029回】

この歳で初めてインフルエンザワクチンなるモノに挑戦しました...ところがどっこい水曜日の夜中から吐き気を催し、食欲全くなし2日間寝込んでしまいました。普段、薬を飲まないおいらの純潔な身体に異物が侵入し異変をおこしたんじゃないかしら?とおいらは勝手に想像してるんですが、調べてみると、そんな例は確かにあるそうな。そう言えば、この国は薬漬けでなんとか健康を維持している気がしてなりません。病院はいつも満杯、それに付随してお薬は山ほど出してくれるし病院、薬品会社はほくほくもんですわ。これでは国も医療費対策に頭を抱える状態。こんな社会にしたのも人間様の過剰な欲望が生み出したものでございます。そんな過酷なばい菌だらけの環境の中、おいらはささやかながら自主防衛として心身を鍛えたお陰で薬とは無縁の中で過ごしてきました...そんな身体が、今回はびっくりしたんでしょうね。でも、おいらはここでプラス思考に転じます。2日間もゆっくり寝込んだ日を与えてくれたことに感謝です。酒も飲まず、食事もせず身体を浄化させるいい日だったに違いありません。こんな日は何も考えず、日頃あまり見ることのないテレビを見ますと、大相撲の暴行問題やら国会の予算委員会。どちらもなんだかどーたら、あーたら、いろんな人が出てきて勝手なことを喋っとりました。それにしても予算委員会でのアベカワモチのモチッとした顔、アソウセメントのセメントで固めたニガリ顔、どうみても喰えませんがな。何とかしてちょうだいな横綱と政治家の品格。

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今年も仲良く

2017/11/28
【第1028回】

このところの気候の変化には身体がついていけません...人間ばかりではなく地球上のあらゆる生物が戸惑い驚き、その対処に困っているのではないかと思います。この季節、紅葉の美しさに目を奪われ、暫し樹々を見上げそのバックに映る空の表情とともに自然が織りなすショーに魅入る日々が多いのだが、この天候不順で肩すかしを喰らう日も多い。黙して語らぬ木々達も、人間どもの文明、発達の名のもとに飽きることなく繰り返す環境破壊に呆れていることでしょう...関西電力大飯原発3、4号機について福井県の西川一誠知事が27日に再稼働に同意。こんなことが堂々と平気に報道され、既成事実として世間にまかり通るなんて、この国なんてなんなんでしょうね。アメリカの顔を伺いながら国を治めるこの国の為政者に身を任せている姿が、今、連日報道されてる相撲界に良く似てません?国技なんて銘打って税の免除を頂いてる公益財団法人日本相撲協会も、すっかりモンゴル軍団に牛耳られる情けない姿をさらけだしています。そりゃそうだわ、モンゴルの人達のお陰で相撲界は成り立っているんですから...親方もモンゴル横綱には強いことは言えませんがな。この国の容姿が、この季節の紅葉の美しさと同様に凛としてもらいたいのだが、他国の傲慢なチカラで様変わりしている気がしてなりません...よしゃ、おいらがひとつ乗り込んで土俵で大暴れしたいところだが、なにせ20代の頃の屈強な肉体ではありませんことよ。気力は衰えてはいないんですがね...威勢のいい若もんおらんのかいな?

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美しい国

2017/11/24
【第1027回】

今日は女性の方には不可解な話...男性トイレに行っていつも緊張することがあります。さてオシッコをしようとするときに目の前に現れるのが、矢を放つときに前方に見える標的。真っ白な便器にその標的が刻み込まれているんですよ...これは緊張しまっせ!この極小の標的に向かって発射しようにも、その日の勢い、角度によって情けなく的を外してしまい、なんだか今日は外れの日に当たった気分になっちゃうんでございます。そりゃ分かりますよ、取りこぼしがないように清潔に使って貰いたいという気持ちは十分に...でも、あの標的は、折角の戦士の休息タイムにいささかプレッシャーを与えてる気がしてなりません。
それにしても、最近のトイレの進化は目覚ましいものがありますな。しばし、トイレの便座に座ってあれこれと考え事もできる安らぎの場所でもあります。ウオシュレットが出始めたときなんぞ、便座に靴で上がり込み用を足した人も居たそうな。
スペインなんぞは公衆トイレなんてありません。もようしたらレストラン、バーに駆け込むしかしかありません。中には、ペーパーなんぞのサービスなし、そんなときはどうするんでしょうな?こちらの方がより深い思索の場所なのかもしれませんな...便利は想像力を鈍化させるのかもね。

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11月の黄昏

2017/11/22
【第1026回】

寒い都会の夜空をバックに一人のシンガー...なんだか、ふと立ち止まりしばし耳を傾ける群衆。疲れた心身に何故かひとときの安らぎを与えてくれるのも確かだ。新宿はストリートミュジシャンが多い場所だ。それは、ある種の開放地区である証でもある。昔から様々なカルチャーが生まれ消えていく流動的で雑多な街。50年地回りしているおいらも、その変わらぬエネルギーに魅了され今日もふらふらと散策し続けている。先日、中村屋のカレーを久しぶりに食べたのだが、少々味が落ちてますな...それになんでや、自前のビルを建て替えたのにも拘わらず本家本元は地下2階に潜り、1階はブランド店、元にあった素敵なレストランの場所はすべて家賃稼ぎのお店になっちゃったというお粗末。中村屋の誇りも伝統も投げ捨て、そろばんはじいてる今時の経営者にがっかりもんでございます。その隣にあったTSUTAYAも、そろそろ新装開店するのだが、何だか漫画喫茶みたいな店に衣替えしそうな気配だ。CD、DVDを低価で提供するお店に価値があったのになんて嘆いてしまいます。まあ、これも時代の流れでしょうね...あのゴールデン街もすっかり世界のゴールデン街になって、6割は外人がうろちょろしてますな。店によっては日本文化の見本、お通し代で一悶着する場面もちらほら聞こえてきます。まあ、そのゴチャゴチャ感が新宿の真骨頂なんでしょうがね...おいらは死ぬまでこのおもろい新宿の地回りせんとあかんのですかね。誰からも頼まれてへんでえ~

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新宿の歌姫

2017/11/20
【第1025回】

野球シーズンが終わって寂しい日々をおくっていたのだが、アジアプロ野球チャンピオンシップ2017なんてものが登場し、週末久しぶりに楽しませて貰った。おいらも少々疲れ気味の身体であったので、TVの前で日本チームの活躍を満喫、その中でもライオンズの選手の目を見張るようなプレーに思わず嬉しくなっちゃいました。沖縄出身の山川選手の笑顔、地味ながら今大会のMVPに輝いた外崎選手、韋駄天の走りを魅せた源田選手...こりゃ、来年はライオンズの久しぶりの優勝を見れる!なんて気の早いおいらは有頂天になってしまいました。いやいや、来年も大変ですぞ!安定感と力のある投手が定まらないと優勝は無理でしょうな...なんて心配も頭を過ぎりました。
日馬富士事件、相変わらずおもしろおかしく連日のように報道合戦。テレビなんてもんは節操がないんだろうね...これだと思ったらピンポイント攻撃、生活に直結する政治、経済なんてものは隅に追いやられる始末。こうやってマスコミは巧妙に情報操作をしてるんだろう。それにしても、悲しいかな相撲界はモンゴル力士あっての繁栄。昨日、稀勢の里がモンゴル力士逸ノ城に完膚無き敗戦を見るにつけこりゃあかんですわ...裸のぶつかり合いの格闘技、これは死ぬ気でやらんとてっぺんは取れんですバイ。このふぬけたこの国から、そんなガッツある若者が出てくるなんて到底考えられない...こんな徒弟制度の古い慣習の所なんかに集まるわけがない。得てして今の若者は、いかにして効率よく楽に報酬を得ることしか考えておりませんがな。たまにピュアな若者に出会うと感動しちゃいます...そう考えれば、ひたむきに苦しい生活を覚悟しながら演劇に準じてる演劇人はまだまだましの方かな。一度きりの人生、身を粉にして投げ出してこそ、何かを掴むんでござんすよ。

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コントラスト

2017/11/17
【第1024回】

益田ミリさんの「今日の人生」読了...1969年大阪生まれのイラストレーター。日常の何気ない市井の人達の有り様を見つめる視線が何とも言えない味わいがある。絵も奇を衒うことなく、自分のボブヘアースタイルの顔の他はシンプルに描き(シンプルと言うより人なんぞは棒と丸、手抜きと言えば手抜きだが、この徹底的に削ぎ落としたところに、読者の想像力を喚起させてくれるのではなかろうか)ミリさんがキュンと感じ、思ったことを素直に表現してる。この細やかな情感は女性ならではと思わせる...おいらだって日々人間観察を趣味としてるんだが、おいらの観察は、ついついその人のドラマを創作してしまう。ミリさんは観察している人の毛穴からこぼれ落ちる微妙な匂い、感覚を優しくすくい取っている気がしますな...この繊細、微妙でおかしな情動を描かせたら女性にかなわないとおいらいつも思っとります。なんと言っても子供を育て産み落とすエネルギーを持ち合わせている生き物に男なんぞは歯が立ちません...所詮、男は頭脳でしか何物かを生み出せない悲しい存在。女は子宮で思考するのではなく感じているんでございます。これは致命的、かつ決定的な何物にも換えられない事実。この当たり前のことを判らず生きてるととんでもないことになっちゃいますぞ...と、言うことでおいらはいつも女性に尊敬の念を抱きながら生きとりますよ。女性を見下したり、利用しようなんて思ってる輩は必ずや落ちていきますぞ...

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枯葉よ♪

2017/11/15
【第1023回】

昨晩は渋谷シアターコクーンにて「24番地の桜の園」を観劇...高橋克典、小林聡美、風間杜夫出演によるチェーホフの最後の戯曲「桜の園」を遊び心満載の演出家、串田和美が賑やかしく創りあげた舞台。この舞台の主役は休憩を挟んで幕があがると同時に、後方で乾し草を黙々と食べている一匹の本物の山羊ではなかったのではないだろうか。時には演じる役者の姿をしげしげと観察し、あたかももう一人の演出家のようでもあり、まさしく哲学者の佇まいでありました。役者の演技よりも山羊は山羊でしかない山羊のほうがどれほどリアルであったことか...なんだか演技の本質をつかれたような後半80分の舞台でした。幕間に「途中で入るときはかがんで入って来いよ!」と怒鳴ったお客の表情もリアルでしたな...品の良い観客で埋め尽くされた会場で、突如繰り広げられ茶番劇も何故かリアルでありましたな。公衆の面前でなかなか吐けない台詞です。二幕の幕が開くとどつかれた客は別の席に移動してましたな。そのどついた怖そうな男が、何故かオペラグラスで必死の形相で舞台に見入っていたのには笑っちゃいましたがな...終演後、杜夫ちゃんと一杯。今、日テレで杜夫ちゃんが出演している『先に生まれただけの僕』の監督、プロデューサーも一緒で盛り上がり危うく終電に間に合わないかと急いで帰宅...今宵もお疲れさんでした。

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こんな季節になりました...

2017/11/13
【第1022回】

「東おんなに京おんな」の東京公演、昨日無事に池袋東京芸術劇場シアターウエストで終えることができました...短い公演でしたが岡本麗さん、鶴田真由さんの二人のバトルとっても見ごたえがありました。1時間40分喋りっぱなしの舞台なので、おいらもハラハラドキドキ、台詞忘れて頭が真っ白状態に陥った経験はおいらにもあるので尚更のことでございます。共演者が他に居れば助け船もできようが、何せ二人きり。しばしお見合いシーンになりお客もぽっかりと穴が開いた空間が劇場にでき上ってしまう恐怖に付きまとわれながら客席にいるおいらは心臓がどっきんどっきん...身体にとっても悪いですが、舞台という戦場で台詞を速射砲のようにたたきつけながら奮闘している女優さんのことを思えば...それにしても二人の女優さん、とってもチャーミングでございます。なにも女優さんだけではありませんことよ、女性はチャーミングじゃないと、この世の中うまく回っていかないような気がします。特に最近の殺伐とした世の中を救えるのは笑顔であり、人の心を惹きつける心のありよう...そんな魅力を満載した二人の登場人物を台本に仕上げた作家・ひょうたさんは本当に不思議で素朴な人です。初日には奈良県吉野郡から来ていただきました。結婚経験もなく演劇体験もなく、ただただひょうたさんの想像、空想から生み出されたドラマ、下手に経験してる人よりもはるかに女性の心理、心情を細やかに描いております。初日終演後に一杯やりながら話をしても偉ぶることなく、いつものように飄々としておりました。

劇場を出ると、公園で何人かの大道芸人が道行く人達を楽しませていました。子供連れの親子、若いカップルなどなど笑顔で満ち溢れた景色がある限り未来はまだまだ大丈夫かな...

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芸あるところに笑顔あり

2017/11/10
【第1021回】

折りたたみヘアーの武器商人がアジアで商売しまっくっています...なんと言っても一番利益がいいのが武器、消耗品であり単価が高い。このおっさんツイッターで危機を煽り、ちゃっかり自国の戦闘機やら武器を斡旋しアメリカの軍需産業に多大な利益をもたらしています。アベちゃんなんかは、娘のイバンカ氏基金に57億円を拠出...この国に未だ復興できず希望の見えない日々を送っている人達が居るのに、アメリカにただただ米つきバッタ。韓国なんぞは、デモまで繰り出してるのに歓迎一色。いつまでたっても、米国に対しては盲従を続けるこの国の姿に、殆どの人が諦めに近い心境であることに違いない...言わなきゃならないことは言わんといかんでしょうが!おいらの一番の怒りは、世界で唯一の被爆国でありながら、アメリカのご機嫌を伺いながら平和の大切さ必要性を説かないことでございます。人殺しの武器をセールスするオッさんに平和の大切さも進言できない宰相なんて要らんですバイ!がしかし、選んでいるのもこの国のお方。米国と中国で世界を支配し、紛争地帯の火種を消さず殺戮を繰り返しながら財を成していく未来の姿が見え隠れする米中会談でございました...なんとも希望が見えない弱者切り捨ての世界の未来に、おいら暗澹たる思いですが、生きてるんだから、いや生かされてるんだから、命ある限り微かな明かりを求めて今日もプラス思考で生きますばい!

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秋の日はつるべ落とし

2017/11/08
【第1020回】

表参道も随分様変わりしました...嘗ては日本の典型的な長屋を思わせる、日本初期の近代的な鉄筋コンクリート造の耐火アパートとして、関東大震災後に復興住宅として建設された同潤会アパートが参道の一角を占め、お洒落な街並みと程よくマッチした風景を醸し出していました。ところが、11年前に安藤忠雄設計による表参道ヒルズが完成すると一気に世界のブランド館が建ち並び、アジアを含めたお上りさんが散策する街に変貌いたしました。でも、あのケヤキ並木は、時代の流れをものともせず道行く人達を和ませてくれます。おいらのスペイン時代の友人は、この通りを根城にして指輪、ネックレスなんぞをタイから仕入れて一財産を築きました。今はのんびり南の島で優雅に好きな絵を画いて暮らしてます。昨年、八重洲の画廊で個展を開いたので久しぶりに会ったんだが、少しもぶれることなくスペイン人を貫いておりました。この参道は夜になると大人の街にチェンジします...それを見越して異国の楽士がロマンチックな音色を奏でてくれてます。おいらもしばし耳を傾け、前に置かれたカンパ箱に気持ちをチャリン。さあ帰ろうと、地下鉄表参道の駅に向かおうとしたときに、なんと財布が落ちてるではないかいな。かなり膨らんでいる中身、側に交番があったので即届け、立ち去ろうとすると若いお巡りさん「すみません、書類にサインお願いします」おいら一瞬いろんなことが頭を巡りました。一番イヤだなと思ったのは、お金だけ抜いて届けたんじゃないか?なんてこと思いました。これは、良くあるケースですな、おいらも経験があります。見事に現金だけ抜かれカードだけ戻ってきました...落とし主からの連絡も要りまっせん!ということでなんとか交番から逃れることが出来ました。それにしても親切心と疑心が背中合わせになってるなんて、なんともおかしな話しですな。

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今宵もロマンチックな夜を...

2017/11/06
【第1019回】

秋も本格的になりましたね...井の頭公園も大分色づいてきました。土曜、日曜日には、いろんな人達が手作りの作品を展示販売しています。この日は76歳のおじさんがガラスビンをリサイクルして、花瓶やら物置やらの作品に設えていました。54歳の時に印刷業界から足を洗い、気ままに生きている姿が清々しく思えました。後何年?そう思ったときにすっぱりと過去の生き方にけじめをつけ、あとは野となれ山となれ!それがほんまによかですばいとおいらはいつも思ってるんだが、人生先が見えてくるとますます不安が募りアクションを起こせないのが当たり前...まあ、幸せなんぞ人それぞれ価値観は違うし他人が口出しするもんじゃないのだが、ここはひとつ男気をだして社会の枠組みをはみ出してはいかがかな?なんて背中を押しちゃいたくなりますな...なんて無責任なことをのたまってるおいらです。
土曜日には、雑司ヶ谷の鬼子母神に紅テントが聳え立つ唐組の芝居に行って参りました。最近、若いお客が増えてますな。ハイテク遊びに疲れた若者が、アナログの最たる芝居に新鮮さを感じたんでしょう。神社の中に荒々しくテントを打ち立て、ゴザの上に座って、手作りのゴツゴツ感満載のセットの舞台で、唐十郎が紡ぎ出した壮大なロマンとイメージで構成された台詞をエネルギッシュに語る役者の姿に思わず身震いしてしまうんでしょうね。役者陣も世代交代でしょうか?これから伝説の紅テントを背負って立つ若手が奮闘しておりました。テントを出て空を見上げると満月が色鮮やかに紅テントを照らしていました...

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井の頭公園

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紅テント

2017/11/02
【第1018回】

昨日は昼夜、大変忙しい一日でございました...午後2時よりGINNZA SIXで長年の友人である高橋美智子が経営する、2005年ギネスブック認定の豊富なシェリーの品揃えを誇るシェリー専門店銀座しぇりークラブが5年かけて制作した「Sherry 樽の中の劇場」の出版記念パーティに出席しました。入り口で樽から汲みだしたシェリーをいただきながら、シェリーにぴったりの食べ物を堪能。おいらも、世界のいろんなお酒を飲み比べしましたが、最後に残るのはシェリーと日本酒かな。シェリー酒が舌の上をころころと転がりながら喉元を過ぎていく感触は堪らんですばい...この日、女医さんがシェリー酒が身体にとってもいいという研究結果も大変興味深かったです。でも、飲みすぎはいけませんことよ。
夜は横浜で「明日がある、かな」の最後のステージに行ってきました。この日も9人の出演者、最後の力を振り絞って自分の役を活きていましたね。おいら、もうこれだけで感動しちゃいます。誰が何と言おうが、一つの世界を創り上げるために身を粉にして立ち向かう精神と肉体を見せつけてくれれば、必ずや次に次に繋がります。みなとみらいの観覧車を眺めながら9人の役者との酒は美味しかったです。

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昼 銀座

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夜 みなとみらい

2017/10/30
【第1017回】

おいらが3年ばかり滞在した第二の故郷スペインでは大変なことになっとります。スペインで一番お金持ちのカタルーニャ州が独立を宣言。スペイン政府は猛反対で激しく対立、昨日なんかは独立反対派が大規模な集会を開き大混乱に陥ってます。おいらが長く住んでたアンダルシアは、実際働き者はあまり居ません。豊かな自然のあるものを食し、楽しい会話と恋に明け暮れ日々を祝祭のように過ごしています。生きていくことに一番大切なことを満喫し、家族を大切にしながら心豊かに生きている姿に、おいらは深く感動しました。そんなアンダルシアが、当然ながら大きな利益を生み出す下地があるわけがございません。そんな州に、カタルーニャの人達が汗水垂らしたお金を垂れ流されちゃたまりません!と怒り出したのでございます。おいらハポネスは両方の言い分よく分かりますが、何事も表があって裏があるのが自然界の法則です。富あるものが貧するところを助け合っていくのが国だと思うんですがね...それでなくとも世界は分断と差別が蔓延しつつあります。このままで進行していけば自ずから世界は滅亡の道を辿るでしょう...バルセロナに代表されるガウディの建築物はスペイン人の遊び心が満載、アンダルシアにはフラメンコに象徴される情熱と燦々と降り注ぐ太陽があります。どちらも、まさしくスペインです。おいらはなんとかうまく融合しながら、これまで同様スペインの魅力を世界に発信し続けて欲しいと願っとります!

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アンダルシア サロブレーニャ

2017/10/27
【第1016回】

絵本作家の五味太郎さんの「勉強しなければだいじょうぶ」読んでます。今の日本の教育システム、学校のあり方に大いに疑問を持つおいらには大いに共感するところが多々あります。学校で行われている勉強が人を選別するため、国を統制するための国家に都合の良い役人作りのため、企業の良き歯車の一員となるべき企業戦士の育成のため...人間としてキラキラと生まれてきた心身をボロボロにしてしまう今の学校に痛烈なパンチを浴びせています。そこのところに順応してしまう親にも苦言を呈しています。

子どもを生物的にゆっくり見るという習慣がついてない社会なんだよ。社会の中でしかその子を見ていないのね、恐ろしいことに。それはたぶん、社会の中でしか、あるいは学校という中でしか個人個人を見ない教育を受けてきた人なんだと思う。家に帰ってきても「勉強したの」「宿題できたの」って学校基準でしか物を喋れない、そういう暮らしをしてきた親の歴史なんだと思う。そんなことはさておいて、もっと大事なことがあるだろう、ということについてもうわからない人たち。
学校の査定がすべてだと思い込み、社会の目に怯えている人々、自分は怯えているとははっきりとは自覚してないけれど、完全に社会に怯え切ってしまっている個人というのが生まれたんだと思う。それ、学校教育システムの大きな罪です。

おいらも振り返れば、学校の勉強で役に立っていることは数の数え方、漢字くらいかな。これだけあれば十分でございます。あとは天真爛漫に目にする物、感じる物と己の感性の交信を楽しみながら活きていくことが一番大切だなと思って生きてきました。何度も言いますが一度きりの人生ですぞ...心して生きておくんなさいな。

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色付き始めました...

2017/10/25
【第1015回】

「明日がある、かな」昨日、初日を迎えることが出来ました...総勢9名、トム・プロジェクとしては久しぶりの出演者多数の芝居になりました。これくらいの数からが群像劇になるのかな?なにせ、23年前には究極のひとり芝居からスタートしたんですから...理由は、魅力のない役者さんを数あわせのために出演させ、お客さんに迷惑をかけたくない。だって、折角盛り上がったところに芝居を壊しちゃう役者さんが出てきたらどん引きですもんね...となると、旬の作・演出家の書き下ろした作品を、魅力溢れる個性的な役者さんで存分に満喫して頂きたいということで、しばらくはひとり芝居のトムさんということで演劇界にデビューしました。でも、これも限りがあります。時を経て、個性のある舞台役者も少なくなってきました...その後は複数の出演者の芝居をたくさん創ってきましたが、ひとり芝居の経験を生かして、役者は十分に吟味してキャスティングしているつもりです。

さて、昨日の初日を見終わって感じたことは「劇団トム・プロジェクト」が誕生した瞬間に立ち会った思いがしました。23歳から56歳の俳優さんが、芝居のテーマに沿って一丸となって演じる姿は劇団という集団が存在をかけて観客に対峙している様に見えました。芝居で一番大切なのは座組です。俳優さんは仕事柄個性の強い人が多いのですが、その個性を失うことなく自分の役割をきっちりとこなす状態を生み出すのがなかなか難しいが、今回は息もピッタリ二時間の芝居を見事に演じきっていました。

今日、雨なので新宿の地下街を歩いていると今回の芝居のテーマ曲が流れてくるではありませんか...よく見ると、地下街の通路を掃除する自動掃除機から聞こえてくる曲でした。「明日がある♪明日がある♪」ほんまに、明日がある世の中になりゃいいんだが...

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久し振りだネ

2017/10/23
【第1014回】

でたらめな政治によるでたらめな選挙終わりました...大義なき解散に始まって、一人の権力亡者のかき回しで、野党第一党があっという間に姿を消すという前代未聞のことが起き、結局はアベ川モチが大量生産されましたが、こんな期限切れのモチ食えませんがな...小さなイケを大きなイケにして満杯にしようとしたオバハンは、自らの言葉に溺れ異国の地で殊勝にも反省しとりました。片や、信念を曲げず小さな木を植えた福耳おじさんの枝には沢山の葉っぱが付きました。日本昔話に出てくるような情けない選挙になりました...国民の半数の人しか参加せず、小選挙区制というマジックのお陰で選挙前と全く変わらない有様。

800億円かかるという選挙費用、被災地に回せよっていう話です。こんな茶番劇に、こんな人達に税金が無駄遣いされてることに怒らない国民も情けないことですな...選挙中にも東日本大震災、熊本震災、今年の水害のことなんぞ選挙の争点にならず、ただただ当選するためだけの空虚な言葉を羅列する政治屋にはほんとうにうんざりです。戦後、何度も見た光景が今回も無残な形で見せつけられました...じゃあどうすりゃいいの?答えは簡単、なんでここまで戦後72年間戦争もなくここまで来れたのか!そこを見れば一目瞭然だと思うんですがね...なにがあっても、戦争のない世の中が一番です!

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こんなのイヤですわ...

2017/10/20
【第1013回】

一昨日、18日「萩咲く頃に」の最終公演、埼玉県本庄市に行ってきました...本庄虹の演劇鑑賞会さんに呼んでいただいた公演です。今年の1月~3月、9月~10月、計61ステージを事故もなく無事に終えることができました。生の舞台ですからキャスト、スタッフの体調管理はもちろん、移動中の事故、トラブルで公演中止なんてことも当然起こりうる厳しい状況の中、何事もなく大千秋楽を迎えることができたのも奇跡に近いことです。あらためてキャスト、スタッフ、そして観に来ていただいたお客様に感謝です。そして、いつもながら演劇の神様がトム・プロジェクトを温かく見守ってくれてることにありがとさん!この日の舞台を観て感じたことは、役者が日々慣れることなく、発見を求めて様々なチャレンジをしている姿に感動しました。芝居は間の芸術です。台詞がない無言の中に実は多くの意味深な言葉が生まれているんです。登場人物の言葉にできない思いが舞台上で火花が飛び交うように入り乱れてる様は観客の想像力をいやが上にも掻き立ててくれます。これがたまらんのです...この日の芝居は、その間が落語のようでもあり、小津安二郎の名場面を彷彿させるようでもあり、千秋楽に相応しい舞台でありました。
終演後、キャスト、スタッフ、鑑賞会の役員さんと大打ち上げ大会を開催。夜が更けるまで皆、大仕事をやり遂げた充実感と、これで終わりという寂しさも交えながら、とことん飲み明かしました。この作品、再来年もお声が掛かっています。よか芝居は何回観てもよかですばい!

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ビルの中のハロウィン

2017/10/18
【第1012回】

こんな人が、こんなコスチュームで白昼堂々と新宿の街を歩けるんですから、日本はまだまだ大丈夫ですね...北朝鮮はもちろん中国、ロシア辺りではすぐ拘束、多分強制労働収容所送りではなかろうか。このおっさん以前にも見かけましたので「久しぶりだね...」なんて声かけると「写真撮ってもいいよ!」なんて言うもんだから断るのも悪いと思い準備をすると、なんとなんとポーズをとるじゃありませんか...仕方なくシャッターを押すと「もっと撮ってもいいわよ!」なんて要求してきたので、こりゃ大変と「寒くなったから風邪引かないようにね...」と言いながら危ない雰囲気が立ち籠める現場から早々と退散。新宿の街は怪しい来客簿で満載でございます。それを許す寛容さがおいらは好きだな...排除の論理を振りかざす、あのおばはんとはえらい違いでありますな。しかもお城は新宿にあるのに、たまにはおいらみたいに新宿の街の隅々まで地回りしてみてはいかがかな?街に蠢く大衆の焼け付くような匂いを感じ取って初めて政治なんて言葉が生まれてくるんじゃございません。何だか聞いたことのない言葉を羅列し、私はインテリ、文化人よなんてポーズを見せてもいずれ化けの皮が剥がれてしまいますよ...案の定、ホープなんて抽象的な名前を旗印に威勢良く立ち上げたグループもじり貧状態になっちゃいました。野党を解体させたおばはん良くやった!とアベちゃんほくそ笑んでることでしょう。
選挙まであと5日、またまた自公で過半数でございます。いや、維新、希望も自民党の補完勢力だから解散前と変わらないどころか、ますます危ない国になっていくんでしょうね...
ピンクの白鳥おじさんが見れなくなったときが日本沈没のときでございます。

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新宿奇人列伝
(正面写真は貴方がイメージしてね)

2017/10/16
【第1011回

先週の金曜日には「萩咲く頃に」、大宮演劇鑑賞会に行って参りました。終演後、会場にお二人の品の良いご婦人が「シルバー人材派遣会社からきましたコンパニオンです...」なんてお迎えの挨拶をされ飲み会の会場に誘導されました。それから5時間近く、鑑賞会の方々と楽しい時間を過ごすことが出来ました。芝居をとことん愛する最強軍団、こんな人達のお陰で我々も、よしゃ!よか芝居を創らんといかんばい!と背筋がシャキッとする次第でございます。それにしても、大宮も大都会、この街にプロのサッカーチームが2つあるのも判る気がします...
土曜日には、朝早くから映画鑑賞。新進気鋭の監督・外山文治短編作品集を渋谷のユーロスペースでアンコール上映。トム・プロジェクト所属の下條アトム、藤澤志帆、辻井彰太が出演してることもあり足を運びました。限られた予算の中で、監督自ら営業し上映先を見つけ出し公開するという、まさしく映画をこよなく愛する人が創った、「わさび」「春なれや」「此の岸のこと」3本の作品。37歳の監督が描く世界は、老年、若者を主人公にしながら基本的に市井の人達の日常に流れる機微をすくい取り何気なく描いてる...何故短編にしたのか?長編映画が多い中、饒舌を避け究極の所、俳句みたいな映画にしたかったのではなかろうか...若い監督が困難に立ち向かい、自分の世界を形にしてゆく姿に拍手を送りたい。

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冬を待つ

2017/10/13
【第1010回】

「明日がある、かな」の稽古場に顔を出す...今回は出自が異なるベテランから若手まで総勢9人の出演者による芝居である。劇団ではないので、演技に対する体験、考え方も当然のように違ってくる。それぞれの異質なものをどう纏めていくか演出家の手腕が問われるところである。この日も、作・演出家の中津留章仁が粘り強く丁寧に役者にダメ出しをしていた。
言葉では理解できないとみると、自らがやってみせるのだが、さすがに自分自身が思考して書いた台詞、なかなか堂に入っている。これをやられると役者も参っちゃいますな...役者自身が役作りしていることの正誤が問いただされているようなものだからだ。演出家がやったことをそのままやるのも情けないことだし、ダメ出された役者はそこを乗り越え新たな表現を生み出さねば屈辱的なことになってしまう。当然ながらお客さんは本番しか観れないのだが、芝居を創る当事者は稽古の過程を観れる楽しみがある。作・演出家と俳優との身を削る修羅場があってこそ質の高い作品が生まれるのも至極当然なことである。初日まで、すべての時間を芝居のために捧げる創造者たちの苦闘の日々が報われるようにするのもプロデューサーの仕事です...初日乾杯のときに美味しい酒が飲みたいですな!

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錦糸町の稽古場からの帰り

2017/10/10
【第1009回】

秋の日の夕焼けは、おいらの心身をほどよくほぐしてくれる...上田敏による訳で、日本で最も有名なフランス詩の一つとなったポール・ヴェルレーヌの「秋の歌」。秋と言えばなんとなく憂いを感じる季節「秋の日の ヴィオロンの ためいきの 身にしみて ひたぶるに うら悲し」そんな日の暮れなずむ空を眺めると、今日一日無事過ごせたことに対する感謝の気持ちと、人生の黄昏をしみじみと感じ入ってしまうのだ...なにか行き詰まったり、悩み事があったら空を眺めるに限る。時の移ろいとともに微妙に、時には大胆に、様々な表情を見せてくれる雲、その雲に鮮やかなタッチでペインティングしてくれる時間が夕暮れ時である。大地に寝っ転がって半日空を眺めた日なんぞ、思考することの空しさを覚えたくらいだ...この自然に素直に身を任せることを忘れた、人間の計り知れない欲の悪行の数々が大空に吸いこまれるさまは実に爽快である。この果てしない空の広さ、大きさは半端じゃない。
この空に向かって虚言を放つ政治屋の戦いが今日から始まった...空さんよ!そんな輩には何倍ものおしかりの返答を...

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暮れなずむ街

2017/10/06
【第1008回】

西武ライオンズのペナントレースも昨日で無事終了しました...結果は2位。ようやくBクラスを脱出、よくやったライオンズ。何といっても辻監督の粘り強い指導と、西武ライオンズの黄金期に培った勝負勘によるものが大きい気がする。とりわけ長年の課題であったショートのポジションを新人源田壮亮がフル出場し活躍したことと、シーズン後半、山川穂高が堂々の4番でホームランを連発したことも勢いに弾みを付けた。10月3日に楽天との最終試合でのライオンズの気迫は、今年のシーズンを象徴するような試合であった、逆転された後の山川の逆転ホームラン...おいら、思わず涙ぐんでしまいました。沖縄出身の人なっこい笑顔が魅力の山川が思いを込めての一発。そうそうできるもんでございません...そんな野手の頑張りに、この日先発の菊池雄星が答えないわけにはまいりません。8回の表無死満塁のピンチを無失点で切り抜けた時にもホロリ。そして、その裏、源田があの長嶋茂雄を超え、シーズン154安打で新人安打数歴代3位を達成。こりゃ凄すぎますバイ!結局、この日10対3で楽天を下し、シーズン2位をほぼ手中に収めた次第だ。

ライオンズを応援して66年...西鉄ライオンズが身売りされてから、もういいだろうなんて気持ちになったことも何度もあるのだが、何故か、あの少年時代に野武士軍団からもらった夢とロマンと勇気が、おいらの体の一部に棲みついてしまい、なかなか出ていかなかった...おいらの人生の中で、あの日あの時の記憶がいつからか生きていくうえで必要不可欠なものになってしまったのではなかろうか...たかが野球、されど野球、野球に翻弄される人生もまた素敵なものではなかろうか。

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我が心のライオンズ

2017/10/04
【第1007回】

新宿は、日替わりで奇人変人が路上で怪しげなパフォーマンスをやっとります...この日も新宿西口小田急前の階段付近で、おっさんがなにやら難しい顔してメモをとっていました。その周辺をみると「駐輪代が自販機でドリンク求めるとチャリ預かり...」「拾得物、鍵、マント、傘...」「社員募集、秘密厳守...」などなど、なんのこっちゃ意味不明のメモ書きが散乱しておりました。勿論、こんなものを真面目に見る人なんぞ一人もおりませんがな。でも、好奇心旺盛なおいらは、しばし観察しておりました。すると、おっさんおいらの顔をしげしげと眺めながら、おいらが話しかけてくるのを熱望してる感じがしてきたので、こりゃやばいと退散してしまいました。会話が成立すりゃおもろい体験だったのだが、どう考えても宇宙人規模の対話で道行く人も、おいらもちょいとイッテしまった人種だと思われるのも何だか嫌な感じがしたもんで...いやいや世の中は不条理なことばかりです。このおっさんのこと笑っておられませんがな。昨日、発表された希望の党の公認候補の名前を見て、驚き桃の木山椒の木!民進党時代に反対していた安保法案、憲法改正を覆して泥池に飛びこんじゃうんですから、いつもテレビで息巻いてたあの人もこの人も...こんな輩が有象無象、救いがない国でございます。たとえ落選しようとも、己の志しの旗を掲げ散っていく方がどれだけ潔いことか...人間としての矜持、生きていくことで決して忘れてはならないことでございます。

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新宿奇人列伝

2017/10/02
【第1006回】

爽やかな秋の風が吹き始めたというのに、なんですかいな!お馴染み政治屋さんの離散集合。小池のおばはんに引っかき回され、小池にはまった弱気な野党の皆さんの溺れ振りぶりには呆れてしまいます。前原のおっさんも、まんまと騙され民進党は真っ二つに割れてしまいました。この経緯をみると、なにやら裏でアベカワモチとコイケマンジュウがこねくり回しながら甘い話をしたんじゃないかしら...二大保守党を出現させ、何れは小池首相誕生を夢見てるんでしょうね。それにしても民進党のみなさん情けなか!政治家から志を無くしたら終わりでしょうが...小池のおばはんの排除の姿勢には恐怖すら覚えます。次第に化けの皮が剥がれつつありますな。次から次に、時の権力者に接近し政界を渡り歩く様だけでおいらなんか、この人のお腹の中なんじゃろかいな?と思ってました。都知事になったのはいいが、豊洲移転問題、オリンピックなどなど何も解決してないのに何が国政といいたい。それにしても日本の皆様もほんとうにしっかりせんといかんですばい!国会議員ひとりあたり1億円のコスト(庶民が汗水垂らした税金)がかかってるのに、国のためになにをやってくれてるんですかね?身の保全のためにしか動いていないのではという輩が多数を占めてる気がしてなりませんな。正直のところ、将来も政治の世界は悲観的です。忖度と馴れ合いでなんとなく時代が通り過ぎていくニッポン。だとすれば、おいらは世のため人のために身を投げ出す志ある人に清い一票を投じたい。所詮、政治家なんか存在しない国ですから...終局は、己の中に理想の国家を想像・創造するしかないのかな...

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秋の佳き日に

2017/09/29
【第1005回】

27日、盛岡での「風間杜夫ひとり芝居~ピース」千秋楽行って参りました...盛岡は久しぶりです。東北新幹線が出来、2時間半で行けるんですから便利になったもんでございます。昔は、えっちらこっちら長い時間をかけて東北を漫遊したんだが、新幹線のスピードは旅の余韻を感じさせてくれませんがな。四季折々の風景を堪能するなんてことはとても無理。全てが効率的に動き回る現代社会、おいらは好きではありませんな...ちょいとは、ゆったりほっこりのんびりせんかいな!と進言したいところだが、この慌ただしい効率主義主流の流れに抗うことは出来んでしょうな...公演した場所は昔の花街、おいらは何故か嘗ての花街を見つけると胸騒ぎがするんでございます。勿論、劇場周辺をブラ散歩いたしました。遊郭があったであろう建物もありましたし、遊びの色香がどこからか匂ってきます。この日公演した盛岡劇場には宮沢賢治も足を運んで演劇、音楽を楽しんだそうです。

芝居も、もちろん杜夫ちゃん絶好調の演技で、万雷の拍手のもと無事最終公演を終えることが出来ました。終演後はスタッフ共々、大打ち上げ大会。地元の魚、肉大変美味しゅうございました。締めに食べた盛岡冷麺が美味しかったな。早速、来年の再演、そして新作の話やら話題になり盛岡の夜は大いに杜、盛り上がりました。

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盛岡劇場

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南部大鉄瓶

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フォーク酒場

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かつての......

2017/09/27
【第1004回】

10月に公演する「明日がある、かな」の稽古が始まりました...いやいや3本同時に芝居の本番、稽古やっとります。新入社員も含めて事務所は大忙しですが、それだけ需要があるってことですからありがたいことです。いくらこちらが芝居したいな!なんて声をあげても、やって欲しいところがない限り赤字公演になっちゃいますからね。要は良質な作品を創ることに限ります。さてさて、「明日がある、かな」、気鋭の作・演出家、中津留章仁のもとに9人の俳優が集まりました。出自が異なる年齢も21歳から56歳まで幅広い人達が集まりました。トム・プロジェクトとしては久しぶりの大人数の芝居です。少数精鋭の芝居もいいんですが、いろんなタイプの登場人物が入れ替わり立ち替わり出てくると、なんとなく活気づいて楽しいものです。気をつけにゃならんのは、そのなかに芝居をぶち壊す役者が出てくると、やはり出さなきゃ良かったってことになりますね。その点はご安心くださいませ、おいらが吟味して個性溢れる達者な役者さんを揃えました...稽古初日の本読みもなかなかのテンションでいい雰囲気でした。

政界もえらいこっちゃ!大義なき解散、当選狙いの離党、都知事と新政党の代表、北朝鮮の脅威のこの時になんでやろ?政治家はトップをはじめとして皆、自分ファーストの輩ばかりだから当然のことか...こんな人達にこの芝居見せたいがな「明日がある、かな」

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秋、到来...

2017/09/26
【第1003回】

先週の土曜日は所沢にライオンズの応援に行ってきました。最下位ロッテに3連敗、なんばしよるとか!と気合い入れるために球場に行ったんですが、同じ思いの人がたくさんいるんですな。立ち見もいるくらいの大入り満員でございます。こんな遠方まで都心から来てくれるんですから西武のフロントもしっかりせんといかんですばい!外国から連れてくる助っ人ほとんどが外れ状態、普通の会社だったら配置転換かクビですたい...でも、今年は辻監督、新人の源田、平井、後半から新4番バッターで活躍中の山川なんかの踏ん張りでなかなか面白いゲームをしてくれるんで、久しぶりに楽しみなシーズンになりましたですばい。この日はなんと期待もしてなかった野上投手が9年目にして初完封勝利。福岡の出身ながら、にやけ顔で締まらんピッチングする野上には、しゃきっとせんかいな!と、思っとりました。
今年の春には、アイドルグループ「モーニング娘」の元メンバーでタレントの石川梨華さんと結婚したし男にならんと思っていたもののぴりっとしない試合が続いていたので、この日の男ぶりは見事でした。可愛い奥さんも喜んでくれたことでしょう...
一昨日の日曜日は、浜田山でお祭りの御輿が街を練り歩いていました。秋祭りの行事があちこちで執り行われるのを見るにつけ、春に種をまき、秋に刈り取る。春に蕾をつけ、秋に実を結ぶ。秋は収穫の季節、まさしく食欲の秋に食卓を彩る食物に感謝のためのお祭りですたい。こうやって、日々健康に生きてこられてることに唯々感謝です...秋の味覚を噛みしめながら、今週も生き活きと過ごしますばい。

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2位死守の必死の戦い

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祭りだワッショイ

2017/09/21
【第1002回】

関西、九州から戻って久しぶりの新宿...何故かほっとしまんすんねん。関西、九州、観光地は何処に行っても韓国、台湾、中国の人達で溢れかえっています。嘗て日本一人気があった湯布院温泉も今や7割が外国人観光客らしいです。特に多いのが韓国の人達...日本の経済も他国の観光客のお陰で潤っているのかもしれませんな。それはそれとして致し方ないことなんだが、どうも情緒が希薄になっているのが至極残念な気がします。日本人が昔から持ち続けている情緒と、他国の人達の旅する心情が文化の違いからずれを生じてる気がします。温泉地でのマナー、買い物時の気遣い、車中での会話などなど、あらまあ!なんてことがあります。おいらもいろんな国を放浪し、見知らぬ人達との交流は最優先してきたつもりだが、最近旅して感じることは、何故か接点を持ちづらいことが多々あるということですね。人間そのものが文明の利器に浸食され肌と肌との触れ合いを面倒に感じているのかも...その点、西洋人の方がフランクなコミュニケーションをしてますね。笑顔で挨拶し旅をより積極的に楽しんでる...まあ、昔から東洋人は日本も含めて控えめな民族なんだが、それにしても重い。こんな人混みを歩いていると、周りの風景も違って見えてくるのが恐い気がします。風景と人とがうまくマッチしてこそ風光明媚と言うんでしょうな。
その点、ここ新宿は昔からカオスの街。時代の流れに逆らうかのような変な人達が闊歩してるんで本当に落ち着きます。ふらふら歩きながら、何故か心身共々ふわふわとしますんや...

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トリオ

2017/09/19
【第1001回】

9月16日(土)福岡県小郡市での公演「風間杜夫ひとり芝居~ピース」に行ってきました。
博多からも近いことがあり600人の席は満員でした。芝居は杜夫ちゃんエンジン全開で、客席は暗転になる度に拍手で大いに盛り上がる。台風が迫り来る緊張感も、しばし笑いで吹き飛ばしてくれたようです。会館の方も「こんなに喜んでくれたのも久しぶりです...」なんて言われると、遠路はるばる我が故郷に又一つ作品を送り届けることが出来たことに、おいら嬉しさで一杯でございます。ところがどっこい、翌日公演予定の大分県津久見市での公演は台風のために中止になりました。スタッフは小郡公演の終了後、津久見に向かい夜に舞台設営を終え万全の体勢で居たのですが、大型台風の威力には勝てませんでした。翌日の報道によると津久見の街は濁流に飲まれる惨状。公演中止どころか、一日も早くいつもの穏やかな街の戻るのを祈るのみです。
久しぶりの博多の街は台風の影響もそれほどでは無く、いつものように綺麗な女の子が色とりどりなファッションに身を包み散策しとりました。行きつけの六本松の名店「ひろ」のメンバー10人ばかりと久しぶりの再会。盛り上がったところに杜夫ちゃんも合流。翌日が公演だというのに遅くまで飲んでました。嬉しかったのは病気入院中だったママに逢えたこと...27歳のときに出逢い、貧しい演劇青年を励ましてくれたママにはたくさんの想い出があります。開店50周年記念まで是非元気であって欲しいな!年齢不詳なママ。

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博多の刺身

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五島うどん

2017/09/15
【第1000回】

夢吐き通信、今回で1000回になりました。能天気なおいらが良く続いたもんだと感心しております。最初は気が向いたときに書いていたのだが、芝居を観に来たお客さん数人から「最近書いてないね...楽しみにしてるのに!」なんて言われると、調子こいて、いや責任を感じて日常のあれこれを綴ってきた次第です。拙いコラムを読んで頂いて感謝です。
13日に兵庫県立芸術文化センターでの「風間杜夫ひとり芝居~ピース」公演に行ってきました。杜夫ちゃん人気はたいしたもんです...満員のお客さんを前にして自由自在に演じる姿に場内は爆笑の連続。さすがは笑いの王国関西でございます。楽しんで笑わんと損しますわ...最後はスタンディングオベーション。いやはや、風間杜夫オンステージでお客は大満足、笑顔で家路に急ぐ人達の表情を見るにつけプロデューサー冥利に尽きます。終演後は公演の成功を祝して、神戸芝居カーニバルを主宰している中島さん、四国から駆けつけた青木さんと一緒に宗右衛門町の小料理屋で乾杯。この日のお酒はとりわけ美味しゅうございました。
翌日、少々時間があったので久しぶりに大阪新世界に行きました。昔の大阪が残ってる懐かしい繁華街です。串カツの店が乱立、どこに入ったらいいのやら迷ってしまいますがな...囲碁、将棋の店も健在で安心しました。庶民の生活感が色濃く残る街が無くなったときは昭和の終わりかな。隣の釜ヶ崎もぶらりとしたかったのだが、次の公演地福岡に行かねばならないので諦めました。それにしても、ここ大阪も中国、台湾、韓国の観光客がわんさか溢れておりました。近い将来、中華人民共和国日本県なんてことになるんじゃないかしら?

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新世界

2017/09/13
【第999回】

京王線明大前においらが推奨する素敵な店が二軒あります。先ずはそば屋の「近江家」。明大前すずらん通りにあるお蕎麦屋さん。店内の石臼で毎日製粉している自家製の石臼そば粉を使用した二八そばで、うどんも自家製麺で注文後に釜茹でしたあげたてのうどんを提供してます。おつゆも自家製で高級本枯れ鰹節、昆布を使用し、毎朝出汁をとり厳選した醤油・みりん等を合わせて仕上げております。どれを食べてもおいしゅうございます...季節によっては石川県から取り寄せた鮮魚も日本酒ちびりちびり飲みながら食しますと、もうたまりません。経営者がお年を召されて開店時間が短いのが残念です。先日も9時閉店間際に行ったのだが、そばは売り切れ、かろうじてうどんにありつけました。そばを食べたら少し歩いたところに、1960年に開店した由緒正しきジャズの名店「マイルス」。おいらも久しぶりに行ったのだがママは元気にせっせとLPレコードに次から次へと針を落としていました。なにせ3000枚の名盤が揃ってるんですから狭いながらも贅沢な空間です。恋も仕事も全て捨て?57年間ジャズに惚れ込んだ女の一生、見事じゃありませんか...一時間ほど滞在して帰ろうとすると、急な階段を下り玄関まで見送りしてくれました。優しい粋なママさん、いつまでも元気でいてくださいね!

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近江家

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マイルス

2017/09/11
【第998回】

「風間杜夫ひとり芝居~ピース」昨日、無事東京公演の千秋楽を迎えることが出来ました。
いやいや、たった一人で連日満員にしてしまう杜夫ちゃんの芸の確かなチカラたいしたもんでございます。前日に打ち上げしてお客さんと談笑すること五時間、翌日にはけろっと楽しく演じてしまうんですから人間業じゃございませんことよ...同業者の役者さんも、完璧です!何も言うことございません、ただただ恐れ入るばかりでございますと仰有って居ました。こうなったら次は3年前に創った「正義の味方」を併せて平和三部作なんて構想が浮かび上がってくるんですが、こればかりは杜夫ちゃんの気力、体力があってのこと。おいらが勝手に夢想しても仕方がありませんな...お客様が嬉しそうに満足げな表情で劇場を後にする姿を見るにつけ、粘って諦めないで一本の芝居を創りあげたことに喜びを感じます。
何もないところから形にし、観客に満足して頂くまでの過程には、それこそスタッフをはじめ多くの人達の血の滲むよう創意工夫があってこそのことです。ただただ感謝、感謝...
今日から横浜を皮切りに地方公演も始まります。おいらも明後日から、関西九州に行って参ります。一方、「萩咲く頃に」も現在首都圏演劇鑑賞会を巡演中です。まさしく芸術の秋がやって参りました...強敵、食欲の秋に勝てるかな?

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午後の一杯

2017/09/08
【第997回】

「風間杜夫ひとり芝居~ピース」も昨日で5ステージを終えたところだ。連日超満員のお客様に見守れながら杜夫ちゃん絶好調でございます。社会性を盛り込みながらこれだけの笑いに包まれるのも、ひとえに愛されキャラ、チャーミングな役者の証ではなかろうか...
今回もOさんから一枚の葉書が劇場に送られてきましたので紹介します。

拝啓「風間杜夫ひとり芝居ピースPEASE」拝見。葬儀で故人を偲ぶ冒頭、いきなり何が始まるのかと期待が膨らむ客席です。葬儀屋の父娘の会話に繋がり、なるほど人情話かと納得して話を追っていくと、その家族の光景まで目にしているような展開になり、ひとり芝居の台詞の世界に引き込まれてゆきます。やがてその小さな幸せを覗き見た客席は酒に勢いを借りて社会風刺する主人公に少し違和感を覚えながらも、いつもの社会ネタの幕開けかとその口舌を楽しみ出すと、このオヤジの荒れ具合の陰に潜む家庭を失ってしまった不幸を垣間見ることになる。実に見事な展開。しかもこの流れが、まるでそれぞれの配役が登場しているかのような奥行きを、たった一人の役者が、登場しているかのような奥行きをたった一人の役者が語りだけで構成していく醍醐味に、客席は笑いながらもすっかり話の世界に引きずり込まれてゆきます。この時間、場面を共有したいがために、今ここに観客というよりも、ドラマの一員となって同じ空気に触れているわけです。立派な生き様に圧倒されるのではなく市井の一市民の哀しみをともにしている。その設定が社会を切る彼の言葉に素直に頷かせる現実感を生み出していることに、見終わって気付く帰り道です。待った甲斐、そして見た甲斐のあるひとときでした。楽しい芝居に出会えて満足です。ありがとうございました。敬具

一枚の葉書に、びっしりと書き込まれた感想文に、いつも心打たれます。きちんと芝居を観られ、芝居に対する愛情をひしひしと感じます。こんな人達が劇場に足を運んでくれるのだから、つまらん芝居を創るわけにはいきません。
いよいよ東京公演も残すところ3ステージ、観なきゃ後悔いたしますぞ!

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Oさんからのハガキ

2017/09/06
【第996回】

昨日も「風間杜夫ひとり芝居~ピース」を観ながら思いました...ラスト近くに流れるスライドには世界各地の避難民、激戦地、悲嘆にくれる子どもたちの写真に混じって、北朝鮮のミサイル実験のシーンがありました。ありゃ、観劇中にあのミサイルが飛んできたら?いやいや、バーチャルではなくなってきました。あの刈り上げクンの頭は相当に狂ってますし、その相手が金髪滑り台ヘアーの男ですから、狂った同志のやりとりに日の丸君も危うくなってきました。衝突が起こればアメリカの核の傘のしたにあるわが国の米軍基地を狙ってくるのは当然のことです。今尚、アメリカ、フランスに続いて、「54基」(世界第3位)もの原発を持つ日の丸君は完全にアウトでしょうな...ニッポン沈没放射能こんこん、かつてあの四季折々に恵まれた大和の国がありました!なんて、幻の国になっちまうことだってあり得ないことではありませんことよ。おいらは、もう十分すぎるくらい楽しい人生を過ごすことが出来たのでいつあの世の往っても悔いはありませんが、これからの人生、夢とロマンと冒険心を抱きながら前を向きながら生きてる人達のことを思うと、なにがなんでも戦争は避けねばなりません。アントニオ猪木参議院議員が北朝鮮に今日出発したとのことだが、あの人でなにか進展はするんでしょうかね?例の赤いマフラーは確かに共産党のシンボルではあるんだが...力道山の娘さんが北朝鮮に居るということで交流が始まったそうだが、何だかプロレス同様、なあなあ勝負の気がしてなりませんな...今日か、明日か、明後日か、そんな気持ちで居ないとあきませんがな皆の衆。今日吐いた言葉が遺言になるかもしれません...

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いのち

2017/09/04
【第995回】

先週の週末は怒濤の日々でした...9月1日は「萩咲く頃に」の再々演、横浜演劇鑑賞協会でスタートしました。首都圏の演劇鑑賞会を含めて計31ステージの公演です。この日の芝居を観て感じたことは、まさしく演劇は時代の流れの中で日々変化しているということ。役者の思考、感受性の有り様がすぐさま舞台上で表現されれば作品も厚みを増すのも至極当然。震災と家族の再生がテーマであるだけに、個々の俳優の思いが強くなればなるほど家族間の絆も繊細かつ強力になるというものだ。内容的にはしんどい芝居であるはずなんだが、笑いがあるのも人間ドラマとして成功しているのではなかろうか...
9月3日は「風間杜夫ひとり芝居~ピース」の初日。彼のひとり芝居を創り続けて20年。今回は7作目の新作。いやいや、このエネルギーどこからくるのかしら?てなぐらい68歳になる杜夫ちゃんエンジン全開でございます。たった一人で、膨大な台詞を喋りながらこの芝居の全貌を演じきるんですから役者の鏡ですな...居ない相手が見えてくるシーンに、一人のチカラというより表現力で世界を表出する凄さを感じます。ハイテク化が進む中、生身の人間の持つ果てしないロマンを頂けます...でも、誰しもが出来るってことではないことも確か。他の方が勘違いしてやられてもたまりませんな...言うなれば、役者の生業は選ばれし者がやる仕事。初日乾杯での彼の表情は、ほっとした顔と、まだまだやりきれてない顔、これがあるからこそ役者稼業はやめられないんでしょうな。

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年に一度のカレタナのカレー
昨日、食べました。

2017/09/01
【第994回】

今村夏子著「星の子」「こちらあみ子」二冊読了...「星の子」は先ほどの芥川賞の候補になった作品だ。この手の小説を書かせると、なるほど女性なるものの感覚、それも日常に潜む繊細に揺れ動く観察力に驚異さえ覚える。しかも平易な文体で綴られてるだけに、その奥底に秘められた喜び悲しみが増幅される。表現者たるもの誰しもがそうだと思うのだが、普通の目線から少しずらしたところから見た風景、人の有り様から独自のアートが生まれると思う。その点、この作家はいつも常識を踏まえつつ、その常識のまやかしを少しずつ剥がし、真実、真理に迫ろうとしているのだが、決して回答を出さないところがプロの作家たる所以ではなかろうか...勿論、自分の伸びしろも残しながら、又、次なる探索の旅に乗り出していくのが作家の使命であるからに違いない。
最近、頻繁に目にした電子ブック、あまり見なくなった気がする。やはり、読書は「紙の本を読みなよ」と言いたい。一枚、一枚ページをめくるワクワク感は電子ブックでは味わうことが出来ません。全国の本屋さんが次々と潰れています...街から本屋さんが無くなったときは、世界が終わりを告げるときだと言っても過言ではありません。疲れたな、しんどいな、と感じたときは、ふらり本屋さんに立ち寄り書棚に並んだ知の宝庫に触れてみてはいかがですか?明日からの良きビタミン剤になりますぞ...

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秋の予感

2017/08/30
【第993回】

足下をお洒落に...日々、生きてることを支えてくれてるおいらの足さんにご感謝を込めてHappy Socks (ハッピーソックス)をプレゼント。「自身とまわりの友人たちをハッピーにする」というシンプルな目的で立ち上げられた Happy Socks 。ミニマルなデザインと荒涼とした気候で知られるスウェーデンから発信されているこのブランドは、4年前に設立されたカラフルでポップなソックスです。だって、大地を支え仕事に遊びにおいらが行きたいところにいけるのも、この足があってこそ。疲労と汗に塗れた足さんに、このソックスをプレゼントした日はどことなく嬉しそうな足顔をしておりました。それを感じたおいらの気分も爽快になり足取りも軽くなっちゃいます...あまり人目に触れることがないところに、さりげなく遊び心を取り入れてるところが男のおしゃれじゃございません...それでなくても、日本のサラリーマンの服装感覚なんと画一的なことか!もっと、着るものから遊び心を取り入れて気分を変えなさいと言いたいですな...なにもブランド品、高額なもの購入しなくても、ちょい遊びの精神があれば、いくらでも楽しく過ごせますがな。身につけるものを少し変えるだけで随分と日々の生活が楽しくなるってわけさ...言っておきますが、おいらHappy Socksの回し者ではございませんことよ。日々の生活に楽しむ精神が蔓延すれば、この世知辛い世の中も、少しはましになるんではないかしら?なんて気持ちで記しただけでございます。

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遊び心は足下から

2017/08/28
【第992回】

先週の土曜日に演劇群「走狗」の同窓会をやりました...11名集まったのですが、さすがに皆さんあっちが悪い、こっちが痛いと、寄る年波には勝てませんがな。でも、まだまだ口は達者だし酒もいけるし、そう簡単にはくたばりそうもありません。がしかし、参加する予定だったジローちゃんは残念ながら病のため急遽入院。舞台美術家として演劇界で数多くの賞を受賞し、トップランナーとして活躍してきたジローちゃんに襲った病、なんとか克服して再び素敵な舞台美術を創ってもらいたいものです。彼の回復を願ってビデオレターの収録、色紙への一言をみんなに頼みました。44年前に集まった演劇仲間、こうやって逢えるだけでも幸せです。みんな貧しかったのだが芝居が大好きで、粉骨砕身なりふり構わず舞台創りに邁進した青春の日々は片時も忘れたことはありません。あの苦楽の日々があったこそ、おいらも今なお芝居を創り続けているのかも知れませんね...テントを担いでの旅公演、芝居して酒を飲み、演劇論を闘わせたあげくの末の大喧嘩。二次会はゴールデン街「ガルガンチュア」へ向かう。この店でも喧々諤々、カウンターを拳で叩きながら良く議論をしたな...たまりかねてママのタンコが「もう店に来ないで!」と追い出された奴も居ましたな。
それにしてもゴールデン街、飲み代も高くなったし、外人観光客の名所になり、すっかり様変わりしました。なので、今ではたまにしか顔を出しません...懐かしい友に逢うと、ついつい酒が進みすぎ帰りは千鳥足。お年なんだから気をつけんといかんがな...この日、おいらの隣に座っていたT君も道で転んで救急車で運ばれ、気がついたら慶応病院だったらしい。酒で命落とすなんてことになったら何のためにここまで生きてきたのよ!なんて事になっちゃいますがな...

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演劇群「走狗」の仲間達

2017/08/25
【第991回】

家の近くにライオンズファンのオーナーがやってる店だとは知らなんだ...たまにちょいと行く高井戸の居酒屋「虎屋」、手作り感満載の昭和を感じさせるお店。どれも安くて美味しい品物揃いで、気楽にちょいと一杯にはぴったり。先日トイレに入ったら、西武ライオンズのカレンダーが飾ってたもんだからマスターに聞いてみたら、なんと久留米の出身で子供の頃からのライオンズファン。おいらより年下で、平和台球場に行った頃は、西鉄がクラウンライター、太平洋クラブに身売りして弱いライオンズに時代だったとのこと。嗚呼それなのに一途にライオンズを愛してくれるなんて、おいらも感激しましたばい。いや、いや、その日は大いに盛り上がりました。丁度13連勝していたときでもあり、お酒もぐいぐい進みました...ところがどっこい、そうそううまくはいかないのが野球でございます。ソフトバンクに3連敗、おまけに菊池雄星投手が2段モーションによる反則投球を繰り返し宣告され、今年も優勝はほぼ無理な状況になっちまいました。でも、今年は辻監督になって夢を随分と見させて頂きました。残り試合、せめてもの2位になりクライマックスシリーズであわやなんてことになったら上々でないかしら...それにしても、こんな時期に菊池に制裁をくわえるなんて、どこかの金満球団が裏金使って審判を引っ張り込んでるんじゃないかしら?なんて勘ぐりたくなりますばい...今日から又、気を取り直して残り一月半ライオンズを応援しますけん選手の皆さんも頑張ってちょうだいな。

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夏が戻って来ました

2017/08/23
【第990回】

昨日「萩咲く頃に」の稽古も始まりました...今年の春に再演したばかりですが9月1日~10月18日までの31ステージ、首都圏の演劇鑑賞会で公演します。東日本大震災を舞台にした芝居なんですが、昨日の本読みを聞きながら、この話は現在進行形であることを確認することが出来ました。その後の熊本地震、広島土砂災害、先月の九州北部豪雨、そして家庭内殺人、ひきこもりなどなど、この芝居の内容そのものが現実社会を投影されたものであり、この芝居を直視することから問題解決のヒントになりうるのではないかと...芝居はまさしくリアルタイムであるこそライブである意味があると思っています。演じる俳優も、日々目まぐるしく起こる災害、事件に目を凝らし前回表現したものにプラスアルファすることによって、より芝居の厚みが増してくるのでは...表現者たるもの己の五感をフル回転して、世界を全身で感じ取り、その蓄積をお客様の前でお見せしてこそお金を取れる役者でございません?おいらも仕事柄劇場に足を運ぶんだが、思わせぶり型、自己満足ハイテンション型&ナルシスト型なんぞの芝居観せられた日にゃ、金返せ!時間返せ!なんて言いたくもなりますがな...その点、今回の「萩咲く頃に」の役者さん5人、役者である前に人間であれ、
なんて当たり前のことを熟知している素敵な方ばかりですから今回の再々演もきっと素晴らしい舞台になるでしょう...

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久し振りに見せた青い空

2017/08/21
【第989回】

天候不順の土曜日、新橋演舞場に行く...大竹しのぶ主演の「にんじん」。彼女が22歳で演じた伝説のミュージカルを38年振りに再演した作品。といっても、おいらはトム・プロジェクトの作品に出演して貰った宇梶剛士さん、キムラ緑子さんが出演しているので観に行ったんですがね...今年還暦になった大竹さんが少年を演じるんですから舞台は何でもありの世界です。これ、彼女を知らない人達が観ても違和感ないんじゃないかしら?てな見事な少年振り、なんにでも憑依しちゃう不思議な女優さんなんですね。それにしても入場料¥13000、おいら何度も書いてきたんですが、芝居のチケット高くありません?いや、お客がそれでも観たいと言うんだったらそりゃそれでいいんでしょうがね...休憩中に何気なく周囲の会話聞いてたら今日のお客、宝塚・ジャニーズの追っかけが随分と居る様子。勿論、純粋にこの作品を観たくて来てる人も居るとは思います。所詮、興行なるもの人気商売、お客が入ればいいんじゃないの!もっともでございます。¥5000以上のチケットを頂いたことのないトム・プロジェクトは、この先やっていけるのかしら?なんて心配してくださる方も随分といるんですが、果たして何処まで頑張れるか...
雷と激しい風雨が去った後の銀座をぶらり。銀座もすっかり変わりましたね...ブランドの店がびっしりとひしめいていました。そんなご時世に、昔ながらのいなせな古居酒屋を見つけるとほっとします。銀座の小路に、今尚ひっそりと佇んだ飲み屋がおいら好きだな...

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歩く姿は...

2017/08/18
【第988回】

今年の芥川賞受賞作である沼田真佑さんの「影裏(えいり)」を読了...審査員賛否両論の作品。おいらは思ったさ、アート全般に言えることだが、表現の原点は、この世界に向かって何が言いたいか!と言う一点に尽きる。言葉はまさしく言霊、言葉を弄んでテクニックに走るのが一番アカンと思います。要するに奇を衒うってやつですね...作者は震災とLGBTというテーマを使っているのだが、必然性も感じられず、巧みな語彙の構成に自己陶酔しているのでは?なんて見方もされかねない作品かも知れない。でも、まだまだ若い作家でもあり、時折光るフレーズの新鮮さ、そして最初の作品で文学界新人賞も受賞した逸材ですから今後に期待したいものです。
風間杜夫ひとり芝居「ピース」の稽古も始まりました。来年のNHK大河ドラマ、10月から始まる日テレ新番組の収録、そして映画、その合間を縫いながらの稽古。いやいや、ひとり芝居ですから当然のことながら台詞は全てひとりで覚えねばなりません、1時間20分の膨大なる台詞、おいらなんて考えただけでぞっとしますがな...ところが役者になるべくしてなった杜夫ちゃんは違うんですな。台詞を読み込みながら自分のリズムを上手く取り込み形にしてしまうんですね。落語も一流、ひとり遊びはお手のものかも知れませんね、稽古の過程を観てるだけでも一本の芝居を鑑賞してるぐらいの面白さです。来月9月3日、俳優座劇場の初日が待ち遠しいです。残りチケットも僅かになりました...これ見逃すと後悔してしまいますぞなもし。

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あの夏はどこに行ったんでしょうか...

2017/08/16
【第987回】

昨日は終戦から72年、メディアはたくさんのことを取り上げてましたね...その中でも、旧満州で中国人を人体実験に使った731部隊の話はやりきれない気持ちでした。その当時関わった医者達は、戦後何の罪を問われることなく大学の学長になったり裕福な暮らしをしたとのこと。この手の話は、戦犯でありながら首相までなった者までいるんですからあきれたもんでございます。戦争は、いずれにしても誰も喜ぶ者が居ない馬鹿げたゲーム。武器商人と権力者がおりなすチキンレースの犠牲者になるのはいつもの通り名も無き庶民。戦地から送られた兵士からの手紙を、72年振りに関係者に届ける番組も胸撃つものがありました。何故届かなかったのか?アメリカの検閲の印もありました。いつもながら上層部の意図が見え隠れします。72年振りに戦地からの兄の葉書「お国のために闘います...」の滲んだ書を見て涙すら出ない表情に戦争の惨さを感じます。爆心地長崎の浦上町で被災した被差別部落の人達の話も痛切...被爆と差別、二重の苦しみを背負いながら戦後72年生きてきた人達のことを思うと言葉になりません。長崎市長も怒ってましたね「核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにも関わらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。」その通りでございます。アベちゃん地元に帰って人騒がせな奥さんと盆踊りしてる場合でございませんことよ。
それにしてもだ...8月15日、街の若者にインタビューしても「戦争?実感ないですね...」
そりゃそうだ、何処の国と戦争したのか判らない輩らゴロゴロしてるんだから...いけませんことよ!いつだって戦争は起こります、いや起こってます。自分の至近距離ばかり注意を払わないで、遙か彼方に想像力を駆使して少しでも戦争がない世界にしてちょうだいな!

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8月の新宿御苑

2017/08/09
【第986回】

「夫・車谷長吉」を読了...おいらが大好きだった作家・車谷さんの奥さんであり詩人である高橋順子さんが、2015年に亡くなった長吉さんとの生活を綴った一冊。いやいや奥さんも大変な人と結婚したもんだと思いました。男48歳、女49歳の初婚同士、まだまだペンでは食べていけない旦那が強迫神経症を患い、日々の生活は想像を絶する困難のなか遂に「赤目四十八瀧心中未遂」で直木賞を受賞。おいらは受賞直後に、この作品を読んだときには、一文字いや、人文字の中に人間の悲喜こもごもの全てが盛り込まれている最近まれに見る傑作だと思い、周囲の人達に宣伝しくまったことをよく覚えている。まさしく長吉さんそのものが人間修行の旅に出て、その過程の中で出会った様々な人間模様の描き方が、キラリと光る刀のようでもあった。登場人物それぞれの、闇に覆われ見えにくい人間の業の鉱脈をより深く探っていく作家としての作業に感嘆しきり...この人の、もう一つの傑作は、朝日新聞に掲載されていた「車谷長吉の人生相談 人生に救い」これはおもろかったな。40歳の高校教師が教え子の女子生徒を好きになり「情動を抑えられません。どうしたらいいのでしょうか」という深刻な悩みに「破綻して、職業も名誉も家庭も失った時、はじめて人間とはなにかということが見えるのです。あなたは高校の教師だそうですが、好きになった女生徒と出来てしまえばよいのです」と突き放し、最後に「そうすると、はじめて人間の生とはなにかとういことが見え、この世の本当の姿が見えるのです」と回答。世の中の常識にそっぽを向き我が道を突き進み69歳で死んじゃた長吉さん...貴方が残した全作品、「車谷長吉全集 全三冊」二年前に購入し、ちょびちょび読んでますよ...

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長吉さんが画いた絵ハガキ

2017/08/07
【第985回】

広島に原爆が投下されて72年...昨日がその日でした。一年のこの日だけが、熱視線が注がれるのも何となく違和感を感じます。おいらの原爆の原点は、小学生の頃に博多で新聞配達していたときに目にしたケロイドの傷跡が残った女性の姿です。大浜の遊郭地帯で朝早く玄関前を掃除していた20代後半の女性は、人の目を避けながらいつものように道路を掃いていました。おいらは子供で、その傷が原爆によるものとは知らずにいたのですが、ある日娼婦のおねいさんが「あの人はね、広島で原爆にあってあんな顔しとるとよ...放射能浴びとるけん、気をつけんしゃい。」今にして思えば、このおねいさんも随分失礼なことを言ったもんだと思います。でも、まだまだ戦後間もない頃で仕方なかったかも...
あれから72年、世界で唯一の被爆国でありながら世界の非核化に対する運動に対して、あまりにも腰が引けてる現状に腹が立ちます。4月下旬からニューヨークの国連本部で開催された核拡散防止条約(NPT)再検討会議では、核兵器の非人道性が中心議題の一つとなり、107の国々がオーストリアの提唱した核兵器禁止文書に賛同したにも関わらず、アメリカの核の傘の下にある日本は、アメリカに配慮して賛成しなかったという事実。世界の笑いものでございます...昨日の広島の式典でもアベちゃんよく挨拶できるなと疑ってしまいました。
それにしても、この世界、軍需産業がお盛んなところが潤い、一方では平和を唱え、核を持つ国が、持たざる国が開発すれば阻止する...なんとも不条理、無茶苦茶でござりまするがな!でも、諦めないで、戦争のない平和な世界を目指す旗は死守したいもんでございます。

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暑さにも負けず

2017/08/04
【第984回】

今日、前にも書いた浜田山の名理髪店に行って参りました...北海道出身の店長と四方山話しをするのも楽しみのひとつです。おいら今までは、カットして頂いてるときは理容師さんの気が散り、技量に支障を来すと思い、無念無想流の流儀に従い目を閉じて、店内を流れる音楽に耳を澄まし、仕上がるヘアーの具合を楽しむスタイルを貫いてきました。でも、この店長そんなことは一切関係なし、話のリズムに合わせて鋏のリズムもチョキチョキ弾むようないい調子。これが一流の腕を持つ理容師の所以ですね...今日もいろんなことを話したんですが、一番の話題は頭髪の寂しい方の処し方でございます。お客さんは寂しいところを少しでも隠したい!でも、あまり無理すると不自然な感じがしてフサわしくない...そんな時、名理髪師はいかように対応するかが問題でございます。あれこれと話したんですが、一番のアドバイスはナチュラルが一番ですよ!ということに落ち着きました。要するに、あからさまな隠蔽は宜しくないと言うことです。
政治と整髪どちらも同じですな!ということで目出度く今日のおいらのおつむの調整も自然性を重要視して終えることが出来ました。第三次アベちゃん内閣も無事組閣を終えたようですが、肝心要の隠蔽親分が変わらない内閣なんて支持率良くならないんじゃござんせん...又、選挙?こちらも肝心要の受け皿がございません。困ったもんでございます。

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オイラも刈って欲しいニャ~

2017/08/02
【第983回】

昨日に続いて、苦手な街渋谷にも大人の空間があるのですってな話...おいらが若い頃、新宿のジャズ喫茶DIGに日々通っていたときに、たまには遠征もしなきゃと言うわけで渋谷まで足を伸ばしました。その当時渋谷界隈には、「渋谷Swing」、「ありんこ」「オスカー」「渋谷Dig」、「デュエット」などなど、ジャズ喫茶が賑やかに立ち並んでいました。おいらもはしごで各店を探索しました。この地に名曲喫茶「らいおん」があり、クラッシックを重々しく流していました(ほとんどのジャズ喫茶が店を閉めたのに、この名曲喫茶だけは風雪に耐え堂々とした佇まいを誇示しながら今尚生き延びています)。おいらも懐かしく、しばし古色蒼然とした椅子に腰掛け、ありがたく姿勢を正しショパンの名曲を拝聴いたしました。それこそ地震が来たならば?なんて不穏な思いを抱きながらの鑑賞会、緊張感もあってなかなかの時間でした...そうやって何日か過ごした渋谷ジャズ店巡りも、やはり新宿が醸し出すカオスの匂いには勝てず新宿に戻ってきました。
久しぶりのジャズ喫茶「渋谷 Swing」、前にも来たことがあるのだが、つい寄りたくなる大人の店です。もとあったお店をトロンボーン奏者でもあるマスターが名前を譲り受けたそうです。この日のお客はおいら一人、珈琲を注文するとディカプリオ似のマスターが丁寧の入れてくれました。1時間ほど居たのだがお客は来ず、なんだか心配になってきました...店内のスピーカーは文句なし、4000枚のレコードも見事、昔の蓄音機もありSPレコードも聴ける完璧の店内。こんな大人の空間を持ったお店はいつまでも存続して欲しいな...こんな店があると、がきんちょの街渋谷にも又、来たくなりますがな。

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人生もSwingしなきゃ♪

2017/08/01
【第982回】

渋谷はがきんちょの街だと思っています...センター街の子供の行列、アイドルの写真を首からぶら下げて道行く高校生に売りつけるオッさん、なにをすることもなく女の子を物色する精気のない若者、お店のありかたもてんでんばらばら、おいらも大体は興味津々、目を皿のようにして見ているのだが、どうも引っかからないというより、はやく通りすぎたい思いで足早になってしまいます。街と、そこの集まる人種は大いに関連性があるんだなと...

そんな渋谷のパルコの前で、イタリア人旅行者がギターを弾いていました。流れるJAZZギターが心地よく、ついつい聞き惚れてしまいました、イタリア人特有のラテンの乗りで織りなす路上ライブは、久しぶりに昔のシブヤ文化の香りがいたしました。パルコが出来たときに観た土方巽の舞踏、唐十郎と蜷川幸雄のタッグで創る唐十郎の新しい世界。教会の地下にジャン・ジャンという小劇場があり、長嶺ヤス子の裸足のフラメンコ、美輪明宏の迫力満点の臭い芝居、泉谷しげる・井上陽水なんかのフォークもここで聴いたな...そんな文化の香りが新宿に負けじという時代もありました。

街の匂い骨格は、人が創り出すものであるのだが、もともと持っている街の歴史が、その土地から醸し出す必然も見逃すことができません。その土地で暮らして人達の無数の声が、どんなに文明が進化しようとも地の底から蠢めいているのかもしれませんな...おいらも、ふと足を止め、アスファルトで固められてる地の底に耳をそばたてることがありますよ...聞こえます!聴こえます!民衆の怒りの声が...

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惚れ惚れしますわ♡

2017/07/28
【第981回】

街を歩きながらふらっと画廊に入ることが多々ある...新宿、銀座、日本橋、はたまた知らない土地でお洒落な画廊を見つけると嬉しくなる。知名度がある絵描きさんではなく、名も知れぬ作家の佳作を見つけるとその出会いに、素敵なプレゼントをされた気分になる。絵のチカラは他のジャンルと又違った喜びを与えてくれる。動かぬ絵のなかに込められた情念、哀愁、希望、諦念などなど作家の人生がおいらの想像力を掻き立ててくれる...絵解きとはまさしく描かれた作品の内容の説明なのだが、おいらは作品の前に佇んで作者の人生の絵解きをするのが楽しいのだ...池永 康晟、おいらはこの画家の存在を知らなかった。同じ色調でずらりと並ぶ現代美人画の作品。先ずは色の拘りを感じました。この色を作り出すまでには相当の時間、試行錯誤を重ねたであろう...色っぽさのなかにも清楚な香りを醸し出す不思議な世界を創りだしている。おいらも日々、新宿の街を散策しているのだが、残念ながらこの作品に登場する女性を彷彿とさせるウーマンにはなかなかお目にかかれない。今や理想の女性なんて現れないのではないか?それは女性の所為ではありませんことよ...素敵な男が居ないから、いかした女も登場しないのよ!お互い様ですな...

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耽美な憂鬱と上品な色気

2017/07/26
【第980回】

24日、25日に国会の閉会中審査は、まるで芝居を観ているようでした...政治家、役人との狐と狸の化かし合いでございますね。こりゃ、どう見てもアベちゃんに分がないのに、記憶がない、記録がない、会ってないのないないづくし。ますます疑惑は深まるばかり、こんなことに時間を費やす暇がないくらい、この国には難題が山積してるってのに困ったもんでございます。この2日間で一番印象に残ったのは副総理・財務大臣であるアソウのおっちゃん。アベちゃんの必死の防戦に、終始目を閉じ薄笑いを浮かべる表情から、いくつかの想像がつきますな...少数野党がいくら追求しても大丈夫じゃないかな?というふてぶてしさ。一方、こりゃアベちゃんも時間の問題、次は誰を担ぎ出しておのれはどのような院政を強いていくか?丁々発止のやりとりなんか知ったことじゃありまっせん!てな態度に恐怖すら感じました。あの黒いハットはお似合いだと思ってらっしゃるのかしら?それにしても政治は非情な世界です...国民の税金でおまんまを食べてる人達がおりなす茶番劇に、そろそろ納税者も気づかなきゃなりませんね...あの鯖江めがねのおばさんも鈍感ですね。アベちゃんが選任した大臣揃いも揃って鈍感クラス。8月に内閣改造して再起を図りたいところでしょうが、このままじゃいくら甘ちゃん国民も納得しないんじゃないかしら...と言って、現政権に変わる受け皿が無いんですから、これも困ったもんでございます。又、小池さんが欲かいて大きな池をつくって新党なるものが出来るんでしょうかね。
おいらが生きてる間に、理想の政治の世界を見せて欲しいですが、これも又残念ながら夢物語でしょう...

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ひまわりの花言葉
<あこがれ>

2017/07/24
【第979回】

今年二度目の西武ドーム(メットライフ)に土曜日行って参りました...この日はライオンズの炎獅子ユニフォームをもらえるというわけでチケット完売、超満員の一日でした。オールスター明けの試合でソフトバンクに3連敗、その負けっぷりがあまりにもだらしないので、今年も頑張っても3位だろうという諦めに近い思いで球場に足を運びました。あんな情けない負け方にも関わらず、こんなに応援してくれるなんて、ほんまにファンはありがたいことでございます。その声に応えんかい!その中でも一年で5億円近いギャラをもらってる中村、メヒア両選手、やる気ださんかい!特におかわりくん(中村)かなり劣化してますな...空振りの仕方に覇気がございません。三振してバットぶらぶら下げながらベンチに戻る姿を見る度に給料泥棒なんて声がかかってもおかしくない光景です。そろそろ彼の後継者を育てなきゃなりませんな...メヒアはまだ若いんだから研究しんしゃい!だいたいベース前の落ちる球を投げれば、バットが空を切るなんてことは事前に分かっちゃいるんだけど学習能力が無いんでしょうな...その点、今年の新人源田壮亮、この日も素晴らしい守備と渋いバッティングを魅せてくれました、こんなプレーだとお金払っても文句の付けようがございません。ここは芝居も同じですな、下手な芝居観せられたんじゃ金返せ!てなことになっちゃいます。ヒーローインタビューに応える表情も初々しい、今年から監督に就任した辻監督の目指す野球の良き牽引者になって欲しいもんでございます。いや、すでになっておりますな...この日は多和田投手の好投もあって日本ハムに4対0の完封勝利。昨日の試合にも勝って同一チーム3連勝。それにしても今年のライオンズ、弱い者いじめばかりじゃございません...強者のソフトバンクホークス、楽天イーグルスに勝ってこそ誇り高き獅子じゃございません...空高く舞い上がる鷹と鷲に高みの見物状態でなめられた獅子ではいかんぜよ!やられたら、やりかえさんかいライオンズ...

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炎の色の獅子を見ろ!!

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頂いたユニフォーム

2017/07/21
【第978回】

激しき雪 最後の国士・野村秋介(山平重樹・著)読了...平成5(1993)年10月20日、朝日新聞東京本社役員応接室で2丁拳銃の銃弾3発で心臓を貫き自決した野村秋介の生涯を描いたノンフィクション。野村さんとは新宿ゴールデン街の「ガルガンチュア」で良くお会いしました。戦後の民族派の代表的な論客として知られ、新右翼のリーダーとして数々の身体を張っての行動で政財界においては恐れられた人でしたが、店内では穏やかでインテリジェンスを感じさせてくれる素敵な紳士でした。静かにグラスを傾けながらの笑顔ではあったが、眼光鋭い眼差しには熱いものが流れているんだなと...そりゃそうでしょう、若い頃は横浜の愚連隊、河野一郎邸焼き討ち事件で懲役12年、経団連襲撃事件で懲役6年。様々な経歴を重ねながらも一貫して流れているのは弱者に対する愛しいまでの愛。こんな逸話がある...千葉刑務者に服役中、獄中左翼で在日韓国人が真面目な服役態度にも関わらず看守に虐待されているのを見かねて、管理部長に彼の勤勉さ、良識ある行動を報告すると1ヶ月もしないうちに仮釈放面接が下った。彼が野村にお礼を言ったところ、野村は「僕の力ではない。君自身の生きざまというか姿勢が、僕を感動させて、管理部長も感動させたんだ」と答えたそうだ...野村さんの生き方全てを肯定し美化するつもりはないんですが、一人の男の生き様としては筋が通っているとは思います。

自決する1年前、おいらの隣で、野村さんがぽつりと呟いた言葉「男の美学ってなんだろうね...」野村さんの憂い溢れた表情で発せられた言葉が印象的でした...存命であれば、今の政治家の驕りからくる不祥事に、憂国の士として2丁拳銃ひっさげて国会に殴り込みかけてるかも知れませんね。

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枝葉の舞

2017/07/18
【第977回】

トラッシュマスターズ「不埒」を観劇...芝居もいろんなジャンルがあるのだが、この集団は一貫して社会を撃ち、近未来にメッーセージを送り続けている希有なる劇団である。芝居で政治、経済、行政を絡めてドラマを創り出すのは極めて難しい。何故ならば、情報過多の時代に安っぽい批評めいた台詞では陳腐になってしまうし、お金を払い時間まで奪われる貴重な時間に時事談義なんぞに付き合っていられませんがな...てな具合になってしまう。そのことを自明の理として果敢にチャレンジするトラッシュマスターズに、ついつい肩入れしてしまうのも、演劇がなんとなく商業化している傾向があるためか...芝居の始まりは無頼漢の戯れ事から始まり、権力を監視する役割を果たしてきた経緯があったはず。なんでんかんでんお金をかけて派手派手舞台にすればいいってことじゃございません。大多数の国民のオモチャと化してるテレビの世界が劣化している昨今、ここはひとつ芝居が砦となってエンヤコ~ラと声をあげねば、この国は白痴列島になっちゃうんじゃないかしら。
さてさて「不埒」はどうだったか...この集団のメインキャストだった二人が久々に共演して見応えのある芝居になっていました。中津留章仁の戯曲も、人間の内部にぐさりとメスを入れ、時代が抱える諸問題と程よくリンクして2時間半の長丁場を乗り切った感じ。出来るならば2時間以内にまとめてくれれば、いつもながら思うのだが、現代を調理する作家としては言わずにはおれない!といったところか。
このクソ暑いさなか、緊張感溢れる芝居でも観て暑気払いしてはいかがかな...

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ふらちな人は誰かしら?

2017/07/14
【第976回】

昨日は昼夜芝居を鑑賞...マチネは70人ほどしか収容できないSpace早稲田での公演。文化庁委託事業「平成29年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」と銘打った「SCRAP」舞台は大阪砲兵工廠跡地、ここの鉄くずを掘り起こし生活の糧にしていた朝鮮人集団を描いた芝居。目と鼻の先で12人の役者が演技する様は、はじめて芝居を観劇する人はおっかなびっくりするでしょうな。大きな声で罵倒しあうシーンなんか迫力を越え恐怖すら感じますがな...台本を書いたシライケイタさん、おそらく開高健の「日本三文オペラ」を基にして書いたんじゃないかしら...この群像劇を演出家の日澤雄介さん巧みにこなしていました。勢いのある演出家であることを再認識しました。国の予算もこういった若手の表現者を育てるお金にじゃんじゃん使って欲しいですな。
終演後、早稲田から高田馬場駅まで久しぶりに歩きました。嘗て多くあった古本屋さんも少なくなり寂しい感じがしましたが、名画座早稲田松竹は健在でした。2本立ての名画座は都内では飯田橋ギンレイホールとここだけになってしまったのではないかしら...名画座はおいらの青春そのものでした。
ソワレは、マチネと真逆の渋谷のシアターコクーン。音楽劇「魔都夜曲」豪華なキャストと生演奏のJAZZで賑やかな舞台を繰り広げていました。それにしても入場料¥15000~¥5000、一日働いたお金を一夜で使ってしまうなんとも贅沢な観劇です。村井國夫さんが劇中で歌った「夜のタンゴ」が、とっても素敵でした。さすがベテラン、渋い、格好いい...芝居は豪華になればなるほどお金がかかるのは仕方がありません...でもでも、なんとか入場料を安く抑えて良質な芝居を創り出すのも、なかなか愉しいもんでござんすよ。

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名画座健在!

2017/07/12
【第975回】

こまつ座「イヌの仇討」を観劇...井上ひさしさんが29年前に書いた戯曲である。演出は劇団桟敷童子の東憲司さん。あの松の廊下の刀傷事件以来300年間、悪者にされた吉良上野介にスポットを当てた作品である。作者はこの人物の行く末に、何とも言えない憐憫の情を抱き赤穂浪士が討ち入りしてからの二時間、逃げ隠れた物置で過ごす上野介の側に立った立場でこの時代背景に生きる心情を吐露させる。戯作者井上ひさしの独壇場である...彼の描く登場人物は名もない庶民、歴史の闇に蠢く脇役などなど、決して語られなかった人物に命を吹き込み権力者を痛烈に批判する。彼が亡くなった今尚、何度も再演を繰り返すことが出来るのも、いつの時代も権力を監視してる視点を持っているからである。今回の都知事選然り、名も無き庶民は時の為政者の驕りに対してはとても敏感なんです...考えてみれば、日本人好みの忠臣蔵の話にしたって、時代と共に時の権力者が少しずつ話を捏造し美談にしたに違いありません。だって仇討ちしたあげく全員切腹なんて悲劇じゃございません。映画にしろTVにしろ討ち入り後の晴れやかな行進に拍手喝采...主君(会社)のために命を賭けることがどんなに美しいことか!忠誠心を煽るにはもってこいの素材です。
この点、今回の芝居は既成事実にメスをいれ人間ドラマにしてる点が、さすが井上ひさしさん。芝居は歴史さえ書き換えることが出来る代物なんですね!

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7月の夕焼け

2017/07/10
【第974回】

JR山手線新大久保駅近くに野外劇場があるなんて知らなんだ...先週の土曜日に、演劇群「走狗」時代の仲間であった小林達雄氏が出演してる芝居を、暑さもいくらか弛んだ夕刻に観に出かけました。東京グローブ座を少し歩いたところに野外劇場がありました。程よい広さでなかなかの劇場ではありませんか...前回も野球はやはり野外に限ると書きましたが、演劇も然り、日没していく自然の営みの中で、ドラマも漆黒の暗闇に向かって疾走していくなんてことがベストなのかも知れませんな...スペインに住んでいるときに良く闘牛を観に行きました。これも野外です。開始時間のグランドは丸い円形の半分は陰、残り半分は燦々と輝く焼けつく太陽の光で輝いています。闘牛と闘牛士との戦いが終わる頃にはグランドには太陽の光はありません。まさしく生と死を鮮やかに演出した儀式なんですね...芝居なんてものも、元を正せば河原で芸人が演舞歌曲をやったのが始まりでございます、いまや芸能人は特別な目で見られておるんですが、所詮、河原乞食なんでございますよ。ちょいと勘違いしてる芸能者はこのことを肝に銘じて芸に励んで欲しいな!なんて思っちゃいます。

さてさて、肝心の芝居は14年前に亡くなった劇作家・岸田理生さんが、寺山修司さん率いる天井桟敷で共作した伝説の舞台「盲人書簡」を改作した作品。作品に通底してるものは岸田理生に対するオマージュ...岸田さんを知らない人に、このメッセージが伝わるかどうか?頻繁に聞こえてくるJRの電車の音が妙な効果音に思えてきて、この生の音に創りものの演劇が拮抗できるのか...そんなことを考えながら一時間半、夜空の美しい満月にも目をやりながら観劇いたしました。

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開演前の西戸山野外円形劇場

2017/07/07
【第973回】

今週久しぶりに東京ドームに行って来ました...ジャイアンツではありませんことよ。日本ハムファイターズ主催でライオンズを相手にした試合です。前日に、やっとこさ6連敗を免れる勝利の余勢を駆ってドームに乗り込んだ次第です。おいら、何度も書きましたが野球は野外スポーツだと今でも頑なに思っています。青空に、夜空に向かって白球が弧を描いてスタンドに飛び込むホームランを、少年時代博多の平和台球場で何度も目にしたあの光景を忘れることはありまっせん。それなのになんですか、この東京ドーム完全密閉状態で空調設備万全の人工ドームでございます、入り口も一人一人回転扉をくぐり外気を一切シャットアウトしております。試合終了後は渋滞していて、勝ったから気分良いものの、試合に負けてたら暴動起きるんじゃないかしら?なんて心配しちゃいました。こんな球場を本拠地にしている讀賣巨人軍可哀想になっちゃいました。広島カープを見てみんさい!暑い日差しの中、汗を掻きながらプレーしてきた結果が今の強さに繋がっているんじゃないかしら...
我がライオンズの本拠地は、かろうじてドームとスタンドの間をオープンにして緑を目にすることが出来るので、まだましかなってところです。なんでんかんでん科学の力を借りて便利にすればいいってことじゃありませんよ。そんな時代にマッチするプロ野球選手が増えてるのも確かです。全体的に小ぶりになっちゃいましたね、線が細いってことですね...あの野武士軍団西鉄ライオンズの荒法師を彷彿とさせる選手が少なくなってきたことは事実です。野球も興行のひとつです...見る者の想像を超え、日常を忘れさせてくれる夢を与えてくれる選手の出現を待っているのがファンの願いではなかろうか...その点、この日登場した日ハムの大谷翔平選手は久々に現れた夢のプロ野球選手の一人です。まだ23歳、とてつもない可能性と、何かをやってくれるのではないかという期待を感じさせる、まさしくスターです。表情も爽やかで敵味方なく好感度ナンバーワンの若者ですよね。
さてさて、この日の試合は勝ちました。でもまだまだ、辻新監督になった今年のライオンズ試行錯誤の日々だと思います。何せ昨年までは、何が起ころうとも微動だに動かないお地蔵監督でしたからね...何とか3位までにはなってちょうだいな。

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東京ドーム三塁内野席より

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大谷翔平

2017/07/05
【第972回】

「だいだいの空」今年の最終公演、神奈川県にある桐蔭学園で無事終えることが出来ました。この学校には素晴らしい劇場があるんです。2000人弱収容できる見事な環境です。この学校は文武両道、野球、ラグビーも全国大会に出場する常連校。文化的な事業にもチカラを入れる理想の学園かも知れません...今回の公演は1200名の中学生が鑑賞しました。最初の歌のシーンから盛り上がり、異常な反応をしていました。主人公の少年と女の子のほのぼのとしたシーンになると女子中学生から怒濤のようなキャーが館内を包む有様。笑いのシーンも多々あり、ほんまに良くできた作品です。トム・プロジェクトの社員でもある橋本君が、利便性を突っ走る現代社会に意義を唱え、自然回帰を願って書き上げた作品です。一昨年に続いて今年も11校で上演しました。芝居が難しいのは、作者の意図は理解出来るのだがストレートすぎて窮屈になる点です。この「だいだいの空」はユーモラスな部分を随所に盛り込んでいて子供だけではなく大人も楽しめる作品になっています。子どもたちが、いや大人も含めて、こんな作品を共に鑑賞して家の食卓で芝居の感想を語りながら、どうすれば、よりよい社会になるのか...そんなきっかけになればと思っとります。

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清流に住む魚

2017/07/03
【第971回】

保守的であり、批判的でありながらも肝心の所では体制維持に振り子が振れちゃう東京都民が、今回はさすがに頭に来ちゃったんですな...そりゃそうだよね!なんじゃらほいのすっからかん、特に女性政治家に活躍の場を与えられた二人の議員には参りましたな。一人は表と裏の顔を使い分け、弱いものにはでかい面して上のお偉いさんにはペコペコする人として最も恥ずべき人間。あの赤ちゃん言葉、何度聞いても笑えるどころか失笑ものでございます。もう一人の鯖江メガネ、ありゃなんですか!あれでよく司法試験受かりましたね?裏金かコネ使ったんじゃないの...そんな人が防衛大臣なんて恐ろしゅうございます。そんなひとを選任した人も、もりとかけで窮地に追い込まれながら知らぬ存ぜぬの一点張り。選挙期間中最初にして最後の秋葉原の応援演説中に、抗議の声を浴びせられると、反省するどころか逆ギレ。なんと聴衆を指差しながら「演説を邪魔するような行為」「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫ぶ始末。庶民は疑惑から逃げようとしてる貴男に怒っているんですぞ!「こんな人たち...」の声に耳を傾け世の中を少しでも平和に平等にしていくのが政治家の役目だと思うんですがね。隣に立つ認知症を装った前知事の息子も、こんなひとたちをなじるようなことを叫んでおりました。平家物語の冒頭にあるでしょう驕れる者久しからず ...歴史に学ばない人達が政治の世界には仰山居るんですな。
さてさて、今週も始まりました。梅雨の間の青空を眺めながらふと思いました。眺める青空がなくなったらどこを眺めればいいのかな?なんて...

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空は広いな大きいな

2017/06/30
【第970回】

新宿西口から5分の所に「武道学館空手教室」があります。数年前ひょいと覗いてみたら、おいらが若いときに通っていた極真会館本部道場の方々が開いてる道場と言うことが分かりました。理事長の三宅さん、館長の松尾さんと共に汗を流した仲です。このお二人が開設した理由は、「本当の強さはやさしさです」という理念のもと、きつい、痛い、上下関係が厳しいなど、これまでの空手道場にありがちな指導や雰囲気をなくし、誰でも楽しく空手を続けられる空手教室を目指すとのことでした。いかにも、このお二人の生き方、理念に相応しいと思います。おいらも極真会館の地獄の日々(そりゃ、喧嘩空手で名声を轟かせた道場ですから直接打撃制で歯は折れるわ、骨折するわ、道場の板には血痕が付かない日がないくらいの光景でした)を体験してますから、現代の風潮から言っても無理があるとは思います。それはさておき、おいらが思うに武道とは己との戦いであり、敵と戦い倒すのではないと思っとります。体育会系独特の雰囲気もおいら苦手だし、空手にしてもその強さは弱者を守るための修練ではないかしら...老若男女が共に、礼に始まり礼に終わる稽古風景は清々しいものがあります。先日、館長の松尾さんから手紙を頂きました。「一緒に汗を流しませんか...」いやいや、ありがたいことでございます。おいらも、もう一度、あの純白の道着に身を包み、全てを忘れ一心不乱に空手道に身を置きたい気持ちはあるんですが...やり始めたらとことんやるタイプなので、それがちょいと恐いかな...なんて思ってる週末でした。

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梅雨の晴れ間

2017/06/28
【第969回】

「ローカルブックストアである福岡ブックスキューブリック」を読了...1961年生まれの著者である福岡出身の大井実さんが39歳の時に福岡で本屋さんを開き、15年間にわたる奮闘記を記したもの。街の本屋さんが全国的になくなっているこの時期に、よくぞ決心したなと思う。彼の拘りは書店とは街の不可欠なインフラだと言うこと。今の時代はインターネットがあれば事足りる時代と思われがちだが、本は単純に情報を得るだけの道具ではないと言うことだ。大自然の樹木から幾つもの過程を経てつくられた紙の本は、装丁や文字組みから写真、紙質やインクの匂いなどを含めて、人の五感を刺激する官能的な要素を備えていて、まさしく神様からのプレゼント...福岡市の素敵な通りのひとつであるけやき通りに手作りの店をオープンし、毎年「ブックオカ」を開催し、全国各地にブックイベントを立ちあげる先駆けにもなる情熱は本好きなものには心強い味方である。

精神的に一番大変だった高校時代を過ごした時に、自分を救ってくれた本や諸々のアートの魅力を、再び福岡に戻り伝えたいと語る彼の行動に拍手を送りたい。一度きりの人生、己がやりたい!と思ったことは正解だと思う。あとはやるか諦めるかの選択しかない。そのときに人は他人との比較、未来への不安が頭を過ぎる...それぞれの人にとっての人生は個別であり生きる意味も又個別である。その個別性に真摯に向きあい自分なりのアクションを起こせば何かが興きるんじゃないかしら...今からでも遅くはありませんことよ!

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雨垂れの朝顔

2017/06/26
【第968回】

今年も、沖縄戦終結の日6月23日に現地で慰霊祭が行われました...今年で72年目です。式場に参加した安倍首相に「何しに来たんだ!返れ...」沖縄の老人、老婆の人達の罵声が飛び交っていました。沖縄の人達の悲痛の叫びに、おいらは断腸の思いです。終戦になるまでになんと沖縄の人口の四分の一の人達が犠牲になり、その後米軍だけが使っている基地(米軍専用施設)は、日本にあるもののうち、その面積の約74%があの小さな島沖縄に集中してっるってんだから異常を通り過ぎて唖然。しかも米軍基地の多くは、街の真ん中や近くにどんと居直り住民は遠慮しながらささやかに暮らしているのが実情。犯罪が起きても治外法権、飛行機やヘリコプターの騒音などで学校の授業に支障を来し睡眠もままならず...こんな状態を72年放置されたんじゃ声も出ませんがな...日本から独立して新しい国を創設した方が良いのでは?なんて意見が出てくるのも至極当然。沖縄だけに重い荷物を背負わせ、いまだ他の都道府県は口をつむいだまま、こりゃいかんぜよ!国が滅びるときも皆平等であるのが日本国憲法じゃございません...見て見ぬ振りも立派な犯罪ですぞ。
杉並に店を構える小さな沖縄料理店「ちゃんぷる亭」この時期に、いつも手書きのちゃんぷる通信を出してます。東京在住の沖縄の人達の声が聞こえてきます。国の最高機関で決められる決定事項に毎年うんざりしながらも、こうやって発言し続ける人達の声に耳を傾け、なんとかしなきゃいかんですばい。街では都議選の選挙カーが候補者の名前を連呼しながら騒音を撒き散らしています。上手いことばかり言って、当選した途端にお上にゴマするものばかり...騙されちゃいかんぜよ皆の衆。

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沖縄の声

2017/06/23
【第967回】

なんじゃろかいな...空いた口が塞がりませんがな。東大出て、ハーバードに留学して、高級官僚そして国会議員。何のための勉強なんだろう?おいら、今の教育システムほぼ絶望してます。幼稚園から大学まで、受験戦争に追いまくられ先生も、父兄も疲弊しています。勉強できなくっていいじゃん!子供はおおらかにのびのびと天真爛漫でなきゃなりません。夜遅く塾帰りの子どもたちの暗い顔見る度に、この国の行く末を案じる次第でございます。おいらが小さい頃は朝から晩まで遊んでおりました。だって、勉強の記憶はほとんどなく、野原を駆け巡り、線路の鉄くず集めでの小遣い稼ぎ、三本立て映画館浸り、平和台球場での西鉄ライオンズでの明け暮れなどなど、遊びの想い出しかありません。勉強なんて社会に生きるための最低限の知識でいいんじゃないのかな...なのに、受験というお題目のためにあえて難しい設問をもうけ子供の心身を蝕んでいるのが実情じゃございません。毎日宿題を出すなんて事もやめて欲しいな...どろんこになって遊ばなきゃ、といっても都会では難しいかな...いや、どろんこになるくらいの気持ちで自然に触れ、人と交流しなさいってことですがな。これが社会に生きるためのほんまの勉強です。ピコピコと小さな画面と睨めっこしてるようじゃ先が思いやられます。昨日から今日、テレビでがなりまくってたおばさんみたいになっちゃうよ...このエリートコースを歩んで来た人の、人となりから教育なんてものを考え直す機会にしませんか?と、提案しても少数意見として却下されるのは分かっちゃ言るけど、おいらは発言し続けたい...子供のあの天使のようなしなやかな心身を、学歴偏重主義社会がいかに蝕んでいるか!油断してると、又、あんな人が国政を司り世界の笑いものになちゃいますぞなもし...いい加減気付いてちょうだいな!

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最後のひと咲き

2017/06/21
【第966回】

新宿高野もやってくれるじゃないの...最近の新宿、儲け主義が蔓延し、商売を度外視しておもろいことを企画するところが少なくなりました。おいら早速覗いてきましたがな。唐十郎の状況劇場トラック公演写真、早稲田小劇場の公演チラシ・パンフじっとみつめていると出演者のほとんどが亡くなっておりました。中にはおいらも一緒にやり、昨年なくなったKさんの名前もありました。まさしく昭和は遠くになりにけり...展示場に並べられた写真を眺めていると、あの日あの時の熱気が蘇ってきます。夜毎ふらふらと彷徨っていた新宿の街こそが、おいらを育ててくれていたんだなという思いに駆られます。アングラ×ストリート×ジャズ、この言葉こそ新宿に与えられたベストなフレーズではなかろうか...アングラが日本の演劇を解体し更なる劇空間を創出し、網の目のように拡がるストリートが様々なファッション、パフォーマンスを生み出し、そのBGMとしてアバンギャルドなジャズが街を盛り立てていた。あの東口アルタの前に昼間から寝そべっていたヒッピー達は、再開発される以前の新宿東南口にいつも佇んでいたストリッパーの姐さんは、おばあちゃんばかりでやっていたおでんやの人達は...カオスの街に自分の人生を重ね合わせ、ドラマチックに生きてきた人達が居たからこそ、新宿はいつもおいらの血を騒がせたに違いない。あゝ新宿...今日も雨にも負けず風にも負けずぶらついておりますがな。

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カオスの街

2017/06/19
【第965回】

先週の国会会期末を狙い定めての共謀罪成立...なんじゃろかいな?こんな政治屋に汗水垂らした税金でおまんま食べさせていると思うと腹立ちますな...もりそば、かけそばで十分お腹下してるのに、国会の閉幕はあのなんとも無能な大臣のレイする姿を見せられておしまい。あの弱者を救ったヤンキー先生も、いまやどす黒い政治の世界に染まって爛れた顔になっとりました。内部告発者を処罰?顔どっちに向いてんの?国民のために議員やってんのんと違うんちゃう...まったくもって酷い有様。文科省も書類は存在しましたなんて、馬鹿言ってるんじゃないよ!都合の悪いことは隠蔽し、怪文書だの、なんのと、いけしゃあしゃあと会見する、あのおっさんも哀れですわ。おじいちゃんが成し得なかったことを、なんとしてでも為し遂げたいと願ってる親分にどこまでも忠誠をつかいますのやろ...それにしても、こんな大事な法案が通過してるときに、相変わらずバラエティ番組を脳天気に垂れ流してるテレビってなんなんだろうね。
と、怒り心頭に発したときにベランダの花に一羽のクロアゲハ、朱系の色を好むクロアゲハ甘い蜜をたっぷりと時間を掛けて吸っとりました。こんな光景はほほえましく良いのだが、政治家、官僚が寄ってたかって美味しいもの求めて行く姿は浅ましい。しかしだ、こんな状況を作り出したのも選挙の結果...がしかし、選びたい人本当に居ないんだもんね。消去法で仕方なく投票してる有様でござりますがな...いつまで続く体たらく、おいらほんまになんも期待してないのが本音です。期待疲れでございます...そんなアホなことありますかいな!
なんて、嘆いてばかりいられませんがな...今週も張り切って参りましょう!

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こちらの蜜はよござんすヨ

2017/06/14
【第964回】

宮下奈都著「羊と鋼の森」読了...これが昨年の本屋大賞か?書店員が選ぶ大賞、本好きな人だから良い本を選ぶとは限らないし、芝居、映画、絵だって所詮好みは千差万別。この賞も本屋さんの商いの一環、映画会社が毎年開催している日本アカデミー賞みたいなもんでございません...紙を扱ってる本、新聞、雑誌などなど大変な時代です。スマホ、パソコンで全て事足りるなんて感覚が世間に行き渡ってるもんだから、他人様はなかなか財布からお金を出そうとはしません。本を手にしたときの紙の匂い、感触、一枚一枚手動でページをめくる喜び、カバーのデザイン、帯のキャッチコピー、どれをとっても一冊の本に込められた作り手の心を感じます。この世から本が無くなる時代が到来したときは、世界が滅亡する時だと言っても過言ではありません...と、おいらは思います。
ところで、「羊と鋼の森」ひとりの青年がピアノの調律師としていく成長の物語...音を言語を通して読者にいかに伝えるか?作者の工夫を感じますね。主人公が暮らした北海道の田舎の風景を随所に入れながら、音楽そのものが自然のなかから誕生していく様を描いている小説。タイトルも羊(pianoに使われるハンマーの素材)鋼(ピアノの、中の音を出す、弦)森、音の森、音楽の森。からきているんですな。この本を読んで分かったことは、音楽は、音と音の連なりですけど、調律師が扱っているのは音そのものだということ。音そのもの自体が幅広く深いものだから、調律師に問われる課題はなかなかと難しい。
この本に出てくる原民喜の言葉が、この本に対する作者のメーセッージではなかろうか...

明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体。

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六月の花

2017/06/12
【第963回】

おいらもファンの一人であるシンガーソングライター&俳優である留守晃さんの結婚パーティに行ってきました...京王多摩センターの近くにある大自然が残った素敵な会場でした。トメちゃんはとにかく頑固で拘りが強く、間違っても忖度なんぞは無縁の男です。いい歳なんで結婚しないと思っていたら女優さんと結婚しちゃいました...随分と歳が離れている伴侶なんですが、とっても幸せそうでした。トメちゃんの孤独のランナー的な生き方、おいらにもどこか共通する処があって同志的な思いに駆られます...彼の唄を聴く度に、彼が過ごした時間の広がり、人に対する優しさ、ロマンを感じます。トメちゃんごめんね!お祝いのスピーチで「貴男の唄のバックグランドには、沢山の女性の匂いがする...」なんて事言っちゃって...でも、これは誉め言葉ですぞ。表現者たるもの、いろんな恋してなんぼの世界ですからね。もうひとつ、トメちゃんの表現にはお母さんの愛情が一杯詰まってますね。昨日、初めて知ったのですが四人兄弟の末っ子だったんですね。末っ子の甘えん坊で母親の愛情を独り占めしたんじゃないの...男は母の愛情が一番です。所詮、男は女性を越えることが出来ません...貴男の処にきてくれた杏さんを大切に、いつまでも幸せでいてくださいな。そして、それに甘んじることなく、素敵な唄を期待してますぞなもし...まずはおめでとう!

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トメちゃんが画いた芝居
「だいだいの空」只今、公演中!

2017/06/09
【第962回】

東中野にある映画館ポレポレ中野は志のある数少ない映画館だね...飯田橋ギンレイホールもいいんだが、こちらは世の中でヒットした佳作を集めての安定路線。それに比べてポレポレは採算度外視で作品を選択し、世に問うてる姿勢に拍手を送りたい。誰が見ても興行的に成功しないんじゃない?と思う作品を時間を掛けてじっくりと上映し続ける粘り強いスタッフの精神は半端じゃないと思う。
「人生フルーツ」かつて日本住宅公団のエリートだった建築家が、日本の高度成長時代に建てたニュータウンに異を唱え、自然と共有出来る家を建て、雑木林を育てながら自給自足に近い生活を描いたドキュメンタリー映画。自分で育てた果物や野菜を食べながら四季折々の季節を堪能しながら、土と戯れ、ものを大切に扱う日々が美しい。ありふれた日常がこの夫婦の一挙手一投足によって新鮮に感じられるのも感動的である。壊れたものも自らの手で修理し、普段会えない人達に絵手紙なんぞを送る姿が微笑ましい。
この映画のラストに述べられるこの言葉がこの映画の全てを表しているのではないか...

家は生活の宝石箱でなくてはならない(ル・コルビュジエ)
長く生きるほど、人生はより美しくなる(フランク・ロイド・ライト)
全ては、自然が書いた偉大な書物を学ぶことから生まれる、人間が造る物は、既にその偉大な書物の中に書かれている(アントニ・ガウディ)

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生きてることは素晴らしい!

2017/06/07
【第961回】

鰻食べたか~...とは言っても、今や鰻丼、鰻重、鰻の白焼きなどなど簡単に手を出せる食べ物ではなくなってしまいました。お店では無理だから、スーパー行って家で食しようにもやせ衰えた鰻一枚¥1500から¥2000しますがな。大家族だったら¥10000の買い物にもなってしまいます...こりゃ安い!よくよく見ると中国、台湾産。こりゃ、恐いですがな...養殖の生け簀のなかの稚魚の発育を促すために、大量の薬を投入する映像見てびっくり仰天いたしました。売らんがために食品管理が徹底していない大国中国の食文化の危うさを目の当たりにした次第です。でも、スーパーで大量に出回ってるのは、そんな危険性よりも、なんとしても鰻を食べたい!という日本人の切なる願いなんでしょうな...

おいら子供の頃、博多の築港でバケツ一杯になるくらい鰻を良く捕りにいったもんです。それこそ、うじゃうじゃ、にょろにょろ泳いでおりました。家に持って帰ると、父ちゃんが上手く捌いて七輪で焼いて思い残すことなく食べたもんでございます。そのときだけは、一家何事の不満を漏らすことなく平和なひとときでありました。博多の繁華街中洲の屋台の側では、鰻釣りの店もあり夕涼みがてら遊び半分で、釣り竿の先の糸に付けた針と鰻との格闘で釣り上げ、その場でおばちゃんが調理しきらめく夜景を見ながら蒲焼きを食べた事もありました。

鰻といえば、日本プロ野球におけるシーズン歴代最多安打記録の保持者でもある西武ライオンズの秋山祥吾選手。ウナギ顔で愛称になってます。幼い頃父親を亡くし母子家庭で育ったため、毎年、母子家庭の子どもたちを球場に招待している人間味溢れたプレーヤーです。

絶滅種に指定されたウナギちゃん...大切に感謝しながら味わいましょうね皆の衆。

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博多名代吉塚うなぎの鰻重

2017/06/05
【第960回】

至福の時間...そうですな。おいらにとってはワイン片手にjazz聴きながらの読書ですかね。この何でもない無私のひとときをどれだけ持てるかが、ある幸せのバロメーターかも知れませんな。仕事、お金、地位、権力なんぞに明け暮れて命を削るなんてまっぴらごめんですな...人のためなんてたいそう立派な建前を掲げながら、実は己の我欲に邁進してる輩を見るたびに、おいらはなんて可哀そうな人なんやろかと思ってしまいます。そんな人が他人を幸せにしてくれるはずもないし、人に優しくしてくれるはずがありませんがな...まずは己がどれだけ多くの至福に至る時間を貯蓄できるか...自分がいっぱいいっぱいでは他人に施しなんかできません。と言っても、経済も大切なことはわかってますがな。そのへんのところをうまくバランスを取りながら、いかに生かされてることに感謝しながら心豊かな瞬間をどれだけ感じられるか...それと、ときめきですね!なんでんかんでんときめいてるのもあほとちゃうんかと思われますので、持続できるときめきをどれだけ手にすることできるか?これも生きることに弾みをつける大きな要素だと思います。
今週も始まりました...いつもながら日々新鮮、日々発見の気持ちで張り切っていきましょう!

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至福のひととき

2017/06/02
【第959回】

明治神宮前で湯たんぽの大きいやつをぽこぽこ叩いておりました...暑いけど風が爽やかで、その風に乗って彼が叩く音色が風に紛れて踊っていました...いいですね!こんな風景がある限り、まだまだ日本も大丈夫かなと思えて大変嬉しいです。明治神宮は外国観光客にとっては外せないコース。なんたって大きな鳥居をくぐり抜けると森の中、神殿で手を合わせしばし日本人になった気分を味あわせてくれる貴重な場所です。そんなところですから旅行者もついつい気を許して、ぽこぽこ芸人にチップをはずみます。この日も家族連れの外国人旅行者の父親が3,4歳の子供にお金を渡しザルの中に放り込んでいました。いい習慣ですな!幼い頃から、大道芸人に感謝の気持ちを込めて相応のお金を渡す。おいらも40年前スペインでお世話になりました。街路、広場に大道芸人が溢れ様々な音が空を舞う♪なんと素晴らしく微笑ましい光景ではありませんか...と、新宿に戻ってきたら新宿南口の前でギター抱えて熱唱してた青年が、見廻りのポリスに事情調書を書かせられていました。こんな人取り締まるよりも、もっと居るでしょうに...森友学園、加計学園問題などなど、全てを闇に葬ろうとしている人達を取り締まって欲しいと思っていますがな...

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ポコポコ芸人

2017/05/31
【第958回】

この絵画を見て何を想像するだろうか...これは草間彌生さんが2016年に描いた「原爆の足跡」である。おいらは、この絵の前に佇みいろんな事を考えたさ...全体的に見れば戦時中の大日本帝国陸軍の陸軍 御国旗(旭日旗)に見えます。旭日旗は日の丸に太陽光を表す赤い腺が複数描かれていますが、この絵には途中から白に変わり真ん中の赤い丸が四角い白に変わっています。バックはすべて黒です。これをどう読み取るか?まあ、素直に解釈すれば平和な大地が闇の世界に反転した事を意味するとともに、原子爆弾投下後に降る、原子爆弾炸裂時の泥やほこり、すすなどを含んだ重油のような粘り気のある大粒の黒い雨を表現してるんでしょうね。真ん中の四角い白は国家、全てを失った国に何を描いていくか...これは今生きてる人達が思考し行動を起こして書き込んでくださいと言う草間さんのメッセージに感じました。白と赤の半々になっている腺は、未だ道半ばである世界の様相を示しているのではなかろうか...とまあ、おいらが想像した範囲であるが、草間さんの脳はもっと複雑怪奇であるに違いない。
絵画の面白さは、観てる人の環境、過去・現在・未来を通して様々な観点から想いを巡らし、見果てぬ夢の世界に誘ってくれるところにあるのではなかろうか...たまには美術館に出かけるのもよござんすよ。

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絵は語る

2017/05/29
【第957回】

「全裸監督村西とおる伝」本橋信宏著を読了...アダルトビデオ界を狂気とともに疾走した村西とおるの破天荒の人生を707ページにわたる長編にまとめた稀書。1948年福島県いわき市で生を、いや性を受け、子供の頃は家計を助けるために新聞配達、牛乳配達のアルバイトを始めるが18歳で両親が離婚、19歳で上京。池袋のバーのボーイとなり、セックスコンテストで1週間に12人の女性客を相手にする...英会話教材・百科事典のトップセールスマンから、ビニ本業界の寵児になり20億の財を成す。その後は法の網をかいくぐり逮捕されながらも何とかくぐり抜ける。しかし、ハワイでFBIに逮捕され懲役370年を求刑されるも司法取引などで1億円を費やしハワイから帰国。その後アダルトビデオをヒットさせ最盛期には年商100億円を稼ぎ出す。その後バブル崩壊とともに倒産、負債総額50億円、地獄の借金生活に陥る...これにもめげずに借金返済のため海外用薄消しビデオを手がけ2年間で700本制作する精神的、肉体的タフさがたまりませんばい...
いやはや、この男が性産業に狂う程にエネルーギーを費やしたものはなんだったのか?村西とおるの闇、彼自身がその闇に向かって猪突猛進していく様が実に清々しい。人間ここまで恥も外聞もなく裸に慣れない筈なんだが、彼は愚直なくらい体現していく。監督でもあり本番俳優でもあるところに村西とおるの真骨頂を感じますな。
今なお混迷を極め、意気消チンするニッポンの活性剤になる書かもしれませんな...

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清流

2017/05/26
【第956回】

渋谷は嘗て多くのジャズ喫茶が存在し活気を呈していました。その中でも1972年開業の「メアリージェーン」は老舗でもあり、今なお渋い存在です。久しぶりに訪れました...二代目店主が淡々と店内で動き回っており、何故かアフリカ系の民族音楽がかかっていました。CD4000枚、LP4000枚を誇るジャズの殿堂なのに何故かしら?と思いつつ本読んでると、この時点で客一人のおいらの年代からいっても、こりゃまずいかなと思ったのかタイミング良く懐かしきジャズが流れてきました。1950年代の名ピアニスト、ウィントン・ケリーのアルバム「ケリー・ブルー」。彼のピアノは、とても耳に馴染みやすく、他の共演者とのコミュニケーションが実に巧みで、聴き手の気分を心地よくさせてくれる。ジャズを聴きながらの読書は、おいらの至福の時間の一つである。活字も思わず自由奔放なジャズの音曲に乗せられ踊り出す...なんて感じの読書体験でございます。
この店も、2027年まで続く渋谷再開発のためビル自体が壊され来年の8月には閉店だそうだ...下北沢にあった名店「ジャズ喫茶マサコ」。56年間の営業も、下北沢再開発の名の下で閉店に追い込まれた。どこもかしこも資本のチカラで再開発、東京は2020年のオリンピックに向けての整備とやらの土掘り返し、町が街になり最終的に無味乾燥なCITYになっちまうお決まりのコース。人の匂いがしない場所なんて、ほんまにおもろうなくてあきまへんがな...

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レジェンド

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店内・黒田征太郎が画いた猫

2017/05/24
【第955回】

2008年に第43回紀伊國屋演劇賞団体賞を頂いたときに、お祝いで贈ってくれた花が今年も事務所のベランダで咲いています。何の栄養分を与えず、よくぞ9年間も咲いてくれてるなと、ただただ感謝とともに植物の生命力を改めて感心しているところでございます。何かあれば、たちまち文句、愚痴なんぞで萎れてしまう人間と違って、とにかくしぶとい、逞しい、図々しい程の命を持ってます。

アスファルトジャングルの都会のアスファルトの固さもなんのその、雑草がにょきにょきと顔を出してるのを見ると、おいらも何故か励まされます。嘗て土と共存し自然のリズムとともに生きてきた名も知れぬ雑草は、文明、発展という名のもとに、ほとんどの道がアスファルトとともに覆い尽くされてしまいました。学校のグランドも然り...アスファルトグランドの中で怪我を恐れながら遊ぶ子どもたちを見る度に哀れでなりません。どろんこになって思い切り遊び回ってこそ、身体が何かを知覚し自然のもたらす恩恵と恐れを学ぶんではないでしょうかね...こんな事言ってると時代遅れのおっさっんだと思われるかも知れませんが、ここが大切なんでございます。世の中の仕組みも然り、どんなに事を隠蔽しようとも、自然の持つチカラはしぶとくにょきにょきと顔を出し痛烈なパンチを繰り出し抵抗を繰り返します。なんじゃい、昨日の共謀罪の採決...そしていけしゃあしゃあと語る法務大臣。あんたの顔こそ凶暴罪ですたい...

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ありがとう

2017/05/22
【第954回】

比叡山に千日回峰行を二回成し遂げた超人的な僧侶、酒井雄哉(さかいゆうさい)師が書いた「一日一生」「続・一日一生」を読了。わかりやすい言葉で淡々と生きる事の意味、意義を語りかけるように話してくれる。様々の人生の辛酸をなめながら39歳で出家、これをきっかけに己の存在に何度も問いかけを発し、87歳で大往生。師の言葉で好きなのが...一日一日、新しい人生を生きていけばいいんだよ。無理せず、急がず、はみださず、力まず、ひがまず、いばらない...穏やかな気持ちでもってな。

何冊もの名著を読むよりも、高尚な学者の言葉を聞くよりも、おのれの身体を張って見聞きしたことから語る言葉がなんと軽やかで、そして重いことか...おいらも、いろんな体験、経験を積みながら今日まで生きてきました。もちろん多種多様な本も読み、映画、音楽、美術も嗜んできました。そんなことを経ながら、この本を読む(いや、感じると言った方が適切かな)とすんなりと身体に染み込み、おいらもまだまだ一生勉強、修行やなと思ってしまいます。頭でっかちが書いた人生書なんぞはクソ食らえなんだが、酒井さんが語った言葉は日々ポケットに詰め込み、時々取り出して眺めてもよござんすよ...

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暑くて座れませんがな...

2017/05/19
【第953回】

二本の芝居を観てきました...一本目は天王洲銀河劇場での「リトル・ヴォイス」。話題の劇団チョコレートケーキの演出家が初めて挑む大劇場でのミュージカル。小劇場で評価されたものが果たして通用するのか?いやいや大健闘してました。演劇は空間をいかに活すかが勝負の分かれ目。小空間に慣れ親しんだ人が大空間を前にするとびびりまくり、思うようにチカラが発揮できないケースも多々あるのだが、演出家・日澤雄介は自分の感覚を信じ、先ずは俳優の演技に細かく指示することを最優先に考えた事が成功した要因ではなかろうか...なんといっても主演の大原櫻子の歌が素晴らしい。ジュディ・ガーランド、マリリン・モンロー、シャーリー・バッシー、エデット・ピアフ、ビリー・ホリディなどの珠玉の名曲の数々を情感を込めて熱唱。まだ21歳という若さ、とてつもない可能性を感じる。

二本目は、80人入れば満杯になる新宿雑遊での公演。トム・プロジェクトにも出演してもらった田中壮太郎が主宰する演劇企画体ツツガムシ公演「17(seventeen )」高校生を中心に家族との軋轢を描いた真摯な作品。それにしても、目と鼻の先に居る観客を前にして真顔で演技する俳優という生き物、まさしくストリッパーの心境ですな...すべてを見透かされる酷な稼業でございます。

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立てば芍薬...

2017/05/17
【第952回】

先週の金曜日、夜遅く荻窪の駅の改札を出たところに70歳代後半のおばちゃんが二人リュックを担ぎよっこらしょと出てきました。背中のリュックには、現代俳句の巨人、金子兜太さん筆による「アベ政治を許さない」の布きれをぶら下げていました。おいら早速声を掛けました。「こんな遅くどこに行ってきたんですか?」おばちゃん元気よく声を返してきました。「国会議事堂前に抗議に行ってきたんだよ...毎週、金曜日は私のお勤めです。」顔はしわごんちゃくだが、瞳はキラキラと輝いていました。「戦争は絶対にいけません!命ある限り戦争反対!」張りのある声で、道行く人目も憚らず、どちらかというと他人に聞こえるように宣言いたしました。いやいや、万国の労働者諸君、この歳になっても自分の意志を貫き未来の地球のために身体を張って行動しているんですぞなもし...一強安倍政権にお手上げ、ほぼ諦め状態で政治不信に陥り指を咥えている人達に喝ですな...今の法務大臣なんですか?とても人の上に立つ面ではございませんですよ...その上に無知、無教養、そんな人を大臣に任命し共謀罪を強行に成立させようとする現政権は恐ろしゅうございます。

元気なおばちゃんと肩を組み、戦前のきな臭い時代に逆行する流れに歯止めを掛ける責任があるんじゃございませんこと皆の衆。

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5月の空

2017/05/15
【第951回】

1967年、唐十郎が新宿花園神社で紅テント芝居をやり始めて今年で50年。演劇の革命児、唐さんの描く世界は燦然と輝く偉業だと思う。おいらも半世紀前に紅テント興行を観て演劇の価値観が根底から覆され、新しい表現の可能性を思い知らされたものだ。詩人唐十郎の台詞、それを操る特権的肉体を擁した麿赤児、大久保鷹、四谷シモンなどなど社会の規範からこぼれ落ち縦横無尽にテントの中を暴れ回るその様は危険でもあり、世界がいかに自由で何物にも変えられる普遍的なものであることを確信した瞬間でもあった。

あれから50年...おいらの人生の中に、唐さんのロマンといかがわしさは、いつもどこかで彷徨い歩いておりました。あの思考の回路、そしてジャンプ力は、おいらにはないものでありと知りつつ憧れでもありました。状況劇場が解散し、唐組になっても一貫してテントに拘って芝居創りに固執した彼の夢は、やはり子供の頃に夢想した数々の出来事の再現ではなかったか...いくつになっても少年の志を持ち続けテント芝居を継続してきた唐さんに乾杯!

先週土曜日に観てきた劇団唐組第59回春公演「ビンローの封印」久保井研さんの演出のもと、若手俳優が唐十郎のトリックを十分に汲み取り、唐ワールドを具現化しようとする意欲を感じ嬉しゅうございました。勿論、久保井さん、辻さん、藤井さん、赤松さんも素敵でした。花園神社と言えば紅テント...テントがなくなった跡地に時折佇むときがあるのだが、何故か風に乗せられテントがひゅーと現れ、おいらの眼前で大立ち回りを演じてくれるんです...いつの時代になっても、紅テントはまだ見ぬ世界に誘ってくれる、さすらいの人さらい集団であって欲しいものです。

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雨ニモマケズ風ニモマケズ

2017/05/12
【第950回】

GWの終盤、今年初めての西武球場(今年からメットライフドーム、お金ないんだね西武グループ情けなか...)に行って参りました。この季節の球場はドームの大きな隙間から見える若葉が本当に美しゅうございます。GWということで子供連れのお客さんも沢山駆けつけ、ライオンズの勝利を信じて、試合が始まる前から声を枯らしての大応援...なのになのに、首位楽天に20安打を打たれ10対2の大負けでございました。ライオンズの甘ちゃんフェイスピッチャー野上が初回に5点を奪われる醜態。この野上、今年は家庭を持ち心機一転締まった顔でやるのではなんて期待も初回で打ち破られました。ライオンズの打者も、なんとも淡泊な攻撃で外崎の2本のホームランの2点のみ...この外崎何を勘違いしたのか、その後の試合では大振りばかりしやがって三振の山を築く...今年のライオンズは4月の間はおぬし今年はやるな!なんて期待を持たせたのだが、やはり金欠球団の選手層の薄さと怪我人の続出でまたまた定位置の4位に落ちちゃいました。今年入団したショートを守る源田だけがセンスがある野球を魅せてくれました。先輩さんたちよ、この新人から学びなさい!と言いたくなりました。この球団のフロントがライオンズの低迷に拍車をかけてる感じがしますな...やる気なきゃ身売りしなさいよ!かつての強いライオンズを切望している人達のためにも...改めて、野球はやっぱり球場で観るもんだと思いましたな。ビール飲みながらグランドを駆け巡る様を見てると、勝負なんてのは二の次でございます。観客を感動させるプレーが出りゃ思わず拍手を送りたくなる...ライブの魅力は枝葉末節なことを忘れ、目の前で起きてる筋書きのないドラマに身を委ね夢とロマンの世界に誘ってくれるパワーがあります。球場を後にしながら、何故か又来たくなる...おいらにとって野球は永遠の友なんですな。

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嗚呼愛しのライオンズ

2017/05/10
【第949回】

GW中に観た芝居の白眉は劇団桟敷童子「蝉の詩」でしょう...おいら号泣してしまいました。この劇団の主宰者であり作、演出、美術、音の選曲の全てをこなす東憲司さんは無類の演劇小僧(年はとってもこの言葉がピッタリです)。トム・プロジェクトでも、これまで7本の芝居を依頼しました。同じ福岡の出身であり、芝居に対する姿勢に共感するものがあり毎回楽しみに観ている劇団の芝居...今回の「蝉の詩」はこれまでの劇団の集大成ではなかろうかという程の仕上がりでございました。東さんが育った遠賀川で運送業を営む父親と、その確執から争いが絶えない四姉妹の話を軸に、昭和30年代の光と陰を見事な美術、照明、音楽、そしていつもながらの役者陣が繰り出す丁々発止の演技で描き出しました。これがまたテンポが良く小気味が良いくらいの展開。笑いあり、涙ありの、まさしく演劇のエッセンスがてんこ盛りでござんした。江東区にある倉庫を劇団員が一体となって手作りで見事な劇場に創りあげるんですから涙がちょちょぎれます。芝居作りの原点はここにあり!芝居の中で、西鉄ライオンズが出てきたのもよござんした。姉妹の一人が西鉄ライオンズの帽子を被り「稲尾投手好いとう...」なんて台詞を喋ると、おいらもついついにやけてしまいますばい。そして、この芝居のテーマ曲である「アルハンブラの思い出」がとても効果的でした。スペインと福岡が見えない糸で繋がってるんじゃないかしら?いや、おいらの中では40年前から繋がってるんで、これまた東さんのドラマツルギーはおいらと一緒やないかと嬉しくなった次第です。こんな芝居観ると、芝居稼業からなかなか抜け出すことができませんがな...困った困った。

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久し振りに男泣き

2017/05/08
【第948回】

さあ、今日からまた仕事が始まりました...GWの間おいらは展覧会に行ったり、100年続いた築地の鶏屋さん鶏由宙さよなら会に出席したり、芝居を観に行ったり、そして西武ライオンズの負けっぷりを楽しんだり?と大忙しの日々でした。それにしても、連休中の東京は遠出を控えて地元で楽しむ人、地方から遊びに来た人達で溢れかえっていました。そして、人が遊んでるときにせっせっと労働に励んでる人...刈り上げクンの発狂もなくなんとか平和なニッポンでありました。おいらの遊び場、新宿はアジア、青い目の外人さんなどなどでかなりの賑わいでお店もほくほく顔でございました。いずれは消費する人達の半分以上はアジアなんていう日も現実味を帯びてきてますぞ...負けじとアベちゃん2020年のオリンピックまでに憲法いじくりまわしたいなんて、子供みたいな事言っちゃって...憲法とオリンピックどんな関係があるんじゃい!と、おいら呆れかえっています。

その点、草間彌生展「わが永遠の魂」2017は日本が世界に誇るアートでしたな。アーチストは狂気のすれすれまでの境地に立たないと人の魂を振るわせることが出来ないことを実践したお人です。88歳になる現役でありながら、今尚、いかなるものを生み出すか日々悶々としてる姿勢に圧倒されたしだいでございます。こんな人が存在してるだけで、おいらも、まだまだシャキッせんばいかんばい!と...その反面、のんびり生きる事も立派なアートじゃありませんなんて声も聞こえてきますな...

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水玉かぼちゃ

2017/04/28
【第947回】

昨日は西荻窪にあるライブハウス「音や金時」で、俳句・書、ベース、ダンスが三位一体となったパフォーマンスを観てきました...と、言うより感じてきましたかな?80年代より山下洋輔さんらジャズの先鋭的な人達と共演してきたベース奏者、吉野弘志さんの地を這うようなベース音を身体で感じながら踊る遠藤栄江さんの即興表現も素敵でした。おいらも20代の頃モダンダンスの公演に飛び入り参加したり、暗黒舞踏の創始者、土方巽氏の稽古場アスベスト館に良く出入りした経験があり、この手のパフォーマンスは得意の分野でございます。今や渋くて重厚な俳優として活躍している田中珉さんが、40数年前に中野の小さなスタジオでおちんちんに包帯巻いて(見せちゃうと公然猥褻罪になりますから)全裸で床を寝転びながらの踊りなんかよく観てましたから...舞踏なるもの、日本人の身体の特性をしっかりと見極め、外国人の体型に負けない踊りを独創的に考案したものです。足の短い日本人が腰を落とし大地を踏みしめながら内面の葛藤を表現する手法は、瞬く間に世界に拡がりました。そんなことを思いながら、昨日の公演を楽しませて頂きました。

この日、もう一人の主役は、音と踊りを身体で受け止め即興で句を創り壁面の白紙に書をしたためたMama-kinさんかもしれませんね...絶妙な間でしたためた毛筆は、このパフォーマンスに確かな彩りを添えていました。そして、スタジオ内に立ち籠める墨の匂いがなんともエロチックでございました。

さてさて、明日からGWでございます。夢吐き通信も5月7日までお休みでございます。皆さんも有意義なGMを楽しんでくださいね...

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新緑3

2017/04/26
【第946回】

今、藤原新也さんの新作「大鮃」を読んでいる...この作家はおいらより2歳年上で福岡県門司の出身である。彼の著作は「印度放浪」を皮切りに随分と読んでいる。旅が好きで写真と独特の文体で、その土地の体臭をプンプンさせながら綴られるドキュメント風小説は、鋭い文明批評にもなっている。おいらが最も好きな一冊は「鉄輪」である。彼の両親が門司で経営していた旅館が破綻し別府の鉄輪温泉に逃げたときの自伝小説でもある。写真家でもある彼の捉えた風景が、まるでその場にいるようなタッチで浮かび上がり、生と死、そしてエロスを匂わせてくれる。おいらが同じく少年時代に過ごした博多の長屋、遊郭、場末が見事にダブってくることに親しみを感じるのかも知れない...彼の著作「全東洋街道」「東京漂流」「メメント・モリ」どれもが、人が決して目に触れることのない事象をとことん凝視し続けることによって、物事の本質を突き詰めていく手法は変わることがない。

「大鮃」の中にこんな件がある

これまで太古(主人公の少年)が暮らしてきた日本のような国は、普通の日常でもテレビの中でもゲームのように人を飽きさせないようにめまぐるしく変化し、人々は数秒ごとにそれを忘れ、また次の興奮を求めて情報の渦に巻き込まれ、ついには疲れ果て、時にはひきこもりになったりする...「マークさん(太古が異国の旅先で出会った老人)。現実の世界というものはゲームの中やテレビや映画の中のように目の前が目まぐるしく変化したり、どんでん返しがあったりするような世界ではないのですね」

ハイテクに塗れ疲弊していく国家、人民の行く末に警鐘を鳴らすと同時に、己の眼、感性で現実に蠢いている自然の現象を感じ取り身体に焼き付けていくことがいかに大切なことかを書き続けてる作家の一人である。

年功序列、派閥均衡などなどで造られたアホな大臣がまたまた辞任。北朝鮮の刈り上げクンとアメリカのわざとらしい髪型クンとが一触即発だというのに、この日本の危機意識の無さ...しょんがなかんべさ!国民が選んだ政治屋さんばかりだもん...

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新緑2

2017/04/24
【第945回】

今年の獅子はいけますな...ライオンズ昨日も勝ちました。この3連戦ハムをむしゃむしゃと食いちぎり飲み込んでしまいました。あの巨大な昨年のハムは見る影もありません。それにしても監督が替わるだけでこれだけ違うんですね。昨年までは気の良いおっちゃん監督、人が良いだけでは試合には勝てませんがな。今年の監督は、西武ライオンズの黄金時代を守備と野球センスで支えた辻発彦。さすがに守りをキャンプでしっかりと鍛えました。打撃はもともと良いものを持った選手が存在していたので、投手を初め守備がしっかりさえすれば、Aクラスに位置するチームであることは間違いない事は分かっていました。その手始めに起用したのがショートを守る新人の源田。社会人から来た新人なんだがなかなかの逸材、昨年さんざん泣かされたエラーも改善され希望が見えてきました...と、思ってたら昨日、一昨日で4エラーしちゃいました。でも、それがあまり目立たないくらいの働きをしているので、まだまだ伸びしろ十分な選手です。辻監督のきめ細かい野球と、若い選手を育てようとしているビジョンがおいらにとってはとても楽しみなところです。GWには今年初めての西武球場に出かけてみようと思っとります。

と、楽しみにはしてるんですが北朝鮮...ほんまにどうなることやら?いやいや、世界は時計の針を逆回りにしてますな。まさしく歴史は繰り返す、歴史に学ぶなんて言葉を忘れちゃって、おれがおれがの我の世界に溺れていきそうな様相を呈しています。好きな野球を心置きなく楽しめる平和な世の中で居て欲しい!他人任せではなく、一人一人が真摯な気持ちとアクションを起こさないとほんまに地球滅亡もありまっせ...

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新緑

2017/04/21
【第944回】

先日、思い出横丁(ションベン横丁)にある「やぶ天」に焼き鯖定食を食べに行ったのだが、なんと閉店してるではないか...この店には半世紀通っていました。最初は大学時代、夜毎、新宿を徘徊する腹ごしらえとしてよく利用しました。戦後の闇市をそのまま残したションベン臭いこの横丁に立ち寄ると何故かほっとしました。狭い店内で肩寄せ合いながら飲食しているうちに見知らぬ人達と言葉を交わし、本来の人間性を取り戻せる場所だったんですね。その中でも「やぶ店」はアルコールを一切出さない食事に拘った店でした。築地で仕入れてきた魚はどれも新鮮でした。おいらが大好きだった焼き鯖、店内で年季が入った網でじっくりと焼いてる様をカウンター越しに見てるのがなんとも微笑ましい光景でした。それは子供の頃、おふくろが七輪に練炭で火をおこし頼りない網で鯖を焼いている姿を想い出させてくれました。最初の頃は、東北から出稼ぎに来たおばさんが10人入れば一杯になる店内を明るさで大いに盛り上げていました。おいらが帰るときはいつも「元気でね!」と声を掛けてくれました。貧乏学生におばさんなりにエールを送っていたんですね...しばらく行かなくなると、おばさんも居なくなり、大柄の男性が店を取り仕切ることになりました。一度、おいらが大切な時計を忘れ、翌日お店に行くとちゃんと保管してありました。この店の誠実さを改めて知らされた思いでした...その後も、何故か惹かれるように立ち寄り焼き鯖定食を食べていると、いつもあの日あの頃のおいらの姿が蘇ってきます...年を重ね、どんな立場、境遇になろうとも、いつも夢とロマンと冒険を追い続けたおいらの原点を忘れちゃいかんよ!ボロは着てても心は錦...三つ星かなんかしらんけど、格好付けたどんな店よりも、おいらにとっては満点星のような店でした。ありがとう!そしてお疲れ様でした。

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新宿の原点

2017/04/19
【第943回】

早速、温泉効果が出てますぞ...みんなの顔はピカピカ、声もすっきり、大変よろしゅうございます。本当に日本人に生まれて良かったと実感できる一つです。おいらは九州の出なので、九州の名湯は大体行ってます。一番人気の大分湯布院温泉、あまりにも有名になりすぎて昔の情緒風情が壊されつつありますが、田舎の佇まいを残しながら頑張ってますね。お湯もさることながら、おいらのお気に入りは金鱗湖の側にある喫茶店「天井桟敷」でございます。由布院の「御三家」と言われる亀の井別荘が経営しているお店です。江戸末期の造り酒屋の屋根裏を活かし、梁が組まれている店内はとても良い雰囲気です。BGMはグレゴリア聖歌、清らかな声を聴きながらの一杯の珈琲はたまりませんばい。熊本の黒川温泉もいいですね。標高700mのところに位置し、筑後川の支流である田の原川沿いに、懐かしさあふれる宿が立ち並び、湯治場の雰囲気を残している。このなんでもない普通の田舎に、ちょいとアイディアを活かしながら名温泉にした村の人達に拍手です...その他長崎県の雲仙、鹿児島の霧島、佐賀の嬉野などなど、九州はよかとこですたい。

トランプ、プーチン、金正恩、アサド、イスラム過激派、ヨーロッパ右翼の皆さん一堂に会して九州温泉サミットでも開いたら如何かな...争いがいかに馬鹿げたことか、心地よいお湯が理屈無しに教えてくれますがな。

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名店「天井桟敷」

2017/04/17
【第942回】

週末、久しぶりに二泊三日で社員研修旅行に行って参りました。何処に行ったの?新年度にあたりこの時期に相応しいところといえば、そりゃ温泉でしょう。新緑近いひっそりと佇む群馬四万温泉で研修して参りました。あくまで研修ですから、源泉掛け流しでゆったりとしたところでないと良いアイディアは浮かばないので...創業1563年の老舗旅館、大浴場や露天風呂が合計8つあり、その全ては敷地内の自家源泉から沸く天然温泉を完全なるかけ流しで営業し続けている「四万たむら」...に決定。何度も湯に浸かり古くなった記憶を洗い流し、新しい斬新な構想を身体に記憶させました。テーブルを前にして、しかめ面で頭を捻ってもいい考えは浮かびません事よ。裸になって、自然の恵みの恩恵を十分に享受しながら頭を空っぽすると、自ずから智恵が飛び込んでくるもんでございます。風呂上がりのビールがこれまた極上の喉越しの飲み物。こんな時間を過ごした全員が集まる夕食時にはお湯で癒された心身は、まさしく日常のストレスが見事に払拭され爽やかスッキリのお顔でございました...で、どんな話をしたのか?これからのトム・プロジェクトの仕事ぶりをご覧になれば分かると思いますよ...皆さん期待しててちょうだいね!

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マイナスイオンたっぷり温泉

2017/04/12
【第941回】

50歳を機に朝日新聞の記者を退社した稲垣えみ子さんの「魂の退社」読んでます。小さい頃から優等生で、優秀な学校を卒業し朝日新聞に入社、まあそれなりにいい立場まで行ったのだが、このままでいいのか?と疑問を持ち退社。まあまあの給料で衣服、化粧品など買いまくり、それなりに満足していたのだが、香川県に赴任し安い讃岐うどんを食べながら暮らす人達を見てはたと気づいたそうな...「お金が欲しい」と思う人の処にはお金は集まらず、「別にお金なんていいや」と思った瞬間に、お金の方から近づいてきて、しかもなかなか離れていかない。そうなんです!男女の恋愛にも通じるところがあるんですね...人の欲望なんて果てしなく、そんな資本主義社会のシステムに乗っかって物欲、出世欲に取り憑かれた亡者になっちゃいけませんって事よ...会社は一生面倒みてくれるわけでもないし、定年後の第二に人生をいかに有意義に過ごすことを念頭に置いて早めの退社をしたそうな...その手始めに、今まで世界にはあらゆるものが「ある」世界を追求した彼女は、「ない」ということの中に実は無限の可能性があるのではないかということを実践したんですね。先ずは電子レンジ、扇風機、こたつ、ホットカーペット、電気毛布など電化製品を捨て始めたんです。どれもあったら便利と思い込んでたものが、なきゃないで済ますことが出来たんですね。電子レンジの代わりに蒸し器、ホットカーペットの代わりに湯たんぽ...少し工夫すれば快適であったり面白かったりするわけです。冷蔵庫がないと無駄な買い物もしなくなり日々新鮮なものを食べてたそうです。

彼女の生き方が全てではないですが、このなんでも「あり」の世の中に疑問を抱き、「ない」ことから想像する事から始まった時代に回帰することも必要ではないかしら...

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新宿御苑

2017/04/10
【第940回】

4月6日に加川良が亡くなった...フォーク全盛時代に、一人気になる存在だった。独特の声と風刺が効いていながら、何故か純粋な魂を彷彿させる歌詞に惹かれるものがあった。おいらが芝居を創り始めたときに、ふと気になって話したこともない彼と連絡を取り、一杯飲みながらいろんな事を話したのが22年前だったかな...おいらが想像してたそのままの加川良だった。一見ゲバラにも似た顔から少年のような風情を見せる表情に、おいらもついつい心を許してしまい、4時間ばかりの有意義なひとときを過ごしたことを、つい昨日のことのように覚えている。結局、彼との共同作業は実現しなかったのだが、その後も新宿の駅前で小コンサートを、こっそり拝見し、良さんしぶとくやってますなとエールを送った。その後は、彼に会いたくなったときはCDを聴きながら加川節を堪能させてもらっていた。今年、母の一周忌で博多に帰ったときに、弟が昨年12月6日博多で行った加川良のライブに行き購入したアルバムを聴かせて貰った。タイトルは「みらい」青空から始まる6曲は、いつまでも変わらぬ良さんだった。この博多でのライブが彼の最後の舞台であった。彼の代表作である「教訓1」こそ、今のきな臭い時代に対する遺言かも知れない...

 

 命はひとつ 人生は1回
 だから 命をすてないようにネ
 あわてると つい フラフラと
 御国のためなのと 言われるとネ
 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい

 御国は俺達 死んだとて
 ずっと後まで 残りますヨネ
 失礼しましたで 終るだけ
 命の スペアは ありませんヨ
 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい

 命をすてて 男になれと
 言われた時には ふるえましょうヨネ
 そうよ 私しゃ 私しゃ 女で結構
 女のくさったので かまいませんよ
 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい

 死んで神様と 言われるよりも
 生きてバカだと いわれましょうヨネ
 きれいごと ならべられた時も
 この命を すてないようにネ
 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい

 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい

 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい

 

良さん!貴男の69年間の心情はCDにすべて歌い込められてますよ...昨日の夜も、貴男の天衣無縫な笑顔を想い出しながら最後のCD「みらい」を聴きましたよ...

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善福寺川緑地公園

2017/04/07
【第939回】

昨日は詩人、映画監督の福間健二夫妻と国立で桜見物と飲み会をやりました...大学教授を定年退職され、今は詩を書くことと映画を創ることに集中。夫妻とは40年来の友人で、ともにスペイン、ポルトガルを愛する仲間です。お互いにいくつになっても変わらんな!と思っていることでしょう...そうなんです、変わってたまるか!と言う志で生きてきました。最初に出した本も「変わるな!スペイン」初めての異国の地スペイン人の生き方に共鳴、便利さと利益に奔走する世界に背を向けて、日々の何気ない幸せを大切にする二つの国にメッセージを送ったという次第です。EUのお荷物?結構じゃありませんか!利潤を求め、挙げ句の果ては又もや戦争ごっこ、懲りない先進国の面々より人間として上等な気がします。そんなこんなで国立のメイン通り1㎞に連なる桜並木を眺めた後、健二さん行きつけの居酒屋で談笑、楽しい話だと酒も料理も数段美味しくなるものです。連れ合いの恵子さんもとてもチャーミングな方なんですが、映画のプロデュサーとなるとなかなか厳しいお方です。今年も新作を構想中で、健二さんと丁々発止のやりとりを聞かせて頂きました。おいらもそうなんだが、新しいものを創出するときのエネルギーは半端じゃありませんことよ...お金が絡み、人間関係の難しさを乗り越え誕生させる苦労たるや...時折、もうこんな面倒なことやめちゃえ!なんて思うこともあるんですがね...それにしても、健二さんよく飲みますな。ビール飲んで日本酒飲んで焼酎、これで終わりかなと思いきや「けっちゃんウイスキー飲まない...」飲んじゃいましたよ。国立から我が家までほろ酔い加減で帰宅しました...健二さん、あまり飲み過ぎないようにね!だって、お互いに語り合えることによって、いつまでも少年であることを確かめ合える仲間で居たいですからね...

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国立の桜並木

2017/04/04
【第938回】

東京の桜、満開宣言が出たのだが、まだまだ至る所でちらつきがあり、今週週末が見所かな...桜はいつ見てもいいもんですな。ピーカンの桜、薄曇りの桜、小雨降る桜、もちろん夜桜も風情があります...この桜を見る度に、今年もこうやって春を迎えることが出来たことに感謝です。あと何年、こうやって桜を眺めることが出来るんだろう?なんて感傷的な気分になってきたのも年の所為かなと思いつつも、良寛和尚が詠った「散る桜、残る桜も、散る桜」のごとく桜を眺めてると、生死を忘れしなやかに穏やかに自然に身を任せ生きることを指南してくれますな...

今年のアカデミー作品賞を意外な形で受賞した「ムーンライト」観てきました。これと言ったストーリーもなく淡々と時間が流れていくのだが、黒人俳優の素に見える演技力に脱帽。演技とはなんぞや?と思わせる表現と、その表情を決め細かくえぐり取った監督の思いに拍手を送りたい。こんな低予算で地味な作品に賞を贈るアメリカの良心もいいですな。明らかにトランプ大統領を意識してるのは分かるのだが、こうやって全世界に訴えるだけの求心力がまだまだ残っている多民族国家の良さを改めて感じます...それに比して、なんじゃらほいの我が日本。日本アカデミー賞の選定基準の甘さったらありゃしませんがな...何もかもがお上のお顔を伺いながら物事を進めていく日本システムにうんざりしながら手を打てないこのニッポン。教育勅語が教科書に掲載されるなんてまさか!いやまさかじゃありませんことよ...

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神田川の桜

2017/03/31
【第937回】

今日は床屋さんの話です...おいらが最近行き始めた浜田山の小さな理髪店。鎌倉街道を通ったときにふと見つけたお店です。おいらは、それまでずっと美容院に通っていました。もともと、あまりヘアースタイルのことは気にする方ではなかったのですが、ある方から一髪、二化粧、三衣裳って言葉があるでしょう...なんて言われたもんで、美容室に行く事に相成りました。モダンでスマートで流行をいち早く取り入れ競うように若き美容師達が張り切ってる姿は良く分かるのだが、何となくしっとりとした床屋さんがないものかと思ってた時に見つけました。直木賞を受賞した荻原浩さんの「海辺の理髪店」をふと想い出してしまいました。海辺の一本道を古いバスが走り、昔ながらの青々とした田畑に田舎でよく見かける境内まで長々と続く神社の階段、何十年前に描かれた色褪せた文字の看板がかかる商店街・・・おいらが過した少年時代の心象風景を彷彿とさせる土地で、淡々と語る理髪師の言葉がココロに染み渡る佳作の逸品です。トム・プロジェクトでも15年前に上演した「子供騙し」も似たような話でした。東北南三陸で床屋を営む緒形拳演じる老理容師が、己の身の上を語り人生の哀歓を見事に表現した舞台でした。床屋さんには様々な人生を背負い込んだ人達が集まってきます...そんな人達を椅子に座らせ、鋏と手を動かしながらも、じっくりと観察する日々を営みにしている理容師は、人生の酸いも甘いも知って いる人生の達人かも知れません。調子に乗って、ちゃらちゃらお喋りしていると、お髪同様、魂まで刈り取られますぞ...ご用心。

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浜田山の名理髪店

2017/03/29
【第936回】

明後日から、いよいよプロ野球が始まります...おいらにとっては野球に時間をとられ、その他の仕事、趣味の時間が失われる時期でもあります。あんな棒きれで球を打って、やれヒットだアウトなんぞで一喜一憂してる戯れ事ににうつつを抜かしてること自体が馬鹿馬鹿しいとは思いますが...でも、これがなかなかお去らばできないんですから困ったもんでございます。これはキヨシ少年が博多で目にした西鉄ライオンズの記憶が未だに鮮明に刻まれているからです。あの日あの時のライオンズはおいらにとっての生き甲斐でもありました。上京してからもライオンズを追っかけてるんですから、こんな熱烈愛は、ほとほと飽きっぽいおいらも不思議でなりません。もうそろそろライオンズから手を引こうとしても、獅子の魔力についつい吸い寄せられて日々勝敗の行方が気になって仕方がないんですな...最近のチームのだらしなさに呆れかえり、もうどうでもいいやとやけのやんぱちになる時もあるんですが、ついつい期待しちゃうんですね。キヨシ少年、未だに野球選手になりたかった事への未練があるのかな?どちらかというと、すっぱりと過去のことは忘れちゃう方なんですが...でもね、人生ひとつぐらいは命尽きるまで拘り続けるものがあってもよござんしょ!いまだに、少年のような夢見心地でいられるのもライオンズのお陰かなとも思っています。夢とロマンが希薄になったこの時代に、こんなに夢中になれるものがあるだけでも幸せかもしれませんな...ところで今年のライオンズの優勝はあるのかな?

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お待たせ!

2017/03/27
【第935回】

なんだか昨日今日と寒が戻ってきた感じですね...昨日で無事「萩咲く頃に」千秋楽を迎えることが出来ました。1月12日からスタートした公演で計38ステージの長丁場でした。キャスト、スタッフ事故もなく、この時期一番の恐れインフルエンザも免れ、なんとか最後までステージを勤めることが出来ました。これは、やはりこの芝居に賭ける気持ちの張りが弛むことがなかったんでなかろうかと思います。今尚、厳しい環境にある人達、前に向かって奮闘してる人達のことを思うと心身ともにしゃっきっとしますばい...おいらなんか風邪引いてしまい肩身が狭かですばい...いやいや、おいらが皆さんの厄を引き受けて何事もなかったんですぞ!と相変わらずのポジティブシンキングで納得しております。

先週の土曜日は本番中にも拘わらず、大宮演劇鑑賞会第11回通常総会の記念講演に行って参りました。首都圏演劇鑑賞会の中でも活発な活動をされてる団体なので、おいらも緊張しながら会場に向かいました。大宮駅前にある大宮ソニックシティには沢山の会員さん達が集まり、活発な意見が交わされていました。いよいよ、おいらの持ち時間1時間の講演。大体の内容は決めては居たんですが、なにせおいらの波瀾万丈の人生エピソードが多すぎて、ついつい横道に入り込み、こりゃまずいと演劇の魅力を語るのだが、又もやおもろい話で笑いが起こるとついつい引っ張られ...でも、考えてみれば、おいらの生き方そのものが演劇的なるものであって、堅苦しい演劇論を語るよりも、おいら自身の等身大をさらけ出す事の方がより説得力があるのではと思う次第でございます。

総会を終え、近くのフランス料理店で美味しい食事をご馳走になりました。15名の大宮演劇鑑賞会の理事さんに囲まれ、おいらはハーレム状態でございました。今年の10月には「萩咲く頃に」大宮演劇鑑賞会の上演が決まっています。又、皆さんに会えることを楽しみに、おいらもボチボチ楽しみながらいきまっせ...

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大宮演劇鑑賞会 理事の皆さん

2017/03/24
【第934回】

東京も桜開花が発表され、JR新宿駅前の桜も嬉しそうに咲き誇ってます...6年経過した被災地の桜も見所沢山な名所がありました。震災後、訪れることのない桜並木が映像に映し出される度に、桜はいつの日か、再び住民の笑顔と談笑で、満開の桜の木の下で春の訪れを喜ぶ日を待ちわびているだろう...そんなことを思いました。何十年、何百年と市井の人達の営みを見続けた桜の木々にとって、こんなに辛い6年間は無かったと思います。風雨に晒され、暑い日も寒い日も何一つ不平を漏らさず、この時期に間違いなく柔らかく温かく優しいピンクの花びらを惜しげもなく魅せてくれる桜の木は、厳しい環境下にある被災者に桜を咲かせることで被災者の人達にエールを送ってるんですね...

「萩咲く頃に」今日の公演を入れて残すところ3ステージとなりました。芝居は生き物ですから日々変化、成長します。この芝居を観劇した人達が、被災者に寄り添って、今この困難な時代に何を考え、どのような行動を起こせば良いのか...そんなヒントになればと思いながら残りの舞台を相務めます。

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本日、新宿駅前で咲いてます!

2017/03/21
【第933回】

連休明け、本日「萩咲く頃に」の初日です...東日本大震災から6年。あの日に故郷を、肉親兄弟を、知人を失った人達の6年間は、言葉では表すことが出来ない喪失感です。この人達の深い悲しみに比べると、巷で騒がれてる出来事なんぞ被災者にとってはどうでもいいことなのかも知れません。唯一の救いは先日の判決、東日本大震災は東京電力、国にも責任があるという当たり前の裁決。今、問われてる森友学園の国有地払い下げ問題、豊洲土地売却の経緯の不透明、南スーダンPKO陸自の日報、廃棄などなど、この国の政治家、官僚、行政に関わる人間のなんといい加減なことか!庶民の血税を、いとも簡単に己の身の保身のために、利益誘導、隠蔽をこなしていく、又、それを許していく体質に唯々呆れるばかりです...昨日の石原前都知事の答弁、こんな人に長年都の行政を任せていたことに、そろそろ都民も気づいて欲しいな...自宅に出る前に記者に言葉を掛けられ、日露戦争・日本海海戦直前の連合艦隊出動時に秋山真之中佐が大本営へ打電した文面の一節「天気晴朗なれど波高し」を発した後、記者に対し「君たち教養のない者にはわからんだろうな...」この一言、態度こそが、彼の人格を物語っている。全てが上目線、大衆を小馬鹿にしている態度はおいらは到底許せませんな。昨日の証人喚問終了後に笑顔すら見せる余裕...

とにかく、時代は決して明るく希望に満ちてる状況ではありません。そんな時に、どれほどのチカラになるか分からないけど、被災者、弱者の側に立って表現を通じアクションを起こすことしかありません...多くの人達に観て頂いて、既成の悪慣習をぶち壊す契機にして欲しいですな。何事も諦めちゃいけませんことよ...

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3月の山

2017/03/16
【第932回】

いやいや第4回ワールド・ベースボール・クラシックの侍ジャパンの戦い痺れました...大会前の試合ではセリーグ、パリーグのチームにも負け、なんて弱い侍達だと思ってたんですが、幕を開けると鞘に収めぱなしだったバットをぶんぶん振り回し大量得点。少々不安が残る投手陣の心配も何処吹く風と言わんばかりの大活躍。25歳の筒香、27歳の中田の二人のホームランがなんとも試合の彩りを添える見事なものでした。それにセカンドを守る広島カープの菊池の忍者を感じさせる守備、芸術に値するプレーが何度もありました。意外だったのが、キャッチャーを任された巨人の小林、おいらなんぞは特にセリーグの試合はあんまり観ないので、この人大丈夫?なんて失礼な先入観持っててごめんちゃい...この小林が今回のラッキーボーイになるなんて、ほんまに野球はわからんもんですたい。わがライオンズでは秋山、牧田がそれぞれいい働きをしてますんで嬉しい限りです。それにしても小久保監督なんて期待も何もしてなかったのに全勝で準決勝に導いたので、何かしらの運を持ってるんでしょうね...外国のがっしりした選手を相手に、小粒な日本の侍よくぞ闘いましたな。バズーカ砲相手に、キラリと光る切れ味のいい刀でなぎ倒す今回の試合、多くの人達に野球の素晴らしさを伝えてくれた気がします。今月末から始まるプロ野球に弾みが付きまっせ...

それに比べて、政治家のお粗末が連日マスコミを賑わせてます。こんな政治家しか日本に居ないのも悲しいけれど、そのお粗末な政治家を選んだのも日本の国民ですからね...こんなこと何年続いてる?いや、これからも...しっかりせんと遺憾ですバイ皆の衆。

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今日の新宿

2017/03/14
【第931回】

先週の火曜日に39度近くの熱を出し、久しぶりに病院に行きました。幸いにしてインフルエンザではなく風邪との診断。早速、薬を貰い飲むのだが一向に良くならないので、こりゃ花粉症から来てるのでは?と思い耳鼻咽喉科へ。ここでも抗生物質の薬を含め5種類ほどもらい飲み続けているのだが、今日に至るまで今一つ元気なおいらの身体に戻りません。一週間、薬を飲み続けるなんて事は、おいらの人生の中でそうありません。人間には自然治癒能力を備えており、おいらはそのチカラを信じてあらゆる病を退治してきました。薬の有り難さは十分に理解をしてるのだが、自然体の身体に化学薬品を投入することによって身体の根本的な仕組みを変えることには大いに抵抗があるのでございます。普段薬を飲まないおいらだから、普段は2,3日化学の力を借りれば治癒しちゃうんだが、今回はなんと一週間、すっきりはっきりしない日々が続いています...なんだか、おいらの身体が化学体に変質してるみたいで気持ち悪いですな...喉チンコが腫れ、お目々がウサギ目になり、満身創痍はひとまず脱出できたのだが、今日なんぞは熱こそないものの先週の火曜日状態に近いかな...こんな時に、いつも思うのが終戦後、ソ連が日本の兵士を極寒の地シベリアに連行し最長10年、強制労働を課し5万人が死亡した出来事。寒さと飢えと不安のなかで過ごした人達のことを思えば、こんな風邪なんぞ病に値しないと思います。病は気からなんて言葉がありますよね...現代人は安直に化学、科学に依存しがちです。ここはひとつ、おいらの気力を信じ何とかいつもの壮健な身体に舞い戻りたいもんでございます。

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母子像

2017/03/10
【第930回】

1971年11月14日の沖縄返還協定の国会批准を巡る強行採決に反対するデモ隊と機動隊との衝突で、機動隊員1名負傷し翌日死亡しました...その後、政府はデモ参加者を無差別に逮捕し、その中の一人星野文昭さんが実行犯としてでっちあげられ無期懲役刑が確定し42年間獄中生活を強いられています。おいらの家の近くで、星野さんが獄中で描いた絵画展と、獄中結婚をした暁子さんのお話があるというので出かけました。先ずは、素直で明るさに満ちた水彩画を観ながら42年間どんな思いで絵筆を握ったのであろうか...あまりにも長い時間、おいらと同じ年の生まれだけに、おいらがこれだけ思いの丈に見合う人生を過ごさせて貰ったことを思うと、星野文昭さんの無念の思いは如何ばかりか...せめてもの表現が丹念に絵画に込められていたと思う。

獄中結婚された暁子さんの話が又、辛いけど夫を信じ、いつの日か必ずや無罪釈放される日が来ることの強固な意志を感じ感銘を受けた。肌に触れることも、手を握ることも出来ず毎月30分間だけの面会時間だけを楽しみに徳島刑務所に通い続ける暁子さん。悲痛に満ちた顔どころか、愛する文昭さんと共に冤罪に立ち向かっていく凛とした表情に、一縷の望みというより人を愛する強さ、世界の不平等をなくす決意を感じた。

42年、あまりにも長い...釈放して欲しい!もっともっと極悪非道の人間がのうのうと巷を闊歩してるというのに、まさしく不条理の現世ですたい...

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沖縄から命をもらうフクシマの子

2017/03/06
【第929回】

土曜日は世田谷パブリックシアターで開催された、グラシアス小林さんの『Swan Lake ~闇のロッドバルト~』を観劇...彼とは40年来の友人である。スペイン滞在中は家族ぐるみで付き合い、その当時3歳の息子、海来君はスペインで画家として活躍している。グラシアス小林さんは何度もの死線を乗り越え68歳になる現役ダンサーである。フラメンコダンサーは60歳を越えると現役ダンサーとしては、かなり厳しい職業である。にもかかわらず新しいジャンルにチャレンジする彼の表現者としての勇気に拍手を送りたい。今回の公演は白鳥の湖を彼なりに解釈し、スペインから踊り手、歌い手を招聘し企画、演出、振り付け、出演をこなさなければならない大仕事である。おいらも幕があると同時に、彼との長年の想い出が交錯し、作品の良し悪しと言うよりも、彼が繰り出す繊細な手足の動き、そして異国の地で生きてこそ味わった喜怒哀楽から滲み出る表情を見逃さず観ることに集中した。彼と過ごしたスペインでの濃密な時間が、まさしく彼の一挙手一投足に集約されていた気がした。それにしても休憩を挟んでの2時間、脳と心臓に病を抱えた満身創痍の肉体が鬼気迫る威力で観客を魅了したに違いない...終演後、楽屋を訪れるといつものような穏やかな顔でケッちゃんありがとう!この顔と踊るときの顔の落差こそ、彼の表現者として蓄積した独自の原動力なのである。

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グラシアス小林

2017/03/03
【第928回】

「サクロモンテの丘」を観ました...おいらにとっても懐かしいグラナダの洞窟でのフラメンコ。友人が何人もグラナダに住んでおり、夜が更けるとふらりふらりと出かけたものです。山のあちこちに洞窟がありジプシーたちが住居もかねてフラメンコショーを繰り広げておりました...その歴史あるサクロモンテの年老いたアーチストをインタビューしながら芸をご披露するだけの映画なんですが、学校にも満足に行けず差別されながらもプライドを持って生きてきたジプシーの人たちの存在感に唯々驚嘆するばかり...改めて、フラメンコとは生き方そのものだということを、この映画で確認することができた次第でございます。でぶっちょのおじいさんおばあさんのなんと可愛くて素敵なことか!手を動かし、足を踏んだだけで身体から表情から人生が滲み出てきます。おいらも思わず『OLE!(オレ)』(いいぞ!っていう意味)と叫びたくなりました。
芝居の芸も同じだと思います...どんな人生を経てきたか、すべて舞台に画面に正直に出てきます。どんな嘘をついても、その人が体験、経験したことは身体が記憶してるもんです...
だからして、日々自分の心身が汚辱に塗れないように生きねばなりませんな皆の衆。

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Viva Flamenco !

2017/03/01
【第927回】

今日から弥生でございます...梅から桜へ移行し、万物が眠りから覚め動き出す季節でもある。おいらもさてと思うのだが、考えてみればこの年まで、眠りなんぞの期間は皆無だったんじゃないかしら...かといって、せかせかと動いた記憶もなく、あくまでもマイペースでおもろい人生楽しんできたなって感じかな。ほんなごつ幸せもんでございます。この幸せのコツは人との距離の取り方につきますな。この世の中には、善人と悪人と人畜無害なる人達が程よく混在しながら生きとります。そんな人達のその場その場の感情に付き合っていたら心も身体も持ちませんがな...己の身体に皺寄せが来ない距離で、感情に翻弄されてる様子をじっくりと考察するのがベストです。「人のふり見て我がふり直せ」ってことわざがあるでしょう。自分では気がつかなかったことが、まるで目から鱗が落ちるってことになるんでございますな。この世の中、すべて必要だからこそ諸々存在しとるんです。それこそ見逃したら損しまっせ...

なんだい民進党!党名変えなさい...なんら民のため進んでないじゃありませんか。原発30年後の廃止宣言、労働組合絡みの議員の反対で風前の灯火。これじゃ現政権に立ち向かう野党としては失格もいいところ...今、国会でアベちゃんに異見をしても迫力ありませんな。自民党、こんな野党であれば盤石の体制。一歩一歩、時代の針は逆戻りしてますが、こんなクソ野党のために現政権の支持は上がりっぱなし...無茶苦茶でござりますが、でも残念ながら手がありませんがな。

「ラ・ラ・ランド」のサウンドトラック盤、早速購入し聴いとりますがな...アカデミー賞の作曲賞、主題歌賞獲るだけのことはありますな。ワイン片手に「シティ・オブ・スターズ」聴いてると、この世の憂さも吹っ飛びますな...

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もうすぐだね

2017/02/27
【第926回】

「ラ・ラ・ランド」先週の土曜日観てきました...なんと言ってもジャズへの愛を狂わしく映像化した「セッション」でアカデミー賞3部門に輝いた若き天才監督デミアン・チャゼルの作品なら間違いないだろうと言うことで...最初のシーンでこりゃいけると思いきや、中途中だるみ、ありゃ前宣伝に騙されたかなと思いきや後半、ジャズピアニストを演じるライアン・ゴスリング(本編中の全てを本人が弾きこなしたのはお見事)と、女優志望役のエマ・ストーン(ソロも本人が心情溢れる歌声で素晴らしい)が意見の対立で激しく論争するところから一気に盛り上がる。終盤、おいら不覚にも涙流してしまいました。だって、だって青春のほろ苦さと切なさとパッションが、まさしくおいらの少年から青春へと向かうドラマと重なり合うシーンみたい...いや、そうだったかも知れない?青春なんてのはきれい事でもないし夢幻の世界に近いのかも知れない。青春なんて青臭い言葉を、この映画は記憶から呼び戻してくれる映像力がありましたな...この監督のジャズに対する敬意が、この映画の文脈をオリジナリティ溢れる新たなミュージカル映画の傑作に仕立て上げたと思う。エンディングに流れるジャズとソロの歌声が、この映画の余韻をたっぷりと感じさせてくれる...なのに、さっさと席を立ち家路に向かう輩がチラホラ。この種の人達に映画の感想聞いてみたいな...おいらは映画館出た途端ぴあのアンケート係に感想をせがまれました。おいらの世代の客が少ない所為だったからかな...

先ほど発表された今年のアカデミー賞で「ラ・ラ・ランド」、監督賞と主演女優賞を受賞したそうな...

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青春

2017/02/24
【第925回】

新宿の街から、いかがわしく淫靡な匂いが無くなってきました...銀座、青山、六本木、渋谷なんかに比べて新宿はカオスが売りです。得体の知れない輩が徘徊し一歩間違えば、身ぐるみを剥がされる危険な街です。だからして女性の人気はいまいちですが、おいらのような好奇心がひと以上に強い人間にとっては、飽きが来ない街です。ほんまもんの文化は、人間の奥深く潜む欲望を嗅ぎつけないと生み出せんがな...当たり障りのない口当たりの良いお洒落な街も嫌いではないが、その表層をぺろりと舐めても文化そのものの本質には辿り着くことが出来ません。しばし、戦士の休息場としての街でしかありません。クンクンと日々嗅ぎ廻る戌年のおいらも、たまには流行たるものに接し身支度を調えるぐらいのエチケットはわきまえていますがな...さっき、新宿のアルタの自販機前でホームレスのおっちゃんが自販機前のブロック石を持ち上げ自販機の下を必死の形相で覗いていました。釣り銭が落っこちて普通では取れない諦めていった小銭がないものか探しているんですね。この平和な日本で生死を彷徨いながら捨て身で生きてるこの姿を見て何を感じるか?ここんところが勝負の分かれ目かもしれませんな...命果てるまで生きることの意味、心想する日々でがんす。

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半世紀前アルタ前での唐十郎

2017/02/22
【第924回】

前回は母のことを書いたので、父が「俺のことも少しは書いてくれよ...」なんて声が聞こえてきたので記さなあきまへんな...おいらの父は、54年前に亡くなりました。広島県呉市の出身で岡田家は裕福だったそうです。その当時男3人兄弟すべて大学に行かせるぐらいですから...しかし、明治末期に生まれた父敏雄は、東京の医学予備校に行ってはいたんですが、どうやら遊びの方が好きで父だけが大学を諦め、親が経営する旅館の跡継ぎをまかされ大陸に渡ったそうです。そこで母と見合いし結婚(母が言ってましたよ...この人がどうこうと言うより岡田の家であれば子どもたちを幸せに出来そう...とうちゃん可哀想)そして終戦、苦難の末引き揚げ船で博多港に帰国を果たす。戦後の闇市で、高級野菜の商売に成功するも、生まれ持っての人の良さから騙され一家はどん底を味わう。しっかりもんの母のお陰で、5人の子沢山でも乗りきることが出来た。父も母に煽られいろんな仕事にチャレンジしましたな...焼き芋や、ラムネ売り、ボンボン釣り、いやいや少年キヨシ君も手伝いましたがな。父がふらりと出かけたあとおいらも欲しいもの(西鉄ライオンズ選手のメンコ)があったので売り上げを拝借したこともありました(とうちゃんごめんちゃい...)平和台球場でのラムネ売り、リンゴ箱売りでの手伝いは、西鉄ライオンズと共に過ごすことが出来たので燃えましたな(とうちゃんありがとう...)

でも、こんな父も子供には優しかったですね。良くお土産を買ってきて子どもたちの喜ぶ顔に満足していました。おいらは、ある時、兄と大喧嘩をしたときに、おいらを一方的に責める父に我慢できず、家を飛び出しちゃったので父のその後の優しさには触れずじまいでした。父が一番嬉しかったのが、兄が九州大学に入学したときでしたね...嬉しさのあまり大好きだった酒を断ったのが命取りになり、脳梗塞であの世に逝っちゃいました。気丈な母が亡くなった父に添い寝している姿を見ながら、おいらも止めどなく流れる涙を拭うことなく早朝、新聞配達に出かけたのを今でも鮮明に記憶しています。

今頃、父と母は、あの世で半世紀ぶりに再開を果たし思い出話に花を咲かせていることでしょう...とうちゃん、かあちゃん、奇跡的においらをこの世に送り出し、育ててくれてありがとう!まだまだ、おいらは浮き世で楽しみますからね...

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おいらが画いた父

2017/02/20
【第923回】

昨年の今日、母は97歳で旅立った。今日は一周忌である...97年の生涯は、まさしく波瀾万丈である。佐賀で生まれ、東京で少女時代を過ごし、佐賀武雄高女を卒業し教師になるが、朝鮮半島に渡り岡田旅館を経営していた長男敏雄と結婚。旅館の女将跡継ぎ修行中に敗戦、8月9日にソ連軍が侵入し地獄図を見る日々の中、1946年2月に奇跡的に帰国。この月においらを産んだわけである。おいらは十月十日、お腹の中でソ連軍の野蛮な行為、侵略された怒りを晴らす朝鮮、中国の人達の復讐。人間のあさましさを感じ続けていたわけである...この経験から母がおいらに何度も言い続けた言葉が「戦争は勝っても、負けても惨めである...戦争だけはどんなことがあってもしたらいかん!」終戦後も母の戦いは始まる...父が早く亡くなり、5人の子供を一人育て上げたのである。今でも覚えてるな...学校を終え新聞配達中、母が荒くれ男たちに混じって道路工事をしていた姿。ほうかむりした母の顔は日焼けしており垂れる汗を拭う暇なく砂利を黙々と運んでいた。おいらが上京し、美輪明宏の「ヨイトマケの唄」を耳にしたときには、おいらは母の姿と重なり号泣した記憶がある。昼間の仕事を終えた後も家事を済ませ、夜は遅くまで筆耕(ガリ版印刷、原稿を金属のヤスリの様な板を下敷きにして、蝋のようなものが塗ってある紙に鉄筆でガリガリ書いていた。)おいらの枕元で、明け方近くまでガリガリとした音がして寝れんかったのだが、母が子を思う辛苦にただただ涙した。そこで、おいらは母の負担を少しでも減らしてあげたい一心で、いくつものバイトをやり自立の道を選択したのである。上京したときも、おいらのわがままを許してくれた母に感謝...大学出ても風来坊人生を彷徨ってるおいらに小言も言わず、時折来る母の達筆な手紙には「身体だけは気をつけて、美味しいもん食べないかんよ...」幾つになっても、おいらにとっては逞しく知的で優しい母であった。子どもたちが成人した途端、これまで出来なかった絵画、短歌、手芸などなど多種にわたり趣味に没頭する日々を取り戻し活き活きしていた。おいらも何とか親孝行に間に合い、温泉に連れて行くと嬉しそうな顔をしていました。85歳に脳梗塞で倒れ、身体は不自由であったが向上心は枯れることなく最後まで凛とした姿で生涯を終えることが出来ました。

おふくろ!おいらももうすぐ71歳になります。70代のおふくろは少女の様に活き活きしていたね...おいらも負けずに少年のような気持ちで日々過ごしています。おふくろの年齢まで生きられるかどうかは分からんけど、おふくろの子であることを誇りに思い、最後まで愚痴を零さず、己磨きを怠ることなく、世のため人のために生ききりますばい...

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母の作品

2017/02/16
【第922回】

デヴィッド・ボウイ大回顧展に行ってきました...天王洲アイルの倉庫でやるってのもどんなもんだか興味がありました。とにかくかっこいい男でしたね。音楽に留まることなく、役者、絵描きなどなど自分の生き方も含めて、表現に貪欲に戦い続けた真のアーチストであったと思います。貴重な資料、衣裳、映像が各コーナーに陳列されてたのだが、おいらの目を惹き付けたのはパントマイムの映像と三島由紀夫を描いた油絵。イギリスの舞踏家リンゼイ・ケンプ氏の下でダンスとマイムを学んだ彼の奇想天外なパントマイムは、彼にとってのアートが、先ずは己の肉体の可能性をひとつひとつ検証しながら進めていったことを証明してます。これがなかなか上手いんです、才能ある人はなにをやっても様になります。三島由紀夫の絵には驚きました。キュビスムの旗手ピカソを思わせる絵は、まさしく三島由紀夫の本質を捉えている傑作。この絵を描いていた時期は、彼が覚醒剤を断つためにドイツに滞在中での作品。彼は日本的なるものに興味を持ち、あの独特のメイクは歌舞伎の手法を取り入れてのことらしい。入り口で渡されたヘッドホンからは、コーナーごとに彼の声、歌が流れ、彼の全貌を全身で感じ取れる工夫がなされている。
おいらの1歳下だけに、世代的に連帯を感じます。おいらが見た世界と、彼が見聞きした世界のどこかに共通点があるのではないか...そんなこと考えながら2時間があっという間に過ぎてしまいました。

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出火吐暴威

2017/02/13
【第921回】

トム・プロジェクトにも作、演出してもらってる2人の作品を観劇...先ずは、中津留章仁作・演出のトラッシュマスターズ「たわけ者の血潮」。社会の歪みを果敢に暴き出してきた作家が今回も偽りの民主主義に刃を突きつける。意気込みは分かるのだが、延々と続くディスカッションドラマに観客は耐えることが出来るのか?だってお客の芝居の楽しみ方は多種多様、好き嫌いで決められると、この手の芝居は拒否する人が居るだろなというジャンルでございます。芝居小屋にまで来て、社会のこと考えたくない、いや社会から人間関係から逃れたい人達にとっては、なんとも不向きな作品です。芝居は娯楽か啓蒙か?おいらはその両者がうまくブレンドして面白いけど考えさせられたみたいな作品が理想だと思いますよ。でも、そんな優れた作品はそうそう出来上がるもんじゃございません。中津留章仁も悪戦苦闘しながら頂上を目指しながら一歩一歩険しい道を歩んでるのかも知れませんね...

次は、ふたくしつよし作の劇団民芸「野の花ものがたり」鳥取市でホスピス「野の花診療所」を開いている徳永進さんを中心に、この診療所で死を待つ患者と家族の物語。ふたくちさんの人柄がそのまま出た芝居に仕上がっていました。死とは生きる事...誰しもが避けることの出来ない死に向かって生きる事の意義を考えさせてくれる芝居でした。笑いも交えて歴史ある劇団員の生活感溢れる演技が印象的でした。

考えてみりゃ、この東京って街、凄くありません?一年通して様々なジャンルの芝居・音楽が途切れることなく上演されてるんですから...でも、やりゃいいってもんじゃございませんよね。おもろくないもの最初に見ちゃったら一生、芝居なんぞ見ない人生になっちゃうんですから。おいらも肝に銘じて創らなあきまへんがな。

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たわけ者の血潮

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野の花ものがたり

2017/02/10
【第920回】

久しぶりに富山に行って参りました...北陸新幹線が運行され、北陸が脚光を浴び金沢への観光客が随分と増えたらしい。おいらは金沢の手前、新高岡で下車し、一時間に一本しか走っていない城端線に乗り換え砺波に行ってきたのです。市章、市旗に描かれてるチューリップで有名なところです。おいらはチューリップを見に行ったのではございませんよ...となみ演劇鑑賞会が呼んでくださった「萩咲く頃に」を観に行ったんです。鑑賞会の事務局長の上田さんによると、5万人弱の町で1200人の会員さんがいるんですからたいしたたまげたでございます。しかも15年間会員さんを増やし続けているのですから驚き桃の木山椒の木(さすが昭和世代の言葉がついつい出ちまうんですな)。全国の演劇鑑賞会が会員を減らしている昨今、ここの鑑賞会はしっかりと芝居が何故、今の世の中になくてはならないものかを確認しながら会の運営をしてるんですね。おいら創る側からするとなんとも力強い応援団でありますが、一方、こんな方々にいい加減な芝居は観せられないという責任も感じます。この日、1月10日の横浜公演以来久しぶりの観劇だったのだが、さすがベテランの音無美紀子さん、大和田獏さんが織りなす夫婦のシーンは、まるで夫婦漫才を見ているかのような厚みのある芝居に変貌しておりました。深刻なテーマの芝居であるだけに客席からの笑いは芝居に立体感を持たせてくれます。藤澤志帆、森川由樹、西尾友樹、三人の若手俳優も24ステージをこなしてきた自信に溢れる演技を魅せてくれて一安心です。

終演後、キャスト、スタッフ全員で地元の美味しい料理と酒を飲みながら、この日の芝居のチェックも含め楽しい夜を過ごすことが出来ました。日本全国各地に、様々な人達が楽しみに芝居を待っているなんていう素敵な国がいつまでも続きますように...

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車窓からの風景

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手作りの掲示板

2017/02/08
【第919回】

昨日、NHKで阿久悠特集の歌番組やってました。この昭和の類い希なる作詞家は国民栄誉賞を貰わなかったのが不思議なくらいです。いや、こんな国家の肩書きばかりの賞なんて糞食らえて思ってるのが阿久悠らしくていいのかもね...それにしても、彼の描く世界が、まるで万華鏡みたいで見事の一言に尽きる。アニメから演歌、ポップス様々なジャンルを遊び心満載で書き綴った言葉の山脈の大きさと世界に驚嘆するばかりでございました。この歌番組で存在感を示したのが北原ミレイの「ざんげの値打ちもない」の絶唱。14歳の女性が愛というものでない感情で男に抱かれ、15歳の誕生日に安い指輪と一輪の花を贈られ愛という名に相応しくない心と身体を捧げ、19歳になると男との関係が上手くいかなくなり細いナイフを光らせて憎い男を待ち伏せして...と、ここまではおいらも良く聴いた歌詞だったんだが、昨日はカットされた幻の4番の歌詞を初めて聴きました。

あれは何月 風の夜  とうに二十歳も過ぎた頃
鉄の格子の空を見て  月の姿がさみしくて
愛というのじゃないけれど  私は誰かがほしかった

この主人公の女性、男を殺したのか傷つけたのか分からないけれど犯罪者になって刑を終え、その心境を5番の歌詞に託したんですな。

そしてこうして 暗い夜  年も忘れた 今日のこと
街にゆらゆら 灯りつき   みんな祈りを するときに
ざんげの値打ちも ないけれど  私は話して みたかった

男と女の激しくも切ない心情を、これまた同じような人生をさすらった北原ミレイが歌うと、この日出演した歌手の皆さん申し訳ないけど、もう一度人生なるものをいかに歌として人前で表現するかを熟慮なさったほうがよろしいんじゃございませんか?と生意気ながら感じましたでござんす...たかが歌されど歌。

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2月の夕陽

2017/02/06
【第918回】

昨日、家の近くを3時間ほど遊歩しました。携帯のウォーキングカウンター見ると13000歩歩いていましたな...庭のあちこちに梅がちらほら顔を覗かせていました。途中、ドラッグ店に入りトイレに入ろうとしたのだが、男女兼用のトイレなかなか先客が出てきません。入り口に、おばあさんらしき人が待ってました。ようやく30代半ばの母親と2,3歳くらいの女の子が出てきました。おいらが「もういいんですか?」と聞いたのだが、無言のまま立ち去ろうとするので、おいらは返事を待たずトイレに入りました。ところが便器の中にはウンコ塗れのおむつが入っており水で流しても、勿論流れません。おいら、すかさず出て行ったおばあちゃん含めた3人組を追いかけ「駄目じゃないですか!トイレットペーパー以外は流さないでと書いてありますよ...」と問い詰めたのであるが、この3人組逃げるように店を出て行きました。何故か子供だけが、母親が強引に引っ張る手を振り払うように、おいらに向かってつぶらな瞳で「ごめんちゃい...」と訴えかけているようにも見えました。おいらは、それ以上追いかけることもせず、店の人に事情を話して今すぐ処理しないと水浸し状態になる事を告げました。いやまあ、こんな母親に育てられる子供が不憫に思えてきました。最近、日本各地でも中国観光客のマナーがいろいろと取りざたされてますが、日本人も随分とマナーの質が落ちてきていますな...車内、街中、レストラン、美しい佇まいの中に至福の時間が生まれるもんです。他者を意識しない感覚から人は、そして国は滅びていきますぞ...

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母ちゃんしっかり育ててよ!

2017/02/03
【第917回】

立花隆著「武満徹・音楽創造への旅」を読了...知の巨人、立花隆が20年前にインタビューしたものを中心に書き綴った700ページを越える大作である。しかも二段組みと来てるからなかなか前には進みませんでしたが、あまりの面白さについつい読んじゃいました。先ずは稀代の前衛音楽家である武満徹の極貧時代から始まり、監督黒沢明との確執がありながらも映画音楽を作曲し日本映画の最盛期に新たな映画音楽を確立した世界の武満徹の人間性、人生を細部にわたるまで取材し加筆した立花隆の底力に拍手を送りたい。立花隆の書庫を何度か写真で見たのだが、この人の知に対する貪欲な生き方に圧倒される。政治から文学、美術、医学、宇宙にいたるまで果てしなく続く知の旅は読者を魅了してしまう。雑誌記者時代にゴールデン街に「ガルガンチュア立花」という店を出し、幾多の人脈を形成していった。今は立花の名を外しながらも存続する、この店においらも44年くらい通ってます。

この本を読みながら感じたことは、昭和という時代で日本の文化も衰弱していったのではないかということ...お金は無くとも筋金入りの精神が巷に溢れ、より新しい刺激的な作品を競う様に創り出す土壌が昭和という時代に確かにあったということ。この昭和という、文化というものが比類なき輝きを放っていた時代においらも立ち会えたことに唯々感謝でございます。しかも戦後であることに更なる感謝です。そして、一年前に97歳で亡くなった母に、引き揚げの中、困難の中、流産することもなく無事産んでくれた奇跡に、これまた感謝です。残り少ない人生、世のため人のために生きんとおっかさんに怒られますばい...

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赤く染まる富士

2017/02/01
【第916回】

新宿でランチをした後、ちょいと珈琲でもという時に立ち寄るのがDUGである。日毎少なくなっていくJAZZ喫茶の中でも老舗のお店である。心地よい音が流れるなか、歴史を感じさせるアンティークな椅子、テーブル、そして調度品に囲まれながらの一杯は、まさしく至福のひとときである。オーナの中平穂積氏は写真家でもあり、店内にはマイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンクなどそうそうたるメンバーを撮影した写真が飾ってあります。思えば、おいらが50年前に通い出したのがDUGの前身DIG、アルタの裏にあるロールキャベツの店「アカシア」のビルの3階に頻繁に出没してました。私語禁止、唯ひたすらLPレコードから流れてくる情念音に耳を傾け、読書に耽る日々でした。オーナーの拘りで珈琲もなかなかの味でした。あの時代とJAZZがマッチしたスリリングな場所でもありました。おいらも将来はJAZZ喫茶をやるんだと勝手に思い込み、なけなしのお金を捻出しながら、せっせとLPレコードを買い集めていました。
あれから半世紀も経っちゃいました...おいらもいろんなこと体験してきたが、変わらないのは今日もこうやってJAZZ喫茶店をこよなく愛していることです。何事にも拘ることが刻々と減少している昨今、JAZZというジャンルを溺愛するおっさんたちが商売を度外視してやり続けてることに男の美学を感じますな...

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新宿JAZZ老舗 DUG

2017/01/30
【第915回】

運転免許の更新、本日無事、新宿都庁の運転免許更新センターで済ませてきました...昨年、高齢者講習会の案内が来ました。おいらもとうとう高齢者(何度も言いますけど、おいらは肉体も精神も感性も20代だと自負しておりまして、甚だ遺憾でございます)になっちまっただ...よく読んでみると、車の運転実習もあると書いてある。おいら、考えてみれば20年以上車のハンドル握っておりません。しかもAT車なんぞは慣れておりません...いやはや、海外で逆走したことや、一時間運転してると眠くなることなんぞが頭を過ぎります。横の教習所のおっさんに手厳しく「もう一度、教習所で実習してからでないと駄目ですね...」なんて言われるのも癪だし、この際、世間では高齢者による事故の多発が報じられてるし、免許証返上しようかな?なんて考えたのであるが、おいらの性分としては、こんな時にしか車を運転する機会がないんだし、どんなもんだか楽しんでみましょう!なんてポジティブシンキングになっちゃうんですな...武蔵境の教習所に行くと12人の講習者が集まってました。まずは1時間の講義、やたら高齢者の事故が増えてることを強調しまして、なんだか免許証返上を暗に臭わせてる感じがいたしました。2時間目は適性検査、模擬の運転台に座って画面に出てくる歩行者、自転車に対してブレーキ踏んだり、アクセルを操作したり、俊敏性のテスト。おいらは間違い無しのパーフェクト、お隣の2人の画面をちらと見ますと3個、4個のバッテンが付いとりました。ほらほら、おいらは20代と言いましたでしょう...さて、いよいよ3時間目は車の運転、3人が同時に乗り、おいらは2番目。これが良かったんですな...最初のおっちゃんが教習員に聞かれました「どのくらいの頻度で乗ってますか?」「1年くらい乗ってません。」おいらも、この答えで行こうと決めました。「20数年乗ってません...」なんて言おうものなら教習所通いで何万円ものお金を提供しなければなりません事よ。いよいよ、おいらが運転することになりました。車庫入れが?なんて不安が過ぎりましたが、機に敏なるおいらのこと、信号の見落としが1個ありましたがなんなくパスいたしました。
でも、調子こいてハンドル手にすると、おいらのスピード狂が昂じて抜きつ抜かれてのレースとなり、穏やかなおいらの顔も般若の形相になった経験もあることだし、今日頂いた免許証も引き出しにしまっておきますがな...そして、又いつの日かハンドルを手にして、スペインのコスタ・デル・ソルの海岸を疾走する姿を夢見ながら...

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一月の空

2017/01/27
【第914回】

連日寒い日が続いています...この時期、家から眺める裸木、散歩中に目にする裸木がとっても好きです。無駄なモノを削ぎ落とし屹立した姿に感動すら覚えます...春夏秋、様々な人生を過ごしている人達に、いろんな彩りを添えながら、しばしの安息を与えるが如く何気なく咲かせてる花、葉にどれだけ助けられてることか...この世の中に樹木が皆無になった地球を想像しただけで、空恐ろしい気がします。野に咲く何気ない草、小花から何百年も生き続けている大木に至るまで、おいらはこれらの植物と共に共生していることに間違いはありません...裸木の微妙な枝振りを観ながら、情念を押し殺し舞い踊る暗黒舞踏を想像したり、小枝が春に備えて蕾が微かに膨らむ様を見て生命の不思議を感じたり、身繕いしないで勝負している姿に古武士と対峙し、ふと緊張したり、裸木はいろんな表情でおいらに語りかけてきます。
おいおいトランプさん、カードを出すのが早すぎませんか...ちょいと一息ついて、ホワイトハウスの黙して語らない自然体で立ち続ける裸木を静かに観ておくれ...お金のことしか考えていない人種は困ったもんでございます。

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踊る裸木

2017/01/25
【第913回】

山下澄人著「しんせかい」を読み終えた夜に芥川賞が決まった...19歳の作者が、あの倉本聰さんが主宰する、北海道の富良野塾で2年間過ごした30年前の出来事を冷徹な目で捉えた作品である。倉本聰さんのことを「先生」と呼び、住んでた町を「谷」と何度も復唱しながら、自分探しを小説という形で表現した不思議な物語である。作者は目の前にする事実をフィクションに立ち上げたいのだが、上手く言葉にすることが出来ない。その微妙な息遣いがまるで戯曲を読んでるように、こちらの想像力を喚起させてくれる...そこで、作者は過去の自分を思い出そうとするのだが、その過去もどこか曖昧で不確かで答えを出すことが出来ない。それをまるで、その場にいる空気感で言葉にしているところが新鮮だ。作者は22年前の阪神淡路大震災に遭遇し、東日本大震災の事実を目の当たりにして人の生き死にある感慨を抱きつつ、こんな小説を書きたかったのではなかろうか...「先生」と「谷」との間に過ごした時間と居住まいが淡々としながらも内なるマグマがメラメラと感じさせる新しい小説の誕生かも知れない。
なんと言っても、おいらが気にいったのは良くある青春ドラマでも無く、上昇志向皆無の佇まいがほんまによかですばい!己の中にしか「先生」神は存在しないのです...

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裸木と夕陽

2017/01/19
【第912回】

いよいよ明日トランプ登場...これからの世界は何となく第二次世界大戦前の状況に似てはいないだろうか?この期に及んで、世界のあちこちでポピュリズムが台頭し不穏な様相を呈している。トランプには政治的理想、理念が皆無で、集団的熱狂を煽り立て、理性的な議論よりも情念や感情を重視する演説に終始している。あのヒトラーに相通ずるモノがある。アメリカだけではなく、この傾向が世界に蔓延しているのが恐いですな。壁を造り、自国の利益のみを志向する指導者が増えていけば第三次世界大戦も起こりかねない情勢です...そんななか、アメリカの名女優メルリストリープのスピーチは、さすがだと思いました。

この国で最も敬われる地位に就こうとしている人が、障害を持つ記者の物真似をした時のことです。その人物は、真似された記者よりも遥かに強い特権と権力を持っています。それを見たとき、私の心は折れそうになりました。今でも頭から払いのけることができません。なぜならそれは映画の中ではなく、現実の出来事だったからです。
権力を持つ公人がこのような侮辱的パフォーマンスをすることは、人々の生活に影響を及ぼし、また、人々に「自分も同じことをしていいのだ」という認識を植え付けてしまいます。軽蔑は軽蔑を招き、暴力は暴力を煽ります。権力ある者がその力を弱い者イジメのために使ったなら、私たちは皆負けてしまいます。
これはメディアにおいても言えることです

仕事が無くなるかも知れないのに、ここまでトランプ批判発言を堂々とやってのけるアメリカはさすがです。おいらが好きなレディー・ガガも公然とトランプ批判をしています。その点、日本の芸人さんはなんとなく事なかれ主義のところに安住しとりますな。ほんなごつぼけっーとしてたら、この国の若者も戦場に行かねばならない状況がひたひたと押し寄せて来てるのに、今日もあんちゃんねえちゃん呑気にスマホぴこぴこやっとりますし、おっちゃんたちは焼き鳥食べながらたわいもない話で盛り上がってますがな...

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裸木2

2017/01/18
【第911回】

昨日、渋谷に芝居を観に行ったのだが入場料¥10000...芝居の内容はさておいて、おいらの感覚からするとちょいと高くありませんか?この世の中、庶民の皆様が一生懸命働いて一日¥10000なんて言う数字が平均ではなかろうか...一日働いて得たお金が二時間の観劇と等価かどうかは個人差があるにしても、こうやって芝居を創ってるおいらとしては、とてもじゃないけど心苦しく思いますな。こんな高いお金取ってまで芝居創らないかんのかいな...トム・プロジェクトは23年間90本ほどの作品を企画制作してきましたが¥5000以上のお金を頂いたことはありません。消費税が上がったときも、税理士さんに言われました。「上がった分、チケット代に加算していかないと大変なことになりますよ...」そりゃそうだ!経済原理からしても至極当然なことであるし、経営者として当然やるべきだと思うのだが、そんなお金掛けてまで芝居を創る必要があるのか?と、思ってしまいます。限られたお金の中で創意工夫しながら良質な作品が創れるはずだし、それを成し得るのが優れた企画制作者ではなかろうか...人間の叡智は果てしない無限の可能性を秘めているし、それを信じたいと思います。高いチケット代を設定しないと演劇やれなくなったら、おいら足を洗います。観る側も創る側も、無理なく劇場に足を運べる環境で継続できることをモットーに今日もあれこれ思いを馳せておりますばい...

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裸木

2017/01/16
【第910回】

先週の土曜日、下北沢の本多劇場に木の実ナナさんのコンサートに行ってきました。一昨年のトム・プロジェクト「南阿佐ヶ谷の母」の沖縄公演で、大腿部を骨折しながら車椅子で公演を続けたナナさん、その後を心配していたんですが見事な公演でした。2時間休憩無しで歌い弾み、骨折の後遺症を感じさせない復活振りでした。70歳になるのに美脚と笑顔はまさしくショーガールそのもの、55年のキャリアをまざまざと魅せつけてくれました。芸人のしたたかさ、ど根性は半端じゃございませんな...そして、なによりも歌が大好きなことが身体全身から溢れ出ています。美空ひばり、石原裕次郎、越路吹雪さんたちの歌を尊敬しながら愛をこめて歌う姿に、聴き手も思わずうっとりとしてしまう立ち姿に拍手。様々な環境の中から身につけた庶民の哀感を、己の懐にしっかりとしまい込み熟成させ肉体を駆使しながらお客に伝える芸人は、やはり選ばれし民だと思いますな。努力したから出来るモノではございません。人生の諸々を享受する受信器と、人に伝える発信器が優れてないと駄目なんです。だからして、この世の中の若者に言いたい!舞台に立って台詞喋ったり、騒音まがいの歌を歌ったり、汗かきながら狂喜乱舞したから役者じゃありませんことよ...己の限界を早期に気づき、違った人生に軌道修正することも、勿論有りですよ。だって、生きる楽しみ、それこそ十人十色、自分探しにも繋がる大冒険の旅ですぞなもし...

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元気になったナナさん

2017/01/13
【第909回】

今年のトム・プロジェクト最初の作品「萩咲く頃に」がスタートしました。2014年に創った作品です。東日本大震災から3年目、この事実に向き合えるにはそれなりの時間がかかり、なんとか舞台に出来たと言うのが正直なところです。水俣、震災、戦争などなどテーマは重いけど、誰かが声をあげないとなし崩し的社会の流れで人の記憶から薄れていくのが、おいらはどうしても容認できまっせん。芝居も興行ですから、楽しく面白く日々の辛さから逃れられる作品が好まれるのも重々承知の上のことでございます。そんなおいらの思いに共感してくれるスタッフ、キャストの皆さんには本当に感謝しています。志を共有できる芝居仲間がいる限り、まだまだ芝居創ってみようかなと思っていま...本音を言うと、この日本のあらゆるシステムについて呆れ絶望してます。そんな社会に見切りを付けて、おいら歳も歳だし晴耕雨読なんて生活もいいんだが、心身ともに青年だもんで(と勝手に粋がって勘違いしてるかもしれませんことよ)ついつい内なるカルマが頭をもたげ、このまま傍観者でいてたまるか!なんてことになっちゃうんですな...

「萩咲く頃に」1月10日に横浜でスタートしました。5人のキャストのチームワークがすこぶるよく初演に比べてレベルアップしていました。終演後、音無美紀子さんの旦那様、村井國夫さん共々初日の乾杯を、みなとみらいの夜景を眺めながら乾杯しました。2月一杯、中部、北陸を巡業し、3月の下旬に東京公演。今年も、こうやって無事にスタートできたことに唯々感謝です。まだまだ芝居の神さんトム・プロジェクトを見捨てておらんですな...ありがたいことでございます。

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みなとみらいの観覧車

2017/01/10
【第908回】

辺見庸「1☆9☆3☆7」、佐野眞一「唐牛伝」、鳥居歌集「キリンの子」を読了...先ずは辺見庸の圧倒的かつ濃厚な380ページにわたる文体に、彼の遺書めいたものを感じる。1937年に起きた南京大虐殺を軸に、当時戦地にいた父が中国人を殺めたに違いないと言う思いから、当時軍に協力した作家、映画人を次から次にぶった切り。辺見庸の意図は、この国の民がいつも時流に身を任せ狡く立ち回る姿に寛容になれないし、これを今尚引きずっていくこの国の姿に楔を打ち込みたかったに違いない。

「唐牛伝」大阪前市長橋下徹の件で3年ばかり休筆を余儀なくされた筆者の最新作。60年安保当時、全学連委員長だった唐牛健太郎の足跡を地道に取材して、この時代の匂いを醸し出している。おいらは、70年代の全共闘世代であるのだが、共通して言えることは学生運動が持つ純粋性と組織が持たざるを得ない矛盾。結局は巨大なる権力の壁はあまりにも厚く敗北を余儀なくされるのだが、この本に登場する学生運動の闘志の中にも、その後組織に属さず自らの信念を貫き生きた人達を、いろんな人の証言に基づいて丹念に描き出している。その中でも唐牛健太郎は、居酒屋店主、漁師など様ざまな職業を経験しながら、日本列島を北から南へと漂流したデラシネ人生。おいらも似たような人生なので共感できますな...妾の子として生まれた唐牛の女性に対する接し方が愛おしい。

「キリンの子」の著者は母が小学5年の時に目の前で自殺、 養護施設で虐待、中学の同級生の自殺にも遭遇。壮絶な人生のなかで31文字の短歌に目覚め、類い希なる感性で多くの作品を生み出した。頭でっかちで創られた言葉の遊びがぶっ飛んでしまう真に迫るモノがあります。改めて言葉の持つチカラ、魔力、魅力、精霊を感じます。己の言葉を見いだせば人は蘇生し他者にも生きる事の意義を伝えることを出来るお手本みたいな歌集です。

おいらは今年も、あらゆるジャンルの本を読みながら、己の言葉探しの旅を続けたいと思ってます...自宅では好きなジャズを聴き、ちょいとシェリーで喉の渇きを潤いさせながらの読書タイムは至福の時間でございます。

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新春のスカイツリー

2017/01/04
【第907回】

あけましておめでとうございます。

今年も始まりましたな...でも、最近は正月気分も元旦ぐらいで2日からは社会も動きだし、日常感覚に染まってしまいます。普段と違うところは青い空に空気が綺麗なこと。これは大切なことと言うより、普段の汚染した風景はお金と欲望を追い求めすぎて自然の恵みを忘れてしまった代償ですな。もうええやんか...原発も含め利便性の追求をお休みして、のんびり散歩しながら近場の生き物の気配を楽しむ生活ににチェンジしませんか?といっても、日本も含め世界の政治家、企業家は声高にやれ行け!それ行け!と民衆を煽り、不安にさせとります。そこでだ...今年から己の思考、行動手法を見直し自立の道筋を考えてみませんか?ほんまに、政治も行政も企業も市井の人達のことなんかこれっぽっちも考えておりませんことよ。そこに気づかん限り世界はアウトですわ...とまあ、年頭から背筋シャキッとしながらもボチボチいきますわ。

今年もよろしくお願いします。


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大宮八幡宮 元旦

2016/12/26
【第906回】

先週の23日、トム・プロジェクトスタッフと、トム☆トム倶楽部の会員の皆さんと忘年会をやりました。会場は新宿の中華レストランの3階を貸し切っての3時間の大宴会。芝居の興行は、お客様あっての生業でございます。貴重な時間とお金を払って、どんな出し物か分からないのに来て頂くんですからほんまにお客様は神様でございます。ましてや、年間会員になって一年に最低3本は見て貰ってるんですから神神様ですな...一人一言の挨拶の中でもトムの芝居に対する愛情がひしひしと伝わって嬉しい限りです。今年は「砦」「風間杜夫ひとり芝居~正義の味方」「百枚めの写真」「静かな海へ~MINAMATA」「挽歌」5本上演しました。振り返ってみれば5作品に共通してることは、この混迷の時代に世界が喘ぎ呻吟している、平和、環境、家族に関する諸々のテーマが盛り込まれてることである。何も、演劇で世の中を変えるなんて大それたことを考えてる訳じゃないんだが、この垂れ流し見て見ぬ振り状態の国に微力ながら楔を打ちこみたい...己が出来る範囲で声あげんとえらいことになりまっせ!とまあ、一年を総括しながら来年に向けて更なる展開を考えては居るんですが、なかなか読めない世界のとっちらかりにはどんな術策を労すればいいのか?ほんまに心身休まる暇がありませんことよ。そんなことをちらちら考えながらの忘年会、所属俳優のお笑い漫才対決があったり、じゃんけんによる景品獲得ゲームがあったりで無事楽しく終えることが出来ました。今年も残すところ、あと5日でございます。皆さん穏やかな年末、年始をお過ごしくださいね...一年間、おいらの戯れ言にお付き合いくださってありがとうございます。新年は、心新たに4日から夢を吐き続けたいと思っています。

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年の瀬、新宿の夜景

2016/12/21
【第905回】

昨日、神奈川県「杜のホールはしもと」で満員のお客の中で「挽歌」最後の公演を観てきました。11月18日の茅野市民会館の初日から一ヶ月ちょいの長丁場、24ステージ目でした。いつも思うのだが、全国をハードなスケジュールで駆け巡り、事故もなく無事終えることが出来るのは、当たり前に見えながら、実は本当に奇跡に近いことなのです。キャスト・スタッフが病に伏したら、移動中、本番での事故が起きれば即公演中止になることだって十分に考えられるのだが、何事もなく千秋楽を迎えることが出来たことは、この芝居に関わったすべての人に唯々感謝です。おいらは、いつも己の驕りを捨て、森羅万象全てのものに己が生かされてることに感謝しながら日々過ごそうと心掛けています。感謝の気持ちがあれば、いろんな人達、モノが自ずから手を差し伸べて物事が円滑にいくように手助けしてくれます。非難されても、罵倒されても、どつかれても、感謝?そりゃ、おいらだって普通の人間でございます...くそ、この野郎何様だと思ってんだ!と、怒り心頭に発することもございます。ここが勝負の分かれ目なんです、喉元から飛び出しそうな怒りの情念をぐいっと引き戻しおへその下にある丹田に収めるんでございます。丹田とは、気を集めて練る事により、内丹を作り出すための体の部位で気が集まる場所です。丹とは、気エネルギーが蓄積され赤く輝く状態を指し、田とは、その エネルギーを貯める器を指します。おいら、これを知ったのは若い頃、極真空手をやってるときでした。疲れたときの息吹という呼気運動があり、邪気を思い切り吐ききり新しい気を丹田に収めると瞬時にして疲れた身体を蘇生させてくれるんでござんすよ。これを知ってからのおいらは、マイナスの感情(怒り、嫉妬、恨み、怨嗟、憎悪、自棄、破壊衝動など)が噴出しそうになったら丹田に収め、平常心を保つようにしておるんでござんす。そして、いろんな人がいるんだなとお勉強の見本にさせて頂いています。いろんなお人がいるんでこの世の中バランスがとれ面白いんじゃありませんかな...とまあ、能書きはさておいて今年の全公演無事終えることが出来ました。おいらにもご褒美せなあかんと思い夜遅く好きなジャズ聴きながら大好きなスペインワインで乾杯しましたことよ。¡Salud!

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オフィスビルでもクリスマス

2016/12/19
【第904回】

土曜日の京王線の車内での出来事は...おいらはかなり空いてた車両の優先席に座っていました。隣には品のいいおばあちゃん、年季の入った文庫本を読んでいました。おばあちゃんの横のドア付近で30歳前後の若いお母さんが、なにやらごそごそしています。そばには3、4歳ぐらいの男の子がぐずっています。おばあちゃんめざとくその様子を感じ取りながら、バッグの中からポリ袋を取りだし、若いお母さんに渡しました。そして自ら立ち上がり他の乗客に見えないように子供を囲みながら「大丈夫...大丈夫...」と声を掛けていました。おいらも、覗き込むわけにもいかず、どうしたんだろうと思っていたんですが、新宿の駅に着き判明しました。どうやら子供がおしっこを我慢できずに出してしまったんですね。品のいいおばあちゃんの優しさ溢れた手助けに若いママは本当に感謝しとりました。こんな光景を見るたびに、人の優しさがどれほど周りを温かくし、人間って手を差しのばせばいろんな事にまだまだ希望が見えるんだなと思いました。

日本とロシアの領土交渉...プーチンが一枚も二枚も上手ですわ。秘密警察出身の経済マフィアの男とアベちゃんでは格が違いますな。あの何を考えてるか分からない鉄面皮顔で睨み付けられたら領土返して下さいな!なんて言えまっせん。お金だけ湯水のごとく出させて、「ありがとさんアベちゃん、あんたはほんまにええ男や...」なんてあべこべにならんといてや...あの鈴木宗男のおっさんもなんだか嬉しそうな顔してアベちゃんをヨイショしてるんだが、おめでたいおっさんやな...一時は泣きながら国を憂う政治家として己の無罪を主張してたおっさんの出番なんだが、あまり調子こいてると又、どつかれますからほどほどにしときや...世界は混沌、一寸先は闇でございます。

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街はクリスマス一色

2016/12/16
【第903回】

「挽歌」旅公演中ながら、来年1月10日から始まる「萩咲く頃に」の稽古が始まりました。この公演は2014年に創った作品です。「挽歌」と同じく、東日本大震災に関わる作品です。作・演出のふたくちつよしさんは日常を淡々と描く、さしずめ演劇界の小津安二郎というべき作家ではなかろうか...おいらは、地味ながら人間の機微を細かく優しく語りかけてくれるふたくち節は好きですね。そして何よりも音無美紀子さん、大和田獏さんはじめ若手3人のチームワークが抜群です。この芝居は、地震を通じて壊れかけた家族が再生する話ですからキャストの信頼感は、すなわち芝居の仕上がりにも影響してきます。稽古始めの本読み、おいらも初演よりも更にグレードアップした作品になることを確信しました。

それにしてもだ!沖縄本島沖の海上で12月13日夜、アメリカ軍海兵隊の輸送機オスプレイが海上に墜落、不時着した事故を受け、在沖縄海兵隊トップが「感謝されるべきだ」と発言したと報じられた。住民に被害が出なかったから...なんじゃい!これがアメリカの常識だ。沖縄からアメリカ基地がなくなることはないだろうし、政府も儀礼上の抗議アピールをしたに過ぎない。この沖縄の置かれた立場どうすりゃいいんだ...結論から言えば、おいらも含めて日本の国民はみな狡いとしかいいようがない。残念ながらどうにも出来ないんだから...翻って言えば先の大戦も、東日本大震災の原発事故も、政治が停滞しているのも、この国の人達の怠慢と諦めと保全、すなわち狡さの結果だと思う。やはり、この国に住んでいる以上声をあげなきゃ駄目だと思う。今の国会の惨状目に余るものがある。なんでんかんでん多数の力を借りての強行採決の日々...これも国民が選挙で選んだ結果、しかも半数近くの人達が棄権。にんまりほくそ笑むのは政治家、大企業の資産家ですぞ...どうにかせんと、どげんもならんですばい!

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新宿南口イルミネーション

2016/12/14
【第902回】

今日もシリアの虐殺、世界各国のテロの報道、世界の平和はいつになったら来るんだろうか...おいらは、いつになっても来ることは無いだろうと思っています。人間のあくなき欲望は尽きることがありません。お金、権力を手にしたものはそれを守ろうとします。それに対する人達が必ず出現し争いになります。それにしても殺戮までにいたる人の心の崩壊に心が痛みます。おいらも沢山の芝居を創ってきましたが、この過程の中でも小さな争いはつきものです。そんな時は、争いをこちらが降りれば全面戦争には至らないはずです。こんな大変な世界の状況のなか、日本での生き方は、単なる比較では判断できない面もありますが、随分恵まれてる環境だと思います。がしかし、感謝の気持ちも持てず、自分の正義?もしくは感情で我を貫き通す人がいるのも事実です。そんな時、おいらはいつも思います。相手に指さし責めるのではなく、己に指を向け、おいらまだまだ勉強せねばと...悪しき感情に留まってると悪魔がすり寄ってきますぞ!くわばらくわばら...

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もうすぐ新年だにゃ~

2016/12/12
【第901回】

この季節「枯葉」をよく聴きます...「枯葉」と言えばシャンソンなんですが、おいらはジャズで聴きます。キャノンボール・アダレイのサックス、ビル・エヴァンスのピアノ、若いところでニッキー・パロット。この名曲をこれらの名手が様々なアレンジをしながら演奏してるのがたまらんですばい。先日も枯葉で広場の一面を、まるでクレーが描く作品にしてしまった公園を散歩しながら、思わず枯葉を口ずさんでしまいました。そのときそのときの気分でピアノ風になったりサックス風になったり、その瞬間は枯葉を舞台にしたおいらのひとり芝居です。自然がお膳立てしてくれた至福に時間に感謝です。

今日12月12日は漢字の日らしいです。「1(いい)2(じ)1(いち)2(じ)」=「いい字1字」の語呂合わせです。漢字は、おいら大好きです。この歴史と意義深い文字は本当に深いです。筆で遊んでいるうちに漢字が絵になっちゃう面白さをいつの頃からか味をしめ、いまでもひとり遊びをしています。ちょいとした遊び心で、世界は果てしなく広がっていきます。お金もかからんし、今時高いお金払ってスマホいじってる人達に教えてあげたいですな。遊び心と想像力、これが創造の両翼ですぞ皆の衆。

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枯葉

2016/12/09
【第900回】

昨日、亀戸文化センターに「挽歌」を観に行ってきました...芝居は見違えるほど進化しています。役者の情動が激しく交錯し、よりドラマチックになっていました。俳優の貪欲な表現への拘りが芝居を立体的に構築していくことを改めて感じた次第です。

終演後、楽屋に行こうとして劇場の通路を歩いていると、一人のご婦人がハンカチで顔を覆い咽び泣きをしていたので、おいら声を掛けました。すると65歳くらいのご婦人一言「帰りたい...」おいらすかさず「福島の方ですか?」と問いかけると「浪江町...」ぽつり答えてくれました。おいら、もうそれ以上話しかけることが出来ませんでした。江東区は福島からの避難民を沢山引き受けています。多分、区の広報を通じ今回の芝居を観劇したに違いありません。この芝居は、大熊町から同じ福島県の会津若松に避難してきた人達の、故郷に対する愛着を描いたものです。このご婦人が、大熊町と浪江町がダブったのは至極当然だったと思います。平成28年11月10日現在、全国の避難者等の数は、約13万4千人、全国47都道府県、1,102の市区町村に避難生活を余儀なくされています。

おいらは又しても声を大にして言いたい。オリンピック処じゃないだろう!今年起きた熊本地震後の被災地もままならないことも含めて、もっとメディアは現状を把握し報道しろってわけだ。韓国の大統領のスキャンダルばかりおもしろおかしく報道し、肝心の被災者のことは過去だと言わんばかりの、この国の在り方に異議申し立てをしたい。

そして、鹿児島の川内原発の再稼働、原発再稼働反対で当選した三反園知事あんたはなんじゃい!人は権力を手にすると簡単に寝返る良い見本です。原発の輸出、再稼働の動き、カジノ、この国は知らぬうちに汚染に塗れたしまりのない列島になりますぞ...

今も、昨日の劇場のご婦人の悲しみ、悔しさをこらえながら涙する顔を忘れることが出来ません。

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夜空と紅葉

 

2016/12/07
【第899回】

本日、所用でふらり上野に行きました...上野は東北の人達の心の故郷です。東北からの集団就職、出稼ぎに上京したときの終着駅です。夢破れ故郷に帰るときの出発駅でもあります。おいらは九州博多の出身だから、あまり上野は馴染みが薄かったのだが、美術館、アメ横なんかに来たときに、上野独特の雰囲気になんだかほっとした気分にさせられました。どこがって?そりゃ、とっても田舎くさくて気取りがないので、安心して心身を解放されます。この地で気取ってると、浮いてしまっておのずからはじき飛ばされてしまいます。この地でお洒落してる人達は、お洒落を通り越して奇抜奇天烈なファッションが多いですな...昔、映画でもあったな、俺は田舎のプレスリーみたいな感じかな。なかなか個性溢れて面白い人達を見ることが出来る...あと、上野動物園にもよく来ましたな。若い頃、芝居やってるときに役作りに悩んでるときにヒントになるのが動物たちの一挙手一投足でございました。それはそれは、動物たちの表情は見事なものでした。暫し見つめ合っているうちに表現がなんたるものか?俳優養成所の小難しい理論をぶつ先生よりも、遙かに優れた教師でございました。

東京の都市も大きく変貌はしているものの、ここ上野はそれほどの変質もなく、昔の良き下町の拠点としての佇まいを残し続けて欲しいもんだと思った次第です。

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上野の西郷さん

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不忍池

2016/12/05
【第898回】

昨日で「挽歌」東京公演無事終了しました...今回の6ステージのうち5ステージを観たのだが、全て違うところが、さすがライブでございます。同じ事は決して出来ません。舞台の上は表現者にとって戦場であり、宝を探し出す宝庫でもあり、時には己の貧しさを指摘され奈落の底に突き落とされる非情の場でもあります...そんなこんなを思いながら、日々見続けることは大変スリリングなひとときです。

先日、著名な評論家A氏から芝居の感想文が送られてきました。

 

昨日(12月1日マチネー)の「挽歌」は素晴らしい作品でした。私は夢幻能を連想しました。林四郎(高橋長英)がシテ、他の人々はワキです。夢幻能ではシテは死者なので、事件の証人として最後の語り部になりますが、同時に現在の時間には決して関わってくることがありません。ところが「挽歌」ではシテは死者と生者の両方の役割を担って、この矛盾を鮮やかに解決しています。まことに驚嘆いたしました。

 

いやはや、演劇は見る人の視点でいろんな思いを想像させるんですね。これが芝居の面白いところです。軽佻浮薄な作りもんに夢中にならないで、たまには劇場に足を運び、己の想像力が錆び付いていないかどうか点検してみてはいかがかな...

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新手の宣伝(本日新宿にて)

2016/12/02
【第897回】

「挽歌」東京公演2ステージが終了しました...おいらが最初に観劇した長野県茅野市での公演から格段に良くなっていることは確かだ。まさしく芝居は生き物である、誕生した作品が観客の目に晒されることにより、俳優を多くのことに気づき新たな発見をする。だから役者は止められないのである。観客の声に出さない息遣いを微かに感じながら、表現の奥深さにわななき震え、さらなる表現の高見を目指す。俺は今、舞台で生きてるんだ!こりゃたまりませんばい...こうやって魔物の世界に魅せられ人生を棒に振る人も出る恐ろしい世界でございます。その修羅の世界を見たくてお金と時間を労してお客様はやってくる...

今回の芝居は、東日本大震災に被災した福島県大熊町の人達の物語。あの大変な状況にあった人達の悲しみ、思い、希望、不安、絶望をフィクションの世界でどれだけ現実に肉薄し、現況を変えうるエネルギーを生み出し得るか、そこが作品の正否を決める。

芝居がはね、出口に向かうお客の表情を見るのもプロデューサーの大切な仕事。芝居の温度がそのままお客の温度として、こちらに手に取るように分かるのが面白い。さてさて、明日はどうなることやら...芝居はまさしく博打でございます。

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今年もこれが見納めの彩り

2016/11/30
【第896回】

韓国の大統領が遂に辞意を表明しました...先週の土曜日新宿の東口アルタ前の広場で在日韓国の大学生が辞任を求めて集会を開いていました。鳴り物入りの激しい抗議風景に、なんだか熱いものを感じました。あの全共闘世代が日々抗議活動をしていた新宿騒乱が頭を過ぎりました。広場に集まり喧々諤々、右翼も左翼も口角泡を飛ばし時間を忘れ、時の政治の功罪を熱く語り合っていました。ほんまや、一人一人が声を挙げ行動せんとえらいことになっちゃいますがな。国会では多数を占めた政党が、なんやらこんやら強行採決して法案を通しています。つい最近は高齢者にかかる医療費の負担増、年金生活者にも問答無用でございます。おいら前から思ってるんだけど、年金って老後のために積み立てたお金じゃないの?それを収入とみなす考え方自体がおかしくありません?アベちゃん堪忍してや、アベノミクスなんてとっくに崩壊してるのに、日銀のクロちゃんともどもほら吹き大賞あげたいくらいですぞ。鹿児島の川内原発も再稼働に歯止めを掛けられず、オリンピックの会場問題もあのモリちゃんの顔見る度に胡散臭さが拭えませんですな...

傍観者でいると、既得権だけで右往左往してるオッちゃんたちに思うようにされちゃいますがな...新宿東口広場で朴槿恵大統領の写真をパネルにしたボードに、NOのシールを貼ってくれませんかと頼まれたので、朴さんのおでこ辺りにぺったんこしてきました。

896.jpg起て飢えたる者よ...

2016/11/28
【第895回】

我が故郷博多でまたもや陥没...ありゃ、ここは嘗て少年時代過ごしたとこじゃなかですか。新聞に載っとりました。末広通り、明治町通り、人参通り、懐かしか...つい最近までは、博多区博多駅前3丁目なんとかかんとかって味も素っ気もない町名だったんですが、いつの間にか昔の町名が通り名として復活しとりました。その途端に陥没騒ぎが発生し、あちゃ昔の末広町の住民が異議申し立てをしとるんじゃなかろうかと心配しとります。何の異議申し立てじゃろうか?おいらが思うには、あまりにも進化し発展する都市の狂躁に「もうちょつと静かにしてくれんね...」って言うとる気がしますばい。おいらも先日、この辺りをブラキヨシしたんだが、そりゃ昔の面影がないどころか、全く別物の新開地になっとりました。地元の人間と旅行者が楽しそうに博多駅周辺を楽しそうに散策し、それはそれでいいんだが...物も金もない時代で肌擦り合わせて必死に生きてた人間にとっては、肌擦り合わせて生じる人として熱さ、温かさが無くなってきてることに地底から苦言を呈したのではなかろうかと思っとりますばい。戦後の厳しいご時世と現在を比較するのも時代錯誤だとは思いますが、どうか地の底に眠っている有象無象の魂の叫びにも少しは耳を傾けてくれてもよかろうもん...と思います。無視すると、又、腹かいて地底から突き上げくらいますけん、よーく考えてくださいな博多の皆の衆。

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博多駅前陥没現場

2016/11/24
【第894回】

紅葉と初雪...自然の神さんも粋な計らいでございますね。しかも54年振りというもんですから、これは何かありますぞ...脅かしではなく、つい先日の地震も含めて、忘却の民に対する重大な警告です。トランプの出現も含めて、この時代の大きな転換点を肝に銘じて考えを変えないとえらいことになっちゃいます。

今日も、真っ赤に染め上げた一葉一葉に、薄化粧のごとく降り積もる小雪を眺めながら、風雨に晒されながら、この秋の終わりに、そっと枝から離れる少しの時間の身支度に思えました。華やかな彩りで目を奪い、盛りと共に日々の風の訪れとともにひらひらと散っていく様に、改めて日本の国の民で在ることの喜びと感謝の気持ちが溢れてきました。

何度も、生きてる限り発言し続けたいと思います。利に走り自然を破壊する輩には徹底して闘う所存でございます。

 

うらを見せおもてを見せて散るもみぢ  

               良寛

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紅葉と初雪

2016/11/21
【第893回】

長野県茅野市に行ってきました...いよいよ「挽歌」の幕開きです。初日を迎えた茅野市民会館の建物にまず感動いたしました。茅野駅からの直結で途中に図書館があり、美術館も併設してあり、外観のモダンな中にも温かさがある会館です。信州の山々との風景にも無理なく溶け込み、いっぺんで気にいっちゃいました。聞いてみると、この建物を設計した古谷誠章氏が業績を称えられ、2010年度日本藝術院賞を受賞されたとのこと。劇場内の機構も素晴らしく、芝居が始まる前から期待感高まる雰囲気でございました。

さて、芝居でございます...芝居をプロデューサーの立場で観てるといろんな複雑な心境に駆られるんですよ。先ずは、芝居の出来不出来が全てなんですが、芝居もチームワークが大切、初日を迎えるまでの稽古場での人間関係、スタッフとの相性など、これらがスムーズにいかないと長期にわたる公演に破綻が生じます。この点をしっかりと見極めアドバイスしないと、緻密に創りあげたものがガラガラと崩れ落ちてしまいます。ここんところがプロデューサーの腕の見せ所でございます。簡単に言えば、アメとムチでしょうな...終演後の飲み会での発言も大切です。芝居がはね気持ちよく一杯飲んでるのに、他人の家に土足で上がるような発言はいけませんことよ。そんなかんなで、一見、能天気にも見えがちなおいらも結構神経使ってるんでござんすよ...

まあ、とにかく幕が開きました。12月20日までの千秋楽まで事故もなく無事終えることを祈るのみです。

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あずさ21号車窓からの夕景

2016/11/18
【第892回】

おっと!久しぶりに、おこりんぼう熊嵐おやじが登場しました、いつもは井の頭線高井戸駅ホームで暴れまくっているんだが、今日は浜田山から乗り込んできました。座席に座り、ぼんやりと車窓を流れる紅葉を堪能してたのに...いきなり噛ましました。

「俺、税金払ってるのに...くそ!」と怒鳴りながら1発目のどすん(巨体を振るわせながら四股を踏むんでございます。次ぎに「この野郎、あの野郎...ちくしょう!」2発目のどすん、車内の底板に穴が開くぐらいの剣幕...おいらの足下には、まるで地震が発生したごとく伝わって参ります。思わずにやりと熊嵐の顔を見ると、すかさず「この野郎、何がおかしいんだ!」とおいらを睨みつけました。いやいや、車内で乱闘騒ぎになっちゃ困っちゃう...殴ってきたら伝家の宝刀、極真空手の手刀受けで捌き、すかさず前蹴りで熊嵐のキンタマめがけて一発で倒さねばなりません。おいら変わらず平然とニコニコしてると、熊嵐なにを察知したかは分かりませんが、おいらから視線を外し若い娘さんに矛先を向け「どいつもこいつも俺を馬鹿にしやがって...」馬鹿にしとりませんがな。あんたが勝手に騒いで、他人様に迷惑掛けてるだけでしょうが...娘さん、さすがに恐ろしく隣の車両に移りましたですよ。

それにしても、最近はおかしな人が街に溢れています。このストレス社会のなかで平常心を保ちながら生きていくことが困難になってきています。こんな時代こそ、遊び心を失わず呑気に楽しく過ごさんといけませんばい...

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お見事でございます

2016/11/16
【第891回】

おいらが先に真っ赤っか...私も黄色になっちゃうわ...紅葉戦線ただいま競うように先を急いでいる状況です。その年々の気象条件により微妙な彩りを見せてくれる木々に、唯々感謝し驚いています。特に大都会の排気ガス、エアコンの外気など汚染まみれの中で、よくぞ耐えながら色づく街路樹には頭が下がります。そんな樹木に、おいらは手を添えありがとう!本当は抱きしめてあげたいけれど、そんな姿道行く人が見たならば、間違いなく変態だと思いますがな...新宿御苑では人目を盗んでおいらはやりまっせ!大木はお手々がまわらず妙な気分になっちゃいます。皆さんもやってごらんなさいな...なんでんかんでんチャレンジしなはれ!今まで固定概念でがちがちになっていた心と身体が解放され、ハートに羽が生え心軽やかに大空を飛翔し、見えなかったもの、感じにくかったものが手に入るんでございます...しなやかな精神でいると、向こうから勝手に自由な時間と空間が飛び込んでくること間違いなし!度が過ぎると、しなやかどころか、しなびてきますから要注意...

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紅葉進行中

2016/11/14
【第890回】

伊勢に行って参りました...太陽を神格化した天照大御神を祀る内宮と、衣食住の守り神である豊受大神宮を祀る外宮を要する神さんが宿る聖地。いやいや鬱蒼と茂る木々は皆神木でございます。一歩足を踏み入れると、精霊なる空気が支配し、なよっとした心身が一瞬にしてしゃきっとしますがな...おいらも世界のあっちゃこっちゃ宗教に纏わる聖地に行きましたけど、こんなにしゃきっとしたのはお伊勢さんだけですがな。さすがに日本の神さんは違いますな!キリスト、イスラムいろいろ神さんありますけんど、この伊勢はまさしく自然と共生しながら神さんがいるんだなということを実感させてくれはるところどっせ!要は世界が開かれ解放されたところに神さんが宿るってことを証明しとります...巨大な神木はおいらにいろんな事を語りかけてきます。おいらもそれを受け取り一晩酒を飲みながら思考し甘受いたします。そのときのアルコールは清浄剤としての役割を果たしているんじゃないかしら?と思うくらいの酔い心地なんですな。昔の人が生きてる間に一度でいいからお伊勢参りをして死にたい!なんて気持ちがよく分かります。それも何日も歩いてやってきたんですから、そりゃ大変なことでございました。それに比べると東京から約3時間で来れるんですからありがたや!
でも、この内宮、外宮以外はなんだか静かなというより活気が無い街ですな...外宮の近くに古い民家を改築したライブハウスがあったので、ちょいとふらりと入り素敵なママさんと話をしたんですが、この伊勢市の役所の方々頭が固くて文化的なところにあまり興味を示さないそうな...どこも同じやな。生きてるうちにどげんかせんと何も変わらんし、つまらん人生に終わってしまうがな...いいものは守れ!つまらんもんはぶち壊せ!己の中に革命をおこさん限りなんも変わらんのじゃ!と、伊勢の神さんが言うとりました...

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内宮 正門

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外宮

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神木

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ライブハウス

2016/11/11
【第889回】

トランプ新大統領誕生...世界は、もはや収拾のつかない状態になっとりますね。アメリカの民主主義自体が白日の下に晒された気がします。だって、平和を唱えながら核を持ち世界各国に武器を輸出し世界のお巡りさんを演じるアメリカってまさしく矛盾そのものです。平和すらアメリカ帝国主義の商品に感じてしまいます。既得権で動いている政治、行政に市井の人達がNOを示した選挙ではなかろうか...それにしても選挙後のトランプの態度、途端に優等生になっちゃってこの人おもろいな。この人ははったりかまし、三文役者と思いきやなかなかの演技力でしたな。それに騙されるアメリカ国民もたいしたことありませんな...アメリカの著名なアーチストのほとんどがクリントンの支持を表明したにも拘わらず、負けたのは余程クリントンは嫌われ者だったんですね。エリートコースまっしぐらの人生に、冷水をぶっかけたかったのでしょうね。そう、上手くいかないよ!女性初の大統領になって、既成の路線で国が変わるわけないでしょう!何か変えて欲しい...輝かしいアメリカもいまやどんづまり状態、もしやトランプで大変革が起こるかも知れない?

おいらの予測は悲観的なもので、そうは問屋が卸さない世界の状況です。打開策は、世界でいちばん貧しい大統領ホセ・ムヒカが講演で語った世界を変える4つの教訓を実行するしか手はありませんな。

1,消費主義に支配されるな

2,歩き続けよ

3,同じ志を持つ仲間を見つけて闘争せよ

4,自分の利己主義を抑えよ

世界の皆の衆、はたして実行できるかな?

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紅葉中半

2016/11/09
【第888回】

今日は寒いわ...一日一日、秋らしくなってきました。季節も出番を今か今かと待ち構えてるもんです。昨今は天候不順で、なんだか春さんと秋くんが寂しそうな顔してますね...性別で言うと、何となく春が女性で秋が男性みたいに感じません?春の爽やかさと、秋の男の背中の寂寥感から、おいらの独断と偏見で決めました。その点、夏と冬は両性具有かな?なんだか男と女を行ったり来たりしてる感じがしますがな。そのせいか世の中もユニセックスで溢れております...それにしても、日本の四季は本当に美しい。世界で一番の豊富な季節を持ち得た贅沢な国でございます。本当に感謝せねば罰があたりますぞ...なのになのに、森林はばっさり、田畑はマンション、海は埋め立て、道路はすべてアスファルト、大気汚染などなどお金のため利便性のために破壊しまくってます...深まりゆく秋の風景を嗜みながら、あらためて自然の大切さに感謝したいものです...

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紅葉半ば

2016/11/07
【第887回】

先週の週末もバタバタの日でした...土曜日は福間健二さんの5作目の映画「秋の理由」を観てきました。福間さんとの付き合いも40年近くなるかな...今は亡き博多の中村兄弟が出版していた同人誌「鷽」(うそ)においらと同じく一文を投稿していた健二さん。中村兄弟の拘りが色濃く出ていた雑誌でありました。好きになると徹底的に掲載し、嫌いなやつはそれはそれは人間ではないくらい罵倒しとりました。おいらも福間さんも気に入って頂き好きな文章最後まで掲載して貰いました。その後、福間健二、恵子さんが発刊した「ジライヤ」にもおいらのエッセイを最後まで掲載してくれた。健二さんは現代イギリス詩の研究者でもあり、萩原朔太郎賞と藤村記念歴程賞をW受賞した詩人でもある。今回の映画も詩人らしき映像である。音楽に頼ることなく、シンプルな台詞のやりとりと、抑制した俳優の表情から観客の想像力に訴える作品である。この映画を観ながら、フランスから始まった映画運動ヌーヴェル・ヴァーグで数々の佳作を創ったジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーの作品を想い出しました。過剰な表現が氾濫する昨今、健二さんの作品が若い人たちの心を捉えているのも分かる気がする。
昨日は、友人の歌手・紀藤ヒロシ君の歌手生活35周年記念パーティーに呼ばれ行って参りました。小さい身体でよくぞ頑張りました...風間杜夫以下7人のゲストの方達がお祝いの歌、芸を披露して2時間半濃密な時間を過ごすことが出来ました。連日連夜の飲み会でおいらの身体もパンク状態でございます。こんな無茶やってみんな死んでいくのでございますから、この年になったら自己管理しないとほんまに恐ろしゅうございます。ゴールは見えては居るんだけど、これまた、ある程度納得した幕の閉め方せんとダンディじゃありませんな...今日、明日は休肝日だぞ!強い意志で望みます...

秋の理由  福間健二

この世界には

うつくしいことがいっぱいあって

不意打ちの、美しい目から

秋がはじまる

わかってはいるが

うっかり、わたしは

いろいろな通路に自分の登場しない夢を落としてきた

※秋の理由の詩の始まり部分を抜粋

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秋の理由

2016/11/04
【第886回】

遅まきながら芥川賞受賞作「コンビニ人間」読了...この時代に相応しい小説かな?作者、村田紗耶香さんは現役のコンビニ店員。自らの実体験に基づいて執筆したであろうお話しはなかなかのものだった...いろいろな人が、同じ制服を着て、均一な「店員」という生き物に作り直されて行くのが面白かった。その日の研修が終わると、皆、制服を脱いで元の状態に戻った。他の生き物に着替えているようにも感じられた...このコンビニの中の匂いに心身ともに侵され、店内が自らの解放区になっていく様は、まさしく資本主義社会の縮図である。確かに、今の社会に蔓延るコンビニ、スタバ、ドトール、スーパーなどの画一的な店の配置、気配は個性を喪失させ、人間本来の様々な感情を無味乾燥にしてしまう装置が巧みに仕掛けられている。資本を持っている者の権謀術数は凡人の思考を幾重にも秤にかけ、おしなべて大衆を平均化していく...そんなことはへっちゃらでございます。この作者は、そのからくりを実体験の中からさらけだすために文学を選択したのかもしれない。...気が付いたんです。私は人間である以上にコンビニ店員なんです。人間としていびつでも、たとえ食べていけなくてのたれ死んでも、そのことから逃れられないんです。私の細胞全部が、コンビニのために存在しているんです...おいらも旅をしてふと、お酒やら水、カップラーメン欲しくなる時いの一番にコンビニが頭を過ぎります。おいらの細胞もコンビニ菌にじわじわと侵されてるのかも知れませんな。コンビニがないと生きていけない世界が訪れるかも知れませんな...

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会社ベランダからの夕景

2016/11/02
【第885回】

昨日、東住吉小学校の同窓会に出席してきました...皆、古希を迎えたというのに元気一杯ですばい。世話人をしている村田さんが持ってきた懐かしい写真を手にして55年前の話で盛り上がりました。この日は違うクラスとの合同同窓会、その中の二人の女性が突然おいらに語りかけてきました。「学芸会で、こぶとりじいさんで良い方のじいさんやった岡田くんでしょう...私たちは後ろの方でウサギさんやってたよ。」おいらもびっくりしましたばい。そういえば学芸会で主役に選ばれ記念写真でこぶつけて中央で写っていた写真がありましたな...何故、おいらが主役に選ばれたのか、今でもよく分かりません。そんなに目立ちたりが屋でもなかったし、お金で役を買うほどの家でもなかったし、なんでやろ?そんなこと考えてたら、一人の女性が「可愛かったもんね...」そうかな、そんなことも思ってもいませんでしたばい。それにしても、あれやこれや、よく覚えてるもんだと感心いたしました。おいらは学校のことよりも、新聞配達、おきゅうと売り、氷配達、郵便配達などなど校外活動の方がよく覚えておりますばい。学校の勉強より社会勉強のほうに興味があったんですな。そりゃそうでしょう...戦後の街には大衆のとてつもないエネルギーが充満しとりました。学校では学べない人間学があちこちに転がってるんだから拾い集めては、己の中で勝手に楽しんでました。その中でも、社会から疎外されたアウトローの人達のミステリーに惹かれていきました。そうなんです、人生なんてミステリアスだからこそ面白いんじゃございません。学校で教わるもの鵜呑みにしてるから社会のトップに立つ人達、ことごとく想像力欠如のコントロールしか出来ない世の中になっちまったのかな...夜遅く塾帰りの子供たち見るたびに可愛そうに思えてなりません...いやいや、余計なお世話かもしれませんな、いい学校に入って、一流企業で働き、子供が出来、理想の家庭で成功双六上がりとほとんどの人が思ってるんですからね...いらんこと言いしゃんな!
それにしても、博多の魚はうまかですばい...

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黒ムツの煮魚

2016/10/31
【第884回】

先週末、久しぶりに留守晃さんの歌を銀座の老舗シャンソニエ「蛙たち」で聴いてきました。
トメちゃん、歌を創りだして40年になる...トメちゃんいわく己の魂が言葉、メロディを紡ぎ出しているそうな...この日も若々しい姿で登場しました。さすが20年前、『ミス・サイゴン』日本初演のトゥイ役を務め、その後も『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役などで大活躍した俳優さんです。しゃべくりは上手いし、表情も豊かです。特徴ある声もしびれます。いろんな体験と人間観察から生み出した言葉には、味わい深いドラマがぎっしりと詰まっています。絵も上手いし(トム・プロジェクトの作品「風間杜夫一人芝居」のチラシ・ポスター、「だいだいの空」の劇中の絵も提供いただきました)本当にアートのために生まれた男だと思います。おいらはトメちゃんにもっと強気に積極的にいかないと!と言ったことがあるのだが、シャイなトメちゃん、あまり欲もなく淡々と好きな歌を創り気が向いたときにライブに顔を出し、気が向くままに絵筆をとり遊び心を自由に操りながら楽しんで居るような感じがするのだが...いやいや真のアーチストは創作の過程、苦悩は見せないもんでございます。トメちゃんの繰り出す言霊と音は半端じゃございません...おいらがトメちゃんの創った歌の中で一番好きな「休日」この日もうるるんと来ちゃいました。一人の男が生きてきた軌跡が、この歌の中に見事な作品として結実しています...まさしく表現とは、その人の生き方そのもんですな。

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留守晃自作のチラシ

2016/10/28
【第883回】

昨日、劇団チョコレートケーキの「治天ノ君」再演初日を観劇...3年前の公演では多くの賞を受賞し一気にブレイクした。なんたって謎に包まれた大正天皇を題材にする発想が吃驚仰天でございます。天皇を扱った作品は、この世ではタブー視された歴史がある。天皇を神と敬い、少しでも天皇に対する侮辱行為があれば、直ちにテロに走る輩が現存するからである。この話を、劇団から企画として聞かされたとき、おいらは大丈夫かいな?と心配した記憶がある...ところがどっこいである。劇作家の古川健が見事な人間ドラマとして書き上げたのである。そして気鋭、日澤雄介の統一感ある演出力で緊張感溢れる2時間20分の芝居に仕立て上げた。3人の劇団員以外の役者も皆素晴らしい。40歳前後の人達が、この時代、この世界を分析、調理し舞台劇として提出した勇気と努力に乾杯!
今回は、国内8都市、ロシア3都市、27ステージの旅公演を経てのシアタートラムでの公演。満杯の観客の中で、堂々とした立ち振る舞いでの役者陣を観ながら、場数と賞賛で人は自信を持ち大きく成長していくんだなと改めて思いました。
芝居が始まる前に、三軒茶屋にあるディープゾーンを散策。おいらは何故かこんなところを覗くのが好きなんですね...何故かって?そりゃ人の匂いがするからでござんすよ。昨日行った劇場も近代的な建物の中にあり、街はことごとく近代という名のもとに昔の人の生きた証を消滅させようとしています。無味無臭の空間から逃れ、古い建物が建ち並ぶ小路を歩くと心もほっこりしてきます。こんなところで今夜も熱燗でぐいっとやりたいものですな!

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三軒茶屋ディープゾーン

2016/10/26
【第882回】

台湾が2025年までに原発を0にする声明を出した...なのに、この日本は政府、民進党含め動きが鈍い。東日本、熊本に続き鳥取でも大きな地震が発生したにも拘わらず、原発廃止の討議さえ行われていない。こんな不思議なことがあるのが摩訶不思議...テレビ、新聞などでもあまり目立った露出がないし、国民側からの大きな働きかけがないという情けなさ。もう一度、東日本大震災なみの惨状を見せつけられないと心も身体も反応しないくらい鈍感になっちまったのかな...昔、過激な論客が言ってたな、この国は全てをぶっ壊さない限り気づかない不感症民族だ!そうなんです、危機意識がかなり低いなんて言ってるうちに日本沈没なんてことになっちゃうかもね。
そんな呑気な人達を覚醒させる意味でも、次回作「挽歌」は大切な作品になります。現在、錦糸町の稽古場で6人の精鋭が稽古中。なかでも昨年2月に古川健作、日澤雄介コンビで創ったトム・プロジェクトの作品「スィートホーム」で第50回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した高橋長英さんが演じるホームレス歌人に注目。原発が引きおこした事実の重みに演劇がどこまで拮抗できるか...
水俣に続いて、またしてもトム・プロジェクトは問題作にチャレンジしています。誰しもが避ける難題に、敢えて戦いを挑むことこそ今を活きるニンゲンの在るべき姿じゃございません。

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秋景色

2016/10/24
【第881回】

週末も多忙な日が続きました...土曜日には今回「静かな海へ」に出演して頂いた永島敏行さんの還暦と芸能生活40周年を祝う会に出席してきました。南青山の素敵な空間でとってもあたたかい会でした。会場で流された高倉健、若山富三郎さんなんかと共演している映像を観ながら、永島さんの若い頃の無骨で純粋な表情が印象的でした。おいらが印象に残っているのは映画「サード」「遠雷」かな...「遠雷」を監督した根岸吉太郎さんの祝辞が素敵でした。この映画での土着性を、その後表現者として生活者として両立継続している彼に乾杯!と述べてました
日曜日は、首都圏演劇鑑賞団体第31回定期総会に浦和まで行って参りました。演劇をこよなく愛し、演劇鑑賞運動を通じて、平和で文化的な社会を...そうなんです。おいらはこの方々に素敵な作品を提供しなければならんのです。「静かな海へ」は、その期待に答えることが出来たんじゃないかな。10月22日(土)朝日新聞の一面の名物コラム「天声人語」に芝居のことが掲載されてるんじゃありませんか!ここの記事は朝日新聞の顔みたいなものです。芝居関係の記事が掲載されることはまずありません。その一部紹介しますね。

...その細川医師をモデルにした創作劇「静かな海へMINAMATA」を東京都内で見た。主人公の医師は手足のしびれや言語障害などの症状に苦しむ患者たちを診て、究明に乗り出す。工場排水を連日与えたネコに同じ症状が現れ、衝撃を受ける▼「ネコの実験を本格化させたい」と申し出るが、チッソ幹部から「わが社の見解に合わない」と拒絶される。真相を明かせないまま、60代で引退した▼娘や若い環境学者に説得されて心が揺れる。第2の水俣病を新潟の現地で目の当たりにして、患者側に寄り添う決意をする。戦時中からずっとお世話になったチッソへの恩義と、医師としての良心のはざまで苦悩する姿には胸を打たれた...

今日が横浜での最後の公演。これで終わりではなく、再演してまだ見ぬ観客にお届けしたいな!呼んでくれれば地の果てまでも行きまっせ...といっても、アザラシちゃんシロクマちゃんじゃわからんし、あくまでも人様がいらっしゃるところですよ。

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秋の公園

2016/10/21
【第880回】

昨日で「静かな海へ~MINAMATA~」東京公演無事千秋楽を迎えることが出来ました。
この水俣をなんとか作品として舞台化できたこと本当に嬉しいです...誰かがやるだろうではなく、生きてる人が、こうやって世の中に指し示す責任があると思います。そして、今回も観てくださった人から一通の葉書が届きました。葉書にびっしりと書き込まれた文面には、この舞台が、しっかりと観客の心の襞まで届いた感がして、ひとり安堵の胸をなで下ろした次第でございます。以下、葉書の文面です。

拝啓 「静かな海へ」は重く悲しい話ですが同時に逞しい話であると思います。正しいと思うことも独りでは世間に通用させるのは至難の業です。卑怯と自分を責めながらも、長い年月をかけやはり正しく世に問うべき事象を訴えかけた心の逞しさです。胸に抱いた正義感は少しばかりの格好付けではなく、本物の力となって世の中を動かします。ある意味期待されることを主旨としない、無欲の行動が、人の心を熱くします。大変なことが起きていると子供心にも不安を覚えた水俣病の実態。何故か知らされているようで、全体を掴みきれていなかったその真実が、この演劇を通して目の前に拡げられた感があります。思いを同じくした出演者と作りあげた作品とパンフレットにも記されていますが、正面からこの時代の巨悪に向き合ったひとつの答えが、この芝居に結実しています。日頃世の中のやっかい事には腹を立てながらも見て見ぬふりをすることが多い自分自身の行動に喝を入れられたひとときでした。立派な演劇という行動に拍手。また次回。 敬具

このO氏の言葉を肝に銘じ、次回作「挽歌」は東日本大震災がテーマの芝居です。もっと楽しい面白い芝居創ってや!そんなお声も聞いておりますがな...でもでも世の中は安閑としている場合じゃございませんことよ。微力ながらも、弱者の立場になった視点からなにかを発信し続けないと、この社会ほんまにフニャフニャ、コンニャク、沈没列島になっちまいますがな...喝!

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葉書原文

2016/10/19
【第879回】

新宿西口小田急百貨店前の有名ブランド掲示板の前で今日も「アフリカの貧しい子供達のために...」いつものアフリカのお兄さんが、たどたどしい日本語を操りながら募金活動をしています。いつも思うのだが、善意で募金箱に入れられたお金が、本当に貧しい子供達に届いているのだろうか?こればかりは誰にも分かりませんがな...うがった見方をすると、この若者も新宿を仕切っている暴力団関係者がバイト感覚で雇い資金集めをしているかもしれません。以前、同じく募金活動しているアフリカ人らしき娘さんが、いかにもやくざ風の男とお茶してるところをみたことがあるので、もしや?なんて推測をしちゃいました。
この場所から少し離れたところに、犬を数匹並べ「捨てられたわんちゃんのために...」こちらもほぼ毎日募金活動に励んでおります。わんちゃんも少々お疲れ気味で、こちらも見方を変えれば虐待ではないかと思うことがあります。わんちゃんに可愛さを要求する様を見るにつけ何だかいかがわしさがプンプン臭って参ります。
いずれにしても、CHANELのお洒落なレディの前に立つ黒人男性、片やCartierのリッチな黒猫の前に並べられた犬、その横にはTIFFNYの燦然と輝くダイヤモンド、なんだか現代社会の不条理を指し示す構図じゃありませんかなもし...

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新宿西口小田急百貨店前にて

2016/10/17
【第878回】

水俣山脈の頂は...「静かな海~MINAMATA~」先週の金曜日に初日を迎え、昨日で3ステージを終えました。水俣病発症から今年で60年、今尚、新聞、テレビ、雑誌などで水俣の言葉を目にするのだが、実際の処、この水俣病のことをどれだけの人が理解しているのだろうか?そして、今後どのような推移を辿っていくのだろうか...この難問題を解き明かすには相当の辛苦が伴うのは当然である。なんとかスタッフ・キャストの総力戦で立ち向かって、ようやく初日にこぎ着けた次第である。
しかも、演劇という至難の手法を労しての作業なので一筋縄ではいかないのである。と言っても、観に来て頂く人達にいい訳は通用しない。この3日間、プロデューサーの観た感想はと言えば、今回の芝居のラストに医者の妻が発する台詞「まずひとつ...。まだ全てが終わった訳じゃないんだから...。」この言葉に尽きるかな...
新潟の知事選、原発再稼働慎重派の勝利に終わった。この原発も水俣病と連動している...
地域に生活している人達の苦悩、環境、でも過ちは繰り返してはいけないのではないだろうか...この狭い国ニッポンの存亡を考えるならば原発再稼働はあり得ないし、利益のために病人、死人を出してはいけないはずなのに、何故かこの国の思考は貧している。
ついさっき、おいらの事務所のビルに珍しく国会議員がやってきた。おいらと一緒にエレベーターに乗り議員と秘書らしきものが4階で降りるので、おいらが入り口を譲り、ドアーのオープンボタンを押しているのに一言も発することなく傲慢な表情で立ち去った。スーツには議員バッジが燦然と輝いておりました。なんぼのもんじゃい...こんな程度のおつむの人達が国を司ってるんですから、しょんなかですばい!

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共生

2016/10/13
【第877回】

明日から「静かな海へ~MINAMATA~」上演します。今回も、改めて水俣に関する本、資料、映像再見、再読しました。その中で印象的だったのが、漁師でありながら自ら穫った魚を食べ水俣病患者になった男性の話です。勿論、訴訟を起こしチッソ工場の玄関前に一人で座り込み抗議しているうちに「俺は被害者ではなく、俺もチッソ側の人間ではないのか...」人間だけが賠償金よこせと騒ぎ立てているのだが、海中の魚、のたうち廻る猫、その他生きとし生けるものすべてが、人間社会に便利なものを生み出すための犠牲になっているのではないか...人間の途方もない驕りに気づいた漁師は、早速、利便性が高いプラスチックの船を破棄し木造船を造り再び漁生活を再開しました。

そうなんです。おいらは何度も口にしているのだが、まさしく地球の癌細胞がニンゲンなんです。平気で森林を伐採し、排気ガスをまき散らし、静かな海を汚し、欲望のままに生き物を殺戮し、ああこりゃこりゃなんてだらしないない生き方をしている動物なんです。もう、ええ加減、発展、便利お休みにしたらええんと違います...

今日の朝のテレビでカヌーの選手が言っとりました。カヌーの競技場は東京じゃないと困る...何抜かしとるんじゃ!金塗れ、業者と役人・政治家の金儲けのために建設する新競技場なんて誰も喜んでおりまっせん。2020年のオリンピックは復興のための大会じゃなかったのかな?宮城県での開催異議なしでござんす。おいらは、今もオリンピック中止論者でございます。東日本、熊本の震災の後始末、復興もままならないのにオリンピックどころじゃないでしょう...いつの世も権力者は、世間の目をお祭りごとに向けさせ、都合の悪いことには蓋をするのが常套手段でござんすよ。皆の衆、しっかりせんとえらいことになっちまいますがな...

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暮れなずむ東京駅

2016/10/11
【第876回】

2011年から三菱地所と協力して実施されている「丸の内 行幸マルシェ×青空市場」に先週金曜日、東京駅前・行幸地下通路(行幸地下ギャラリー前)で「静かな海へ」の宣伝イベントやってきました。青空市場は、市場(いちば)本来の姿である生産する人々と買う人々が都市で直接交流し、新たな食文化の創造と食に関する情報の受発信ができる場所として設定されたものです。この青空市場の主催者が、今回出演する永島敏行さんであることから今回のトークショーが実現しました。今回のキャスティングも、永島さんが俳優を続けるかたわら、秋田十文字町で1993年以来20年間米作りを続けることを知り、自然・環境に強い関心を持っている一人ということで決めました。今回の芝居は、やはり表現者としての一面と社会に対する姿勢を重要視しました。表現にはその人の生き方がそのまま出ますからね...水俣にどう向き合うか?芝居が成功するか否かに大きく関わるポイントだと思います。

この日のトークショーは、全国の野菜、海産物を買いに来たお客さんに呼びかけ演出家、5人の出演者の息のあったトークで盛り上がりました。ちゃっかりチケットも販売しちゃいました。

今日が最終稽古、2時からの通し稽古が楽しみです。

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青空市場トークショー

2016/10/07
【第875回】

この兄さん、えっこらやっこらチャリンコでスピーカー積み込んで新宿南口に出稼ぎに来ておりました...おいらが以前にも書いたルミネの刺激的なコピーをバックに、スコットランド民謡をヴァイオリン片手に奏でておりました。頭の被り物とのミスマッチがよござんすね。この通りはバスタ新宿(地上バスターミナル)が出来、道幅も拡大され大変な人通りです。これと併設して新宿駅直結の複合施設、ニュウマンもオープンし新しい新宿の顔になっています。この建物に入っているレストラン・カフェ皆お洒落で粋ですぞ。なんだか異国情緒を満喫でき得した気分になります...こんな場所でのお兄さんのスコットランド民謡いかがなものかな?おいらもスペインで大道芸をやった経験上、投げ銭がどれだけ放浪の旅の手助けになったかを重々知ってるもんで、兄さんにチャリンと投げ銭置いてきました。

道幅も広くなり、多くのストリートミュージシャンが自己ピーアールのために集まっているのだが、中にはなんじゃこりゃ?みたいな人も居てまさしく玉石混淆。時折、若いお巡りさんが始末書書かせて退去を促す光景を目にするのだが、全く姿を消すこともないので、これは一応仕事上やってますポーズなんで一安心しております。街の大道芸人が居なくなったときは恐ろしい社会の前触れかもしれません...街は劇場、いろんなドラマが転がってるはずです。その旗振り役が大道芸人。温かい目で見てやってくださいな...

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音楽に頼りすぎると...いいんじゃない!

2016/10/05
【第874回】

錦糸町の駅前でおかしなことやってる兄さんがおりました...8時間連続で「あ」の一音を発声しながら声音を調整しているとのこと。おいらがカメラ構えると嬉しそうにVサインをしてくれました。でも、こんなことやって誰が喜ぶんでしょうかね?その証拠に誰も集まりませんがな。声も小さいしスーツ姿で、おいらなんかどこかの宗教活動かなと思いました。

新宿にもよく見かけるんだが、男子はスーツ姿で頭髪もスッキリ、いかにも裕福で育ちの良い女子って感じで宗教の誘いをやっとります。おいらなんか、この清廉潔白を演じてる姿がまず胡散臭いと思いますね。何かやましい魂胆があるからして、この服装に作り笑い。道行く迷える子羊ちゃんたちが言葉巧みな誘いに乗っかって洗脳されんこと願うのみ。でも、あの立ち姿を見せられたら、ついつい悩み事聞いて貰おうなんてことになっちゃうんですな。

人の弱みにつけ込んで、しこたまお金をお布施として上納し、挙げ句の果ては心も金縛りに遭い、人のため世のためと称して街頭宣伝誘惑班に駆り出される始末です...なんて負のイメージで書いたんですが、こうやって巨大な宗教集団が厳然と全世界に存在してるんだから救われ幸せに感じてる人がいることも間違いなき事実ですな。

まあ、いずれにしてもおいらは無宗教であり、森羅万象すべからく感謝の気持ちで日々過ごすことが宗教だと思っとりますから気が楽ですわ。

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アー無常

2016/10/03
【第873回】

借景でこの芝居は観客の心待ちを鷲づかみしている...そんな芝居「楽屋」を観てきました。台東区柳橋に、嘗てある芸者さんが住んでいた自宅をギャラリーにした古い一軒家の二階。階段を上がると芝居を上演する一室があった。日本家屋の窓の引き戸が開けられ、向こうに見えるのが隅田川、この川を行き交う遊覧船、その上には高速道路を走る車、上手の方には総武線を上下交互に駆け抜けるJRの黄色の車両。そして、この季節強烈な匂いを漂わせる金木犀の花がこちらに語りかけてきそうな存在感...芝居が始まる前からこの風景を魅せられちゃお手上げでございます。窓際にしつらえられた長い化粧台が、眼前に広がるリアルな風景との、彼岸と此岸という対をなしている設定から芝居は始まるのである。嘗て、この楽屋に出入りしていた亡霊女優が現実の風景を前にして(観客には背を向けている)メークをしている冒頭は、この見事な借景があって心待ちした観客のボルテージは一気に上がるって訳なのさ...時空間の魔術師、唐十郎を師とする鳥山昌克演出の見事な仕掛けを堪能させて頂き、浅草橋駅付近で引っ掛けた一本百円の焼き鳥と、ハイボールが何故か愛おしく感じました。

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会場入口

2016/09/30
【第872回】

パリーグの優勝を賭けた一戦勿論見ましたよ...いつもはライオンズを応援するのだが、この日ばかりは日本ハムファイターズを心情的に応援してました。だって、お金で選手を釣って掻き集めた球団に今年も優勝なんて嫌なんでござんすよ。この日の試合で言えば、鷹が負けて獅子が勝てばハムの優勝が決まるので、このパターンが理想なのだが、あちゃ、一回の表に鷹がガム相手に7点も取っちゃたんで急遽ハムの応援に回りました。獅子が勝ったところで、いずれにしても4位か5位、体勢に影響ありませんことよ。それにしても、この日の大谷くん惚れ惚れしました。この大一番で、あのピッチングが出来るなんて末恐ろしい22歳です。なんと言っても爽やかなルックスに抜群のスタイル、プレー中のマナーも大変よろしい。まあ、ちょいと優等生過ぎるところが、おいらとしては物足りないのだが、将来プロ野球選手を目指している少年達の憧れの見本としてはいいのではありませんかな。
この日はなんとヒット1本、15奪三振、我がライオンズまったく歯が立たず牙を抜かれた獅子でございました。試合が終り勝利監督インタビューでハムの栗山監督の言葉が良かったね。「今日はライオンズ最終戦、セレモニーがあるのですが、私たちに少しだけ時間を下さい...」何という心遣い。こんな監督だからこそ11、5ゲーム差があったペナントレースを制することが出来たんですがな。このあとライオンズのセレモニーで最後のお詫びの挨拶したお地蔵さん監督とはおつむが違いますな。でも、お地蔵さんもお疲れ様でしたね。似合わないポジションを任されさぞかし辛い日々であったに違いありません。
今年も、我が愛するライオンズの試合は終わりました。今年ほど辛い日はありませんでした。5月の中旬から、はや終戦なんですからファンとしてはやりきれない気持ちで期待もしぼんでしまいました。来年こそは、おいらの活きる糧になってちょうだいな!頼みまっせ辻新監督。

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湖面に映る雲

2016/09/28
【第871回】

新宿高島屋の前に巨大な猫が寝そべってました...おいら思わずスペインで一緒に住んでた尼庵(にあーん)を思いだしちゃいました。スペインアンダルシアの海岸に位置する片田舎サロブレーニャの畑で生まれたての猫を拾って(いや、畑の穴蔵からひょいと顔を出したところを引っこ抜いてきて略奪してきたのかな?)それはそれは可愛いお顔をしとりましたよ。おいらは我が子のように溺愛し、尼庵もおいらを親と慕い離れられない関係になっちゃいました。昼間は海岸を、サトウキビ畑を散歩し、おいらは昼間からワインを痛飲しサトウキビ畑で昼寝している間、尼庵は畑の鼠と格闘したり、虫と戯れたりまだ見ぬ世界につぶらな瞳をクルクルしとりました。おいらが大きな声で名前を呼ぶと、すぐ戻ってくるあたりがめんこいめんこい、目に入れても痛くない!ほどの猫可愛がりぶりでしたでござんしたよ。
そんな時間もそう長くは続きませんでした。この村を去ることになり、日本に連れて帰るかどうか迷ったのだが、この猫を預かってくれる人が居たので、尼庵はやっぱり生まれ育ったアンダルシアの自然の中が似つかわしいと判断し残すことに相成りました。別れの日の尼庵の瞳からの一粒の涙を見たときは、さすがのおいらも泣いちゃいました。
あれから何十年、もちろん尼庵はこの世に居ないのだが、あの世でおいらのこと想い出しながらこの写真のように悠然と寝そべり「はやくおいでよ...」と手招きしているに違いない。
尼庵よ、まだまだおいらはこの世にいるのだが、いずれは逢えるかもにゃー。

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まねきねこ

2016/09/26
【第870回】

晩夏から初秋にかけての空が美しい...まだまだ暑い日が続いているのだが、秋の気配がたまらなく嬉しい。猛暑から解放され朝の凛とした冷気に触れると、背筋がピーンと伸び、今日一日を大切にしたい気持ちにさせてくれる。おいらは、どちらかというと風が吹くまま気が向くまま場当たり人生でございまして、季節の変わり目、自然の気配で我が身のだらしなさを気付かさせてもらってる次第だ。その中でも、大きく深呼吸して空を見上げ、その日の雲の表情を観察するのは、楽しみと共に、モノを創るものにとってヒントになることがある。ある形を保って意味深に語りかけることもあり、お互いが、まるで争って一触即発状態を演出してる様相を呈してる形状もあり、まさしく大空に繰り広げられる一大パノラマである。ことに夏から秋に目まぐるしく変わるこの季節は見逃せない貴重な瞬間が多々あるのである。
人は所詮、大自然に勝てる訳がないし、むしろ自然の恵み、力を借りて活かさせて頂いている生き物でしかないのである。青空に浮かぶ雲、灰色な空に不穏な表情で佇む黒雲、まるで天の啓示でもあるかのようだ...
いやいや、ぼおっと空を眺めるだけもよござんすよ...眺めてるだけで己の邪心、モヤモヤ、ストレスが、まるで霧が晴れたようになりますぞ。その気になったら雲さんに語りかけるも良し、笑顔を返すも良し、とにかく下を向いてはあかんぜよ。

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雲さん...こんにちは

2016/09/23
【第869回】

そうだろうろうか?いやそうかもしれない...こんな看板見ながらふと思いましたがな。おいらの会社でも若き人材が欲しくて、只今求人募集をしてるんですがなかなかいい人材が集まりません。特に20代の男どもはほぼ全滅でございます。面接に来て先ず感じたことはお目々が死んどりますがな...何のために生きとるんじゃい!といいたいですな。全てを与えられ、選択肢に迷い、己の立ち位置が分からず、迷える子羊状態になっている若き男子が可哀想と言えば可哀想ですな...こんな時代にしてしまったおいら世代も含めての責任ですからね。でもね、そんな時代に刃向かって新しい価値観を見いだし、時代を創ってみせる気概を見せんかい大和男子。なんて期待する方が無理ってもんですな...その点、女子はしっかりしとります。去年、我が社に入った女子社員ばりばりやってますし、この時期面接に来る娘さん男よりしっかりしとります。

そこでだ、「言葉に頼りすぎると退屈な女になっていく」女が言葉を獲得し理論武装されると手強いな!と言う保守的な男社会を形成したい輩が警戒感を抱いて創られたコピーかしら?それとも発信元がルミネだから、賢くならないでファッションに食事にお金を使って感性、感覚の世界を重要視しながら快楽の世界に与した方が素敵な女性になりますわよ!なんてことかしら?いずれにしても意味深ですな。いつの世も、資本主義らしいコピーだなと思います。昔、一世を風靡したパルコのコピー想い出したな...糸井重里、浅葉克己の名コンビでしたがな。

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あなた、どう思う?

2016/09/20
【第868回】

雨に煙るスカイツリーを眺めながら錦糸町の稽古場に行ってきました...10月14日より公演する「静かな海へ~MINAMATA~」の稽古、気合入っています。今年は公害の原点である水俣病が発症して60年目にあたります。猫が狂い、人体を破壊した姿を映像、写真、文字で目視したときの驚きは未だに忘れることが出来ません。科学の発達に伴い、失うものが出てくるのは自明の理です。その最たるものが原子力発電でした...60年前に突きつけた警告になんの学習もせず、利便性と拝金主義に狂奔した結果が東日本大震災での人災。もうええやんか...そんなに便利でなくとも、お金持ちにならなくとも。自然の豊かさに身を委ね、まだ見ぬ世界に想像を抱き、スマホを手放して会話をしようじゃありませんか!と唱えても、ここまで来ちゃったら誰も相手にしてくれないような恐ろしさを感じますな...でもでも、おいらはこちらを優先して死んでいきますぞなもし。

今回の芝居の第1回目の本読みを拝見し、これはいけると思いました。まさしく、演劇の出番、この不条理な出来事を生の身体で表現してこそ説得力があるというもんでございます。

水俣も、原発も、まだまだ何も解決しておりません。2020年の東京オリンピックばかりに目を奪われてると、第三の煉獄が訪れること間違いなし...生き物にとって何を優先し肝要しなきゃならんのか...皆の衆良~く考え、行動してくれんですかいなもし。

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雨に煙るスカイツリー

2016/09/16
【第867回】

秋祭りの季節です...新宿のど真ん中でも熊野神社祭礼の飾り付けが行われています。この前テレビ見てたら驚くべき事実が判明し、おったまげのぎっちょんちょんでした。30人の若者に司会者が質問しました。3月3日は何の日?あちゃ、一人も知らんとですよ...こりゃ日本沈没哀れの末路でごぜいやす。日本の懐かしき風景と共に、日本の行事・暦が滅びてしまいます。

この国は、古くから移り行く四季を愛し、四季折々の歳時・年中行事を大切にしてきました。
がしかし、世の中がハイテクになり、便利に慣れ親しんでくると、ものの見事に季節感を味わうことも少なくなり、様々な行事も年々簡素化され味気ないものになってきました。それどころか何ですか!ハロウィン、クリスマス、バレンタインデーとかなんとか、他国のお祭りだけは義理堅く商戦に上手く乗せられて盛り上がってますな。
せっかくこの美しい日本に生まれたのですから、皆の衆、少しずつでも日々の暮らしに日本の祭事を取り入れて心のゆとりを感じてみたらいかがでしょうか?

この世に生を受け、日々生きてること自体が祝祭なんですから...

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秋祭り

2016/09/14
【第866回】

小池にはまって、さあ大変!なんて思ってたんだが、やるじゃありませんか小池のおばさん。

おいらなんか、当選した途端に風見鶏よろしく都議会を牛耳っている自民党に寄り添っていくんじゃないかと...ところがどっこい、やってくれました。第一弾、築地の移転問題一発かましましたな。盛り土問題。こんなのは序の口、石原、猪瀬、舛添と長きに渡った東京都は利権が横行しすっかり税金の無駄使いが続いておりました。なんたって土建屋、建築会社が一番お金が儲かりますがな。自民党都議団の親分以下、人相見てみなはれ...おしなべて悪相、お腹の中は真っ黒けの黒べえさんでございます。よくまあ、東京都民はあんな人達を選ぶもんだと呆れておりましたが、今回の選挙は大当たりでござんした。石原のおっさんも昨日言っとりました。都庁の役人は腐っとる...今言わんで長いこと知事やってたんだから在任中に言わんかいちゅう話ですがな...いつまで経っても日本の政治家、役人は学習せんですばい。

その途端、今日の週刊新潮の見出し、小池知事の金銭疑惑。週刊誌戦争も大変なことになっとります。文春の独走に待ったをかけるかのような大見出し。それにしても、この世のなかまさしく生き馬の目を抜く様相を呈しています...油断も隙もあったもんじゃありませんな。生きるうえにおいて隙は必要ですよ。隙があってこそ心地よい風が吹いてくるもんでございますよ。ぎすぎすぎっちょんちょんもいけませんばい...でも、今度こそ都議会の闇をばっさりと切り裂き、公明正大な都庁にしてくださいな、小池のおばさま。和製ジャンヌ・ダルクなんて言われてるんですからね、頑張ってちょ!

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一刀両断

2016/09/12
【第865回】

やったね鯉さん...広島カープ25年振りのリーグ優勝ほんまに嬉しゅうございますがな。なんと言っても金満チームの横綱、大巨人を負かしたのがいいね...野球をお金で何とかなる、何とかしようとしている巨人をぎゃふんと言わしたところが痛快極まりない。資本主義がまかり通る世の中で、せめてもの野球ぐらいは夢とロマンを持たせてつかわさいなもし...広島市の市民が支え続けた、まさに市民球団。これがほんまの地方創生がな!あべちゃんもこれを手本にしたらええがな、すぐお隣の県だし、この前オバちゃんと核なき世界を訴えたところですよ!忘れないでね...おいらも半世紀前に博多の田舎で九州の田舎球団、獅子を追い求め夢中になっとりました。あの時も、田舎の野武士軍団が東京の大巨人を3年連続で倒し夢のような時間をもらいましたですがな...その夢を忘れることなく、おいらも形は違えどいまだに夢追い人やっとります。そう言えば、夢は追うものでなく自ら紡ぎ出し何年もの反芻しながら吐き出すもんじゃございません。それで、おいらの会社は吐夢でござんすよ。

今度はハムちゃんが鷹を食べて欲しいですがな...今までは、お金にものを言わせて肥満鷹にむしゃくしゃと食いちぎられっぱなしのハムちゃん、今年はチャンスですがな。大谷のあんちゃんも好感度抜群だし、是非とも逆転優勝して欲しいな。そして鯉とハムとの日本シリーズを見とうございます...最後は鯉ちゃんの日本一で締めれば言うことなし。

それにしても今年の獅子は眠り獅子、最後になってやっとこさ起きだしてホームランかっ飛ばしているんだが、時すでに遅しですがな...来年、ええ監督・コーチ頼んまっせ!

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事務所ベランダからの眺め2

2016/09/09
【第864回】

9月も明日から中盤に差し掛かるというのに、まだまだ猛暑が続いています...文芸誌「群像」10月号が創刊70周年記念号として、群像短編名作選として54作品が掲載されてるのを知り早速購入し読み始めました。ここには、故人になった作家から今も第一線で活躍している文学者が網羅されているのだが、昨今もてはやされている流行作家の文体がなんと軽佻浮薄であることか!をまず気づかさせてくれました。言葉の選定の仕方が、まるで何度も漉されたあとに残った言語を、またしても懐疑を重ね、最後は覚悟を決めて飲み込み、吟味しながら吐き出す壮絶なる過程を想像してしまうのだ...文体の背後に、状況設定を思い起こさせるチカラが厳然として存在しているのである。言葉が持つ壮大な可能性をまざまざと魅せつけられ、改めて文学なるものの奥深さを考えさせられた次第である。

まだまだ読み始めであるが、ここ数日は、この800ページ(しかも二段組なのでかなりの量である)の分厚い雑誌の虜になっちゃいそうでございます。ジャズを聴きながら、美味しいコーヒーを片手に、命を削って言葉と格闘した文学に酔いしれたいもんでございます。

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事務所ベランダからの眺め

2016/09/07
【第863回】

久しぶりに高田馬場にあるジャズ喫茶「マイルストーン」に行く。和服を着たこの親父さんは拘りの人である。なんたってお客に席を選ばせない独裁者である。一度、納得できず怒鳴って帰るお客を見たことがある...なんの理由があってこの理不尽な行為をするのか聞いてみたいんだが、聞いちゃったら二度とこの店のドアに手を掛けることがないだろうと思い聞けませんがな...そんなへんてこりんな店なんだが、時折、隠れ名盤をお皿に乗っけてくれるんで行ってしまうんですな。年々ジャズ喫茶が消えていく昨今、「ジャズ喫茶の灯火を消さないで!」運動の自称会長であるおいらとしては、新宿にあるこの店が無くなると大変寂しい思いがするのです。

この日もやってくれました...小一時間経ち、そろそろ帰ろうかなと思ってたら、ぼそぼそ声で曲名を述べ、クールなタッチでピアノを弾く女性ピアニストの音が流れたんでございます...彼女の名はユタ・ヒップ。1925年生まれのドイツ出身のピアニストなんだが、まさに波瀾万丈の人生。ナチス政権下で頽廃音楽として迫害された環境の中で、秘密の集会を開きジャズを学び、戦後アフリカ系アメリカ人との恋に落ち子供を産んじゃうんですな。そんな困窮の中での音楽活動中、1955年に一人の評論家に目をつけられ晴れてジャズの本場ニューヨークの土を踏むことになるんだが、異国の地での生活に馴染めずブルーノートに3枚のレコードを残し鍵盤の蓋を自ら閉めることに...その後は35年間縫製工場でお針子の仕事をしながら、時折絵なんかを描きながら2003年にニューヨークのアパートで78年の生涯を終えたそうな...おいらは、早速ネットで調べて彼女がレコーディングした唯一のCD「ヒッコリー・ハウス」でのライブアルバム2枚買いましたがな。

おいらのささやかなオーディオルームで何回も何回も聞きました...そのたびにヒップちゃんの鍵盤を叩く様が目に浮かび思わずお目々がうるるんしちゃいましたがな...一音一音にその人の心情、生き様が記されてるんですからアートは素晴らしいもんでございます。

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ユタ・ヒップ

2016/09/05
【第862回】

ここんところ何故かしら、おいら劇場より飯田橋の名画館に足が向いとりますな...「リリーのすべて」1926年のデンマークが舞台、肖像画家の妻に女性モデルの代役を頼まれた風景画家の夫が、これを