トムプロジェクト

2024/07/12
【第1916回】

ライオンズの凋落振りが顕著でございます。10日の日ハム戦でなんと今シーズン今期5度目の5連敗。年間100敗ペースを着々と突き進んでいます。先発投手はまあまあ頑張ってはいるのですが、なんせ打者が他のチームに行けば二軍、三軍レベル。バントは出来ないし、チャンスにはことごとくポップフライか平凡なゴロ。これじゃ勝てませんがな。監督もゼネラルマネージャーが代行しているのだが、なにせへボ選手ばかりで機能しません。それもそのはず、前監督とゼネラルマネジャーが一体となって選手を甘やかした結果がそのまま今の成績に繋がっています。代行監督は「皆、一生懸命にやっているのだが今一つ気持の問題なのかな...」なにを今更と言いたい。そこを上手く導いてあげるのが、監督、コーチの仕事なのに、TVに映る首脳陣の呑気な顔を見る度にこりゃあかんですわ!という有様。

全盛期のライオンズと比べて親会社がじり貧状態で、育てた有能な選手は他球団に移籍、助っ人外人選手も皆ガラクタだらけ、そこで昨日、嘗てライオンズで大活躍したデストラーデ氏のスペシャルアドバイザー就任ニュースが飛び込んできました。もしや、初の外人監督が誕生するのかしら?でも、これくらい思い切った手を打たないと、この先数年間暗黒時代が続く予感さえしてしまいます。

今日は新人ながら5連勝、負け無しの武内投手の先発。福岡の出身で子供の頃からソフトバンクのファンクラブに入っていたのに、なんとも運命の悪戯、ドラフト会議でライオンズがくじを当て入団しました。ソフトバンクに入団していたら9勝~10勝してもおかしくない逸材。なんとかライオンズの救世主になって貰いたいものです。

どんなに弱くても、おいらは寝返ったりはしませんよ...頑張れ!頑張れ!ライオンズ!

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お客様(ファン)は神様です!

2024/07/10
【第1915回】

連日の暑さ、若い頃旅したインド、モロッコ、スペインの暑さを想い出します。先ずはインドの暑さは半端じゃありません。すべてがインドの暑さに持っていかれる感覚です。生きていることがやっとの思いです。だって暑さで行倒れになり干からびた死体が街に転がっているんですから。混雑したバスに揺られ握り棒を握りしめぬるりとした異常さは今でも忘れられません。案の定、帰国後には同じ飛行機の乗り合わせた乗客から赤痢患者が出たということで、おいらも伝染病棟に15日間隔離されました。おいらのお腹は、何故か頑丈なのか鈍いのか?3種類の赤痢菌が侵入していたにもかかわらず何の異常もなくピンピンしており退屈極まりない入院生活でした。

モロッコの暑さは、アフリカ独特の熱を感じました。熱さというよりも虫との闘いの日々でした。一度刺されるとなかなか元に戻らず、寝ていても虫の存在を無視することが出来ず睡眠不足に陥ってしまいました。異国の地でマラリアなんかに感染して死んでしまうんじゃないかしら...まあ、そんなことも覚悟してのさすらい旅ですがね。

スペインの暑さは快適でした。勿論、湿気がないことが一番ですが、おいらの肌に一番合っているなと思いました。土地、人間に共感することもあって暑さも十分に共有することが出来ました。情熱の国スペインと良く言われますが、この国には多様性が有りひとくくりにすることは出来ません。そのなかでも、アンダルシア地方の人達のいい加減ななかにも逞しく日々生活をエンジョイする生き方に圧倒されました。彼らの根底に、生きていること、生かされていることに感謝の気持ちが根付いているに違いないと感じた次第です。

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アンダルシア サロブレーニャ村

2024/07/08
【第1914回】

都知事選挙終わりました。今回の選挙はイメージ選挙に終始したのではないかと思っています。要は立候補者もある意味で演じて見せないと伝わらないと思います。その点、当選した小池のオバサンはさすがの役者振りでした。無駄なことは一切喋らず、相手の挑発にも乗らずクールな笑顔で通しました。裏ではしっかりと自民、公明、国民民主党などと連携しながら表面に出さない戦術。次点の石丸デンキさんは、今時のSNSを最大限に駆使し政治不信に陥っている人達にフレッシュさをアピール、彼の役者振りもなかなかしたたかなものでした。いろんなステージを踏み台にしながら目指すところは権力の座ではなかろうか?一番下手な演者だったのがレンホーさん、国会で権力者を追及する恐いイメージをそのまま引き継ぎ、野党政治家と一緒に街頭演説したことで投票者は引いたのではなかろうか?

既存の政治は皆うんざりしているんですから、今回は政党色を出さない方が良かったのにと思います。

当選したオバサンも浮かれることなくしっかりと素敵な東京にしてくださいね。だって、全体の43%の信任なんですから...小池にぽちゃんと落ちないよう呉々も気をつけて都政の舵取りをやって貰いたいものです。

それにしても暑い!一歩外に出ればお風呂に浸かってる状態でございます。利便性を追求したツケが確実に地球滅亡への道に突き進んでいるような気がしてなりません。

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猛暑の中のバラ

2024/07/05
【第1913回】

このお二人はどんな関係なんだろう?京王新宿新線の改札口を出て左に進むと、定期券売り場とコインロッカーの間に挟まれた大きな柱が二人の愛のささやき場である。一週間に2度は見かける光景である。45歳前後のお二人、いつも手をしっかりと握り合い柱に寄りかかり見つめ合い恋する表情でべたついています。死角と言えば死角なのだが、同じ職場の人が通りかかることだってありそうなもん...なにもこんな公衆の面前で、いい年こいた男女が堂々といちゃつかなくともと思うのだが...それは日本人の保守的な思考かも知れませんな...好きであればどんなところであろうとも、堂々と愛の行為はするべし!しかし、この二人不倫の匂いプンプン匂ってきますね。普通だったら喫茶店、レストラン、ラブホテルなんてところが常識的な所だが、何故に柱の陰なのか?好きで好きでしょうがない!って所を他人に見せつけることによってより燃え上がる恋のランデブーなんでしょうか?片や、高校生の男女がすぐそばで別れ話をしていたり、新宿地下通りにはいくつものドラマが生まれています。やはり炎天下の元では様になりません。地下のほの暗い明るさの中がベストなんでしょう。

いよいよ、明後日が東京都知事七夕選挙。終盤になってあれやこれやとブラック情報も飛び交っています。この世の中、キツネとタヌキの化かし合いでございます。何が真実なのか見抜くチカラを日頃から磨いておかないととんでもない国になっちゃうこと間違いありません。表層的なことに左右されることなく、己が培った志、思考を信じ、深く冷静なる一票を投じて欲しいものでございます。

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ユリ
花言葉~純粋・甘美~

2024/07/03
【第1912回】

老害はあきまへん...先日、改札をPASMOで出ようとすると、おいらの前方に70歳前後のおじさんが立ちふさがったので、「こちらからは入れませんよ。」と言ったところ、「いや、こちらからしか入れないんだ!」と怖い顔で怒鳴ってきました。よく見るとカードではなく券売機で購入したチケットを何度も機械に入れようとしていたので、「隣の方から入れれば大丈夫ですよ。」と親切に教えてあげたのに「いや、ここからしか入れない!なに言っているんだ...」とまるで喧嘩を売るような又もや怒鳴り声で突っかかってきました。身なりもきちんとして一見常識がある人のようには見えたのですが、これ以上関わるととんでもないことにもなりかねないと思い、やんわりと立ち去りました。

いやいや、最近こんなみっともない年寄りが増えましたね。まず笑顔がない、いつも何だか知らないけど不満を貯金しているのか、ことあればそれを見ず知らずの人に吐き出すなんて、これまで歩んできた人生を台無しにしかねないことに良く遭遇します。

新宿も異国の旅行者で溢れかえっています。共通して言えることは皆、笑顔が美しい。目が合うとにっこり、こんなフレンドリーな人たちに会うとこちらまで嬉しくなっちゃいます。この点は日本人も見習ってほしいなと思います。日本人はシャイだからなんて言っていたらいつまでも国際社会から取り残されちゃいますよ...事実、日本の国力すべてにおいて下り坂。折角いろんな国の人達のいろんな顔、行動を観察できるんですからいいチャンスかもしれませんね。

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神田川

2024/07/01
【第1911回】

早や今年も半年過ぎてしまいました。今日から文月、むしむしジメジメから猛暑の季節となります。今年の元旦の能登半島地震は衝撃でした。この国の不安な未来を象徴するような出来事だったと思います。なのに、未だ復興ままならない状況が続いています。中でも断水が続いている地域、公費による家屋解体も申請の3%などなど、メディアで流される映像をみていても半年間何やっていたんだろうという惨状。人口の少ない能登半島にかこつけてやる気ない政権、裏金問題で一杯一杯の野党側を含めて言語道断と言いたい。

台湾の地震ではすでに解体も終了しているのに、この体たらく、能登半島の住民を棄民扱いにしていると言っても過言ではない。大阪万博なんかやっている場合じゃないでしょう。ここにかかる費用を能登半島の一日も早い復興費用に充てて欲しい。いまだ不評の大阪万博、所詮、大企業の利益に加担し強行しようとする姿勢が腹立たしい。

 来週の7日は東京都知事選挙。新宿をいつものようにぶらぶらしているんですが街頭演説に遭遇したことがございません。56人もの人が立候補しているのに何だか変ですね?勿論、多くの泡沫候補が居るのも関係しているのかもしれませんね。今回の選挙で、おいらが納得できないことが2つあります。まず現知事、今年実施された衆議院補欠選挙には乙武さん支援のため連日街頭に立っていたのに公務優先ということでほとんど街頭に出ないどころか、対立候補とのTV討論すべて拒否。政治家は自分の意見を喋ってなんぼの世界じゃないかしら。次は広島県安芸高田市の前市長だった方、一期務めただけで辞めてしまい市民の気持ちはいかがなものかと?そして彼は原発推進派であるという発言に大いに引っ掛かります。若い、勢いムードで判断するのも危険な気がします。

都民の皆さん、投票場に行き賢明な判断よろしくお願いしますね!

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又、来年お逢いしましょうネ

2024/06/28
【第1910回】

昨日はminiOn7公演「二十一時、宝来館」を観劇。On7(オンナナ)という集団は歴史ある新劇5団体(青年座、文学座、俳優座、演劇集団円、プロダクション・エコー)に所属している女優さん7人が2013年に結成した気鋭の集まりである。老舗大手の劇団の所属俳優の数は膨大である。俳優とは待つ仕事ではあるが、なかなか待っていてもそうそうやりたい役が来るとは限らない。そこで、面白い芝居を創りたい!新しい作家と演出家、そして仲間と体当たりで情熱ある場を創出したい!自らアクションを起こした7人の侍のごとく彼女たちに拍手を送ると同時に応援したい気持になるのはプロデューサーとしては至極当然である。

そんな彼女たちの勇気にほだされ、メンバーの中からトムの作品にも出演して頂いたこともある。この混迷した世界情勢の中、少しでもより良い世界にするには女性のチカラを借りるしかないと思っている。全ての分野において、どうしようもない思考低下に陥っている男どもが未だトップに君臨している現状を見るにつけ、そんな奴らを退場に追い込む行動力に期待しています。

ところで昨日の芝居の方はと言いますと、女性の作家(竹田モモコ)らしい作品でした。女性の心理を上手く捉えた作風を、演出・田村孝裕さんがテンポよく演出していました。日常おいらにも不可思議なオンナの恐ろしさ、切なさ、可愛らしさが随所に散りばめられていました。

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こんな時期に...

2024/06/26
【第1909回】

2019年の初演以来、今回の公演が4回目となる「風を打つ」の稽古が始まりました。

この作品は水俣病が公式に確認されてから68年過ぎても未だ苦しんでいる家族を描いた芝居です。

先日も環境省と水俣病の患者等の団体との懇談会で、被害を訴える発言中にマイクが切られるという由々しき事態が発生しました。国側が設定した3分の持ち時間を超えたと言う理由で...この国の政治、行政がすべてにおいて都合の悪いことは過去のこととして切り捨てようとする姿勢の表れです。そしてもう一つ、水俣病に限らず、環境破壊、汚染と分かりながらも社会を豊かにすることを優先し、それをしっかりと享受し繁栄に乗っかった国民のひとりひとりにも利害の当事者であることを忘れてはならないと思います。

沖縄の問題にしても然り、米軍基地のほとんどを沖縄に負担させ本土を守って貰いながら一向に沖縄米軍基地の分担を口にしない政府、都道府県。都合の悪いことは口チャックするか、もしくは無関心を装うという悪しき習性が残念ながら未だこの国に蔓延しています。

許せないこと、納得いかないこと、そして弱者を切り捨てるというもっとも卑劣なことに対しては徹底的に発言、行動していかなくては決して真の豊かな国にはなり得ないと思っています。

稽古初日の本読みも皆さん気合いが入っていました。我々は芝居という手段を通じて少しでも希望が持てる社会を形成できればと思っています。

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杉並区柏の宮公園

2024/06/24
【第1908回】

2023年、カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリ、アカデミー賞では国際長編映画賞を受賞した「関心領域」を鑑賞。冒頭から不穏な音楽が流れ黒い画面から一転し、緑に囲まれた川で水浴を楽しみ帰宅するアウシュビッツの所長ルドルフ・ヘス一家の幸せそうな様子が瀟洒な邸宅ともに映し出される。手入れが行き届いた見事な庭園に沿った壁の向こうには、灰色に覆い尽くされた建物が並び、高く聳える煙突から煙が立ち上っている。そして絶えず流れる不気味な音(収容所で日常的に行われているであろう看守の怒声、ユダヤ人の呻きなどなど)このノイズが、この映画の中で一切映し出されない収容者内部の悲惨な有様を想像させる展開になっている。

これまでにも、いくつものホロコーストに関する映画が描かれてきたが、今回の手法はなかなか手が込んでいる。この混迷する世界においても、いくつかの壁が取り除かれると共にあらゆる情報が飛び交い、それに飛びつき関心を示しているようには見えるが果たしてそうだろうか?情報過多の中で、ほとんどの人が見えない壁を作って自分に都合の悪いことに目を向けることなくシャットアウトしているのではなかろうか...

でも、新宿の映画館には意外と若い観客が詰めかけていた。ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルによるガザへの攻撃、これらの現実に若者が自身の暮らしの外側で勃発している出来事に関心を向けている機運だと信じたい。

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まだまだ愛でてくださいね!

2024/06/21
【第1907回】

昨日は、新宿花園神社で新宿梁山泊第77回公演「おちょこの傘もつメリーポピンズ」を観劇。思えば半世紀前の状況劇場の紅テント以来、確かに紅テントから根津甚八、小林薫などを輩出してきたのだが、こうやってすでに各ジャンルで活躍している俳優がテントに一同に集まって競演するのは画期的なことではなかろうか...現代演劇、アングラ、商業演劇という垣根を取っ払っい、演劇の持つおもしろさを味わって貰う良い機会かも知れない。

中村勘九郎の明瞭な台詞回し、さすがに歌舞伎界で鍛えられた技量はなかなかのものである。劇中、花道から観客であるおいらに肩に手を掛けられ「お若いですか?」と問われたので「その通り!」と答えました。もう少し問答が続くと、おいらも昔取った杵柄、じゃあやってやろうじゃないかと思わず舞台に上がりそうでしたよ。

ニヒルを貫く豊川悦司、独白に情念を吹き込む寺島しのぶ、二幕登場いきなり颯爽とカラオケマンさながら歌いながら登場する風間杜夫、奇態ぶりを発揮する六平直政。キャスティングが上手くはまっていたのではなかろか。先日亡くなった唐十郎さんの作品がいろんな形で上演され唐さんもきっと喜んでいるに違いない。

終演後、杜夫ちゃんと軽く一杯。今年、後期高齢者になったばかりの75才もなんのその、舞台上の元気そのまま美味しそうにお酒を飲みながら話に花を咲かせておりました。

今年9月~10月に上演する新作、風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン ミッション・インポッシブル~牛山明、バンコクに死す~」が大いに楽しみである。

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新宿花園神社テント公演

2024/06/19
【第1906回】

飴屋法水著「たんぱく質」読了。この方、以前は唐十郎さんの状況劇場に在籍し、その後自ら劇団を創りアバンギャルド的作風を公演していました。おいらも何度か観に行ったのですが、なかなかおもろいことやっているなと言う印象を持っていました。なるほどこの本を読んでみてよく分かりました。

人間は水分を除けば半分近くがたんぱく質で出来ていて、この世に生息している動物、虫と成分的になんら変わることは無いのだが、死後他の生きものの栄養分にもならず焼くか埋めるしかできない生きもの。そんな生きものとして生まれた事に対する自分なりの考察を散文詩的に記した一冊だ。日常生活に現れるゴキブリ、何億年先に消滅するであろう地球や宇宙のこと、60数年生きてきて命の終わりを感じながら過去と未来を綴った84の断章。

どこの章も合理と不合理、自然と反自然、自由と不自由が交錯し、自分は一体何物なんだという思考を繰り返しながら...つまるところ、おのれは人間という動物であるたんぱく質だと位置づける。そして思考することが自分の宗教であり、果てしなく考え続けることしかないと...人間の業、悲しみ、怒りを見据えた祈りの書かも知れない。

本日、改正政治資金規正法が19日の参院本会議で可決・成立した。裏金の解明もままならず、抜け穴だらけの今回の法案、どんな顔して賛成票を投じたのか驚くばかりである。国民をなめ切った政治屋に鉄槌を下す時が来た!

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神田川

2024/06/17
【第1905回】

先週の週末は、長年博多での公演をバックアップしてくれた福岡シアタークラブの方々への御礼参りに行ってきました。大里、廣川さんを中心に立ち上げたシアタークラブ、16年間本当にありがとうございました。チケットの販売、公演当日の搬入、受付に至るまでみなさん家庭を抱えながらのボランティア。公演終了後はこちらも役者さんの相手をしなきゃいけないので、なかなかゆっくりとお話もできず申し訳ない気持ちで一杯でした。

そんなこともあり、一応の区切りということで皆さんと食事でもしながらお礼方々、想い出話に花を咲かせ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。いつもながら芝居の終演後には、シアタークラブの皆さんには客席に残っていただき、出演者の皆さんとの交流も大変好評で次回公演の励みにもなりました。

演劇なんて余程興味が無ければ日常生活において無縁の世界かもしれません。そんななかトム・プロジェクトの芝居を観劇して「芝居って、こんなに面白いものなんだ!」なんて言ってくれる新しい観客が増えていく醍醐味も感じさせてくれました。博多は昔からお祭り大好き人間の集り、多くの芸能人を輩出するのも分かる気がします。

福岡シアタークラブの皆さんも、おいら同様歳を重ね今までみたいなフットワークで動くわけにはいかなくなりました。これからどういう形で博多公演を進めていくかまだ分かりませんが、その時は観客のひとりとして劇場にいらしてくださいね。

又、いつの日かお会いしましょう!

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福岡シアタークラブ発足時のポスター

2024/06/14
【第1904回】

七夕決戦...東京都知事選挙、風見鶏おばさんと舌鋒鋭い白スーツさんの戦いの火ぶたが切られました。風見鶏さんいつも世間受けするキャッチフレーズでラッパを吹くんですけど七つのゼロ公約も未だ実現できずにいるのに何となく言い訳言うてますな。神宮の森伐採問題もなんだか歯切れが悪い。再開発、もう止めましょうよ!大資本に寄り添うんじゃなくて弱者に寄り添ってちょうだいな。オリンピックだって終わってしまえば、見えない裏金騒動が明るみになり後味悪い結果になりましたね。最初の選挙時は反自民の旗をかざしながら勝利したのですが、当選したら風見鶏の本性が出ましたね。

一方、白スーツさん、当選した後が大変ですね。議会のほとんどが都民ファースト、自民、公明。この巨大な組織にどう対峙していくのか?至難の業でございます。それにしても50人超える立候補予定者。街に早々と設置された掲示板、急遽増設しているみたいです。おなじみの発明家ドクター中松(95歳)8度目の挑戦、あのねのねの清水国明などなど、なかでもおいらが注目しているのが広島県安芸高田市市長だった石丸伸二氏。故郷・安芸高田市の前市長が参院選広島選挙区の大規模買収事件に関わったとして辞職。しかし後任として立候補を表明したのは一人だけ。それも前市長が後を託した当時の副市長のみ。そのニュースに強い危機感を覚えた石丸さんは「世界で一番住みたいと思えるまち」を公約に出馬を決意し、なんと翌日に会社への退職願を提出。投票日の1ヶ月前に準備なく出馬を決めたにもかかわらず、多くの市民の支持を得て当選。

こんな人たちの出現が沈没しかかった日本を救ってくれるのかもしれませんね。既存の政治家の既得権死守だらけの政治は、もううんざりでございます。そして、なによりも良識ある有権者にあっぱれ!

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ガクアジサイ 
花言葉~謙虚~

2024/06/12
【第1903回】

昨日は墨田区にある、すみだパークシアター倉での公演、劇団桟敷童子「阿保ノ記」を観劇。その昔、人柱・生贄専門に育てられた子供たちを、死後は神様と共に平穏に暮らしていけると信じこまされ民衆のために死んで行けと教えられていたそうだ。そんな民話、民間信仰を題材に、いつものような手作りの装置、衣装、小道具を駆使しながら東憲司ワールード満載の芝居でした。東君の描く世界は、いつも底辺に蠢く民衆の哀歓である。芝居のスタイルも決して上目線ではなく、大地にしっかりと根を張った生活者の心からの叫びである。

テント芝居ではないが、劇場に入るなり観客も芝居に登場する民衆のひとりであることを意識させ、ドラマの進行とともにいやが上にも感情移入せざるを得なくなる。

いつもながら劇団員の真摯な演技に清さを感じる。客演である音無美紀子さんも桟敷童子のカラーに染まりながらも、彼女の持ち味を十分に発揮したさすがの芝居でした。

座長自らのぼりを持ちながら入り口でのお客の案内、創立メンバーの一人である原口健太郎君も出番があるにも関らず同様にお客様の接待。こんなところにこの劇団の志の一片を感じる。

ライオンズ先月に続いての8連敗。昨日の最終回、一打同点のシーンでキャップテンである源田選手がファーストゴロで必死のヘッドスライディングもアウトで敗戦。源田選手立ち上がれず、先発ピッチャーである今井投手が駆けより共に涙。いやいや、今のライオンズの打線では監督が代わっても無理です。フロント、監督、コーチすべて抜本的な変革がない限り強いライオンズの復活は夢のまた夢でございましょう...でも、ファンはありがたいものです最後まで熱い声援、これを感じない選手は即退場願いたいものですね。

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劇場の近くの公園から

2024/06/10
【第1902回】

先週の土曜日は下北沢駅前劇場で劇団チョコレートケーキ「白き山」を観てきました。この芝居の主人公である歌人斎藤茂吉は村井國夫さんが演じる予定でした。芝居の稽古が始まって間もなく体調不良ということで降板することになりました。

急遽、緒方晋さんが演じることになり、おいらも何とか無事に初日が開くことを願っていました。観終わって思ったことは、この緊急事態でスタッフ、キャストの結束力がより強固になりいい芝居に仕上がっていました。生の芝居の恐いところは、いつどんなことが起きるかわからない中、既に決まっている日程を動かせないことです。最悪のケースは公演中止、それに伴う経費の支出は制作者が負担することになり、勿論キャスト、スタッフの皆さんにも影響が及んでしまいます。コロナ禍での公演は日々、その恐怖に晒されながらの稽古、本番の連続でした。

劇団チョコレートは過去にも歴史に基づいた人物、事象にフォーカスをあて多くの作品を上演してきました。その成果はいくつもの演劇賞を受賞していることで実証済みです。こんな時代だからこそ、過去の歴史を踏まえ未来への希望に昇華させていくことも演劇の重要な要素だと思います。

観劇後の下北沢の街は若者で溢れていました。多くの劇場、古着屋、飲食店、どこもラッシュ状態。後期高齢者はなかなかいませんな...おいらはそんなこともへっちゃらでございます。あっちゃこっちゃ覗きながら最後はjazz喫茶「はやし」で赤ワインとハヤシライスで締めました。

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jazz喫茶はやし

2024/06/07
【第1901回】

昨日は王子にある北とぴあペガサスホールに行ってきました。この北とぴあは懐かしいです。2000年に風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン」を上演しました。あれから24年の歳月が経ったと思うだけで感慨深いものがあります。よくまあ続いたもんだと、改めてトム・プロジェクトに関わった人たちに感謝と共に、飽きっぽいと同時に、魑魅魍魎の芸能世界でおいらが良く我慢してやってこれたことに感心しております。でも、やはり決め手は芝居が好きだったんでしょうね。好きなことは少々嫌なことがあってもやれるもんです。

さて昨日の芝居、劇団印象の主宰者である鈴木アツト作・演出による「3℃の飯より君が好き」。出演者はトム所属の滝沢花野と、トムの公演にも何度か出演してもらった向井康起。

仕事から帰って来た妻、これから夜勤の交通警備に向かう夫が織りなす奇妙なやり取りが、この不穏な時代にマッチしているように思えた。不自然と思えば不自然なんだが、不条理、不自然がまかり通る現世だからこそ、妻の妊娠したお腹が凍るのも、夫の勃起したおちんちんが凍結するのもあり得ない世界として捉えることが出来てしまう。何よりも、滝沢さん、向井君の素直でリアルな演技が素敵でした。

裏金問題で端を発した政治資金規正法改正案、衆議院で賛成多数で可決されました。国民を置き去り無視した自民党、公明党、維新の政党の資質を問われる大問題だと思います。あんな姑息なこと時間が経てば忘れるだろうなんて驕り昂ぶる議員を辞めさせるには選挙でしかありません。商人に近い政治屋を選んでしまうと、今なお浮上しない沈没ニッポンが完全に沈没しちゃいますよ皆の衆。

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落日

2024/06/05
【第1900回】

劇団東京乾電池アトリエ公演、柴田鷹雄出演による「風のセールスマン」観劇。この芝居はトム・プロジェクトで2009年に柄本明ひとり芝居で上演した作品です。柄本さんとは若い頃からの知り合いで、2002年には山崎哲作・演出「また、あした」で大久保鷹さんとの二人芝居に出演していただきました。2003年にはひとり芝居「煙草の害について」でロシア公演も実現させました。

柄本さんと酒を酌み交わすたびに、「別役実さんの戯曲でひとり芝居やれたらな...」なんて話から、おいらが別役さんに頼み込み実現したのが「風のセールスマン」でした。日本の不条理演劇の第一人者である別役さんは、怪優柄本明の個性を上手くとらえ見事な作品に仕上げてくれました。紀伊國屋ホールでの公演は連日満員の客で、柄本明という俳優の魅力を十分に堪能していました。可笑しさ、哀しさ、狂気、しがないサラリーマンの哀歓を柄本流演劇スタイルで、舞台上を所狭しと躍動していました。

今回の東京乾電池の若手俳優である柴田さんも大健闘していました。この戯曲を自分のものにするなんてことは至難の業だと思います。今回は柄本さんが演出を担当し、とことん追い込みながら創り込んだのではなかろうか...終演後の座長柄本明は?「俺、もう一回やってみようかな...」改めて戯曲が持つ圧倒的な魅力に、再チャレンジの気持ちが沸々と込み上げて来たのではなかろうか?

役者にとって生涯を通して「この戯曲は誰にも渡したくない!」なんてことは、そうそうあるものではございません。この「風のセールスマン」こそ舞台役者としての柄本明の唯一無二の作品に違いない。

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水無月の道

2024/06/03
【第1899回】

先週の金曜日は隅田川沿いにある柳橋のルーサイトシアターで、鳥山昌克さんのひとり語り芝居「高野聖」を観劇。幻想文学の巨匠泉鏡花27歳時の代表作です。旅する修行僧が、飛騨の奥深い山中で出会った艶めかしい婦人との、奇妙な怖い体験を語った幻想小説。山中の情景描写が美しく、まるでその場にタイムスリップしたような感覚になり、日常から非日常に誘われる感覚が心地よい。しかしその一方、患部に触れると人の病が軽くなる、息を吹きかけた人を動物にしてしまう等の特殊能力をもつ婦人の不思議な力に魔性を感じる恐ろしさを感じてしまいます。

この作品を選択した鳥山さん、師匠である唐十郎さんの影響が大いに影響していると思います。理性では決して解決できない感覚、官能の世界に生き物の本質を見出さそうとする作家に魅入られてしまう役者が己の肉体で具現化しようとするさまがとてもスリリングでした。

このルーサイトシアタは昭和初期に活躍した芸者歌手、市丸さんが住んでいた場所でもありました。芝居の最中に隅田川を行き来する屋形船、その上を走る総武線の車両と音、それを取り込んで進行するドラマは、まさしく幻想と現実世界が交差するなかなか味わえない時空間でございました。鳥山さんが隅田川を眺める横顔がとっても素敵でした。

この貴重な場での次回公演、楽しみにしています。

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ルーサイトシアターからの眺望

2024/05/31
【第1898回】

我が故郷博多に帰ったときの楽しみのひとつは、海の幸山の幸に恵まれた食材をふんだんに使って提供してくれる居酒屋に顔を出す事です。その中でも飛びっきり新鮮な魚と、選び抜かれたお酒を出してくれる「さきと」の大将が亡くなった手紙が昨日届きました。令和4年4月に店を閉め1年10ヶ月の闘病生活を経ての生涯でした。12席のカウンターだけのお店で、大将が毎日市場で仕入れた活きの良い魚を捌く姿を見ながら、所狭しと並べられた銘酒を片手に舌鼓を打つなんてことが出来なくなったことが本当に寂しい。

勿論、食の良さは当然ながら店主の佇まいも大切な要素になってくる。カウンターを挟んでの微妙な距離感、無愛想でも拙いし、こちらの空気も読まないでずかずかと入り込んでのお喋りもうるさいし、そこはお店のカラーを決定づける。「さきと」の大将、松本さんはその辺のセンスは抜群でした。馴染みのお客も新しいお客も皆同等に対し、気持ちよい時間を過ごさせてくれました。トム・プロジェクト博多公演の時に出演者も何人か連れて行きましたが皆「こんなうまい魚食べたことない!」と絶賛しておりました。

この店に通う前には「たらふくまんま」に顔を出していました。ここの大将、菊池さんの食に対するこだわりは大変なものがありました。その魅力はうまいだけではなく、職人でありながらも、スタッフ教育、ホスピタリティにも長けたすばらしきプロデューサーでもありました。その菊池さんも2013年に亡くなり、今は奥さん、娘さん夫婦で「女とみそ汁」という名前で営業しています。

こんな店が東京にもあればいいなと思いながら、今日も居酒屋探訪をする日々でございます。

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五月最後の夕暮れの匂い

2024/05/29
【第1897回】

一昨日、今年9月から10月にかけて上演する新作、風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン ミション:インポッシブル」牛山明、バンコクに死す!のチラシ、ポスターの写真撮りをしました。カラオケマンシリーズ初の海外編、75歳になった牛山明がバンコクに行って何をしでかすか?大変興味あるドラマになりそう写真撮りでございました。サービス精神満点の杜夫ちゃん、いろんな姿に変身し、喜怒哀楽満載の表情をしながら奮闘してくれました。どの表情も様になりさすが千両役者、撮影現場にいたスタッフも爆笑の渦、早くも今回の芝居、始まり始まりてな感じでした。

この直後も、6月に幕が開く新宿梁山泊テント芝居のパンフレット用の写真撮影の予定が入っているとのこと。テント芝居初登場の歌舞伎役者中村勘九郎、豊川悦司、寺島しのぶとの共演も興味あるところ。今年、後期高齢者の仲間入りしたにもかかわらず精力的に舞台出演が決まっている杜夫ちゃんのエネルギーたいしたもんでございます。芝居を愛し、酒を嗜み、劇場に来てくれたお客様にベストな演技で答える愛すべき役者ですね。

いつも撮影で使わせている野澤写真館は西荻窪にあります。骨とう品屋、古書店、粋なレストランなどなど玄人好みのこじゃれた街です。おいらが好きなジャズ喫茶ユハもあります。

やはり街は小ぶりが一番ですね。何事も肥大化するとつまらなくなってしまいます。ニンゲンサイズであることの意味を忘れちゃなりません。少し小路に入れば、予期せぬお店に出逢い今日一日を幸せで心地よい時間にさせてくれます。

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タチアオイ

2024/05/27
【第1896回】

いやいやライオンズの監督変わってしまいましたね。昨日、一昨日と見事な逆転劇でベンチ内はお祭り騒ぎでございました。さあこれから行くぞ!てな感じに思えましたが、さすがにこの成績では誰かが責任とらなきゃファンは納得しませんね。先週もふらりとベルーナドームに散歩がてら覗きに行ったのですが、ライオンズのエース今井の先発なのにロッテ相手に一回の表、早々と5点先取され5回が終了した時点で球場を後にしました。それにしても打てない、作戦はちぐはぐ、これでは観る価値がないとおもってしまう試合ばかりです。

おいらも70年に渡るライオンズ一筋のファンですが、池永投手が永久追放された黒い霧事件、その後のクラウンライター、太平洋クラブという名称に変わって以来の弱小チームになってしまいました。

今回の件も松井監督ばかりのせいではありません。お金が無いのはわかりますが、フロントさん少しは気の効いた補強をしなさい!と言いたい。連れてくる外人もモノにならない選手ばかりで毎年期待はずれ。なにもかもゆるゆる、昨日、逆転打を放った蛭間選手みたいなプレーヤーが増えない限りライオンズの未来は見えてきません。いつまでたっても結果を出せない外野手の面々、レギュラーを張るにはみんなあと一歩!ってカンジのドングリーズ。もう何年こんな屈辱的な呼び名をされてるの?悔しかったら泥まみれになって練習して見返すぐらいの根性見せてくれんと野球人生終っちゃいますよ。

それにしても、スター選手もそんなに居ない日ハム、ロッテ両チームが金満ソフトバンク相手に頑張ってますね...明日からは交流戦、ライオンズは勿論、おもろい試合期待してまっせ!

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こんな季節がやって来ました

2024/05/24
【第1895回】

柚月裕子著「風に立つ」読了。補導委託(問題を起こし家裁に送られてきた少年を、一定期間預かる制度)を家族に相談せずに引き受けた父に対して、反発する息子。
しかし、委託された少年との生活が始まると共に、その委託先である父や周辺の人との関わりがきっかけとなり、父との関係を見つめ直すことになる。委託された少年も家族との関係に悩んでおり、それと重なるように委託先の息子の葛藤がリアルに描かれる。現代社会の縮図でもある家族問題をテーマにしているのだが、今ひとつかな?
新聞に連載された小説を一冊の単行本にするとこうなるのかなという良い例かもしれない。作家も全体の構想はあるものの、日々の連載だとブツ切れになってしまう可能性が強い。読み手もなんだかだらだらとページをめくって、いつドラマの核心がくるのやらとテンションが下がってくる。と言っても、きらりと光る言葉は随所に散りばめられてはいる。ミステリー大賞他、いくつかの賞を受賞している実績ある作家であることには違いない。

限られた時間の中、何を選択するか?いや何を選択したかが重要になってくる。まだまだ読みたい本は山ほどあるのだが、なにせ残された時間はそんなにあるわけではない。なにはともわれ何事もかかわった以上、何かしら琴線に触れる言葉がないか探求心だけは忘れないようにしている。作家だって命を削って創作しているに違いないし、その姿勢にはいつも真摯に向き合っていたいと思っている。
今年はマンションの中庭のカスケードにカルガモの赤ちゃんが無事誕生した。このところ度重なるカラスの飛来によりカルガモ親子も警戒していたのだが、先日の巣の撤去により一安心したに違いない。誕生したばかりの子ガモが無事成長するのを願うばかりだ。

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カルガモ親子

2024/05/22
【第1894回】

新宿は相変わらずカオスの町でございます。花園神社でのテント芝居を観劇後、久しぶりに怪しい歌舞伎町を探索したのですが、まさしくいろんな国の人が入り乱れ、ホストクラブ、ガールーズバー、ぼったくりバーの客引きが路上に溢れかえっていました。今日もほいほい乗っかって、とてつもない料金を要求され泣き泣き新宿の街を後にする人が居るに違いありません。以前にも増して黒人の客引きが多いのには驚きました。彼らのバックには恐い組織が今尚存在し抜き差しならない関係になってしまうんではないかしらと心配してしまいます。

そんななか、ヒモで土俵を作りカンパ箱をおいて相撲興行を行っている集団がいました。この光景にびっくりした外人観光客が取り囲み、次から次に飛び入りで勝負を挑むのだがなかなか勝てません。今日の主役である彼はおそらくどこかの相撲部の一員に違いありません。大きな外人相手にビクトもしない強靱な身体をしていました。

30年前にも、今は無き歌舞伎町コマ劇場前広場で殴られ役を買って出る元ボクサーが居ました。「私が歌舞伎町の殴られ屋です!一分間、千円で殴り放題!どうぞ私を殴ってストレスを解消していって下さい」何人もの男がチャレンジするのだが相手はプロですから上手にかわし、なかなか倒すことはできません。でも、時折自信たっぷりの強者も登場しボコボコにされそうになったこともありました。

そんな広場も、今では通称「トー横」。自分の居場所がないという家庭での虐待や学校でのいじめなどに悩む10代の子供たちのたまり場になっています。ここから又、いろんなドラマが生まれるに違いありません...転落の道を辿るのか、ここを足場に人として成長していくのか、とにかく欲望に塗れた街には違いありません。

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歌舞伎町のパフォーマンス

2024/05/20
【第1893回】

ワンちゃんのご主人様を待つ姿がなんとも微笑ましい。ニンゲン世界は魑魅魍魎、憎悪が拡散し争いから戦争という惨たらしい時間が今尚繰り広げられています。こんな不毛の時代で唯一癒されるのが野に咲く花であったり、悠然と聳え立つ樹木であったり、小動物だったり...中には人間に害を及ぼす生き物もいますが、地球は人間だけのものじゃありませんから当然のことながら生きる権利はあると思います。

我が家のマンションの中庭にある樹木にカラスが巣を作り、子育てのデリケートな時期と重なり住民を襲ったこともあり、懸命に作り上げた巣が撤去されました。日毎、ベランダからつがいのカラスが飛びまわる様を見ていたおいらも複雑な思いです。カラスだって種族を残すための必死な戦いだったと思います。監視のため頻繁に飛来するカラスの行動を目のあたりにして過ごした日々が何となく懐かしい。この感情も考えてみればニンゲンの勝手な思い込みに違いない。

野の花だって何もニンゲンを喜ばすために花を咲かせているとは思いません。ただ自然界の秩序に乗っかって淡々と生きているだけ。でも同じ地球上に共生しているニンゲンが感謝の気持ちを抱くだけで、この世界は平和の輪が広がるに違いありません。何事も愛しむ気持ちが大切だと思います...身のまわりにどれだけ愛しむものを見つけ感じることができるかが穏やかな日々の尺度。何事も心優しい目線で過ごしたいものです。

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まだかな?

2024/05/17
【第1892回】

城山三郎著「指揮官たちの特攻~幸福は花びらの如ごとく~」読了。城山三郎さんは気骨ある作家である。紫綬褒章の知らせを聞いた時に、「僕は、戦争で国家に裏切られたという思いがある。だから国家がくれるものを、ありがとうございます、と素直に受け取る気にはなれないんだよ」。そう言って辞退しました。

今回の本は城山さんの面目躍如たる作品である。昭和19年10月25日、最初の特攻隊としてレイテ島沖で米艦隊に突撃した関行男大尉と、翌20年8月15日夕刻、敗戦の事実を知らされないまま沖縄へと飛び立ち、そのまま還らぬ人となった中津留達雄大尉の二人の海軍兵学校卒業生を中心に、彼らが特攻機に乗ることになった経緯と、彼らの生い立ち、人となり、家族のその後などが語られる。本人も終戦直前に大日本帝国海軍に入隊し上官による理不尽な暴力と虐めにあい、戦争と軍隊に対する怒りがその後の著作に色濃く記されている。敗戦間近にもかかわらず次々と開発される安直な特攻兵器を前にして「きさまらの、代わりは一厘五銭で、いくらでも来る」とうそぶく上官、当時の海軍内部の荒廃ぶりには只々呆れるばかりだ。

作家としてだけではなく、一人の人間として晩年は言論の自由を封殺するとして「個人情報保護法」に反対を唱え、自らの戦争体験を振り返って社会の変貌に警鐘を鳴らそうとした。

自衛隊の海外派遣に対しても「日本の自衛隊は国民を守る組織であり、人を殺傷する機関ではない」と危惧を示した。

世界がまさしく第三次世界大戦を予兆させる現状において、改めて城山三郎作品の重みをひしひしと感じる。

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この時期に?

2024/05/15
【第1891回】

一昨日、唐十郎さんの通夜に行って来ました。安らかなお顔でした...唐さんにとっての演劇は己の魂を賭けた遊びでもあり、それまで劇場という空間、そして演技をするための知的、肉体的な鍛錬に異を唱えるためのアングラテント芝居だった。いつの時代でも、支配階級が底辺の民に強いる差別に対し演劇という手法を通じて抵抗する手段でもありました。布一枚で隔てるテントは非日常と日常が瞬時に入れ替わる夢とロマンの時間でもあった。

日本国内のみならず戒厳令下の韓国、難民キャンプシリア、カオスのバングラデシュ、レバノン公演を遂行したのも社会に見捨てられた人たちへの限りない愛だと思う。

東京都の命令に逆らい、新宿西口公園での公演はおいらも現場に居ました。機動隊に逮捕され連行される唐さんの不敵な面構えは今でも記憶にあります。なにせ押し付け事が大嫌いなききわけのない童心が生涯宿っていたに違いありません。

日本の国力が貧弱になりつつある今こそ、冒険者でありロマンチストである唐さんみたいな人物が出てきて欲しいと思うのだが、なかなか難しいかな?でも一度きりの人生、己が願望していた諸々、試しもせず死んでしまうなんて悲しいとは思いません...

5月も中盤、朝晩と昼間の温度差がありすぎて体調不安定。そんなときは散歩に限ります。今日も5月のアンネのバラが咲き誇っていました。風雨に晒されながらも不屈の生命力で繰り返し花咲かす植物に癒され圧倒されてしまう今日この頃でございます。

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平和を願って
(アンネのバラ)

2024/05/13
【第1890回】

先週の土曜日、新宿花園神社にて唐組・第73回公演「泥人魚」を観劇。開演45分前には紅テントの前には多くの人で賑わっていた。いつみても花園神社の紅テントはこの地に一番似つかわしい。新緑映えるこの時期の公演は、何故か観劇前から心躍る気分にさせてくれる。今回の芝居は2003年度の初演以来、実に21年振りの公演である。ドラマの原型は1997年有明海諫早湾が全長7キロに及ぶ鉄板により閉鎖された事件である。映像で観たまるでギロチンさながらの光景はショッキングであった。これにより、この遠浅の干潟に生息するムツゴロウ、ウラスボなどが瀕死の状態に陥った...この一連の事件を唐さんの壮大な妄想を駆使して芝居に仕立て上げたのが「泥人魚」。

詰め詰めで満杯になったテントのなかでいよいよ開幕。看板役者が登場する度に声が掛かるのはいつもの通りだが、唐!の声が聞けないのがとても寂しい。でも唐組の座員の気持の入った演技はいつ見ても清々しい。芝居は元々、ひとりひとりの手作り、つまりローテクを駆使して創りあげるものであることを教えてくれる。どんな綺麗な照明よりも、きらびやかな衣装よりも、お金を掛けた音響装置よりも、人間の肌合いを身近に感じるすべてが心地よい。

時代はより人工的に、より利便性を追求しながら突き進んでいます。もういい加減、自然志向に戻りませんかと発言しても少数意見でしかない世の中になってしまいました。そんな時代だからこそテント芝居、これからの生きるヒントになるに違いありません。

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紅テント

2024/05/09
【第1889回】

5月5日に今年初めてベルーナドームに行ってきました。ソフトバンクとの一戦、見事に負けてしまいました。この日は子供の日ということもあって多くのチビッ子ファンが熱い声援を送っていました。子供限定でグローブも配布し、いつまでもライオンズのファンであって欲しいとの願いも虚しく無様な敗戦でした。そりゃそうだよね、ライオンズには3割バッター皆無、3番バッターがなんと1割台の打者なんですからね。相手のチームは3割バッターがゾロゾロ、そりゃ勝負になりません。監督の采配もちぐはぐ、凡打しても悔しがらない選手を見せられたんじゃ、満員のファンもガッカリです。ここ数年で最悪のシーズンになりそうだし、その後数年暗黒の時代が来そうな予感さえしてしまいます。

昔、強かったころのライオンズを知るファンにとってはなんとも寂しい限りです。ここまで来たら監督コーチを変えなきゃとんでもない借金を抱えた結果になると思います。チームのフロントも然り、もっと言えばどこかの企業に身売りなんてことも考えねばなりません。

やはりある程度お金を掛けなきゃ強いチームにはできないと思うけど、資金が無くても広島カープなんてチームは地元に愛され続けながら人気を保っています。

今の勢いでは、パリーグはソフトバンクのぶっちぎり優勝。セリーグはどのチームも優勝の可能性がある面白い展開。まだ5月というのにライオンズは白旗掲げるのもみっともないし、少しでもファンをワクワクさせる戦いをやって欲しいと思っています。

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フレ!フレ!ライオンズ

2024/05/07
【第1888回】

唐十郎さんが亡くなりました。トム・プロジェクトでも2本、作・演出して創っていただきました。稽古中、そして酒場で一緒に過ごした時間が懐かしいです。いつも少年のような瞳で語り掛けてくる言葉が、現世を見つめながらどこか見知らぬ時空間に誘ってくれる不思議な人でした。唐さんの描く世界の主人公はいつも底辺に蠢く市井の人でした。唐さんが幼少の頃、下谷万年町で出会ったいかがわしくも心根の優しい庶民の姿が戯曲を書くきっかけになったに違いありません。

おいらが上京して頭をぶん殴られたのが、1967年8月、新宿花園神社境内に紅テントを建て、『腰巻お仙 -義理人情いろはにほへと篇』を観た時だ。なんだこれは!唐さんはじめ、麿赤児、四谷シモン、大久保鷹、不破万作などなど得体のしれない役者群が紅テント内で観客をかどわかしながら縦横無尽に暴れまくっていました。まさしく特権的肉体論、役者の沸き上がる身体を通して言葉を生み出していく手法に唖然とした記憶があります。

こんな世界に身をゆだねたい...そんなこんなで演劇の世界に身を投じた次第です。

唐さんが演劇に託した想いは、その後いろんな人達が継承し演劇というフィールドをダイナミックに展開していったことは紛れもない事実です。

唐さんお疲れさまでした...ゆっくり休んでくださいね!と言いたいところですが唐さんのことですからあの世でまた暴れまくっているに違いありませんね。

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早く取りに来てネ

2024/05/02
【第1887回】

太宰治賞2022年受賞作・野々井透著「棕櫚を燃やす」読了。久しぶりに文学っていいなと素直に思いました。淡々と過ぎていく父と娘二人の会話が繰り返される小説なのだが、周りの風景と三人の心情が寂しさ、切なさ、孤独感を超越して他の何よりも温かく愛を感じさせていく言葉の選択がまさしく文学。
時折出てくる「むるむる」という擬音語。これだけ言葉を選びながら、尚表現できない言葉を身体感覚として表現したかったのだろうか...余命幾ばくもない父の姿を、まるごと自分のこととして語る主人公に深い悲しみと祈りを感じる。
小説を読みながら、バックにフランス室内楽作曲家フォーレ、ドビッシーの曲が流れてくるような不思議な読書体験でした。
「からだを洗う女のひとたちは、湯上がりのひとたちよりも、どこか寂し気で孤独に見えた。自分の髪やからだを洗う姿は、叶わないなにかを願うような姿に似ていて、湯気の中にその想いが浮いているようだった。」
日常の中に淡々と流れる命を感情に溺れることなく、慈しみながら遙か遠い宇宙から映し出しているかのようにも思えてくる文章だ。
明日から後半のGW。天気も良好、リフレッシュするには最適な時かも知れませんね。

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5月5日には泳ぎますからね...

2024/04/30
【第1886回】

GW前半終了、どこに行っても車と人だかり、こんな時は近場でのんびりしているのがベストです。日比谷シャンテで「落下の解剖学」観てきました。なんだか難しい医学的な映画かなと思いますが、人間の心理を愛情とエゴを交えて巧みに描き切ったドラマです。視覚障害の子供への愛情と悔恨、夫婦間に生ずる微妙な誤解とずれ、その描き方が実にリアル、そして緻密に描かれる。そして夫の死を巡って(落下死)のスリリングな裁判劇。判決は下されるのだが真実は観客の想像に任せられる...この映画に登場する犬の表情が、この作品のヒントにもなっているところがなんともフランス映画らしい。映画を観ているというかなんだか芝居を観てる感じがしてくるのも、ひとえに脚本のすばらしさだと思う。

主人公を演じた女優サンドラ・ヒュラーの複雑で陰のある演技がこのドラマをより一層、緊張感と繊細さを生み出している。けっして美人とは言えないのだが、この人の内面からあふれる姿を見ているうちに、ひとりの女性の健気で強靭な意志力でついつい彼女に寄り添っていくおいらもまさしくこの映画に乗せられた一人でございました。

衆議院議員補欠選挙、予想通り自民党にお灸がすえられました。一時的なお灸では、またまた権力はあの手この手を使って復活してまいります。この機会に、しっかりとお目覚めしないとこの国は間違いなく滅びの道を歩んで行ってしまいますよ。

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日比谷のゴジラ

2024/04/26
【第1885回】

東京の街は異国の人で溢れかえっています...世界一の乗降客を誇る新宿の街も相変わらず多民族の人たちでラッシュ状態です。新宿で最もディープな場所である西口の「思い出横丁」歌舞伎町の「新宿ゴールデン街」なんかはカメラを手にして、戦後闇市そのままを残した風景を我先にと撮りまくっています。勿論、お店の中も外人だらけ、埃にまみれた焼き鳥をおいしそうに食べていました。何せ円安ですから、この時ばかりと...ニューヨークではラーメン¥3000するんですから、彼らにとっては食の天国に来たようなもんです。新宿に店舗を構えるあの天然とんこつラーメン「一蘭」の前には長蛇の列。おいらはあの値段と食感がどうしても納得できず駄目ですな。「一風堂」然り、博多で生まれ育った者としては、ラーメンブームの便乗した商売のやり方に大いに不満でございます。博多に帰って食べるラーメンは「膳」に決めています。豪快でありながらも滑らかな風味、麺は小麦の美味しさを活かしたオリジナル、タレ、チャーシューは自家製。そのうえゴマはかけ放題、にんにくも丸ごと潰し放題、それでなんと¥320!物価高で悲鳴をあげている昨今、ラーメンの神様が降臨した思いです。やればできるじゃないですか...2050年には日本の人口なんと3300万人減少するそうです。その先はと考えると、この国、もしかすると異国の人たちに雇われる形態になっているかもしれません。目先のことばかり考えないで将来を見据えた商いしないととんでもないことになっちゃうかもしれませんね。

新宿南口駅前の通路は、ストリートミュージシャンで溢れかえっています。何故か外国人旅行客は立ち止まりません。そういえば、外国ではごく自然な風景ですから...

明日からGW、どこに行っても人の波。近場でのんびりするに限ります。

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明日を夢見て

2024/04/24
【第1884回】

やれ桜だ、それに便乗しての酒宴。なにかと春のこの時期は喧噪の日々である。そんななか、今日みたいにしとしとと雨降る日が訪れると心和いでしまいます。そんな日は、家に閉じこもり好きな曲を流し読書三昧なんてのがピッタリでございます。

トルド・グフタフセン、ノルウェー生まれのピアニストで、瞬時に落ち着きと満足感をもたらす効果があります。沈黙から北欧の風景を連想させる音の連続は、何もありそうもない別の空間に連れて行かれそうな時間を生み出し、読書の程よい味付けをしてくれます。

日本にもファンが多いピアニスト、キース・ジャレットにも通じるものがあるのだが、やはり生まれ育った北欧の音色を強烈に感じます。彼のタッチ、鋭い旋律センス、そして彼の惜しみない美学は、ともにプレーしている仲間にもしっかりと共有されており、ベースとドラムの刻む時間が彼の世界を一段とスケールアップさせています。

それにしても最近はアマゾン、スポティファイなんかで良質な音楽を聞いちゃうと、ついついCDを買おうかなんて良からぬ欲望が頭をもたげます。もうこの歳になると断捨離を考えなきゃいけないのに困ったもんでございます。モノを増やすな!出来るだけ捨てろ!と常日頃こんなお題目を唱えながらも、やはり手元のジャケットからCDを取り出し音を呼び込む儀式があってこそのマイソングだと頑なな心情が邪魔しちゃいます...でも、やはりほどほどにしないと後始末が大変ですから。

明日から猛暑の始まりとか、どんな未来が待ち受けていることやら全く予測不能でございます。

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どこに巣を作ろうかな?

2024/04/22
【第1883回】

先週の土曜日、中野テアトルBONBONで「明日になれば」を観劇。トムでもお馴染みの、ふたくちつよしさんの作品です。桐朋学園で同級生だった俳優、磯部勉さんの家族のためにと心温まる芝居に仕上がっていました。劇中でも磯部さん夫婦、そして一人娘さんがそのまま家族役で出演しているのですから、そのまま実生活を覗き見している感じがしました。

ふたくち作品らしく、劇中お茶を差し出すタイミングが実に微妙且つ適格、こんなところなんぞは映画界の名匠小津安二郎の世界を彷彿とさせてくれます。

芝居は前半から笑いの連続、ギャグで笑いを取るのではなく、役者同士の台詞のやり取り芝居の内容での笑いなので心地よい。芝居での笑いの質はとても大切であり、作品のクオリティーにおおいに関係してきます。笑いほど難しいジャンルはないと思います。品のないギャグ連発の芝居を観せられた苦い経験も多々あります。喜劇を演じられる役者はリアルな芝居もものの見事にこなしてくれます。今は亡き名喜劇役者伴淳三郎さんが内田吐夢監督の映画「飢餓海峡」で演じた刑事のシリアスな役は今でも記憶に残っています。笑いの中に潜む人の悲しさ苦悩を、実人生の中で獲得したに違いありません。主演の三国連太郎さんの名演技も彼の波乱万丈の生き方がそのまま白いスクリーンに映し出されているようでした。

厚生労働省は、新型コロナウイルスのワクチン約2億4000万回分を廃棄、金額にすると約6653億円。アベノマスクといいこの政府のやることだからなんとも納得できないのでは。未だ水が使えない能登半島の人達...もう4か月というのにほんまにあきまへんな。

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シャクナゲ

2024/04/19
【第1882回】

新国立劇場小劇場で「デカローグ」観劇。この作品は1988年にポーランドで放映された映像作品が基になっています。デカローグとは、旧約聖書に登場するモーゼの十戒を意味するそうです。今回の芝居に登場する人物は、この十戒を守るべき道徳ではなく、これを破ってしまう人間たちの葛藤を描いた物語でした。世界のどこにでもある団地に住む人達の、何気ない誤解や誘惑で悲劇を生み出すのだが、その背後には人としての弱さや過ちをしっかりと受け止める愛情もバランス良く描かれています。

今回観劇した作品は全10編で成り立っており、おいらが観たのは1と3、残りの8編を7月15日まで上演することができるのも新国立劇場だからだと思います。

この新国立劇場が併せて創設したのが演劇研修所。今年で第20期生を迎えるそうだが、3年間の研修を経てこの世界で生きていくのも至難の業である。トムにも修了生を今年の新人2人を加えて5人在籍。トムの芝居にも出演してもらい一日も早く役者で生計を立てられるように後押しはしていますが...いつも新国立劇場で芝居を観劇するたびに思うことは、研修所で3年間しっかりと鍛えた後に、なぜ修了生たちを大きな役に抜擢して公演をしないのか?勿論、興行的な面からも厳しい面があるのは理解できるのだが、ここは国が本腰を入れて創設した俳優養成所なんですから、何とか実現して欲しいと思います。

又もや、中東で物騒な小競り合いが勃発。石油の8割近くを中東からの輸入に依存してきた日本にとっては死活問題。そして四国、大分での地震、地球の未来が本当に危うい!こんな時こそ、地に足が着いた生き方をしましょう皆の衆。

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新緑のメタセコイア

2024/04/17
【第1881回】

プロ野球開幕したばかりなのにライオンズはや終戦...昨日のロッテ戦に負けて6連敗、最下位に転落してしまいました。延長戦11回まで戦ってライオンズ僅か2安打。これじゃ勝てません、いや先発投手が可哀想でなりません。必死こいて投げても味方が点取らなきゃ空しいものでございます。誰が悪いのか?誰の責任なのか?ハッキリ言って監督、コーチの責任でしょうね。先週のソフトバンク戦の試合前の光景を見て驚きました。ライオンズに対し、後ろ足で砂をかけるようにして出て行った山川選手とニコニコ顔で話をしている監督や、ハグしている選手を観客の前で見せつけられてガックシ...案の定、そのあとの試合で2打席連続満塁ホームランを打たれ無様な敗戦。週末多くのファンが集まったホームゲームでソフトバンクに1勝もできない有様。悔しいと思わんかい!お客は高い銭と時間をかけて遠い所沢まで来ているのに...球場を後にするファンの気持ち少しは分かって欲しいですな。

ハッキリ言って、松井監督、平石ヘッドコーチのPLコンビ、もう勘弁してくださいと言いたくなります。それに昨年から打てない打者を指導している嶋、高山打撃コーチ、自ら退陣して欲しい。そこまで大胆に刷新しないと、このままライオンズは長期間まちがいなく暗黒の時代が続くと思います。だって、テレビで試合観ていてもこんなにワクワクしないことは珍しいくらいです。昨日のロッテ戦でも、ライオンズ炭谷捕手がファールフライを取りそこねたのを見てニヤニヤ笑ってる監督、なんと緊張感のない人だろうと思ってしまいました。勝負師としては失格もんです!

と言いながら、これからもライオンズの試合は見ると思います。こればかりは少年の頃からの野球に対する熱い思いが、おいらの身体にメラメラと燃え続けているからでしょうね。

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もうちょっと楽しんでネ

2024/04/15
【第1880回】

先週の週末、高円寺にあるタブラオ・エスペランサに出かける。長年の友人であるグラシアス小林のフラメンコを堪能してきました。彼とはかれこれ45年の付き合いになります。おいらが単独でスペインに飛んで行って初めて会った日本人でもありました。おいらも気負うことなく大道芸やったりしながらスペインの空気になれようとした時でもあり、彼のアドバイスでずいぶん助けられもしました。マドリッド・マジョール広場で大道芸やったときには当時3歳であった息子、海来(みらい)君に投げ銭集めをさせてしまい迷惑もかけましたね。二人してシナリオ書いたり、キャンプに行ったりと楽しいスペイン生活を過ごすこともできたのも小林ファミリーが居たおかげかな。

彼が日本に戻ってからも交流は続きました。波乱万丈の人生を経て、最後はフラメンコに戻りスタジオを持ちながら彼独自のフラメンコ道を追求してきました...自分はどこまで行ってもスペイン人には成れないんだから、自分の生き方を通しての踊りをしたい...この日も、舞台に凛々しく立つ姿は彼の生きてきた75年が見事に凝縮されていました。表現とは己の生きざまを曝け出す場でもありウソをつくことも出来ません。普段、一緒に酒飲んでるときは難しい芸術論なんかは交わさない分、舞台上のグラシアス小林はサムライのようでもありました。そしてフラメンコには欠かせない、野卑の中にも色気と品格。この日の踊りはまさしくMaravilloso(素晴らしい!)に尽きます。

フラメンコという激しい踊りに、今尚チャレンジ精神で挑むグラシアス小林に拍手を送りたい。

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オレ!

2024/04/12
【第1879回】

昨日、今年アカデミー賞作品賞や監督賞など7部門を受賞した「オッペンハイマー」を鑑賞。第二次世界大戦当時、ヒトラー率いるナチス・ドイツは原発の開発を進めており、それを恐れたアメリカのルーズベルト大統領は、原爆開発に着手しマンハッタン計画を設立。その化学部門リーダーとして開発チームを主導し、のちに原爆の父として呼ばれたオッペンハイマーのお話でした。世界では昨年7月に公開され大ヒットしたのに、被爆国の日本での公開は、さすがに慎重に検討したうえアカデミー賞受賞ということもあって3月29日上映に踏み切りました。

いや3時間の尺の中を、3つの時間軸が行ったり来たり、それを追うだけで動体視力が相当疲れてきます。この映画自体はアメリカ人の視点で描かれており、折に触れた会話としては出てきますが、広島、長崎での原爆投下のシーンは全く出てこない。被災国日本人の心情としては複雑極まりない。しかし原爆投下がなければ、この国は焦土と化し戦勝国の占領地になり今の日本国ではない気もしてくる...でも、広島、長崎で被爆した当事者の方々は果たしてどんな気持ちで対することが出来るのか?いまだ無くならないどころか、核の脅威は以前にも増している現状を考えると、巨悪の根源としてのオッペンハイマーに違いない。

この映画が長時間何とか緊張を強いられながらも耐えられるのは、監督の理念、俳優の演技に拠るところが大きいと思う。特に主役を務めた舞台俳優出身キリアン・マーフィーの繊細な演技は秀逸。

よりによって、アメリカ訪問中の日本の失速寸前トップが、又してもアメリカのおじいちゃんに武器を買わされ、軍縮どころか軍拡に突き進む姿がなんともおかしくもあり悲しくなる現実でもございます。

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早くも新緑

2024/04/10
【第1878回】

昨日の雨と強風で満開の桜もヒラヒラと舞い散っていました。いつの世も、サクラは春の季節と相まって人の感情を異常に掻き立てソワソワさせます。中でも京都の人出は半端じゃありません。外国からの観光客、そして日本全国から集まっての騒乱状態。京都市民は迷惑千万でしょうが、観光で生活している人たちも居るので仕方がないところもありますね。おいらが大好きな、東山の麓を流れる琵琶湖疏水分線のうち、若王子橋から白川通りの浄土寺橋に至る疏水両岸の小道「哲学の道」も「騒がしい道」に変貌していました。やはり、こんな時期を避けて行きたいなと思っていても、そんな時期もなかなか見つけにくい京都になってしまったのかな...

それにしても、又しても国会議員、そして知事の横暴な立ち振る舞いがニュースになっていますね。吉幾三さんの動画サイトニュースから拡散していった北海道選出の自民党議員、航空機内ばかりではなく道庁の職員にも偉そうな態度で接していたそうな...来年の大阪万博開催に疑問を投げかけたコメンテーターに、万博出入り禁止を言い放った大阪知事。そういえば、どちらも横柄なツラしてますな。なんか勘違いしているというか自分の立場を理解していないですね...議員も市長も公僕であることを忘れ、特権階級丸出しのダメな人だと思います。税金、物価ばかり上がって冗談じゃありません...裏金も未だ不明、一刻も早く国会議員削減に踏み切って欲しいものです!

もう少し、春の微妙な季節感を楽しみたいのですが、明後日あたりから気温上昇で一気に夏の装いになるみたい...なんとも身体が付いていけなくなった地球環境になっちまいましたね。

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散る桜 残る桜も 散る桜

2024/04/08
【第1877回】

昨日、新宿歌舞伎町に昨年オープンしたシアターミラノ座で「ハザカイキ」を観劇。作・演出の三浦大輔の作品は久しぶりに拝見。この作家との出逢いは衝撃でした。17年前くらいかな、新宿シアタートップスで当時主宰していたポツドール公演「愛の渦」。台詞なしはいいとしても、男優は全員下半身丸出しで女優とSEXシーンのオンパレード。観客の誰かが通報すれば一発でわいせつ罪に問われ公演中止。この大胆な演劇公演でありながら、退屈させないどころか文学の匂いを醸し出す演出力に脱帽した次第。その後、映画の世界にも進出し演劇・映画界の鬼才と呼ばれるようになりました。

さて今回の芝居、芸能界、マスコミを舞台に時代に振り回されながらもがき続ける群像劇。終局は謝罪の連続、人が人に謝り、人が人を赦すことの物語。タイトルの意味が、ドラマの進行とともに理解できました。昭和の古い価値観とこれからの新しい価値観が交代しつつある、まだ中途半端な「端境期」だという事を言いたかったわけですね。

元関ジャニのメンバーが主役ということもあり、会場は相変わらずの旧ジャニーズの女性ファンで満席。そんな雰囲気の中でただ一人堂々たる演技をしていたのが風間杜夫さん。いや、表情、声、佇まいが他を圧倒してましたね。若い俳優さんは勉強になったことだと思います。この芝居のラストに作家の主張が凝縮されてました...26人のエキストラが場内から出現してのヒロインの記者会見、そして雨を降らしての抒情的なシーン。終わりよければすべて良し!魅せることを理解しての演出でございました。

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今日のサクラ

2024/04/05
【第1876回】

やっと出ましたホームラン!日本のみならず、世界の野球ファンが待ちに待った大谷さん。

精神的なプレッシャーは相当あったに違いない。ベンチに居るときの表情も何故か寂しそう、いつもは一平さんと一緒にニコニコしていたシーンが懐かしい。人生、魔が差すときは誰しもあるし、一刻も早く全てをさらけ出し残りの人生を再スタートして欲しいものですね一平さん。

そして裏金問題の処分、裁く方も裁かれる方も共に茶番ですね。肝心な裏金の実態はなんら解明されず一体全体なにを基準にして処分したのかさっぱり分からない。国民のほとんどの人が呆れているのに、感覚がずれている人にはなんら響いていないに違いない。なんとかちんたらちんたら動き回っている内閣総理大臣、ここは身を棄てるくらいの気持で解散に踏み切れば少しは見直しますがね...所詮、自民党猿山での権力闘争。国民なんかに顔を向けて発言してないのは相変わらず。自民若手もだらしないに尽きる。

昨日、知人が入院している病院にお見舞いに行きました。おいら78年の人生で入院したのは3度あります。最初の入院は21歳の時、劇団養成所の卒業公演終演後に急性盲腸炎で救急車に運ばれ即手術、そして入院。破裂寸前、間一髪で救われました。2度目は35歳の時、インドの旅から帰国後に急遽保健所の方が訪れ、そのまま車に乗せられ板橋の伝染病病院へ、検査の結果赤痢、2週間なんの痛みの症状もないのに強制的に入院させられました。検査した医者が驚いていました。悪質な赤痢菌が3種見つかったのに、このけろっとした健康体はなんじゃろかいなと...そして直近は61歳の時、右膝が痛くなり手術した方が良いと言われ入院。これも大したことないのに何故かしら?思えば、この医者ギラギラした目ん玉で切りたくて仕方ないという風貌についつい便乗してしまいました。

てなわけで、病院とはあまり縁なく過ごしてきました。改めて健康であることに感謝でございます。

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今日の神田川

2024/04/03
【第1875回】

おいらが芝居の世界に入るきっかけになった俳優さんが先月亡くなった。坂本長利さん、94歳の人生でした。おいらが20歳の時、大学に入学したものの例の学生運動が激しく大学も閉鎖状態。何か面白いものないかな?なんて気持ちでふらりと覗いたのが、代々木にあった代々木小劇場。山本安英さんを中心に活動していた「ぶどうの会」解散後に結成した小劇場運動の先駆け集団でした。ここで観た宮本研作「ザ・パイロット」観劇後、こんな面白い世界があったのかと大いに刺激を受けました。その後、この集団に所属していた坂本さんが演じたひとり芝居「土佐源氏」にもビックリ。民俗学者宮本常一の「忘れられた日本人」に登場する元馬喰(牛馬売買人)の一代記をロウソクの灯りだけで演じる坂本さんの姿に役者魂を感じた。最後の台詞「男という男は、わしにもようわからん。けんど男が皆、おなごを粗末にするからじゃろ。わしはな、人は随分だましはしたが、牛だけはウソつけんかった。おなごも同じで、かまいはしたが、だましはしなかった。」盲目の乞食が語る純粋な心の風景を見事に演じる俳優とはいったい何者か...しかも2,3メートルの至近距離で。

その後、坂本さんと同郷(島根県出雲市)の友達と同席し語り合ったことがある。坂本さんのゆったりした語り口と、おいらの酔いも加わって居眠りしてしまう失態を犯してしまう。

目が覚めた時に、にっこりと笑顔で返した坂本さんの佇まいが今でも忘れられない。

1967年~2023年まで海外も含めて1223ステージを重ねた「土佐源氏」。まさしく芸能の原点を感じさせる見事なひとり芝居でございました。        

                                     合掌

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七分咲き

2024/04/01
【第1874回】

2024年いよいよプロ野球開幕...いつもはワクワク感で一杯なんですが、ウクライナ、ガザなどの紛争、能登半島地震、そして政界の裏金問題、大リーグ大谷選手の通訳の不祥事なんかでスッキリしない感じでのスタート。せめてものスポーツの世界でモヤモヤを雲散霧消したいところなんですが、なんだかこの状況ではとシックリきませんな。

今年の我が心のライオンズ、なんとか楽天との試合2勝1敗でスタートすることが出来ました。投手力は両リーグ通じてナンバーワンと言われていますが、問題の打撃陣、相変わらず若手の伸び悩みというか、このシーンでどんなバッティングをすればいいのか?ということが理解されてないと思います。コーチがボンクラなのか選手そのものに能力がないのか、ここ数年同じ状況が又しても見せつけられるのが残念です。特に際立ったのが今年4年目の若林外野手、オープン3試合すべて選抜メンバーに選ばれながら13打数ノーヒット、数字はたまたまかもしれないが内容が良くない。少しは考えて打席に立てよ!とがっかりするバッティング、監督もそろそろ他の選手に替えるのかなと思いきやそのまま打席に送り出す始末。今年も松井監督続投ですが、おいらとしてはこの監督、選手時代はスタープレーヤーとしては認めるのだが指導者としては決断力のない監督だと思います。

一方、ライオンズに後ろ足で砂かけて出て行ったホークスの山川選手の動向が気になりますね。早速1号ホームンを放った後、いつものどすこいポーズ。少しは反省してるんですかね...人気商売の選手はやはりお手本になってなんぼの世界だと思います。数字残せば文句ないでしょう!なんて気持ちでプレーしていたらとんでもない人生になっちゃいますよ...

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週末満開かな...

2024/03/29
【第1873回】

昨日、下北沢ザ・スズナリで水谷龍二作・演出「お目出たい人」観劇。この芝居、今は亡きコメディアンたこ八郎さんのお通夜の時、皆笑顔で酒を酌み交わした光景を想い出して芝居にしたそうです。おいらも生前、新宿ゴールデン街でたこちゃんと何度か酒を酌み交わしたことがあります。ボクシング元日本フライ級王者から喜劇俳優由利徹の弟子になり、数々の伝説を作った怪優でもありました。右耳の三分の一が欠けていて「犬と喧嘩して噛み千切られた...」なんて言ってましたけど、実は居酒屋で客と喧嘩して噛み千切られたそうです。

いつも愛されキャラで酒場での人気者でした。そのたこちゃんも最後は水死の事故にあいました。海水浴場に行く寸前までゴールデン街で泥酔、海の家に着いても焼酎飲み続け海に帰っていったそうです。今から実に39年前の出来事でした。

今回の芝居をプロデュースした川手淳平君。以前、トムの新人公演にも出演したこともある役者なんですが、今回で3本目のプロデュース。プロデュース稼業を30年やってきたおいらも、彼の芝居に対する情熱、愛情、大したもんだと思いますよ。何といってもお金の問題、限られた入場者の中で如何に赤字を出さないか...借金抱えたらそれこそ一家離散なんてこともありえるんですから...そんなリスクを背負いながら役者である川手君がどうしてもやりたいという覚悟で臨んだ今回の芝居。プロデューサーとしても勿論、役者としてもなかなかのもんでしたよ。力の抜け具合、自分の立ち位置、素敵な役者ぶりでした。

人生、何事も夢中になれることがすべてです...どんなにお金、地位があっても燃焼できる対象を持ちえない人は寂しい時間の垂れ流しに違いないと思います。

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春の、ファンファーレ

2024/03/27
【第1872回】

冴えないこの国の唯一の希望の星であった大谷さん。連日メディアで推理合戦が報道されています。ほくそ笑んでいるのは裏金問題で困り果てていた悪相議員の方々でしょうね。それにしても先日、次期選挙に出ないと言うことで記者会見したあのおっさん、この国の幹事長を何年も勤めて居たのですから、驚き桃の木山椒の木でございます。質問した記者にふてくされた表情で答える姿がなんと醜いことか...同じ日本人としてとっても恥ずかしい。集金力が優れているだけで党の要職に就けること自体がおかしな話です。

所で大谷さんの記者会見。ほんとに怒りの感情を抑えての発言でしたね。長年、信頼し合って兄貴的な存在の一平さんに対する思いは確かに簡単な言葉で表現出来ないでしょう。スポーツの世界でほぼ頂点を上り詰めたら何かがあってもおかしくないと思います。好事魔多しって言葉がありますよね、調子がいいとき幸運が巡った時に、何故か水を差すサタンが登場するんですね...そりゃ人生ですから山あり谷あり、底に行ったときにどれだけ踏ん張り這い上がってこれるのかが勝負です。おいらも世界あちらこちら見させてもらいましたが、西欧人はどうしても有色人種に対しての優越感、もっと言えば差別意識はありますね。大谷選手に対しても快く思っていない人たちが居てもおかしくないと思います。こんな時こそ、良き伴侶になった方と二人三脚で乗り越えて欲しいと思います。

今日は春らしい陽気ですね。近くのサクラが一足早く挨拶してました。金曜日からは日本のプロ野球もいよいよ開幕、すべての人にとって喜ばしい心ときめく春であって欲しいのですがね...

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一足先に

2024/03/25
【第1871回】

先週、南青山にあるBAROOMにて上演された、村井國夫さんと沼尾みゆきさんによる歌と朗読による芝居を観てきました。題材は「「星の王子さま」、作者のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが、むかし子どもだったひとりのおとな、親友のレオン・ヴェルトにささげた物語です。1943年にニューヨークで出版されて以来、世界のあらゆる国の人達に読み継がれた名作です。おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)という冒頭の一文から始まり数々の哲学的な言葉も含め、近代文明に毒された人類に語られる言葉が今なお突き刺さってきます。

とても簡単なことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない...こんな言葉を発しながら自然界の生き物を登場させながら意味深に語り掛けてくる構成が実に巧みで幻想的である。

村井、沼尾さんの息の合った歌声と朗読で心地よいひとときでありました。今年80歳になる村井さん本当に精力的に活動されています。老いなんて関係ないのかな...まだまだマグマのように吹き上がる感情の方が勝っているに違いない。これから、今年なんと3本の新作の芝居を抱えているのですからくれぐれもお体を大切にしてくださいね!

昨日の大相撲春場所千秋楽、新入幕での優勝は1914年以来110年ぶりという快挙を成し遂げた尊富士の優勝インタビューがなかなか。「記録より記憶に残る土俵を務めたい。」青森県五所川原出身の24歳の青年、なかなかいいこと言うじゃありませんか。共に健闘した石川県出身23歳の大の里と共に新しい相撲の世界を作り上げて欲しいと思いました。

そして、大谷さん...明日自ら会見に臨むそうです。まさしく人生万事塞翁が馬、一寸先は闇、何が起こるかわからないカオスの世界でございます。

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もうじきだネ

2024/03/21
【第1870回】

一昨日、東京スカイツリー近くにある「すみだパークシアター倉」で、劇団温泉ドラゴン第18回公演「キラー・ジョー」を観劇。アメリカ、テキサス州のダラス郊外のトレーラーハウスに住む一家の話。数千ドルの借金返済のために実母の殺害計画を、表の顔は警官だが裏の顔は殺し屋であるジョーに依頼し一家はとんでもない方向に崩壊してしまいます。いやはや、すさまじい芝居でした。公園のチラシに【トリガーアラート】本作は次の表現含みます。暴力描写 性暴力描写 セクハラ描写 流血描写 火薬による銃の発砲...さすがに子供さんは観客席には存在していませんでした。舞台上でこれほど生々しい行為があると、観る人によっては嫌悪感を抱く人も居るかもしれませんね。そんな予見を感じながら何故上演に至ったのか...主宰者は、演劇において舞台上が世界のすべてだとするなら、この一家の崩壊は世界の崩壊のメタファーです。資本主義、新自由主義を追求した果ての、つまり一部の人間が富を独占した結果としての世界の崩壊です...と述べています。

表現はある意味無限です。その無限の中から何を切り取り作品にするかが勝負です。当たり障りのないものを創って観客が退屈するよりも、より一歩、いや近未来に向けてのメッセージを届けようとするアーティストが待機しているのも事実です。より魅力的、刺激的な作品で生ぬるい我がニッポン豆腐列島に一撃を!

ここ数日、世の中は大谷選手の話題で満載。そんな折に今日とんでもないニュースが飛び込んできました。7年間通訳として共にしてきた水原一平さんが違法賭博に手を染めたという理由で解雇報道。いや、本当に人生何があるか何が起こるか分かりませんね...ついさっきまで幸せそうな状況が一転して不幸せに、まさしくどこかで観たことがあるドラマのように...

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寒桜とスカイツリー

2024/03/18
【第1869回】

大相撲三月場所も昨日で中日を迎えました。一時はモンゴル勢の勢いで純日本産の力士は見る影もない有様でしたが、ここのところ新鋭、大の里に新大関、琴ノ若の台頭で再び盛り上がりを取り戻しつつあります。おいらの年代は野球と同じく相撲も人気のスポーツでした。若乃花、栃錦、吉葉山なんて人気の力士が勢ぞろい。なかでもおいらは吉葉山のファンでした。よか男のうえに心優しい関取でした。のちに大横綱になった大鵬はまだやせっぽちで幕下あたりだったと思いますが、新聞配達の帰り道、宿を構えていた万行寺での早朝稽古を見学した時、既にこの力士は大物になる雰囲気を備えていました。激しい稽古で知られる二所一門の稽古、それはそれは激しいものでした。そんな稽古を見ながらキヨシ少年は、おいらはまだまだ甘いと思いながら気合を入れなおした次第です。

今、多くの優勝を積み重ね引退した白鵬親方の処遇を巡って相撲協会が揺れています。考えてみれば、ここ数年の相撲人気を支えてきたのはモンゴル力士の活躍があってからだと思っています。彼らが居なければとっくに潰れていたかもしれません。確かにモンゴル力士の品性は感心しないことも多々ありました。引退した元横綱、朝青龍なんて力士はひとり汚れ役を買って出たダーティーヒーロー。でも強かった!異国の地で一旗揚げる根性はただものではなかった気がする。日本の力士がなんとひ弱に見えたことか...日本も豊かになり、相撲の世界に入る若者が減少したのも理解はできますが、入門したからには頂点目指す気概は持って欲しいと思って観ています。スポーツ観戦で一番つまらないのは、気持ちが見えないプレー、現役生活そんなに長くはないのだからファンの皆さんの記憶に残るプレーを残して欲しいと思います。

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開花を待つ神田川

2024/03/15
【第1868回】

昨日の参院政倫審での世耕弘成議員の堂々たる態度にある意味感心した次第である。あそこまで堂々と演じきれれば千両役者である。誰が見てもそのからくりを知っていながら知らないと言い切る面の顔の厚さはただものではない。ほとんどの国民が説明されてないと声をあげているにも関わらず誰一人として一切明らかにしようとしない議員集団がこの国の権力を握ってることに只々呆れるばかりである。せめてもの若手の議員が立ち上がって異を唱える行動を起こせばまだしも、なんともへんちくりんパーティを開催し失笑を誘う有様である。誰もが我慢を重ねたコロナの時期、物価上昇でやり繰り生活を強いられた中、この厚顔無恥集団がコソコソと裏金作りに邁進していたかと思うと怒りを覚える。

一方、株価は上がり春闘での賃金アップ、なんだか景気の良い話に聞こえるのだが、この国の多数を占める中小企業の人達、年金生活者にとっては相変わらず苦境の日々が強いられているのが現状だ。世界幸福度ランキングも先進国の中では最下位。よく失われた30年なんて言葉を耳にしますが、このままだとこの先、失われっなっぱしの日本の未来が見えてきそうです。

「桜が一週間で散るのは、われら日本人が飽きっぽいからだ」なんて言われないようにますますの監視ともに、選挙には政治家の質をあげる投票をしましょう。

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弥生の月と星

2024/03/13
【第1867回】

昨日は春の嵐で一日荒れ模様の天気でしたが、今日は一転春らしい日和になりました。東京の桜開花宣言予想が3月19日と発表していました。年毎に早くなってきてますね。これも地球温暖化のせいでしょう。一年の中で、春の予感ほどウキウキするものはないでしょう。

人間生きてていつもこのワクワク感があれば人生楽しいに決まっています。その楽しみは待っていても訪れるものではありません。始終クンクンと嗅ぎつけ感じるチカラを保持してないとダメなんですね。

漫画家の東海林さだおさん、86歳になっても好奇心旺盛、生きることを楽しんでいます。

東海林さんの「おでん」に対する彼なりの見方が面白すぎて笑っちゃいます。

世界的和食ブームで、先陣を切ったのは寿司で次はおでんでは?でも、おでんはあまりにも身なりが貧しい。ほとんどが色は茶色、田舎っぽく、形もむさくるしい。たとえばチクワ、茶色いボロのようなものを全身にまとっている。おまけに体のまん中に穴が開いている。穴もボロも繕ってから人前に出るのが礼儀ではないのか。だが、聞くところによると、この穴はおでんのツユがよく染みこむようにチクワ自ら開けたのだという。チクワは我が身をなげうってまでおでんになりたかったのだ。だが、その一途は、はたして世界の人々に通じる一途なのだろうか。西洋合理主義から考えれば、商品の穴は欠陥である。だが、こういう考え方もある。チクワの穴の中には何も存在しない。無である。無は禅の教えにつながる。禅の教えを具現化したものがチクワということになる。ビートルズのジョン・レノンは禅に傾倒していた。ジョン・レノンは理論上チクワを食べていたことになる。そういうことになれば、世界中の人々はアッというまにチクワのファンになりおでんのファンになっていき、世界中におでんブームが巻き起こる...てな訳です。

どうです!この飛躍、こじつけ、いや想像する遊び心...いつどんな時にもこうやって生きてりゃ言うことありまっせん!さあ、今日から実践してみてはいかが皆の衆。

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春の公園

2024/03/11
【第1866回】

東日本大震災から13年。未だに避難者が2万6000人、そして、人が死んでしまうレベルの放射線を放つ溶け落ちた核燃料「デブリ」の取り出しは数グラムでさえ、13年たった今もできていません。そんな状況の中、岸田政権は原発の再稼働どころか新原発の建設まで打ち出しているのですから狂気の沙汰としか言いようがありません。聞くところによると、日本の原発の停止はアメリカの都合によってできないそうです。すべてがアメリカのお伺いを立てられないと事が進まない敗戦国の宿命、そして日米軍事同盟の縛りがそうさせています。今年元日に発生した能登半島地震然り、このままいけば地震大国日本は自ずから消滅してしまうに違いありません。何とかアメリカを粘り強く説得できる政権が誕生することを願うばかりです。

未だに故郷に戻ることが出来ない帰還困難区域の人たちの諦めに似た表情、我が子を津波に流された海を眺めながら「死ぬまで諦めきれない...」とつぶやく年老いた母親、この日が来るたびにあの惨状が甦ってくる人たちの悲しみを、残された人たちがどう受け止めるか?腐りきった現政権は勿論、この現状を少しでも前に動かす人材、システムが機能しないことに怒りと悲しみを覚えます。

昨日、村井國夫、音無美紀子ご夫婦による、歌と朗読で紡ぐ愛の物語「恋文」に行ってきました。その中で、お二人の知人である方の手紙に思わず涙しました。東日本大震災当日、津波に遭遇しながら奥様が必死に手を差し伸べながらも力尽き流され、一カ月後に見つかったご主人。そのご主人にあてた「恋文」、音無さんのところに送られ直筆で書かれた巻紙を朗読する音無さん、その「恋文」に沿う歌を唄う村井さん。両夫婦の思いが一つになる感動的な瞬間でした。

原発のない、そして戦争がない世界...どうすれば良いのか!今生きているニンゲンが思考し行動しなければいけないことを肝に銘じなければならない3月11日です。

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「恋文」町田まほろ座にて

2024/03/08
【第1865回】

先月亡くなった小澤征爾の芸術と銘打ったCD16枚組の壮大且つ繊細なる音すべて聴き終えました。改めて、小澤征爾なる人物の生きざまが、命を懸けてタクトを振る姿が目に浮かぶ。魂をスパークさせる指揮が、決して西洋の借り物でなく音楽そのものに国境が無いということを実践した人でもありました。25歳の時、インド洋の真ん中で貨物船のテッペンに登って、水平線をジロジロ見回した時、なるほど地球は随分でかくて、丸いものだと思ったそうだ。敗戦を経て世界に対峙しようとした心意気を感じる。N響とのトラブルにもめげず「僕はただ音楽をやりたい!」と世界に打って出た行動力も半端ではない。

どの世界においても冒険心からスタートした人ほど、とてつもないものを生み出している。

夢は追うものではなく、しがみつくもの。地位や名誉に翻弄されることなく、己の忠実なる魂にしがみつき行動する姿こそが新しい価値観を生み出すのではないか。

小澤さんはこんなことも言っていた。楽器から流れ出す音は人間の声と同じである。だからこそ、あれほど人目もはばからず情熱をもって演奏者に伝えるスタイルを維持し続けたに違いない。

お隣の韓国、中国、そして我が日本、もうそろそろ立身出世の妄想にピリオドを打ちませんか?いい学校に進学、一流企業に就職したからといって幸せな人生とは言えません。そんなことにお金と時間を投資するんだったら、己の心に真摯に向き合うことに投資し決断、行動し、自分の道を切り開いていく生き方の方が魅力のある人生だと確信します...一度きりの人生ですから!

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今朝の杉並区

2024/03/06
【第1864回】

昨日、新宿西口地下イベント広場でこんなものを見つけました...懐かしいですね。おいらが子供の頃は、こんな看板に憧れて映画への夢を育んだ気がします。手書きの看板の前に佇み、観たいのはやまやまなんですがお金が無く、入場するおっさんの傍に寄り添いあたかも親子のようになりすまし無料鑑賞をしたこともありました。

この看板を描いた人は、今は亡き久保板観さんです。中学一年生の頃から映画看板の絵の練習にのめりこみ、昭和32年、中学卒業後に東京青梅市にある映画館「青梅大映」で看板絵師の仕事をスタート。年間365枚以上の映画看板を描く生活をしたそうだ。その後、テレビの出現により映画産業も斜陽の憂き目にあい仕事がなくなり、商業看板業に転職。平成3年から地元商店街町おこしに馳せ参じ、平成6年からは青梅の商店街に昭和の映画看板が飾られるようになった。久保さんは平成30年脳梗塞により逝去、享年77歳。

そんな久保さんが精魂傾けて描いた看板を前にして、暇さえあれば映画館に通った日々が甦ってきます。高校時代は福岡市高校映画連盟を創設し毎日のように会長という権限を縦横無尽に利用、いや活用し、中洲の映画館に入り浸りでございました。そして、お嬢さん学校も巻き込み映画談義で楽しい時間を過ごさせて頂きました。決して映画を利用したのではございませんことよ、とことんおいらは映画が好きだった!映画にかかわる仕事がしたいという思いで東京行きを決めた次第です。

それにしても、何事においても利便性が問われる現世、このローテクな職人芸、そして生き方、貴重ですし大切にしたいですね。

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昭和の名画

2024/03/04
【第1863回】

先週の土曜日、座・高円寺にて、糸あやつり人形一糸座による「崩壊 白鯨ヲ追ウ夢」を観劇。この一座の前身は結城座です。江戸時代から継承された糸あやつり芸を初めてみたのは50年前です。50人ほどの小さな小屋で人形を操る結城孫三郎の見事な芸にすっかり魅了された記憶があります。今回の一糸座は結城座から独立して20年になるそうです。「劇団桟敷童子」の東憲司氏による、あの有名なハーマン・メルヴィルによって書かれた長編小説「白鯨」を下敷きに書かれた作品でした。「白鯨」と言えば思い出すのが1956年に上映されたグレコリー・ペック主演による映画。片足の船長を演じたグレコリー・ペックの真に迫る演技が今でも鮮明に記憶に残っています。おいらが若い頃在籍していた演劇群「走狗」でも上演しました。勿論、アングラ芝居ですから原作からは、はるかに逸脱してはいたのですがハチャメチャ奇想天外な展開でテントに集まったお客はそれなりに楽しんでいました。博多公演では室見川河畔にテントを建て、ラストには今は亡き美術家・島次郎が作ったブリキの鯨が百道の海で遊泳する姿が懐かしく想い出されます。

あやつり人形を操作する人形がまるで生きているかのように見えるのは、あやつる人の技術ではなく、身体から糸を通じてどれだけ魂を吹き込められるかにかかっていることを再確認しました。今回の芝居でも、血筋を引く江戸伝内さんの繊細な糸の捌きが人形・船長エイハブの一挙手一投足に哀歓と激しい闘争心が痛いほど感じられました。その活き活きした人形にいかに対峙していくか?生身の俳優陣の奮闘ぶりも見応えがありました

演劇はあらゆる可能性を秘めています。今回のラストにも舞台に置かれたごみにしか見えない物体が、一瞬にして空飛ぶ鯨として泳ぐ姿を眺めながら、人の想像するチカラと創造する楽しみがなんと素敵なことであるかを再認識させられながら劇場を後にしました。

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もうすぐだね

2024/03/01
【第1862回】

今日から弥生です。下旬には桜も満開、春の到来で身も心も軽快になってくるんでしょうね。

昨日で、「モンテンルパ」全公演、無事に終えることが出来ました。本番間近にコロナ、インフルエンザの猛威に襲われ、あわや公演中止なんてことになりかねない状況を、見事はねのけての今回の舞台。芝居の神さんは又してもトムを守ってくれました。スタッフ、キャスト皆さんの頑張りに只々感謝です。そして、呼んでいただいた演劇鑑賞会の方々の温かい心遣いがあってこその公演でした。心待ちにしてくださった皆様に満足していただける芝居の仕上がりであったことを、日々の報告で知らされる度に内心ホットした次第です。

一方、この国の政治、ほんまにふざけた状況に直面しています。昨日、今日と2日間にわたり開かれた衆院政治倫理審査会、首相はじめ安倍派の幹部、皆知らぬ存ぜぬの一点張り。ふざけるんじゃないよ!と言いたい。ここまで国民をなめ切った姿に開いた口が塞がらない。誰一人として脱税の意識もなく、会計責任者に責任を押し付ける白々しい顔を見るにつけテレビ中継も見る気がしなくなりました。早く解散して、選挙で自民党をこき下ろしたいところだが、喉元過ぎれば熱さを忘れるのが常の日本国民性を思えば悲観的になっちゃいます。そんなもやもやを吹き飛ばすかのような大谷選手の結婚ニュース。ここまで完璧に知られない彼の思考、行動、改めて感心してしまいます。すべてが万能、こんな人物が野球界だけにとどまってしまうのもなんとももったいない。

土の中からひょっこりと花開く野の花。おいらの顔も思わず緩んでしまいます。

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クロッカス

2024/02/28
【第1861回】

昨日、高崎演劇鑑賞会で久しぶりに「モンテンルパ」を観てきました。高崎は群馬県では規模的には一番大きな町である。日本一のだるまの産地でもあり芸術活動も活発である。駅前では早速ストリートミュージシャンがいい音鳴らしておりました。

そんな街で活動を続けてきた高崎演劇鑑賞会もコロナの影響で、ここ数年大変苦しい時期がありましたが、演劇の灯を消してはならないとの思いから少しずつ盛り返し元気な姿でトムの芝居を迎えてくれました。

今月7日、東北演劇鑑賞会でスタートした「モンテンルパ」もいよいよラストが近づいてきました。久しぶりに会った役者5人衆、さぞかしお疲れモードかな?と思いきや元気もりもりでございました。芝居もさすがに回を重ね安定した舞台を魅せてくれました。いわき演劇鑑賞会では終演後、スタンディングオベーションで大盛り上がり、役者さんたちも大感激。トム・プロジェクトのキャッチコピーでもある

「舞台の素晴らしさは 新鮮な感動であり発見です!観る側と創る側が夢のある舞台を創りたい!」に相応しい現場を創出していることに感謝と勇気をもらえます。

残り今日と明日の2ステージ、無事に千秋楽を迎えることを願うばかりです。

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梅林

2024/02/26
【第1860回】

31年振りにビクトル・エリセに逢えました...おいらにとってエリセ監督の「ミツバチのささやき」「エル・スール」は映画史の中でいつまでも記憶に残る作品でした。今回のスペイン映画「瞳をとじて」なんと31年振りの長編映画です。3時間近くの作品、人によっては冗長なシーンが多く居眠りしちゃいそうなんて方もいるんでしょうね。よくよく観てみんしゃい、このデジタル化が進みテンポを要求される時代に、ここまでじっくりと登場人物の表情を、粘り強く映し出し内面に迫る姿勢に、こちらまで見続け記憶してしまう映像のチカラ、説得力に驚嘆。この映画は、登場人物の監督が制作中に疾走した俳優を探すというシンプルなストーリーなのだが、その過程で出会う人物像がすべて過去と現在そして未来を想定させるシーンの連続である。エリセ監督の映像はいつもながら静謐な色合いを醸し出す。要するに浮いていないのである。どこまでもより深く内面に沈着していく説得力がある。観る側もスクリーンに落とし込められてしまう映像の魔術師だといっても過言ではない。得てして、作品を創る際には面白くするためにテクニックを多用し興ざめしてしまう映画が多々ある。

この監督にはこのあざとさが一切感じられない。ただひたすらに、淡々と生きていく間に無くした心のよりどころとなる何かを拾い集め、その断片一つひとつに思いを馳せ思い出す、あの日、あの時の肌で感じた体温と高揚感。31年振りに創ることが出来た監督自身の現在の心境を綴った今回の作品は、映画は永遠不滅、どんな過去をも一瞬にして蘇らせる心の琴線であることを再認識させてくれました。

邪魔しない音楽も素敵でした。映画「リオ・ブラボー」の挿入歌、ライフルと愛馬のまさかの替え歌、監督のチャーミングな一面を感じました。そして、「ミツバチのささやき」に5歳でデビューしたアナ・トレントが50年振りに再びアナ役を演じていました。彼女が記憶を亡くした父親と対峙し「Soy anna(私はアナよ)」と呼び掛けて目を閉じる...

おいらの記憶が映画を支え、映画がおいらの記憶を支える。なんとも至福な時間でございました。

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瞳をとじて

2024/02/21
【第1859回】

昨日は、トラッシュマスターズ第39回公演「掟」を下北沢駅前劇場で観てきました。ある地方都市の市長選挙を巡る顛末を描いた作品です。日本のどこかで今でも、保守的な人たちと変革しようとする人たちとの闘いは日々繰り広げられているに違いありません。国会で問題になっている裏金なんてものは、地方都市ほど日常化し未だに改められることがなく、未だに続く自民党政権の温床になっていると思われます。

今回の芝居で一番驚いたのは、なんと新劇劇団のベテラン俳優の方々が4人も出演されていること...随分昔の話になりますが、おいらが芝居を始めたころはアングラ演劇が台頭し、その新しい動きに共鳴し、新劇劇団のなかからも反新劇運動がおこりいくつものグループが誕生しました。新劇の体質が持つアカデミック的なものにNOを突きつけた俳優、演出家、作家が古典ではなく今を描く作品を上演し喝采を浴びました。状況劇場、黒テント、早稲田小劇場、天井桟敷などなど、おいらも演劇群走狗なるものに所属し7年間テント担いで全国を駆け巡りました。今まさに大衆と同じ地平に立ち生の肉体を曝け出し吠えていたんでしょうね。

新劇で長い間培われたベテラン俳優さんと若い人たちの競演は見応えがありました。中津留章仁の作品をリスペクトしながら、3時間近くの芝居を成立させようとする姿は、演劇を超えた人間の深い繋がりの感じさせてくれました。どこの世界も年齢は関係ありません。

ミュエル・ウルマンの青春に関するこんな詩があるじゃないですか。
  青春とは人生のある期間ではなく心の持ち方を云う。
  薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
  たくましい意志、ゆたかな想像力、燃える情熱をさす。
  青春とは人生の深い泉の清新さをいう。

おいらももうすぐ78歳、そりゃ体の衰えは日々感じますよ...でも、こうやって今日も目が覚めたら生きてるんだもん...よっしゃ!今日も楽しんでやろうなんて気持ちになっちゃいますね。

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トムの支店ではございませんよ

2024/02/19
【第1858回】

おいらは、やはり詐欺師だった...先週、妻の誕生祝い(古希)で、とあるイタリアレストランに行くことになりました。初めての場所で、スマホ片手に目的地に向かうが、なかなかわからずお店に電話をしました。おいらの声がデカすぎたのか前行く二人のオッサンがおいらを振り返っていました。それにしても二人して振り返ることでもないとは思いましたが...先ずは間違えて一本目の道に迷い込み、ここではないと思い一つ先の道路に出ました。左右確認すると右手にイタリア国旗がはためいており、「この店に間違いない!」と歩き出し店のドアを開けようとした瞬間、おいらの後ろを歩いていた妻が二人のオッサンになにやら問いかけられているので、何しているのだろう?なんとこの二人のオッサン刑事だったんです。妻の話によると、先程のおいらの店探しの電話が、怪しいと感じ追跡したらしい。おいらがオレオレ詐欺の一味で、妻は騙されそうになった被害者女性と思いマークされたというわけだ...おいらが店のドアに立つ姿を指さしながら「夫です...」と答えたところ、二人の刑事はズッコケてしまいました。それにしてもこの二人、どうみても刑事には見えません、職人さんと見ましたね。その辺の服装、佇まい、見事というしかありません。まさしく演技賞もんです...妻に職務質問する前にきちんと警察手帳を見せたんですから間違いはありません。照れくさそうに立ち去る二人のデカ、疑ってスミマセンなんて顔していました。

ここで改めて、おいらはやはり詐欺師風情が拭いきれないなのかと...悲しみべきか、はたまた喜ぶべきか...でも、芝居なんてもの所詮、詐欺師の所業でございます。観に来ていただいたお客さんをいい意味で裏切り、騙すかを常日頃、思考し行動しているんですからね。

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如月の空

2024/02/15
【第1857回】

人が生きていく中で、人との出会いでその後の人生が左右されるのは当然だと思います。そして次に大切なのは、どんな本を読み、どんな映画・芝居・絵画を鑑賞し、どんな音楽を聴いてきたか?これらのことで、ほぼその人の人間形成が形創られ、豊かな人生のある程度のバロメーターになるのではないかと思っています。古典から今はやりの旬のものから何を選択するか?これも難しい判断であると同時に、やはり個々の感性が鍵となってきます。

音楽のジャンルも確かに幅広い。おいらは基本的にジャズが好きなんだが、これに拘ってるわけではない。若い頃から名曲喫茶に入り浸り(新宿にあった、らんぶる)世界のクラッシックを堪能しました。プログレッシブ・ロックの先駆者としても知られるピンクフロイドにもよく聴きました。勿論、自らギターを手にしてフォークにも熱中した20代もありました。じっくり歌詞を味わうことが出来る歌謡曲もいいですね♪旅心を唄う小林旭もなかなかよかもんです。

最近、よく聴くのがフランスのチェリスト、ゴーティエ・カプソン。今年42歳になる彼のチェロはなかなか心地よい。チェロと言えばスペイン人のカザルス、当時、独裁政権の反対しフランスに亡命しながらも、カタルーニャ人としての誇りを失わず、心を込めて格調高く演奏したカタルーニャ民謡「鳥の歌」はいつ聴いても胸に迫るものがあります。そしてもう一人、マイスキー。彼の演奏するバッハの無伴奏チェロ組曲を聴いていると、表現力豊かなバッハの世界を思う存分に描いていてエモーショナルな気分にさせてくれます。

要はチェロという楽器が「人間の声に一番近い音域」と言われているので、私たちの耳に心地よく響くのですね。

No Music No Life♪

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今宵もチェロを

2024/02/13
【第1856回】

先週の週末、久しぶりに吉祥寺井の頭公園に行ってきました。それにしても吉祥寺の街の賑わいは相変わらずです。この街の人気度、なるほどと言う点がいくつもあります。老若男女問わず楽しめるスポットが程よく点在しています。先ずは井の頭公園、池でのボート遊び、公園内のあちこちで繰り広げられる大道芸人のサービス、手作り作品が並ぶ出店、そして幼児に人気のブランコなどなど。勿論、若いカップルが愛を囁くベンチも随所に配備されています。四季折々を楽しむことが出来る樹木の種類の多さも魅力的です。

そして街中、昔ながらの戦後闇市バラック飲み屋街があると思えば、若者向きのお洒落な飲食店も変化は速いが次々とオープン。そして古着屋、安価でポップな品物があちらこちらにぶら下がっています。そして何よりも安心なのは、新宿の歌舞伎町とか渋谷、池袋に行けば必ず目にするデンジャラスゾーンがほとんどないということかな。おいらなんか、昔からクンクンと匂いを嗅ぎながら未知なる危険な地域に潜入するのが面白いと感じる人間にとっては、無味無臭な街かもしれませんね。

この日も、井の頭公園では多くの大道芸人が芸を披露していました。なかでも全身を赤銅色にコーディネートしたパントマイム芸人、前に置いた箱にお金を投げ込むと動き出しシャボン玉を飛ばしてくれました。大空に舞い上がるシャボン玉がはじけた瞬間...ウクライナ、ガザ地区で非業の死を余儀なくされている市民がオーバーラップしました。

平和は向こうから勝手に来るものではありません。平和呆けしているといつの間にか日本も徴兵制度復活なんて未来が待ち受けているかも知れません。そんなこと考えながら、この日は1万5千步歩いていました...勿論、徴兵に備えてではありませんぞ。

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平和な一日

2024/02/09
【第1855回】

昨日は久しぶりに北千住に行ってきました。もう少し足を延ばせば千葉県松戸市、そんな場所にあるシアター1010(センジュ)。この立派な劇場で「大誘拐」なる芝居を観てきました。勿論、風間杜夫、柴田理恵さんが出演しているからの観劇です。共演者は白石加代子、中山優馬。御年82歳になる白石さんの怪優ぶりは相変わらずでした。早稲田小劇場で鍛えられた声、肉体表現は世界でも十分通用すると思います。この芝居での風間、柴田さんのやり取りが観客を和ませる程よいスパイスになっていました。二人に共通しているのは遊び心です。しんどい芝居の進行のなか、ちょっとした遊びが観客の緊張をほぐして新たな緊張を呼び起こしてくれます。遊びらしく見せかけながらも、ドラマの中で成立させるのがプロの役者です。

終演後、ディープな居酒屋などが立ち並ぶ、「飲み屋横丁」を散策。この北千住も再開発が進み街の様子も一変したのですが、ここだけは戦後闇市を引き継いだ飲み屋街です。ネズミがウロチョロしているのを垣間見るだけでディープ合格。壁一面に芝居、音楽、美術のチラシを貼り、一日一組しか客を入れないと蘊蓄を語る飲み屋の親父が居ると思えば、一見の客お断りの餃子を食べさせるおかみさんの店。この横丁、変わりもんがいて歩いているだけでもおもろいところです。そんななか静かな佇まいでオープンしていた「DEVIL CURRY」に入店。店内は、カウンター席のみ、繁華街にある隠れ家のような雰囲気のお店でした。JAZZが流れる中、出てきたチキンカレー絶品でした。久々に美味なるカレーを食した喜びに浸ることが出来ました。ウロチョロ、キョロキョロ、クンクン、さすが戌年のおいら、いい店見つけることが出来ましたとさ。

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大誘拐

2024/02/07
【第1854回】

日本映画史上、傑作の一つである黒澤明監督の「七人の侍」を観ました。これまで何回も観た作品です。やはり素晴らしい!先ずはすべてがリアルだということ。衣装、メイク、かつら、小道具、セット、一分のスキがないくらい見事だ。1954年公開の映画としては、ここまで創ることが出来たのも黒澤明に対する信頼と期待の表れであろうかと思います。当時の通常作品の7倍に匹敵する2億1千万の製作費と1年を要して完成させた成果が随所に感じられます。そしてカメラワークによる実在感、黒澤映画の特徴的な撮影技法マルチカム撮影法を初めて導入している。マルチカム撮影法は1つのシーンを複数のカメラで同時撮影するという技法。その他目まぐるしく変化するシーンを8台のカメラを駆使しアングルの豊かさと臨場感を醸し出している。

この映画のテンポとリズムを生み出しているのが早坂文雄の音楽。主題曲の侍のテーマが特に素晴らしい。この曲が流れるたびに、戦国時代末期に仕事にあぶれ盗賊化した野武士軍団の襲撃に対抗する七人の侍と百姓たちに、おいらもエールを送りたくなってくる。映画を観終わってあとも、このテーマ曲を自然と口ずさみ己を奮い立たせてくれるってんだから映画音楽としての名曲であることは間違いない、

きらりと光る俳優陣の個性が堪らない。貫禄と武士の矜持を持つ志村喬、野放図さと愛嬌の三船敏郎をはじめとして、加藤大介、稲葉義男、宮口精二、千秋実、木村功の七人の侍。

百姓の藤原鎌足、土屋嘉男、左卜全、なかでも左卜全は最高でございます。意気地がなく間が抜けた役を与えたら彼にかなう役者はいないと思う。「生きる」のお通夜のシーンも絶品でございました。昔はホンマに良か役者がごろごろ居たんだなと、改めていい時代にいい映画を見せて頂いたことに感謝。

東京都心の雪騒ぎも一段落して今日は青空が広がる立春から二日目の日です。

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残り雪

2024/02/05
【第1853回】

2月2日から昨日まで、亀戸カメリアホールで上演した「モンテンルパ」無事に終えることが出来ました。今回の公演、稽古中にいろんなアクシデントがあり公演中止もありの状況の中、スタッフ、キャストの皆さんの奮闘で乗り越えることが出来ました。本当に生モノは恐いです。まさしくなにが起きるか分からないシナリオがないドラマですね。

3日間の公演全て拝見したのですが、日毎に芝居そのものが成長を遂げていました。緊張感を強いられる環境がそうさせたのかも知れません...演劇の最も難しいのは、ただやみくもに稽古をやれば良いというもではありません。やり過ぎて慣れてしまうのも良くないし、稽古不足はその稽古量の少なさがそのまま本番の舞台上にさらけ出されてしまいます。その辺りの按配をうまく調整しながら初日に照準を合わせていく難しさは、何度経験しても計算できるモノではありません。役者の精神、肉体、思考、プロデューサとしては役者を信じるしかありません...そんなことまでも熟考しながらのキャスティング。

2月7日からは、山形県鶴岡市民劇場からスタートし29日まで東北ブロック、関越ブロックの演劇鑑賞会の人たちに18ステージ観劇していただく予定です。冬の最も寒い中、この芝居で温かい気持ちになっていただければと思っています。

亀戸で70年商売している「亀戸餃子本店」に行ってまいりました。餃子と飲み物しかありません。ビールを頼むとすかさず餃子が出てきます。一皿5個食べ終わりそうになったら、すかさず絶妙なタイミングでおばちゃんが餃子再注文の催促。断ることが出来ない微妙な雰囲気なんですね...周りを見ているとビールと一皿¥300の餃子を2皿から3皿食べての会計。残された空き皿で素早く計算、まるで回転餃子といったところかな。一組の滞在時間ほぼ15分から20分。このシンプルな営業スタイル、商いの原点を見せられた感じがいたしました。

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ここにも梅が

2024/02/02
【第1852回】

戦後すぐ東京都台東区柳橋の隅田川沿いに建てられた、旧市丸邸を2001年にルーサイトギャラリーとしてオープンした古民家での朗読会を観てきました。個性的な俳優、鳥山昌克さんが数年前から企画している出し物です。今回は唐十郎「雨のふくらはぎ」泉鏡花「絵本の春」の朗読劇。二人の女優さんに囲まれて楽しそうに演じていました。唐さんの作品になるとまさしく水を得た魚、そりゃそうでしょう、20年間、唐組で唐ワールド漬けの日々だったんですから...唐作品に度々登場する鶯谷周辺の夕焼け、下谷万年町のいかがわしくも耽美な世界。これだけは身近に体験した人と心中する覚悟がないと身につけることができません。

役者にとっての存在感は大切な要因です。それをどこで獲得できるのか?勿論、まず第一は日々の生き方、何を視、何を感じ、己の中でいかように発酵させていくか。そして次に誰と出会い共同作業していくか。優れた作家、演出家と出会い、共に芝居を創ることが出来ることは千載一隅のチャンスだと思います。あとは己の努力あるのみ。

鳥山昌克さんと唐さんとの出会いも偶然ではなく必然ではなかったかと思います。これからも唐十郎の魅力を伝えていってほしい役者さんだと思いました。

それにしても、朗読中に目にする背景が素晴らしい。隅田川を行きかう屋形船、総武線を走る電車の音、高速道路の車の列、リアルタイムのなかで粛々と進行する幻想の世界は、とても贅沢なひとときでした。

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如月

2024/01/31
【第1851回】

あの似合わない黒いハットを被ったおっさん、又しても物議をかもす発言をいたしました。ほんまに情けない、こんな人をいつまでも選ぶ福岡の選挙民もこれまた情けない。この国を代表する女性外務大臣の名前は間違えるし、あまり美しくないと容貌にいちゃもん付ける人間が副総理なんて世界に対しても恥ずかしい限りだ...こんなことを言われた外務大臣も「失礼な発言です!」とお灸をすえればいいのに、聞き流す対応。なんだか女性初の首相なんて声を気にしての忖度なのかとも思ってしまいます。

連日の裏金問題の当事者の言葉もすべて虚しく聞こえてきます。一番の正直者は、議員辞職を願い出た長崎選出のオッサンかもしれませんな...悪徳5人衆なんぞは国会開幕初日、皆そろってニコニコしておりました。せめてもの芝居でもいいから「申し訳ありません!」なんて神妙な顔でもすればいいのに、あの厚顔無恥なるツラを見せられると開いた口が塞がりません。

日本の国の政治家に申したい!あなたたちは言葉に対して失礼じゃないかと思います。要するに相手(国民)の差し迫った言葉を機能として聴いているだけ。己の腹の底に染みわたる覚悟で聴いていないということだ。そしてお金のこととなると欲の皮が突っ張り、これだけは正直になるという体たらく。政治屋稼業の言葉だけが利便的にはびこっている世紀末的状況でございます。

言葉は暴力には無力でもあっても、ひとりひとりの生きるうえでの杖であったり、飢えたときの代用品になったり、身を守るシェルターにも成りうる人間のみに与えられた宝物でございます。そんな言葉をないがしろにする人達に国を任せるわけにはいきません...

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善福寺川緑地公園

2024/01/29
【第1850回】

先週の土曜日、久しぶりに刺激的な映画を堪能しました。「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督の最新作「哀れなるものたち」。観終わった率直な感想は、若い頃よく観たゴダール、フェリーニ作品を彷彿とさせるアバンギャルドの匂いがする問題作。何が問題かというと過激な性描写に目がいき、一見エログロに見せておきながら登場人物が語る言葉の背景には現代社会に潜む社会、化学、偏見、差別、政治、制度に辛辣なメッセージが込められていること。しかも説明的ではなくユーモアを交えてのやり取りにエンタメ性を感じさせてくれること。それにしても一番驚いたことは、2016年の傑作ミュージカル「ラ・ラ・ランド」で女優志望の主人公を演じ、ベネチア国際映画祭の最優秀女優賞や、アカデミー主演女優賞など数多くの賞を受賞したエマ・ストーンの体当たり演技。これがホンマの女優魂!日本の女優さんが観たら、なんでここまでやるの?と腰を抜かしそうな過激、過剰なシーンの連発。しかも、内面の演技もしっかりしてるんだから文句のつけようがない。アップで写し出される表情には一人の女性としての揺るぎない信念と持続する強い意志を感じる。

撮影、美術、衣装、ヘアメークどれをとっても新しいものを創る野心に満ち溢れた作品であることは紛れもない事実。エンドロールの流れる不思議な図柄と音楽、これにもまいりました。エンドロール賞をあげたいくらいの終わり方。映画にとって締めのエンドロールはとっても大切なシーンだと思います。すべてを終え、観客は余韻に浸っているなか如何に幕を閉じるか...終わりよければすべて良し!って言葉がありますよね。

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問題作

2024/01/26
【第1849回】

昨日は神保町のジャズ喫茶「オリンパス」と、明治大学図書館で一冊のノンフィクション小説を読破しました。美味しい赤いチキンカレーとコーヒー、そして4000枚のレコードの中から選曲されたレコードの心地良いノリで150ページを読み終え、残りの170ページは明治大学図書館の静寂な空間で...やはり、言葉の持つ滋味、深淵の魅力は心身を虜にしちゃいます。

それにしても、改めてノンフィクション作家の凄さを感じさせる読み応えでした。何年間もの間、対象となる土地、人物に密着し体当たりで本質に迫るには相当のエネルギーを必要とします。その人の過去、現在を含め洗いざらい聞き出すんですから、それなりの人間関係を構築しないと無理な話。

おいらも芝居を創るうえでいろんなジャンルのノンフィクション小説を読んできました。中でも、九州大分県中津で多くの書を書き続けた松下竜一さんには大いなる共感を覚え、「松下竜一 その仕事全30巻」を買い込み、中津に飛び、上演許可を頂いた思い出があります。そこはノンフィクション作家と同じくらいの情熱、エネルギーを有しないと、良質な芝居なんかは創れません。

それで昨日読了した小説は?こればかりはまだまだ今の段階では秘密でございます。すべてが明らかになった時までのお楽しみ...こうやって又、新たなことにチャレンジしていくことで己を奮い立たせる日々でございます。

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冬のメタセコイア

2024/01/24
【第1848回】

今日はこの冬一番の冷え込み。故郷博多もどうやら雪が舞うらしい。それにしても能登半島の人たちにとっては厳しい日々が続いている。そんな中、新宿の街かどで若い有志が被災者に向けての募金活動を行っていた。こんな風景を目にすると、この国もまだまだ希望が持てますばい。その傍では、路上シンガーからのスターを目指す若者も居る。一度きりの人生なんだから信じたものに賭け、悔い無き人生を送れば良いのだが、この国のつまらんシステムに未だ拘り一流大学、大企業なんてコースを選択しちゃうのがほとんどかな?大好きなことに夢中になり手に職を付けて、もの創りに励む人達の目はいつもキラキラしています。おいらはこんな人種が大好きです。

永井荷風の全集を読んでいます。この作家の定まることのない生き方とマッチした文章が実に面白い。それも学問に裏付けされた書物だから説得力がある。銀座のカフェ、遊郭、ストリップ劇場をこよなく愛し、その視線はいつも弱者に注がれていた。

1952年には「温雅な詩情と高邁な文明批評と透徹した現実観照の三面が備わる多くの優れた創作を出した他江戸文学の研究、外国文学の移植に業績を上げ、わが国近代文学史上に独自の巨歩を印した」との理由で文化勲章を受章する。最後は孤独死、そして彼の遺言として遺骨は吉原の遊女の投込み寺に葬られたいと記していたらしい。

裏金疑惑の安倍派の議員たちの神経にはほとほと呆れてしまう。「安倍さんに申し訳ない...」

あほんだら!謝る相手が違うやろ...こんなセリフをいとも簡単に吐いちゃうこの人たちに政治を任した選挙民も大いに反省せにゃいかんですばい。

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冬の暮

2024/01/22
【第1847回】

黒澤明監督の傑作「生きる」を、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの脚本によりイギリスでリメイクしたヒューマンドラマ「生きる LIVINNG」鑑賞。率直な感想、やはり黒澤作品の方が圧倒的な中身の濃さで軍配が上がるかな。やはり主人公が公園を作るためにいかに命懸けで奔走したかを回想する葬式の場面が、この映画の核心のような気がします。この時代に居た役人を含めた人間像が見事な演出、演技によって主人公を際立させる手法が永遠の名作にしています。中村伸郎、藤原鎌足、千秋実などなど名脇役の丁々発止のやり取りが実に人間的だ。とりわけ印象に残るのが左卜全の面白おかしい存在感。「七人の侍」の時もピカ一だったのだが、こんな役者が居なくなったのも日本映画が今一つパッとしない一因かもしれない。

リメイクした英国映画も健闘しているというか、やはり西欧の洒脱な物語である。日本人の持つ泥臭さと対照的にイギリス紳士の佇まいを前面に押し出している。Mr.ウィリアムズを演じるビル・ナイの端正で押し付けがましくない存在感が、日本版と違うテイストを生み出している。そして、なんといっても印象に残るシーンであるブランコに乗って口ずさむ歌。日本版は志村喬の、♪いのち短し 恋せよ乙女 あかき唇 褪せぬ間に 熱き血潮の 冷えぬ間に 明日の月日は ないものを♪「ゴンドラの歌」これが絶品でした。

英国版は、スコットランド民謡の「The Rowan Tree」=「ナナカマドの木」、この歌には、今際を覚悟することで、自身の故郷や親族などに想いを馳せているという意味があるそうだ。歌詞、メロディともに乾いた感がしました。

最後に、主人公が場末の歓楽街で嬉々として遊び解放するシーンがあるのだが、日本版ではあの怪優、伊藤雄之助がアクの強い演技の連続でスクリーンを釘付けにする面白さがあったのだが、英国版はなんともあっさりした俳優さんのお陰で無味無臭のシーンになったのが残念でございました。

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昨日、見かけた早咲き梅

2024/01/19
【第1846回】

能登半島地震の今後の行方が混沌としています...二次避難を呼びかけても避難者の一割の希望者だったとか。故郷への強い拘り、ひどいのは大学生が被災した家に入り込み高級蜜柑を盗んだのを知り、我が家を守らないとの思いで劣悪な環境でありながらも留まるケース。それにしても、こんな状況でもあっても悪い奴は居るんですね。こんな奴らは普通の窃盗罪の3倍、4倍の刑を科してもらいたいもんですね。最高学府で何を学んでいることやら...

大阪万博を中止して、これから掛かる費用をそっくり被災地の復旧に充ててもらいたいもんでございます。人口の島での万博終了後、はっきりとした設計図もないまま当初の予算をはるかにオーバーした予算で強行しようとする国、大阪府のやり方に半分の人が反対してるんですから。過去の例をみても、オリンピック然り、政治屋と企業の闇の談合でこれらの催事が実施され数々の不祥事が後日談として暴露されてます。この低空飛行が続く日本、先ずは被災地に投資するのが筋だと思いますが...

「モンテンルパ」の稽古場に行ってきました。出演者5人と演出家の息もぴったり。実に活気あふれる稽古場風景でした。世の中がなんとも不穏である今こそ、芝居で元気にできればと思っています。あと二週間、体調には十分気を付けて無事初日をむかえてもらいたい!

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詐欺ではありませんよ...

2024/01/17
【第1845回】

昨日、「初春大歌舞伎」を歌舞伎座で観てきました。久しぶりの歌舞伎十分に堪能してきました。「當辰年歌舞伎賑」の賑やかしい踊りと、変化にとんだ長唄、三味線、鼓、笛の響きで幕開け。25分の休憩を挟んで「荒川十太夫」。赤穂義士四十七士のひとり堀部安兵衛が切腹する際に介添え役を務めた荒川十太夫を主役に据え、義を通そうとしたがゆえに苦悩を抱え葛藤する十太夫の役を尾上松緑が見事に演じていました。決して二枚目と言えないのですがハートがビシバシと伝わる歌舞伎役者。松平隠岐守定直役の坂東亀蔵の透き通る台詞と歯切れの良い演技もこれからの成長が楽しみです。

最後は35分の休憩(商業演劇はこの間、食事してもらったり、買い物を勧めたりでの時間でもあります。)後、「狐狸狐狸ばなし」この作品は2004年にトムでも上演しました。ケラリーノサンドロヴィッチ演出で板尾創路、篠井英介、六角精児、ラサール石井の出演での異色の芝居に仕上げた記憶があります。この芝居は通算220編余りの戯曲を書き上げた北條秀司氏の喜劇での最高傑作だと言われてきました。タイトルが示すように登場人物が織りなす狐と狸の化かし合いが目まぐるしく展開されます。その中に人間の欲、哀感がおかしみを取り混ぜながらの抱腹絶倒喜劇。松本幸四郎、尾上右近が安定した演技をする中、幸四郎の息子である市川染五郎が目を見張る芝居をしていました。将来の歌舞伎界を背負って立つ逸材であることは間違いありません。

終演は15時、歌舞伎のゆったりした時間がとても心地よかった。確かに¥18000の入場は高いと思いますが、まあこの規模で、この内容であれば納得できるかな...

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新春の歌舞伎座

2024/01/15
【第1844回】

能登半島地震の連日の報道の中、自民党のパーティ裏金疑惑、検察が一議員の逮捕で幕引きをしようという情報が流れてきました...本当にふざけるなと言いたい!まじめに働いている庶民には徹底的に厳しく税の要求をしておきながら、脱税に匹敵する犯罪行為を犯しながら国会議員というだけでこの甘い処置。この国は本当に腐りきっている...国の権力が一つの機関に集中すると濫用されるおそれがあるため、三つの権力が互いに抑制し、均衡を保つことによって権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障しようとする考え方で立法・行政・司法の三権主義があるのにこの有様。お互いが監視するどころか忖度するばかり...今からでも遅くありません。昨日の台湾での選挙での投票率71%、日本の投票率はいつも50%前後、半数の有権者が棄権している状態に危機感を持ちましょう!と言っても腰をあげようとしない体たらく状態。勿論、原因は政治不信であることははっきりしているわけだが、諦めちゃ悪徳政治屋の思う壺でございます。

そして、辺野古新基地での埋め立て強行。沖縄の人が何度も嫌だと意思表示してるのに何ら応えようとしない政府。おいら前から言ってるのだが、沖縄にある基地、日本の各地が負担するのが平等だと思います。先の大戦であれだけ沖縄に犠牲を強いながら、またしても台湾有事の際の盾にしようとするこの国の狡さに呆れてしまいます。この国がアメリカの属国であるのは理解できますが、いまだ沖縄だけにアメリカ軍基地の押しつけは勘弁してくださいな。昨日も、TV新日本風土記での沖縄のきれいな海と空に囲まれながらゆったりと時を楽しんでいる人たちを見るにつけ、この安穏な日々が永遠に続きますようにと思いました。

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睦月の空

2024/01/12
【第1843回】

この季節、すっかり葉を落とし毅然とした姿で屹立している樹木を眺めているとシベリアの収容所に8年間を過ごし、日本への帰国を果たせず病死した山本幡男さんの詩をいつも思いだします。


アムール遠く濁るところ
黑雲 空をとざして險惡
朔風は枯野をかけめぐり
萬鳥 巣にかへつて肅然

雄々しくも孤獨なるかな 裸木
堅忍の大志 瘦軀にあふれ
梢は勇ましくも 千手を伸ばし
いと遙かなる虚空を撫する


夕映 雲を破つて朱く
黄昏 將に曠野を覆はんとする
風も 寂寥に脅えて 吠ゆるを
雄々しきかな 裸木 沈默に聳え立つ

 

極まるところ 空の茜 緑と化し
日輪はいま連脈の頂きに沒したり
萬象すべて 闇に沈む韃靼の野に
あゝ 裸木ひとり 大空を撫する

 

理不尽な境遇のなか、極寒のシベリアの収容所で故郷、家族に思いを馳せながら書き綴った言葉に山本幡男さんの強靭な意思を感じる。
年頭の能登半島地震、羽田の航空事故然り、この時代、何が起こっても不思議ではない。そんな時には逆境の中で生を信じ、改めて命の尊さを感じながら過ごした人たちのことを忘れずに日々を過ごしたいと思っています。

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裸木

2024/01/09
【第1842回】

連日の能登半島地震の現地の生々しい報告を見るたびに心痛みます。コロナも落ち着き、久しぶりの一家での正月で10人の家族を亡くした男性の「何も悪いことしてないのに...なんでこんな目に合わなきゃならないのか!」涙して語る慟哭言葉が胸に迫ってきます。

13年前に輪島の朝市でふらり覗いた市中屋本店。格子窓の素敵な外観で、代々100年以上続く老舗店です。輪島塗というとなかなか敷居が高いと言われていますが、一歩店内に足を踏み入れるとなんとも懐かしい匂いと家庭的な雰囲気に魅せられついつい話し込んでしまいました。店内に展示されていたお重が気に入り半年掛かりで創っていただきました。塗っては乾かしの繰り返しでとても手間暇がかかる作業だとのことでした。

正月のおせち料理は、このお重に詰め込み新年を迎えるのが我が家の習いでした。

そんな思い出を持つ市中屋さんのご家族、親類と思われる名前が今回の地震での安否不明者のなかにありました。毎年、年賀状が来ているのですが焼失した朝市通りのお店には連絡しようがありません。今はただ無事であって欲しいと願うのみです。

焼けただれた家並みを前にして若き漆器職人が「命は助けてもらったので、残されたものがなんとか伝統を引き継ぐしかありません...」この言葉を信じるしかありません。東日本大地震然り、命ある限り残された人々がマイナスからプラスへと歩を進めてきました。

昨日、黒澤明監督「生きる」久しぶりに観ました。生きることの根源をシンプルに描いた傑作です。志村喬の鬼気迫る演技、他の共演者のキャラクターの活かし方、さすが黒澤明監督。

命ある限り、生きてさえいればなんとかなります...被災地の皆さんが一日も早く日常を取り戻し、必ずや自然の魅力に溢れた能登半島を再生してくれると思っています。

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市中屋さんのお重箱

2024/01/04
【第1841回】

明けましておめでとうございます。

 

いよいよ今年も始まり、今年こそは平穏な年であれという願いを元旦から、能登半島地震で砕かれた思いです。2日には羽田での航空事故。何とも波乱の幕開けとなりました。

ウクライナの侵攻、ガザ地区での戦闘も止むことがありません。

何としても、この不穏な流れを食い止めなきゃ未来はないと...今年も又、ひとりひとりがこの危機感をしっかりと意識して生きていかなければと強く感じています。

トム・プロジェクトも今日から「モンテンルパ」の稽古が始まります。2021年のコロナの恐怖に晒されながら、なんとか千秋楽を迎えることが出来た日のことを鮮明に覚えています。

再演である今回も、平和な日常がいかに大切であるかをこの作品を通じて伝えることが出来ればと思っています。

今年も、トムは芝居を通じて世界のいかなる人も皆平等に平穏な日々が訪れることを信じてやり抜いていきますので、皆さま何卒よろしくお願いいたします。

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謹賀新年

2023/12/27
【第1840回】

トム・プロジェクトも今日が仕事納め。

今年は1作品だけ残念ながら中止になりましたが、ほかの4作品無事に完走できました。芝居はスタッフ、キャスト含め誰一人として欠かすことが出来ないものです。まだまだ感染症も油断できないなか、みなさん程よい緊張感を保ちながら現場を創造できたと思います。そしてなによりも、芝居を観て頂いた観客の温かい声援があったからこそ完走できたと、あらためて感謝。終演後、観客席から出てこられたお客様の表情でその日の芝居の出来が分かります。今年の作品はいずれも満足気なお顔でございました。中にはロビーに立っているおいらに近寄り「良かった!」なんて声を掛けられると苦労も吹っ飛んでしまいます。

芝居は何とか無事に終えることが出来たのですが、日々メディアで流れるウクライナ、ガザ地区での目を覆う惨状、気候変動による災害などなど、世界平和には程遠いのが現状です。日本の政治の劣化も困ったもんでございます。そして一瞬にして訪れる災難、昨日、おいらが良く散歩する道路を歩いていた家族の自動車による事故。奥さんと娘さんを亡くされた遺族の悲しみはいかばかりか...この時代、何が起きても不思議じゃない世の中になってしまいました。

来年こそは、少しでも平穏な時間が流れる年であって欲しいものです。

では皆さん良い新年をお迎えくださいね。

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寒椿

2023/12/25
【第1839回】

2017年に亡くなられた作家・赤染晶子さんのエッセイ55篇と、2011年1月から3月にかけて、翻訳家並びにエッセイストの岸本佐知子さんとの「交換日記」を収めた一冊「ジャムパンの日」読了。何気ない日々のなかで起こる出来事に彼女なりの妄想を絡めた文章が面白い。

 

わたしは蠅取り紙が大好きだ。蠅取り紙は美しい。あのヴィヴィッドな黄色はゴッホの「ひまわり」を越えている。そこに黒い蠅が止まることで、とても見事な色のコントラスが生まれる。蠅は命を投げ出して、この美しさを生み出すのである。これがご飯粒では様にならない。蠅でなければならない。もしかしたら、蠅は蠅取り紙に出会うために生まれて来たのではないか。わたしには夢があった。蠅取り紙に蠅がくっつく瞬間を見たい。芸術の生まれる瞬間を観たい。

 

このなんともシュールな妄想。もしかしたら創造、想像、妄想は人生を楽しく生きる三種の神器かもしれない。これを政治の世界でも生かして欲しいが一歩間違えば、ヒトラー、プーチン、北朝鮮のかりあげ君なんかを生み出す危険もあるので要は使い方次第だ。

おいらも今朝ある妄想に駆られました...いつもは朝早くからやってくる小鳥たちが来ないので、もしや昨日イブのためのチキンをぶら下げてるニンゲンの様子を見て、鳥たちも危機感を感じ、今日のクリスマスが終わるまで身を潜めていようということになったのかしら...

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師走の新宿

2023/12/22
【第1838回】

最近、BS12での東映映画「日本侠客伝」を良く観ています。懐かしいですな!勿論、あの高倉健さん主役のシリーズものです。筋立ては決まりものの勧善懲悪、ラストは健さんの渋い歌声に乗りドスを片手に極悪非道の親分のもとに殴り込むお決まりのコース。その助っ人が鶴田浩二、池辺良などなど豪華ゲストときたもんですからたまりません。ヒロインは藤純子、透き通るような肌にしっとりとした彫り物がこれまたたまりませんことよ。そして、脇役に藤山寛美、大木実、辰巳柳太郎、島田正吾、若山富三郎、二谷英明などなど豪華な顔ぶれ。伴淳三郎、上田吉次郎なんかの登場には思わず笑いがこみ上げてきました。

思えばこのシリーズ、今は無き新宿昭和館でおいらも観たもんでございます。客席には全共闘の学生も来ていました。健さんが殴りこみに行くシーンになると「待ってました健さん!」の声があちこちから聞こえてきました。彼らにすれば時の権力を打倒するためにゲバ棒持って国会に向かう姿をオーバーラップしたに違いありません。

旧きやくざ映画の典型ながら、役者の粋、色気、そして存在感、見世物としてはなかなかのものです。監督を務めるマキノ雅弘の職人芸にただただ感心します。映画に対する愛情がスクリーン一杯に溢れかえっています。

高倉健さんみたいなスターはもう出てこないでしょう...勝新太郎、三船敏郎然り、あの時代だからこそ誕生した俳優だと思います。それにしても何事にも窮屈になったこの時代、すべてがこじんまりとし、程よくまとまり過ぎたモノに覆い尽くされていて、おもろくありません...こうなったら、自分でおもろくするしかありませんな。

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新宿南口

2023/12/20
【第1837回】

昨日は中津留章仁作・演出の「STRANGE ISLAND」を観劇。新宿御苑前駅の近くにあるサンモールスタジオの一番前のかぶりつきなので緊張しました。最前列で観るなんてことは普段ありません(つまらん芝居であっても居眠り出来ませんからね...)美しい女性が次から次に登場するのでモデル系事務所主催の芝居かなと思いながら観ていたんですが、おっとどっこい、ここは中津留イズムがびっしりと貫かれ、各俳優熱演、2時間40分の長丁場ながら最後まで楽しめました。誰しもが持つ人間の欲、愛、情、のやりとりを描きながら、社会性とエンタメ性を交えながら人の生き様を炙り出すような作品。地図にも載っていない、ある島の、ある町で展開される話の中に、今まさに日本の政治で起きている問題をぶち込むところなんかはいかにも中津留章仁らしい。

トムに所属している中嶋ベンが良い味を出していましたな...どこにも居そうでありながら、この個性はなかなか貴重であります。なんと言っても彼の芝居にはいつもハートが感じられます。表現者としては当たり前のことですが、この当たり前のことが出来ていない役者さん以外と多いのですよ。来年は彼が出演する芝居をトムでも準備していますので是非自分の目で確かめて頂ければ幸いです。

それにしても、昨日の元ライオンズの山川穂高選手のソフトバンク入団会見なんなの?

そして自民党二つの派閥事務所への東京地検特捜部の家宅捜索、この異常な状況にそろそろ気付かないと日本沈没が目に浮かびますがな。

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師走のバラ

2023/12/18
【第1836回】

いやいや先週は怒涛の日々の連続。火曜から金曜は九州。帰京した翌日は銀座博品館で上演していた劇団NLT「二階の女」を観てきました。トムで公演した「沼の中の淑女たち」に急遽出演していただいた阿知波悟美さんが出演。この作品は昭和20年四国に疎開していた当時、愛媛新聞に短編小説として発表した獅子文六の作品を飯沢匡が脚本化した作品である。正体のしれない二階の女を象徴的に描きながら、当時の市井の人たちがてんやわんやの大騒ぎ、人生の悲哀、夫婦の愛情をユーモラスかつ厳しく描いた作品でありました。最後は第二次世界世大戦に向かう不吉な予兆を感じさせるエンディングでございました。

昨日は表参道のあるスパイラルホールで島田歌穂さんと島健さん二人によるXmas Special vol.13に出かけてきました。2009年にスタートしたこの会も13回目になるとのこと。旦那さんでもある島健さんのお洒落なピアノの音に歌穂さんが心地良い歌声を乗せながらの1時間45分。二人の篤い信頼と絆があってこそのスペシャルな時間でございました。年末を飾るにふさわしい贅沢なひとときを、皆さん味わったのではないかと...それにしてもあれだけの曲数をひとりで歌い続ける歌穂さんの日頃の体調管理、大変な努力をされているんでしょうね...頭が下がります。ラストには来年2月から再演します「モンテンルパ」の芝居の宣伝までしていただきありがとうございました。

いよいよ今年も残すところ2週間となりました。この歳になると、月日が流れるのがなんとも早く感じます。喜んでいいのか悪いのか?おいらもわかりませんことよ。

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師走の表参道

2023/12/15
【第1835回】

12月13日、博多西鉄ホールで風間杜夫ひとり芝居を観劇。今回の芝居は博多が舞台になっていたので満員の客席は大変な盛り上がりでした。博多弁が出てくるたびにお客さんは大喜び。愛嬌たっぷりの牛山明もラストのシーンでは客席からすすり泣きが聞こえてきました。笑いから哀愁たっぷりの男の変貌ぶりを魅せてくれるのも、千両役者だからこその芸のなせる業でございます。終演後の杜夫ちゃん、やり切ったという表情をしていました。

昨日は4年ぶりの東住吉小学校の同窓会。77歳、78歳になるおっちゃんおばさんたちなんですが皆元気でした。でも4年前に場を盛り上げた仲間の一人は昨年亡くなったとのこと、確実に年を重ねていることを実感しました。幹事の女性がコピーしてきた小学校、中学校の卒業写真を眺めていると、懐かしいあの日あの時が蘇ってきました。終戦間もない時期、貧しいながらも皆必死豆炭で生きよったばい!おいらは小学校3年生から新聞配達に励んでおりました。戌年のおいらはクンクンと鼻を効かせて博多の街を走り回り、今尚丈夫な身体を形成してくれたんだなと...小さい頃から、おきゅうと納豆売り、郵便配達、氷配達などなどよう働きよったばい。

今度はいつ会えるか?でも、こうやって幼いころの級友と会えるなんて幸せでございます。

連絡がつかず会えない人たちも、どこかで元気で幸せに過ごしていることを願って別れました。師走の夜の博多もクリスマス一色でございました。

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おいらはどこにいるのかな?

2023/12/13
【第1834回】

長崎県大村市シーハットおおむらで、杜夫ちゃんのひとり芝居観てきました。長崎は5年ぶりかな、いつ来ても情緒あふれる坂道が多い街です。芝居のほうは絶好調!長崎のお客さんのノリで、牛山明飛んだり跳ねたり愛嬌たっぷりの演技で笑いの渦でございました。

終演後に長崎市在住の歯科医を開業している原さんに、長崎のおいしい料理をご馳走になりました。原さんとはかれこれ50年近くの付き合いかな...今は無き福岡市六本松の名物ママがやっていた「ひろ」で会ったのが最初でした、おいらはアングラ芝居の役者、原さんは九州大学の学生でした。いやまさしく青春時代でございました。酒をへべれけになるまで飲み尽くし、政治、芸術の話からエロ話まで、いくら時間があっても足りないくらいのどんちゃん騒ぎのひとときを過ごしました。そんなエネルギッシュな時間を過ごしたからこそ皆それぞれここまで生き延びてきたんですね...思案橋近くにある「かまど茶屋」、長崎に行った際にぜひ立ち寄ってくださいね!とおいらがお薦めできる素敵な店でした。

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機内からの富士山

2023/12/11
【第1833回】

先週の週末からよく目にする指名手配風の写真5枚。なんと自民党安倍派の幹部議員なんですが、どうみても悪代官に見えますな。なんと20年以上にわたって裏金返金制度があったというのだから血税納めている国民は怒り心頭でございます。死者に鞭打つじゃございませんが、統一教会問題、改ざん問題も含め到底許すことが出来ません。こんな政治屋ばかりだから日本の経済30年間停滞するのも当然至極。でも、帰するところは日本国民の選挙において半分棄権し、投票結果も相も変わらず自民党一党独裁を許しているんですからね...

未だに進展がない国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」。使途の公開や未使用分の返還を盛り込んだ議員立法も審議入りのめどすら立たない状況でございます。

どこまで国民を愚弄しているのだろう!そのうえ、裏金もらって脱税しているのだから世も末状態です。この際徹底的に叩かないと又暗黒の時代が延々と続くこと間違いないですね。

そんな中、明るいニュースも飛び込んできました。大谷選手の大リーグドジャース入団。こんな日本の若者も出現し本当に嬉しい限りです。彼の育った環境、思考、行動を参考にすれば日本も少しはましになると思います。彼の表情にすべてが現れています。野球は勿論、人間としての佇まいが、この汚れちまった悲しい世界に微かな希望の光を感じます。

たかが野球、されど野球...なるほど奥が深いです。

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今日の空

2023/12/08
【第1832回】

福間健二著「迷路と青空」読了。先月、健二さんの遺作の映画「きのう生まれたわけじゃない」を観て来たばかりだが、この本を読んで改めて74年間の人生、まさしく既成の概念に疑いを持ちながら自ら迷路の中に踏み込み、日々移りゆく青空の下を突き抜けていったんだなと思いました。迷路をさ迷いながら自問自答し、未知へのドアをノックし、一気になおかつ簡潔に今生きていることを肯定したい...そういうことを願っているが、なかなかそうなってくれない。その一瞬一瞬、詩を綴りながら映画を創りながら自己確認する。健二さんは詩についてこんなことを述べている。

 

詩は生きている。私は以前からそう言ってきたが、最近思うのは、生きることそのものが詩であるというように生きるにはどうしたらいいかだ。自分のためだけに生きている人生では、そうなってくれないだろう。

 

健二さんが人と関わり自然と対峙しながら、生きることと表現すること追求できるのも、この世の人でない存在も含めて感謝の気持ちを忘れずにやってきたことがうかがい知れる。

それに反して、又もや政治と金の問題が浮上し、これまでと同様時間が経てば忘れてしまうだろうなんて問答が繰り返されている。政治屋が長年はびこっているのに、未だ変化の兆しすら見えないこの国の現状に楔を打ち込めない惨状にただただ呆れるばかりだ。

こんな時は、青空とまだまだ楽しませてくれる紅葉を眺めながら、千々に乱れる怒りと諦めを諫めるしかありませんな...

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幻想の世界

2023/12/06
【第1831回】

昨日、すみだパークシアター倉にて劇団桟敷童子「空ヲ喰ラウ」を観劇。錦糸町から徒歩15分~20分かかるのだが相変わらずコアなファンでいつも満杯である。今回のパンフに主宰者である東憲司さんがこんなことを書いていた。

 

来年、劇団を旗揚げして25年を迎える。今考えると、あっという間だったような気がする。まさか25年も劇団が続くとは思わなかった。旗揚げ公演は1999年秋、辰巳の倉庫でだった...魚の匂いが充満していた。なにもかも手探りだった、がむしゃらだった...コン畜生、コン畜生の精神でここまで続けてきたような気がする。現在劇団員は17人...東京にたくさん劇団がある中で、この桟敷童子を選んでくれた...それだけで感謝である。この劇団は俳優だけでなく、大道具も小道具も、衣装も、音響も、制作業務もやらされるのである。本当に大変だと思う。これをいつまで続けるのであろう。そろそろ終焉を考えるようになった。しんどい...(笑)

 

おいらは芝居創りの原点を見る思いも含めて観客、プロデューサとしてこの劇団のファンである。頑張ってきたどころか、演劇界の数々の賞を受賞している点からみても今やなくてはならない劇団のひとつである。出来、不出来以前にこの劇団の人たちの情熱、心意気、純粋さがおいらにとってはたまらない魅力である。

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劇場近くでカワセミ発見

2023/12/04
【第1830回】

風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン~最後のロマンス~」昨日、無事に東京公演終えることが出来ました。芝居が終わったあとも、まだ観たい!帰りたくないという雰囲気が漂っていました。こんなに愛されている牛山明こと風間杜夫、なんとも素敵な俳優さんです。おいらも6ステージすべて観ましたがそれぞれの趣がありました。普通、芝居は当然のことながら相手役と観客とのやり取りで成立するものですが、このひとり芝居は観客と見えない相手役とのコミュニケーションでのイレギュラー版。やはり観客の反応がその日の劇場盛り上がりを支配します。誰も手助けしてくれない杜夫ちゃん、当然のことながらその日のお客の反応を敏感に感じ取りながらドラマを進めていきます...ヤバいと思ったり、予想通り、いや、ここは違う手でやってみようなどなど...台詞を吐きながら心中穏やかじゃない状態で演じてる様が手に取るように分かります。そんなことも含めて演じ続ける風間杜夫の飽くなき探求心と遊び心に拍手を送りたい。

ベースボールシーズンも終わり、冬のスポーツと言えばラグビーですね。昨日は大学ラグビー伝統の一戦、早稲田と明治の試合が東京・国立球戯場で行われました。1923年に第1回が行われた早明戦は今年で100周年(99回目)を迎えました。おいらも1987年12月6日に旧・国立競技場、雪が舞うなかでの早明戦、よく覚えています。その後も名勝負が続きラグビー人気を盛り上げた両校の戦い、いつも楽しませてくれます。新年2日の準決勝で再び両校が相まみえるのか...勝負ごとは筋書きのないドラマ、誰にもわかりません。

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まだまだ燃えてます

2023/12/01
【第1829回】

今日から師走です。本当に1年はあっという間ですね。歳を重ねると、良いのか悪いのか余計にひしひしと感じる次第です。

風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン~最後のロマンス~」東京公演、昨日で3ステージを終えることが出来ました。いやいや、日毎にエンジンがかかり満員のお客様も満足気で劇場を後にしています。なにせひとりでやるんですから、百戦錬磨の杜夫ちゃんも壁にぶち当たることもあり、日毎の体調もあり、そりゃ大変な舞台だと思います。そんな時に、おいらはプロデューサー、一観客として終演後に率直な感想を述べに楽屋に直行します。ここは長い歳月を費やし築いてきた信頼関係もあり素直に耳を傾ける杜夫ちゃん...ここが名実とも一流の役者である所以だと思います。このキャリアの役者さんのほとんどは、他人の意見を聞かず身の保身に走る傾向が多々あります。一味違う役者さんは、創っては壊しを繰り返し常に新鮮な表現を目指しながら前に進んでいます。勿論、自信があってのことだと思います。

それにしても一人で連日客席を満員にしてしまうんですから、たいしたたまげた役者さんです。

これから寒さは一層厳しくなってきます。どうか一日も早くウクライナの侵略戦争、ガザ地区での戦闘を終え、いつものように平穏なクリスマスを迎えて欲しい!演劇も平和だからこそ素敵な一日を過ごすことができるんです...

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師走のバラ

2023/11/29
【第1828回】

風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン~最後のロマンス~」東京公演、昨日俳優座劇場で無事初日を迎えることが出来ました。北海道、関西、九州を巡演しての公演です。地方公演とまた違って東京という演劇激戦区での初日というのもなかなかと緊張するものでございます。劇場には演劇評論家の方々を始め芝居に対して厳しい目で観劇される方も多々いらっしゃるので、もう一度褌を締めてかからねばなりません。勿論、風間さんを愛するファンの皆さんは、杜夫ちゃんの一挙手一投足、なにをやっても楽しいなんて見方をされているかとは思いますが油断禁物、どこに落とし穴が潜んでいるのか分からないのがナマの舞台の恐さでございます。百戦錬磨の風間杜夫も、その辺のところは当然熟知していて手探り状態で芝居しているのが良くわかりました。これがナマの面白さでありスリリングな舞台の魅力です。

石川県の知事、アホですな。いや正直もんですな。こんな人が国会議員になり知事になるんですから、選んでる人もアホですなと言われないようにせにゃアカンですな。

今回の芝居の中にも、時事ネタで今の世界、日本の現状を憂えています。日々変化する世相を上手く切り取り芝居に取り込むことが出来るのも現代劇の良さだと思っています。

今日は東京公演2日目。杜夫ちゃんどんな芝居みせてくれるのかな...楽しみです。

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場外でも熱演中

2023/11/27
【第1827回】

いきなり寒くなり人も樹木もおたおたしております...一足早く紅葉した葉もひらひらと地上に落ち始め思わず枯葉♪を口ずさんでしまいました。勿論、シャンソンの名曲ですがジャズでのマイルス・デイヴィス、ビル・エバンスの演奏も極上です。

それにしてもこの季節、黄や紅で多くの人を魅了する樹々に拍手を送りたい。そんな光景を見ながら、人間もこれほど見事に変身できれば楽しいに違いないと思ってしまう。新緑の鮮やかな緑に始まり燃えるような色に変化し、風に吹かれながら舞い踊る。枝で美しさを誇り、落ちて惜しまれるなんて最高の生きざまじゃございません。

 

「昨日より今日はまされるもみじ葉の明日の色をば見でや止みなん」 恵慶法師

 

ガザ地区での停戦、人質解放、取り敢えずほっとしています。この時代に相も変わらず殺戮が日常化し、なかなか止められない世界の現状悲しい限りです。でも、これこそ人間が背負わなければならなかった業なんですかね。見渡せば、他の生き物が良いお手本を見せてくれてるはずなんですが...困ったもんでございます。

余計なことには手を出さず、自然界の法則に則って命を全うすることが困難な環境であることは分かっちゃいるけど、すべて原点回帰でいかんと大変なことになりますぞ...

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まだまだ魅せます

2023/11/24
【第1826回】

福間健二は生きていました...昨日、東中野にある粋な映画館ポレポレ東中野で福間健二監督の新作で遺作になった「きのう生まれたわけじゃない」を観てきました。今年4月に健二さんが74歳で亡くなったのを知り即、伴侶でありプロデューサーである恵子さんに連絡し自宅に伺いました。知り合って40年、こんな別れがあるなんてとても信じられない一日でした。その時、恵子さんはすでに前を向き今回の新作上映の準備を進めていました。

心の通わない母と二人で暮らし、中学校に通わず、希望を抱けない14歳の七海(ななみ)。妻を亡くし、過去にとらわれた元船乗りの77歳・寺田。ふとしたきっかけで心を通わせた二人は、友人かつ家族のような日々を過ごす。そんな中で、新たな人生の歯車が動き出すというストーリー。なんと寺田の役を健二さん自身が演じていました。いい顔してました!遺作に監督自身が主要な役を務め、詩人に相応しい透明感のある言葉を散りばめ、日常を説得力のある映像で見せられると、あたかも自らの死を予感していたとしか思えませんでした。

そして健二さんの7作目になる今回の作品が、今までの作品の集大成に匹敵する作品ではないかと...健二さん、恵子さんとの交流を通じ二人が生きてきた志、思考、人間としての在り方においらも共感しお互いに切磋琢磨することが出来たと...様々な表現方法はあるのは当然のことながら、確かなことは福間健二でしか表現できない言葉、映像を新鮮な感覚で作品として観れることがおいらにとっては秘かな楽しみでした。

今回が遺作となったのだが、この新作の健二さんの全身から発する表情は、まさしく「きのう生まれたわけじゃない」彼が信じた世界が彼の中に存在する限り、未来永劫生きてることを証明している映画だと思いました。福間健二は生きています!

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福間ワールド

2023/11/22
【第1825回】

作家、堀田善衛さんが1997年7月、60歳になった日からスペインに住み始めて430日に渡る日々を記した「スペイン430日~オリーブの樹の陰~」を読み始める。読んでいるうちに、おいらがアンダルシアの小村サロブレーニャに住み始めたことを懐かしく想い出しました。 

最初にスペインに行き、次に来る機会があれば必ず住もうと決めた村がサロブレーニャでした。グラナダ県サロブレーニャ村。グラナダからコスタ・デ・ソル(太陽の海岸)に山越えバスで一時間半南下すると海を眺めるような白い鯨の形をした巨大な塊が見える。この塊がサロブレーニャだ。砂糖きび畑と海を持つこの村は、ほぼ自給自足で生活している。

この村に着き先ずは家探し。最初に借りたマンションは家財道具付の2DK、もちろん目の前は地中海を前にしたベランダ付。家賃は日本円にして1万5千円で言うことなし。喜び勇んで住み始めたが、日本人にとって生活の一部である浴槽に問題が発生。電気でタンクの水を温めるため、大きな浴槽の三分の一溜まれば、タンクが空になってしまう始末。浴槽に身を沈めても精々身体の半分しか浸かれない。そりゃそうだ、スペイン人には湯船にゆったりと身を横たえる習慣がない。ここはスペイン流に妥協も考えたが、長く住むことを考えると、ここはどうしても譲れないところだ。管理人に契約解除を申し出る。すると、善良そうな管理人ぺぺおじさん「何とかしてみる!」この善意を無碍にも出来ず、様子を見ることになった。次の日から修理道具一式を持ち込み必死の修理を試み、シャワーのお湯を出し「ほら、こんなに熱いお湯が出るでしょう」と自慢げにのたまう。僕もしっかりと言い返す。「熱いお湯はいい。問題はこの浴槽にたっぷりお湯が溜まらんといかんのよ...」と日本人の習慣を話すのだが、ぺぺおじさん不思議そうな顔をして納得がいかず、みずから上半身裸になり、石鹸をつけてシャワーを浴び「こんなに綺麗になるのに、なんの問題があるの?」洗えば綺麗になるのは当たり前、問題はねえ...僕もすかさず反撃を取るべく浴槽の中に入り横になり身振り手振りで説明するのだが、ぺぺおじさん「なんで浴槽の中でこんな格好しなきゃならんのよ...」まるで埒が明かない様子。自分が納得いかない以上、前家賃を返すわけにはいかないと渋い答え。そりゃそうだ!ここはスペイン。異質の文化の違いを目の当たりにしてサロブレーニャの生活が始まった。

今日みたいな青空と、紅葉を眺めていると第二の故郷スペインで生活していた日々が眼前に果てしなく拡がってくる。

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今日の紅葉

2023/11/20
【第1824回】

先週の週末は歌声を鑑賞してきました。金曜日には大和田獏さんと娘さんの大和田美帆さんによる「BAKUMIHO」。獏さんが芸能生活50年、美帆さんが20年を期にこのようなユニットを結成し今回の公演が実現しました。めちゃ明るい美帆さんのキャラクターと温厚な人柄獏さんによるとっても温かい雰囲気に包まれたひとときでした。この時間を過ごして感じていたことは、コロナで亡くなられた母であり妻であった岡江久美子さんがこの二人を見守りながら最後はみんなと一緒に大きな拍手をしているなと...

土曜日は、「コットンクラブ東京」での村井國夫さんの渋い唄を堪能しました。若い後輩の俳優さんとのコラボでしたが、さすが79歳の年輪とダンディズムに拘ってきた村井さんの表現は群を抜いておりました。この年齢になっても己に厳しく鞭打って表現者としての高みを目指しているところがたまらんですばい。

急に寒くなり、東京のあちこちの樹木もかなり色づいてきました。でも道行く人の服装も様々、冬物を着た人が居るかと思えば、半そで短パンで平気な顔で散歩している人も居る有様。この情景だけでも気候変動の異常さが理解できます。新宿で歩いている外国から来た旅行者の中には、ランニングシャツで汗拭きながら闊歩している輩がいるんですから驚いてしまいます。これは明らかに食べ物の違いでしょうね...おいらもいろんな国に行きましたが日本食がやはりベスト1です。最後の食事は、白いご飯に梅干、ちりめんじゃこ、着色なしの明太子で十分でございます。

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善福寺緑地公園

2023/11/17
【第1823回】

最近、芝居関係で地方に度々行っています。おいらは生来旅人、流れ者性分で生きてきましたので、地方に行くだけでワクワクしたもんでございます。この世界にはまだまだ隠されているものがある...その隠されたものが存在するのが地方だという気がします。自分の知らない未知なるものとの出逢いで、自分自身も成長出来たのではないかと...そんな期待も持ちながら出かける地方、最近は何処に行っても同じ顔をしています。地方都市の商店街はシャッターが閉まった店が軒を貫いていて、少し郊外に行くと大きな駐車場付のショッピングセンターがあるのが普通になってきました。昔は地方色豊かな個性的な店が点在し、耳を傾けると訛り言葉で話す言葉が聞こえてきました。お店も生活と深く繋がり人の営みがまともであることを嬉しく感じられました。この国の大切な序列が、お金と所有欲へと舵を切ったところからこうなることは十分予測されたことだと思います。

その後、村おこしとか町おこしなんて動きも出てきてはいますが、これもどうやら結局は特定企業が力を持ち、その企業に寄り添わないとなかなか本来のプロジェクトと縁遠い方向に向かうことが多々あります。

でも、まだまだ地方の魅力は必ずあると思っています。それを確かめるには自分の足で、町や村のなんでもない路地に迷い込み、知覚をピクピクさせながら何かを感じようとする好奇心があれば大丈夫です。この国にはまだまだ見知らぬ魅力があちらこちらに散りばめられているはずです。ひょっとしたら鈍感になりすぎたこの国の人より、異国の人がその魅力を楽しんでいるのかも知れませんね。

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新宿西口

2023/11/15
【第1822回】

あちゃ~プロ野球史上最悪のFA宣言の選手が誕生しました。西武ライオンズに所属しながら女性問題で不祥事を起こし、自ら事の顛末をひた隠し、今年の3月実施されたWBCにいけしゃあしゃあと出場し、そのまま今年のシーズンに入り1本のホームランも打てない有様。そりゃそうだわ、いつばれるかわからない爆弾抱えて心中穏やかではないのは当たり前。その後、週刊誌で報道され、無期限出場停止。その後、持論を展開しあたかも自分が被害者であるかのような態度。西武ライオンズもさすがにクビにせず練習場を与える温情を見せていたのだが、ほかの球団の意見も聞いて見たいとFA宣言。要は不祥事のことは水に流し、高いギャラで契約してくれるところに行きたいのでライオンズ以外の球団さん検討してくださいなと言うことですな。実績、そして成績さえよければ少々のことは目をつぶってくれるし、時間が経てばほとぼりが冷めるであろうプロ野球界の悪しき風潮を巧みに利用しようとしてるんだね。

冗談じゃございませんことよ!球場に来るお客さんは、そうは簡単に許してくれないどころかブーイングが鳴りやまないでしょう。多くの野球少年に今回のことをどう説明したらよいのかホトホト困っている親御さんも居るでしょう。今回のFAの届け出もギリギリ、しかも代理人を通しての届け出、迷惑かけたライオンズの選手たちにも謝罪もせず。人間として如何なものかと思える行動ばかり。

そんな選手を、4年間20億円で迎え入れようとしている球団が、又もやソフトバンク。博多のファンの皆さんこれでいいんですかね?大金注ぎ込んでも優勝できないわけを根本的に考え直さないとそのうちファンからもそっぽを向かれますよ。

この選手の名前?どすこいの山川穂高選手です。ほんまに男を下げましたな...

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新宿南口

2023/11/13
【第1821回】

ガザへのイスラエルの無差別攻撃、ロシアのウクライナへの侵略が止まらない。ほくそ笑んでいるのは武器商人である。過去の歴史からアメリカが世界の大国に成り得た一因が武器産業であることは明らかである。今回のアメリカの立ち位置が、ダブルスタンダードである訳は必然。そんな中、世界の若者がSNSを通じて停戦への訴えの輪を広げようとしている。日本でもその運動が芽生えているのが嬉しい。おいらの時代は学生が立ち上がり、権力に対峙し激しく行動に転じたものだが、最近の学生は何故かおとなしい...そりゃ、わかる気もします。おいらの世代が政治、経済、環境含めて諸々、今の社会を形成したんのですから責任があると思います。そんな経緯を知った若者たちはほとんどが白けてしまったのかもしれませんね。

でも、誰かがストップをかけないと世界の終わりが見えてきます。これからも戦争がない世界なんぞは夢のまた夢、いかに最小単位の紛争で留まらせるかが大きなポイントだと思います。日本の若い人たちがSNSを駆使しながら平和な世界を希求する姿を見るにつけおいらも少しは希望を持てました。スポーツを楽しみ、アートの世界に酔いしれることが出来るのも平和があってのことです。

平和ボケしたニッポンの皆様、平和は勝手にどこからかやって来るものではございません。一人一人が自分の可能な範囲で平和を手繰り寄せる意識、行動を怠ってはなりません。今、目の前で見せられている悲惨な光景をしかと記憶に刻みつけ、次なるアクションに繋げようではありませんか...

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アンネも願ってます!

2023/11/10
【第1820回】

風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン~最後のロマンス~」昨日、北海道苫小牧市文化会館で無事初日を迎えることが出来ました。苫小牧はこの作品の作・演出家である水谷龍二さんの故郷である。水谷さんの同級生の方々の尽力で実現できた公演です。何年経ってもこうやってともに思いやる気持ちが素晴らしい。人の繋がりが稀薄になっている昨今、聞きなれた友情なんて言葉を超越した絆を強く感じる。水谷さんも幸せもんである。

芝居は見事な仕上がり、苫小牧の観客の温かい反応をしっかりと受け止め1時間25分、隙もなく観客の思いを鷲掴みにしてしまうところが千両役者たる所以かな。

ひとり芝居をやり始めての26年間の蓄積を感じます。間の取り方、観客に対する問いかけ、どれ一つとってもドンピシャ!ひとり芝居をやるために生まれてきた男です。

昨日は本番まで時間があったので苫小牧の街をぶらり散歩。レトロな喫茶店を見つけコーヒを一杯。なぜかBGMにJAZZが流れている1975年開業の老舗喫茶店。店内には重厚感のある木目の食器棚がカウンター席の正面にあり、中には色んな形のコーヒーカップが並んでいるまさにザ・昭和の店。こんな喫茶店が生き残っているだけでも苫小牧の人たちが信じられる気がしてきます。王子製紙の城下町でありながら北海道の大地を踏みしめ、しっかりと生きている苫小牧の皆さんありがとうございました。

又、来年も新作を持って再会できることを楽しみにしています。

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苫小牧にて

2023/11/08
【第1819回】

山本顕一著「寒い国のラーゲリーで父は死んだ」読了。この本は、2005年にトム・プロジェクトで公演した「ダモイ~収容所から来た遺書~」に登場する亡き父山本幡男さんの長男が、お父さんの遺した言葉を抱きしめて書かれた本です。山本幡男さんは第二次世界大戦後、旧満州で降伏した日本人兵士等約60万人がソ連シベリア領内に連行され、極度の寒さや飢えの中で過酷な強制労働をさせられた一人です。多くの人が帰国する中、9年間もの長い収容所生活の末、帰国の願いも空しくハバロフスクの収容所で病死しました。

収容所仲間に信頼が篤かった山本幡男さんの遺書を仲間が口移しで覚え、帰国した際に遺族に伝える感動的な話を、是非舞台化したいと思ったときに逢いに行ったのが顕一さんでした。大学教授を退職されていた時期で、大変穏やかな方で即上演の許可を頂きました。上演中にも何度も観に来てくださって感謝の言葉を述べられていました。そんな顕一さんの両親への思い、兄弟に対する責任感、この本を読んで改めて顕一さんの苦悩と強い信念を思い知らされた次第です。

4人の子供たちへの遺書には万感の思いが込められています。

 

君たちに会えずに死ぬることが一番悲しい。さて、君たちは、之から人生の荒波と闘って生きてゆくのだが、君たちはどんな辛い日があろうとも光輝ある日本民族の一人として生まれたことに感謝することを忘れてはならぬ、日本民族こそは将来、東洋、西洋の文化を融合する唯一の媒介者、東洋のすぐれたる道義の文化、人道主義を以て世界文化再建設に寄与し得る唯一の民族である。この歴史的な使命を片時も忘れてはならぬ。また君たちはどんなに辛い日があろうとも、人類の文化創造に参加し、人類の幸福を増進するといふ進歩的な理想を忘れてはならぬ。偏狭で驕慢な思想に迷ってはならぬ。どこまでも真面目な、人道に基く自由、博愛、幸福、正義の道を進んで呉れ。最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである。

 

未だ戦争が止まない今、この遺書の言葉の持つ意味は重い。

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獲物は見つかったのかな?

2023/11/06
【第1818回】

昨日、風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン~最後のロマンス~」の最終稽古を観てきました。

74歳の杜夫ちゃん、すっかり牛山明になりきって躍動しとりました。一人で1時間半近く喋って歌って飛び跳ねて、そりゃ観てるこちらが大丈夫かいな?と思いきや、エンジン掛かるといつものペースで楽しそうにやってるところがすごかですたい!彼に果たして老いなるものが訪れるのだろうかと逆に心配さえしてしまいます。

なにせ26年という長い年月に渡りひとり芝居を続けているんですから、たいしたたまげたもんでございます。勿論、ひとり芝居だけじゃございません。舞台、映画、テレビ、そして落語もプロ並みの腕。役者をやるために生まれてきた人なんでしょうね。普段は努力してる風は一切見せないんですが、おいらが思うに彼独自の日常と役者との切り替えがとても上手いんだと思います。稽古終わりに旨そうに飲む酒と、ダジャレを発するその瞬間にも役者、風間杜夫のチャーミングさと色気を垣間見せるところもさすがです。

11月9日、北海道苫小牧でスタートする今回の芝居、東京は勿論全国各地でも公演しますので是非とも劇場に足を運んでくださいね...

昨日は阪神タイガース38年ぶりの日本一。タイガースファンの皆さんの喜び痛いほど分かります。今年はWBCから始まって昨日の日本シリーズの激闘。野球ファンにとっては充実した1年だったと思います。来年こそ、我がライオンズの有終の美を観たいもんでございます。

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井の頭公園

2023/11/01
【第1817回】

昨日、神奈川県藤沢市湘南台文化センターでの「沼の中の淑女たち」を観に行ってきました。10月3日の東京公演以来、久しぶりの観劇でした。全国各地を巡演してこの日が20ステージ目の公演。まだまだ、コロナ、インフルエンザで油断できないこの時期にキャスト、スタッフの皆さんが一丸となってここまで無事に公演できたことにまずは感謝です。なにせ演劇はナマモノですから何か一つでも事故があれば中止に追い込まれる危機にいつも晒されています。旅中に起こる体調不良、移動中の事故、不意に訪れる台風の心配などなど、主宰してるこちらとしては、昼夜問わず心落ち着くことなんぞはございません。「今日も無事に公演できますように!」とただただ祈るというより信じるのみです。

昨日の公演、見事でした。芝居の良し悪しは、やはり座組の良さで決まるんだなということを実感した次第です。出演者の5人の女優さんの自由闊達な演技、間の良さ、おのおののキャラクターが上手く活かされ1時間35分があっという間に過ぎていきました。

芝居を支えるスタッフのチームワークも見事です。地方公演はほぼ1ステージですから当日セットを仕込み、当日ばらしも当然あります。限られた時間内でセット、照明、音響の数々を手際よく処理しなければならないので大変な作業です。

こうやって、みんなの思いが一つになって日本全国に芝居を届けられるこの仕事が、未来永劫続けられる世の中であって欲しいと願いながら劇場を後にしました。

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霜月

2023/10/30
【第1816回】

コスモスの季節ですね...庭の片隅に可憐に咲いているかと思えば、畑一面に群生しているコスモス。おいらがこの季節で一番のお気に入りの花です。中でも、福岡市博多湾に浮かぶ自然豊かな能古島アイランドパークで開花するコスモスは、遅咲きも含めると10月上旬~11月上旬まで見頃を迎えます。ピーク期には約50万本が咲き、海を望む丘は色鮮やかな花のじゅうたんで覆われます。この時期になるといつもこの島を想い出します。市営のフェリーで10分もあれば行ける島で、おいらが好きな作家・檀一雄さんもこの島がお気に入りで住んでいました。今は息子さんの檀太郎さんが引き継いで住んでいるみたいです。実は、おいらもこの年位になったらこの島で晩年を過ごしたいと思ったくらいの魅力ある島です。

島の浜辺で食べた魚介類、亡くなった芝居仲間と昼間から飲んだくれ、島の散歩道に立つ檀一雄文学碑に記された「モガリ笛 いく夜もがらせ 花二逢はん」の句を絶叫した日が懐かしい。

さだまさし作詞・作曲で山口百恵が歌った「秋桜」も絶品ですね

 

淡紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽溜まりに揺れている
此頃 涙脆くなった母が
庭先でひとつ咳をする
縁側でアルバムを開いては
私の幼い日の思い出を
何度も同じ話くりかえす
ひとりごとみたいに 小さな声で

 

コスモスを見事に描写し、歌に昇華した昭和の名曲です。

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秋桜

2023/10/27
【第1815回】

今シーズンは不満たらたらの采配でシーズンを5位で終えたライオンズ松井監督が最後にやってくれました。昨日のプロ野球ドラフト会議で大学野球界左腕ナンバーワンの国学院大武内夏暉投手の交渉権を獲得しました。ソフトバンク、ヤクルト含め3球団の競合の中、くじを引き当てました。地元福岡の出身者だけにソフトバンクは相当に悔しいに違いない。なんだか最近福岡出身の選手がぞくぞくとライオンズに集まってきてるのも何となく縁を感じます。だってライオンズはもともと福岡の球団なんだもの...近未来、ライオンズが博多に戻り、ソフトバンクが大阪に帰るなんてこともありかな?なんて思ってしまう。

このドラフト会議1965年に開始されて58年になろうとしている。考えてみればプロ野球選手を夢見て希望の球団に入れないなんてなんだか可哀想な気もしますが、この制度が無ければ間違いなく金満チームが一人勝ちになるに違いない、ソフトバンク、巨人なんてところに有能な選手が集まればつまらんプロ野球になるに違いない。嘗て、この制度がありながらインチキして選手の我が儘を通して球界の盟主読売ジャイアンツに入団した投手が居ましたな...野球の神さんもちゃんとみてござる。最近の巨人はすっかり駄目になりましたね。

スポーツにはダーティなイメージは似合いませんことよ...女性問題でライオンズに迷惑掛けてしまったホームラン打者もどうするんだろうね?出処進退早くしないとますます印象悪くしちゃうと思いますがね。

久しぶりに御茶ノ水にあるニコライ堂の前を通りました。学生時代にニコライ堂の鐘の音を聴きながら癒された、あの日あの時を想い出しました。

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ニコライ堂

2023/10/25
【第1814回】

久しぶりに挫折してしまった。第168回芥川賞受賞作、井戸川射子著「この世の喜びよ」。

ハナシの筋は、50歳くらいと推定される主人公の務めるスーパーで、15歳の少女と出会い、仲良くなり、喧嘩し、仲直りに向かう、という小世界を描いたもの。この作家、もともと詩人で言葉の選択が独特と言うより、イメージ先行で思いついた言葉を感性に従って配置しているので、主語が途中で入れ替わったり、助詞の使い方などなど従来の文章と比べかなり違和感を覚えるぶんかなり読みづらい。そして何故か言葉がすんなりと入ってこないのである。作家が敢えて、従来の小説にたいする新たな試みとして新しい文学の在り方を提言、提案しようとしているのかな?でも、入ってこない言葉ほどイラつき虚しくいらだたしいこと極まりないのでございます。

権威好きで文壇という特殊な群れに安住なさってる芥川賞選考委員の高邁な先生方、時折、いったい何を基準にして賞を選んでるのかな?と思うときがたまにある。紙文化が危ぶまれている昨今、出版業界にも忖度しながら仕事しなきゃならんのも分かります。なにも無理して賞を出す必要もないと思います。今年度は受賞作なし!こんなことがあっても決しておかしくありませんことよ。

賞を受賞しなくても世界的な作家になった村上春樹氏が居るんじゃありませんか...権威を重んじるあまり逆に、この国のカルチャー地盤低下してるんじゃないかしら?と思ってしまいます。

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色づき始めました

2023/10/23
【第1813回】

太平戦争中の1943年10月21日、2万人以上の学生が、雨の神宮外苑競技場を行進する映像を観るたびに胸が詰まる思いがする。まだたくさんの勉強をしたかったに違いない若者が、勇壮な音楽にスタンドで手を振る大勢の女子学生に囲まれて、銃を持ってずぶ濡れの学生服のまま視線を前に向けながら進む姿に彼らの葛藤を感じる。入学したばかりなのになぜ戦争に行かねばならないのか?日本、家族を守るために命を捧げよう!

正直言って、戦死していったこの学生たちが生きていれば、この日本も少しはマシな国になったのかもしれない...勿論、敗戦後この国が見違えるような発展を遂げたのは、日本人の勤勉性があってのことだ。いつの世も、何故か必要な人ほど早く世を去ってしまう。

戦地でよく聞く話、軍隊の上層部は徹底的に部下をいじめ倒し、戦局が危うくなると民間人を置き去りに真っ先に逃げる。こんな人たちが戦後政治にかかわったお陰で今の日本国の姿があるのも事実だ。

昨日、長崎と四国で補欠選挙があった。あれほど二世議員の弊害が言われてるさなか、なんと又、二世議員が誕生しました。確かにすべてが悪いと言わないまでにしても、二世議員の無能さ、そして代々継承しながら政治屋商店を永続して行きたいというセコさにほとほと嫌になっているこの感覚がわからない旧態依然の村社会を見せられた思いです。

本日のお決まりの増税メガネおじさんの所信表明演説もいつもながら虚しゅうございます。

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ゼラニウム
~花言葉、決意~

2023/10/20
【第1812回】

ミラクルロッテマリーンズ。ファーストステージでの10回の逆転劇、そしてまたもや昨日の盤石のチーム力を誇るオリックスを相手に9回での逆転。おいらも長い間野球観てるけどこんなことは珍しい。金満球団に勝ってくれると本当に嬉しい。昨日も角中がチャンスを作り、若手がそれに応える。安田選手はラッキーボーイ的な存在になっている。おいらはロッテの選手の中で荻野外野手が好きだ。小柄ながらしぶとく塁を狙う果敢な姿になぜか応援したくなる。角中外野手も渋いね。ねちっこくバットを短めに構え投手に向かっていく姿はまさしく職人芸だ。派手さはないがチーム一丸となって最後まで諦めないベンチの様子を見てると、なんだかちぐはぐなライオンズも見習って欲しいものだ...ベンチでヘラヘラおしゃべりしてる松井監督、平石ヘッドコーチなんとかせんと来年もBクラス確定だ。今日ロッテが勝利すると本当にわからなくなる。

平和ボケしたこの国からガザ地区の悲惨な光景を見るたびに心が痛む。戦争はいつの世も弱者、子供たちに甚大な被害をもたらす。戦争をして得をするのは武器商人だけだ。その際たる国がアメリカ合衆国、バイデン大統領の姑息な手法がなんとも信用できない。第二次世界大戦後、世界のお巡りさんみたいな振る舞いをしながら常に富を蓄えていったアメリカ。富のチカラにふれ伏してはならない...一刻も早い停戦を願うばかりだ。

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こっちの蜜はあ~まいぞ

2023/10/16
【第1811回】

先週の土曜日は、横浜演劇鑑賞会が発足しての50周年記念パーティに出席してきました。トム・プロジェクも多くの作品を呼んでいただいた鑑賞会です。東京と言う日々250から300ステージばかりの演劇、ショーが開催されてる地からの近場で50年継続してきたことに先ずは驚きました。横浜の人たちの文化に対する関心度の高さを感じます。そして、この鑑賞会の人たちの肩のチカラの抜け具合、明るさ、親しみやすさがとても好きです。

ハマっ子と言えば、隣人やよそ者を尊重し、開放的で寛容、そしてのんびりマイペースに先進的、という開港以来からのハマっ子気質が共通しているように思えます。そして乗りがいいですね。「百枚めの写真」を公演した時に、観に来ていただいた幹事の方に、横浜で上演する時には戦時中の会員さんの家族の写真をロビーに展示したらいかがですか?と提案したら即実行、公演当日懐かしい写真がロビーを埋め尽くしていました。自分の意見を持つが、人の意見も素直に聞き入れる乗りの良さを実感した次第です。

この日会員さんは勿論、創造団体の方々も出席し楽しい時間を過ごすことができました。

これから演劇を続けていくこと大変なことですが、こうした芝居が好きで創造団体を応援してくれる方々が居ることは心強いことです。AIの脅威が迫る中、演劇だけはAIに取って代われないアートだと思っています。がしかし、クオリティが問題でございます。多種多様な楽しみ方があるなかで演劇がいかに残れる存在感を示し得るか?創造団体としては日々アンテナ張って邁進するしかありませんね。

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横浜 桜木町より

2023/10/11
【第1810回】

昨日はセパ両リーグの最後の試合がありました。パリーグのロッテと楽天の試合、勝った方がクライマックスシリーズに出場出来るのでまさしく大一番。おいらは勿論ロッテを応援しました。だってライオンズの浅村をはじめ、優秀な選手を言葉巧みに楽天へ連れ出した石井監督には良いイメージがありません。そりゃプロの世界、お金も大切だし本人の野球生命を考えると仕方ない面がありますが、この人のやり方には狡猾な臭いが感じられてどうしても好きになれません。楽天は震災があった時に優勝に導いた星野監督の時代が一番輝いていた球団だと思います。一方、ロッテはライオンズ同様資金不足の球団ながら、今年就任した吉井監督の下で良く戦ったと思います。黒木ピッチングコーチ共々、選手の体調管理をしっかりとしながらの選手起用も感心します。選手を使い捨てのコマみたいに使う指導者の下、選手寿命を短くしながら去っていった選手が何人居たことか...どの指導者の下でプレーできるかはもう運命としか言えないのかな。

昨日の試合の勝因はロッテ小島のナイスピッチングに尽きると思います。一回裏楽天、いきなり満塁の好機が訪れたのに岡島のゲッツーでチャンスを潰したのが痛かったですね。そのあともゲッツーの山、これじゃ勝てませんがな。その点ロッテはツキがありましたね。先取点の岡のポテンヒットによる先取点、追加点が欲しいときに安田によるレフトポールに直撃するホームラン。野球の神様はちゃんと見てたんですね!

土曜日からは、ロッテは地元でソフトバンクを迎えてのクライマックスシリーズ第一ステージ。こちらもおいらはロッテを応援しますよ。そういえば2010年に当時のロッテはクライマックスファーストステージで2位埼玉西武に連勝、ファイナルステージでは福岡ソフトバンクを相手に1勝3敗から怒涛の3連勝を飾りクライマックスを突破。日本シリーズでもセ・リーグ覇者の中日に4勝2敗1分で勝ち越し"史上最大の下克上"を達成。これはホンマに凄かった...今年は、どうかな?わずかながら期待してまっせ!

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北海道で見つけた秋桜

2023/10/10
【第1809回】

10月7日・8日、北海道の苫小牧と伊達に行って来ました。来月上旬に公演する風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン~最後のロマンス~」に備えてのワークショップということで作・演出の水谷龍二さんと一緒に一人芝居に関わることをいろいろと話してきました。苫小牧は水谷さんの出身地ということで、同級生の方々もたくさん参加されていました。苫小牧と言えば王子製紙、嘗ては日本全国の新聞用紙を調達していた工場が今も稼働中。この企業城下町の中で育った水谷さんが如何にして物書きや稼業としての夢を育んできたのか興味深いところでもありました。そして、こうやって水谷作品を上演することに尽力してくれる仲間が居ることも水谷さんの人柄であると思います。その方々が用意してくれた昼食会場、第一洋食店のハンバーグ定食とっても美味しかったです。そりゃそうだ、104年の歴史がある雰囲気満点のレストランでした。

翌日は伊達市。おいらも初めて行く街でした。苫小牧から太平洋を左に見ながら鉄の街、室蘭を過ぎたところにあり、有珠山と噴火湾に囲まれて、豊かな恵みが至る所にありながら文化の香りがするところでした。なんと、トム・プロジェクトの作品を2004年からこれまで7本上演してるんですからなかなか見識が高いなるほど納得のいく街だと思いました。この日は集まった人たちに教材を使って台詞を喋っていただきました。緊張しながらも楽しく演じてくれました。質疑応答も楽しくあっという間の時間が過ぎていきました。こうやって地方の人達と接することによって一人でも多くの演劇人口が増えると嬉しいな...見知らぬ人たちの出会いはプロデューサーにとっても次なるヒントになる貴重な機会です。

今回の機会を設定してくれた北海道演劇財団の新堂猛さんにはただただ感謝です。

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総合公園だて歴史の杜正門

2023/10/06
【第1808回】

2023年第169回芥川賞受賞作、市川沙央さんの「ハンチバッグ」読了。43歳になる著者は筋疾患先天性ミオパチーによる症候性側弯症および人工呼吸器使用・電動車椅子当事者でもある。読みだした途端に、ミオパチー患者の主人公がハプニングバーのエロ記事を書いているところ始まるのだからおいらも度肝を抜かれる。舞台となっているグループホーム、医療器具などの描写が緻密であると同時に、主人公の肉体感覚の描き方が、彼女に繋がれている器具の一つ一つの感触や体温と機密に接続しており、文章の描写力に圧倒される。その中に、彼女が紙書籍を読むのに難儀しているために電子書籍を「あれは本ではない」と主張する人たちを揶揄する件は、なるほど説得力がある。

全編を貫くものは安易な共感を決して許さないという姿勢だ。綺麗ごとでもない倫理でもくくれない人間それ自体を丸ごと小説に表現していることに著者の強い意志を感じる。

このなんとも予測しがたい時代に、書き手も含めどんな作品が出てくるのか?これまでの常識と非常識の捉え方、価値観も真逆になるかもしれませんね...でも人の優しさ愛そして感謝の気持ちだけはいつの世も不変であることを信じたい。

「沼の中の淑女たち」昨日、長野県中川文化センターで旅公演初日を迎えることが出来ました。11月2日の千秋楽まで何事もなく無事の公演できることを祈るのみです!

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秋の薄暮

2023/10/04
【第1807回】

「沼の中の淑女たち」東京公演、昨日無事に千秋楽を迎えることが出来ました。連日大入り、お客さんの笑いも絶好調。何よりもキャスト、スタッフ何事もなく終えたことに感謝です。今回も、いつものように速達でハガキ一杯に見事に編集し感想を自筆で書いたO氏の郵便物が劇場に届きました。

 

田村孝裕はやはり今というものを切り取る天才だと今日も芝居を観ながら納得していました。辛口大人の童話とでも申しましょうか大富豪の跡取り娘とそこに同居するなんだかいわくありげな女性3人と話の進行役のようで実は鍵を握る若い女性の組み合わせにこの「沼」と「推し」の現代語が絡んで芝居好きの心にサクサク入ってくる話の展開となりました。この話の見えない登場人物が韓流のアイドルだというところが一層今の世相を匂わせて、こちらまでハングルのアイドルを垣間見たくなるから演者一同の熱演まさに今日の「推し」です。演劇鑑賞という「沼」にはまって50年。本日もまた素敵な芝居に巡り会えました。感謝。

 

いちはやくこんな感想を送って頂き、こちらこそ感謝です。

明日から全国各地での地方公演が始まります。東京公演の勢いそのままを地方のお客様に観て頂ければ本望です。このどんよりした空気感を吹き飛ばす芝居ですから、おおいに笑いもやもやした気分を晴らしてくださいね。

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秋の木の実 ハナミズキ

2023/10/02
【第1806回】

「沼の中の淑女たち」東京公演、残すところ今日と明日2ステージとなりました。芝居は順調に、いや快調に手応えを感じながら進んでいます。土曜日の夜のステージ終演後にトークショーがありました。この日は2回公演だったために役者さんも相当お疲れだったと思いますが、お客様のためにしっかりと裏話を面白おかしく話されていました。その中で羽田美智子さんが「この芝居は6人で走ってきたからね...」と話されたときはおいらも熱いものを感じました。体調不良で無念にも降板した岡本麗さんと共に舞台を相務めていたんですね...この思いがあっての日々の舞台、そりゃ面白い芝居になるはずですわ。

これを観客にストレートに伝えることが出来る羽田さんの人間性がよくわかる。俳優である前に、一人の人間として人の前に立つことの意味を示された発言だったと思います。

それにしても、今回の芝居の座組の良さを改めて感じました。芝居はナマモノだけに当然トチリがあることも想定内の出来事、その場に遭遇した時のお互いの一瞬のやり取りで座組が上手く行ってるのか不協和音なのかが良くわかります。おいらがこれまで観る限りにおいて、この座組は限りなくハナマルに近いベストなチームです。

神無月に入りました。この月に日本中の八百万(やおよろず)の神様が、出雲の国(島根県)に集まり会議を開き、他の国には神様がいなくなってしまうことから「神無月」と呼ばれてきました。こんな呼び方ができる日本の言葉、ロマンを感じます。

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赤坂にある公園

2023/09/28
【第1805回】

昨日、「沼の中の淑女たち」の初日を無事に迎えることが出来ました。今回の芝居の稽古中、出演者の岡本麗さんの体調不良により急遽降板せざるを得なくなりました。残すところ本番まで2週間と迫ったときにとっさの判断で感ピューターを起動させるのもプロデューサーの仕事です。演出家、プロダクションと連絡を取り合い、一日で代役、阿知波悟美さんに出演していただくことになりました。今回のことも、相手のスケジュール次第では代役決定に至るまでにそれなりの時間を要するのにドンピシャで決まったことは、この芝居是非やってちょうだいな!という芝居の神さんの采配だと思ってます。勿論、来ていただくお客様の熱い思いも後押ししてくれたんだと思っています。

昨日の初日、お見事でした。芝居の初っ端からラストまで観客席は笑いの渦、終演後においらを見つけて「ここ最近いろんな芝居を観てるんですが、こんなに笑えたのは久しぶりです...」なんて大満足な表情で劇場を後にして行きました。

日本ではなかなか成功しないシチュエーションコメディ、ドタバタではなくエスプリの効いた喜劇の書き手がなかなか生まれない土壌なんででしょうね。少しは遊び心を持った生活環境に変えねば難しい課題でもあると思います。

それにしても、この難局を乗り越え見事な初日を迎えたキャスト、スタッフの皆さんには本当に頭が下がる思いです。

地方公演を含め11月2日までの長丁場、この世の中ホンマに何が起こるかわかりません...油断禁物、もう一度気持ちを引き締め今日も劇場を笑いの沼にハマらせまっせ!

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初日

2023/09/25
【第1804回】

先週の週末、新橋演舞場で「ふるあめりかに袖はぬらさじ」を観てきました。有吉佐和子による戯曲は当時話題になり、1972年に文学座が戌井市郎の演出、杉村春子の主演で初演した舞台を観た記憶があります。筋書きとしては尊王攘夷派と開国派がしのぎを削る幕末を舞台に、神奈川・横浜の遊郭を舞台にした物語が展開します。

大竹しのぶさん、ここのところ杉村春子さんが演じた名作に挑戦してますね。杉村春子と言えば新劇を代表する大女優。決して美人とは言えないけれど演技力、人間としての存在は他を圧倒するものがありました。昔の新劇俳優には社会の中で、役者である前に一人の人間としての矜持を大切にしながら舞台に臨んでいたような気がします。考えてみれば、自分の意見を言えない人間が舞台にあがり人前で演じるなんてもってのほかですね。その点、西欧、アメリカの俳優は政治的な立場も鮮明にして俳優業を続けています。まだまだ日本ではそこまで浸透してないのが何だかもどかしい気がします。今回の芸能界を仕切ってる会社の問題も然り、日本の芸能界の歪さを象徴しています。

今回の芝居、勿論、風間杜夫さんが出演していたので観に行ったんですよ。大竹さんが主演の時は必ず共演しています。大竹さんが杜夫ちゃんと一緒に舞台に立つことによって安心できてる雰囲気がプンプン匂ってくる舞台でございました。

ここ数日、一気に秋めいてきました。空を見上げると一目でわかる雲の表情、あの猛暑の日々を過ごした日々を考えると、なんだか嬉しくなっちゃいました。

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秋の空

2023/09/22
【第1803回】

福井県越前市いまだて芸術館に行ってきました。10月9日に公演する「沼の中の淑女たち」に関連したプレセミナー・ワークショップをやってきたのでございます。先ずはおいらが「今、なぜ演劇が必要なのか」というテーマで1時間15分ほど喋ってきました。この会館では、過去トム・プロジェクトの作品を7本上演してきたので話の通りがスムーズに展開しました。演劇は映像と違って、舞台上のすべての演者の芝居が均等に観ることが出来るので、観客それぞれが自分の感性、好みでフォーカスできることの話の件ではとても興味深く聞いておられました。来場者の一人の女性が「演劇を見た後のいつまでも消えない幸せ感、温かい感覚が何とも言えません。」と芝居に対する率直な意見を嬉々として話しておられたのが印象的でした。

次に、俳優中嶋ベンさんと来場者による寸劇。地元でアマチュア演劇をやっている方の芝居はなかなかのものでした。

実はこの日、おいらがスペインを旅しているときにバレンシアで知り合った増田頼保、智雪夫妻と40年ぶりの再会を果たしました。ご夫妻二人、今立でアーチストとして活躍されていました。今立現代美術紙展の実行委員長をやったり、アートに彩られた風力発電機を創ったり、地元独自の文化を発信し続けていました。40年前バレンシアの彼らの家に泊まらせていただいたときは、おいら見果てぬ夢話を延々と話していたそうだ...その後、これまでにどこまで実現できたことやら?

人口の少ない日本の地方都市で、演劇を愛する人達との交流は、制作する我々にとって励みになると同時に、芝居創りの初心に立ち返る貴重な時間でもありました。

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眼鏡の町

2023/09/19
【第1802回】

猛暑のなかでの3連休も終わり9月も後半戦に入りました...なのに今日も相変わらずのアッチッチ、週間天気予報によれば、「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句にあるように、辛いこともいずれ時期が来れば去っていくってことなんでもう少しの我慢でございます。

それにしても、この暑さの中でもたくさん人達が行楽地に足を運んだみたいですね。花火大会、避暑地、近場の遊園地、キャンプ場どこも賑わっておりました、それにしても道路の渋滞はなんとかならないものかと思います。おいらなんかは、あの渋滞見てるだけで逆にストレスを感じるので駄目ですね。やはり日本人は辛抱強い国民性に支えられているんですね。

9月27日に初日を迎える「沼の中の淑女たち」、出演者の一人である岡本麗さんが体調不良のため降板しました。彼女とは半世紀以上の付き合いなのだが、断腸の思いではなかったのでは...福岡飯塚で育った土地柄で、気っぷが良く裏表がない誰からも愛される可愛く色気のある女優さんです。トムの作品にも何度も出演してもらい、魅力を存分に発揮してもらいました。今はただ一日も早い回復を祈ってます。

その代役として、阿知波悟美さんに急遽出演していただくことになりました。帝劇での「レ・ミゼラブル」に長く出演し、2010年にミュージカル「キャンディード」で読売演劇賞優秀女優賞を受賞したバリバリの実力派の女優さんです。運よくタイミングが合ってのことで、ここも演劇の神様が手を差し伸べてくれたんだと感謝の気持ちで一杯です。

とにかく芝居の世界は何があるかわからない世界です...楽しみにしているお客様のためにも役者、スタッフ、稽古場で今日も汗を流しています。

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猛暑の9月と千日紅

2023/09/15
【第1801回】

昨日、トラッシュマスターズ第38回公演「チョークで描く夢」を観劇。

舞台は黒板に書くチョークを製造する小さな工場。1960年から知的障害者を雇用し始め現在でも川崎、美唄工場で多くの知的障害者が仕事に従事している稀有な会社。前半は戦後間もない昭和、後半は令和のリアルタイムなドラマが展開する。現代社会の矛盾を鋭く突きつけてきた作・演出家、中津留戯曲の真骨頂を観させていただいた一日であった。

2011年3月に起きた東日本大震災の年に、震災をテーマにした「背水の孤島」を上演し演劇界を震撼させた男が、更なる良質な芝居を創り上げた。今年2月に公演した「入管収容所」もタイムリーな作品だっただけに、今年の演劇界は中津留章仁の年と言ってもいいくらいの快進撃だ。

演劇は様々なジャンルで、多種多様な表現、演出で多くの作品を生み出している。世界的にも予測不能な昨今、日常を忘れさせてくれる楽しい演劇を上演している劇場に足を運ぶ人達が多数を占めるのは勿論理解できる。演劇も娯楽のひとつではあるのだが、演劇がより良き社会にするための役割を担っているのも紛れもない事実である。100人ほどの小劇場で採算を度外視してでも心身を駆使して諸悪の根源に向き合おうとする姿にはほとほと感心してしまう。なかには自己満足な舞台も少なくないのも確かなのだが...

いいい芝居を観た後の酒ほど心地よいものはございません。昨日もウキウキほろ酔い加減で無事帰宅することができました。

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よか芝居ですたい!

2023/09/13
【第1800回】

又々暑さがぶり返してはいますが、朝晩にはなんとなく秋の気配が感じられます。

それにしてもモロッコの地震、リビアの洪水、まさしく地球の崩壊を予感させる災害が世界各地で起きています。その最中、ロシアと北朝鮮の独裁者がなにやら不穏な会談をしております。災害に戦争、まともなニンゲンなら冷静に立ち止まって地球が存続する戦略を思考するところなんですが、いつの世も独裁者には通じないことが悲しいですね。

一方、日本ではジャニーズ問題。外国から報道されやっと動き出すこの国の闇を感じますね。そして忖度するだけしておいて、ちゃっかり金儲けに走ったマスメディアも罪深い。ようやく企業も腰を上げCM出演を考え直すとのこと。演劇の世界でもジャニーズ所属のタレント、俳優を出演させれば客席が埋まるということが分かっているので起用することが常識。おいらも幾度となくそれらの公演に出かけた経験があるのだが、演劇を鑑賞するということよりもお目当ての出演者を観たいという欲望が優先しての観劇。しかも公演中に何度も劇場に足を運ぶリピーター客がほとんどでございます。確かに、演劇を観る機会が増え芝居人口の底上げにつながる可能性もあることは否めませんが、何か違うような気もします。

長い目で見ても、結局は質の高い作品を創り上演することをしないと演劇の未来はないと思っています。

質の悪い文化を生み出す国からは、質の悪い政治家、役人、企業しか生み出せないのは自明の理でございます。

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新宿西口甲州街道

2023/09/11
【第1799回】

昨日、神楽坂にあるライブハウスTHEGLEEで山崎薫コンサート「海へ。」に行って来ました。女優でもある薫さんの歌声は素敵でした。童謡でもある「われは海の子」をこれほど力強く拡がりを感じさてくれたことは新鮮でした。童謡と言えば、何となく可愛らしく叙情的に歌いがちなのだが、薫さんの歌は従来の海の概念を覆すほどのスケールでした。こんな表現が出来るのも役者として培ったものが役に立っているのでは...第二部で歌った「時には母のない子のように」、おいらも浅川マキほか数々の歌手で聴いてきたのだが、今回は山崎薫風の歌になっていました。今回のピアニスト田口真理子さんのチカラも大きいと思います。歌い手の良さを上手く活かしながらのタッチがとても心地よかった。時にはジャズ風に、時にはブルースの味付け、そして基本のクラシックと千変万化の演奏は実に聴き応えがありました。どんなジャンルにしても、表現者として自分の色を持てれば観客には確実になにものかを伝えることが出来ると思います。でも、その色を獲得することが実は非常に難しいんです。

バスケットに続き、U―18ベースボールワールドカップでの優勝、そして昨日のワールドラグビーカップの勝利、スポーツ界の躍進が続いています。演劇界も負けておられんですばい!何といっても芸術の秋ですからね。

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秋祭り

2023/09/08
【第1798回】

社長業を退任して少しは時間の余裕が出てきたので、念願の勉強に時間を費やしています。ふらっと街中に出て、その日の自然を含めて街の空気を感じながらお気に入りのジャズ喫茶に向かいます。最近では神保町にある「オリンパス」、中野の「ロンパーチッチ」、西荻窪の「ユハ」、ジャズと美味しいコーヒを飲みながら、まだ芝居のプロデューサーは続行中なのであれやこれやと次の芝居の企画に思いを巡らせています。そしてどの店もレコードに針を落としているので、まだ見ぬレコードのジャケットに目を凝らしスマホで検索し各プレーヤーの名前を確認するのも楽しみの一つです。舞台でも映画でも然り、主役がすべてではありません。名バイプレーヤーが居てこその作品です。昨日も「オリンパス」で「レッドガーランド ピアノ」が流れていたのですが、ベースのポールチェンバース、ドラムのアートテイラーが絶品でした。喫茶店のあとは明治大学の図書館へ直行。卒業生であれば駿河台、中野、和泉、生田の図書館がすべて利用できるんですから便利です。若い現役の学生さんたちに混じりながらの読書はホンマにはかどります。今日は武井照子さんの「あの日を刻むマイク」を読了。戦中戦後アナウンサーとして仕事にかかわってきた中で、やはり人の出会いがあってこそやれた仕事。その中でそれなりの業績を残した人に共通することは、精神の明晰さに尽きるとのこと。精神の明晰さ!素敵な表現ですね。

又々、台風の襲来。世の中少子化が進んでいるってのに、台風一家は子だくさんみたいですな。

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神保町の黄昏

2023/09/06
【第1797回】

砂原浩太郎「『高瀬庄左衛門御留書』読了。時代小説はいいですね...山本周五郎、藤沢周平などの作品を貪るように読んだ青春時代に比べると、ここ最近の作品で気に入っていた葉室麟さんも5年前に66歳で亡くなり寂しい気がしていました。2011年に出版した『蜩ノ記』なんかは絶品でした。武士の矜持という言葉が現代人にビシビシと伝わってきました。前藩主の側室の密通の罪を問われ十年後の切腹を言い渡された男。しかし、彼の生き様はあくまで強く美しく清廉であり、武士の生き様と家族と恋愛も含め涙がちょちょぎれた記憶があります。

おいらにとっても葉室麟さんに次ぐ時代小説の作家が出現した思いで砂原さんの小説を読み終えました。五十を前にして妻と息子を失い、息子の嫁・志穂とともに手慰みに絵を描きながら寂寥と悔恨の中に生きていた高瀬庄左衛門。そんな彼に藩の政争の嵐が静かに襲いかかろうとしている...いや、優れた時代小説に共通することは、文体の格調と美しさ。そして家屋、生活用具、登場人物の佇まい、景色、そのすべてが丁寧に緻密に記されていること。そんな文章を読んでいるうちの己の身体に一陣の清らかな風が通り過ぎる感じがし、背筋がしゃきっとしてくる感覚がたまりません。

価値観の多様化は時代の流れとして仕方ないにしても、あまりにもすべてが乱れまくっている現世、人が人として生きる上で大切な、己を抑制しながらつつましく生きることを教えてくれる時代小説は現代社会に欠かせないものだと思います。

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今日の空

2023/09/04
【第1796回】

昨日から「沼の中の淑女たち」の稽古が始まりました。女優5人による丁々発止の芝居です。

ベテランの岡本麗、円熟の柴田理恵、映像でおなじみの羽田美智子、リズム感溢れる長尾純子、トム・プロジェクのホープ森川由樹。この出演者を並べただけでもワクワクいたします。個性あふれる女優たちによるバトルがいよいよ始まったという稽古初日でございました。

プロデューサー稼業の面白いところは、キャスティングが上手くはまった時ですね。持ち味が似た者同士じゃ面白みに欠けるし、かといってあまりにも芝居の質がかけ離れていてもバランスが悪いし、そこのところの味付けがなかなか微妙なんでござんすよ。

今回は、おいらの勘といたしましては、かなり成功率が高いと思います。あとは作・演出家の腕の見せ所と言ったところかな?

お客様も、今回の芝居は期待してるんでしょうね。東京公演は完売の日もありますし、ほかの日も近々完売しそうです。観劇予定の方はお急ぎくださいませ。今回は地方公演もあり、芝居を楽しみにしている方々にも楽しんでいただける作品になると思っています。

先週の週末から日本バスケットの話題で持ち切り。野球、バスケット、そして今月にはワールドラクビー。何となくパッとしない世の中ですから、スポーツ界から勇気と希望をもらってる感じがしますね。本来ならば、この国を司る方々からの発信力と行動力で国民を鼓舞させなきゃならんのに...望み薄ですから、アスリートの溌溂としたプレーを観ながら前に進むしかありませんな。勿論、こちらもいい芝居創ってお役に立ちたいと思ってます。

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稽古場がある錦糸町

2023/09/01
【第1795回】

今日から長月というのにこの暑さ。そして今日は100年前に関東大震災が起きた日でもあります。「天災は忘れた頃にやって来る」東日本大震災然り、いや、この時代忘れた頃ではなく明日にでも来たっておかしくない世の中になってしまいました。防災のための備蓄を怠ることなく、常日頃の心がけに今一つチェックいたしましょう。

昨日は杉並区の敬老会に顔を出してきました。敬老会?おいらにとっては縁のない催しだとは思っていましたが、いよいよ向こうから勝手に押し寄せてきました。どんなもんだかと杉並公会堂に行ってみました。75歳以上のおっちゃんおばちゃんがぞろぞろと会場に向かっていました。なかには自分は老人の仲間入りはしたくない!なんて意地を張り出席しない人達も居るんでしょう...確かに生きていく上で大切なことは若さを失わないことだと思います。年老いた人達の過去の自慢話を聞くよりも、フレッシュな集まりのなか未来に向けた発信をしている場に居たほうがどれほど有益なことか、自明の理でございます。

ところで敬老会どうだった?いや、区の関係の人達の挨拶はさておいて、日本フィルハーモニー交響楽団・弦楽アンサンブルの演奏が素晴らしかった。ヴィヴァルディ「四季」より秋、ボロディン「ノクターン」などなど、映画音楽・「虹の彼方に」「慕情」も懐かしかったな。

お年寄りの青春時代を想い出させてくれるような選曲でした。そして極めつけは「津軽海峡・冬景色」弦の音色を巧みに使い分け、まるで津軽海峡が目の前に現れてきました。

以前にも杉並公会堂でジャズを聴きに行ったことがあるのですが、このホールの音響システムは抜群、身体に心地よく染み込んでいきます。

トリはソプラノ歌手・七澤結さんによる歌のステージ。歌曲「わが夢の街」「旅愁」日本の代表的な童謡「ふるさと」。何故か「ふるさと」を聴いてる途中に涙が出てきました...おいらは確実に年とってるんだなと実感した次第です...いや、この涙はもっと違う意味での涙ではないか...なんとも不思議な気持にさせられた一日でございました。

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スーパームーン

2023/08/30
【第1794回】

明後日から9月というのに何という暑さだろう...この先の予報も来月末までは覚悟しておいた方がよさそうだ。こんな時には詩集なんかに目を通すと一服の清涼剤になる。

今日は長田弘全詩集から「言葉」を紹介します。

 

悲しみを信じたことがない。

どんなときにも感情は嘘をつく。

正しさをかかげることはきらいだ。

色と匂いを信じる。いつでも

空の色が心の色だと思っている。

黒々と枝をひろげる欅の木、

夕暮れの川面の光。

真夜中過ぎの月が、好きだ。

単純なものはたくさんの意味を持つ。

いくら短い一日だって、一分ずつ

もし大切に生きれば、永遠より長いだろう。

どこにあるかわからなくても、

あるとちゃんとわかっている魂みたいに、

必要な真実は、けっして

証明できないような真実だ。

人とちがえるのは、ただ一つ

何をうつくしいかと感じるか、だ。

こんにちは、と言う。ありがとう、と言う。

結局、人生で言えることはそれだけだ。

 

一人の言葉は何でできているか?

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猛暑に涼やかさを届けてくれるムクゲ

2023/08/28
【第1793回】

今週もスタートしました。気持ちばかり秋の気配がしておりますが油断はなりません。ベランダにいつもは元気に咲いている花も今年ばかりはぐったり枯れちゃいました...お花ちゃんたちにも日焼け止めクリームが必要な時代になったのかな。水をあげるとなんとも嬉しい悲鳴をあげてる感じがします。いつも美しい花をみせてもらってありがとう!又、元気になって頂戴ね。

それにしても、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に対する中国の反応が凄いですね。

中国政府は日本からの水産物輸入を全面的に停止。日本人学校に石や卵が投げ込まれ、日本では中国の国番号86で始まる迷惑電話が相次いでいる。何の関係もない埼玉のラーメン屋にも30件ばかりの迷惑電話が掛かって困っていました。不動産を含め、中国国内の景気の減速の不満を政府に抗議するとエライ目にあっちゃうので、その捌け口として日本の向けられてるのかな?困ったもんでございますが、海洋放出したからには、先ずは漁業で生計を立てている福島の漁民に救いの手を差し伸べるのが国の仕事です。なんだか言行不一致内閣の為すことに比例して支持率も下がってますから、ここは初心に戻ってと言いたいところだが、政治屋さんのオムツかなりマヒしてますから期待薄かもしれませんな。

子供たちの夏休みも今週で終わりになりましたね。夏休み、両親と行楽地に向かう子供たちのキラキラした表情を見るにつけ、キラキラ顔が持続継続できる未来を切に願います。

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想い出の夏休みだったかな?

2023/08/25
【第1792回】

何だか今年の夏の甲子園は盛り上がってますな。長髪高校同士の準決勝、そして決勝は107年ぶりの優勝を賭けた慶応と、夏2連覇を目指す仙台育英の一戦。大谷フィーバーに匹敵するほどの、それこそ暑い熱い戦いになりました。おぼっちゃん慶応のエンジョイベースボールはいいですね!坊主頭に根性丸出しの野球は次第に無くなっていくんでしょうかね...それはそれで寂しい気もしますがね。風になびく髪も美しいが、野球道にひたすら突き進む修行僧的な坊主頭も捨てがたい。決勝の甲子園球場はほぼ慶応の応援一色、仙台育英はアウェー状態で可哀そうでした。でも、いい顔して戦ってました。負けましたがこのチームの監督も素晴らしい方でした。試合後のインタビューで「人生は敗者復活」と話されていました。この哲学があってこそのいいチームですね。今回の二人の監督の下で三年間野球に打ち込めた生徒は本当に幸せ者だとも思います。

おいらも中学時代の野球部で、こんな先生に出会っていたら西鉄ライオンズの選手で活躍してたかもしれませんな?と夢みたいなことついつい夢想しちゃいました。

一方、パリーグの我がライオンズの酷さは力抜けちゃいます。オリックス相手に地元で3連敗、3試合での得点がホームランでのたったの1点。このくそ暑いなか蒸し風呂みたいな球場に貴重な時間とお金を出して観戦したファンが気の毒でなりません。こんなクソ試合するんだったら入場無料にしろよといいたい。試合は負けることはあるのは当然ながら負け方があまりにも情けない。松井監督、名選手であったことは認めるが監督には向いておりません。試合後のインタビュー明らかに語彙の貧困さが際立っています。指導者は豊かなイメージと説得力のある言葉が命です。今回の夏の高校野球決勝戦で戦った両監督のところで修行した方がいいんじゃないかしら...ほんまに情けなか!

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猛暑のなかの夕暮れ

2023/08/23
【第1791回】

今日も世界的な天候不順のなか各地で戦争が行われている。にもかかわらず今年の3月、千葉の幕張メッセで4年ぶりに武器見本市が開催された。平和憲法がある日本に、武器取引をする死の商人が集まっている光景を見るだけでなんとも不自然である。戦争があればもうかる死の商人たちのにこやかな歓談姿を見るのはなんとも気色が悪い。そしてなんと政府が後援した国際的な武器見本市と銘打ってるんだから開いた口が塞がりません。

戦争や犯罪は、人間にとっての最大の尊厳である「死」をないがしろにする。死の意味と共に、すべての豊かな「個」も死に絶える。ということは人間性のすべてが否定されるということになる。

そしてもうひとつ気になることが、SNSの存在である。自由になんでも発言できることをいいことに、暴力的なゴツゴツした言葉のつぶてが日常茶飯事に飛び交い無作為に見知らぬ誰かを傷つける。今や言葉が安っぽく使われ身体に届いてこない。言葉を吐くときには己のすべてを賭けてぶつけて欲しい。要するに言葉は言霊であるということを自覚して欲しい。まあ、世の中を治めている人達の言葉があまりにも軽いのでこんな時代になっちゃったのかなとも思います。

そして今日、樹木の中からひょっこりと顔を出してる葉っぱちゃんを見つけるとなんだか元気が出てきました。日々、猛暑のなかでも毅然たる姿で立ってる樹々はいろんなことを気付かせ学ばせてくれます。ありがとさん!

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生きてます!

2023/08/21
【第1790回】

先週の週末、練馬区下井草に拠点を構える、東京芸術座アトリエ公演「アンブレイカブル~敗れざる者たち~」を観劇。戦前から演劇活動をしていた村山知義さんが創立した歴史ある劇団です。今回の芝居は戦前の日本で治安維持法違反に問われ、特高警察による過酷な取り調べや劣悪な環境の中で命を落とした者たちの話です。今この国の現状を「新しい戦前」という発言があったように不穏な動きがあちらこちらで見受けられる中でのタイムリーな公演だと思いました。

この傾向の芝居の役作りは非常に厄介です。熱くならず、かといってあまりにも冷めた表現でも観客に伝わらず、そのあたりのさじ加減が難しいと思います。今回登場する役者さん、そのあたりをじっくりと本を読みこみ稽古で積み上げていったのではなかろうか。勿論、その表現を冷静に見続け演出した演出家の手腕があっての舞台です。

おいらも長いこと芝居に関わってきましたが、この劇団のように真摯に演劇に向き合っている集団に出逢うと嬉しくなってしまいます。驕ることなく常に市井の人達に寄り添って芝居を創る!この姿勢がある限り演劇が衰退することはありません。

それにしてもこの暑さ異常ですね...外出を控え、物価の値上げで消費を控えるなか、今日も長年地元の人たちに愛された居酒屋が閉店を余儀なくされた新聞記事を眼にしました。

一寸先は闇...危機感を感じながら楽しく生きるなんて矛盾してるようには思いますが、これが世界の現状でございます。

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新宿南口

2023/08/18
【第1789回】

パルコ・プロデュース「桜の園」観劇。ロシアの作家チェーホフが120年前、死の5ヶ月前に書いた最後の作品である。急変してゆく現実を理解せず華やかな昔の夢におぼれたため、先祖代々の土地を手放さざるを得なくなった、はかなく消えゆく貴族階級の哀愁を描いた演劇における不朽の名作である。おいらも若い頃、俳優座、文学座での名優の芝居で新劇の素晴らしさを実感した記憶があります。東山千栄子、細川ちか子、宇野重吉、米倉斉加年なんて役者さんが懐かしく想い出してくる次第です。

さて今回の芝居、冒頭からなんじゃろかいな?という舞台装置で観客の度肝を奪う設定。だってコンクリートの石棺が吊り上げられ、ビニールで覆われたものを取り払うと登場人物や家具が現われる。成程、封印された過去を解き放し現代に蘇えさせるための幕開けだったのか...演出は英国のショーン・ホームズ。気鋭の演出家と言われればこれまでやったことのない発想と演出で舞台を創りたいという気持ちは十分に理解できます。

確かに今まで観た作品とは随分違った感じがします。でも、役者の表現も含めてあまりにもポップになりすぎているのではないかと思います。これでは登場人物のおかしみ、悲しみの深さが薄められてしまいます。なんだかあの嘗てのロシアの大地とかけ離れた芝居に感じられました。その中で、地味ながらきらりと光る演技と存在感を示したのが村井國夫さんでした。あの立ち振る舞い、哀愁を感じさせる台詞術、とても印象に残る演技でした。

今日も猛暑、ここまで来たら覚悟して暑さを楽しむしかありませんな皆の衆。

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猛暑もなんのその!アンネのバラ

2023/08/16
【第1788回】

終戦から78年となった昨日8月15日、政府や東京都が主催する戦没者追悼式が相次いで行われました。遺族らは戦没者を悼み、戦争の惨禍が繰り返されないよう、平和を祈りました。おいらがいつも思うことですが、確かに国のために戦地で無念の死を迎えざるをえなかった人達に鎮魂の気持を持つことは当然です。がしかし、この国が他国に対して行った数々の加害的事実に対しても同じような気持で向き合わなければいけないと思います。アジアに侵略し他国の土地を奪い数々の残虐な行為を行った歴史。例えば、太平洋戦争中に、旧花岡町、いまの大館市に強制連行された中国人が、終戦直前の昭和20年6月30日に過酷な労働や飢えに耐えかねて一斉蜂起し、鎮圧やその前後の過酷な労働による死者もあわせると400人以上が死亡した花岡事件。これに類する出来事が多々あるにもかかわらず、あまり表ざたにしないこの国も、いまウクライナに侵略したロシアとなんら変わらない歴史があったことを忘れないで欲しい。

被害者意識ばかりを主張し、加害者としての贖罪意識なくしての平和運動は片手落ちではなかろうか...まあ、いつの頃からか教科書にも日本が起こした戦争に対してうやむやにしたことにも問題があると思います。

海軍第14期飛行予備学生で特攻隊要員だった100歳になる裏千家15代の家元千玄室さんは「平和」という言葉が嫌いだという。「平和」という言葉の前には、みんなで殺し合う国と国の衝突があるから。平和という言葉を使わない世界にしなくてはならないと...そして、帰還を許されない若き特攻隊員にお茶を点て、皆が「お母さん!」って故郷に向かって飛び立ったそうだ。「天皇陛下万歳!」って言葉はなかったとのこと。

8月だけではなく、常日頃こうしたことを忘れない国でありたいですね!

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8月15日の空

2023/08/10
【第1787回】

この猛暑の中、第105回全国高校野球選手権記念大会が連日行われています。TV越しで観てるだけでも熱い戦いに暑さ倍増。高校野球の面白いところは終盤、特に9回の攻防で戦局が一変するところです。あと一球で試合終了という場面で奇跡の逆転なんて試合が何度もありました。あの甲子園球場には105年という長い年月の間に、きっと野球の魔物が潜んでいるに違いない。今日の第二試合、明豊(大分)と北海(北海道)の一戦、9回裏の土壇場で北海高校が同点に追いつき、更に延長戦で再び逆転し勝利しました。まさしく筋書きのない奇跡のドラマが用意されてるんですから野球の醍醐味十分といったところです。

こんなの見せられると芝居はとても太刀打ちできません!と白旗上げてちゃダメなんで、一工夫どころか発想の転換をしなきゃと言いたいところですが...芝居は芝居なりの良さがあると信じて創り上げるしかありませんね。

明日からお盆休みです。ご先祖様をご自宅にお迎えしてご供養する夏のいつもの風習ですが、今年は台風と重なりご先祖様、風雨にさらされ難儀されているんでは?と心配しております。

おいらがこうやって無事に生かされているのも多くの先人のお陰だと思っております。ついつい忘れがちな感謝の気持ちを、今あらためて感じる次第でございます。

「夢吐き通信」も15日までお休みです。皆さま良いお盆休みでありますように!

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夏雲

2023/08/09
【第1786回】

長年の友人でもあり、仕事も一緒にしたこともある日本舞踊春日流家元の春日鶴壽さんのお招きで「夏の涼み 芸者と屋形船」に行ってまいりました。深川の渡船場から屋形船が出発し、お台場で停船し自慢の江戸前料理、刺身と天ぷらを酒と共に食する暑気払いにぴったりのコース。この日は、鶴壽さんのお弟子さんである3人の芸者さんが日本伝統の芸をたっぷりとご披露してくれ大満足でございました。季節の踊り、お座敷遊び、江戸芸勢ぞろい、暮れ行く空と、レインボーブリッジ、湾に立ち並ぶ光景を眺めながらの大宴会申し分ありませんでした。世知辛いというか、すべてが西洋文化に押し流されている昨今、日本の伝統文化、しかも下町庶民にこよなく愛された芸の数々、改めて守らないかんと思い知らされた次第です。俺たちやっぱり日本人、踊りに歌、そして三味線、太鼓にしても、身体にしっくりきて気持んよかですばい!風情と情緒に酔いしれた2時間半でございました。

長崎は今日、78回目の原爆の日を迎えました。台風の影響で市内の屋内施設での平和祈念式典が営まれ、犠牲者に祈りをささげる様子をTVで拝見しました。鈴木史朗市長の平和宣言はハートがあり好感を持てました。改めて、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の核軍縮文書「広島ビジョン」が肯定した核抑止論に反発。「私たちの安全を本当に守るには、地球上から核兵器をなくすしかない」と強く訴えました。本気度が感じられないお偉いさんが出席しない分だけ簡素で意義ある式典だと思いました。

長崎で被爆した作家、林京子さんは「原爆による死は、人間の死じゃない...人間があのように扱われて死んでいいはずがない」と。この言葉、改めて肝に銘じたい。

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奴さんだよ

2023/08/07
【第1785回】

昨日は広島に原爆が投下されてから78年です。いつものように午前8時から行われた平和記念式典。市長、総理、国連関係の人たちのそれぞれの挨拶がありました。その中でも地元の小学生2人が「平和への誓い」として、「被爆者の思いを自分事として受け止め、自分のことばで伝えていきます。誰もが平和だと思える未来を、広島に生きる私たちがつくっていきます」と述べました。その通り、原稿用紙に目を通すこともなく、自分の言葉としてはっきりと訴えかける姿が印象的でした。総理なんぞは国会の答弁そのまま、官僚が書いた原稿をそのまま何の感情を交えることなく淡々と人間スピーカーを演じておりました。

おいらいつも思うのだが、唯一世界での原爆被爆国として世界に発せられる言葉としてはあまりにも安易ではなかろうか...発言者は、時間があるのだから、何度も何度も有効性のある言葉を自分の身体に叩き込み咀嚼しながらこの日に臨むべきなのではないだろうか。

いつもの決まり決まったセレモニーを毎年毎年見せられても本気かいな?と言う気がしてなりません。

それにしても、この国が未だ核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバーとしても参加してないことにも納得できない。それどころか核を所有しているからこそ戦争を止められるという核抑止論を助長する動きに同調する人達が増えてきている現状にも不安を感じます。

明後日は長崎での式典、台風の影響で会場も屋内に変更し、来賓者、式典出場者及び被爆者・遺族の代表者のほか、事前申込みをいただいた方や自治体など全ての参列を中止とのこと。大々的に実施するのではなく、心ある人たちによる平和の式典が実施されるいい機会になればいいのになと思います。

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テッポウユリ
~純潔~

2023/08/04
【第1784回】

連日の猛暑のなか夏休みも本番となりましたが、沖縄で想い出の夏休みを夢見た子どもたちにとっては可哀想な沖縄の旅になりました。飛行機が飛ばず、無駄な連泊を強いられ手持ちぶさたな表情がなんとも痛々しい。この台風、又もや沖縄に出戻り、更なる被害をもたらすってんだから始末が悪い。ほんまにこの世は変幻自在、人間は右往左往、確実に地球は大変換期を迎えております。

夏休みのスターはやはり花火でしょう。コロナの影響でやれなかった各地で4年振りに開催されています。東京の隅田川花火大会も100万人の人出でございました。仙台市の人口とほぼ同じ人数の人達があの狭い地域に集まったんですから、これも狂気の沙汰状態。花火処か汗だくの人をお互いに鑑賞し合ったなんて話も伝わってきています。

おいらの花火の想い出と言えば博多大濠公園での花火大会。早い時間から花火を見るための場所取りではなく、ラムネを売る場所を確保するための場所取りでございました。小さいときからよく働くキヨシ少年でした。大空に打ち上げられた美しい花火なんぞを見ている暇なんぞはありません。飛ぶように売れるラムネの球を抜く音と、打ちあがる花火の音の競演を楽しんでいた懐かしい昭和30年前後のあの日でございました。

「裸の大将」で有名な放浪の画家、山下清もちぎり絵で美しい花火の絵を創作しました。そしてこんな言葉を残しました。「みんなが爆弾なんかつくらないできれいな花火ばかり作っていたら、きっと戦争なんておきなかったんだな」

けだし名言でございます。

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「た~まや~」「か~ぎや~」

2023/08/02
【第1783回】

猛暑のなか葉月となりました。昨日の突然の豪雨にはびっくり!本当にこの現世なにが起こってもおかしくない、危険極まりない時代でございます。

そんな折、急激に勢力を拡大してきた政党の「立民がいても日本は何も良くならない」、共産に関して「日本からなくなったらいい政党」と公言し居直っている。まあ、当たり障りない発言でごまかしている輩が多い中、ここまで本音をズバリ発言していること自体驚きなんだが、この政党が政権を掌握した時の方が怖い気がする。何事も排除はよくありませんね。民主主義とは少数者の意見も聴きながら事を進めるのが基本でございます。

それにしても連日、防衛費、少子化対策への増税、どこから引き出すかなんて議論をしてますが、おいらに言わせれば議論している貴方たちの議員数を減らすことが先でしょう!と言いたい。当選回数に合わせて大臣を任命しても、官僚が書いた書類を棒読みする姿を見るたびにうんざりでございます。そんな人たちに多くの税金が払われると思うだけでも腹が立ちますバイ。庶民は度重なる物価の値上がりに悲鳴を上げています。この低迷する日本国を立て直す政治家出てこい!と言ってもすべてが程よく小さくなったこの国からは、なんとも無理な気がします。

暑い!暑い!といいながらもあっという間に夏も過ぎてしまいます。悔いのない楽しい夏にしたいもんでございます。

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8月の雲

2023/07/31
【第1782回】

先週の週末、新宿歌舞伎町に新たにオープンした新宿シアターミラノ座で、唐十郎作「少女都市からの呼び声」を観てきました。この場所は嘗ての映画館「ミラノ座」があり巨大なスクリーンと大音響のスピーカーで数多くの名画を堪能した場所でした。前の広場を挟んで「コマ劇場」もありました。この劇場で美空ひばりも観ましたな...まさしく昭和の匂いがプンプンしてくる場所でもありました。この広場では、いろんな大道芸人が現れ道行く人たちを楽しませてくれました。そのなかでも印象的だったのは、殴られ屋で商売してるオッサンでした。「どうぞ私を思いっきり殴ってストレス発散しませんか!一分間、千円で殴り放題!」多くの人達が集まり皆興味津々、おいらが覗いた時は、いかにも悪そうで屈強な男が本気でオッサンに襲いかかりぼこぼこにされてました。腫れた顔でも丁寧に「ありがとうございました」とお礼を言ってましたな。新宿は、いつの世もカオスの街、得体のしれない人種がどこからか集まりどこかへ散っていくあぶくのような街...

所で芝居の方はといいますと、この新しくできた劇場、なんだか慌てて作った感じ。ロビーは狭いし客席も少々チープな感じがいたします。何といっても入場料¥12000しますからね。それなりの座り心地は欲しいもんでございます。

少女 雪子を演じた咲妃みゆさんの透明感が素敵でした。動き、声 、表情、全てがはまってました。そして芝居を締めていたのが風間杜夫ちゃんでございました。最後は歌まで唄って貫禄十分。そして主演を演じた関ジャニ∞安田章大さんを観るために駆けつけた多くの若い女性ファンが、これをきっかけに芝居を観に来てくれたらなと思った次第です。

この日は、4年振りに開催された隅田川花火大会とも重なり、新宿の街も外国観光客も含め大賑わいでございました。

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7月31日の空

2023/07/28
【第1781回】

「海をあげる」タイトルに惹かれ読了。沖縄に住む琉球大学教育学研究科教授の上間陽子さんが書き上げたノンフィクションです。沖縄に暮らす人たちの痛切な叫び声を無視し続け、観光地としての素晴らしさだけに注目する本土の人達に対する怒りを現地に住む人たちの声を通して描き綴っている。国の最高機関が最良の決定という大義名分の元、辺野古に土砂を投入した日本に対しても絶望的な言葉で抗議している。こうなると一連の流れは沖縄に対しての搾取であり差別だと断言する。「差別をやめる責任は、差別される側ではなく差別する側の方にある。」にも関わらず、彼らの問題として全てを押し付ける。

そして彼女はこの言葉で締めくくる。

 

そして私は目を閉じる。それから、土砂が投入される前の、生き生きと生き物が宿るこっくりとした、あの海のことを考える。
ここは海だ。青い海だ。珊瑚礁のなかで、色とりどりの魚やカメが行き交う交差点、ひょっとしたらまだ人魚も潜んでいる。
私は静かな部屋でこれを読んでいるあなたにあげる。私は電車でこれを読んでいるあなたにあげる。私は川のほとりでこれを読んでいるあなたにあげる。
この海をひとりで抱えることはもうできない。だからあなたに、海をあげる。

 

これは沖縄に住む人たちの絶望を、見て見ぬふりしているすべての日本人に託したメッセージである。

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ちびっ子盆踊り

2023/07/26
【第1780回】

アメリカの俳優労組がストライキを開始した。米ハリウッドでは、過去43年で最大規模のストとなるそうだ。労組は、動画配信大手や制作会社などに対し、利益の公正な分配と労働条件の改善などを求めている。これは将来、役者の仕事もAIにとって代わられるんじゃないかという危機感から発したものだ。事実、AIで作られた映像を見てびっくりしました!どんな人物の顔、声すべて出来てしまうんだから俳優の仕事は無くなってしまう時代が、もうすぐ近くまで来てるのだからストも当然のことかもしれない。

こうなると最後に生き残るのは演劇かもしれない。舞台での生モノの役者だけは代替えは効きませんな。様々な人生を背負った老若男女の役者を、今まさに目の前で観ることができるからこその演劇である。古代から世界各国で上演されてきた演劇の底力がこれからますます底光りするんじゃないかしらと思っています。

それにしてもこの暑さ、東京は37度。この先、地球はどうなってしまうんでしょうね?今のままではあらゆる災害に晒され、当たり前の生活が成立しなくなってしまうんじゃないかしらと悲観的な状況を考えてしまいます。地球温暖化を防止するためには、いまの生活を見直し二酸化炭素の排出量を減らすことが必要とわかっちゃいるけど止められない!というのが今の世界の現状です。政治家を筆頭にニンゲンという生きもの、いよいよ地球最後の日を迎えないと気付かない鈍感な生きものなのかもしれませんね。

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猛暑に負けずミンミンミン♪

2023/07/24
【第1779回】

先週の金曜日、新宿文化センターでの島田歌穂さんの「Musical,Musical,Musical!!」に行って来ました。スペシャルゲストに上白石萌音を迎えての華やかな会でした。今回のテーマは「ミュージカルとジャズ」、そういえばジャズのスタンダードナンバーの歴史を辿ると、実は元々ミュージカルのために作られた曲が多いのも事実です。おいらが20歳のときに新宿ジャズ喫茶DIGで聴き衝撃を受けたジョン・コルトレーンの「マイ・フェイヴァリット・シングス」もミュージカル「サウンド・オヴ・ミュージック」の挿入歌である。この日はジャズ喫茶で耳にしたナンバーをたくさん聴けてとてもハッピーな一日でした。

音楽監督である島健さんと演奏者との息もピッタリ、歌穂さんがのびのびと楽しく歌う姿に観客も大満足でございました。

来年は島田歌穂さん、大和田獏さん出演の「モンテンルパ」の再演が決まっています。芝居の中で歌われる歌穂さんの歌は絶品です。獏さんの芯の強さを表現した演技も見ものだし、真山章志の迫真のシーンも見ごたえがあります。出演者のなかでもっとも若い辻井彰太の生きの良さが舞台に弾みをつけています。2021年、コロナ禍のなかでハラハラドキドキしながら上演した芝居が、多くの人達の再演を望む声に押され上演できることは本当に嬉しい限りです。

週明けもアッチッチ!夏空に映える百日紅の花を見上げると暫し暑さも吹っ飛んでしまいます。

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サルスベリ

2023/07/21
【第1778回】

先日、トム・プロジェクトに3年半勤務した石井君の送別会を行いました。振り返ってみれば29年間いろんな人達がトムのために働いてくれました。演劇業界は昔からなかなか食べていけない産業の一つに数えられていました。役者になろうなんて言ったら「何が悲しゅうて河原乞食になるの?」てな言葉が返ってきたもんでございます。そんな世界で芝居を企画して制作するなんて無謀なこととは知りつつ何とかやってこれたのも、吐夢駅に立ち寄り関わった人たちのお陰だと思っています。演劇の世界からの人もいれば、全く関係ない仕事から入社した人もいます。考えてみれば社名が吐夢ですから「よっしゃ夢でも見ようじゃないか!いやいや叶えて見せまっせ!」という意気込みがなければ継続できない仕事です。

何もないところから立ち上げ、1本の芝居を創り上げることはなかなか大変だからこそやりがいがある仕事だと思っています。まさしく無から有、この過程の中に様々なドラマがあり発見があることに興味津々のある人ほど長続きするような気がします。

いろんな事情で退社した人たちにとっても共に芝居を創りあげるなかで得たものを、今後生きる上で役立てて欲しいと思います。

人生の旅、いくつもの駅で降り、いろんな人と出会い様々な体験を得て終着駅に向かいます。

そんな長旅の中、吐夢駅に立ち寄ってくれてありがとう!感謝の気持ちで一杯です。

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夏の空

2023/07/18
【第1777回】

いやいや、一歩外に出ればサウナ状態です。散歩なんぞしてると頭がぼんやりとして参ります。高齢者は心身ともに鈍くなっていますのでおいらは大丈夫なんて言ってるととんでもないことになっちゃいますからご用心。てなことで、どうしても散歩したいならば日が沈んでからがよさそうですな。こんな時は、クーラーかけて家に居るに限ります。昨日はアマゾンビデオで「ヒトラー~最期の12日間~」観ました。ヒトラーと言えば、狂信的な言動でユダヤ人大量虐殺を犯した捉え方の映画が数多いのだが、この映画はヒトラーの衰弱していく様を周囲の人間を通して丁寧に描いています。なんだか未来の窮地に陥っていくプーチンの姿とダブってきました...今なお侵攻継続のロシア軍の兵士の中からもこんな話が出ています。ロシア兵が前線でのウクライナ側への攻撃で弾が当たらないように撃ってるらしいとのこと。なぜならばロケット弾を撃ち尽くすと部隊は交代できる。だからはやく在庫切れして、前線から引き揚げたいのが本心らしい。普通に考えてみれば、侵略もされてもいないのに同じ民族を殺戮するなんてことは狂気の沙汰である。しかもプーチンの私利私欲のために命を捧げるなんてことはどう考えても理不尽である。良心のあるロシア人であればそろそろ気づき始めてもおかしくないことである。

戦争、気候変動による地球規模の災害、そして独裁国家の不穏な動き...暑い暑いなんて言っていられないくらいの危機感を持ってないと、もしや一瞬にして地球は滅びてしまうかもしれませんね。

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納涼

2023/07/14
【第1776回】

先日、今年11月から上演する風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン最後のロマンス」のチラシ、ポスターの写真撮りをしました。現在、新宿歌舞伎町にオープンしたシアターミラノ座での公演中にも関わらず元気な姿で撮影スタジオに来てくれました。新宿梁山泊でのテント芝居に続いての本番で御年74歳になる杜夫ちゃんパワフルですな。シアターミラノ座では関ジャニ∞の安田章大、宝塚出身の咲妃みゆ他若手俳優に混じって連日大奮闘の舞台を演じきっているとのこと。

それにしても風間杜夫ひとり芝居、1997年にスタートして今年で26年。トム・プロジェクトが芝居を創り続けて来年で30年になります。トムの歩みとともに築いてきた作品です。日本国内だけではなく、ヨーロッパ、アメリカ、アジアまで巡演し数々の賞をいただいた価値ある作品でもあります。ひとつの作品がここまで長く継続できたのもスタッフの皆さんとの相性が良かったことと、お互いの信頼があったからだと思っています。勿論、映画、舞台、テレビでの長いキャリアを持つ杜夫ちゃん。どの作品も彼の魅力は発揮されているのだが、このひとり芝居は風間杜夫の人間性、表現力のすべてがてんこ盛りでございます。撮影中にも様々な表情を惜しげもなく見せてくれて現場の雰囲気は最高潮。74歳になってもお茶目で可愛い杜夫ちゃんでございました。

今週の週末からの3連休、アッチッチの日々が待ち受けております。そして連日報道される豪雨による被害、お天道様は今のニンゲンの振る舞いに相当怒りまくってるんでしょうね。こんな時代だからこそ、心穏やかに日々感謝して過ごしたいものでございます。

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夏の風物詩

2023/07/11
【第1775回】

先週の週末、女性ばかりの集団<理性的な変人たち>第三回公演「海戦」を観劇。この作品は1924年に築地小劇場のこけら落としで上演された作品です。第一次大戦中に、イギリス海軍とドイツ海軍の主力艦隊同士がぶつかった、同大戦中最大の海戦をモデルとしています。いや、面白かった!これぞ演劇でしかできないという要素が満載。音、美術、衣装、いろいろと趣向を凝らしていて飽きさせません。7人の女優も個性的、皆さんそれぞれ演技スタイルが違っていてそれなりに楽しめました。それにしても99年経った今、なぜこの作品を選択したのか?世界が又もやきな臭い世界に突入しようとしている現況を考えると当然かもしれません。そして女性だけで体当たりの演技でインパクトを与えようとしたことも正解。要するに今回の企画ハナマルでございました。おいらもこれまで、この集団の芝居すべて見てきましたが、まさしく<理性的な変人たち>の本性が見えてきたなという公演でした。トム・プロジェクトに所属している滝沢花野さんがとっても素敵でした。この集団のリーダー役でもあり、彼女の良さが随所に出てました。

表現はいつも新鮮でなければなりません。長年芝居やっているとついつい安全パイのなかでやってしまいがちですが、知らぬ間にこびりついた垢は洗い落としていかないとさし障りのない演劇になっちゃいます。勿論、経済基盤が脆い中での公演も厳しいのは承知の上なのですが、常に新しいことに挑戦、冒険していく心意気だけは忘れたくないと思っています。

そんなことを思わせてくれる一日でした。

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7月の空

2023/07/07
【第1774回】

劇団チョコレートケーキ「ブラウン管より愛をこめてー宇宙人と異邦人―」を観劇。これまで多くの戦中戦後に於ける歴史上の人物を、独自の視点で描き続けた劇団が新たな脈絡を手掛かりに創り上げた作品。作家・古川健が子供の頃に好きだった特殊撮影番組に登場するヒーローはじめ、番組にかかわる人たちとのやりとりに差別問題を絡ませる姿は、あたかもこうして芝居を創っている人間にもリアルに感じさせてくれる舞台でした。

モノを創り上げるってことは何事も大変なことです。ましてや芝居なんぞは、貴重な時間とお金を頂いて2時間拘束してしまうんですから、一歩間違えば詐欺罪で訴えられてもおかしくないモノですね。しかも、こればかりは人の観方で180度変わることだってあるんですから手強いものかもしれません。そのなかで大切なことは、やはり創る側の主張、信念、哲学だと思います。ここがぶれちゃうとアウトです。その覚悟で芝居を創ること、あとは観客の判断にゆだねるしかありません。

観劇後、三軒茶屋から下北沢に繋がる茶沢通りをブラ散歩してると一軒のよさそうな焼き鳥店に入りました。おいらの感ピューター当たりでございました。家庭的な雰囲気と手作り感満載の焼き鳥と料理。しかもリーズナブルな価格で、28年間地元で頑張っているとのこと。お客さんは良く知っています。開店直後からなじみのお客さんが入って来てました。

要するに愛がある仕事をしなきゃ!すべてこれに尽きますな...

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カノコユリ
(七夕百合)

2023/07/05
【第1773回】

この時期にして我がライオンズはや終戦。おいら70年間、ライオンズを応援してきましたが今年ほど情けないシーズンはなかったのでは...監督、ヘッドコーチ、打撃コーチが最悪ですな。今年から就任した松井稼頭央監督、確かにプレーヤーとしては一流だったんですが、監督としてはお粗末な采配が続いています。残念ながらこの方の監督続投であればライオンズの暗黒時代が間違いなく訪れるでしょう。いつも隣に居る、平石ヘッドコーチもいかがなもんでしょうかね。いくらPL学園の先輩といえども言うこと言わんといかんでしょう!へらへらした二人が画面に映るたびに、厳しくいかんかい!と檄を飛ばしたくなります。昨日のロッテ戦、今井投手が8回1安打無失点で抑えたのに対して、8安打打ちながら完封負けしてしまう始末。采配が素人でも分かるくらいのえっ!の連続。野球通の一般ファンが呆れてしまうんですからあかんです。と言っても、ファンは弱くなったライオンちゃんでも応援し続けます。明日のライオンズを背負って立つ若獅子たちに熱い応援を送ってますよ。こんな暑いときに、熱い応援に沸く満員御礼のベルーナドームを見るたびにフロント陣、何とかせんかい!といいたくなります。今の戦力、残念ながらほかのチームに比べても随分と見劣りしますが、何とか残り試合意地を見せて欲しいもんでございます。

昨日は中野に用事があり行ってきました。50年間様々なイベントを行ってきた中野サンプラザが閉館していました。おいらも何度かコンサート、芝居を観に行きました。駅近で程良いキャパが心地よいホールでした。

東京の主要地区で再開発が進行中。人にやさしい再開発を期待したいもんですね...

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おつかれさまでした
中野サンプラザホール

2023/07/03
【第1772回】

はや文月になってしまいました...各地で熱中症患者も多くなっています。昔は夜にクーラーをつけるなんてことはなかったのに、この異常気象の中、なんだか頭もくらくら肌もじっとり、ついついONにしちゃいますね。団扇を扇ぎながらの夏の風物詩が懐かしゅうございます。おっちゃんたちはステテコ姿で長椅子ベンチでの将棋、ガキはアイスキャンデー舐めながら路地をぶらぶらしとりました。日が暮れて夜のとばりが訪れるあの時間帯の涼みかたが最高でした。

それにしても全国の水害による被害には驚いています。その元凶は地球温暖化に起因していることは勿論のことですが、森が少なくなっていることも大きく関係しています。森の土の中には、植物の根と土の間のすきまや、小さな動物の通り道、くさった根がつくったトンネルなど、大小さまざまなすきまがある。地中にしみこんだ雨は、このすきまに入りこみ、ゆっくり時間をかけて地下を通って、やがて川に流れこむ。つまり、森は一時的に水をためこむ、天然のダムのような役割をしているんです。そんな大切な樹木をばっさりと切り倒し、人間の欲望を満たすための開発が世界に蔓延し、年を重ねるごとに水害のニュースが増え続けているんですね。

最近話題になっている東京神宮の再開発問題然り、100年かけて育てた1000本近くの樹木を伐採しようとしてるんですから、驚き、桃の木、山椒の木。

もう開発はよかですばい...自然の中でゆったりゆっくり暮らしませんか皆の衆。

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スモークツリー

2023/06/29
【第1771回】

今年3月に亡くなった詩人・映画監督の福間健二さんの伴侶であった恵子さんの「ポルトガル、西の果てまで」読了。この本を読んで、スペイン好きな恵子さんがポルトガルにより親密になっていったことが良くわかりました。

「ポルトガルは決して豊かな国ではない。人々の暮らしも芸術も交通も、ヨーロッパの「辺境」と揶揄されながら、それでもしぶとく独自のものを継承し息づかせてきた。それをささえているのは、この国の長きにわたる被支配の歴史と、近代に体験した「革命」のなかで身につけた忍耐と許容なのではないかとこのごろ思う。耐えること、受け入れること、それは自分と向き合うことである。」

岡山県の山間部で生まれ育った恵子さんにとって、ポルトガルは原風景に近いものを感じたに違いない。低い山と川に囲まれ、霧が立ち、虹が生まれ、樹々と花々があたりまえのように育つ。人々は遠い世界のことよりも狭い社会で生きることに懸命で、日々の糧のために働くことをよしとしている。

都会に長く住んでると、自分を形成してくれたアイデンティティが時折うずいてくる。そんな時、旅に出て、見る、聴く、歩く、待つことにより原点に立ち戻ることが出来る。そして己は己でしかないことを確認する。そして、旅の終わりは、次の旅のはじまりである。

この本を読んで、恵子さんは今尚、健二さんと共に素朴で誠実でシャイなポルトガルの人達と交流を重ねているような気がしてならない。

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今年も収穫しました

2023/06/26
【第1770回】

先週、6月23日は沖縄78回目の慰霊の日でした。第二次世界戦も末期、1945年4月1日、米軍が沖縄に上陸、住民をも巻き込みながら地上戦になりました。陸海空からのすさまじい物量攻撃で日本軍は南へ南へと追い詰められ抗戦する力も果て、遂に6月23日牛島長官と参謀の自決をもって沖縄戦は終結となりました。この戦いで20万人の命が奪われました。この日を慰霊の日と定め沖縄では鎮魂と平和への祈りがささげられます。

家の近くの高井戸にある居酒屋「ちゃんぷる亭」で34回目の「平和フェスタ」をやるというので出かけてきました。10人入れば満席になるお店に何とか入ることが出来ました。この日特別サービスの¥230の沖縄そばと泡盛を飲みながら、店主のママさんと息子さんによる「マブニのアンマー」の朗読、そして沖縄三味線を聴かせていただきました。手作りの温かい心のこもった会でした。中でもお客の一人、89歳になる元気なおばあちゃんの戦争に対する思いを力強く語る姿が印象的でした。

今なお沖縄に対して真っ向から向き合わない日本政府、そして又しても米中関係の緊張を背景に、自衛隊による沖縄への部隊配置が進められ、敵基地攻撃能力を持つミサイルの配備も取りざたされています。熾烈な戦争体験を持つ沖縄、そして世界で唯一の被爆国だから一番平和を訴えるチカラがあるのにいまだに米国の顔色を伺いながらの貧弱な外交に腹が立ちます。平和がつくられたと思ったら、瞬く間に蒸発するように消えてしまうのが今の日本です。ただ念仏みたいに平和を唱えていれば平和が来るわけではありません。憲法9条然り護持してればいいってことではなく積極的に運用、活用しなければただのお守りです。

辺野古をはじめ現状にあらがって平和を訴え、つくり続けている沖縄こそが平和製造工場の島かもしれんせんね。

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高井戸ちゃんぷる亭

2023/06/23
【第1769回】

昨日、相模原演劇鑑賞会にて今年度の「風を打つ」の大千秋楽を迎えることが出来ました。稽古を入れて2ヶ月と1週間、スタッフ、キャストが一丸となって事故もなく無事全公演をやり終えたことに唯々感謝です。見知らぬ土地に行き、まだまだコロナを恐れながらの長旅、よくぞやってくれたという思いです。これも今回呼んで頂いた各市民劇場、演劇鑑賞協会、演劇鑑賞会、労演の皆様のなみなみならぬ心温まる支援なくしては出来なかったこと。

コロナ禍のなか、なんとか演劇を通じて世の中を少しでもいい方向に軌道修したいと行動する会員さんのエネルギーを目の当たりにすると、創る側も自然と気合いが入るのも当然です。各会場での笑い、拍手がどれ程のチカラなるか、こればかりは舞台に立った者でしかわかりません。役者はいつも不安の中で舞台に立っているのでございます...己の表現が果たして観客に届いているのか...観客の反応を気にしながら針のむしろ状態で時空間を彷徨っています。そして、舞台を支えるスタッフの心身もタフでなければ当然勤まりません。

昨日の相模原演劇鑑賞会の皆さんの手作り満載の歓迎振りにも涙がチョチョ切れました。楽屋口に手作りの楽屋のれん、終演後の手書きで書かれた千秋楽祝いを舞台上にかざす会員の皆様。まさしく観る側と創る側が一つになった姿を見る思いでした。

何年やってても芝居はいいもんでございます...これからもいい芝居創って、演劇を楽しみにしている人たちに届けねばという思いを強くした今回の「風を打つ」でした。

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感謝

2023/06/21
【第1768回】

久しぶりに中野と新井薬師の中間にある、コーヒーお酒ジャズの店「ロンパーチッチ」に行って参りました。2011年の東日本大震災をきっかけに、どうせ死ぬんだったらやりたいことやらなきゃということで若いご夫婦が始めた店です。2000枚のレコードから程よい選曲でレコードに針を落とし、独自で選んできたコーヒー豆をドリップで時間を掛けて抽出する佇まいを見るだけで感動いたします。ジャズを愛し、来て貰ったお客様に有意義な時間を過ごして貰いたいという思いがお店全体に満ち溢れています。この日はチリ産の赤ワインまで頂いてしまいました。まさしく、コーヒーお酒ジャズの一日でした。

この店の帰りの楽しみが、近くにある手焼きせんべい「雷神堂」の割れ醤油煎餅を買って帰ることでしたが、なんとシャッターが締められ、こんなお別れの言葉が貼ってあった。

 

閉店のお知らせ

当店は6月15日(木)をもちまして閉店させて頂きました。お客様、ご近所様、クロネコヤマト様はじめ皆々様に大変お世話になりました。毎日、挨拶をしてくれる小学生達から元気を頂戴していました。あいロード祭りのお手伝いをしてくれた当時小学生のお嬢さん達が成人式に晴れ姿で来てくださいました。福岡に引っ越しされ幼児だった兄妹が6年ぶりに来店、自分のお小遣いで煎餅を購入下さいました。コロナ禍で実家の両親に会えないので、代わりに赤ちゃんを抱っこさせて頂きました。この店で多くの出逢いに恵まれました。これまでのご愛顧に心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

 雷神堂新井薬師店 店主

 


この文面を読んでいるだけでこの店の数々の人間ドラマが目に浮かんでまいります。世の流れとはいえ、人の触れ合いを大切にしてきたお店が又ひとつ無くなっていくことの寂しさを痛感した帰り道でございました。

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rompercicci

2023/06/19
【第1767回】

先週の土曜日は浅草橋にある「ルーサイトギャラリー」に出かけました。隅田川沿いにある風情ある建物です。この一帯は江戸時代から続く格式の高い花街として政財界や文化人らが通った社交場であったとのこと。時代の波には逆らえず街から料亭や芸者衆が消えていったなか、2001年秋、柳橋の活気を取り戻そうと昭和の流行歌手"市丸姐さん"の屋敷を改装し、骨董屋としてオープン。その後、今回の芝居を企画した鳥山昌克さんと相談し芝居、語りのイベントも開催されるようになりました。

いかにも色街の匂いを残した門をくぐり昔そのままの廊下、急な階段を上がると今日の演目を上演する広間に辿り着きます。目の前に広がる隅田川、川を行き交う屋形船、鉄橋を走る総武線の電車の音を背景に朗読会が始まりました。先ずは唐十郎作「銀ヤンマ」戦後の焼け跡が少しずつ復興していく中、当時、下谷万年町に住んでいた唐さんが少年時代に体験したであろう妖しさとロマンを、鍛え抜かれた声で鳥山昌克が語り掛けていきます。長年、唐十郎のもとで役者稼業をやった彼にとっては唐ワールドを展開するには最もふさわしいキャスティング。合いの手を入れる杉嶋美智子さんも雰囲気のある女優さんでした。

次の作品は室生犀星作「あじゃり」1926年発表の小説。優しい物腰で万人に慕われていた山寺の僧侶が、女のような童子を弟子に持ってから様子がおかしくなる話。杉嶋さんの語り口で哲学的な内容がより優しく切ない物語として再生していく構成となっている。

それにしても、演じる場所そのものが、すでに物語ってることを再認識した一日でもありました。先日の神戸、京都でも感じたことです。幾多の先人が生きてきた家屋、風景は何物にも代えられない貴重な財産でございます。

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朗読会の舞台

2023/06/16
【第1766回】

日本映画がカンヌで話題になっています...それにしても改めて黒澤明、小林正樹、小津安二郎、溝口健二、増村保造などなどの監督作品が今なお燦然と輝いています。その作品を支えたのは職人芸とも言えるスタッフと、主役から脇役に至るまで個性あふれる役者たち。黒澤明監督がこんなことを言ってます。「演技は大根でも存在感の牛肉役者、脇を固める器用な味付け役、くさい演技のにんにく役者、無味無臭の水のような奴、いろいろ居ますが全部必要です」さすが多くの名作を創り上げた人の言葉です。そんな役者を適材適所にキャスティングして巧みに操った才能があってこその名監督です。

そして日本映画全盛時代に、喜劇からシリアスな映画まで幅広く活躍した名優、森繁久弥さんも役者の本質を突いたような発言をしています。「ピンとキリを知ってれば、真ん中は誰でも出来るんだ!」戦中、満洲でラジオなどアナウンサーをやり戦後、舞台、映画を通じ人の醜さ穢さを嫌と言うほど舐め尽くしたが、自らが望む高い精神には触れることができなかった。そんなご時世で周囲を見渡すと、ピンからキリからも遠ざかりボヤっとした中間を漂ってるみたいな人ばかりだったという。

改めて感じます。役者は、その人の生き方のすべてが現れます...日々無数の感度の良いアンテナ立ててあらゆるものをキャッチし咀嚼して、はじめて人前に見せるものだと。

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梅雨の晴れ間

2023/06/15
【第1765回】

京都から東京に戻るのに少し時間があったので、久しぶりに「哲学の道」を散策したくなり足を延ばしてみました。「哲学の道」の中ほどには、西田幾太郎の名言「人は人、吾はわれ也、とにかくに吾行く道を吾は行くなり」と刻まれた石碑があります。20世紀初頭の哲学者である西田幾太郎氏が、毎朝思索にふけりながらこの道を歩いたことから、「哲学の道」と呼ばれるようになったとのこと。いつもは、のほほんと生きてるおいらもこの道を歩けば少しは哲学的思索に耽ることができるのかな?琵琶湖の水が流れる水路沿いの遊歩道を歩いてるだけでなんだか全身がほぐれる気がしてきます...もしや、この瞬間こそが哲学の入り口かもしれませんな。

途中バスにて熊野神社前で下車。京都に来れば必ず立ち寄るJazz Spot YAMATOYAでコーヒーを頂きました。1970年開店以来、もうすぐ80歳になるマスターが丁寧に入れてくれるドリップコーヒは勿論、なんと8000枚のレコード棚が圧巻。そのなかから当日の客層に合わせて選んでるとしか思えない選曲が絶妙。チック・コリアなど名だたるミュージシャンも何度も訪れた名店でございます。かと言って気取ったところもなく本当に心地よいお店です。JAZZを愛し、お客を大切にするこの店が、いつまでも存続することを願いながら帰路につきました。

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哲学の道

2023/06/12
【第1764回】

先週の週末は神戸演劇鑑賞会、京都労演での「風を打つ」公演に行ってまいりました。久しぶりの関西です。人情味あふれる関西弁がとても心地よくしてくれます。神戸での公演、観客の絶え間ない笑いに後押しされ、役者も大いに乗せられ上々の舞台でした。帰り際に90歳過ぎの会員さんが「芝居観て久しぶりに泣きましたわ...」笑わせて最後は号泣、こんな形で水俣を伝えることできれば本望でございます。終演後、俳優陣も改めて観客と一緒に舞台は創り上げるものだと思わせた神戸の2ステージでありました。

昨日は京都労演初日を拝見しました。なんとか雨も上がり、時折陽が差すなか呉竹文化センターに多くの会員さんが来てくれました。キャパ600人、芝居にはうってつけのホールです。京都の観客の芝居を観る目は厳しいぞなんて声を耳にしたことがあります。最近文化庁も移転したくらいの古都ですからね...おいらも後列から、芝居はもちろん観客の反応も探りながらの観劇でした。幕開きから、よしゃ!これはいけると思いました。あとは昨日同様、観客と役者の呼吸がぴったりと呼応しながら終盤のクライマックスからエンディング。昨日の舞台もそうでしたが、終幕だと思っての一回目の拍手がありました。と思いきや、正真正銘の太鼓打ちに始まるラストシーンがあり、なんだかお客様は二度楽しんだ感じがありました。

今回の神戸、京都公演で強く思ったことは、コロナもなんとか収束し再び演劇を楽しめることの喜びを取り戻しつつある兆しが見えてきたことです。アナログの魅力を兼ね備えた演劇の持つ底力を信じて全国各地を巡演したいもんでございます。

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神戸

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京都

2023/06/09
【第1763回】

梅雨の季節の楽しみのひとつが、色とりどりの紫陽花を鑑賞しながらの散策です。鮮やかな紫にうっとりして間もなく清楚な白色に心奪われ、千々に乱れる心模様を楽しんでいるのでございます。そんな散歩の道すがら、一軒の家の玄関前に4足のちびっこ靴がおかれていました。「サイズアウトしました。気にいっていただけるものがあれば、ぜひお持ち帰りいただけたら嬉しいです!」なんともほっこりする光景ではありませんか。今や世の中は消費、消耗が当たり前、まだまだ使えるのに平気で捨てちゃいます。昔なんぞは着るもの含め家具、調理品などなど擦り切れるまで使いこなしたもんです。だって、あらゆるモノすべて、己に出会うまでには様々の命が吹き込まれているはずです。それを思うとそうは簡単にポイ捨てはできまっせん。モノに対する愛着、愛情が希薄になったことと、未だ世界で無益な争いが絶えないことと無関係ではないと思います。4足のちびっこ靴を迷わず玄関前に差し出す人が一人二人と増えると争いも少なくなるはずです。人が人を思いやり、生きとし生けるものに精一杯の愛を注げば少しはましな世界になるのかな...

血迷ったプーチン、あの素晴らしい大地と芸術で世界を席巻したロシアを想いだし正気に戻り一刻も早くウクライナ侵攻を止めてちょうだいな!今日の写真を届けるのも効果があるかもね。

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ほっこり

2023/06/07
【第1762回】

昨日は、横浜演劇鑑賞会創立50周年記念観劇作品「風を打つ」を横浜関内ホールにて観劇。「風を打つ」日々進化していますね。杉坂家の家族の絆がより深く色濃いものになっています。芝居にとって重要な要素であるメリハリが鮮明になっていることが大きな要因だと思います。家族それぞれの思いを受け止める役者の受信器の感度が敏感になることによって、発信器の強度が高まり各シーンも引き締まる。当然、観客は五感を集中せざるをえなくなり舞台と客席がひとつになり、優れた芝居が出来上がるってわけですね...

それにしても演劇鑑賞会を50年継続させるって唯々敬意を表します。この長い歴史の中でいろいろ大変なことがあったとは思いますが、この3年間のコロナ禍による半端じゃない会員の減少は鑑賞会の存亡を脅かす出来事だと思います。そんななか会員として継続し会場に足を運んでくれる皆さんに「演劇鑑賞会を退会しなくて良かった!」と感じて頂く芝居やんなきゃ芝居屋じゃございません。終演後、観客の皆さんが満足げな表情で帰路につく姿を見ながらおいらもホッとした次第でございます。

横浜は風情がある街です。終演後、横浜演劇鑑賞協会をリードしてきた方々とお疲れ会をしました。関内にある「横浜ビール 驛の食卓」併設工場で造られたクラフトビールは絶品でした。芝居が上々だったので話も盛り上がり素敵な時間を過ごすことが出来ました。何年か後に又、トムの芝居でお会い出来たらという言葉を残し横浜を後にしました。

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横浜馬車道、牛馬の一服休憩所

2023/06/05
【第1761回】

先週の土曜日、劇団桟敷童子「海の木馬」すみだパークシアター倉にて観劇。いつもの劇団員一丸となって芝居創りをしているこの劇団は大好きです。今回の舞台は、終戦直後の混乱した時期に高知で起きた第128震洋隊で起きた爆発事故。2年前に「飛ぶ太陽」という戦後、福岡で起きた爆発事故を題材にした舞台の記事を見たひとりの老婆からの1本の電話から今回の芝居が始まったそうだ。「終戦直後、忌まわしい事故が全国各地でありました。それを世の中に知らせてください」そうなんです、歴史の闇に葬られた様々な出来事を伝えるのも演劇人の責務だと思います。

今回ゲスト出演した小野武彦さんの存在感が、この芝居を通奏低音として最後まで舞台を引き締めている。御年80歳の小野さん、演技をしているというよりも小野武彦ご自身の生きてきたそのものが舞台上に居る。これはなかなかできないことである。役者は常に何かをやりたがる生き物であり演じたがるものである。己に何枚もの飾り物を重ね観客に見せつけることを止め、すっぴんで舞台に上がることはなかなかできないことである。

今回の小野さんの存在を際立させているのは、勿論共演者の清廉な演技であることは間違いない。この劇団の主宰者である東憲司さんの演劇に対する姿勢が徹底していて気持ちが良い。ついつい応援したくなるのは当たり前でございます。

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錦糸町からの風景

2023/06/02
【第1760回】

昨日は久しぶりの晴天、毎年、新年に初詣に行っていた杉並区大宮八幡宮に今年は行けなかったので参拝してきました。やはり神社の佇まい、空気感しばし日常を忘れさせてくれますね。神が宿っているから神社です。その神社の杜を為しているのが大木です...何百年という間その土地の興亡を見続けた年輪の重さを感じます。そっと耳を添えて聞いてみたいもんですが、黙して語らず淡々とした表情で聳え立っています。それぞれがそれぞれの思いを抱きながら並んでいる様は神々しくもあります。勿論、神殿の中にはいろんな仏様が納められてるんですが、おいらはどうしても自然神のほうについつい気持を持っていかれます。

参拝するときの決まり文句は「生かして頂きありがとうございます。」その一言だけです。お願い事なんぞは一度もしたことはありません。お金ごときで神さんに頼むなんてこと甚だ失礼千万でございます。先ずは生かし活かされていることに感謝。あとは己が人のため社会のために何をなすべきかを思考し行動に移すだけ...きわめてシンプル。

一転、今日は台風の影響を受け朝から大雨、関東甲信地方も線状降水帯が発生する可能性があるとのこと。今日は長野県大町市文化会館で「風を打つ」の夜公演があります。長野地区での最後の公演でもあり無事に終えればと思っています。

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大宮八幡宮境内

2023/05/31
【第1759回】

生涯現役ええこっちゃ...昨日は20代の頃一緒に芝居やっていた仲間の芝居観てきました。

劇団ではない劇団・ぼっかめろん第33回公演「草稿 ジョバンニとカンパネルラの見果てぬ夜の夢の物語」。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」からヒントを得て創り上げた作品。作・構成・演出の倉沢周平、普段は明大和泉校舎正門のすぐそばでハンバーグ屋「ぐずぐず」を50年ほど続けています。心身ともボロボロになりながらも演劇に対する思いは今なお健在でございます。出演者の一人、小林達雄はもうすぐ80歳になるのですが、あっちこっち痛いと言いながら舞台上では相変わらず奇声を発しながら動き回っておりました。普段は地道なバイト生活を営んでおります。やはり好きなことをやっているのが健康には一番ですね。人間関係、お金を追いかける仕事で疲れ果て、いったい自分は何のために生きてるんだろう?なんて人が多数を占める中、周平、たっちゃんみたいに迷うことなく己の道をまっしぐらなんて生き方、潔いのではないかしら。

その真逆、この国のトップの息子の不祥事。汗水たらして必死で生きている庶民の生きざまも理解できず、世襲と言う悪しき伝統に胡坐をかいての今回の出来事。相も変わらずこんな人たちを選ぶ選挙区の皆様恥ずかしいことですぞ!広島サミットで点数上げたと思いきや、己の甘さからの大失態。こんな時にしっかりした野党が存在してれば緊張感あふれる政治が期待できるのだが...忘却の民は、今回の息子の件も10年、20年後には忘れてしまい、息子が国のトップに収まってたなんてことは十分あり得ますぞ...なんとか軌道修正しなきゃ皆の衆。

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明日から水無月

2023/05/29
【第1758回】

先週の土曜日、PLAY/GROUND Creation「桜川家の四兄弟」を観劇。作家と演出家ともにお母様を亡くされた実体験から生まれた芝居。このグループの芝居は初見なのだが、先ずは誠実な舞台創りに好感を持ちました。俳優陣のまっすぐな姿勢が狭い劇場にビシバシと伝わってきます。迫真の演技に若い観客も涙してました。誰しもがいずれは母との別れは必然です。おいらも数年前に尊敬する母との別れがありました。5人兄弟の中で唯一風来坊であったおいらをいつも心配しながら、でもどこかで信じていた母親の偉大さを、この芝居を観ながら考えていました。父親はおいらが17歳のときに亡くなったので、あまり感慨はありません。というのもおいら本人があまり家に居なかったので家族、家庭そのものの存在が希薄だったかも知れませんね。上京してから何年も博多に帰らなかったおいらに届く母の手紙から、初めて親の有り難さを感じた息子でした。書かれた文字の行間から母として親としての溢れんばかりの愛情が込められていました。こりゃ悪いことはできんばい!おいらに忍び寄る背徳の誘惑に楔を打ち込む一文字一文字でもありました。

それにしても母ものの芝居、映画はずるいと言えばずるい。誰だって泣きますよ。でも、こうやって何らの形で提示しないと、この忘却の時代、母親の有難さがわからなくなっちゃうんですね。

週明けの今日は梅雨入りみたいな一日です。こうやって季節を感じられる国、母親みたいに尊敬できる国になって欲しいもんですね。

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何か見つけたかな?

2023/05/26
【第1757回】

昨日は喜昇倶楽部公演「其の女」を下北沢にて観劇。劇団チョコレートの脚本・古川健、演出・日澤雄介コンビによる、渋谷はるかさんの一人芝居。広島で被爆しケロイドを負い、10年後、その治療のために渡米した25人の女性の一人、弘子さんにスポットをあてた芝居です。当時日本のマスコミは彼女たちを原爆乙女と呼び、原爆を落とした国に行ったと言うことで話題になりました。

先日も、サミットでの各国首脳が原爆資料館に入館したことで様々な記事が出ていました。おいらも広島、長崎での原爆資料館の記憶は今でも鮮明に刻み込まれています。あの惨状を体験すれば誰しもが核廃絶に気持が動くのは必然なのだが、ロシアのウクライナ侵攻から一気に核保有の必要性を論じる世界となりました。一部の頭が狂ったとしか思えない権力者のためにいとも簡単に世界の秩序が乱されるなんてこと何度繰り返せば済むんでしょうかね。

さて今回の芝居、文学座に所属する実力ある女優、渋谷はるかさんの初めての一人芝居への挑戦。数多くの一人芝居を手がけたおいらとしては若い俳優さんの一人芝居大いに歓迎。一人芝居の成否は、舞台上に居ない相手役の存在が見えてくるかがポイントだと思います。見えない登場人物を想像する楽しみが一人芝居にはあるんです。それは観る一人一人それぞれに違うのが更に面白い。渋谷さんの舞台も回を重ねる事に違った風景になるんでは...大いに楽しみです。

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出稼ぎバンド

2023/05/24
【第1756回】

わが心の西鉄ライオンズ、レギュラー選手で唯ひとり御存命であった中西太さんが90歳で亡くなりました。平和台球場での大きなお尻ふりふりしながらのでっかいホームランはおいら少年たちのスターでございました。1962年に選手兼任で西鉄ライオンズの監督を引き受け優勝したのが1963年、この年は南海(現ソフトバンクホークス)との最大14.5ゲーム差を逆転し、5年ぶり5度目のリーグ優勝を果たしたシーズンでもありました。おいらも勿論、平和台球場で喜びに浸っておりました。あの大きな体を胴上げしている選手の苦心惨憺ぶりがとても印象的でした。現役時代は"怪童"と称されたスラッガーで、本塁打王5回、首位打者2回、打点王3回のタイトルを獲得。監督としては一流にはなれなかったんですが、その後計8球団を渡り歩き、指導者として若松勉、イチローら名選手を育てた名伯楽でもありました。

最後にお会いしたのは2012年トム・プロジェクト「エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ」の博多公演でした。公演前にライオンズOBが集まっての座談会があり声をかけたところ嬉しそうな顔をされていました。この座談会には豊田、高倉、西村さんも同席し、お互いに遠慮することなく言いっぱなしの豪放磊落な楽しい会でもありました。

こうして西鉄ライオンズの選手たちはいなくなっていきました...でもあの日あの時の西鉄ライオンズは、残されたファンにとってはとてつもない宝物です。

そんな折、山川選手の事件はつらいですな。先人が築き上げた歴史に傷をつけちゃいかんばい!と言いたい。いつの世も野球は夢見る少年を虜にしてくれるものであることを肝に銘じてプレーしていただきたいもんでございます。

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今日の空

2023/05/22
【第1755回】

「風を打つ」昨日無事、東京公演千秋楽を迎えることが出来ました。各ステージ満席で本当にありがたい限りです。新しいメンバーを加えての再々演、日毎に劇中での家族の結束が強くなり、まさしく芝居は生き物だなと思った次第です。

観客のお一人がこんなことを話しながら劇場を後にしました。「この芝居こそ、今の世界に訴えるチカラがあると思います。環境、戦争、家族、皆が一様に抱えている諸問題を解決させてくれるヒントを随所に織り込んだ作品だと思います。」

そしてこんなハガキも来ました。「水俣を扱っているのに公害の悲惨さや、企業のあるいは為政者の巨悪ぶりなどが強調されることのない、それでいて切々とその恐ろしさと影響力の凄さを語りかけてくる原点に家族の再生とその愛があるからだと実感した公演でした。コロナで劇場へ足を運ぶこともめっきりと減った数年でしたが、観劇への勢いがついた作品でもあります。」

嬉しい言葉です。別に芝居の世界だけではないのですが、とにかくこれだけ物価が高騰するなかでの芝居創り厳しいものがあります。でも、こんな風に作品を観て頂ききっちりと昇華していただけると制作する側もテンションが上がります。

5月26日~6月22日まで演劇鑑賞会の公演21ステージの旅公演が始まります。芝居をこよなく愛する鑑賞会の皆様に、更なるグレードアップした作品を届けることが出来ると思いますので楽しみに待っててくださいね。

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両国駅前

2023/05/19
【第1754回】

まだ5月というのに夏の暑さのなか、昨日、両国シアターカイで「風を打つ」の初日を無事迎えることが出来ました。両国前では大相撲5月場所が開催されており海外観光客も含めて多くの人出で盛り上がっていました。大銀杏を結った力士が国技館に入る度に大きな拍手が送られ、力士も「よしゃ!」という感じで大きな体をゆさゆさと揺らしながらの背を見送っておりました。両国には多くの相撲部屋もあり、なんだかタイムスリップした感覚にとらわれ心地よい場所でもあります。劇場シアターカイの隣には、第4代将軍家綱よって建てられた回向院があり、浮世絵士の山東京伝、義太夫節を創った竹本義太夫、そして鼠小僧次郎吉の墓と、江戸時代は著名人の墓がいくつもあります。この近くには忠臣蔵で知られる吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしひさ)の江戸上屋敷跡もあります。この辺りを散策していると江戸庶民文化の匂いがなんとなく漂って、近くの蕎麦屋に入り軽く日本酒を一杯という気にさせてくれますね。

ところで初日の芝居。満席の観客の前で上々の芝居を魅せてくれました。5人の役者のコンビネーションが抜群、カーテンコールの拍手が半端じゃないくらいの熱いものでした。この困難な時代、素敵な芝居を創ることの大切さを今改めて感じた次第です。

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国技館前

2023/05/17
【第1753回】

沖縄の本土復帰から5月15日で51年になりました。先日も石垣市で進む陸上自衛隊のミサイル基地配備計画のニュースが流れていました。島の住民の人達の意見も賛否半ばです。51年経っても一向に解決されない沖縄の苦悩、いやこれは沖縄の人達の問題ではなくその他の都道府県に住む人たちの見て見ぬふり問題だと思います。沖縄にほとんどの米軍基地を押し付け、身近に基地が来ようとすると反対する構図がなんら変わらない、変えようとしない身勝手な姿勢です。知識人も含めて沖縄に寄り添うと言ってはいますが、実際のところ沖縄は本土にとって都合の良い手段としてしか考えていないような気がします。

あの終戦を前にして、沖縄の人口の4人に1人が亡くなった沖縄戦。このきな臭い今、またしても沖縄がその最前線に立たされようとしています。台湾有事、北朝鮮、日本に復帰して沖縄は本当に良かったのか?

数年前、沖縄に行ったときに乗り合わせたタクシーの運転手さんの言葉が忘れられません。

沖縄の米軍基地の話を持ちかけると「すみませんね...」という言葉が何度も返ってきました。いやいや、その言葉は沖縄に基地を押しつけている我々の言葉です。

沖縄、水俣、戦争、家族、差別などなど、まだまだ伝えていかなきゃならない課題山積といった所です。取り敢えず明日から「風を打つ」公演します。お陰様で金曜日を除いてチケットはすでに完売です。

今回の芝居を観てなにかを感じて頂ければ嬉しい限りです。

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あっちっち~水浴びしてます

2023/05/15
【第1752回】

先週の12日(金曜日)、「風を打つ」の追い込み稽古に行って参りました。今回が再々演になる作品です。何事もそうですが、芝居もステージを重ねていくと別物の作品になっていくものなんですね。芝居の冒頭から家族のなんともいえない温かさが伝わってきました。熊本県水俣市で患者の発生が公式認定されて、今年の5月1日で67年になりました。同じ魚を食べ、水俣病になりながら、チッソ企業城下町で差別と偏見の中で過酷な生活を強いられた実在の家族の話です。その悲惨な状況を乗り越え逞しく生き抜く上で一番大切なのが明るさです。この芝居に登場する5人のそれぞれが今回、より温かく、強く、逞しくなり、逆に水俣病に感染したことにより人として、親として、子として得るものがあったという前向きな思考と行動があってこその明るさがより増していた今回の稽古場。

貴重な時間と、お金を支払ってくださるお客様に、どんなプレゼントが出来るか?芝居を創る人間すべての人が日々苦心していることです。そのための稽古場は緊張と弛緩の振れ幅の中、新たな発見の場でもあります。

この3年間、芝居の現場はコロナ禍のなか戦々恐々の日々でした。ようやく5類ということにはなりましたが、まだまだ油断は出来ません。本番直前まで、皆マスクを付けながらの稽古です。18日の初日が無事迎えられますように...

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薔薇の館

2023/05/12
【第1751回】

京王井の頭線浜田山駅前に小さな街の本屋さんがあります。先日覗いたら、小出版社の本を並べたコーナーがありました。普通の本屋さんでは目にしないものが所狭しと並んでいました。全国的にも書店が次から次へと姿を消しています。昨年の統計で書店ゼロの市区町村が26%になったという報告。確かに、ネットでの購入は便利かもしれないが、ピンポイントで検索していると世界は極端に狭くなっていく感じがします。その点、本屋さんの書棚を眺めていると今まで未知なる分野の本がいやがおう応にも目に入ってきます。そして手に取り不可思議な世界に迷い込む体験ができるという場所が本屋さんなのです。おいらがたまに足を延ばす神保町の古書店巡りも自分の足で目で新たな読書への旅をしたいからです。

そして本屋さんも工夫しないと取り残されてしまいます。浜田山の書店のように、ただベストセラーの本を積むのではなく、なにかに特化したコーナーを常設するとか、コーヒーでも飲めるスペースを設置し心地よい音楽を流し、少しでも長く店内に居させるようにするとか...町の書店の存在は、その街の文化レベルをさえ変える大きな要素だと思います。

最近世間を騒がせている闇サイトで集められた若者による強盗事件。この若者が幼い頃から読書体験をしていれば、こんなアホな発想は生まれなかったのでは...想像と創造、至福な時間を過ごすに欠かせないこの二つを手にするには本を読むことは不可欠だと思いますよ。

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曇天

2023/05/10
【第1750回】

佐藤厚志「荒地の家族」、稲垣えみ子「魂の退社」、読了。第168回芥川賞受賞作「荒地の家族」は2011年の東日本大地震から13年、今なお抱える虚無感と、何とか立て直し生き抜こうとする40歳の主人公の葛藤をドキュメンタリータッチで描いた作品。被災にあった実体験からの話なので切実である。この目まぐるしい世の中の移り変わりの中、すべての事柄が風化していく様を危うい流れと感じてる人たちが居る中、文学、映画、演劇を通して風化への歯止めを果たしている役割は大切なことだと思う。こんな時代だからこそ過去に学ぶという生き方を、すべての人が共有しないと地球は確実に滅びます。

「魂の退社」はアフロヘア―姿で朝日新聞社の記者であった稲垣さんの退社への思いっきりのメッセージ。自宅の家電を次々と処分して生きることを実践し、人生の意味、意義を問い直す下りが実に痛快である。この本に何度も出てくる日本の社会が会社に帰属してなければ何事も困ったちゃん状態になってしまうという不条理。会社員以外は人間ではない過酷な状況に追い込まれる過程を自分の実体験を通し事細かに述べている。それにしても悲壮感がなく何となく楽天的なところが著者の真骨頂といったところか。

経済主体、功利主義で進行している日本社会に踊らされていた人たちが自分に気づき、人生を取り戻すキッカケになる本になるかもしれませんね。

今日も湿気がなく爽やかな一日。野に咲く花に挨拶し、空を見上げると間違いなく5月の空でした。

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野に咲くハルジオン

2023/05/08
【第1749回】

長年の友人である詩人、映画監督の福間健二さんが74歳で亡くなりました。健二さんとのいろんな想い出が蘇ってきます。「鷽」という雑誌に、おいらは西鉄ライオンズに関するエッセイを、健二さんは詩を提供しており、これを機に付き合いが始まりました。その後、健二さん、恵子さん夫婦が出版した「ジライヤ」に博多にまつわるエッセイ<エル・スール>を連載させて頂きました。都立大学教授、詩人、映画監督という三足のわらじを楽しみながらかつ精力的にこなされていました。スペインの地でもバルをはしごして千鳥足でホテルに帰ったこともありましたね...大学退任後は詩集で萩原朔太郎賞を受賞し、映画監督としてますます闘志を燃やしていた矢先のことでおいらもびっくりしました。

5月2日、国立の自宅にお線香をあげに行きました。悲しみを耐えて気丈に接する恵子さん、相当悔しいに違いない。不意打ちを食らったと言ってました。二人の夫婦として、そしてものを創り上げる戦友としての見事な夫唱婦随を見せられたものとしては恵子さんの気持ち良く分かります。でも、恵子さんの尽きぬ思いを作品に昇華していった健二さんの生き方も悔いがなかったと思います。今年の11月には死の寸前まで編集に追われていた新作の映画が公開されるそうです。

健二さんこれまでの貴重な時間ありがとう!恵子さんこれからまた楽しい時間つくりましょうね...福間健二さんの詩集『青い家』より「窓」

 

あなたの窓が閉ざされているから

わたしは目を閉じて

自分の入る箱を想像した。

ゆうぐれの

川べりに立ち

自分を入れて流れてゆく箱を想像した。

その箱は流れていって

夜の人々は迷路に消えて

わたしもいなくなって

いま

この空に

炸裂して光るもの。

ほかに何を見るのだろう。

あなたの目

魂の窓

それがひらかれるとき

わたしは帰ってくる。

むかしのわたしとはちがう

わたしの知らないだれかになって。

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健二さんが歩いた国立大学通り

2023/05/01
【第1748回】

いやいや日本国中、コロナから解放され行楽地には人が溢れかえっています。新緑の葉も育ち最高のGWを迎えております。そんな中、気になるのが神宮の森の再開発。先日も伊藤忠商事・三井不動産・日本スポーツ振興センター・明治神宮の4つの企業が進めている計画の記事が新聞に掲載されていました。おいらにとっても神宮の森は思い出深い場所です。神宮球場、秩父宮ラクビー場、そして秋になると紅葉していく銀杏並木。これらの古木1000本を伐採しようとする計画に、先月亡くなった坂本龍一さんも死の一カ月前、小池東京都知事に再開発反対の手紙を送りました。「これらの樹々を私たちが未来の子供達へと手渡せるように」「目の前の経済的利益のために、先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません」さて、小池都知事どう動くか?

樹木が伐採されるシーンを見るたびにおいらの心痛みます。勿論、その樹木が世のため人のためになっていることは承知の上でのことですが、100年、200年、同じ場所で根を張って生きてきた樹木の生命力が、どれだけ人に勇気を与え、そして癒されてきたことか。

緑のない世界を考えただけでぞっとします。おいらが上京して60年、三畳参千円のアパートの前にも緑がありました。疲れた身体も一本の樹木に触れるだけでエネルギーを頂きました。新緑から紅葉そして裸木、その一年の変遷からおのれの時間の経過を確認し前に進んでこれました。

経済優先より環境保全、そんなことも考えながらの楽しいGWになるといいですね...

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おもしろそうにおよいでる

2023/04/28
【第1747回】

明日から大型GWが始まります。いつものように高速道路の渋滞ぶりをメディアで報じていました。普段30分で行くところが2時間半かかるなんて当たり前のようです。おいらの思考では、この情報だけで遠方への行楽を止めますが、日本の社会の頑として変わらない体制の中、仕方なく皆出かけるんですね。何十年も前から、休日分散案が唱えられてきましたがいまだに実行の機運は熟さない状態です。おいらも過去に何度か車中でのイライラ体験は経験済みだが、あのなんとも虚しい感覚はたまらなく嫌ですね。左右前後の他の車中の人たちの諦めきった表情を見てるだけで、こちらの気分も一気に萎えてきます。

そんなGWのなかでの楽しみ方の一つに近場散策。普段見慣れた通りは勿論、ちょいと横道に入ると意外な光景に遭遇することがあります。こんな所に小粋な飲み屋があったりとか、レトロな佇まいの民家に心和んだりとか...最近も可愛いノラ猫を発見し、しばし観察させて頂きました。なにもお金を掛けて人混みの多いところに行くことないんじゃない。疲れるだけです。お互いに疲れた顔つき合わせてどうすんの?GW、お盆、正月、宿泊がいつもの倍の値段、この延々と続く悪しきしきたり、いい加減どうにかしてくんろ!

おいら、お日さまに照らされキラキラ輝く葉っぱちゃん見てるだけで十分にGWでございます。

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アンネのバラも咲きました

2023/04/26
【第1746回】

先月の末だったか、新宿西口近くの「思い出横丁」付近あたりを歩いていると女性から「岡田さんじゃないですか?」なんて声を掛けられました。今の時期、皆マスクを着けているので誰だかよくわかりません。よく見ると新宿ゴールデン街にある居酒屋「ポニー」でお見かけした女性じゃありませんか...おいらに声をかけた理由は、この店のママが亡くなったことを知らせたかったとのこと。勿論、おいらはびっくりしました。この「ポニー」は大好きな店でした。ママの人となりが店一杯溢れていましたね...店の中央には囲炉裏がでんと構え、炭火で沸かした南部鉄器のお湯で飲む焼酎がなんとも言えない味でした。そしてママの手作りの料理、お客に媚びない気質でありながら困った人にはとことん相談に乗ってあげる優しさ。新宿ゴールデン街には250店舗が存在するのだが、この店は他を圧倒する気品さを持ち合わせた店でもありました。時には三味線で都都逸も聴かせてくれました。艶のある声で一瞬、花柳界の席に迷い込んだ気にもさせてくれました...手回し蓄音機で聴いた広沢虎造の浪曲「清水次郎長伝」に感動し、早速CDを買い込み自宅で何度も聴きました。昔気質のママさんが粋な雰囲気で繰り広げる時空間は本当に素敵でした。

昨日、声をかけてくれた女性の案内で新宿にあるお墓に行ってきました。ママが眠るに相応しいお寺にあるお墓に手を合わせ、これまでの感謝の気持ちを伝えました。

この年になると別れも多くなります。無念な思いで亡くなった人達も含め、しっかりと生きねばと改めて感じた一日でもありました。

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満開のつつじ

2023/04/24
【第1745回】

今日はまた寒さがぶり返しています。昨日、おいらが住んでる杉並区でも区議会選挙が実施されました。今回は選挙公報などじっくり見ながら投票しました。おいらが投票した人のこれまでの実績に大いに賛同。先ずは、過去の選挙も含めて一切、宣伝カーを持たない、名前の連呼もしないということ。選挙が始まるとうるさいよね、本人が乗ってなくてウグイス嬢に名前を連呼させるなんて愚の骨頂。こんなことを未だにやってること自体でアウトですな。二つ目にこれまで、政策本位の活動に徹するため、ボス政治家とは一線を画し、一身独立し無所属を通してること。こんなことは当たり前だと思うのだが、企業・団体献金を受けない、有権者に私的な口利き(施設入居や就職のあっせん、その他入札・契約の斡旋)を行わない。なかでも画期的なのは、いままで馴れ合いの関係で運営されてた会館をオープンにしたこと。この国の最も顕著な馴れ合い談合にくさびを打てたことに拍手を送りたい。

今回の選挙も昨年、区長選挙で初めて選出された女性区長からの政策協定、応援演説の提案に異論はないのだが、貸し借りを作りたくないと言う理由で断ったとのこと。まさしく忖度なしのクリーンな区議さんだと思いますよ。

そのほかの地方選挙、相変わらず日本の国民は大きな変化は求めていないようですな...投票率も低いし、世界のあちらこちらで不穏な動きがあるのに、なんだかこの国の鈍感力にはいつもながら危機感を覚えます。

ところでさっき、杉並区議会選挙の結果が出ました。おいらが投票した人は当選。今まで通りがんがんやってくださいね!

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藤の花言葉
~君の愛に酔う~

2023/04/21
【第1744回】

久しぶりに新宿でチンドン屋さんに遭遇しました。この姿を見るとおいらの記憶は少年時代に戻ってしまいます。昔は新しいお店がオープンするとチンドン屋さんの登場です。かつらを被り太鼓にサックスでの賑やかな光景を目のあたりにするとおいらのテンションは一気に上がります。後ろに付いたお姉さんがチラシと一緒にお菓子を振る舞うと、お菓子が欲しい子供たちはぞろぞろとついていきます。ある時、なかなかお菓子の配布が始まらず、はたと気づいた時には見知らぬ街に迷い込んだことがありました。もしや、このチンドン屋人さらいかも?なんて不安になったもんでございます。

今や新宿の宣伝手段は、大型車に派手な広告を掲載し大音量で新宿の街を徘徊することが多くなりました。ホストクラブ、新作映画、新製品などなど目にしますがなんとも味気ない気がします。それに比べてこのチンドン屋さんのアナログ宣伝はほっとします。人間の血の通った訴えが郷愁を誘います。アスファルトジャングルのなかで、人は呼吸困難に陥り心身が疲弊しております。この日のチンドン屋さんの姿を見て、一服の清涼剤と感じた人は何人いたんでしょうかね?中にはなんだこりゃなんて人もいたんでしょうね...

今日も夏のような暑さ、世界はこの異常気象の中、地球の生態体系にも狂いを生じ不穏な空気が蔓延しております...こんな時こそ、ゆっくり焦らず大地に足をつけてチンドン屋さんの佇まいの如く生きていきたいもんでございます。

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郷愁

2023/04/19
【第1743回】

昨日の夜はほんとにええ日やったな...ライオンズが5年振りに東京ドームで試合をやるというので足を運びました。相手は金満球団ソフトバンクホークス、金欠ライオンズがどんな試合を観せてくれるのか興味津々。相手チームは80億かけて補強しまくり、こちらは打てる捕手が他チームに移籍するわ、WBCに参加した選手が骨折するわ、4番バッターが開幕早々怪我するわ、踏んだり蹴ったり状態でございます。でも、こんなときに不思議なチカラを発揮するのがライオンズの伝統。この日も先発した平良投手の調子がいまいち、こりゃあかんかなと思っていたら、なんと外崎が2本、中村が1本、おまけに助っ人ペイントンが1本、計4本のホームランが飛び出し勝利しました。8本のヒットのなかの4本がホームラン、なんと効率的なことか...中でも今年40歳になるベテランおかわり君こと中村選手の芸術的なホームランは見事でした。ライオンズの有力選手のほとんどが流出していくなか、ライオンズ一筋を通してきた中村、栗山選手はライオンズの宝です。やはり、こんな選手をいつまでも応援したいですね。

この日は贅沢なセレモニーがありました。試合前には郷ひろみの国歌斉唱、始球式は松坂大輔、試合後には郷ひろみのショー。大勝した試合後に居残った4万人の観客は大喜びでございました。昔、ある劇団の代表者が球場の多くの観客を見ながらこんなことを言ってました

「劇場にもこれだけの人が来てくれたら嬉しいな...」その気持ち、よーく分かりますがな。

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盛りだくさんな一日

2023/04/17
【第1742回】

先週の15日(土曜日)「風を打つ」の稽古が始まりました。昨年は東北ブロック、中部・北陸ブロックの演劇鑑賞会で大変な好評を頂いての再々演となります。公害病の一つである水俣病をテーマにしながらも、家族の強い絆を描いたこの作品で杉坂栄美子役を演じた音無美紀子さんが、初演で頂いた文化庁芸術祭優秀賞に続き、再演で読売演劇大賞優秀女優賞を受賞しました。今回の音無さんの受賞も、この困難な状況の中、頑張ってくれたキャスト、スタッフ全員での受賞だと思っています。芝居は、まさしく関わったすべての人たちの思い行動が一つにならないと成立しないし、観客に伝わらないものだと常日頃考えています。このことを逆算してキャスト、スタッフを選択しています。芝居の創り方も日常の人間関係と同じです。オレ我オレ我の我を出す人が一人でも居ると芝居は歪みを生じます...この芝居はどこに向かって成立させようとしているのか?これまで創ってきた作品がすべてパーフェクトだとはいきませんでしたが、こうやって30年近く継続できたことは、こうした思いを常に忘れずに企画制作したからだと思っています。

今回は、前回まで功一役を演じた高橋洋介に代わり、これまで2回トムの芝居で出演してもらった生津徹さんに出演していただくことになりました。稽古初日から気合十分、生津さんのこの作品に賭ける思いがヒシヒシと伝わってきました。5月18日の東京公演初日が楽しみでございます。

稽古終了後、音無さんの受賞のお祝いを兼ねて、久しぶり17人という大人数でのささやかな宴を催しました。久しぶりの歓談、皆ほろ酔い加減でございましたよ。

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週明けの空

2023/04/14
【第1741回】

星野博美著「世界は五反田から始まった」読了。著者の実家の町工場を舞台に、祖父、父を中心とした家族の歴史が描かれる。戦時中の東京大空襲、当時の国家の誤った指示で悲惨を極め人災でほぼ全滅したような満蒙開拓団の話。いつの世も、戦争は一部の権力者の手によって始められ、最終的には無辜の民が犠牲者になるというお決まりのコースに対し、星野さんは、浅はかな有力者や権力者と距離を置き、孤立しながらも生き延びる方法。重大な局面に立たされた時の、判断力。頼る人も組織もない場所にたった一人取り残された時、しなければならない交渉術。豊かさとも感動とも程遠い、ずる賢さ。この点を強調しながら話を進めていく。考えてみれば、誰しもが己の日常の基盤からこそ戦争を問い直すことが必要かもしれない。そうしないと、突然悲劇が訪れ対処の仕様が無いなんてことになっちゃいますぞ!と示唆してくれてる本でもありました。

この作家の本、何冊か読み、文体の軽妙さ大胆さには面白さを感じていました。でも今回の著作が第49回大佛次郎賞を受賞するとはちょいと意外でした。

この本を手にしたのも芝居にできる素材になるのではとの思いからでした。勿論、芝居とは関係なく読書の楽しみから本を手にはするんですが、仕事柄どうしてもついつい芝居にならんかな?と考えちゃうのも一種の職業病ですかね...

そんなこんなしているうちに明日から「風を打つ」の稽古が始まります。いやいや、月日が流れるのがこんなに早いとは...歳のせいかな?

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野に咲くシャクヤク

2023/04/12
【第1740回】

昨日、つい先日トム・プロジェクト所属が決まった村井國夫さん、大和田獏さん、そしてオーデションでの選考の結果、トムに入りたいと言ってくださった今年玉川大学を卒業したばかりの長野優華さんの写真撮りの現場に行ってきました。村井國夫さんはさすがに渋さと色気を兼ね備え貫禄十分、演者としての長い経歴と人生経験が適度にブレンドされて絵になりますね。大和田獏さんは、その人となりが全身から溢れています。誠実、可愛さ、優しさのオーラが醸し出されていました。撮影の間、獏さんの舞台を底支えする姿が目に浮かびました。長野優華さん、初々しさは勿論、健康美そのもの、トム最年少の役者となりました。どこまで成長していくかおおいに楽しみです。

これまでたくさんの俳優さんと出会い素敵な芝居を創ってきましたが、そのなかで実績十分な役者さんがトムに入ってもらえることは大変うれしいことであり心強いことです。ベテランのお二人、選択肢は沢山あったはずなんですが...いやいや、こうなればおいらもプロデューサーとして、このお二人のためにベストな舞台を企画せねばと気が引き締まる思いでございます。芝居は志を一つにしないといいものはできません。仲良しクラブでも駄目だし芝居の根っこの部分を共有できる人が居てこその舞台です。

昨日今日と夏日を感じさせる日が続いています。そんななかハナミズキが色鮮やかに咲き誇っていました。

 

薄紅色の可愛い君のね
果てない夢がちゃんと
終わりますように
君と好きな人が
百年続きますように

 

こんな歌をつい口ずさんでいました。

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平穏な日々が百年続きますように

2023/04/10
【第1739回】

新緑が美しい季節がやってきました。おいらが一年で一番好きな季節であり、命の尊さを痛感する日々でもあります。サクラが散り、新芽から芽生えるようにニョッキリと顔を覗かし、待ちわびたかのように樹々に色鮮やかな色彩を見せつけてくれる時間は、おいらの心身を開放してくれます。そして、日々成長していく葉の色も形も、まるで人間の性格、容貌がそれぞれに違うように樹木によってさまざまであり、その一枚一枚を眺めながら、あっ!この葉は、あの人、いやこの人なのかな?なんて楽しみ方もしております。誰が指図したわけでもなく、この季節に決まったように同じ風景を魅せてくれる自然界の大きなチカラ、そして遠い昔から争いと、破壊を繰り返してきたニンゲンに罰を与えるどころか、こんな素敵なプレゼントを飽きもせず与えてくれるなんて...ただただ感謝でございます。

地方選挙の前半の結果も出ましたね。いつもながら投票率も伸びず、もう誰でもいいんじゃない?なんて雰囲気になっていますね。要するに、立候補する人も投票する人もなんだか投げやりな気分じゃないかしら...そんななか、維新が野党第一党になるような状況が形成されそうな流れになっています。維新?まだまだ正体が見えない政党のような気がしますが、大阪から始めた、リーダー自らの給料を減らした分かりやすい手法が受けたんじゃないかしら...魑魅魍魎の政治の世界だけに、確かにシンプルさはアピール度が高いですね。

どうしようもない政治家の皆さん、この新緑をどう見てますかね?

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目にも鮮やか

2023/04/06
【第1738回】

加藤健一事務所の公演「グッドラック、ハリウッド」を観劇。1980年に一人芝居『審判』を上演するため加藤健一事務所を設立。以降現在に至るまで年間3、4本のペースで創り続け今回で114回目の公演である。今年73歳、歳は取っても、滑舌、凛とした立ち姿は日頃から体調管理が万全だと思う。一人の俳優が事務所を立ち上げ43年間舞台を継続できたことに頭が下がる思いだ。俳優として、経営者としての二束のわらじは並大抵のことではないはずだ。この事務所の芝居創りの特徴は、海外の埋もれた戯曲をチョイスし日本の観客にも抵抗感なくアレンジして舞台化させてきたことに尽きる。

今回の芝居も、アメリカのよくあるウエルメイド・コメディ。すっかり売れなくなった監督、脚本家(加藤健一)と新人脚本家(関口アナン)との世代間バトルに、老監督に優しく寄り添う助手(加藤忍)があと一歩新しい世界に踏み出せない老監督にそっと背中を押し続けていく2時間の芝居。3人の登場人物でありながら飽きさせないのは、何といっても戯曲のチカラだ。1938年生まれのリー・カルチェイムという劇作家なのだが、おいらも初めて知る作家である。一人の俳優として日頃から海外の作品を探し続けていること自体、芝居は台本が命だということは熟知している証拠でもある。

トム・プロジェクトも、来年で芝居創りを始めて30年。手前みそかもしれませんが、ここまで日本の劇作家に拘り、しかも100本全てが創作劇。こんな演劇制作会社ありませんことよ。

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スイセンとカルガモ

2023/04/03
【第1737回】

日本のプロ野球も開幕しました。WBCの熱冷めやらぬなかでのプレーボール、各チームの意気込みも半端じゃなかったと思います。我がライオンズも、昨年の覇者オリックスとの対戦で所沢の球場もすべてチケット完売の盛況。初戦は9回ツーアウトまでいきましたが、昨年までライオンズに所属していた森捕手に同点ホームランを打たれ、結局延長で負けてしまいました。移籍した途端に手荒い洗礼を受けましたね。このやんちゃな森、打撃はいいんだがピッチャーのリード、そして肝心な守備がいまいちなのでライオンズにとってもおいらはそんなに損失だとは思っていませんでした。移籍した人はライオンズとは既に関係ないのでどうでもええやんけ!好きだった秋山(広島)、そして去り際がスッキリしなかった浅村(楽天)などなど、まあ適当にやって下さいというのが本音です。

オリックス3連戦で見えてきたのが、トップバッターを任された助っ人マーク・ペイトン。なんじゃい?助っ人どころか、はやお荷物になった感じ。そして4番バッターの山川のふがいなさ。この方、来年はソフトバンクに行く噂が持ちきりなんだが、こんな無様な姿では契約金相当にたたかれてしまいますぞ...この選手のホームランは魅力的なんだが、なんともムラがあり来年他チームに行ってもおいらはそんなにショックではありません。

ライオンズの良いところは主力が出て行っても若い選手が次々と現れるところです。この3連戦でも新人守護神、青山選手など躍動感あふれる選手が登場し、松井新監督に初勝利をプレゼントしました。ライオンズ嫌だったらどんどん出て行ってくださいな。ライオンズファンは何の未練もありまっせん!

東京の桜もいよいよ終わりですね...3年ぶりに桜の樹の下で宴会を楽しんでいる人たちの姿を見るにつけ、あらためて平和の有難さを感じた週末でした。

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善福寺緑地公園

2023/03/31
【第1736回】

散る桜 残る桜も 散る桜

 

なんだかはっきりしない天気ですが、散りゆくの桜を愛でながら多くの人が桜の名所を散策しています。それにしても、今年の桜の咲き具合なんともさえない感じがいたします。

天候のせいなのか、はたまた世相の暗さなのか、桜もなんとなく不安げに咲いているみたいに見えるのはおいらだけなのか?まあ、これだけ物価が上がれば財布のひもも堅くなり老後の資金のために消費が冷え込んでしまうのは自明の理。物が売れなきゃ製造販売会社も利益が出なくなり、社員の給料も上がらない。まさしく負のスパイラルまっしぐらのわがニッポン。一方、フランスでは政府の年金改革を巡って国内が騒然としています。激しいデモ隊と警察とのやりとりを見ながら、70年代の学生運動を想い出してしまいます。亡くなった友の激しい怒り、あれだけ権力に立ち向かった輩が卒業するや大企業にすんなりと入社して行く姿、戦いのあとに残る様々な人の形になんともすっきりしないものがありました。

人の生き方は様々だと思いますが、やはり筋を通した生き方をしてる人においらは共感します。最近では、やはり中村哲さんですかね...「一隅を照らす」一人ひとりが自分のいる場所で、自らが光となり周りを照らしていくことこそ、私たちの本来の役目であり、それが積み重なることで世の中がつくられる。

改めて、残された人生、しっかりと生きねば思っとります。

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様々に咲いてます

2023/03/29
【第1735回】

もうええ加減ええやろ...いまだWBC関連のニュースがお茶の間に溢れています。コーチの裏話、今日はアメリカまで追っかけてヌートバー選手のお母さんまで登場しました。確かに連日暗いニュースが続く中、今回の件は、今まで野球に興味なかった人まで巻き込み大きな社会現象になったばかりか、人間教育論までに影響を及ぼした感があります。栗山監督の言葉「夢はできる・できないではなく、やるか・やらないかだけだ」これなんかは、今生きる人誰しもに贈りたいメッセージ。今回、ヘッドコーチとして監督と一緒に戦った白井コーチは「栗山監督を言葉で表すと、信じて、任せて、感謝する。そういう人だなと。任せたあとに何が起きても全てのことにありがとう。そこがね、本当に凄いなと思う」としみじみ話していました。日々、頬がこけていく栗山監督の姿を見るたびに、孤高の中でも人間としての矜持を感じました。誰しもが思ったでしょう...こんな人が父であり、上司であり、国のトップを司る人であったらなあと。

明日からは日本のペナントレースも始まります。暫くは、この勢いで野球人気が続くに違いありません。我がライオンズも31日にオリックスとの対戦でスタートします。WBCで骨折した源田選手は居ませんけど、ライオンズ伝統の若い新スターが現れ面白いゲームにしてくれることを期待しています。がんばれ!がんばれ!ライオンズ。

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久し振りの青空

2023/03/27
【第1734回】

「ソングマン」昨日、無事千秋楽を迎えることが出来ました。観劇後、様々な意見が寄せられました。え!これトム・プロジェクトの作品?「いや、楽しかった...青春時代を懐かしく思い出させてくれましたよ。」一方、「トムらしいテイストが感じられなかった...」いやいや

若い制作者に一切任せた公演ですから、これらの反響は想定内です。改めて芝居を観る側にも演劇に対する一定の規範があることが良くわかりました。演劇とは?長年にわたって芝居に関わったおいらにもまだまだ未消化な部分があります。しかし考えてみればジャンルを問わず、観る側と創る側が共に夢を持てるものであればすべて演劇だと思います。

変な偏見を持たず、今、目の前の舞台に素直に感じる気持ちがあれば今まで感じられなかったことの一つや二つの新鮮な発見があるはずです。何事もそうなんですが、好きなことに執着していくうちに、自分自身がその道のプロになっちゃった錯覚に陥ることがあります。そんな時は、一旦身に付けた鎧を外すと意外と新鮮な風が吹きぬけて新たな気付きに自分自身驚くこともありますよ...

でも、すべての舞台がそうでないことも確かです。おいらだって、このくそ舞台に貴重な時間とお金を奪われ、どうしてくれるんだ!と怒り心頭に発することもありますよ。

要は、何事も心身ともどもいつも風通しの良い状態にしていれば、ほんの少しでも生きるヒントを貰えるんじゃないかしら?

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今日のサクラ

2023/03/24
【第1733回】

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし...古今和歌集53 在原業平朝臣の有名な歌である。そうなんですね、桜がなかったら、そろそろ咲くのかな?もう散ってしまうんだろうか?と思い煩うことなく平穏に過ごすことが出来ると思う。でも、今こうやって桜は現実咲いているし何とも悩ましい思いをかき立てている。その複雑な心情を通して桜の魅力、そして長い冬を経て訪れた春の悩ましさを見事に表現しています。

今日も、満開になった桜が吹く風に乗って心地よいリズムに乗って散り始める光景を眺めながら、未だ覚めやらぬWBCの余韻を感じています。この桜ってやつは、この国のシンボル的存在であることは紛れない事実です。桜の季節の別れと出会い、新たなスタート、戦時中には戦意高揚のために利用されたこともあります。人生の節目としても桜は欠かせないものです。パット咲いてパット散る、このなんともいえない時間に人はなにを思うか?

「ソングマン」も今日で4回目のステージを無事終えることが出来ました。さすがに若い人たちによる芝居、テンションが全然落ちません。喜寿を迎え、さすがのおいらも心身ともそれなりに落ちてきております。今回の芝居を観ながら、嘗ての青春時代のあれこれを想い出してしまいます。苦い想い出も含めて良いことも悪いことも、今ではすべて過去形です。人生全て3分前は過去だと潔く切り捨てればとは思いますが、少しは未練がましく思ってしまうのも人の性なんでしょう...

桜の見ごろも今週一杯かな?今年も思い残すことなくサクラ♪サクラ♪堪能いたしましょう。

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神田川のサクラ

2023/03/22
【第1732回】

やりました!WBC、日本が優勝しました。おいらもハラハラドキドキしながら最後まで観てました。8回ダルビッシュ、9回大谷の豪華リレーは夢のようなシーンでした。今後決して観ることが出来ない場面に遭遇出来たことに感謝。準決勝の9回裏の逆転サヨナラ、そして今日の痺れるような試合展開の中、大谷の気迫のピッチングで1点を守りきりました。勿論、大谷、ダルビッシュは凄いのだが、今回の日本チームの勝因はチームが一丸となって戦ったことに尽きると思います。地味目の若手投手陣の頑張りも見応えがありました。メキシコ、アメリカチームの選手のほとんどがメジャーリーグばりばりの現役選手、普通だったら縮こまって心臓パクパクになってもおかしくないのだが、胸を張って堂々と投げ込む姿に感動いたしました。今時の若いもんはなんて言葉がぶっ飛ぶくらいの活躍振りでございます。急遽呼ばれたオリックスの山崎投手はじめ出場の機会が無かった選手も、気持の上でしっかりと戦う姿勢を示していたこその優勝だったと思います。

最近、あまり良いニュースがなかっただけに、今回のWBC日本の人達に夢と希望と勇気をもたらしたに違いありません。

そして、トム・プロジェクト今年最初の東京公演「ソングマン」が昨日、無事に初日を迎えることが出来ました。19日の岩手県一関市の公演を経ての舞台、若手の皆さん、今回の侍JAPAN参加した若手選手に負けず劣らず弾けて演じていました。歴史が証明しています。世の中を変革していくのはいつの世も若者でございます。

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今日のサクラ

2023/03/20
【第1731回】

ノーベル文学賞作家、大江健三郎さんが亡くなりました。若い頃にこの作家の作品貪るように読みました。おいらが好きだったのは「飼育」「個人的な体験」「芽むしり仔撃ち」「万延元年のフットボール」「同時代ゲーム」位までかな。その後の作品は観念的になり文学そのものを解体し再構築していくようでもありました。その一方、戦後民主主義者を自認し、憲法九条を守る運動、広島、沖縄の対する忌憚のない発言をしつづけてきました。言語に拘りながら、世界の危機的状況に一貫して弱者の立場に立ちながら世界に発信してきた功績は計り知れないものがあると思います。

今から半世紀ほど前になりますが、新宿に在ったジャズ喫茶ビレッジバンガードで大江さんを見かけたことがある。物静かな佇まいで店内に流れる曲を耳にしながら心地よさそうにウイスキーを何杯も飲まれていた。村上春樹然り、ジャズを愛好している作家の文体は、いずれもスイング感が溢れ、ジャズファンとしては行間から音が零れ落ちそうな感覚にとらわれ二倍楽しめる読後体験。

この時代、こうやってまた一人、平和を希求する有能な旗振り役が姿を消していく現状に不安を覚えます。こうなったら一人一人の粘り強い行動で全ての争いを止めさせるしかありません。

生きている以上、それを放棄することはとんでもない犯罪行為に匹敵するかもしれません。

世界は、地球と言う惑星はそれほど危機的状況でございます。

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こんなの好きだな

2023/03/17
【第1730回】

そりゃ観たくなりますがな...大谷が投げて打って、おまけにダルビッシュ有まで出てくるんだから、まさしく夢の競演。芝居でいえば千両役者の揃い組といったところですな。昨日のゲームで一番しびれたのは大谷のバント。誰しもがホームランを期待しているなかチームの勝利のためにバント、慌てた投手は暴投、一塁ランナーが一挙に三塁まで走塁し次打者吉田が強いヒット性の当たりで貴重な先制点が入りました。この大谷選手ってホンマに世界一ですわ!世界のお父さんお母さん誰しもがこんな子が欲しいと願うのが良くわかります。これほど非の打ち所がないと逆に気持ち悪いものだが、そう思わせない爽やかな笑顔と時折見せる勝負師の顔、こりゃたまりません...こんなスーパースターになるとほとんど外出もままならない状態の中、苦にするどころか今はすべて野球のために時間を過ごすことが一番楽しいと言い切ってるところもなんとなく大谷らしい。

昨日の試合、我がラインズの源田の渋い守備と打撃も素晴らしかったです。骨折した小指にまかれたテーピングの痛々しい姿でのなか、はつらつとしたプレーをする職人源田選手に拍手。21日アメリカマイアミでの準決勝が楽しみです。確かに史上最強の侍JAPANらしい4試合でしたから十分優勝の可能性ありと思ってますが、勝負事は何が起こるかわかりません。だから野球は面白いんですよね?

「ソングマン」東京公演の前に、明後日19日(日)岩手県一関文化センターで公演します。

お近くの方は是非、若者たちの青春群像劇を観に来てくださいね。

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もう少し待っててね...

2023/03/15
【第1729回】

3月21日~26日まで新宿スペースゼロで上演する「ソングマン」の最終稽古を見てきました。今回の芝居はトムの若い制作者に任せました。おいら世代とは違う感覚で創ってもらいたいとの思いを込めて...いやいや、後味の良い芝居に仕上がっていました。若い役者のピュアな感性が嫌みなく表現された青春ドラマ。通俗的だと言えばそうだが、この混沌とした世界の状況の中、ましてやマスク生活で正常なるコミュニケーションがままならない昨今、青春真っただ中でひたむきに生きようとする姿はとても爽やかで勇気づけられる芝居だと思います。

長いこと芝居に携わっていると、いつのまにか自分の演劇観が固定化される傾向があります。要するに自分はこんな形の芝居を創りたい!何事も核になるものは必要なのだが、あまりにもその核に拘り過ぎて自縄自縛状態になるケースを何度も観た記憶があります。

創っては壊し、又新たなことにチャレンジしていくことが表現者としては理想形なのだが、一旦手にしたものを手放したくないのが普通の人間でございます。

今回の芝居も、おいらがこれまで創った芝居とは随分かけ離れた芝居だと思っていましたが、所詮、テイストは違えども、伝える側の志し次第で、どんな観客にも届けられる演劇として成立するものだと改めて納得できました。今回の作・演出、なるせゆうせい君とは27年前に彼が学生だった時に出逢いトム・プロジェクトの第一回新人公演を任せました。その後、彼も自分の会社を立ち上げ作・演出・監督としてこの業界で活躍しています...おいらにとっても久しぶりのなるせ作品。昨日見た段階で、その後の彼の切磋琢磨の時間を垣間見た感じがしてなんとも感慨深いものがありました。

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こちらも満開です

2023/03/13
【第1728回】

先週の木曜から昨日まで、この国はWBCの話題で盛り上がっています。おいらも全試合TVで見ましたが侍JAPANは強い。栗山監督の勘がズバリと当たりましたね。その大ヒットはラーズ・ヌートバー選手を入れたこと。まだまだアメリカでも未知数の選手であったのだが、走攻守すべてのおいて優れているうえに彼の人間性を見抜いたことが大きい。その彼をトップバッターに持ってきたのがまさしく大ヒット。ファーストストライクから果敢に打っていく積極性が他の選手にも乗り移り連日の大量点に繋がっている。2番バッター近藤が上手くつなぎ、待ってましたの大谷とくりゃ、そりゃ勝ちますがな。村神様は不振だが、そのあとのクールな吉田がこれまた打ちまくるんだから相手の投手はお手上げ状態でございます。それに比してJAPANの投手陣は粒ぞろい、このグループでの全勝は当然の結果かな。今回対戦したチームで好感度を持てたのがチェコ。この国の選手は野球の他にも仕事を抱えながらのプレー。大したもんでございます...佐々木朗希投手の剛速球を足に当てられ七転八倒してた選手が不服そうな顔もせず元気に立ち上がりプレーを続けたシーンは球場全体大きな拍手が送られてました。それに反して、韓国戦で、ヌートバー選手が背中に球を当てられたのに韓国の投手は帽子を取って謝りもせず逆に死球を食らった選手に歩み寄る有様。こんな仁義に外れたことしてるから韓国は一次リーグで敗退も至極当然でござんす。

このあとのヌートバー選手のインタビューがユーモアあふれて笑っちゃいました。背中にボールを当てられたことに対し「丁度、凝ってるところに当たったので良かったです...」このジョークをすんなりと喋れるこの選手こそが一次リーグのMVPでしょうね!

連日の試合の最中、東日本大震災後12年目にあたる3月11日がやってきました。まだ避難している人が居て、故郷に戻ることをあきらめた人が居て、事故に遭った福島第一原子力発電所の行く末もわからず...こんな状態なのに、この国のリーダー、原発の再稼働を追加で目指す方針や次世代原子炉の開発・建設の検討など原発政策を前に進めようとしています。

こんなリーダー、政権、だれが選んだの?野球ばかりに気が行っちゃってると、この国とんでもないことになっちゃいますよ皆の衆。

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もう、こんなに咲いちゃいました
~新宿東南口~

2023/03/10
【第1727回】

今日は勿論、昨日のショウタイムを書かねばならないでしょう...なんとTV41.9%の視聴率。そりゃ観るでしょうね、あの大谷翔平が投げて打つんですから。この日は朝の5時からドーム前でグッズの争奪戦で長蛇の列。これも16番のユニフォームが一番人気。このユニフォームを着て観戦するのが夢だったという人が溢れかえった一日でした。その期待に応えて投げては4回まで1安打無失点で抑える好投。打つ方でも4打数2安打2打点、こちらも申し分ない成績でした。これだけのプレッシャーのなかでも、いつものさわやかな表情でプレーする大谷、ほんまに世界の大谷ですわ!野球界に留まらず、アスリートとしての彼の存在は絶大なるものがあります。驕らず、謙虚に、爽やかにプレーする姿に誰もケチが付けられない選手もそうそう居るものではございません。

なんとも重苦しい中国戦でしたが、牧のホームラン、代打山田の追加点につながる一打で一気に日本の流れにしてしまいました。おいらなんぞは、この一戦10対0くらいで勝利すると思っていたのだが、なんと意外に中国も強かった。この大国いずれにしても末恐ろしい潜在力を持っている。中国の宣伝のためなら人とお金はとことん注ぎ込む全体主義。アメリカから来た老監督の佇まいが妙に可笑しかった。

今日は韓国戦、昨日オーストラリアに負けただけに、必死の思いでくるだけに恐い気がする。

先発のダルビッシュ、DH大谷の活躍を皆が楽しみにしているに違いない。だが、一つ狂い始めると何が起こるのかわからないのが勝負の世界...どうなりますことやら?

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新宿東南口に咲いた
タカトオコヒガンザクラ

2023/03/08
【第1726回】

庶民は怒ってます...この物価高で多くの国民が悲鳴をあげているのに、2月27日に参院運営委員会の庶務小委員会で麹町議員宿舎の家賃が月額2568円減額した8万9642円になることに反対したのは日本維新の会の一人だけと言うんだから腹が立つ。いつもは威勢よく反対をぶち上げてる共産党、立憲民主党もこの時はだんまり。民間ならば家賃相場は50万円から55万円という相場なのに政治家先生だけがいい思いをしてるとしか言えない。給料の他、月65万円の立法事務費などをひっくるめると年収は約4000万円といわれている。これらが必至豆炭に生きている庶民の血税から支払ってると思うと更なる怒りが増してくる。金額に見合った仕事せんかい!ちんたらちんたらした仕事ぶりを見てるとこの国の未来はありまっせん...異国の地で給料泥棒してるなんたら議員にも完全に持て弄ばれこの機に及んでようやく除名する始末。この際、除名に値する議員もわんさか居るんで一緒に辞めさせたら庶民の皆様もスッキリ致します。

今日の東京は4月並みの暖かさ、コートを脱ぎ捨てる感覚は実に気持ちが良いもんでございます。この気温が続けばサクラの開花も早くなりそう。この時期、桜のつぼみを覗くのもなんともいえないトキメキを感じます。そして野の花が肩を寄せ合い春の会議をしているさまがこれまた可愛いもんでございます。

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春の会議

2023/03/06
【第1725回】

日一日と春が近づいています...トム・プロジェクトもこの春の知らせに相応しいニュースが飛び込んでおります。3月1日の大和田獏さんの所属に続き、今日は村井國夫さん所属の発表です。お二人とも、おいらが説明することなくみなさんご存じの方です。獏さんとは「萩咲く頃に」に初めて出演していただき、役者大和田獏の魅力を存分に発揮していただきたいとの思いから、その後「Sing a Song」「モンテンルパ」に出演依頼。どのシーンにおいても舞台をきっちりと締めていく技量、そして心ある演技は観客の多くが納得済み。

村井國夫さんと言えばミュージカル俳優。「マイ・フェア・レディ」「レ・ミゼラブル」は今でも伝説の舞台として語り継がれています。そしてあの声、ハリソン・フォード、ジェラール・ドパルデューの吹き替えはあまりにも有名です。そんな村井さんに、情けない九州のおじさんの役をやらせてみたら面白いんじゃない?という発想から「満月の人よ」に出演していただきました。この芝居での脱力しっぱなしの役者村井國夫においらもびっくり、今までミュージカルを観てた人も驚愕したに違いありません。その後、「砦」「芸人と兵隊」「にんげん日記」と出演していただきました。

トム・プロジェクトも今年から新体制でスタートしています。第二次トム・プロジェクトを創り上げるためになんとも心強いお二人が入ってくれたと思ってます。

これからのトム・プロジェクトの芝居、ますます目が離せませんな...

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春だね!ハナサフラン

2023/03/03
【第1724回】

今日、嬉しいニュースが入ってきました。博多で芝居をやるときにいつもお世話になっている気象予報士の吉竹顕彰(よしたけあきら)さんが、放送事業の発展や放送文化の向上に功績のあった人たちに贈られるNHK放送文化賞を受賞しました。芝居関係では脚本家で演出家の三谷幸喜さん、俳優の吉行和子さんも同時受賞。実はおいらとは従妹関係なんですよ。思い起こせば、おいらが博多で初めてテント芝居に出演した時に、当時九大の学生であったあきらちゃんを、今は無き六本松の名物スナック「ひろ」に連れて行ったことを鮮明に覚えています。その後、地元で30年以上にわたってNHK福岡の夕方のニュース番組に気象キャスターとして出演し穏やかな語り口と飾らない人柄で親しまれていました。一方、災害時には連日、緊急ニュースに出演し、詳しい状況を伝えてきました。2017年の九州北部豪雨の際には、レーダーの雨雲の様子から線状降水帯の危険性を察知し「命を大切にして下さい。それに大変危険な状況です。すぐ避難をして下さい」と呼びかけ気象予報士による「命を守る呼びかけ」の先駆けとなりました。

あきらちゃん、トムの博多公演には夕方の番組終了後に韋駄天の如く毎回駆けつけてくれました。終演後、あきらちゃんを含め仲間と一緒の飲み会も博多公演の楽しみの一つでもありました。

前回にも書きましたが<世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない>あきらちゃんも間違いなくその一人だと思います。

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今日の空模様

2023/03/01
【第1723回】

今日から待ちに待った弥生でございます。昨日に続き、今日も東京は春の陽気です。冬のコートを脱ぎ、春の装いで颯爽と歩く若者の姿を見るにつけ、もうすぐ春ですね♪てな嬉しい気分になっちゃいます。

でも、この3月は忘れてならない東日本大震災が発生した月でもあります。もうすぐ12年になりますが、この国がこれから先も忘れてはならない3月11日がやってきます。

先日、新聞でこんな記事が掲載されていました。

 

「モンティ先生」陽気な米国人先生は子供たちから親しみを込めてそう呼ばれていました。アラスカでの少年時代に両親を亡くした彼は、教師が一人一人の子供たちと長く付き合うことの大切さを大事にしていました。「将来は日本と米国の懸け橋になりたい、人の役に立つ仕事がしたい」という思いで外国語指導助手として2009年に岩手県陸前高田市にある米崎小学校に赴任してきました。校外でも、近所の住民とお茶会を開いたり、居酒屋に飲みに行き交流を深めていたそうです。2011年3月11日は彼にとって米崎小での最後の授業、副校長から一つのお願いをされました。それは司馬遼太郎が1980年代、日本の未来を憂いて小学生の国語教科書に書いた「洪庵のたいまつ」。その一説を子供たちに英語で紹介したいと英訳を頼まれました。<世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない>彼は快く引き受け、サラサラと英訳を書きました。その後、授業終了を報告するため市教育委員会に向かいました。その約1時間後の午後2時46分、陸前高田市を震度6弱の地震が襲い津波が押し寄せました。市教委の入った建物は津波にのまれ教育長、次長も流されました。後日、彼も遺体で見つかりました。

あの日受け取った英訳の紙片は職員室の机の上に残っていました。その後、来日した遺族に遺品として渡したが、副校長は教員を定年退職した今も、紙片のコピーを大切に保管している。<世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない>これは26歳で亡くなったモンティことモンゴメリー・ディクソン、あなたのことですよ...

 

この不穏な時代、一日一日、生かされてる者にとっては大切なことであることを改めて思い知らされる記事でありました。

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弥生

2023/02/27
【第1722回】

先週の金曜日、読売演劇大賞の授賞式が帝国ホテルでありました。トム・プロジェクト関係では「風を打つ」に出演して頂いた音無美紀子さんが優秀女優賞。トムの作品にもお馴染みの劇団チョコレートケーキが最優秀作品賞、そして見事、読売演劇大賞を受賞しました。音無さんは「風を打つ」の初演時にも文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞しており、再演して再度評価された今回の快挙です。

一方、劇団チョコレートケーキ大賞受賞作「生き残った子孫たちへ 戦争六篇」は演劇史上でも画期的な公演でした。昨年2022年8月、東京芸術劇場シアターイースト/シアターウエストにて上演。再演五編、新作一編、いずれも日本が関わった戦争の物語です。短期間での稽古スケジュール、そして所属している3人の男優の掛け持ち出演は大変だったと思います。ロシアのウクライナ侵攻、コロナの脅威という状況の中で戦争の本質を突きながら、平和を願った作品はどれも観客の心を揺り動かしたに違いありません。

「風を打つ」は水俣を題材にした作品。今年も5月~6月にかけて再々演を展開します。環境、戦争、家族、人間がこの地球上で生きていくために未来永劫忘れてはいけないテーマだと思っています。この大切なテーマを盛り込みながら生身で創り上げていく演劇は、このハイテクな時代では最も効率は悪いのですが、だからこそ観客に伝わるものはより密度が濃いものになり思考、行動を変えてしまうチカラに転換出来うるものと信じています。

今回の受賞も、この世界の難局を乗り越えるための過程、今日から又新しい作品に向けての戦いは始まっています!

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おめでとう!

2023/02/24
【第1721回】

新国立劇場中劇場で音楽劇「逃げろ!」の東京公演初日を観劇。いやはや若い女性で満杯、キャンセル待ちのお客様も並んでおりました。ジャニーズ事務所の男優さんと、2.5次元での人気者男優のそろい組ということでの盛況らしい。おいらは村井國夫さんの出演ということで観に来たのですが、まあこんな機会でなければこの手の芝居はなかなか足を運びませんな...内容はモーツァルト傑作台本3本を書いたイタリア詩人・作家とモーツァルトのやり取りを描いた2時間の芝居。歌と踊りを交えて若い俳優さんが所狭しと舞台上で熱演してました。その中で、やはり存在感を示したのが村井國夫さん。お孫さんのような演者に対して、負けずとも劣らないどころか演技たるものの見本を魅せてくれました。そして、トムの芝居にも出演したことのある篠井英介さんも、彼でしかできない魅惑的な表現で舞台を締めていました。主役がどんなに頑張っても、やはり脇に控える役者が居てこその芝居ということを実感した次第です。この芝居を2時間牽引した3人のミュージシャンの音楽力も見事でした。3人だけで、まるでオーケストラに匹敵する質量を発する音を展開してくれました。

今回の芝居というより、お目当ての俳優さんを観るために駆けつけた多くの観客が、これをきっかけに芝居が好きになり他の芝居も観に来てくれれば、こんな嬉しいことはありませんことよ。

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渋い!

2023/02/22
【第1720回】

昨日は、東京芸術劇場シアターイーストで劇団温泉ドラゴン「悼、灯、斉藤」(とう、とう、さいとう)を観劇。この作品は、作者である原田ゆうさんの家で起こった実話を元にした作品です。2020年6月に介護士だった実母が突然亡くなり、残された三兄弟が集まり、これまでの人生を振り返りながら、語り合い衝突しながら関係を修復していく物語。勿論、その輪の中にお父さんの存在があり、親子の微妙なやりとりも描かれていました。

今回の作品の演出・主宰者であるシライケイタ、次男役いわいのふ健、亡くなったお母さん役の大西多摩恵、長男の妻を演じた林田麻里さん。この4人はトムでも過去に一緒に仕事した人達です。時間を経過した中で、それぞれがそれぞれの形で表現の変化を観るのもプロデューサーとして楽しみの一つです。今回、母を演じる女優さんが体調不良で降板され、2週間で創りあげた多摩恵さんの奮闘振りに拍手。芝居屋さんは助けられたり、助けたり、長年芝居やってますと、その辺りの案件を阿吽の呼吸で危機を乗り越えたなんて事例は数多くあります。

母ものはやはり涙なしでは見られないですね、会場のあちこちですすり泣きが聞こえてきました。これも役者の表現力、そして演出力があっての話。10年から20年、芝居をやり続け力を蓄えていく劇団の過程も大変ドラマチックでございます。

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Welcom to Japan

2023/02/20
【第1719回】

先週の週末は、劇団トラッシュマスターズの「入管収容所」を観てきました。2021年3月6日、スリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が名古屋出入国在留管理局で死亡したウィシュマさん死亡事件をモチーフに、日本の入管庁(出入国在留管理庁)の問題に斬り込んだ舞台。未だにこの国の為政者は、不法滞在の外国人はほとんどが悪い奴らと決めつけて対応している。移民、亡命者にたいする接し方も後進国並みだ。確かにこの資源に乏しい島国が、異国の人たちに制圧される光景を想像するとあまりいい顔しないのは分かる気がする。しかしながら、先にも触れたのだがこの国の働き手が少なくなっていく将来、異国の人たちと手を携えて生きていかなければならないことも想定しなければと思う。

トラッシュマスターズの芝居は、いつも今あるこの国の問題点をいち早く取り上げ舞台に仕上げていく。ある意味、演劇は今を描いてこそのアートかもしれない。今回の舞台もメディアで報道される上っ面のことではなく、劇作家、中津留章仁が綿密に取材したことを基本に自らの想像力を駆使して2時間40分の芝居に仕上げた。出入国在留管理局の非人道的な数々が目の前で繰り広げられ戦慄さえ覚えた次第だ。これも演劇が放つチカラに違いない。演劇とは己が信じた思考を行動に移す極めてシンプルな表現でございます。

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サギは後ろ向き

2023/02/17
【第1718回】

今、第168回直木賞、第13回山田風太郎賞と併せてダブル受賞に輝いた小川哲作「地図と拳」を読んでいます。なにせ全640ページという大作、半分あたりまで来ました。登場人物が複雑で多岐にわたり、あっちゃこっちゃと引きずり回されますが満洲を舞台にどこまでが真実かどこまでが架空の話か、読み応えのある小説であることは間違いありません。

先日、作家がこの受賞に対するエッセイを書いていました。

その中で興味深かったのが祖父に対する気持ちです。祖父が亡くなる10年ほど前に自伝を出版した時に、周囲の人たちは冷ややかな反応をしたそうだ。戦時中に共産党員だった祖父は党の活動のせいで逮捕され大学も退学。学徒動員で召集された時も負の感情を抱き、天国や神の存在を信じていなかったそうだ...そんな祖父に今回の受賞をどう報告されますか?と質問してきた記者は天国の祖父に感謝の気持ちを述べるだろうという予測に対し、彼はきっぱりと「祖父の人生を尊重する限り、もう死んで骨となった伝える言葉など、僕にはない」。記者会見の短い時間で、祖父の過去を説明できるはずもなく無理だと思ったそうだ。自分がどれだけ上手に説明しても、記事では切り取られてしまうかもしれない。だから、伝えることはないと答えた。祖父はすでに死んでしまったが、その存在はきっと自分の本の中で生きている。そして、本と言う形で自分の人生を残そうと考えた祖父のことを今でも尊敬していると記している。

久しぶりに作家としての矜持を強く感じた言葉でございました。

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如月の夜空

2023/02/15
【第1717回】

昨日は日生劇場でホリプロ制作のミュージカル「バンズ・ヴィジェット」を観劇。ミュージカルになんと風間杜夫ちゃんが出演しているので、どんな歌をご披露するのか楽しみにしていました。この作品はトニー賞で10部門を独占したのだが、従来のミュージカルと違い大規模で派手な趣向のある作品というわけでもない。しかし、イスラエルに演奏旅行に来たエジプトの音楽隊が道に迷い、地元のイスラエル人と一晩交流をするというシンプルな物語の中に、国境を越えた人の交流を丁寧な描きながら、心情溢れる空気とエキゾチックかつ独創的な音楽は過去のミュージカル作品にはないものを感じました。杜夫ちゃんは誇り高い楽隊長の役、抑制の効いた演技で地味ながらも存在感を示しておりました。期待していた歌は一曲だけでしたが相手役の濱田めぐみさんと上手くハモっておりました。

それにしても御年もうすぐ74歳になるというのに、若い俳優さんと一緒に演技している姿は元気をもらえます。ここが俳優業のいいところですな...なんといっても死ぬまで現役で居られんですから。と言っても舞台は台詞を覚えなきゃ成立しないので、覚えられなくなっちゃえば舞台俳優としては引退宣言。事実、この一件で引退した俳優も居ましたね。加齢とともに日常生活でも「あれ?あれ?」を連発することも度々。本当に出てこないんだよねこれが...ましてや舞台では高い入場料金頂いて足を運んで来てるお客さんの前で台詞が出てこないとなると失笑を買うと同時に、それまで築いてきた芸歴に傷が付き仕事が激減してしまうという最悪の未来が待ってます。だからこそ舞台は価値があるんですな。生身の身体を晒しながら己自身に鞭打つ姿をハラハラドキドキ見応え十分でございます。

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寒い一日

2023/02/13
【第1716回】

週明けの東京は雨が降り寒い一日です...連日報道されているトルコ、シリアの地震による甚大な被害。厳寒の中、焚火にあたる被災者の映像を見るたびに心痛みます。シリアでは内線が続いており政権側がしかるべき救済に当たってないこともあり、ここにも理不尽な状態が続いています。天災は人の手では何とかならないにしても、せめてもの戦争は人間の思考でなんとかなるはずなのに止めることが出来ない情けない世界、いや人類。天災は今後予想もつかない出来事が起こりそうなので、せめて戦争だけは止めて欲しいと誰しもが思っているのに止まらない。今はメディアもトルコの地震報道で一色だけれど、ウクライナもロシアの無差別攻撃で危機的状況。焼けただれた我が家の前で、呆然と立ち尽くす老婆の表情は怒りを通り越し諦観の境地。確かにウクライナがロシアに占領されれば民主主義、自由主義の敗北に繋がり世界の状況は一気に変貌するに違いない。それを阻止するため西側諸国は武器を提供しウクライナの勝利につなげるための援助はしているのだが、この状況が長引けば長引くほど死傷者が増え続ける...一人の独裁者の欲望、誰かストップかける奴おらんかいな!

2月生まれのおいら、よくぞこんな寒いときに生まれここまで活かしてくれたもんだと感謝いたしております。いつもながらの通り道にいつものように梅が咲いております。いつもの風景を今年も拝観し、あらためて平和の有難さを痛感した次第でございます。

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梅は咲いたか桜はまだかいな~

2023/02/10
【第1715回】

今日はしんしんと雪が降っています...いつも雪の日に感じることはなんだか心落ち着き、そして不思議な気分にさせてくれます。あの落ちてくる速度の緩やかさに思いを寄せ、いつもの日常を銀世界へと変貌をさせることによって、それまでのすべてをリセットさせてくれそうなマジック。その雪を眺めていると、おいらが好きな詩人の一人、吉野弘さんの「雪の日に」を想い出します。

 

雪がはげしく ふりつづける
雪の白さを こらえながら

欺き(あざむき)やすい 雪の白さ
誰もが信じる 雪の白さ
信じられている雪は せつない

どこに 純白な心など あろう
どこに 汚れぬ雪など あろう
               
雪がはげしく ふりつづける
うわべの白さで 輝きながら
うわべの白さを こらえながら
雪は 汚れぬものとして
いつまでも白いものとして
空の高みに生まれたのだ
その悲しみを どうふらそう

雪はひとたび ふりはじめると
あとからあとから ふりつづく
雪の汚れを かくすため

純白を 花びらのように かさねていって
あとからあとから かさねていって
雪の汚れを かくすのだ

雪がはげしく ふりつづける
雪はおのれを どうしたら
欺かないで 生きられるだろう
それが もはや
みずからの手に負えなくなってしまったかのように
雪ははげしく ふりつづける

雪の上に 雪が
その上から 雪が
たとえようのない 重さで
音もなく かさなってゆく
かさねられてゆく
かさなってゆく かさねられてゆく

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ユキツバキ

2023/02/08
【第1714回】

新宿西口広場に80歳前後のおばあちゃんが一人、俳人の金子兜太さんが書いた「アベ政治を許さない」のプラカードを掲げて立っていました。安倍政権時代には作家・九条の会呼びかけ人の澤地久枝さんが、毎月3日午後1時に掲げようと提案をし、あちらこちらで見かけたもんですが、ここ最近では久しぶりに見かけました。その横には菅元首相の名前も連記されてました。柔和な顔でありながら、刻まれた皺と同じく彼女の強い信念を感じた次第です。おいらもその凛とした立ち姿に思わず「お疲れさまです。」と声を掛けました。

新宿西口広場と言えば、一日の通行人数は相当の数だと思います。衆目の面前でこれだけの意思表示をすることはかなりの覚悟がいるはずです。おそらく家族、親戚には「みっともないから止めなさい!」「いい歳していい加減にしなさい...」なんて言われたに違いない。でも、彼女にしてみれば今のこの国の政治、国際情勢の大きな危機感から矢も楯もたまらず今回の行動に踏み切ったに違いない。諦めちゃダメなんです...この島国ニッポン、たしかに素晴らしい自然に恵まれ、繊細な気配りを持ち合わせてはいるんですが、こと政治になるとほぼ諦めの境地の人が多いんじゃありませんかね。

何が正解か分かりませんが、己の意見を持ち、間違いだと思ったらはっきりと異見する人間でありたい...そのためには、自分磨きを日々ゴシゴシしなきゃなりませんね。

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生きてます!

2023/02/06
【第1713回】

先週末は「モリコーネ~映画を愛した音楽家~」を鑑賞。稀代の映画音楽家エンニオ・モリコーネ、この伝説のマエストロに、弟子であり親友でもある「ニュー・シネマ・パラダイス」を監督したジュゼッペ・トルナトーレ監督が5年の歳月を掛け密着取材し完成させたドキュメンタリー映画である。おいらが大好きな映画のシーンとともに流れるモリコーネの曲がなんと心地良かったことか。「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「アルジェの戦い」「ウエスタン」「ケマダの戦い」「1990年」「天国の日々」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「ミッション」「ニュー・シネマ・パラダイス」「アンタッチャブル」「海の上のピアニスト」などなど上演時間2時間37分、あっという間の時間でございました。考えてみれば、いつまでも心揺さぶられる映画には琴線に触れる音楽が伴走していました。自分の音楽を客観的に見られなくなった時、エンニオは音楽をまず妻に聞いてもらうことを選択すると喋っていました。謙虚で才能溢れたアーチストにも妻という良き伴走者がいたんですね。インタビューを受けるモリコーネ実にいい表情していました。貴方だったら唯一無二の旋律で映画に愛と命を吹き込むことができるはずだと納得した次第です。

唯単なる叙情に溺れることなく、渇いたアバンギャルド的音を交えながら構成していく手法は、彼自身が常に前衛の気持ちを忘れずに曲創りに邁進したからだと思います。いつ聞いても新鮮で最後には泣いちゃいます...2020年7月に91歳で亡くなったモリコーネに乾杯!

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永遠なれモリコーネ

2023/02/01
【第1712回】

ぼったくり男爵の発言がまたまた話題になっている。現在、国際大会から除外されているロシア選手らの復帰を検討すると発表。このオッサン、オリンピックを自分の利益のための道具にしてるんとちゃうかいな。この極寒のなか、ロシアの無差別攻撃でインフラが破壊されたなかで生活しているウクライナの現状を視察してからものを言わなあかんやろ。まともなオリンピック運営者であれば、ロシアのウクライナ侵攻が止まない限りオリンピックは開催しません!と宣言するべきだろう。それにしても狂犬プーチンひとりのわがままで世界がひっくり返ってるなんて恐るべき世界である。

軍事評論家が、メディアで今後の戦況をまるで予想屋みたいに語るシーンを見るたびに虚しさを覚える。こんな非常時に、颯爽と現れ事を収めるスーパーマンみたいな人物はおらんのかい...戦争してる暇なんてないぐらい、地球は温暖化により悲鳴をあげ世界各地地で災害が発生し、この先さらなる危機に瀕しているというのに、ほんまにニンゲンアホですばい。

今日から如月、あっと言う間にひと月経ってしまいました。寒さと同時に各家庭の生活も冷え込んできています。物価の更なる値上がりに続き、電気代の値上がりが又しても火計を圧迫。原発稼働している関西、九州はそのほかの地区に比べて安いという皮肉な現状。又しても原発見直しの議論もなされているという。2011年3月11日以来、この国のエネルギー政策なにか進展はあったんだろうか?外国行って大臣のためにお土産買ってふらちんしてる息子を抱えたリーダーではこの先真っ暗闇でございます。

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如月初日

2023/01/30
【第1711回】

週末は「イ二シェリン島の精霊」を鑑賞。佳作「スリー・ビルボード」を創ったマーティン・マクドナー監督の最新作ということで期待して観に行きました。1923年のアイルランドの架空の島で繰り広げられるオッサン同士の仲違いドラマ。美しいアイルランドの島、荒涼とした土地に暮らす現地の人達の表情、象徴的に登場する動物たち、カメラワークも良し。悪くはないのだが何だか唐突すぎる出来事が沢山出てきます。あんなことぐらいで指をとか...とにかくおいら日本人には理解できないシーンが何度も映し出されるので、こちらも深読みしようとはするのだが、なかなか追いつかない。この映画、映像美におんぶにだっこに拘りすぎた雰囲気芝居で創ってるんじゃあ~りませんか?と思った次第です。2023年のゴールデングローブ賞で作品賞、主演男優賞、脚本賞を受賞したのだが、おいらとしては今一つ推せませんな。

強いて言わせて貰えば、この作品が今の時代に訴えたいことは、ボタンの掛け違えでこんな悲惨で残酷なことが起きてしまいますとの警鐘かな...家庭の崩壊、ロシアのウクライナに対する不条理な侵攻、身近に起こる歪な事件などなど...人はちょいとした勘違い、自分への執拗な拘り、相手との距離感、思いやりのなさで状況は一変し最悪の結末を迎えるってことを表現したかったのかな。

折角、週末の貴重なお金と時間を費やしたので、自分なりの納め方をしないと無駄な時間とお金になってしまいますがな。

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日本の精霊

2023/01/27
【第1710回】

昨日は、今でも博多駅近くにある東住吉小学校の同級生でもある彫刻家、望月菊磨君の個展に行ってきました。半世紀以上にわたり金属彫刻家として第一線で活躍してるアーチストです。田園調布のお洒落な邸宅を改装した「みぞえ画廊」。画廊自体が作品と言っても過言でない素敵な佇まいでした。全国に130か所以上のパブリック作品を手掛けてる望月君、こんなことを話してました。

ある日、大木の下でぼんやり空を見ていると、大木の若葉からこぼれる日の光の淡い緑色の諧調のある透過光が目茶苦茶にきれいで「自然は素晴らしい!」この自然をモチーフにして何かを作ろうとしたり再現しても絶対にかなわないと思ったそうだ。自然のものは自然に任せよう。では自分はどうしたら良いかと考えた時に、人間が人間のために創り出した素材で人間が生み出した技術でものを作り表現することに辿り着く。それは工業製品のようなもので金属やプラスチックを素材にして技術を加えて作品を作る、それも具象ではなく抽象で表現することがよりベスト。そして何かを創るという行為は叩く、曲げる、穴を開ける、削る、溶かすという破壊行為。破壊行為の集積が、ものを創るということであり破壊が創造の原点である...以上が望月君の哲学でございました。

おいらと同級生なんだが、顔の色艶はいいし、東京藝術大学出のエリート臭も全然ないし、良い歳の取り方をしてるなと思いました。高校時代はタモリさんと同じクラスで大の仲良しだったそうだ...トムの芝居にも来てくれる望月君、春になったら一杯やる約束をして別れました。

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望月ワールド

2023/01/25
【第1709回】

10年に一度の寒波が日本列島を襲来し、各地でトラブルが発生しているのだが、今のところ東京は難を逃れている状態です。程よい雪は風情がありますがドカ雪はえらいことになっちゃいますね。特に東京は雪に弱い街なので、大雪と聞いただけでブルッちゃいます。

それにしてもこちらもブルブルどころか嘆き節になっちゃいます...100万円で強盗、殺人の募集をかけ集まった若者が90歳のおばあちゃんを殺してしまう。こりゃ、もはや人間ではありません、獣ですね。いや獣の方がまだ秩序があるような気がします。捕まった若者の一人は生活保護を受けながら過ごしていたそうな。こんな人間を生み出した責任、この国のすべての人にあるような気もします。夢も希望も持てない国にしてしまった責任をもういちど考える必要があります。年老いたおばあちゃんを殴る蹴る拘束して死に至らしめる。しかも金品を奪うだけの理由で...狂ってるとしか言いようがないのだが、彼らにしてみれば命よりも物欲が勝っているんでしょう。

会社の隣に子どもたちの予備校があるのだが、夕方になると迎えにきたママ友が集まり四方山話をしております。名門小中学の受験は熾烈を極め、出来るだけ早い内から予備校に通わないと入学出来ないそうです。遊び盛りの子どもたちの疲れた顔を見る度に、この国も狂ってるとしか思えない。どうみても狂ってるとしか思えないことが、当たりまえに感じる人種が多数を占めると、おいらはますます肩身が狭くなっちゃいます。

時折、街中で年老いた人の手助けをしてる若者を発見すると嬉しくなっちゃいます。こんな人たちにこの国を任せたいな...

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新宿サザンテラス

2023/01/23
【第1708回】

今週は大寒波が日本列島を襲来するらしい...なのにお相撲さんの艶々した肌を見てると、何だかこちらまでポカポカとしてくるから不思議なもんだ。おいらの家の近くにも芝田山部屋があるのだが、時折見かけるお相撲さんのその凛として勇ましい姿とは裏腹に、力士の近くに寄ると、どこか懐かしい甘い香りがする。その香りの正体は、鬢付け(びんつけ)油。力士の象徴ともいえる髷(まげ)を結うためには、かかせない存在なんです。

昨日の大相撲初場所の千秋楽、テレビ観戦しました。横綱不在、大関一人と言う寂しい場所でしたが、ここ最近ユニークな関取が出現し大いに楽しませていただきました。力士らしい力士、若隆景。憎たらしい顔つきだが根性丸出しのモンゴルの星、豊昇龍。変幻自在で忍者相撲で魅了満点の翔猿。その他、阿武咲、大栄翔、宇良なんかも面白い存在。それに反して先場所まで大関だった正代、多くのファンが嘆いておりますぞ。昨日の結びの一番、貴景勝なかなかでございました。連日、鼻血を出しながらの大健闘。あの体つき、ちょいと無理があるなとは思っていたのですが昨日の投げ技で新しい境地を磨いていけば横綱も無理ではありません。優勝インタビューがとっても良かったな。家族への感謝、自分を支えてくれた人達への感謝、すべてに感謝の気持ちが前面に出ていました。

これからの時代、感謝の気持ちがある人が生き残っていくことは間違いありません。この感謝の気持ちが無くなった時に人も国も世界も滅びていきます。今ここに立つ己は如何にして立てているのか...すべからく、生きとし生けるものに感謝でございます。

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ブルブル週間の初日

2023/01/20
【第1707回】

音楽を聴きながら読書する人、静かな環境で本に没頭する人...おいらは半々かな?本のジャンルによっても違ってきますね。今読んでる星野博美さんのエッセイなんかは先日紹介した新進気鋭のピアニスト、ヴァイキングル・オラフソンのCD聴きながら読んでると星野さんの怒りが、オラフソンの軽快にして幻想的なタッチでほどよくブレンドされテンポ良く次のページへと転調していく。

星野さんの怒りは、安さに定評がある「サイゼリア」に行ったときのことである。雨に濡れ冷えたからだで入店し温かいコーヒーを飲みたくてコーヒーマシンにカップを置きボタンを押しても冷たいコーヒーしか出てこないので男性の店員を呼んだところ、「コーヒーマシンが壊れているので冷たいドリンクをお飲み下さい」との返答。すかさず彼女「昨日も壊れていましたよ」と返すのだが、「修理がまだ終わっていませんので」とサイゼリアの男は、まるで星野さんを責めるような苛立ちの顔を浮かべ、安い値段で飲んでるのだから、つべこべ言わずにあるものを飲めよ、とでもいいたそうな顔で立ち去ったそうだ。機械が壊れるのは仕方がない。それを責めてるのではなく、謝ってもらえば気が済む話でもない。ただ、会話が会話にならないことに空しさを感じたそうだ。そりゃそうだ、たった180円のコーヒー、だからこの程度の誠意を示せば事足りる。この店員のそんな無意識の計算があまりにも悲しすぎる。

こんな体験、おいらも何度か経験したことがある。値段を安くしてくれることは客側からすると大変ありがたいことなのだが、価格の破壊が人間の大切な魂までも破壊しかねないことになっちまったら、それこそ主客転倒だ。

ピュア―な魂を保持するためにも、週末も心地よい音楽と読書を程よくブレンドして至福のひとときを堅持したいものでございます。

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遊び心満載のオラフソン

2023/01/18
【第1706回】

この国のセメント副総裁は困ったもんでございます...原発関係で日本の死者は一人も出てないとか、少子化問題では晩婚が原因とか、とにかく何年政治家やってんの?と開いた口が塞がらない。あんたらの未来への無策がすべてツケとなって今があるのに、何の反省もなく愚痴ってるんじゃないよと怒りを覚えるばかりだ。とにかく無能な政治家があまりにも多いのでまずは一刻も早く議員数を減らしてくださいな。辞任続きの大臣に税金払ってる身にもなってくださいなと言いたい。物価はじゃんじゃん上がってるのに給料は上がんないなんていう悲痛な叫びに政治はどう応える?なんて絶叫、連呼してもこの国の政治家のツラ見るかぎり、こりゃ無理ですわ!と、ほぼ諦め状態でございます。

博多の舞鶴にあった名店「さきと」が閉店してました。博多に帰れば、この店の美味しい魚とお酒が楽しみでした。魚と酒の目利きである大将が集めた食材はどれも絶品の味でした。カウンターだけの13席の店は予約を入れないと入れないほどの人気で、もちろん一見さんの入店は無理でした。お客さんとの距離感も絶妙で、お互いに気を遣うことなく酒と魚に集中することが出来ました。博多には美味しい店は数々あれど、この空気感の中で頂く料理は、なるほど西日本の居酒屋番付で横綱と称される価値はあったと思います。

大将は現在入院中とのこと、一日も早く元気になって又、大将が捌いた魚を食したいもんでございます。

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今日の空

2023/01/16
【第1705回】

昨日の15日は、3年前に中国帰りの人からコロナ感染者が日本で初めて出た日でもありました。その日から3年、日本のみならず世界はコロナで振り回される日々でした。それまで当り前のように友人と連絡し、美味しい酒を飲みながら馬鹿話してた時間が吹っ飛んでしまいました。人とのつながりをストップされたのですが、自分を見つめなおす良い機会でもありました。人とはいつだって気楽に逢えるもんじゃないということを痛いほど味わい家で過ごす時間が増え、風来坊気質を持つおいらにとっては、ようやく地に足が着いた生活が出来るようになったのかなとも思えた3年間でありました。

それにしても、この年になるとやはり会えない友人の近況が気になります。若い頃に芝居した仲間も3人亡くなったり、ゴールデン街で痛飲した男たちも何人かは消えてしまいました。今年の年賀状に半世紀通ったゴールデン街「ガルガンチュア」での飲み仲間であったH先輩から「いい時代思う存分楽しくともに生きてきましたね...今年で年賀状はおしまいです」夜毎、酒を飲みながら政治、芸術談義をした熱い日々が本当に懐かしゅうございます。

最近の若者は他人との距離を置き、酒もあまり飲まないそうです。これも時代の流れとは思いますが、この空気感が日本をつまらなくしてるのかもしれませんね。

ロシアの狂気、中国の不気味な動き...この国ほんまに大丈夫かな?なんとも覇気を感じないこの国トップの海外訪問での表情観ながら心配になってきました。

それと、籠池夫妻に実刑判決が決まったのは理解できたとしても、文書改ざんをした政治家、役人が何のお咎めを受けないなんて、これだけでこの国バッテンマークでございます。

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久し振りの曇天

2023/01/12
【第1704回】

今年に入ってよく耳にするピアニスト、ヴァイキング・オラソン、1984年アイスランドで生まれた新進気鋭のピアニストである。作曲もする建築家の父とピアノ教師の母を持ち、ニューヨークの名門ジュリアード音楽院でピアノを学ぶ。普通ならこの後、著名な国際ピアノ・コンクールに出場し、コンクールでの受賞歴を引っ提げて華々しくデビューを飾るところだが、ヴィキングルはそういう道を歩まない。いつ受賞できるかわからない国際コンクールなどに目もくれず、自分の音楽を届けるためにレーベルを立ち上げ、さらにフェスまで作ってしまうというのが、ヴィキングルのスタイル。ポップスならともかく、クラシックでこういうキャリアを歩んでいるアーティストは、ほとんど前例がないらしい。

まあ、出自、経歴などはどうでも良い。おいらが耳にして感じたことは、このピアニストには、自分自身の音楽に対する確信的なモノを信じて、先人の創った様々な曲にリスペクトしながら新しい音を生み出そうとする姿勢。表現者として生涯持ち続けなければいけない最重要なことでもある。おいらが音楽を聴く基準に、使い古された言葉かもしれないかもしれないけれど、やはりその人の魂を感じることが出来るかどうかがポイントになる。得てしていい音楽とは、静謐と躍動のふり幅を縦横無尽に駆使して聴き手の想像力を否応なしに掻き立ててくれる。

とにかく、彼の最新アルバム「フロム・アファー」を聴いてくださいませ。こんなピアノソロもあるんだなと...何事も新しい年の初めに、新しいモノに触れ刺激されると、今年もやらんとあかんぜよ!という気持ちになるだけでもありがたいもんでございます。

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冬のメタセコイア

2023/01/10
【第1703回】

おいらの冬の楽しみ二つのラグビー選手権が無事終わりました。最初は高校ラグビー。東福岡高校が報徳学園を破り6年振りの優勝。攻撃のチームから守備にチカラを入れたことに成功しました。ラグビー競技の醍醐味であるタックル、なんだか命懸けのプレーに手に汗を握る思いがいたします。己が犠牲となりチームに貢献する姿がとっても潔く胸を打つ。オレ我オレ我の世の中で、身を捨てる精神を持ち得る人が何と少なくなったことか...泥まみれになってぶつかり合う男たちの姿に酔いしれる至福の時間でございました。

8日に国立競技場で行われた大学選手権。帝京大学が圧倒的なチカラで早稲田を下し、2年連続の王者に輝きました。帝京大学の選手たちのフィジカルの強さだけが目立った試合でした。鍛え抜かれた筋肉の美しさに惚れ惚れしながら、このチームの選手の日頃の惜しみない努力が目に見えるようでもありました。指導者の適格な指導に素直に応える選手たちの資質の素晴らしさに頭が下がる思いです。

ラグビーのオールドファンたちは伝統校である早稲田、明治、慶應、同志社が強くないと面白くないなんてほざいておりますが、今はそんな時代じゃございません。真摯に物事に向かう姿勢を持つ者だけが生き残る時代であることを忘れてはなりません。過去の栄光忘れましょう!初心に帰って一から始めないとすべてのことが駄目になることに気付かないと世界はえらいことになっちまいますがな...そんなことを考えながら先週末のラグビーを楽しませていただきました。

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冬の薄暮

2023/01/06
【第1702回】

世の中ほんまに便利になったもんでございます。音好きなおいらとしては、今やスマホからあらゆるジャンルの曲が聴けるんですから贅沢極まりない。しかもワイヤレスイヤホンを耳に装着すれば面倒くさいコードも気にすることなく快適な音の世界が拡がっていく...

おいらもその恩恵を受けてはいるのだが、我が家に帰り、自分の聴きたいレコード、CDを取り出し音に向かう、このなんとも言えない高揚感は実に捨てがたい。幾多のミュージシャンが心血を注いだ作品には、それを享受する側も襟を正して向かいたい。なんて言ってると、この古臭い頑固おやじと思われそうだが、一事が万事、人が創り出したものに真摯な態度で接することが、この時代だからこそ大切な気がします。受け手の心音が亡くなった偉大な音楽家にも伝わり、音を通じて様々なコミュニケーションが楽しめます。レコード、CDには曲の解説、エッセイ、演者のプロフィールが掲載されておりそれらを読みながらの過ごし方も曲をより味わい深いものにしてくれます。そして何といっても様々な工夫を凝らしたであろうジャケット。特にレコードのジャケットはたまりません...まるで絵画を観てるかのような秀逸なものに接すると忘我の境地までいっちゃいます。

最近、レコード回帰の動きが出ています。歴史は繰り返す、ハイテクからアナログ、この世界も商売ですから流行に惑わされることなく、しっかりと心で捉えたいものですね。

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正月は明けましたよ

2023/01/04
【第1701回】

明けましておめでとうございます。

 

今日が仕事始めです。年末年始は我が家でゆっくり過ごしました。たまにテレビを見ると、なんだか人の死に触れた番組に多く遭遇しました。愛した妻が若くしてガンで亡くなり彼女と交わした手紙のやりとりを読み返し「もっと優しくしてやればよかったと...」つぶやく85歳の男性。同じく50歳でガン闘病の末に亡くなったロックシンガーの壮絶な生き方、その彼の日記には「自ら命を絶つ奴の命、俺にくれ!」そうなんです、こんな時代だからこそ命の重み、大切さが問われます。ウクライナ侵攻によるロシア、ウクライナの人たちの理不尽な死を始め、世界には人類の叡智で充分に防げる死があまりにも拡散してることには唖然とするばかりです。

昨日も、仕事でお付き合いしてる方のご子息が33歳の若さで亡くなったことを知らされました。考えてみれば生と死は背中合わせ、生を授かった瞬間から死も約束されてます。長く細く生きるのか、太く短く生きるかは己の生き方次第です。出来れば太く長く生きることが出来れば、ある程度生きててよかったなんて充実感を味わえるんじゃないのかな...

1週間振りの新宿、いつものように街は賑やか人達で溢れかえっていました。こんな当たり前な平和がいつまでも続いて欲しいと思う反面、いつ日本が戦争に巻き込まれてもおかしくないという危機感も抱きました...平和と戦争も背中あわせなんです。

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年始に唄う、吟遊詩人

2022/12/26
【第1700回】

今年も残すところ6日となりました。日本は、いや世界は大変な時代に直面しています。これらすべて、この状況を招いたのは、すべてこの地球上に住むひとりひとりに責任があると思います。国のトップを選択したのも、温暖化に突き進まざるをえなかった人間の欲望も...

この背景には、人間の奢りに原因があると思います。人の優しさが希薄になった時に、世の中はものの見事に凋落の道を進み始めます。それに歯止めをかけるのには、常に弱者の立場で想像、創造していく視点が大切だと思います。

そのよいお手本が、2019年12月にアフガニスタンで亡くなった中村哲さんの「一隅を照らす」という発想です。あまり光の当たらないところ、目立たない場所に「光をあてて明るくする」「だれもそこに行かないから、私たちが行くのです。だれもしないことだから、私たちがするのです。」哲さんはシンプルに思考しシンプルに行動しました...自分が今いる場所で、自分ができることを一生懸命やりましょう。

当たり前のことを、あまりにもこねくり回し思考し行動した結果が今の世界の現状です。

そろそろ気づかないと、世界はますますえらいことになっちゃいます。

トム・プロジェクトはなんとか今年も芝居をやることが出来ました。これもひとえに劇場に来ていただいた観客の皆様、コロナと日々戦いながらやり遂げたキャスト、スタッフの努力の賜物だと思っています。

この厳しい状況だからこそ、来るべき新しい年も良質な作品を創り、哲さんがいう「一隅を照らす」光にしたいものです。

明日は大掃除です。新年の仕事始めは1月4日です。今年一年「夢吐き通信」に目を通して頂き本当にありがとうございました。

皆さんも良い新年をお迎えくださいね!

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2022年ありがとう!

2022/12/23
【第1699回】

人はいとも簡単に忘れてしまうのだろうか...昨日、政府が原発の新規建設や60年を超える運転を認めることを盛り込んだ基本方針を発表した。この国の首相は何なんだろう?「聞く耳」どころか「聞かない耳に」方針転換したとしか思えない。防衛費しかり、たいした議論もせず勝手にお金だけ決めちゃうなんてあってはならないことだ。そして昨日の発言。いまだ避難民がいるのに、ウクライナ、電力不足にかこつけて余りにも拙速な判断じゃありませんか?あの事故からまだ12年弱、あの恐怖を思えば、この国が原発に依存するに値しない国土であることは一目瞭然。太陽光、風力、地熱などなど、まだまだ自然のエネルギーを活かす方策を探るべきではないかと思う。

もういい加減気付いて欲しいな...地道に自然と共に生活する手立てを考えないとこの国の未来はないと思います。農業然り、教育然り、この国の指導者の未来へのビジョンがことごとく貧困なためこの国は疲弊に突き進んでいます。

昨日も、新宿の南口でストリートミュージシャンのDariが白いTシャツ1枚で汗をかきながらライブをやってました。おいらが声を掛けると「この前はありがとうございました」ちゃんと覚えているんだなと感心し「CD聴いたよ...YouTubeも良かったよ」というと、「どんどん元気与えますから、持っててください!」なんて屈託のない満面の笑みをたたえて返してきました。

残念ながら、政治家なんかよりDariのほうがよっぽど説得力がありますがな。

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新宿サザンタワー

2022/12/21
【第1698回】

劇団桟敷童子の「老いた蛙は海を目指す」を観劇...コロナ、寒さに負けず演劇は粛々と行われております。この時期一番応えるのがキャスト、スタッフにコロナ感染者が出ることだ。舞台上での激しい台詞のやりとりなんかを観てるとハラハラドキドキいたします。かといって手加減するわけにもいかず、ここはケセラセラの心境でございます。

今回の芝居は、あのマキシム・ゴーリキの名作「どん底」を下敷きにした作品。作・演出の東憲司が青春時代にあこがれていた作品でもある。おいらも若い頃(1975年)俳優座劇場で観た公演での松本克平、滝田裕介、永井智雄、仲代達矢の豪華キャストで堪能いたしました。まさしく劇団俳優座の全盛時代。そして何と言っても今でも記憶に残る名演技を観させていただいたのが劇団民藝での滝沢修。この名優の「どん底」「セールスマンの死」「夜明け前」は絶品である。彼の一挙手一投足の残像はいまでも鮮明に覚えている。

そして桟敷童子版「どん底」、ここまで一貫して底辺に蠢く民衆を描いてきた東憲司ならではの作品である。暗闇で生きる人間の苦悩、情熱、ロマンを登場人物の各世代に振り分け、客演の役者を上手く使いこなしテンポよくラストまで進行していく。そしてラストの大掛かりなセットで、それまでの人間の葛藤を一気に浄化させる手法こそ、この劇団の真骨頂でございます。

劇場を後にしながら明りがついたスカイツリーを観ながら、今年も稽古場で無事作品を創り上げ何度も目にしたスカイツリーに思わずありがとうと言っちゃいました。もしや、スカイツリーは演劇の神様の分身かもしれませんな?

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今年もありがとう

2022/12/19
【第1697回】

今日は何故か眠くありません...昨日のサッカーワールドカップ決勝戦、ついつい見てしまいました。おいらサッカーでこんな時間使ったの初めてでございます。日本チームの活躍でここまで引っ張られた感じです。まさかのドイツ、スペインとの勝利、そりゃ盛り上がりますがな。今でも、ハッキリクッキリ覚えています。スペインに暮らしている時に日々テレビで観ていたスぺインサッカーのスピード感に圧倒され、こりゃ日本のサッカーは相手になりませんとお手上げ状態でございました。勿論、スペイン人の友人からも日本サッカーの現状について聞かれたこともありませんでした。スペインのサッカー熱は半端じゃありません。バルで一杯飲みながらまるで喧嘩してるが如く喧々諤々の大討論会になっちゃいます。おいらが飼ってたネコちゃんもサッカーが始まるや否や、のんべんだらりんとしてた身体が一瞬にして戦闘態勢になり、なんとテレビに映るサッカーボールに手を出す始末。この姿を見た時はおいらもびっくり!スペイン猫サッカーリーグがあるんじゃないかしら?と思った次第。

それにしても、深夜3時まで見続けたのはアルゼンチンに勝ってほしかったからでございます。判官びいきといいますか、南米大陸の小さな国がヨーロッパを代表する国を倒すなんて小気味いいじゃありませんか。文化でいえばシャンソンとタンゴの対決かな...シャンソンの粋とタンゴのパッション、どちらも捨てがたいが今回はタンゴの方につきました。

それにしても新旧のスーパープレイヤーのプレーも見ごたえがありました。アルゼンチンのメッシ、フランスのエムバぺ...いやいや日本も負けてませんよ。今回の堂安と浅野、いつの日か決勝の舞台に日本が残ってるなんてことも夢物語じゃありませんことよ。

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新宿マインズタワーのツリー

2022/12/16
【第1696回】

新国立劇場で「夜明けの寄り鯨」を観劇。若い頃、この近くに住んだことがあり、こんなところにこんな立派な劇場が出来るなんて想像もできなかった。まして国が作るなんてことも含めて。おいらもこの劇場(小劇場、中劇場)で数多くの芝居を見させていただきましたが、さすが国と民間企業が一体となって運営しているので羨ましい限りの設備です。海外では国の文化の程度が、その国の価値の基準になると言われているので、この劇場の建設はむしろ遅すぎたともいえる。

さて今回の芝居、客席に座った瞬間、舞台美術のシンプルかつ美しさに目を見張った次第である。開演までの15分間、そのセットを眺めながらいったいどんなドラマが展開されるんだろうか?ワクワクドキドキしてました。そして芝居が始まり、静かな口調の会話から一転、激しい議論の応酬を通じてそれぞれの登場人物の背景にある偏見、誤解、苦悩があぶりだされドラマが進行していく。そのリアルなやり取りと異彩を放つ舞台セットに違和感を感じるのはおいらだけなのか...深刻且つリアルなドラマツルギーだからこそアンバランスなセットで程よく中和させ、もう一つ異次元の世界に誘なうようにしているのか?そこは演出家の腕の見せ所だとは思うのだが、おいらにはもう一つ届きませんでした。

今回の芝居にトム所属の森川由樹が出演していました。由樹ちゃんとっても良かったです!「芸人と兵隊」「エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ」に続く今回の芝居、まさしくホップ、ステップ、ジャンプでございます。2013年トムの作品「百枚めの写真~一銭五厘たちの横丁~」でデビューして9年。由樹ちゃん、これからが真価を問われます。大丈夫です!自信を持って貴女の魅力を存分に発揮して、お客様を楽しませてくださいな。

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ナンテンと枯葉

2022/12/14
【第1695回】

我が街、新宿にも岡林信康がいました...最近、新宿南口の駅前でTシャツにギターを抱え野太い声で歌いまくる男を見かけ気になってました。名前はDari、なんと路上で100万枚のCDを売ると公言し都内に出没しているらしい。このストリートミュージシャン、プロダクション、事務所のお誘いは一切お断りという自信満々の若者。おいら気になって、程よいところで声を掛ける。「CDに何曲入っているの?」「1曲だけです」「千円高いんじゃないの?」「いやいや、自信の1曲です」いとも簡単に、笑みを浮かべての受け答え。面構えも少年の面影を残しつつ逞しさを兼ね備えている。この強気に、おいらも粋に感じ購入。すると本当に嬉しそうに「ほんとですか!」満面笑みを浮かべ嬉しそうな顔がこれまた可愛い。

と、甲州街道からパトカーが現れ「連絡が入ってます...すぐに撤収してください」なんとも無機質な声が流れてきた。路上でパフォーマンスする若者が気に食わないのか?おのれのストレスを通報することで発散させているのか?いずれにしても、こんな人はどこにいてもいるもんや...おいらも45年ほど前スペインで大道芸やっていたのだが、毎日が天国でした。1週間1時間の労働で1週間飲み食いの旅に味をしめ、すっかり甘い誘惑に誘われスペインに住んでしまいました。

それに比べて、いまだ路上の大道芸にお咎めするこの国は、どこか閉じてますな。

早速、CD聴いてみました。心赴くままに歌っていますね...1枚のカードに手書きでNO13057と書いてありました。残すところ986943枚かな?

自分の思いを即行動に移し未開の道を突く進んでいく人間、おいら大好きです。

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幻想庭園

2022/12/12
【第1694回】

久しぶりに岡林信康の歌聞きました...今時の人は誰?って答えが返ってきそうですね。この歌い手はフォークの神様と上げ奉られ1970年前後に高田渡、加川良、五つの赤い風船などと共に、プロテスト・フォーク、反戦フォークとして若者の間でブームとなった。おいらも、新宿西口広場で夜毎繰り広げられていた集会で反戦の歌声を耳にしてました。立ち止まって聴いていると若いお巡りさんが「ここは広場ではありません。通路ですから歩いてください...」なんて注意勧告を受けていたのを無視すると、いきなり暗がりに連行されました。

不当な扱いを受けたので、おいら抵抗するとボコボコにされました。あやうく新宿署に連行されそうになったのを心優しい年輩のお巡りさんに解放された次第です。この時代の機動隊と若者の対立は激しいものがありました。おいらの友人も何人かは留置所に入れられましたが、そんな光景を見ながらおいらの頭を過ぎったのは、親から仕送りを受けながら大学生活を送る若者と、田舎から出てきた若き機動隊隊員のなんともいえない剥き出しの感情の対立にも見えました。確かに既存の体制、価値観の変化を求めようとする若者の行動は尊いし支持もしたいのだが、卒業するやいなやいとも簡単に体制に繰り込まれいく姿を見るにつけ納得しがたいものを感じた次第です。

 

私たちの望むものは 生きる苦しみではなく
私たちの望むものは 生きる喜びなのだ

私たちの望むものは 社会のための 私ではなく
私たちの望むものは 私たちのための 社会なのだ

私たちの望むものは 与えられることではなく
私たちの望むものは 奪いとることなのだ

私たちの望むものは あなたを殺すことではなく
私たちの望むものは あなたと生きることなのだ

今ある不幸に とどまってはならない
まだ見ぬ幸せに 今跳び立つのだ

私たちの望むものは くりかえすことではなく
私たちの望むものは たえず変わってゆく ことなのだ

私たちの望むものは 決して私たちではなく
私たちの望むものは 私でありつづける ことなのだ

今ある不幸に とどまってはならない
まだ見ぬ幸せに 今跳び立つのだ

私たちの望むものは 生きる喜びではなく
私たちの望むものは 生きる苦しみなのだ

私たちの望むものは あなたと 生きることではなく
私たちの望むものは あなたを殺すことなのだ

今ある不幸に とどまってはならない
まだ見ぬ幸せに 今跳び立つのだ

私たちの望むものは
私たちの望むものは...


彼の歌う「私たちの望むものは」は今聴いても新鮮でございます。

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師走の晴天

2022/12/07
【第1693回】

やっぱり、果報は寝て待て!に徹すべきだったんだね。ついつい誘惑(初のベスト8になる歴史的瞬間)に負けて観てしまい、試合も負けてしまいました。それにしても今回のワールドサッカー2022でのジャパンあっぱれでございます。コロナ、不景気、ウクライナ侵攻、どれをとっても意気上がらない現状において、唯一の希望がジャパンサッカーではなかったかと言うのがこの国の大方の見方です。スペイン戦、クロアチア戦、深夜に関わらずテレビの視聴率も高いし、日本全国のあらゆる会場に多くの人が集まってることが証明しています。それにしてもクロアチア強い。バルカン半島に位置する410万ほどの国で、圧倒的人気があるのがサッカーです。今回の勝敗のカギを握ったPK戦でのクロアチアのゴールキーパーの身体見ただけでこりゃあかんですばい?と思った次第。案の定3本止められゲームセット。そりゃそうだ、サッカーに命を懸けてる国と戦えば仕方のないことですが、やはりサッカーの強豪国が集まっているところで揉まれてるチームはなかなかあなどれないしぶとさとしっかりとした戦略を持っているような気がします。それにしても、スペインもモロッコとの試合でPK戦で3本ミスしての敗戦。今回のワールドサッカー番狂わせの連続です。だからスポーツは面白いんですね...まさしく筋書きのないドラマでございます。

一段と寒くなったなか、しっかりと自己主張しながら咲いてる椿を見てるとなんだか燃えてきますな...負けちゃいられんですばい!

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寒椿

2022/12/05
【第1692回】

先週の週末は、新宿シアタートップスで、劇団ONEOR8「千一夜」を観てきました。この劇場1985年にオープンし2009年まで結構面白い芝居を上演していました。初期の頃の大人計画、東京サンシャインボーイズ、劇団☆新感線などなど、客席150ほどのキャパに新宿の街が醸し出すカオスが程よくマッチしていました。トム・プロジェクトも22年続いている風間杜夫ひとり芝居もここから始まりました。蟹江敬三ひとり芝居、戸川純ひとり芝居もこの劇場でした。唐十郎作・演出の佐野史郎ひとり芝居では、このクラスの劇場では珍しい廻り舞台を作りこみ摩訶不思議な芝居を上演しました。

そんな歴史を持つシアタートップスが2021年5月に下北沢に多くの劇場を運営する本多グループが引継ぎ再開することとなりました。

久しぶりにこの劇場に入った瞬間、まるで走馬灯のようにこの客席で観た数々の芝居が甦ってきました。何といっても舞台と客席の距離をほとんど感じさせない臨場感が素晴らしい。生の芝居で役者の表情が見えないなんてことは本来あってはならないことなのだが、制作側からすると、この程度のキャパでは採算を取れないのでなかなか難しい。そんなことを考えれば、この規模の芝居は大変贅沢な出し物であり、その反面役者の技量も白日の下に晒されるので演者にとっては戦々恐々の劇場でもある。

さて、この日の芝居は?この劇団の主宰者である田村孝裕の独特の世界感が行ったり来たり、まるで観客の感情をもてあそんでる感じがいたしました。

これから先、新宿シアタートップスを足場にして新たな演劇の歴史を作り上げる集団が出て来てくださいな...街を、人を、煽情のるつぼに巻き込むくらいの出し物を期待してまっせ!

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黄絨毯

2022/12/02
【第1691回】

おいらが月曜日に書いた通りになりました...果報は寝て待て!

一杯やっていつもの通り床に就き、今朝7時に起床。なんとカタール・ワールドカップの第3戦でスペイン代表と対戦し、2-1の逆転勝利。前回のコスタリカ戦の戦いぶりを見る限り、無敵艦隊スペインにどう考えても勝ち目はないと思った人が大半を占める中、奇跡が起きました。同点ゴールを決めた堂安選手「これで一戦目が奇跡じゃなくて勝ったと思ってもらえたと思います...」24歳の若武者の言葉、久しぶりに頼りになる日本青年が世界に発してくれた清々しいインタービューでの発言でした。こうなってくると、もしや優勝なんて夢を抱く人達も居るとは思いますが、まあまあ、ここまでやってくれたならばあとは純粋にサッカーを楽しみましょう。

11月30日には両国シアターXでポーランド国立民族合唱舞踊団「シロンスク」を観劇してきました。「シロンスク」は1953年創立され、5大陸44カ国で、9000回を超える公演を行ってきたポーランドを代表する舞踊団です。ポーランドの歴史と文化の伝統を電子音楽やコンテンポラリーダンスを交えて「伝統」と「今」を結び付けようとする試みでした。

鍛え抜かれた身体と、民族衣装の鮮やかさが印象的。世界がコロナによるパンデミック状況下、よく来てくれました!今回のような文化交流さえしてれば戦争なんかは起きないのにね。

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遠路はるばる ありがとう!

2022/11/30
【第1690回】

こまつ座の「吾輩は漱石である」を観劇。この作品1982年にしゃぼん玉座で木村光一の演出、小沢昭一の出演で初演されたものである。この年は東京・永田町のホテルニュージャパンで火災、東北新幹線開業なんかの記憶他、演劇の世界では転位21を主宰していた山崎哲氏が「漂流家族」「うお伝説」で岸田國士戯曲賞を受賞したことが印象に残っています。そんな折、俳優小沢昭一さんも自分がやりたい芝居をやりたくてしゃぼん玉座を立ち上げ井上ひさしさんに台本を依頼したんだと思います。

そんな経緯で書かれた戯曲、井上さんには珍しく最後まで試行錯誤で頭を抱えながら書いたであろうという悪戦苦闘の跡が随所に見られました。おいらも最近、夏目漱石の作品を読み返しているんですが、やはり文豪に相応しい作品ばかりです。すっと読み進むにはもったいないくらいの語彙の選択、人間の心理に奥深く立ち入り暫し熟考せざるを得ない展開、それに加えエンターテインメント性もあるんですから永遠のベストセラーであることは間違いないと思います。

さて芝居なんですが、この難攻不落というよりも、あちらこちらにとっ散らかっている戯曲を何とかしようとする演出家、それに応えようとする役者の奮闘する様を観せられた感がしました。そのなかでも漱石の妻・鏡子さんと、「坊っちゃん」のマドンナなど複数の役を演じた賀来千香子さんの芝居は十分楽しめました。そうなんです、難しい芝居程あまり考えすぎず心身解放して楽しめばいいのでございます。

でも、こうやって過去の作品に新しい命を吹き込んで創造しようとする姿勢は大切なことだと改めて感じた観劇日でした。

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明日から師走

2022/11/28
【第1689回】

昨日は大変な一日でしたね...大相撲九州場所では、千秋楽は本割で幕内高安に土をつけ、ともえ戦となった優勝決定戦で高安、大関貴景勝を撃破した平幕の阿炎が優勝。この力士、一昨年7月場所でコロナ対策の規則違反が発覚。3場所出場停止などの処分を受けて、一時は幕下まで転落した経歴をもつやんちゃな人。相変わらず、モンゴル勢におされがちな相撲界、これぐらいやんちゃじゃないとダメでごわす。それにしても貴景勝の体型と汗みてるとちょいと心配だな、見てる方が息苦しくなっちゃいますがな。

夜のゴールデンタイムのサッカー...歓喜に溢れていた日本列島、一瞬にしてしゅんとなっちゃいました。コスタリカ戦勝って当たり前?とんでもございません、中南米の小さな国ですがサッカーに命を懸けてる国でございます。日本の先発メンバーみて、ちょいとナメてるんじゃないかと思いました。次のスペイン戦なんてこと考える余裕なんてあるわけじゃないと思うのだが、前半のちんたら攻撃も含めて良くて引き分けだなとおいらは思いました。

どんな勝負事でも下駄を履くまで分からない...このグループ、なんとコスタリカと日本が二次リーグに進出なんてこともありえます。特に得点するのがなかなか難しいこのゲーム、まだまだ日本にもチャンスはありますが、次のスペイン戦のめりこむことなく楽しみながら観ましょうね?なんて言っても日本時間12月2日(金)午前4時キックオフとなりますと、おいら寝てますがな。

ちなみに「果報は寝て待て」なんてことわざもあるじゃありませんか皆の衆。

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秋の日はつるべ落とし

2022/11/24
【第1688回】

今日はサッカーでしょう!おいらも試合開始からテレビ観戦してたのですが、前半ほとんどドイツの猛攻を見せられ、こりゃ予想通りドイツの勝利で決まりだと寝る体制に入ったのだが、おいらの感ピューターがなぜかピコピコしてきたので後半戦の最初だけ見ることになりました。芋焼酎のお湯割り片手にほぼ諦め状態で観てると、前半とは打って変わってジャパンの動きが良くなっているではないか...もしやと思いきや30分にMF堂安律が同点ゴール、38分にはFW浅野琢磨が決勝ゴール。アディショナルタイム7分の表示が出た瞬間、1993年10月28日にカタールの首都・ドーハで行われたワールドサッカーアジア最終予選、試合終了間際まで2-1でリードしていながら、ロスタイムにイラク代表に同点ゴールを入れられ、一転して予選敗退する結末となったことが頭をよぎりました。メンタル面で弱い日本選手のことだからまたしてもと最後までヒヤヒヤもんでしたが何とか守り切りました。ゴールを決めた二人の選手のインタビューが、昔の代表選手と違っていかしてる(もはや死語かな?)じゃありませんか「俺が絶対決めてやる...そのために出てきたんだから。」頼もしい若者です。これはやはり二人とも海外でプレーしていることが大きいと思います。異国の地で多種多様な人種と混じりながら生活することがいかに大切なことか...おいらがいまこうやって仕事出来てるのも30代に海外を見聞したことが大きな財産になっています。思考、行動の幅が果てしなく拡がっていくこと間違いなし。スマホピコピコで明け暮れてちゃおもろい人生送れませんがな...今からでも遅くはありません、何でも見てやろう精神で海外ふらりと出かけてみませんか?

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今日のメタセコイア

2022/11/21
【第1687回】

米澤 穂信の作品「黒牢城」を読了。結論から言えば面白かった...というよりなかなか仕組まれた読み物、話の展開がミステリアスでついつい読まずにはいられない欲求をかきたてられる。歴史小説でありながらミステリ小説なんて贅沢な設定はなかなか成功しづらいなか、これは作家の才能以外なにものでもない。牢に拉致される黒田官兵衛の使いかたが絶妙である。この本の主役である村重と官兵衛の戦国時代を生き抜く武士としての人生観や世界観が丁寧に描き込まれていると同時に、ふたりの心理戦を交えたやりとりが、まるでその場に立ち会っているかのような緊張感がたまらない。

いい小説を読むと、おいらの頭のなかにあった言語化されていないなにかが、いまここに文章として再現されていることにとても感銘を受ける。それは、映像や音楽などと違って読んでいるおいらと分かちがたく結びついている。「美しい樹木」とあれば、それはおいらが見たもっとも「美しい樹木」と響き合い、「やわらかな肌」とあれば、それはおいらが知っている、もっとも「やわらかな肌」とほとんど同じなのである。それはリアリティというのとは違い、言葉という回路を通して、いつでもおいらに引き寄せてくれるより強い知覚力を感じる次第である。又、これまで経験したことや思考したことを、新しい言葉によってふたたび明りを灯され、未だ見ぬ新たな道標を示してくれるワクワク感がたまらない。

読書の秋である。色鮮やかな紅葉を見た後は心穏やかに本を開く...自然が織りなす色とは違う彩を味わうに違いない。

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燃える秋

2022/11/15
【第1686回】

トメちゃんのアニメと歌声がYouTubeで流れ始めました。タイトルは「らりるれロンドン」本名は留守晃(とめもりあきら)、シンガーソングライターであり俳優でもあります。初期のミュージカル「レ・ミゼラブル」では主要な役で出演しておりました。トメちゃんなかなかシャイで人付き合いも上手くなく、しかも自分の世界には拘りがあるっていうんですからおいらもとても心配していました。これだけの才能が溢れているのにじつにもったいないと常日頃思ってもおりました。そのうえここ3年コロナでライブはできないとなりゃ死活問題でございます。トメちゃんの歌がNHKの「みんなのうた」に日々流れて当然と思ってたおいらにとってはまさしく朗報。早速、拝見しましたがトメちゃんのセンスが画面いっぱいに拡がっておりました。テーマとしてもこの時代にぴったり、そしてトメちゃんの優しさがテンコ盛り...嬉しくなって何回も聴いちゃいました。

過去のライブで聴いた曲の中で、まだまだ珠玉の名曲が沢山あります。今回ほど完成度の高い画像を創るのには大変な労力だとは思いますが、第二弾、第三弾、待ちわびてる人は沢山いるはずです。そして、いつの日か全国ライブツアーなんかをやれるといいですね!

先ずは皆さん聴いて見てくださいな...きっと癖になりますよ。そしてお気に召したら両親、兄弟、友人、親戚、職場の仲間などなどに拡散してくれたら嬉しゅうございます。

トメちゃんのバラッド

2022/11/14
【第1685回】

先週の週末は村井國夫さんの歌を堪能してきました。場所は渋谷にあるセルリアンタワー東急ホテル2F( JZBrat SOUND OF TOKYO)なんともお洒落な空間です。

ダンディーな村井さんにぴったりでした。登場するやいなや愛の歌を連発、本人曰く暗い唄ばかりで...なんておっしゃっていましたが、あの渋くて甘い声で歌われると一瞬にしてロマンティックな世界に誘ってくれました。

近年、心筋梗塞、コロナで舞台を降板されるアクシデントがありましたが、紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇賞優秀男優賞などを受賞され村井さんの役者としての魅力、実力をいかんなく発揮された3年間でもありました。勿論、トムの芝居にも立て続けに出演していただき芝居の質そのものをアップすることに大いに貢献、そして共演した若い俳優さんにも計り知れない刺激を与えてくれました。

村井さんの愛の歌を聴きながら思ったことは、このステージ本人の78年間に体験し感じた愛のメモリーだと思いました。様々な歌に思いを託し人前で歌うなんてなんと幸せなこと。そしてこの日集まったお客さんも、村井さんの歌を通してそれぞれの愛の思い出を今一度甦らせる一日となったことでしょう。

この日も奥様である音無美紀子さん、娘さんの村井麻友美さんが一生懸命にお手伝いなさっていました。國夫さんがこうやって元気でいられるのも家族の愛があってのことですね。

こんな愛に包まれ守られてる國夫さん、貴男が一番の幸せもんですたい。

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愛を歌う

2022/11/11
【第1684回】

今日も穏やかな一日になりそうです。都内の木々も秋色に染まりつつありますが本番はまだ先になりそうです。しかし、この時期の楽しみは日々変化していく木々の移ろいに、自然と目を奪われる時間を持てる喜びです。なんだかんだ言っても、今日も朝ご飯を頂き、清々しい音をバックに珈琲を味わい平穏な日常を持ち得ることに唯々感謝です。今この時にもウクライナでは、ロシアによる無法な侵略によって多くの命が失われています。世界の各地では自然災害も含め飢饉、飢餓の情報が流れない日がないくらいの危機的状態。

なのに、日本ではなんとも能天気な政治状況が続いています。瀬戸際大臣の更迭がなんとか済んだと思いきや、今度は法務大臣のアホとか言いようのない発言「朝、死刑のはんこを押して、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職だ」おいおい葉梨じゃなくノウナシだろうといいたい。東大卒の元警察官僚、こんなのばっかりが大臣やってるんだから日本が良くなるわけがありませんがな...瀬戸際大臣辞めたと思ったら今度はコロナ担当大臣に就任なんてニュースも流れこれまた開いた口が塞がりませんがな。これからコロナの第8波が予想され危ぶまれてるのにこんな人に任せてたらまたもや瀬戸際に追い込まれそうな気がしませんか皆の衆?

先日の皆既日食ショー、多くの人が空を見上げる光景がなんと美しいのだろう...なんだかこのご時世、なんとなく気持ちも落ち込みうつむき加減な人を多く見かけていただけに嬉しくなっちゃいました。次の皆既日食は2035年の9月、おいらもなんとか生き延びて椅子に腰かけてじっくり鑑賞したいもんでございます。

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染まりゆく木々

2022/11/09
【第1683回】

これもちょいといい話かな...先日、京王線新宿駅改札口から出ると数人の人が通路に散らばった硬貨を拾い集めていました。誰ぞやの財布から硬貨が散らばったのであろう...それにしてもあんなに多くの人が必死に集めてる姿を見るにつけこの社会も捨てたもんじゃないとほっこりいたしました。と、おいらの足元にもなんと1円玉が転がっているではないか。早速拾って傍の女性に渡すと「私ではありません。落とした方...あれ、もう行っちゃいましたね。」あちゃ!手に取った1円玉どうすりゃいいんだと思案くれてたすぐ隣には、いつものホームレスのおっちゃんが投げ銭の器を置いて座っているではないか。その日はなんと立派なヘッドホンを耳にして身体を揺らしながらの待ち受け体制。おいらが手にした1円を器にチャリンと入れたいところだが、このおっちゃんなかなか威厳のある顔立ちしてるのでチャリンと同時に「こら、俺のこと馬鹿にしてるんか...1円で何買えるん?」と言わないまでも、そんな顔されそうなので止めました。仕方なく行き場を失った1円玉はとりあえずおいらのポッケに入れました。こんなことも考えました...交番に届けたらおまわりさんどんな対処をしてくれるんだろう?対面では失礼な言葉は返ってこないにしても内心「この人、少し頭変ちゃう...」と思われること間違いないでしょうね。

一番ちっちゃい1円玉からもいろんなドラマが生まれるんですね。まさしく街は激情、いつどこで何が起きるか分かりませんがな。ちなみにこの1円玉はコンビニで買い物した時、寄付金箱にチャリンと言いたいところだが、軽いので「お邪魔します」なんて感じで落ちていきました。1円玉のちょいとした旅日記でございました。

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皆既月食2022

2022/11/07
【第1682回】

先週は2本の芝居を観劇。1本目は文学座の「欲望という名の電車」、随分と昔に杉村春子、北村和夫、出演の芝居を観た記憶があります。この作品は文学座の財産ともいうべき芝居です。今回は出演者もがらりと変え今の劇団を支える人たちが奮闘していました。主人公のブランチが登場と共に口にする台詞「欲望と言う名の電車に乗って、墓場と言う名の電車に乗り換えて、六つ目の角で降りるように言われたのだけど...極楽というところで!」ニューオリンズの多人種が暮らす街の匂いがこの芝居の大きなポイントだと思います。1951年にエリア・カザン監督、ヴィヴィアン・リー、マーロンブランド主演で観た映画の印象があまりにも強力すぎて...なんともいえない色気と暴力性、そして滅び行く美学、こんな空気をどこまで出せるか?日本人が手がけるときの大きな課題だと思います。

2本目は小松台東という劇団が上演した「左手と右手」、主宰者が宮崎の出身ということもあり宮崎のある町を舞台にした物語です。どこにでもある物静かな日常が描かれる中に、言葉にならない感情が渦巻いて終末に暴発してしまう...何気ない日常を描くことほど難しいものはありません。普通に感じさせる表現ができた時が役者の芸としての到達点と言えるかもしれません。この劇団が目指しているところはそのあたりなのかな...

この息苦しい、なかなか出口が見えない世界、演劇の世界もこれに同調してる気配も感じます。そんな気分変えさせてくれるのがお祭りですね。今年も新宿恒例の花園神社の酉の市、商売繁盛、家内安全の熊手が飛ぶように売れてました。「福をかっこむ」といわれる縁起熊手の商いが成立すると、威勢の良い手締めの掛け声と拍手が境内に響き、なんだかおいらもおすそ分けしてもらった気分になっちゃいました。

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御手を拝借

2022/11/04
【第1681回】

昨日、文化の日はグラシアス小林の作品を池袋東京芸術劇場シアターウエストで観てきました。タイトルは「CARONTE」カロンテとは、ギリシャ神話に登場する冥界の渡し守のこと。作品の冒頭から千手観音らしき手の表現でたっぷりと見せながらフラメンコの踊りに持っていく前半。後半は地獄の亡者を登場させトスカ、女神ペルセポーナの舞を中心にバッハの受難曲の生演奏と共に、人間の持つ悲しみや痛み、欲望、希望そして愛を展開。

彼と会って45年、事あるたびにいろんな話をしたつもりであったのだが、こんなことを思考し表現したかったとは、ちょいとふいをつかれた感じがしました。しかし考えてみれば30年ものスペインに滞在し、自分のアイデンティティは日本人であり東北山形で育ったことから発する表現に拘ってたことは確かです。彼にとってフラメンコとは表現することのひとつの手段であって、彼が74年間生きて感じたことをアートにしたかったのでは...

それにしても74歳でフラメンコを踊るってことは大変なことでございます。いくつもの大病を乗り越え、こうやって舞台の立ち姿を観てるだけで感慨深いものがありました。

昨年はトム・プロジェクトの作品に俳優として出演してなかなかの評判でした。45年前スペインの地で二人して日々シナリオ創りに四苦八苦して「今日はこれでおしまい!」と投げ出しワインを浴びるほど飲んだあの日が懐かしい...夢であった映画は実現しなかったけど、こうやってともに舞台を創ってるんですから幸せもんですばい。

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都内も色づいてきました

2022/11/02
【第1680回】

ちょいといい話...先日無事公演を終えた「風を打つ」の出演者の一人いわいのふ健君から丁寧でお洒落な封筒で手紙が届きました。長い旅公演の感想とお礼の手紙でした。最後に追伸として、実は2日前に手紙を書いておりポケットに入れて郵便局へと向かう途中に落としてしまいこの手紙は2回目に書いた手紙であるとのこと。もし心優しい方が拾って下さり送ってくれたら手紙が重複してしまうかも...と記されていました。

なんとなんと心優しい方からその手紙が届きました。封筒の裏にこんなことが書いてありました。

 

こんにちは。通りがかりの者です。10月24日品川区後地に通りがかったときにかなり離れた私の前の自転車に乗った方のポケットから、この封筒が落ちました。懸命に追いかけたのですが、猛スピードについて行けず見失ってしまいました。切手は貼られていませんが多分、岡田様に届けられるはずのお手紙じゃないかと思いますので投函します。

 

なんと、この方が自腹で切手を貼っておいらのところに無事届きました。封筒だったので21円不足の通知の葉書も添付されてました。(勿論、この方の善意のバトンタッチを受け継ぎ21円切手を貼って投函しました)鉛筆で丁寧に書かれた文字と、62円と1円の切手を貼ったこの方がどんな方か?おいらいろいろと想像しちゃいました...男性?女性?年齢は?そんな思いを抱きながらおいらの心はポッカポッカになってきました。いやいや、久しぶりに人が人を思いやる温かい交流を手にした一日でございました。

こんな思いを誰しもが持って抱いていれば世界で争いなんか起こらないのにね...

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秋の薄暮

2022/10/31
【第1679回】

今年のプロ野球、セパ両リーグの息詰まる大熱戦で無事終了いたしました。昨日の試合も勢いに乗るオリックスのワンサイドで終わると思いきや、なんと8回の裏にヤクルトが1点差まで詰め寄る試合展開。こんな試合をされると今まで野球に興味が無かった人まで野球ファンになっちゃうんじゃないかしら...この両チーム、監督そしてコーチ陣が素晴らしい。この一、二年で今まで見なかった若手の選手を登場させ活躍させるんですから、指導だけではなく人としての教育もきっちりやってるんだろうなと思います。特にオリックスの中嶋監督、地味だけど地に足がついた采配が光ります。試合の後半に出てくるリリーフ投手陣の投げっぷりが観ていて気持ちがいい。しかもイケメンと来てるから、女性ファンが増えるに違いない。それに反してヤクルトのリリーフ陣は、吉本のお笑い芸人さんとか庶民的な演歌歌手のそっくりさんが出てくるのでなんともほんわかしちゃいます。今回の日本シリーズはいろんな楽しさ満載の7試合でした。

この7連戦でおいらが印象に残った選手は、オリックスの宇田川優希投手、2020年のドラフト育成3位で入団、今年7月に支配下選手となり9月の西武戦でデビューしたばかりの選手である。今回の選手権、ヤクルト選手を完璧に抑えあっぱれである。しかも年棒は450万円ときたもんだからたいしたもんでございます

一方、ヤクルトでは丸山和郁外野手、2021年ドラフト2位で入団した新人選手、巧みなバッティングコントロールで広角に安打を放ち50メートル5.8秒の俊足。青木選手の後釜が出て来たなと思った次第です。

この両チームを観ながら、我がライオンズ来シーズンは大丈夫かいなと正直不安が過りました。松井監督以下コーチ陣に期待するしかありませんな...それにしても来年こそ日本シリーズで戦う獅子を観たいもんでございます。燕と牛ちゃんに負けちゃいられませんぞ!

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先週末のスカイツリー

2022/10/28
【第1678回】

おいらが大好きな作家のひとり安西水丸さんの本が久しぶりに出版されたので早速購入しました。「一本の水平線」、本の帯には...いずれにしても、ぼくの心の中にはいつも絵がある。それが心の支えだなどというのもちょっと気恥ずかしいけれど、口に出しては言えないけれど、きっとそれが支えだろう。

決してうまい絵だとは思わないけど、水丸さんの優しい感性が鮮やかな色づかいとともに遊び心で満たされている。何気なく心の印象風景を構えずに自由なタッチで描かれているので、こちらの気持ちも思わずなごんでしまう。疲れた時に手を伸ばし眺めるにはもってこいの本である。亡くなる2年ほど前に、渋谷のシアターコクーンで見かけたのだが飄々とした佇まいは水丸さんの絵と文章そのものでありました。

この本の中の文と絵をふたつ

 

こんな風に生きたいと思っていることがある。

絶景ではなく、車窓の風景のような人間でいたいということだ。

 

人間は、どのように生きるかよりも、これだけはしたくない

というものを持って生きる方が格好いいですね。

 

さりげなく生きたいと思ってはいるもののこれがなかなか難しい...このさりげなさの本質を思考させてくれるヒントがさりげなく描かれているのが安西水丸の世界。秋の夜長に静かな音でも聴きながら手にするのにはピッタリの本でございます。

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さりげなく

2022/10/26
【第1677回】

久しぶりの青空、やはり心身共々晴れ晴れとしますね。道行く人も、公園でランチしてる人の表情も、昨日の寒さで縮こまった様子とは一変しておりました。これも昨日の寒さがあるから感じられることで物事全て表裏一体でございます。

公園で飛び跳ねる子どもたちを見ながら、ふとこの子どもたちに明るい未来は訪れるのか?とても心配しちゃいます。今年のロシアのウクライナ侵略に始まり、度重なる北朝鮮のミサイル発射、そして先日に決定された中国の習近平による一党独裁、島国日本の周囲にはきな臭い匂いがプンプン。間違って核でも打ち込まれれば、この国は一瞬にしてなくなってしまいます。今国会では防衛も含めていろんな議論がなされていますが、開会そうそう瀬戸際大臣が辞職、あんな人がいけしゃあしゃあと政治家やってるんですから開いた口が塞がりません。国の発展も止まったまま、なのに何の手も打てない政治の貧弱さ、何度やっても自民党の圧勝続き。おいらほぼ政治には期待しておりまっせん!ならば、この子供たちに何を残すために何をせねばならないのか...やはり一番大切なのは自立心を育むことです。今までの日本のシステムに添ったしつけ教育ではまったくもって駄目でございます。

何をやりたいか、それには好きなことに夢中になれる環境を作ってあげることが大切ですね。夢中この言葉がすべてです。夢を持っている限り人間には無限のチカラが沸々と沸き上がってきます。生きることに己が楽しくなければ他人も楽しくさせてあげられないのは自明の理でございます。

そんなことのたまわってる貴方、政治家なりゃいいじゃん!なんてこともよく言われますが、信じられないあの烏合の衆のなかに入っていったとたんおいら死んでしまいますがな...

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My Blue Heaven

2022/10/24
【第1676回】

これぞプロ野球...今年の日本シリーズもワクワクドキドキ満載シリーズでスタートしました。さすがセリーグ、パリーグを代表するチーム、クライマックスシリーズなんかやる必要なかったんじゃないのかな。このシステム、おいらいまだに納得できません。1年間必死こいて戦った日々は一体全体何だったんだろうなと思ちゃいます。1位になったのにリーグの代表として日本選手権に出場できないなんてこともあるんですからなんとも不可解であり、プロ野球機構の金儲け主義が透けて見えてきます...でも中には二度楽しめるなんて人もいるのも確かなのでおいらが頑張っても仕方がありませんことよ。

昨日の試合、9回表までオリックスが3対0で勝っていたのに、ヤクルトは9回裏、無死1、2塁から代打・内山壮真(高卒2年目20歳)が起死回生の3ランで同点。ホンマに野球は下駄をはくまでわかりませんな。まさかですよ、ひよっこみたいな選手にレフトスタンドに高々に運ばれるなんて、ほとんどの人が思いもしないことが起こるんですからね。延長戦に入っても一進一退、5時間過ぎに及ぶ熱戦の末引き分け。選手も大変だけど観客も大変ですな。終電に間に合うかしら?なんて心配しちゃいます。でも、こんな試合をしてるんだったらどちらのファンも大満足に違いありません。

来年こそは我がライオンズ、この時期にグランドに立ってプレーしていただきたいものです。頑張れがんばれライオンズ!

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仲良しコガモ

2022/10/21
【第1675回】

昨日、東京福岡県人会の懇親会に初めて出席しました。きっかけは先月上演した「エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ」の公演を知った方からの一本の電話です。見ず知らずの人ながら同郷であることだけでチラシの配布の手配、福岡県出身の方々をたくさん紹介して頂きました。昨日の懇親会の会場でも「芝居良かったよ!」と数人の方々からお褒めの言葉を頂きました。中に、今回出演した藤吉久美子さんの家庭教師をやったという方も居ました。それにしても福岡県人は明るくて元気よかですばい!よく飲み、よく食べ、よく喋る、こりゃおいらが住んでたスペインアンダルシアの人達と同じじゃん。そうです、福岡県人はラテン系のジャンルに属します。一方、ノリはいいんだが冷めるのも早い。芸能人もたくさん輩出してるんだが、いまだ博多にちゃんとした芝居小屋がないのも分かるような気がします。じっくり若い人たちを育てようなんて気がないのかな?お祭り気質なんで、わっしょいわっしょいとお祭り気分で騒いだ後は、それで終わりでございます。切り替えが早いと言えば聞こえはいいのだが、やはりコツコツと地ならししながら後輩のために道筋をつくる作業も必要なことではないでしょうか...

昨日の懇親会の会場である赤坂有薫は1985年開業で37年の歴史を持つお店だ。玄界灘を中心とした魚や、熊本の馬刺し、大長なすびなど、九州料理のテンコ盛り。郷土料理と郷土の尽きない話で、ついつい酒も進んでしまいいつもより早く酩酊気分になっちゃうのでご用心。

このところ秋晴れが続いています。散歩もよし、秋の夜長の読書もよし、勿論食欲の秋、五感が喜ぶアクションを一つでも起こせば、疲れた心身も緩んで、心晴れになりまっせ!

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どんぐり会議

2022/10/19
【第1674回】

遂に完走!9月2日からスタートした東北、中部・北陸ブロック演劇鑑賞会「風を打つ」の39ステージ。昨日、富山県となみ演劇鑑賞会で無事、大千秋楽を迎えることが出来ました。キャスト、スタッフの皆さん、そして呼んで頂いた演劇鑑賞会の皆様のおかげで、コロナをはじめあらゆる困難をはね除け上演できたこと本当に嬉しいの一言です。公演中、現場から電話が掛かる度に「もしやコロナ感染者が出たのでは...」ヒヤヒヤドキドキの日々でありました。勿論、旅の途上での皆それぞれが「自分が感染したら...」なんて不安を抱えながらの道中は厳しいものがあったと思います。感染した時点で公演中止になるんですから、そりゃ相当のプレッシャー、それを乗り越えての千秋楽。この公演にかかわったすべての人が感じた感無量の千秋楽の瞬間であったに違いない。芝居の神さんはちゃんとお見通しでございます。こんな素敵な芝居は多くの人達に観てもらわんといかんですばい!実はそんな神さんの声が聞こえ無事完走できるとは信じてはいたんですが...なにが起こっても不思議ではない今の世の中そりゃ心配しますがな。

それにしても今回の「風を打つ」どの会場でも大好評でございました。キャストのチームワークの良さ、スタッフの厳しい条件の中での踏ん張りが、より密度の濃い芝居を生み出したと思います。

さて、次なるものは?芝居創りには終わりがありません。来年、そして再来年、高い頂上を目指して一歩、また一歩、困難な山道を踏みしめる登山者と同じかも知れませんね...

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彩られ色づく秋

2022/10/17
【第1673回】

今日の東京は曇り空で時折小雨が降ってます。街行く人もやがて来る冬の季節に備えての服装が目立ちます。本来であれば、秋に相応しいファッションで目の保養をしたいところですが、なんともこの気候変動で季節の楽しみが奪われつつあります。

週末の吉祥寺はちょっとしたバザールでにぎわってました。傷んだ服無料で修理しますというお店があったので覗いたらパタゴニアでした。パタゴニアの目的「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」をキャッチフレーズに展開している会社です。これからはただ利益を追求するだけの会社は消費者に受け入れられないんじゃないかしら?この不確実極まりない時代に何らかの付加価値をつけないと生き残れないと思います。

それにして諸々の値上げラッシュには悲鳴を上げています。以前までは美味しくて安くコロナ対策万全の行きつけの焼き鳥店もとうとう値上げしちゃいました。お客は敏感なんですね、開店早々席が埋まってた頃に比べて客足が鈍くなったのではと心配しちゃいます。店を出ると、すぐ近くにある破格の値段で勝負しているお店にはたくさんの客で埋まってました。給料は上がらないのに物価、外食の値段が上がるとなると、そりゃ庶民の財布の紐が堅くなるのは当然です。街にはたくさんのコーヒ店があるのだが、ここが閉店に追い込まれると世の中かなりやばい状態だと思います。昔からコーヒ店は、安らぎ、交流の場であり、淹れたてのコーヒーを味わいながら唯一緩んでいられる憩いの場であるからです。

どんなに苦境に陥いっても、心身の片隅に余裕のココロが失せないよう日々チェックしたいもんでございます。

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秋の井の頭公園

2022/10/13
【第1672回】

連日にわたるプーチンのウクライナに対する無差別ミサイル攻撃は、嘗て第二次世界大戦でナチスドイツがスペインバスク地方にあるゲルニカの村を攻撃したことを彷彿させる出来事だ。おいらも45年前にこの村を訪れたのだが、村の一角には、ピカソによる絵画『ゲルニカ』と同寸のレプリカが飾られていました。バスクでとれた新鮮な魚介を村の食堂で食した記憶があります。この静かな村にいきなり無差別に爆弾が投下された光景はピカソが描いた絵の如く阿鼻叫喚の様であったと思います。テレビで流れるウクライナの状況を見るにつけプーチンの残虐性にただただ怒りを覚えます。そして又、このあとのロシアの国が苦難の道を歩まねばならないとするならば、ロシアの民衆が反戦の大きな声をあげなければと思うのだが、これも命懸けの行為です。要するに世界の安定を保つためには、独裁者を生み出さない土壌を日頃その土地で暮らす人達が養うしかありません。

20代の頃に読んだ夏目漱石の「こころ」を再読。若い頃に読んだ印象と、この年齢この時代の読後感はさすがに違いましたね。当たり前のことですが、己の人生経験と作者が描いた世界とのバトルを堪能させていただきました。それにしても漱石はさすがです。登場人物の心理描写、話の展開、ミステリアスな味付け、文学でありながらエンターテインメントの要素を盛り込みながら今なお燦然と輝く文学者でございます。

今日も肌寒い一日、新宿にもぼちぼちながら海外からの旅行者がマスクしないで散策しておりました。これからが冬本番、インフルエンザとコロナでまたまたてんやわんやの大騒ぎにならぬことを祈るのみでございます。

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雨に濡れるアンネのバラ

2022/10/11
【第1671回】

今年のライオンズの試合終了しました。昨年の最下位から今年は3位ですからなかなかよくやったというべきでしょうね。辻監督も今年で退任、6年間でリーグ優勝2回、Aクラス5度なんですから名監督であったと思います。いろいろ言われますが、気さくで明るい自由奔放なチームを形成し皆のびのびと野球を楽しんでいました。管理野球が野球をつまらなくした過去があるんで、このスタイルこそが本来のライオンズのチームカラーです。

それにしてもパリーグ・クライマックスシリーズ・ファーストステージ、ソフトバンクとの2試合、同じ選手に決定的なホームランを2度打たれるシーンを見ながら、森捕手のリードを疑いました。前日打たれたコースと同じところに投げさすんですからあちゃ~、森の野球センスはバッターとしては認めますがキャッチャーとしてはいかがなものかと改めて感じた次第です。FAの権利を取得したので他のチームに移籍する可能性十分にあります。セカンドを守っていた外崎然り、この権利は選手として長いことプレーしてきた選手の権利ですから他人がとやかく言うものではございません。他のチームの契約条件がよければどうぞ!ライオンズはあまりお金がないので、他のチームに比べても流出が多いチームですが、次から次に若い選手が出現する楽しみなチームです。おいらはこちら方が好きだな...ぐだぐだ言うなら、お金が欲しけりゃ、他のチームで頑張ってくださいな。今でも楽天に移籍したA選手、登場するたびにむにゅむにゅしますがな。

ロシアのウクライナへの報復ミサイル攻撃。プーチンの狂気の沙汰がますますエスカレートしてるみたいで無気味でございます。なにもできないけど、ただひたすら平和を願う気持ちだけは持ち続けたい!この願いの数がこの現況を変えてくれるに違いない...

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秋バラ
(花言葉~情熱)

2022/10/07
【第1670回】

昨日は久しぶりに銀座に行きました。日比谷にあるシアタークリエでの公演「アルキメデスの大戦」を観劇。映画にもなった作品で、舞台にするのはちょいと難しいのでは?と思ったんですが、そこは歴史物、特に第二次世界大戦にまつわる作品を数多く上演してきた劇団チョコレートケーキの作・古川健、演出・日澤雄介コンビが上手くまとめておりました。舞台は台詞が命、若い役者さんたちが想像力を駆使して懸命に表現しておりました。惜しいかなヒロインの女優さんがまだまだ舞台でお金取れるレベルではございませんでした。

この手の芝居でいつも感じることは、客層の90%以上が女性であること。そのお客様のほとんどが一部の男優さんの追っかけであること。おいらは前から7列真ん中の席だったんですが、両脇の女性客二人とも、お目当ての男優が登場するとオペラグラスをしっかりと手にして観劇しとりました。そんなことしなくてもハッキリ、クッキリと男前のお顔拝顔できるのにと思うのだが、そこはファン心理でござりまする。おいらがとやかく言うべきことではございませんが...でも、追っかけさんであっても、この芝居を観終わって平和の有難さ、戦争に対する不条理を今一度考えるきっかけになればいいなと思いました。更に言うならば、芝居の面白さにはまり、小劇場も含めて様々なジャンルの芝居に足を運んでいただければいうことなしでございます。

いやいや、急にブルブル寒い季節になっちゃいました。そのうちに春と秋がなくなるんじゃないかしら...春と秋があっての夏と冬。世相の味気なさと季節の移り変わりがなんだか似通ってきた嫌な予感がいたします今日この頃。

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秋の風物詩

2022/10/05
【第1669回】

新宿西口の象徴的な存在であった小田急百貨店新宿店本館が10月2日、55年にわたる現館での営業を終了しました。おいらは22歳の頃、百貨店というよりすぐ近くの思い出横丁(その当時はしょんべん横丁)を徘徊し安酒飲んだり、地下の西口広場の反戦フォーク集会を覗いたり、百貨店前で詩集を売ってた人と仲良くなったりと、この建物を軸にして行動してました。ちょいとお金が入ると、めったに買わないお洒落な衣服を購入した記憶もございます。貧乏青年にとって百貨店なんぞは高嶺の花、でも何事も感性をアップするためには高級な品々を見て廻ることも大切なことでした。なかでも海外の家具、照明器具、日本の伝統工芸品をじっくりと眺める時間は贅沢なひとときでもありました。この雄大な建物、大規模再開発に伴って解体されることになり、2029年度をめどに地上48階建ての超高層ビルになるそうです。東京の街の変貌はすさまじいほどのスピードで進んでいます。別に昔を懐かしんでいるわけではないのだが、おしなべて無機質な街になってることは確かだし、おいらとしては寂しい気がします。あの猥雑でエネルギッシュな街の佇まいから時代を変える文化が誕生していった経緯を体験しただけに尚更です。

あのサイドと後ろを刈り上げたオッサン、ついに日本上空に長距離ロケット砲を飛ばしました。このオッサンとプーチンには困ったもんでございます。まさか核攻撃?でも一寸先は闇、日本にも召集令状なんて時代くるかも...この世紀、何が起きても不思議でなくなった様相を呈しています。ゴシゴシ自分磨きをしないと大変なことになっちまいますぜ皆の衆。

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おつかれさまでした

2022/10/03
【第1668回】

久しぶりの舞踏、堪能いたしました。10月1日に行われた「天狼星堂舞踏公演10月~つづれ織り~」中野のテルプシコール。この小屋はおいらが20代の頃、演劇群走狗の打ち合わせで通ったところです。その後、舞踏の聖地として数々のダンサーがこの地で修練を重ねてきました。この舞踏においらが出逢ったのも20代です。今は亡き土方巽の公演ですっかりはまってしまいました。これこそあらゆる踊りの中で日本人が勝負できる表現だと確信しました。蟹股、重心を低くして空間を模索していく様は、まさしく宇宙であり肉体が氾濫しながら哲学の世界に誘っていく感覚がたまらなく愛おしくなった記憶があります。

早速、当時目黒にあった土方さんが主宰するアスベスト館に遊びに行きました。類まれなる天才、土方巽の一挙手一投足をつぶさに鑑賞させていただきました。このカリスマ性は誰も真似ができないほどの一世一代の話術、肉体表現でした。でもなぜかおいらはこの門を叩こうとは思いませんでした...そりゃそうだ生来の気質、組織の群れの一員になるのが嫌だったんですね。しかし土方さんから受けた影響は、おいらがスペインでの大道芸で稼ぐ日々の大きな財産になりました。45年前、白塗りに着流しふんどし姿で舞い踊る姿を異国の人たちは驚きの表情で観ておりました。お陰で1時間の踊りで1週間充分に生活出来る投げ銭を頂きました。その後、当然の如く舞踏は世界の舞踏へと拡大していきました。

この日の天狼星堂の主宰者である大森政秀さんとも長い付き合いです。彼特有の身のこなしはなんぞや?彼の出自、生まれ育った北海道三笠市で少年期、アンモナイト採集の日々に夢中になった少年を手繰り寄せる舞でもあり、いまだ正解のないこの世の不条理に心身を投げ出し模索する佇まいにも視えました。言葉がないだけに観る側の想像力を無尽蔵に掻き立ててくれます。4人のお弟子さんもなかなか個性的で素敵でした。なかでもワタルさん、大倉摩矢子さんまた拝見したいなと思いました。

この世の中、まだまだおもろい代物がたくさんありまっせ!ぼけっとしとったら損しますがな。

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摩訶不思議な世界

2022/09/28
【第1667回】

昨日はどのメディア見ても国葬の話題で持ちきりでした。国民の意見を分断してまで実施する必要があるのだろうか?多数の人がそう思っているのでは...反対する人のデモの様子を見ながら、これがロシアであれば即拘束、拷問、挙句の果ては戦地に兵として送られる羽目になるのではと思うと、つくづく自由の有難さを感じます。政治の世界は魑魅魍魎、何かを企画し行動にすること自体何らかの戦略があってのことだと思います。どんな人の死も平等、安らかに永眠されますよう、心よりお祈り申し上げますという気持ちであれば十分だと感じます。

まだまだ暑さは残ってますが、吹く風は秋の気配を感じます。コロナもなんとか数は減ってはいるもののまだ油断はなりません。芝居を抱えながらの日々、しばしリラックスするには酒と音楽と読書かな...最近、音楽では従来のジャズに加えクラシック音楽で心身をリフレッシュしています。ここのところ気にいってるのがバイオリストのアルテュール・グリューミオ―。ベルギー生まれで1986年に65歳で亡くなっている。彼のヴァイオリンの艶やかな音色と、瑞々しいまでの抒情性が心身を癒してくれる。そしてクラシック特有の気高い品格が豊かな気分にさせてくれる。

これからの秋の夜長の過ごし方次第で、この鬱としい気分払拭することが出来ますことよ。

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フィンランドのマリメッコ

2022/09/26
【第1666回】

昨日、無事に「エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ」千秋楽を迎えることが出来ました。あの昔の時代の話がどう観客に映るのかプロデューサーとしては、とても気になるところですが、ニンゲンの生き方なんぞは基本的にはそうそう変わるもんじゃないし、人の琴線に触れるところは普遍的なものだと思って創ってるんで心配はしてませんでしたが。

演劇評論家の方々もこんなことを書いてくれてました。

 

貧しいがたくましくまっすぐに生きていた時代への追憶の芝居。それはノスタルジーではない。それこそが人間本来の生活ではないか。74歳のたかお鷹が少年に見えてくるのだから、舞台は想像力だ。長屋のおばちゃん役の藤吉久美子が呆れるほど上手い。清純派がこんな泥臭いおばちゃんを。それが見事にはまった演技。演技とはこれを言う。作品の要となる娼婦の森川由樹がまた素晴らしい。少年の憧れを受け止める。女の悲しみを内包する。斉藤、清水もそれぞれ役を生きている。子役の涌澤昊生も元気でいい。舞台のアンサンブルが見事。役者全部がいいという舞台はめったにあるもんじゃない。今回の舞台はまるで奇跡をみているよう。全員、底抜けに明るいのがいいのだ。明るいからこそ悲しみが際立つ。後半から涙止まらず...

 

人はいつの時代になっても、生きるうえになにが大切かを模索しながら日々を過ごしている。この芝居がすこしでもそのためのヒントになり得たら、芝居屋にとっては嬉しい限りだ。

この困難な時代だからこそ、よか芝居創らんといかんですばい!

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ホソバヒャクニチソウ
(花言葉 友への想い)

2022/09/22
【第1665回】

昨日、「エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ラインズ」俳優座劇場で無事初日を迎えることが出来ました。改めてこの作品、よか芝居と思った次第です。あの時代の匂いが舞台上から観客に伝わっていくさまが良くわかります。この芝居のテーマでもある匂い、そうなんですね、いまやこの国にとどまらず先進国といわれている国々はほぼ無味無臭のつまらん国になってしまいました。人間が醸し出す匂いが感じられなくなった途端に、自己中心の思考に陥り、生きる上で一番大切な優しさそのものが疎遠になっていき、人が人を思いやる感情が希薄になっていくのは自明の理。拝金主義、物欲に走り、果ては小さなもめごとから始まり、挙句の果ては戦争へ突き進むお決まりのコースでございます。

匂い、体温、この身近な感覚を失わないことが家族、街、国家、そして地球を守る大前提であることを、この芝居が教えてくれてる気さえします。決して高邁な思想を語らなくともごく身近な市井の人達から学ぶことの方が多いのではないか...

今回の芝居、少ないステージですが、こんな時代だからこそ是非見て欲しいと強く思った昨日の初日でございました。

前回、お知らせした台風で中止になった「風を打つ」ちた半島演劇鑑賞会での公演、いろんな方の尽力で振替公演ができることになりました。

まだまだ演劇の神さん健在でございます。

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雨あがる

2022/09/20
【第1664回】

いやいや、台風には敵いませんわ...今回の台風で、風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」広島県福山市の公演が早々と中止決定。昨日は、「風を打つ」愛知県中部ブロックちた半島演劇鑑賞会での公演、劇場にセットを建てこみ、さあこれからと言うときに行政からの台風による閉館指示が出され中止。芝居もやらないままセットのバラシはつらいものがあります。俳優陣も気が抜けちゃったんじゃないかしら...でも、何事も安全第一、芝居終演後に帰宅困難なんてなったらそれこそ一大事でございます。コロナに台風、ナマものである芝居、予測できない困難との闘いでもあります。

明日からは「エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ」が始まります。稽古を観に行ったのですが、なかなかいい仕上がりになっていました。登場人物5人が皆、昭和30年前後に生きていた人物になりきっているところが素晴らしい。あの時代の匂いを知っているのは、今回キヨシ少年を演じるたかお鷹さんだけなのに、あの日あの時の博多・末広長屋が甦ってくる感じがするんだから不思議なもんでございます。

埼玉のライオンズの方は、昨日の敗戦で終戦でございます。よりによってライオンズの選手を4人もかっさらい、第二ライオンズとも言われている楽天イーグルスに本拠地で3連敗するんですから開いた口が塞がりません。通算7連敗じゃ今年は5位かな?おいらも途中からテレビ止めちゃいました。要するに実力不足、チームとしての層の薄さを感じます。冷静になれば当然のことかもしれません。昨日のソフトバンクとオリックスの試合なんぞはワクワク、ドキドキの展開。これぞプロの試合でございます...はや、来期のライオンズに期待したいところだが...おいらは明日からの劇場の西鉄ライオンズのことで頭一杯でございます。

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久し振りの井の頭公園

2022/09/16
【第1663回】

おいらは万年筆大好きな人の一人だ。長年愛用していたモンブランの万年筆、インク漏れが始まったので、いつものように新宿伊勢丹のモンブラン専門店に修理依頼を相談に行ったところ、最低¥13500~¥36500の修理費がかかるとのこと、しかも修理に出すと、修理しなくとも¥6500がかかるってんだからなんとも腑に落ちない感じがいたしました。早速、ネットで調べたら文京区に川窪万年筆店が見つかり早速出かけることにしました。下町風情にある民家に店を構えた古いお店でした。最初は失礼ながら大丈夫かいな?と思ったのだが、万年筆を差し出すとさすがに三代続く万年筆職人。「15分あれば直せます!」ここでおいらもホンマかいな?とまたまた不安になったんですが、言葉通りに完璧に修理してくれました。しかもお値段が¥4950なんですからありがたやありがたやでございます。そりゃそうだ、昭和元年に初代・川窪長七(現三代目:川窪克実の祖父)が早稲田界隈の小さな店で、主として学生・大学教授様向けに万年筆を製造して販売。その後小石川林町(現店舗の文京区・千石)に移転し、同じ町内の菊池寛、宇野千代、川端康成、E.サイデンステッカーの愛用品の修理・調整を手掛け、二代目:川窪一夫(パイロット大型蒔絵万年筆の開発に携わる)、そして三代目:川窪克実と確かな万年筆全般に関する技術の継承が行われ、現在に至る名店だったわけである。

大都会東京には、これに類する職人芸を伝える名店が、今尚存続してるのがとても嬉しい。

一昨日、東京亀戸文化センター・カメリアホールで公演した風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」いやいや大変な盛り上がりで充実した一日でした。演者と観客が一体になることによって、至福の時間を持ちえることを改めて実感した次第でございます。

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愛をささやいてるのかな?

2022/09/14
【第1662回】

生きていくなかで、誰しも何度か拘りについて自問自答したことがあるかと思います。先日、早稲田にあるジャズ喫茶「ジャズナッティ」に行ってきました。早稲田大学のすぐ近くにある2008年にオープンした店です。先ずは玄関先に「ミュージシャンの魂を聴きとれ!」という看板に、おいら緊張してしまいました。その看板に一礼して店内に入るとお客は誰も居ませんでした。いやいや、襟を正して、背筋をシャキッと伸ばしてジャズミュージシャンのほとばしる魂の叫びに耳を傾けないと店主に怒られないかとヒヤヒヤもんでした。しかし、注文取りに来た店主は穏やかな紳士でここはひとまず安心。店内に入った時はCDが流れていたんですが、おいらの佇まいで判断したのかどうかも分からんのだが、早速レコードを取り出しアートファーマーの名盤「ポートレイト・オブ・アート・ファーマー」に針を落としてくれました。おいら特別にアートファーマーに思い入れはないんですが、やはりジャズ喫茶に来たならばレコードを聴きたいのが本音です。CDでお茶を濁してるお店はちょいと手抜きしてるんじゃないかしら?いやいや、お店にしてみれば繁盛もしてないのに、演奏時間が短いレコードの盤面を変える手間暇はありまっせん!と叱られるのは承知の上で申しているのですが、やはりジャズ喫茶の存在意義はレコード盤を聴けるということです。目を閉じ、巨大なスピーカーから流れる音を一音一音聞き漏らすことなく聴いてるうちに、緊張のあまりおしっこ漏らしそうになりトイレに行った次第です。

一時間ほどしたら一人の客が入店。おいらもなんだかほっとして帰れる気分になりました。

この店の拘りに魅せられ14年続いているんでしょうね...おいらも20代の頃、毎日のように新宿のジャズ喫茶DIGに通っておりました。老いたらジャズ喫茶やる計画だったんだが...人生なんて所詮、ケセラセラでございます。

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マイルスも感染予防中

2022/09/12
【第1661回】

先週の土曜日の中秋の名月は見事でございました。いつの世も、生きとし生けるものたちは夜空に浮かぶ月の変化を感じながら、その日一日の出来事を月に向かってなんとなく報告している感さえします。雲に隠れた日なんぞは、なんとなくその日のケジメがつかないモヤモヤ気分が残ってしまいます。昔、スペインアンダルシアのコスタ・デ・ソル(太陽の海岸)のすぐ傍に住んでた時には、満月なると浜辺で着流しの着物を着て踊りながら月に吠えておりましたおいらでございます。スペインの月は何故か人を狂わせる不気味な表情をしていました。

現在、東北ブロックの演劇鑑賞会で上演している「風を打つ」今日の仙台公演を含め10ステージ無事終えることが出来ました。どの会場でも評判がよく嬉しい限りです。風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」も昨日、北海道公演3ステージ、山形県の川西町を含め4ステージ、こちらも、どの会場も笑いが絶えない雰囲気だったと聞いております。「風を打つ」は残り29ステージ、「帰ってきたカラオケマン」は3ステージ、なんとなくコロナの感染者は少なくなってはきてますが、油断は禁物です。ちょいとした隙間からコロナちゃんは遊びに来ますから気をつけなくちゃなりませんね

来週は21日から「エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ」が始まります。よりによって、こんな時になんで3本も芝居やるんかい?と思う方も居るとは思いますが、こんな時だからこそやるんでございます...

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十五夜

2022/09/09
【第1660回】

スメタナの連作交響詩「わが祖国」、いつ聴いても心に染み渡る...今回のアルバムは歴史上いつまでも語り継がれる名盤である。1990年の「プラハの春」音楽祭でのオープニング・コンサートで演奏されたライブ版。チョコスロヴァキアの民主化の初の音楽祭に、独裁政権に反旗を翻し西側に亡命していた巨匠ラファエル・クーベリックが42年ぶりに祖国に戻り、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したのである。この年第45回を迎えた「プラハの春」は美しい自然と多くの歴史的な建物に囲まれた古都で、毎年5月12日、つまりチェコ国民音楽の父であるスメタナの命日に開幕し、そのオープニング・コンサートには、チェコフィルがスメタナの代表作である連作交響詩「わが祖国」を演奏することが恒例になっている。第1回の音楽祭が開かれたのは1946年のことで、当時チェコ・フィルの主席指揮者であったクーベリックは、その記念すべき最初のコンサートを指揮しているから、音楽祭には実に44年ぶりの登場になったわけである。

この交響詩の中の第二章の「モルダウ(ヴァルタヴァ)」、これを何度聴いても涙がちょちょぎれ感極まる。南ボヘミアのシュマヴァ山脈に源を発し、北流してプラハを通ってエルベ河に合流するモルダウ河を描いた傑作である。この旋律が流れるたびに、自然に囲まれ自由のありがたさに感謝しながら生きていくことがなんと素敵なことかを改めて感じさせてくれる。

この曲を聴きながら、ふと、わが祖国(日本)を考えてみるのも意義あることだ。円安、日本の国力の低下、政治の体たらくなどなど...理想の未来が見えないのがこの国の現実である。

そして、寺山修司のこの句が浮かびました。

 

マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや

 

ちょいとオーバーかも知れませんが、祖国の存亡がかかってるくらいの理念、気概を今一度持たないとあきませんがな...

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野に咲く花

2022/09/07
【第1659回】

月曜日、携帯をオフィスに忘れたまま帰宅しました。電車に乗って気づいたのですが、こんな時もあるわいなと思いオフィスには戻りませんでした。なんとこれが幸いして、そのあとの19時間を新鮮なひとときで過ごすことが出来ました。仕事柄、しかもよりによって同時に3本の芝居を抱えながらのこの時に、困ったなと一瞬そんなことが過ったのだが、どうにかなるわいなと携帯なしの時間を逆に楽しんだ次第です。誰からも連絡がこないんですから、この日は自宅でゆっくりとお酒と食事を楽しんだ後、好きな音楽を聴きながら読書をいたしました。他者との連絡が取れないことは不便に見えますが、心身ともに解放され自由な身になった爽快な気分でした。

考えて見りゃ、昔はよほどのことがない限り公衆電話もかけず、用があれば手紙のやりとりでコミュニケーションを図ったものでございます。思いの丈をたどたどしいながらもしっかりと相手に届くように綴った時間が何ともいじらしくもあり楽しい時間でした。今でも、万年筆、筆で手紙を書くときに感じる感覚は、細胞がいつもよりいきいきしてるように感じます。身体全体の思いを筆に託し、文字を産み出し真っ白な空間を埋め尽くしていく一瞬一瞬に喜びさえ覚えます。

なんでんかんでん便利になりやがって、不便なときに自ら思考し行動した尊い時間を忘れちゃいけません!ということを想い出させてくれた昨日でございました。

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長月のアレンジメント

2022/09/05
【第1658回】

劇団チョコレートケーキの「ガマ」を観劇。この劇団2022年8月17日~9月4日まで、東京芸術劇場で「生き残った子孫たちへ 戦争六編」と銘打って公演しました。小劇場の劇団がこういう形で硬派の芝居を六作品、長期間企画するだけでもあっぱれです。このクソ暑い中、しかもコロナ感染のなか、しんどい芝居にはなかなか足が向かないと思うのだが、今だからこそ戦争に向き合って欲しいという劇団のこだわりを感じます。演劇を志すものとしてこのこだわりは必要不可欠であり、これからの劇団の改めての決意表明ではなかろうか...

今回の「ガマ」は六篇の中で唯一の新作です。沖縄の悲惨な戦争体験はたびたび舞台化されてきましたが、この作品はまさしくガマ(沖縄戦時に避難壕や病院壕として使用され、その数はおよそ2000にも及ぶ)のなかでの人間ドラマ。おいらも、数年前、ひめゆり学徒隊が居たガマの前に立った時には、ガマの中でくり広げられた悲惨な惨状が頭をよぎり、しばし黙祷するしかなかった。

劇中、皇民教育に染まった少女を演じた清水緑が吐く台詞「帝国臣民」「聖戦貫徹」「私たち沖縄県民はどうやったら日本人になれるんですか」「友達は皆日本人として立派に死んでいった」それらの言葉を受け止め、「命は宝だから」と少女を諭す現地の老人を演じた大和田獏が秀逸。これも、勿論、劇団チョコレートの役者陣が支えてのこと。

戯曲、演出、舞台美術、照明、音楽、すべてがハナマルの公演でございました。

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久し振りのゴジラ

2022/09/02
【第1657回】

8月31日、埼玉県志木市民会館で「風を打つ」の公開舞台稽古を観てきました。今回の公演、今日から演劇鑑賞会の東北、中部・北陸ブロックで10月18日まで39ステージの公演を予定しています。コロナ禍と猛暑のなかでの稽古本当に大変でした。今日、この日初めて役者さんもマスクを外しての本番だっただけに感無量の思いでした。マスクをしながらの稽古は身体的にも苦痛が伴うのは当然なのだが、なんといっても相手の表情が読み取れないのが表現者にとっては最大の苦痛です。そんな状況が3年近く続いているんですから、いい加減コロナちゃん勘弁してくださいな!と叫びたい。

この日の芝居、困難な中この日を迎えた5人の役者さんの思いの丈が会場に響き渡っていました。この日の観客から頂いた割れんばかりの拍手に背中を押され、10月18日の千秋楽まで無事に完走してくれることを願うばかりです。いつものことながら演劇の神さん頼みまっせ!

昨日、新宿の西口で、9月27日に執り行われる安倍元首相の国葬について中止や反対を求める署名活動が行われていました。国民の半数以上の人が反対しているのに内閣だけで決めて実施するのはいかがなものかと思うのが当然でしょう。しかも問題になっている旧統一教会とずぶずぶの関係であった人だけに...とにもかくにも、ここらあたりで思い切った当たり前の政治に舵を切らんと、間違いなくニッポンえらいことになっちまいますね。

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長月の空

2022/08/31
【第1656回】

先週の土曜日、日本テレビでのドラマ「無言館」観ました。戦没画学生の家族を訪ねながら絵を収集していくさまを丁寧に描くことを主にした作品になっていました。監督が劇団ひとりということもあり窪島さんと野見山さんとのやり取りは喜劇タッチに描いていた。途中CMが頻繁に流れるという制約の中で、なんとか無言館オープンまでの道のりにたどり着いたという感じでした。トムの作品は、窪島さん自身の波乱万丈の人生が枝葉として随所に織り込まれ、無言館なるものの存在を複眼的にとらえていたのではないかと思っています。

いずれにしても、こうやって無言館の存在が多くに人に知られ、無言館を訪ねてみようという人が一人でも二人でも増えていけば素晴らしいことだと思います。そして、戦没画学生が描いた珠玉の絵画を目の当たりにすることにより、平和であることのありがたさ、尊さを今一度、胸に収め、自分の出来る範囲でアクションを起こしてくれれば世の中、少しはマシになるのでは...

京セラの稲森和夫さんが亡くなりました。コロナが感染し始めた頃、京セラ財団が文化団体に巨額の助成金を助成しました。国家に先んじて民間の会社が手をあげたことに驚きました。トムも芝居が中止になり思案に暮れてる時期に、稲盛財団の支援は本当に助かりました。

芸術が育たない国に繁栄はないという理念で日本の経済を牽引した稲盛さんに次ぐリーダーが現れないとこの国も心配でなりません。

思えば、コロナ禍のなかで学ぶこともたくさんありました。このウイルス、確かに人類の数々の驕りに対しての戒めであり、地球の一生物でしかない人間にたいし「もう一度原点に戻りなさい!」という警告だと思います。

ウクライナへの兵器援助、更なるワクチンの開発、これは果たして本当に地球全体のためになっているのだろうか?表層的なものに目を奪われてると未来はえらいことになっちゃいますがな。

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花と蝶

2022/08/29
【第1655回】

風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」土曜日、日曜日、満員の観客の中で無事公演を終えることが出来ました。会場の皆さん、杜夫ちゃんの魅力に取り憑かれ食い入る様に観ていらっしゃいました。そして随所で放つ小気味いい時事ネタで大笑い、そしてラストには涙、ナマの芝居のいいとこ取り満載の運びに、重苦しい日常を忘れさせてくれる時間であったことでしょう。沢山のアンケートも集まりました。

 

同じ世代のわたしにとってはマスクをはずして一緒に歌いたかったです。熱いパワーを注いで頂いた思いです。演劇の底力を感じました。これからも心に届くお芝居を楽しみにしています。「牛山明さん」ありがとうございました。

 

平和の大切さを強く感じました。高齢者のための政党、是非実現して欲しいと願います。

 

前回も観ているのですが、その時々の話題の違いにより内容が全く変わってくると言う思い、今回は心にしみいる曲ばかりでとても良かったです。

 

などなど。

演劇が閉塞した時代になんらかのチカラになり得たことは何度もありました。改めて演劇が時代と切っても切り離されない表現であることを改めて痛感しました。いろんなスタイルがあるとは思いますが、今回の芝居の主人公の如く庶民の視点から描く芝居だからこそ、身近に感じられ懐深く入り込んでいくのでは...

今日の新宿スペースゼロでの最終公演、先程無事終えることが出来ました。今回見逃した方、9月14日に江東区亀戸文化センター( カメリアホール)での公演もありますので...見逃すと一生後悔しちゃいますよ。なんて、プロデューサーは先へ先へと思いを巡らせております。

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こちらも熱きライブ

2022/08/26
【第1654回】

昨日、明日から新宿スペースゼロで始まる、風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」の最終稽古に行って来ました。御年73歳になる杜夫ちゃんのパワーに圧倒されました。とにかく本人は大変だとは思いますが、観てる方は徹底的に楽しんでひとり遊びをしているように見えるんですから不思議な感覚におそわれます。芝居の基本、演じてる側の楽しさがそのまま観客に伝わるってことを実証してくれてるんですね。

昨年の初演はコロナの規制に引っかかり、観客を半分にしての公演で忸怩たる思いがあっただけに今年はその鬱憤をはらしたいとスタッフも含めて気合いが入っています。と言っても、稽古中の日々の緊張感も勘弁してくれと言いたくなります。感染者が出た時点で公演が中止になるニュースが流れる度に、もしやなんて不穏な気分になっちゃうのはもう嫌だ!その点、このひとり芝居、出演者がひとりなのでリスクは最小限に抑えられることが救いかな...コロナ時代にピッタリなのが今回のひとり芝居。

ウクライナの侵略、統一教会問題、そして未だ止むことのないコロナなどなど、この世の不条理に対し、この芝居の主人公牛山明は庶民の立場から怒りを爆発させます。

この閉塞しきった現況、この芝居がモヤモヤを解消してくれる劇薬になることは間違いございません。迷わず劇場に足を運んでくださいな!

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最後のひと鳴き

2022/08/24
【第1653回】

昨日、今月31日からスタートする「風を打つ」の稽古を観に行ってきました。2019年に創った水俣にかかわる作品です。初演の時に大きな評価を頂き今回の演劇鑑賞会での公演が実現しました。昨日観て感じたことは、水俣病で苦しみながら懸命に生きようとする姿が、今まさにコロナ禍のなかで、もがき苦しみながらもなんとか未来につなげようとする世界の状況と相通じるものがあることを確認しました。苦境に陥れば陥るほど大切なのが家族の存在であることもこの作品が実証してくれます。この世界の平穏は核家族の絆があってこそです。社会を構成している基本の家族が上手くいってなければ、そこから歪が生じるのは自明の理。

「風を打つ」の作・演出家である、ふたくちつよしさんはいつもそこにフォーカスをあわせて芝居を創ってきました。決して派手ではないのだが、そのぶれない創作姿勢に共感しておいらもこれまでふたくちさんに依頼して良質の芝居を創ってきました。これも、作家とプロデューサーとの信頼関係がなければ成し得ないことも事実です。

稽古場では、この時期マスクをしながらの稽古は辛いものがあると思うのだが、皆さん一つ一つの台詞を確認しながら熱のこもったやりとりをしていました。少しでも油断すると、そこからほころびが生じ観客に届かないチープな芝居になってしまうのがライブの恐いところです。そのうえにコロナの恐怖が加わるんですからたまったもんじゃございません。

本番の日は刻々と迫っています。いつものように演劇の神様が「大丈夫だよ!」と、おいらには聴こえます。

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錦糸町稽古場前から

2022/08/22
【第1652回】

いやいや、コロナなかなか収まりませんな。トム・プロジェクトでは今週末から風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」をはじめ、10月18日まで「風を打つ」「エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ」計3本の芝居を公演します。スタッフ、キャスト、制作の皆さんがPCRの検査をやるたびにヒヤヒヤ、ドキドキしております。すでに3年目になるのに困ったもんでございます。先日の新聞にも「演劇存亡の危機」という特集が組まれていました。勿論、演劇業界だけではございません、飲食、観光などなど打撃を受けてるところは数知れないと思います。世界の状況からみても、この国のコロナ対策は相当遅れていて一番大変なのが病院、保健所だというんですからこれまで何やってたの?と政府、行政の責任が問われてもおかしくないんじゃないかしら...

トム・プロジェクトが上演した演目がテレビ、映画で上映されます。先ずは今年の6月に上演した「無言のまにまに」、8月27日(土)28日(日)に放送される日本テレビ24時間2022のなかで、スペシャルドラマとして8月27日の午後9時から「無言館」というタイトルで放送されます。次は2005年に上演した「ダモイ」が、「ラーゲリより愛を込めて」(瀬々敬久監督、12月9日公開)。いまだ終わらない戦争を通して、名も知れずに死んでいった庶民の声を救い上げる作業は、今生きてる人たちがやらねばと思っています。それは義務、責任と言っても過言ではない...亡くなった人達の犠牲の上に今の平和があるんですから当然だし、他人任せにしてるととんでもない未来が待っておりますぞ!

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四季の花アレンジ夏

2022/08/18
【第1651回】

昨日、東京福岡県人会の理事の方から電話がありました。来月21日から俳優座劇場で上演する「エルスール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ」の件で、東京在住の福岡県人会の方に是非知らせたいという応援のメッセージでした。やはり、福岡の人は熱かですばい。おいらより年上の方ですが、当然あの日あの時の西鉄ライオンズの記憶は何よりも強烈であり、もはや忘れることができない大事件であることに違いない。今や、博多の街はソフトバンクホークスで盛り上がってますが、これも西鉄ライオンズが残した功績の上で成立しているのではなかろうか。昭和30年前後の博多の街の心の拠り所であり、文化の一翼を担っていたことは紛れもない事実です。おいらにとっては西鉄ライオンズ抜きには考えられない日々でした。田舎もんのチームが、花の東京の読売ジャイアンツを日本シリーズで3年連続打ち負かしたことから博多も一気に発展していったんじゃないかしら。

今回の芝居は、西鉄ライオンズに絡めてその当時の長屋に住む人たちの哀歓を描いています。作・演出の東憲司さん、出演者のたかお鷹さん、藤吉久美子さん、そしておいら、福岡出身で固めバリカタの博多発の芝居をお届けしようと思ってます。

この芝居、唯単なるノスタルジーで上演するんじゃございませんことよ。拝金主義、科学に依存し自然破壊に繋がった今こそ、人の命を大切に生きてきた庶民の姿に学ぶべきことがあるはずだし、あの時代の心の支えであった西鉄ライオンズに変わりえるものは今の時代ではなんなのか...この芝居にはいくつかのヒントが隠されておりますぞ。

人は流行、新しいものに惹かれるのが世の常なんですが、今の時代に光があたってないものが、ふと新鮮に感じられることを大切にしたいもんでございます。

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野武士軍団

2022/08/16
【第1650回】

昨日は77回目の終戦の日...各メデイアは一斉に太平洋戦争にまつわる出来事、生き残った人達のインタビューを流していました。誰しもが「戦争だけは絶対にダメ...」口を揃えて言っておりました。連日流されるウクライナの状況を見てれば戦争を知らない世代の人だって同じ思いを抱くに違いありません。でも、なかには自国を守るには防衛力を強化せねばという人達が居るのも現実です。ロシア、北朝鮮、中国を間近に控える日本としては確かに脅威を感じるのは当然です。がしかし、軍拡を始めるとその先にある世界は絶望が見えてきます。得をするのは軍需産業で潤っている国だけですし、力で見栄張って喜ぶのは権力者だけであることは今の世界の状況からして至極当然。

だって戦争は殺人ゲームなんですよ...誰だって人の命を兵器で奪いたくないし、殺されたくもありません。だとしたら軍備の増強は止めるべきだし、あくまで粘り強い外交の力を試すべきだと思います。ロシア、北朝鮮、中国に対して会話が成立するなんて無理だと決めつけないで、唯一戦争を放棄し平和を宣言した日本だからこそ出来るんじゃないかしら。そして被爆国であることを世界にアピールすることも説得力があると思う。

毎年毎年、何十年も役人の書いた文章を棒読みするこの国のトップの人達にはとても期待は持てませんから、この国の住民一人一人が起ち上がらねばといつも思うのですが...この国の人達平和呆けしてなかなか上手くいきませんな。

ウクライナの現状を写す映像、証言から平和への希求を探る方法だってあるし、嘗ての日本がアジアの各地を侵略し、結果的に悲惨な敗戦に追い込まれた過程から学ぶことだってあると思う。

それにしても、未だ止まぬ争い...ほんまにニンゲンアホですな!

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77年目の8月15日の夏空

2022/08/10
【第1649回】

「古くてあたらしい仕事」島田潤一郎著を読んでいる。小さな声を届けたいと言うことで2009年に東京吉祥寺で出版社を立ち上げた人である。若い頃作家を目指しバイトしたり就職もしたが定まらず、31歳になったのをきっかけに50社に就職願いを出すも不採用通知が来たという。すっかり自信をなくし自殺も考えたという。そんな時の唯一の救いが本だった。

 

「サルでもわかる」とか、「一日で身につく」というのは、ぼくにとって本である意味がなかった。そんな知識は、スマートフォンでじゅうぶん事足りる。それよりも、一回読んだだけではわからないけれど、ずっと心に残る本。友人に話したくなるけど、上手く伝えられなくて、「とにかく読んでみてよ」としかいえない本。ぼくの孤独な時代を支えてくれた大切な本。ぼくが死んだあとも残る、物としての本。

 

こんな思いで一人出版社「夏葉社」を創設した。不特定多数に宣伝する方法には興味がなく「本当に必要としている人」に本を届けたいというシンプルさがとてもいい。

考えてみれば仕事の核となるものはその人の個性である。仕事の堅に合わせるのではなく自分には何が出来、何が出来ないかを考え続けて日々の試行錯誤をしながら創っていくのだが、そこにはずば抜けた能力なんて必要ない。ノウハウや特別なコネクションも関係ないはずだ。それよりも、なにをやるべきか。もっといえば、今日、誰のために、なにをするか。

仕事の原点はいかなるときにもそこにあるということを肝に銘じたい。

芝居創りも然り!

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夏のスカイツリー

2022/08/08
【第1648回】

77年目の広島原爆の日...いつものようにセレモニーが行われていました。地元の人達の切なるメーセージに比べて、なんの工夫、やる気のない歴代の首相の言葉。広島出身の岸田さんだからこそ、あんたの出番じゃないの?とハッパ懸けたいところだが役人の書いた文章を無感情で読むだけでございました。世界で唯一の被爆国だからこそやれることたくさんあるにも関わらず、アメリカの核の傘で守られてることを言い訳に核廃絶に向けて積極的な行動をしなかったことから脱却をすべきではないか...ロシアのウクライナ侵略でプーチンが核使用をほのめかす発言、中国の台湾への圧力、北朝鮮の更なる核開発などなど世界の状況は大きく変わっています。核抑止力なんて言葉も、もはや死語に等しいくらい。いざとなれば、アメリカだって日本を守ってくれるかどうかは怪しい話だと思った方がいいくらいの予測不能でバカげた軍拡競争。悲しいかな、今後世界は独裁者が支配する国が増え続け核を含め軍事力でお互いを脅しあう悲惨な地球になっちゃうんじゃないかしら...

明日は長崎に二発目の原爆が投下された日です。悲観ばかりしてもいられません。若い人たちの中から今の現状を変えようという動きも出てきています。政治に期待するよりも閉塞状況に風穴を開けようとする若い力に期待したいものです。そして何よりも、この原爆の日だけではなく常日頃から戦争の不条理、平和の大切さに繋がる回路をいつも開きながら思考、行動することが大切でございます。

ボケっとしてたら...権力者の思う壺でございますことよ。

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こちらの鉄砲はOK
(テッポウユリ)

2022/08/04
【第1647回】

昨年、最下位になった我が心のライオンズなんと今日の時点で首位でございます。今年特筆すべき点は投手力の安定感です。OBの豊田コーチのチカラが大きいと思います。昨年までは見てられない弱体投手陣、一試合平均4点~5点は覚悟しないと言う有様ですから、山賊打線なんて言われた打撃陣もそうそういつも打てるわけじゃありませんから下位に沈んでもおかしくない状態でした。一転、今年は一試合平均2、5点ですから自ずから勝率は上がるってもんでございます。中でも試合後半に出てくるリリーフ陣が素晴らしい。本田、水上、平良、増田などなどで相手チームもなかなか打ち崩すことが出来ない。三割打者が一人もいないライオンズでも3点~4点得点すれば勝てる公算は大である。

昨日のオリックスの試合でも、森の2本のホームランで十分勝てる予感がするんだからこれまでのライオンズとは様変わりしたチームに思えてしまう。それとライオンズのチームカラーも自由奔放で選手たちが楽しみながらプレーをしています。時には打てないのにニヤニヤしてる山川選手なんかにムッとするときもありますが、まあ30本のホームランと64打点をたたき出してるんですから良しとしときましょう。

それにしても、ヤクルトの村上宗隆、22歳にして5打席連続ホームランの日本新記録を達成。ロッテの佐々木投手、オリックスの山本投手ともども将来は大リーグに行くんだろうな...今日も大谷翔平選手が1918年のベーブ・ル―ス氏以来104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」を目指して出場したんですが6回途中で降板し達成ならず。いつも思うのだが、さすが大リーグ、スピードとパワーに圧倒される。ライオンズから行った秋山選手も活躍できなかったのが良くわかる。やはりイチロー選手は別格だったんですね。

コロナと共生しながらのプロ野球、なかなか大変ですがファンのために頑張って頂戴な!

トム・プロジェクトも9月から始まる「風を打つ」の稽古が始まりました。いつどこで誰がコロナ感染するか?戦々恐々たる思いで過ごす日々でございます。

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JR新宿新南口

2022/08/02
【第1646回】

これだけ暑けりゃフラメンコがお似合いだとばかり、東京芸術劇場で北原志穗フラメンコリサイタルに出かけました。スペインの灼熱の太陽の下、嗄れ声のカンテと、叩きつけるギターの音色で踊り狂うダンサーのしたたる汗を見る度に、これぞスペインという光景を何度も目にしたおいらにとってはたまらん祝祭の出来事でございました。

今回のリサイタルは、アートを重視するよりも沢山の子どもたちと一緒にスペイン的なるものを楽しもうという意図で企画されたものでした。フラメンコをどのように解釈するかは人それぞれだと思いますし、要は理屈ではなくフラメンコなるものを楽しめじゃいいじゃんとおいらは思います。アンダルシアに住んでいたおいらが知ってるフラメンコは、居酒屋で三々五々集まった酒好きなおっちゃん、おばちゃんが自然発生的に歌い出し踊り出すってなわけで人にどう思われようなんて気持はさらさらありまっせんでした。

今回も舞台に出て表現することが楽しく嬉しそうな子どもたちの身体がキラキラしてたことこそがスペインそのものだった気がいたしました。

もう随分とスペインもご無沙汰しています。先日もNHKBS「世界ふれあい街歩き」でアンダルシアをやっとりましたが、町の住民さん変わらず他人に耳を傾けず自分の主張を嫌味なく楽しく話してました。今日一日が良ければすべて良し!この心意気で生きてりゃ人生まあ捨てたもんじゃございませんことよ。

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こんな時こそ、大地にしっかり根を張って!

2022/07/29
【第1645回】

戦前の日本映画の名作「無法松の一生」を鑑賞。1943年制作、稲垣浩監督、伊丹万作脚色、宮川一夫撮影という最高のスタッフに恵まれ、主人公無法松を坂東妻三郎(バンツマ)が見事に演じている。戦後に三國連太郎、三船敏郎、勝新太郎なども演じているがバンツマの富島松五郎がぴったりだ。純粋無垢でありながら直情径行という役柄なんだが、他の三人の役者は何か一癖二癖ありそうでこの役にしっくりこない気がする。特にこの映画の軸になっている陸軍大尉吉岡家の未亡人よし子に淡い恋を抱く心情をバンツマは繊細に演じている。他の役者さんではなんだか不自然な気がしてならない...未亡人に本気になっちゃうんじゃないかしら?

この映画で目を引くのは、宮川カメラマンが人力車の車輪を何度もオーバーラップさせ主人公の切ない思いを重ね合わせている点である。この時代にしては、かなりシュールな手法ではなかろうか。戦後、『羅生門』『雨月物語』などの傑作を手掛けるのも十分うなづける。

この映画のヒロイン吉岡よし子未亡人を演じる園井恵子が清楚な美しさを魅せてくれる。1930年に宝塚少女歌劇に入団。1942年、宝塚退団後は新劇女優に転向。本作への出演は、候補になっていた女優が妊娠したためのピンチヒッターだったが、映画の大ヒットによりその名は一躍全国に知れ渡った。1945年8月6日、当時所属していた移動劇団「桜隊」の活動拠点だった広島市で原子爆弾投下に遭い、同月21日に32才で死去した。

ここにも戦争による才能豊かなアーチストの喪失を知ることが出来る。

おいらの映画少年時代の悪役スターだった月形龍之介、日活で活躍していた長門裕之なんかも出演しており、映画全盛時代を思い起こさせてくれる。

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神田川に全員集合

2022/07/27
【第1644回】

昨日はプロ野球オールスター戦があった。最後を決めたのは日本ハムファイターズの清宮幸太郎選手。この誰も思わなかったこの選手が、サヨナラホームランなんてところが野球の面白いところだ。高校通算111本塁打の史上最多記録を引っ提げて4年前にプロの世界に入ったのだが、なんとなく鳴かず飛ばずの成績で終始してたのが、新庄監督が就任し減量を言い渡され、今シーズンはやっと二けたのホームランを打つようになったばかりだ。若い選手は指導者次第でがらりと変わる。その点、中日の根尾選手は何だかかわいそうな気がするね。おいらもあまりタイプではない立浪監督に守備位置を何度も変更させられ、挙句の果てにピッチャーなんて大丈夫かしら?阪神の藤浪投手もいまだ実力発揮とはいいがたい。

どの世界も同じ、どんな環境でプレーできるかが大きなカギとなってくる。我がライオンズの選手は自前の若手が次から次へと育ってる分、いい環境にあるのでは...なんせ親会社にあまり資金がないのでこうやって維持するしかないんだが。大リーグから帰ってきた秋山選手も迎えることが出来なかった金欠球団でございます。出ていくばかりで戻りなしのなんとも寂しいチームになってしまいましたが何とかパリーグ2位につけてるところが面白い。大枚はたいて選手を集めても下位に沈んでるジャイアンツ、ライオンズの選手をかっさらてもいまいちの楽天、選手個々の給料がけた違いに高すぎるソフトバンクだってぶっちぎりに強いわけではない。

金で買えないこともある!これを見せつけてくれるプロ野球の世界がおいらの望むところだ。

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ポツンと向日葵

2022/07/25
【第1643回】

カンヌ、アカデミー賞で話題なった「ドライブ・マイ・カー」をWOWOWで昨日観ました。この作品、観る人の評価がおおきく分かれてしまうんじゃないかしら?村上春樹の短編が原作なので村上文学が苦手な人にとってはいつの間にか首がストンと落ちてしまう。一方、根強い村上文学信奉者にとっては独特な言語に加え、濱口竜介監督の映像、構成力、巧みなずらしかたで3時間の長丁場を感じさせない不思議な感覚にさせられたのではなかろうか。おいらが一番面白く感じたのは、チェーホフの「ワーニャ伯父さん」の舞台を交えながらドラマを展開させていく手法であった。しかも、日本語、韓国語、手話を交えながらの作劇は興味深いものがあった。しかも役者の感情を排除し棒読み的な表現を試みることによって表現の本質を探ることが、この映画の本質にうまくマッチしているところにこの監督のセンスを感じた。その代表格が、ドライバー役を演じた三浦透子。一貫した無表情の演技、登場してからこの子はなにかあるな?とわかってしまうのが少し残念だったかな...

それにしても、日本の映画界も若い有能な監督が世界に進出していることは嬉しい限りだ。

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百日紅

2022/07/22
【第1642回】

セミが鳴きだした、この鳴き声を聴くと夏の季節を一段と感じさせてくれる。そして儚い一生で終わってしまうセミ君に、この夏を存分に生き切って欲しいと願う。

劇団トラッシュマスターズの「出鱈目」を観劇。若者の心情をべったりと描き出す小劇場が多い中、毅然とした姿勢で社会派劇団としての36回目の公演である。今回は現実に起きた表現の不自由展で話題になった言論と表現の自由と行政との対立を素材にしたドラマである。各々の意見、論調を芝居にするのはなかなか難しいのだが、作・演出の中津留章仁はエンタメ要素も絡めながらうまく構築している。2時間半の長丁場、観客を飽きさせない劇作術にはいつも感心させられる。そして、しばらく出演していなかったこの劇団の創立メンバーである、ひわだこういちが前回に引き続き出演し、これまた久しぶりのカゴシマジローとの競演がなんとなくほっこりさせてくれる。それにしても、コロナ禍のなかで演劇活動を継続していくのはなかなか困難な作業である。すべての作業が生身の人間が直に接しないと成り立たない演劇の宿命に、現場は日々戦々恐々たる思いで過ごしているのである。

なんと東京は3万人超え、そしてプロ野球、大相撲の世界でも感染者続出。これまでのルールーで社会は回っていくであろうか?甚だ疑問に思わざるを得ない。

トムも来月から3本の芝居を予定している。どうか演劇の神さん見守ってちょうだいな!

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夏の夕焼け

2022/07/19
【第1641回】

三連休の行楽地での沢山の人出を見て、こりゃコロナ感染者増えますがな...東京でも演劇の公演中止が相次いでいます。長いこと稽古していざ本番というときにあちゃ!ってどころか制作者は踏んだり蹴ったりでございます。前にも書きましたが、日本製のワクチン、治療薬の開発に力を注ぐわけでもなく3年近く何やってたの?いつものようにこの国の政治、行政の未来に対する想像力のなさに愕然といたします。

昨日、ここんところ何年もお世話になっている理髪店に行って参りました。浜田山にある「HairSalon WAKATSUKI」、穏やかなご夫婦二人が平成19年にオープンしたこのお店は心落ち着く癒しの場でもあります。店長一人で多くの方々の髪を扱ってきたと言うことは、この人達の人間観察をしたということです。きっと占いなんかもできるんじゃないかしらと思っちゃいます。店長にもぜひ読んでもらいたいと思い、荻原浩著「海の見える理髪店」を勧めてこともあります。いろんな性格の人たちとの接客のコツもなかなか大変だろうと思いつつ、理髪店を舞台にしながら数多くの相手役と対峙して数々のドラマを生み出したのではなかろうかと想像しちゃいます。

2002年に緒形拳さん主演で創った「子供騙し」も南三陸にある理髪店での話でした。緒形さんがおいらにぽつりと囁いてくれました。「男の顔はヘアースタールで決まりだよ...」天下の名優が言うんだから間違いないんじゃないかしらと...いろんな美容院、理髪店巡りをして辿り着いたのが浜田山のこのお店でした。

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浜田山 柏の宮公園

2022/07/15
【第1640回】

前回レポートしました「豆café enjyu」を後にして、すぐ近くにある「槐多庵」に足を運びました。ここも窪島さんが建てた素敵な空間です。普段は閉館してるんですが6月4日~7月18日の期間、土・日・月曜日のみ浅埜水貴個展が開催されてました。

広島の日本画家である浅埜さんが窪島さんと出会って今回の企画が決まったとのこと。箱モノは建てたのだが、中に入れるものに四苦八苦しているところが多い中、積極的に若いアーチストに夢場所を提供しているところなんぞが窪島さんの若さの秘訣かも...

よくよく「無言館」の近辺を散策して分かったことは、信州の鎌倉と言われるくらい多くの神社仏閣が点在しています。どこも素朴な佇まいで偉そうな顔してないところがとっても気に入りました。おいらの推測ですが、そんな場所こそが戦没画学生の残した絵画を展示するに相応しいと思ったのではないかと...戦局厳しき折、明日の命も分からない画学生がキャンパスに思いを込めたパッションの鎮魂の場として...

この芝居を企画し、様々な困難を経て上演した後にも、ゆかりの地を旅することによって又いろんなドラマに出逢えるところが芝居の面白いところです。

それにしてもまたまたコロナ感染者が増え出してきました。三年目だというのにこの国のトップの方々の学習能力、なんともしっくり来ませんな。芝居も中止になったり、飲食店も嘆き節が聞こえてきたり、毎度のことながら録音したテープを再び聞かされてる感じでお手上げ状態でございます。

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浅埜水貴個展
(槐多庵にて)

2022/07/13
【第1639回】

前回に続き「無言館」の話です。2019年に、窪島さんが断腸の思いで閉館した信濃デッサン館が「KAITA EPITAPH(エピタフ=墓碑銘) 残照館」と名称を変え、2020年6月6日に開館した場所に移動、この日は館長不在で閉館でした。この「残照館」は画家村山槐多をはじめ、若くして亡くなった画家の作品を中心に80~100点を展示してあります。

この日はその隣に併設された「豆café enjyu」でゆったりとした時間を過ごさせていただきました。この店を三年前からオープンしたお二人が「無言のまにまに」東京公演を観劇されたこともあり足を延ばしたわけでございます。食育インストラクターの王鷲美穂さんと、せいろと糀&シュクルリール洋菓子店主宰の吉池梨恵さんの素敵なお二人が切り盛りなさるこの店、おいらとっても気に入りました。自然に囲まれた立地条件に加え、二人が繰り出す食のコンセプトにまいってしまいました。地元の食材をしっかりと活かしながら、お客様にいかに喜んでもらえるかの工夫が隅々までいきわたっていることに感動いたしました。

何事もセンス、いや己にどれほどに美学、審美眼を持ち得ているかが問われます。この感性を養う旅は果てしないものがあるとは思いますが、臆せず己を信じてあせらず探訪すればめちゃくちゃに楽しいものです。76年間、様々な体験したおいらが断言します。なんでも見てやろう、書を捨てよ町に出よう、ポジティブに行動する気持ちさえあれば、あとは勝手に血となり肉となり誰にもない自分だけの感性が出来るんじゃないかしら...

ゆったりとした芝生を前にした椅子に座り、特製のかき氷を食べながらそんなことを考えていました。

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至福のひととき

2022/07/11
【第1638回】

先月公演した「無言のまにまに」の報告とお礼を兼ねて、「無言館」館長窪島誠一郎さんが住む上田市に行って来ました。場所は別所温泉にある「上松や旅館」これが又、奇遇で昨年、窪島さんに会いに行ったときの宿であり、東京公演にはこの宿の会長である倉沢さんも知人と一緒にいらして頂きおいらに観劇のお礼までいただいた方でした。そのときに倉沢さんが話されたことですが、無言館を建てる前に窪島さんが画材を抱えて別所温泉をふらふらと歩いている様子を見て旅館に泊めてあげたという御縁でもありました。そんな御縁繋がりでの「上松や」での夕餉、いやいや80歳になる窪島さんのエネルギーと欲をたっぷりと堪能いたしました。変に枯れちゃいかんぜよ、満身創痍の身体でありながら今なお反省、悔恨も含めて人間が本来生きる上に大切な欲望がいかに大切かを窪島さんが身をもっておいらの前に曝け出してくれました。

昨年来の「無言館」、夏の太陽と緑に囲まれた環境の中で静かに佇んでいました。芝居をやり遂げた後での再訪、またいつになるかわからないけど、この館に宿る無言の魂を全国に伝えていかねばと強く思いました。それは窪島さんがこの荒れ地を開墾し「無言館」を立ち上げていく道程と同じです。何事もバトンタッチ、残されたものが引継ぎ伝えていくしかありません。80歳の窪島さんに負けちゃいられませんですばい!

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文月の無言館

2022/07/08
【第1637回】

ONE OR8の「連結の子」を観てきました。昨年、狸シリーズを2本書いていただいた田村孝裕さんが主宰する劇団の公演です。人間誰しもが内包している様々な問題を、緻密なセリフで巧みに書き込んだ田村戯曲は俳優さんにとっては触手を伸ばしたくなるのも当然だと思います。今回はトムの作品にも出演していただいた高橋長英、藤田弓子、小林美江さんも客演しているので楽しみにしていました。

家族、そしてその周辺の人間関係悲喜こもごも、日本のどの町にもある日常をとても丁寧に描いた作品でした。長英さん絶品でした...トムで昨年上演した「にんげん日記」に続いて長英節がきらりと光った演技。笠智衆さんを継ぐのは長英さんで決まりってな感じでした。写真を撮る場面での森進一の物まねはズルいズルい、おいらとの飲んだ時にやる物まね合戦で魅せる二人だけの秘密の芸だったはずだったのに一般公開しちゃって罰金もんですぞ!

藤田さん、美江さんもとってもチャーミングでしたよ。舞台でも人間性がそのまま出るんですね、ついついほっこりしてしまいました。

明後日は参院選の投票日です。またしても選挙人の半数の人しか投票しない選挙になりそうです。ある人がこんなこと言ってました。「選挙に出るようなやつには投票したくない」なんだか逆説的な発言なのだが、結構真理を突いてるようにもみえる。今日も新宿で候補者が立派なこと言ってるんだが、あんたらほんまに出来るんかい?そんな候補者見てると、冷めちゃいますがな...いやいや、いろんな意味でもこの国を変える手段が今のところ選挙でしかないので、何とか目を覚まして一票を投じるしか手がありませんがな...

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昨日は七夕でしたね...

2022/07/06
【第1636回】

50年来の友である石橋幸ことタンコから、コンサートの案内と共にこんな手紙が入ってました。

 

「プーチンとその一味の気狂い選択と蛮行はロシアを世界の極悪国にしてしまいました。そうではないロシアを知る人々にとっては言葉を失くす苦渋の時です。在日ロシアの若者に強く背中押されました″歌ってください″と。正念場なんてものが在るのなら今が私のそれかも...墓場は近い!」

 

タンコは何十年にもわたり、私費でロシアに埋もれたかずかずの歌を採集しロシアをはじめ日本の各地で歌ってきました。言語の大切さを重んじるためにロシア語で歌うことに拘ってきました。そのほとんどが庶民の生活史、恋歌、政治犯が獄中で創作したものなどなど、いまだ日本人が耳にしない歌ばかり。もともと役者であったタンコですから表現力を交えての歌声は聴くものに深い感銘を残してきました。

今回は第24回石橋幸コンサート「僕の叫ぶ声~ロシア・アウトカーストの唄たち~」7月4日の新宿紀伊國屋ホールにはたくさんのお客が来てました。タンコも舞台上から歌の合間にこんなメッセージを送っていました。今日はロシアのいい風を送りますから!そして、マスコミと西欧諸国アメリカが一斉にロシアを叩いていますが、ロシアにも戦争悪と戦っている人たちが居ることを忘れないで欲しいと...

確かに今回のプーチンの行為は万死に値するとは思うのだが、この戦争で利益を生み出してるアメリカの武器商人が存在していることも事実。すべて短絡的に物事を見るのではなく冷静に客観的に事の推移をみることしか本当の平和も訪れてこないと思います。

この日のコンサート、本当にいい風が吹き流れていました。アーチストのできることも限られてますが、こうやって少しずつでもいい...アクションからしか未来の展望はありまっせん!

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タンコ

2022/07/04
【第1635回】

先月、「無言のまにまに」を上演した両国シアターX(カイ)に行って来ました。第15回シアターX国際舞台芸術祭2022を開催中。

この日の演目は大阪のダンスグループCDS OSAKAによる「記憶の青―Microplastics Dance」総勢16名による紺碧の海を汚染した人間に対するメッセージを、自分の身体に問いかけ発信する女性を中心にしたコンテンポラリーダンス。おいらも若い頃は、現代舞踊、舞踏などなどつまみ食いしましたが、とにかくカラダを動かすことからしか全ては始まらないということは今でも変わりません。

二番目に登場した加世田剛さんの「light」は見応えありましたな。武術ダンスと銘打つだけあってこの方の動きひとつひとつにサムライ的なる匂いがぷんぷんといたしました。なるほどプロフィールを見ると全米武術大会で3度優勝歴を持つ御仁。世の中にはまだまだ未知のアーチスがわんさか居ることを思い知らされた次第です。

三番目に登場した宇佐美雅司さんの「Listen to He:art Where is the truth?」はジャックプレヴェール原作「おりこうでない子どもたちのための8つのおはなし」を宇佐美さんが構成・演出・出演した作品。俳優として修行してきたカラダをフル回転させお客を飽きさせない構成はなかなかと思いました。特に三脚の椅子を動物にみたてながら使いこなす術には、観客の想像力を喚起するには十分すぎる効果があったと思います。

それにしても、16日間様々のジャンルのアーチストを集め、全公演¥1000の入場料で実行するシアターXの芸術監督兼プロデューサー上田美佐子さんの行動力に頭が下がる思いです。表現したくても、お金がない場がないというアーチストに広く門戸を開いてカンパ並の入場料で公演するなんてこと上田さん以外に出来ないのでは...マスメディアに左右されることなく我が道をゆくプロデューサーに拍手。

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落陽

2022/07/01
【第1634回】

今日も、青空を気持ち良く飛び回る鳥たちが焼き鳥になって落ちてきそうな猛暑でございます。歩いているとふと夢遊病者の気持ちがわかるくらいのフラリンコ状態。

昨日、新国立劇場で上演している「M.バタフライ」観てきました。フランス外交官が性別を偽ったスパイである中国京劇役者に溺れていく様と、文化大革命という背景を絡ませ、オペラ「蝶々夫人」を劇中に取り入れ、1988年ブロードウェイで上演されトニー賞最優秀賞演劇賞を受賞した作品である。日本では1990年に上演されて以来、32年振りの上演。

率直な感想。まず休憩入れて3時間半出ずっぱりの外交官役を演ずる内野聖陽の圧倒的な演技力と存在感。戯曲を読み、この役を絶対にやりこなして見せようという役者魂を感じる。相手役の京劇役者である岡本圭人もまだまだという感もあるが大健闘しているのではないかと思う。要は戯曲が素晴らしい。激動の時代に人間の愛憎ドラマを巧みに取り入れ、この複雑怪奇な現代にも十分通用する作品に仕上げたスタッフ、キャストに拍手を送りたい。

ここで、おいらの何処までも拭いきれない異見。皆さん素晴らしい演技をしているのだが、どうしてもフランス人に見えないのである。おいらがこれまで100本近く創作劇に拘ってきたのもここにある。翻訳劇を観劇しているときに付きまとう、日本人役者が演じる違和感...と言って、翻訳劇を否定しているわけではありません。海外の劇薬に接したいという気持ちは芝居を創るものとしては常に持っていることは当然至極。

休憩中のロビーで今回の演出をしている日澤雄介さんのお父様にばったり...ここのところ日本を代表する役者さんと意義ある仕事をしている息子さんの活躍を喜んでいらっしゃる様子でした。遅くともいいではありませんか...生んでくれた御両親に親孝行してこその人生ですぞ。

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新国立劇場

2022/06/29
【第1633回】

連日の暑さの中で、道行く人達の表情がなんとなく苦悶に満ちた感じがする...暑さのせいもあるのだが、いまだ止まぬウクライナへのロシアの執拗な攻撃。武器庫破壊という名目で住居、遊園地などといった無差別攻撃の映像を見るたびに心が折れてしまう。当然のことながら、テレビでウクライナ情報ばかり流すわけにはいかず、ごく日常のたわいのない番組を見ていても、この時間ウクライナで起こっていることを想像してしまうとなんだか虚しくなってしまう。

今週の日曜日は「ポツンと一軒家」の2時間特別番組。山奥で自然に囲まれ自給自足の生活をしている家族の姿をみるにつけ、世界の国のどの地区でもこんな自然で無理のない生活が出来ればどれだけ幸せであろうかと思った...当然、こんなことはありえない世界情勢ではあるのだが、このスタイルに少しでも近づけるヒントはこの番組には仕込まれている。夢のような話だと思わず、冷静に考えれば本当の幸せが身近に感じてくるかもしれません。

もう、競争は止めましょう!行きつく先は軍拡、果ては戦争、人間の幸せなんぞは千差万別なれど、やはりのんびりと空を眺め、道行く草花を愛で、身近な人を大切にして、生きとし生けるものすべてに感謝することからしか幸せは生まれませんことよ。

世界にいろんな宗教あれどホンマに役立ってるのかな?どの宗派の経典にも愛が基本になってるはずなんだが、この世界の状況をみれば真逆の憎悪に読み違えてるんじゃないかと残念ながら思ってしまいます。

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穏やかな風景

2022/06/27
【第1632回】

いやいやこの暑さはなんだ?といっても地球に生息するニンゲンどもがもたらしたものだから文句も言えまい。利便性を追求した末の地球温暖化、ロシアの侵略戦争でまたもや火力発電に頼ろうとしている現況、そして原発依存の国が加速しそうな勢い。こりゃどうにもならんと、世界の皆さん頭を抱えている中での物価高、先ずはこの国7月10日に参院選があるので現況を変える一票を投じることにしませんか...

先週の週末は2本の演目を観劇。1本目は「氷川きよしコンサート2022in明治座」、確かに歌は上手いです。五木ひろし以降、演歌の世界を引き継ぐのは彼しかいないと思いました。あの圧倒的な声量、歌唱力は天性のものか...この日歌った中での新しい発見、ヤマザキマリ作詞「生まれてきたら愛すればいい」シャンソン風のこの曲は絶品でした。この道を進めばあの美輪明宏さんに近づけると思います。第一部は芝居だったんですが役者としてのきよしさんはまだまだという気がしました。こちらも美輪さんに教えを乞えばと勝手に思っちゃいました。きよしさんの才能十分わかってますので、今日くらいところで満足しちゃもったいないと思った次第です。

2本目は劇団桟敷童子の東憲司さんが書いた文学座公演「田園1968」タイトルにあるように1968年のある地方の家族の話である。1968年と言えば、ベトナム戦争、パリ五月革命、黒人指導者キング師暗殺、ロバートケネディ暗殺、文化大革命、チェコスロバキアソ連侵攻、そして日本では世界の激動の中、反戦運動が一気に高まり学生労働者による闘争激化。22歳のおいらもその波にのまれ騒乱状態の新宿の街を日々うろついておりました。すべてが刺激的であり生きてる実感をそのまんま享受した次第です。

この時代のカルチャーも勢いがありました、この芝居の中でも出てくる洋画「俺たちには明日はない」は格好良かったな。日本映画では「神々の深き欲望」、東映仁侠映画、音楽はビートルズにフォーク、出版界では吉本隆明「共同幻想論」つげ義春「ねじ式」、演劇ではアングラ芝居の出現などなど...

今回の芝居を観ながら、考えてたことはこの芝居東君が演出したらまた別の作品になってたんだろうなと...芝居はまさしく変幻自在、そこが面白いところです。

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梅雨明けのカシワバアジサイ

2022/06/22
【第1631回】

おいらが住んでる杉並区長選挙で初の女性区長が誕生しました。3期務めた現職になんと190票差で勝利したというんですからたいしたもんでございます。先の衆議院選挙でも長年杉並区の顔役であった自民党の石原伸晃氏を、新人の女性議員が議席を奪ったんですから、この杉並区民の政治意識は高いんじゃないかしら?保守陣営から言わせれば何も分からん奴らがただ掻き回して騒いでるだけなんてことかも知らんけど、もうそろそろおじさんたちの癒着政治からおさらばしないとえらいことになっちゃいますがな。この国の20年の歩み惨憺たるものです。給料は上がらないし物価を高くなるし、世界の先進国の中でもすべてに伸びしろが無くお先真っ暗の状態なのに、いまだに自民党に権力を握られっぱなし。勿論、対立する野党勢力のチカラのなさが大きな原因なんですがね。

と、こんなこと何度言ってもこの国の形は変わり様がありません。じゃあどうすれば?もっと選挙に行かなきゃならんのよと口酸っぱくいっても行かないこの国の駄目な成人たち。今回の杉並区長選挙もただただ普通の若い娘さん、子育て真っ最中のママ、未来の日本を憂いてるおばちゃんたちが手弁当で応援し、今回の選挙に立候補するため杉並区に転居したばかりの岸本聡子(47歳)さんを当選に導きました。これからは女性の時代です...世の中のオトコたち、しっかりせんといかんですばい!

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杉並区を流れる神田川

2022/06/20
【第1630回】

先週の週末は、劇団桟敷童子「夏至の侍」を観劇。久しぶりの青空で、錦糸町から「すみだパークシアター倉」までの徒歩15分の道程は、途中、大横川親水公園の紫陽花も色鮮やかで気持のいいものだった。墨田区の下町情緒に似合う劇団が桟敷童子である。今回も九州の小さな町の金魚屋さんの話だ。いつものような大がかりなセットの中で劇団員がのびのびと動き様はいつ見ても気持ちが良い。

今回のゲストは音無美紀子さん、若い俳優陣に混じっても違和感がないどころかなかなか馴染んでいましたよ...大病もしながらもいつも前向き、演技に対しては妥協することなく真摯に向き合う女優のお手本みたいな方である。トム・プロジェクトでも、すでに3本の作品に出演して貰っている。2014年に初演した「萩咲く頃に」は7年間上演し、2019年の作品「風を打つ」は今年9月~10月に再演が決まっている。確かな演技と清潔感、そして華やかさと庶民性を兼ね備えた存在感のある立ち姿に多くの観客は魅了される。

ベテランの俳優さんが出演したくなるのが劇団桟敷童子、代表である東憲司さんの描く世界と心底から芝居が大好きな俳優陣の魅力に惹かれてしまうのも分かる気がします。

この世の中の流れと同様、すべてがお洒落で合理的になっているなか、頑なに人間臭さをモットーに演劇活動を続けるこの劇団には、おいらとしては応援し続けたくなっちゃいますな。いくつになっても、目線はいつまでも少年でありたいから...

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大横川親水公園のアジサイ

2022/06/17
【第1629回】

先週の6月9日「無言のまにまに」に来て頂いた「無言館」館主、窪島誠一郎氏の新刊本「流木記」読了。終演後に、「今度出版した本、立ち読みで最初のページ読めば大丈夫ですよ...」なんて意味深な言葉を残し劇場を後にされました。早速購入し読み始めたところ、ああこのことかと...冒頭、2018年8月10日、ペニスをうしなった...と書かれてありました。ン百万人に一人いるかいないかという部位に発症した「陰茎ガン」により切除したという。これまでにも多くの病を抱え80年近く生きてきた窪島さんにとっての言葉で言い尽くせない喪失だったに違いない。そして若くして亡くなった、どちらかといえばマイナーな画家の絵を集め最初に建てた「信濃デッサン館」の売却の無念。

窪島さんの本はこれまでに何冊か読んだのだが、今回も実母との30数年後の再開の場面は目頭が熱くなる。自分を棄てた実母への許せない心情と、捨てた実母の慟哭、これも戦争という時代が引き起こした不条理。再開後に自死した実母の日記には母親の溢れんばかりの愛を感じて痛ましいくらいだ。

波乱万丈の生きざまを過ごした窪島さんがなぜ戦没画学生の絵を集め「無言館」を建てたのか?窪島さんはこう書かれています。

 

幼い頃から養父母や生父母に抱いていた誤解や偏見を解くこと、その確執を解くことなのではないかと考えているのです。そんなことと戦没画学生と何の関係があるのだといわれそうですが、やはり私は、あの戦争のなかを行きぬいた父や母のことをあまりに知らなすぎたのです。それは養父母に対してもいえることでした。あの戦争下に「新しい命」を産み、育てることがいかに困難で、しかし同時にそれがどんなに誇らしくかけがえのない人間の営みであったかということを、私は最近しみじみと考えるのです。そして、今自分にできる唯一の「戦後処理」といえば、そんな無限の愛情をもって産み育ててもらった命が、生きたくても生きられなかった多くの戦死者の命の上に存在していることを、あらためて想起させてくれるのが戦没画学生たちの絵であることに気づかされたのです。

 

窪島さんは何度も口にしています。「ひょっとすると、彼らの絵を探したのは、ぼくではなくて、ぼくの方が、探し出してもらえたような気がするんです...」

完璧、完全な人間なんてこの世にだれひとりとして居ません。どこかしら欠けた部分を探し求める旅そのものが生きることだと思います。

「無言のまにまに」再演できることを願っています!

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梅雨時の夕焼けはキレイ

2022/06/15
【第1628回】

おいらが住んでる杉並区の区長と区議会議員補欠選挙の投票日が今度の日曜日。12日に公示され一週間後に投票という短期で何の判断すればいいのかしらと言いたい。現区長がどんなことしてるのか、他の区とどんな違いがあるのか、今一つはっきりしない。一方、新たに立候補している人の経歴、何故今回立候補したのかも新聞、区報の記事だけでは判断しようがない。いずれにしても、この国の首長、議員の日頃の行動が見えにくい中での選挙では投票率も50パーセント前後であることも自明の理と言ったところか...以前は広報車がうるさいくらい名前を連呼して、ああ選挙だなという一応の雰囲気を醸し出してはいたのだが、コロナ禍と言うこともあってか静かな街の佇まい。これじゃ投票率も30パーセント前後に落ち着くんじゃないかしら...このところの地方選挙の投票率は大体こんなもんでございます。

東京市長などを務めた後藤新平がこんな言葉を残している。

「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すは上とす」

今の政治家さんは、この逆のケースの人が多いんじゃないかしら。人の道を外し恥ずべき行為をしても厚顔無恥。そういえばええ人相した政治家が少なくなり絵になりませんし、皆悪代官が主役の政治ドラマになっとりますがな。昔の予算委員会の与党と野党との丁々発止のやりとり、なかなか見応えがあったドラマだったのだが、今や予定調和のつまらん出来レースになっとります。

投票まであと5日、頭を悩ます選択でござりまする。と言う間もなく、先程、参院選も7月10日に決定...なんとも盛り上がりがない梅雨時に相応しい政治の季節です。

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今日の紫陽花

2022/06/13
【第1627回】

昨日、「無言のまにまに」東京公演、無事千秋楽を迎えることが出来ました。いやいや、今回もスリリングな出来事もあり一日一日が緊張する日々でありました。こうやって生モノの仕事やってると最後は神のみぞ知るなんて心境になってきます。そして仕事をやってるキャストスタッフを信じることの大切さを痛感いたしました。今回の芝居を成功するためには、日常の生活も油断なく過ごさねばとシビアな状況に追い込まれ、心身ともどもなかなか開放できずストレスが溜まっちゃうなんてことも多々あります。すべてコロナのせい!とわかっていてもどうにもならない2年6カ月...もうそろそろ、場所によってはマスク外してもよろしいんじゃございません?今日あたりの新宿、数人の若者たちは堂々とマスクをしないで街を闊歩しておりました。ちょいと横目で、嫌な顔してるおばちゃんの視線なんぞどこ吹く風、これでいいんです!いつの世も若い力で世の中は変わっていったんですからと思いたいところだが...

「無言のまにまに」東京の全ステージ観劇しました。芝居はまさしく生き物でございます。昨日より今日なんて調子でよくなってはいきました。と、同時にここはもう少し工夫の余地ありなんてシーンもいくつか見つけることも出来ました。芝居は総合芸術、役者の演技だけでは成立しません。照明、音楽の出し入れのタイミングで芝居全体の良し悪しが決まることがあるのも至極当然。すべてが上手くいった時こそがベストな芝居です。大切な時間とお金を、この芝居に投じたお客様にはベストな芝居を提供するのがプロの仕事です。

両国での9日間、梅雨入りと言うことで心配したのですがなんとか乗り切ることが出来ました。関取が小さな自転車に乗って買い物に行く姿に触れたり、劇場の隣にある回向院(えこういん)には、あの鼠小僧次郎吉の墓があったりで、この町は下町風情が残った粋な町でございました。

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両国吉良邸跡
(本所松坂町公園)

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両国と言えば相撲部屋

2022/06/10
【第1626回】

「無言のまにまに」昨日で6ステージを終えることが出来ました。そして、昨日は「無言館」の館主である窪島誠一郎氏が長野県上田市から来られました。窪島さんに会いに行き今回の芝居の許可を頂いたものの果たしてどのように感じられるか?プロデューサーとしては、はらはら、どきどきもんでございます。「この芝居は僕が生きてきた過去、そして無言館を作る意図が的外れ...」なんてことになったら以降の公演も出来なくなる可能性大ですから...終演後の窪島さんの反応は?と心配してたんですが、今回の全員野球で創りあげた渾身の舞台、窪島さんにも理解して頂いた様子でほっといたしました。終演後に出演者と和やかに談笑する姿に、本当にやって良かったというのが正直な気持ちです。

これまでも多くの創作劇を創ってきたのですが、実際のモデルの方が居て、しかもご存命と言うことになれば相当の神経を使います。演劇はあくまでフィクションではあるのだが、どこまで事実とフィクションを擦り合わせていくのか?戯曲を書く作家とプロデューサーとの喧々諤々も、芝居が成功すれば一件落着でございます。

東京公演も今日を入れて残すところ3ステージ。18日には唯一の地方公演が山形県大石田町で上演。芝居も種まきです...良質な芝居を少しづつ全国で公演し続けていけば、この国の形も少しはましなものになるんじゃないかと微かな期待を持ってはいるんですがね。

両国と言えば、ちゃんこ料理を出してくれる店が多数あります。そのひとつ「ちゃんこ巴潟」の店前で呼び込みをしてた人をパチリ、多分元関取だと思い声を掛けると「ごっつぁんです!僕の得意技は、見かけ倒しです。」なんてジョークを飛ばしておりました。

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ちゃんこの両国

2022/06/08
【第1625回】

北朝鮮のミサイル発射に対抗して、韓国軍合同参謀本部は6日、米韓両軍が同日に地対地ミサイル8発を日本海に向けて発射したと発表。いやはや、目には目を歯には歯をですな。核をどれだけ保有しているかが、自国を守る唯一の防御手段と言うんですから恐ろしい世界なったもんでございます。これだけの兵器に要する費用で、世界の飢餓も無くなるし、貧困層の減少も果たせるしと、いろいろ考えられるのだが...と理屈で分かっているもののそうにならないのが世の常。どんな時代にも、欲の塊が肥大し権力者が出現することで争いの火種が消えないことが大きな原因だと思います。この歴史的な事実は未来永劫なくなることがないことは悲しいかな間違いないと思います。そうと分かっていながらも、時の権力者にNOを突きつけている人たちが必ず存在していることも、人類がなんとか営みを継続してることで証明されていることが唯一の救いです。

そうなんです!諦めちゃいけません、誰かが止めなきゃ世界の人たちが武器を頼りに生活しなきゃいけない笑いのない悲しみと苦痛に満ちた世の中になっちゃいます。

6日(月)「無言のまにまに」の会場に、52人の小中学生が来てくれました。おいらも後方から観てたんですが、子供たちが食い入るように舞台を観ていたのが印象的でした。この芝居を通じて戦争のもたらす悲劇を少しでも感じて平和への希求心が芽生えてくれるのを願うばかりです。

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両国の紫陽花

2022/06/06
【第1624回】

6月4日に両国シアターカイで幕を開けた「無言のまにまに」昨日で無事2日目を終えることが出来ました。連日多くの方に来て頂き嬉しい限りです。やはりウクライナ侵略をきっかけに、戦争に対する様々な思いが演劇の現場にも顕著に表れているのではなかろうか。アンケートには「戦争は絶対に駄目!」と強い筆圧で書き込められているのが印象的でした。この芝居の中には勿論、家族をめぐるドラマも伏線として描かれています。血がつながっていなくとも、親が子を愛しく思う気持ちはどんな時代であろうとも永遠不滅なものであるという思いが語られています。

今回の芝居でとても印象的なセリフがあります。「無言館」を建てるにあたって戦没画学生の絵を集めるために立ち寄った遺族が語る言葉

「私はあなたが個人でお作りになる美術館だと聞いて兄の絵を預けようと...。兄は...お国の命令で戦地に駆り出されて死んだんですから。その兄の絵をまた国に預けるようなことはしたくありませんでしたから。」

過ちを犯した嘗ての日本の国に対する痛烈な一言だと思います。今まさにロシアで大義なき戦いで無念の死を強いられたロシア兵士の遺族も同じ思いではなかろうか...

一見穏やかな日本の現風景。両国にも太平洋戦争中の東京空襲で亡くなった方の遺骨が納められた「東京都慰霊堂」があります。「無言館」同様、こんな建物を必要としない平和な世の中にしたいものです。

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両国

2022/06/02
【第1623回】

昨日、今週の4日(土曜日)に初日を迎える「無言のまにまに」の最終稽古を観てきました。

5月28日に観た通し稽古に比べ随分と流れがよくなっていました。要するにこなれた感じですね...このこなれたってのがクセもんでございます。調子よく流れに身を任せるのは演じてる当人はとっても気持ちがいいんですが、上面だけの表現になる危険性を含んでいます。同じセリフを喋ってはいるんですが、相手役のその日の出方によって当然返しの言葉の音韻、気持ち、仕草も変わってくるはずです。慣れてはいけないんです...常に新鮮な身体で受信し発信してこそ、鮮度の高い舞台を届けることが出来ると思っています。

生の役者のザラザラ感、ゴツゴツ感が舞台の醍醐味であり、予測不能な展開で観客をいい意味で裏切る芝居こそがベストだと思っています。

水無月になりました。古くは清音。「水の月」で、水を田に注ぎ入れる月の意味です。梅雨、紫陽花、暑い夏の到来を前にして何となく昂ぶる気持ちを抑えてくれる月かもしれません。

未だにコロナも収まらず、ウクライナの情勢も一進一退...そんな状況下で演劇をやり続ける意義は?いろいろと考えますが、水の流れと同じで一旦止めてしまうとなかなか元には戻れない。生きることはアクション、動けば新たなことが視えてくるはずです。

誰も歩いていない帰路の道でマスクを外すと、夜の大気のなんと美味しいことか!当たり前のことが当たり前に感じられない異常な状態が一日も早く終息することを切に願う...

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水無月の空

2022/05/30
【第1622回】

先週の土曜日、6月4日に幕が開く「無言のまにまに」の通し稽古を観てきました。今月の2日から始まった稽古の充実振りが感じられる現場でした。ウクライナへの激しいロシアの侵略のまっただ中である今、第二次世界大戦中、大好きな絵を描きたかったにも拘わらず戦地で無念の死を遂げた画学生の絵が映し出される中、俳優陣はそれぞれの思いで各シーンを演じていました。今回の芝居も、声高に反戦を訴えてるのではなく、名もなき市井の人達の日常を通じて平和であることの大切さを伝えることが出来ればと思っています。

今回のウクライナの件、この国にも遠い国の話ではないかと思っている人が居ると思います。とんでもございません!こうやって戦争はひたひたと身近になっていく怖さを実感し想像力を働かせねば後の祭りでございます。

どんな些細なことでもよいので、戦争にまつわる情報をキャッチし己の範囲でアクションをおこすしかないのでは...本当に戦争は駄目です!この当たり前のことは誰しもが分かっていながら無くならないのが戦争と言う不条理、片や軍需産業で儲かる会社、国。

昨日もテレビでの「ポツンと一軒家」、欲を捨て自然と共に生きる人たちの笑顔、こんな集合体であれば戦争なんて起きるわけがない...そりゃそうだ!美しい空、清冽な湧き水、自分が育てた健気な花々、そして母なる大地、そんなもんに囲まれてりゃ邪心なぞ沸いてきませんがな。

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2年振りに咲きました。
(故綿引勝彦さんに13年前に頂いた花)

2022/05/27
【第1621回】

来週の土曜日に幕が開く「無言のまにまに」稽古も佳境に入って参りました。こんな世界の状況だからこそ上演せねばと強く思う作品です。

いつも思うことだが、どれだけのお客様が来てくれるだろうか?2020年の初春に始まったコロナ禍によるパンデミック、演劇の世界でも大変な影響がありました。今までは楽しみに来ていたお客様の足が遠のき、劇場で挨拶代わりにお互いの無事を確認することも出来なくなり寂しい思いをすることも度々です。コロナ感染を恐れての控えであればいいのだが、これだけ長引くことによって「もういいや...」なんて気持が芽生えてしまい面倒になるなんてことが起きてる気がします。これは芝居に限ったことではなく、この先コロナが収束し、日常が完全に戻ってきたときに、旅をしたい、外食したい、みんなで飲食してお喋りしたいという気持も戻ってくるのだろうか...そんな一抹の不安も覚えるが、同時に人類が営々と築いてきた楽しい習慣が2年半にわたる異常事態によって全く変わってしまうなんてことはないんじゃないかという期待もある。

いずれにしても今回のパンデミックで人との対し方、社会に対する考え方が大きく変化したことは紛れもない事実である。ストレスが溜まり他人、社会に対する寛容さがなくなっていくことが一番心配だ。先日、政府の発表で公園での散歩なんかのときはマスクを外してもいいとの達示があったにもかかわらず、ほとんどの人はマスクを着けたまま歩いている。そのなかで稀に外して散歩している人に対する眼差しが、なんだか正義に満ちた不寛容な様相を感じる...こんな些細なことから分断が始まり、しいては争いに発展する。おいらも含めて心しておきたい。

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朝雨の中のアネモネ

2022/05/25
【第1620回】

最近というか、このところ芸能関係者の死に触れるニュースが続いている。いや、芸能関係者ばかりではなく自殺者が増えているという。人の悩みの深さは他人がどれだけ考察してもわかり得ない。死に直面した当事者に対してどんなアドバイスをしてもお互いの意見が交わることはない...いずれにしても人の命はどんなものよりも尊いし重い。この世の中に人間として生まれて来たことが奇跡だと思っている。戦争、天災、事故で無念にも死んでいった人達のことを思えば一層、懸命に生きねばと思うのだが、人間の持つ弱みにつけ込んで死に神は突然やってくる。死に神を前にして、どれだけ「死にたい」と言う気持を持っていても、心の奥底では「生きたい」という気持が頭をもたげしばし両者が激しく綱引きをするに違いない...人生生きていると少なからず、そんな場面に遭遇することは誰しもあるに違いない。そんな時に、生きることが何故正しいのか?これは理屈ではなく先祖代々、おいらをはじめ人類が営々と生き続けてることが証明している。

生きてて良かったという事柄をどれだけ積み重ねることが出来るか、そのために何をしなければならないかと思っていれば自ずからそうは簡単に死に神が近づいてこないはずだ。

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生きていればこそ見れる夕焼け

2022/05/23
【第1619回】

我が心のライオンズ、なかなか思うようには吠えていませんな...故障者が続出していることもありますが、なにせ選手層がたまらなく薄い感じがします。他球団であれば当然2軍であろう選手が選抜メンバーに入ってるのですから試合前から白旗掲げてるようなもんでございます。投手陣は今までのライオンズと思えないほどの健闘振りなんだが、打撃陣の貧打振りには困ったちゃんです。ほとんどの選手が打率2割前後、なのにぶんぶん振り回すばかり、少しは頭を使うなり、必死こいて粘らんとどうしようもないぜよ。そんな中、素晴らしい選手が現れました。身長164cm体重65㎏はプロ野球の世界では一番の小柄、今年育成として入ったのに5月に支配下登録となり、いきなり先発メンバーとなった途端に大活躍。今年の春までまだ高校生だった18歳の滝澤夏央選手のお陰でなんとか試合を楽しめているってのが本音かな。あどけない顔して剛球をしっかりと捉え50メートル5秒8の俊足で塁を駆け巡る姿はわくわくいたします。守備のセンスもなかなかのもの、今のライオンズの攻撃陣での楽しみは、この滝澤選手と山川選手のホームランしかないんだから悲しすぎます。しかもこの滝澤選手の年棒280万というんだから何年もやって一向に1軍に定着できない先輩選手は情けないったらありゃしない。ベンチでへらへらせんとなんとかせんかい!と喝を入れたい気分でございます。

明日からセリーグとの交流戦が始まります。「グラウンドにはゼニが落ちている」20年以上南海ホークス(現ソフトバンクホークス)の監督を務めた鶴岡一人の台詞である。プロ野球選手はグラウンドで活躍してこそお金が稼げるものだ。短い野球人生、遊んでる暇ありゃしませんぜ...

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戻って来た青空、今日の新宿

2022/05/20
【第1618回】

昨日は世田谷三軒茶屋にあるシアタートラムで「青空は後悔の証し」を観劇してきました。1994年、トム・プロジェクトの第一回公演、片桐はいり一人芝居「ベンチャーズの夜」の作・演出である岩松了さんの最新作です。出演は風間杜夫さん、トムの作品にも出演して頂いた石田ひかりさん他3人の出演による濃密な作品でございました。男女の不思議な関係を覗き見しているようなスリリングな展開は岩松さんのもっとも得意とするところです。

ねじりにねじった台詞の応酬に役者がどこまでリアルに立ち向かえるか?役者の力量が試される舞台です。今年73歳になった杜夫ちゃん、さすがに百戦錬磨の舞台役者、飛翔し迷路の迷い込む言葉を見事に咀嚼し生活感溢れる元パイロットの役を演じきっていました。石田ひかりさんも人柄が滲み出る立ち姿で、新境地にチャレンジしてる姿に好感を持てました。

こうやって、舞台も少しずついつもの日常に戻りつつあるのかな?といってもまだまだマスクも手放せず、会話も控えめ、客席、ロビーが開放的な雰囲気になるにはもう少し時間がかかりそうですね。ロビーを華やかに飾っていた花々も久しく見ておりません。花屋さんも売り上げ減でへこんでいることでしょう。でも、花屋さんには申し訳ないのだが、花を贈る方、貰う方もなんだか見栄の張り合いみたいで、この際この習慣止めてもいいんじゃないのとの意見もちらほら聞こえて参ります。この世界もシンプルライフに!肝心の芝居がつまらなくてロビーの花ばっかりが見事なんてことになったら本末転倒じゃございません。

終演後、ロビーで久しぶりに岩松さんと少し話しをしました。初めて会った時は確か東京外国語大学の学生さんでした。あれから半世紀以上経つんだな...お互いにこうやって芝居やり続けていられることに唯々感謝でございます。

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平和の祈りを込めて、まだまだ咲いてます

2022/05/18
【第1617回】

今日は久しぶりの青空。やはり青い空とおてんとうさまを拝顔できますと、気分も爽やかからっと致します。人間なんて所詮単純な生き物でございます。やたら難しく理屈をこねてややこしくしてる輩が沢山いすぎて世界は混乱に陥いってるんじゃございません。シンプルに思考すれば争いは起こらないと思いますよ。

話は変わりますが、先の吉野家の役員の「若い田舎もんに牛丼の味をジャブ漬けしちゃえばこっちのもんだよ」講演会でいけしゃあしゃあとのたまうんだから大したもんでございます。まあ資本主義の社会ですからほとんどの企業の本音と言えば本音なんですが、場所をわきまえないとえらいことになっちゃいます。この世全て建て前と本音をいかに上手に使えるかどうかが勝負なんだが、この狭間であれこれと複雑に考えちゃうから世の中もおかしくなっちゃうんですな。店の現場の人は汗水垂らして一生懸命に働き、会社をフォローしてるのに少し偉くなっちゃうと勘違いしちゃうんだね。

ウクライナのマリウポリをロシアが完全掌握のニュースが流れています。連れ出されたウクライナの兵士の行く末が心配です。戦場から生み出されるのは憎悪、人が人を傷つけることによってこれから先、何十年何百年そのしこりが受け継がれ同じ争いが又繰り返されることを歴史が証明してるのにいつまでたってもあんぽんたんなニンゲン...

思考も行動もシンプルライフに戻りましょう!地球を救うのはこれしかなかですばい。

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薄暮

2022/05/16
【第1616回】

昨日は沖縄が本土に復帰して50年。様々な催しがありましたが未だ平和な沖縄は取り戻せていない感は否めません。在日米軍基地の約75%が日本の国土のわずか0.6%の沖縄に集中しているなんてことが改善されないまま今日にいたっていることが大問題。毎年毎年日本全土に平等に基地を移動なんてこと言ってるけどなかなか難しいことであります。先ず、他県で基地移転反対運動が始まるし、受け入れる自治体が果たして在るのか否や?嫌なことをすべて沖縄に押し付けることは悪いと思いながら自分の身の安全だけを考えるなんて同じ国民としていかがなものかと思いますが...沖縄で未だに忘れられないのは、40数年前に沖縄宜野湾市に住んでたアパートの前に基地があり、基地内に入っていく若いママを金網越しに泣き叫んでいた女の子の姿です。この情景は今でも生々しくおいらの瞼に焼き付いています。最近では、芝居で沖縄に行った時に乗ったタクシーの運転手さんが何度も謝っていた姿です。「こんな沖縄で...」おいらの方が恐縮してしまいました。終戦の直前に日本本土の盾となり沖縄の人たちの4人に1人が命を落とし、いまだに多くの米軍基地を置きっぱなしにしていること、本当に申し訳ありません!とこちらが謝らなければいけないことなのに...

沖縄の青い空と海、のんびりした県民性、泡盛に沖縄豆腐ようをちびりちびりつまみながら三線の音を聴いてるひとときはパラダイス沖縄でございます♪基地を忘れてこんな至福の時間が早く訪れますように...

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蜜が大好きなクロアゲハ

2022/05/13
【第1615回】

梅雨の気配を感じる金曜日...最近CD「Moment」をよく聴いています♪『雨と休日』という独自のセンスで選んだCDを販売しているショップで最初に購入したのがこのアルバムです。帯に"近くにあっても気づかないことがある。遠くにあって身近に感じられることがある。音楽が鳴り出すとそこには今まで触れたことのない独特の世界が広がっていた。"

まさしくこのアルバムの本質を捉えているコピーである。美しく透明感のあるピアノの音色を包む繊細なパーカッションと、大地に根を張ったような重厚なベース。

このアルバムを創ったミュージシャンがウクライナのキエフ・アコースティック・トリオ。破壊されたウクライナでピアニストのパヴロ・シェペタ他二人が無事であるかどうかはわからない。勿論、この状況ではCDも入手することもできません。

でも、このアルバムに収められた8曲を聴いていると、あの素朴で美しいウクライナの景色が目に浮かんできます。遠くにあっても身近に感じることが出来る音楽のチカラ...

今日もロシア軍の侵攻が続くウクライナでは、北部チェルニヒウ州で学校への攻撃があった。未来の国を育む学びの場を焼き尽くすロシアの未来に待っているのは文化不毛の国であることを自覚すべきだと思うのだが、悪霊が取り憑いているプーチンには聞く耳を持たないに違いない...

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平和なウクライナが聴こえてきます♪

2022/05/11
【第1614回】

今年もアンネのバラが咲きました...ユダヤ系のアンネ・フランクさんは第2次世界大戦中、ナチスから逃れて2年もの間、オランダ・アムステルダムの隠れ家で生活していました。しかし1945年、15歳の時にナチスに見つかり、ベルゲン・ベルゼン強制収容所で病死しました。短い生涯を終えたアンネさんが、このウクライナ情勢に対して平和への願いを込めて咲かせてるようにも見えました。5月9日の戦勝記念日のロシアの映像、その当日にも爆撃を止めないロシア軍、異常を越えて狂気の沙汰としか言いようがない。戦争犯罪人プーチンを何とかせねばこの先何が起こるかわからないほどの不安を覚える日々です。

プーチンにアンネのバラを送りたいくらいだ。がしかし、ここまで悪魔にとりつかれているプーチンは自然が生み出した美しさすら感じることが出来ない状態になっているのではないだろうか。人の価値観なんて真逆になることも十分にありうるからだ。花の美しさを愛でるどころか、真っ赤な薔薇を見つめながらより一層殺戮の感情がメラメラと沸き上がるなんてことになっちゃうかもしれないな...日々映し出される彼の表情はあのヒトラーの狂気顔を彷彿とさせる。ネオナチとの戦いなんてプロパガンダでロシア国民を煽っているあんたこそナチスその者じゃんと言いたい。早く目を覚ませロシアの人民と言いたいところだが、この国もスパイだらけで本音は隠さねば生きていけません。

「無言のまにまに」の稽古、今のところ順調に進んでますが、又もやコロナ感染者が増えています。コロナ、ウクライナ、早くスッキリ、ハッキリした日常になってもらいたいもんでございます。

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平和への願い

2022/05/09
【第1613回】

またもやモノクロ映画の素敵な作品に出逢いました。あの「ジョーカー」で圧倒的な存在感を示したホアキン・フェニックス主演映画「カモンカモン」。妹の息子を預かり共同生活を始めるのだが、大人の視点、子供の視点が錯綜しながら話は進んでいく。決して答えを見出すことなくお互いの立場を認め合い感性を大切にしながらの台詞のやり取りが絶妙である。

自由奔放な息子のキラキラした瞳を観ているだけでも心洗われる感じがしてくるってのは、もはや息子ジェーシーを演じたウディ・ノーマンの類まれなる資質ではなかろうか。

映画の中で主人公ジョニーが、アメリカ各地で9歳~14歳の子供たちにインタビューする生の声のシーンも、この映画が今の世界を生々しくパワフルに伝える効果的な画像になっている。映像もさることながら、この映画全般、一言一言の言葉のチカラがきらりと光る。

それにしても、アメリカの子供たちのインタビューの発言、きちんと社会に対応した答えをしているのには驚いた。日本の子供ちゃんこんな答えはしないだろうなと思いつつ、なんだか不安になってきた。人格なんて幼児体験でほぼ決まっちゃうなんてのたまう人もいるのだが、この映画を観てるとなんだか納得してしまう。いかにいい親、大人(人間として豊かに生きていく道標となる知恵者)に育てられるかにかかっているんでしょうな...

ラスト近くに何度も吐く台詞、「この先何があるのかわからないんだからカモンカモン"前へ前へ"」この映画のメッセージでございます。

今年一番の優しい映画だったカモンカモン!

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前へ、前へ

2022/05/06
【第1612回】

5月4日久しぶりにベルーナドーム(西武球場)に行ってきました。ロッテとの一戦ということで、話題の佐々木朗希投手を観たかったのだが、当日は登板日ではなく残念。今年のライオンズ山川、森選手などの故障、いまだ登板のない今井投手などなど不運続きながら、なんとか今日の時点で勝率五割をキープ。先ずは上出来ではなかろうか...それにしても元ライオンズの選手をお金のチカラでかっさらっていった楽天が好調で首位をキープ。ライオンズとは7ゲーム差がついておりこれ以上離されるとちょいと厳しいかなと言う気がしています。

この日の試合は初回ロッテが5点をたたき出し前途多難、3回には2点追加、この時点で試合がほぼ決まった雲行き。それにしてもこの試合を任されたライオンズの松本投手、この日を楽しみに集まった満員のファンに対してなんともふがいない姿をさらしてしまいました。

十分な休養をもらいながらこの体たらく、この投手の精神面の弱さが露呈、今日の負けはほぼ決まり、もう帰ろうかなんて気分になっちゃいました。ところが、この7点のハンディキャップを負いながら打撃陣がなんとか5点を奪い少しは意地を見せてくれたのが唯一の救いだったかな。

GWということもあって多くのちびっ子ファンが来てました。皆、楽しそうにしていましたね。食べ物が楽しみで来たはずが、何となく盛り上がる球場の雰囲気に感化され野球が好きになり、そのなかからライオンズを支えるプレーヤーが生まれたら嬉しかですばい。

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頑張れライオンズ!

2022/05/02
【第1611回】

神戸芝居カーニバルを30年やっている中島淳さんと本当に久しぶりに逢いました。今年82歳になる中島さん、歳を感じさせない容貌と頑強な身体、尊敬しちゃいます。今やすっかり俳優として有名になった田中眠さんを呼んで浜辺で踊ってもらったり、今は亡きマルセ太郎さんの「スクリーンのない映画館」を世に知らしめたり、ユニークな企画を今尚続けていることに元気を頂きました。おいらも以前、神戸に呼ばれて「中島淳のアジト談義」で話をしに行ったのだが、集まった人たちの顔ぶれになんだか楽しくなり饒舌になった記憶があります。そのあとの飲み会、その後、神戸ゆかりのJAZZライブのお店にも行きご機嫌な神戸の夜を過ごさせていただきました。押しつけでもなく、みんなでおもろいことやりましょか!という雰囲気がここまで永く人の輪を作り保ってきたんだろうなという気がします。やはりリーダーシップになる人の人間性、人を引き付ける魅力、カリスマ性がないと集まり自体は何十年も続かないと思います。ましてや3年目に入ろうとしているコロナ、これは神戸芝居カーニバルにとっても大変な時期だったと話しておられました。経済的な部分も一人で背負うんですから情熱だけではやれるってもんでございません。目の輝きから言っても、まだまだへこたりまへんで!とおいらに激を飛ばしてるようにも見えました。

今日から「無言のまにまに」の稽古が始まります。中島先輩に負けないように、行くところまでいかなあきまへんがな...

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空に躍るや鯉のぼり

2022/04/27
【第1610回】

「ベルファスト」観てきました。おいら好みの映画でしたね。1969年の北アイルランドのベルファストで起きた宗教をめぐる事件を少年(監督ケネス・ブラナー)の目を通して映し出した物語。カラーから白黒に代わる画像、そして最後にまたカラーになるところが憎いです。音楽のセンスもなかなかよろしい!なんだか「ニュー・シネマ・パラダイス」を観てるような感じもしました。子役の良し悪しが映画の成否を握っている代表的な例です。人間誰しも生まれ育った故郷に対する郷愁の念はあると思います。この映画も、生まれ育った田舎町での映画を唯一の娯楽として過ごした体験が、最終的に映画監督に導いてくれました。

家族を担う俳優陣もベスト、特におばあちゃん役を演じたジュディ・デンチが最高でした。

「恋におちたシェイクスピア」(98)でアカデミー助演女優賞を受賞した実力派の女優さんです。現在88歳になる彼女がラスト近くに語り掛けるアップの表情に彼女の人生すべてが語られているようでした。幾筋も刻み込められた皺を隠すこともなく淡々としたシーンは圧倒的な人間の存在そのものを感じました。表現者、人間が一体となって己の歩んできた道を表情一つで表すことが出来ることの奇跡に近いシーンでもありました。

おじいちゃん役のキアラン・ハインズもなかなかいい味をだしていました。彼がしみじみと吐く台詞、「答えが1つなら紛争なんて起きない」「相手が何言ってるか分からないのは、聴こうとしていないから」...ウクライナに対する侵略が今なお続く中、説得力がある言葉でした。

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子カルガモはもうすぐかな?

2022/04/25
【第1609回】

先週。ミュージカル「メリー・ポピンズ」、小劇場公演「夜長姫」を観劇。一口に演劇と言ってもいろいろありまっせという世界でございました。先ず値段がミュージカルは¥14000、小劇場は¥3500.その値段はミュージカルを観ればなるほど納得できます。セット、小道具、衣装、出演者数、そしてなんといっても生演奏。それに莫大な上演権料を考えれば当然な入場料かな。片や芝居を通して身銭を切って舞台に上がる小劇場の役者たちが繰り広げる世界。どっちがいいと問われても困ってしまいます。お金を投資するのはお客さんが判断することですから正解はありません。おいらも芝居で飯食ってる人間の一人としての感想は、ミュージカルのあのショー的雰囲気をみんなと一緒に楽しんで拍手して過ごす一体感がたまらなく幸せなんだろうなと思います。一方、50人から70人のキャパで、真に迫る役者の汗にまみれた演技に心打たれ、なんだか叱咤激励された感覚に襲われるのが心地よいっていう人がいるのも確かです。

いずれにしても、なんでもありの演劇ですから生きてるうちにいろんなもの見て損はないと思います。と勝手なこと書いちゃって、観に行ったところ、もう二度と芝居なんぞは観たくないなんて芝居に出会ったら迷惑千万でございます。実際、おいらも正直そんな芝居と鉢合わせした経験もあり、時間とお金返してくれ!と心の中で叫んだ記憶がございます。まあ、どんな世界でも当てが外れたなんてことはありますので許してちょんまげ...

平和だからこそ、芝居をやれて観てもらえることに感謝でございます。

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バラが咲いた、バラが咲いた
まっかなバラが♪

2022/04/22
【第1608回】

いまだ止むことのないロシアの侵略、プーチンの支持率も80パーセント維持しているという。このアンケートもほとんどが電話によるアンケート、スパイだらけのロシアにおいてどこで誰が盗聴しているかわからない中、まともな答えはできないに違いない。戦争反対(戦争でなく侵略)なんて答えたらどんな仕打ちにあうかわからないので、支持しますと答えるのが順当なところでしょう。このロシア、そして中国なんて国は時の権力者に都合の良いプロパガンダで国を牛耳っているに違いない。

その例として、兵庫に住む72歳の女性のもとに、嘗て日本語ボランティアとして日本に留学し親しくなった中国の若い友人からこんなメールが届いたそうだ...「欧米はウクライナをロシアへの侵攻の前哨基地にしようとしており、ロシアの特別軍事行動には相当の正当性がある。戦争が起きた原因はウクライナ側にある」...そのあとに、日本ではどのように報じられてるかとの問いに、どう返事を書こうか悩んだ末に、彼女との信頼関係を信じてメールを送ったとのこと...「隣国の領土を侵し民間人を巻き込む武力行使は、いかなる理由でも許されない。ロシアや中国には厳しい報道規制があり、国民には事実が知らされていない。自由と民主主義は日本が苦い経験を経て学んだ大切な理念であり、一人一人がその理想に向かって努力しなければならない」

中国の若い女性はどう感じたか?先日、日本からロシアに退去を命じられた外交官関係の家族が日本を飛び立つニュースが流れていた。彼らは故国に帰って何を語るのであろうか?恐怖政治で支配している国が世界を蹂躙しようとしている今、世界のすべての人は人ごとではなく自分のこととして思考し行動しなければならない。

今日のプーチンの発言、1千人の市民、500人の負傷兵が身を隠しているとされるウクライナ南東部の港湾都市マリウポリのアゾフスターリ製鉄所に「ハエ一匹も通すな!」。人の命などなんとも思わぬ冷血漢らしい発言だ。こんな男の横暴を許さざるを得ない国連ってなんなんだろうね?

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モッコウバラ
花言葉~あなたにふさわしい人~

2022/04/18
【第1607回】

先週の土曜日は、半世紀前に一緒に芝居やっていた戦友の芝居を観劇。25歳半ば演劇群「走狗」でテント担いで全国を興行していた仲間です。今回の芝居のタイトルは「命短し、恋せよ少女、赤き唇褪せぬ間に 熱き血汐の冷えぬ間に 明日の月日のないものを」あんたらのあの日あの時の心情そのままじゃん。作・演出、倉沢周平、出演者の一人に小林達雄、二人とも集団の中では過激な人達でしたな。まあ、それだけ芝居に対して命懸けだったんですね。おいらも決して手を抜いてやってたわけではないのだが...唯、他の諸々よりは食べれないけど芝居の世界が面白かったので楽しみながらやっていたというのが本当のところかな。何だか面倒くさくなったらすっぱりと芝居の世界におさらばし海外ふらふらしたと言うことだけ。

それにしても、老骨むち打って終生アングラ役者として舞台に立っている今年78歳になる達ちゃん。その姿見てるだけでなんだか嬉しいです。なんだかんだ言っても己の道を信じて己の好きなことをやってるんですから潔いのではないのかな...ほとんどの人が生活のためといいながらやりたいことを半ば放棄しながら一生を終えるんですから。作・演出の周平も満足に歩けない姿で本書いて演出して一本の芝居に仕上げているんですから大したもんでございます。「走狗」の仲間もすでに3人亡くなりました...後何年、こうやって芝居に関わっていけるのかわかりませんが、今回の芝居のタイトルのように、熱き血汐の冷えぬ間に、明日の月日のないものと、肝に銘じながら生きていくしかありませんな。

おいらも然り。

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ハナミズキ
花言葉「私の思いを受けてください」

2022/04/15
【第1606回】

この季節の楽しみは日々増えていく新緑の光景を目にすることである。冬の寒い間にじっと耐えて春の到来を夢見て潜んでいた葉っぱちゃんのなんと若々しく鮮やかなこと。コロナ、ウクライナで晴れない心身を癒してくれる大きな存在です。生まれたばかりの赤ちゃんのすべすべした肌と同じです。秋の枯れ葉の時期まで少しづつ形を変え楽しませてくれる葉っぱちゃん、そして樹木に彩りを添える花々。考えてみりゃ、これら自然の生き物は無償の行為で人様に身を挺して差し出しているのに、人間どもは何と愚かな行為をしでかしているのか...地球と言う星は人間だけのものでないはずなのに、驕り昂ぶっているとしか言いようがない。

この時期、ウクライナの人たちも春の訪れを楽しみにしながら寒い冬の季節を過ごしていたに違いない。なのに、一人の権力者の欲望のために地獄絵図を見せつけられた。今回の侵略をきっかけに世界の各国が武力の強化、そしてエネルギー問題でまたして原発に依存しようとしている。原発にミサイルを撃ち込めば地球滅亡のシナリオが進行するというのに、そして抑止力の核の開発には拍車がかかる始末。

すべてが便利になり、快適に生活できるようになったのは理解で来るのだが、なんとも世知辛い世の中になってしまいましたな...今更、こんなこと言っても仕方がないとは思うのだが、貧しかったけどキラキラした周囲の人たちの表情に囲まれた昭和が懐かしい。

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待ってました...

2022/04/13
【第1605回】

いやいや90歳からだってやれるんだ!できるんだ!「90歳セツの新聞ちぎり絵」木村セツさんの本、読ませて見させていただきました。2018年末にご主人が亡くなり、2019年元旦から長女の勧めで新聞ちぎり絵を始めたそうだ。1929年奈良に生まれ戦時中は学徒動員、戦後は銀行などに勤めながら三人の子供を育てるという典型的な市井の人。ご主人が入院中に病室に飾ってあったちぎり絵に興味を示したのがきっかけだという。それにしても、これだけの色彩感覚、構図、センス、これらはセツさんが90年間に養われた美意識から生まれたに違いない。ご主人が亡くなる前に発した言葉「いくつになっても勉強せなあかん」という遺言もセツさんの気持ちを大きく動かしたに違いない。

そうなんです!人間死ぬまで学びです。いくつになっても分からないことが次から次へと出現し未知なる旅は果てしない、でもその旅は己の好奇心をくすぐり血肉、いや知肉を湧き立たせるってわけだ。お金を掛けなくたって夢中にさせるものがある人はホンマに幸せだ。

新聞紙をちぎってピカソ顔負けのアートを創っちゃうんだから頭下がります。

ちぎり絵はこれからも続けますか?という質問に

「やめやひん。続けたいですな。これが楽しい。生きがいです。これがないとどうも仕方ないわ、寂しいて。こんなにえらい熱中するもんなかったなあ。テレビもえらい好かんし...これやったら一生懸命やりますわ。妙になあ。不思議でならんわ。これなかったら生きがいないわ。」

いや、シンプルでござりまする。こんな言葉吐きながら健康で長生き出来たら最高ですたい。

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人生まだまだこれからだ!

2022/04/11
【第1604回】

昨日も暑かったけど、週明けの今日も、はや夏日と言ったところです...先週の週末「コーダあいのうた」を観てきました。今年のアカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門を受賞したということで出かけたんですが、都内の上演館も一日2回ほどの上映で受賞後の盛り上がりは感じませんでした。それとも1月下旬からの上映開始なので興味ある人はもうすでに観ちゃったのかな?おいらは吉祥寺オデオンで観たのだが客席もそんなには埋まってはいませんでした。ストーリーは家族4人のなか、唯一聴力をもつ少女が聾者の家族との確執、そして自分の夢にゆらぎながらも猛進していくというもの。確かに障害を持つ人たちの家族の必死に生きる姿に歌が絡まって感動的な映画があることは紛れもない事実です。この映画に、勿論ケチをつける気はありませんが、作品賞としては腑に落ちない気がしました。おいらだったら「ウエスト・サイド・ストーリー」を推したいな。あの名作のリメイクを感じさせない最高級の映画テクニックを駆使し、オリジナルを現在の社会状況を照らしつつ、差別、ジェンダーなどなどにメスを入れる新たなミュージカル映画を創出した巨匠スティーブン・スピルバーグ以下スタッフ、キャストに一票投じたい。今回助演女優賞だけというのも納得できませんな。でも、このアカデミー賞も最近ぶれぶれのような気もします。これも政治的な配慮や、世界の動向なんかを気にしながらの選考になっているのかもしれない。式典で受賞者が殴るなんてハプニングもありますし、どの世界でも何が起こるかわからない予測不能な状況になっています。

プロ野球の世界でもありました。昨日の千葉ロッテマリーンズ佐々木朗希投手の完全試合達成にはビックリ。28年振り史上16人目、20歳5カ月史上最年少の記録、13連続奪三振、1試合計19奪三振、日本プロ野球84年の歴史で最高の投球と言っても良いという完璧さでした。東日本大震災で亡くなったお父さんもきっと喜んでることでしょう...

こんな素晴らしいことはいくら起きても嬉しいものですが...戦争だけはやめて欲しいし、起こしてはいけません。

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競艶

2022/04/08
【第1603回】

ウクライナの惨状が日々伝えられ、コロナの収束未だ見えない。暗澹たる状況のなかなんとか明るい話題を届けたいという思いなのだろうNHKの地上波が大リーグ、エンゼルス対アストロズの開幕戦を中継してました。もちろん大谷翔平選手が先発ピッチャー、トップバッターでの出場と言うことでの特番でございます。これまでも何名かの日本人プレーヤーの活躍はあったものの、彼の二刀流は本場で大きな衝撃と感動を与えたに違いない。あどけない表情でありながら、アスリートとしての類まれなる才能と、一人の人間としての思考、行動の素晴らしさが多くの人を魅了したに違いない。彼のグッドプレーを観て頂くことで、すさんだ気持ちを少しでも和らげて下さいとの趣旨でのNHKの英断といったところか。

残念ながら試合には負けましたが、5回まで投げて1失点9奪三振の好投、ヒットも出ませんでしたが次回に十分期待を持たせる最初のプレーでした。

それに反して我ライオンズの森捕手の行動はまことにいただけませんな...チームもなかなか上昇機運に乗れず途中で交代させられ、ロッカーに戻り商売道具であるキャッチャーマスクを叩きつけ、その時に中指を骨折したという醜態。完治まで二カ月かかるという最悪の事態。自分の顔を守ってくれるマスクを投げつけるなんて言語道断、ましてやチームの中心選手がそんなことしちゃったらチームワークにも影響するのに何考えてんの?と言いたい。どんな優れた成績を残そうとも、自分の生活を支えている道具をおろそかにする選手はあきまへんな。なんだか大阪桐蔭学高校野球部出身の不祥事が続いています...監督さん強けりゃいいってもんじゃございませんことよ。球を磨くのは当然として、心を磨くことを忘れちゃいけませんことよ。

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まだまだ散ってなるものか

2022/04/06
【第1602回】

新宿西口広場では、4月10日まで「April Dream」と称して302人の写真を展示して、それぞれの夢を語っている。4月1日と言えば嘘をついていい日として知られてきたのだが、これからは夢を語ろうという日にしようとする試みだ。考えてみれば今から半世紀前には、この西口広場は社会を変えようという若者で溢れかえっていた。広場のあちらこちらで討論会が始まり、夜になるとフォーク集会で広場は異常な盛り上がりをみせた。機動隊がここは広場ではない通路と言いながら集まった人たちを解散するようにと命じると小競り合いが始まり大変な騒ぎになりました。おいらも機動隊のお兄さんに「歌ってなんでいけないの?」というと、いきなり人が居ないところに連行されぼこぼこにされました。その時、優しい機動隊のおじさんが仲裁に入らなかったら、おいらは多分新宿警察署に連行されたに違いない。

そんなことを想い出しながら展示された写真を丁寧に見て廻りました。「プロレスラーとして後楽園のリングで戦いたい」「母をハワイ旅行に連れて行く」「昆虫食を広めたい」「ラーメン屋さんになって美味しいラーメンをたくさん食べたい」「手話で踊るよろこびを伝えるUDダンサーになる」などなど。夢を抱きそれに向かっていくことは誰しもできることだ。紆余曲折があるのは当然なのだが、その過程をいかに楽しむかは人それぞれだ。例えば海だって自分の所有物ではないのだが己の想像力でいかようにも変えることが出来るってもんでございます。夢のない人と話して退屈した経験は誰しもあると思います。ホラ吹くぐらいの夢だっていいんじゃありませんか、いついつまでも夢を持ち続けて生きましょうね皆の衆。

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Dreams

2022/04/04
【第1601回】

今日は又、冬に逆戻り、冷たい雨が朝からしとしと降り続いています...と言うことで最後のサクラを愛でる日だと思い先週の土曜日に井の頭公園に行ってきました。吉祥寺と言う人気の街を支えているのがこの公園です。適度の広さと交通の便の良さが人気の要因かな。この日も多くの人達が訪れ様々な楽しみ方をしていました、コロナがなければビニールシートを拡げて大宴会の様子をおすそ分けしてもらえるのですが、なかなか感染者数が減らない現状では、静かに桜並木を眺めながら通り過ぎるか、限られたベンチに座って小声の会話で時間を過ごすしかありません。でも、おいらはこちらのスタイルが好みかもしれません。酔っぱらって大声で叫ぶ姿は、サクラちゃんだってお耳ふさいで咲き心地がよくありませんことよ。「今年も咲かせてくれてありがとう」なんて感謝の気持ちと慈愛の眼差しで見つめると、花びらも嬉しくなって一瞬濃いピンクの色になっちゃう気がします。いずれにしても今年も咲いてくれました。景気、災害、戦争などなど世の中の変化にも動じることなく礼儀正しく咲き誇ってくれるサクラは、いつまでも争いを止めないニンゲンに無言の警告を発しているようにも見えました。

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散るサクラ残るサクラも散るサクラ

2022/04/01
【第1600回】

今日から新年度のスタートです。サクラの季節と相まって晴れ晴れしい季節のはずなんですがコロナ、ウクライナ、そして諸々の値上げでなんだか皆さんの顔も今一つパッとしない表情を日々見かける日々が続いています。そんな時は、モーツァルトの曲を聴くに限ります。おいらは普段はジャズを聴く機会が多いのですが、この暗雲垂れこめる世界の情勢を見聞きするうちにどうしても晴れない気分になってしまいます。もともとポジティブシンキングで生きてはいるのですが、このウクライナはかなりきついです。そしてまたまたコロナ第7波の予報なんて聞いちゃうとガックシでござりまする。その暗澹たる気持ちを一掃させてくれるのが天才モーツアルト。ピアノソナタ、ピアノ協奏曲、セレナーデ、弦楽四重奏曲、弦楽五重奏曲、交響曲などなど...まさしく天才の名にふさわしい幅の広さです。どれを聴いても飽きることなく、もやもやした気分も一瞬にして吹き飛んでしまいます。中でも、グレン・グールドのピアノソナタこれは絶品です。クラシックの枠を飛び越え自由自在、変幻自在に演奏する音色には遊び心満載。お堅い人には、独善的で邪道なんてことも言われかねないと思いますが、一音一音に緊張感と次なるジャンプ力を感じさせる悪魔的な魅力に溢れている点、彼も又天才かもしれない。彼の演奏によるバッハも、研ぎ澄まされた日本刀の切れ味を感じさせる凄みを感じます。

とにかくこの時期は、よりよい音を耳にすることによって心身のバランスを整えるしかありませんね。それにしても、多くの芸術を生み出したロシアに住みながらもプーチンは良き音楽に接する機会が無かったのかもしれませんな...今からでも遅くない!側近のイエスマンの方々、プーチンにモーツアルト全集を至急支給してくださいませ。

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井の頭線のサクラ

2022/03/30
【第1599回】

長いこと生きてるといろんなことがあるのは当然だ...その中でも、あまり居心地が良くないこととして自慢話を聞かされること。人生を振り返って苦労したのは分かるけど、あれをやったこれをやったと聞かされても、おいらはフンフンと聞くしかない。自慢話なんていうのは、所詮自分を誇らしくみせるための方便でしかないのではないか...たしかに何かをやり遂げた功績は認めるにしても、その逆、何をしなかったということにもっと意義を感じてもいいんではないかと思う。人を傷つけなかった、差別しなかった、欲に溺れなかった、争いに参加しなかった、人の上に立とうとしなかったなどなど、これは世の中を平穏にするための人として基本的な所作かもしれない。このことをわきまえていれば戦争なんてものは起こらないはずだ。世界を悲嘆に陥れたプーチンに聞かせてあげたいもんでございます。

今日も満開の桜がそれぞれの風景に溶け込み様々な景観を生み出しています。中でも河岸の桜並木は全国のあちらこちらで春の風物詩になっています。おいらが住む杉並区にも善福寺川、神田川なんかで毎年楽しませて貰ってはいるのですが、なんと今年は、神田川に気持ちよさそうにしなだれかかる枝を切り落としたもんだから間抜けな光景になってしまいました。勿論、樹木は頃合いをみて剪定しなきゃならんのは理解しているのだが切り落とされる様を見るたびにおいら自身が切り刻まれてる気がして痛々しい気分になっちゃいます。もしや、おいらの前身は樹木だったかもしれませんな...何百年も生き続けた大木に出会うと思わずハグしちゃいますことよ。

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菜の花とサクラ

2022/03/28
【第1598回】

全国のあちらこちらでサクラ満開の知らせが届いています。サクラの開花を見るにつけ春の到来と新学期、新社会人の新たな人生の門出を祝いたい気分になっちゃいますね。それなのにコロナはいまだに収束せず3年目に突入。そしてウクライナ、いつものように突き抜けた解放感でサクラを眺めることが出来ないのがとても残念です。サクラも一年待ちわびてやっとこさこの日を迎えてご対面というのに世界はとんでもないことになっていて戸惑っているんではないかと心痛みます。

この国も戦時中にサクラは戦争推進者に都合よく利用されていた過去がある。お国のために、サクラが散る姿を殉死ともてはやし、潔く散るなんてことを良しとする雰囲気を作り上げていました。美しい花を眺めていりゃ人を殺めるなんて発想は出てこない筈なんだが、日々流されるウクライナ戦地の映像は破壊されつくした灰色の光景。こんな風景が日常化した兵士には優しさなんて感情は皆無に違いない。心身とも疲弊し無慈悲かつ暴力的な思考が支配し殺戮さえいとわないロボット状態になってしまう恐怖集団と化してしまう。

サクラとともにプロ野球も開幕しました。我がライオンズ幸先良いスタートを飾りました。昨年のリーグ覇者オリックスに勝ち越し。昨日なんぞ三回まで6点先行され、こりゃあかんと思いきや逆転勝ち...最下位からの優勝も夢でないと思いたくなります。

ウクライナの人たちも春の訪れとともに、いつものように精一杯野原を駆け巡りたかったに違いない...そんな日常をいとも簡単に崩壊させるプーチン、一刻も早く冷静さを取り戻して欲しい!

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新宿に咲くサクラ

2022/03/25
【第1597回】

このご時世、若き女性のパワーは目を見張る勢いだ...演劇の世界も然り、男性の力を借りず女性だけの劇団があちらこちらで誕生している。昨日も演劇科という学部がない東京芸術大学の卒業生だけで結成された「理性的な変人たち」という集団の芝居を観てきました。既成の演劇という枠に収まることなく幅広いジャンルで活動している表現者が楽しく躍動感あふれる舞台を創っていました。今回のテーマは性暴力、今までは人前で言えず声を出すことをはばかれていた幼少時の性の屈辱的な事件を家族にからめてのストーリー。この集団のネーミングにふさわしく感情に溺れることなく理性的に展開してた気がします。

何事も諦めずに継続していくことが一番です。経済的にも大変でしょうが若さと表現に対する飽くなき情熱があれば怖いものなんかございませんことよ。いまだ人が観たことがない表現が一つでもあればやる意味があるってもんでございます。今回はコロナで二度中止になりやっと実現できた第二回目の公演。今日あらためて感じたことは女性のデリケートな諸問題、やはり女性だけで演じると実に説得力がございます。

性暴力といえばあの文春砲であげられた脇役男優、これが真実であれば「ぶらり途中下車の旅」でちょい不気味だがいい味だしていたのにOUTだね。出会ったお店の人もがっかりだし、なによりも苦労してなんとか役者として認められ始められたのに...人間ちょいとした気の緩みから又一から出直し。それにしてもおいらが一番嫌いなこと、立場を利用して弱い立場の人を私利私欲に走り傷つける行為。これやっちゃたら人間おしまいですばい!

プーチン、もはや遅いけど目を覚ませ!

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少しづつ...

2022/03/22
【第1596回】

演劇に関わる人間にとって、いやアートを愛する市民にとって悲しい出来事だ。ウクライナ南東部マウリポリで避難所として使われていた劇場が破壊された。続いてリビウ中心部にある劇場「レスクルバス」、1910年ごろに設計され、映画館、芸術劇場、大衆劇場として変遷を重ね普段は約100ある客席の多くが集まる人気の劇場でもあった。侵攻直前の2月23日までは現代劇を公演していたそうだ。3月も約20公演が予定されていた。侵略国ロシアも数々の芸術を生み出した国の一つであるはずだ。劇場にはありとあらゆるジャンルのアーチストの汗と涙と魂が棲みついている。その貴重な建物を意味なく破壊してしまうロシア兵、プーチンはもはや人間ではなく悪霊が宿り阿修羅と化してしまったに違いない。

昨日までは春を待ちわびて公演を散歩する老夫婦、子供連れの家族、若いカップルの姿があったのに、一瞬の間に地獄の戦場となり悲嘆にくれるウクライナの人達。今日と同じ明日が訪れるものと誰しもが思い描いて一日を生きる人々に思いが至らない権力者に鉄槌を下したい。人々の尊い日常をいとも簡単に奪う戦争の無慮さを気にとめない鈍感かつ無神経な権力者を持つと自国ばかりか隣国にも悲劇をもたらすいい例だ。

押しつぶされ踏みにじられた人達の思いを拾い上げ身近な人達に伝えていく。いくつになってもどんな境遇であっても、そんなデリケートな神経はいつまでも保っていたい。いつか戦争が終結し、今再び当たり前の日常が戻ったときに何よりも求められることであるに違いないからだ。

一昨日、東京は桜開花宣言。春を告げる桜、このときめき、今年もウクライナの人達と共有したかった...一刻も早い停戦を願う。

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サクラサク

2022/03/18
【第1595回】

コロナ、ウクライナ、そして地震...世界は混迷を深めるばかりだ。ウクライナの今の状態が同じように日本で発生すればという仮定の話のなかで、自分であれば武器を手に侵略に立ち向かっていくのか?命優先で積極的逃避を選択するのか?日本人誰しもが突きつけられる問題なのかも知れない。今の日米安保条約にしたって、米軍関係者が日本国内で事件や事故を起こしても、日本側が十分に捜査できないなどさまざまな問題を抱えた地位協定がある限り有事の際果たしてアメリカは日本を守ってくれるのかどうか?はなはだ懐疑的と言わざるをえない。

それにしてもロシアの国営テレビ「チャンネル1」の夜のニュース番組の生放送中、原稿を読むアナウンサーの後ろで、女性が「戦争反対。戦争止めろ。プロパガンダを信じないで。ここの人たちは皆さんにうそをついている」と書かれたプラカードを掲げた「チャンネル1」の編集者、マリナ・オフシャニコワさんの勇気...二人の子供がいるのだが亡命せず国内で戦争反対を訴え続けるという...あなたにこのような勇気ある行動が出来だろうか?今回のウクライナの出来事、世界の人たちがこれからの国の在り方、幸せの意義、争いのない世界の施策などなど多くの難題を提示しているに違いない。

コロナも来週の21日をもって全都道府県、蔓延防止法が解除される。この2年間いろいろあったのだが今一つ決め手がない様に感じる。これからはウィズコロナで行くしかないのではなかろうか...

一昨日の地震はさすがに目が覚めた。東日本大震災から11年目に又、同じ東北で発生するのだから油断できないということだ。いつだって地震に備えておく必要性を強く感じた。水、食料、電源などなど...そして、やはり地震大国日本での原発は命取りになりかねないことを確信した次第だ。

ささやかでもいい、地道に質素にいまあるすべてに感謝して過ごすことの大切さを教えられる今日この頃である。

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春が来た2

2022/03/16
【第1594回】

♪吹けば飛ぶよな将棋の駒に~「王将」昨日、下北沢の劇場で観劇。「王将」と言えば舞台では新国劇の辰已柳太郎、緒形拳、映画では坂東妻三郎、勝新太郎、三國連太郎がそれぞれ主人公坂田三吉を演じた。おいらの記憶では舞台では辰已柳太郎、映画では坂東妻三郎の坂田三吉が一番印象に残っている。この舞台設定、ストーリーは庶民の町大阪の匂いがたっぷりと盛り込まれ、「王将」=「大阪」というイメージでもある。おいらは大阪に行くと必ずと言っていいほど通天閣地域を散策する。今でもジャンジャン横丁では、坂田三吉の夢を追う将棋指しが集まる将棋クラブが存在する。老若男女が入り乱れる中、若者はもちろん藤井聡太を目指しているんだろう...でも、三吉の指した将棋は今でもこの場に息づいている。

昨日観劇した「王将」は星屑の会による公演である。でんでん、ラサール石井、小宮孝泰、渡辺哲さんなどなど、一癖も二癖もある役者さんが小さなセットでいぶし銀の演技で3時間ほどの舞台を見事に演じ切った。北條秀司さんの3部作戯曲6時間の作品を演出の水谷龍二さんがうまくまとめていた。

勿論、この「王将」トム・プロジェクトでも2000年に松尾スズキ演出、板尾創路、片桐はいり、宮藤官九郎、荒川良々さんらの出演で上演している。名作は時代を超えいつまでも朽ちることが無いと同時に、時代の空気にあわせながらこれから先も幾度となく上演されるに違いない。♪うまれ難波の八百八橋~月も知ってるおいらの意気地~

このご時世、芝居屋も意気地でやっとります!

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春が来た

2022/03/14
【第1593回】

この週末もウクライナの情報で各メディアは多忙を極めていたようだ。片や相変わらずたわいもないバラエティ番組を能天気に垂れ流しつづける平和惚けしたテレビ各社。たしかにわからないでもない。このたるんだご時世に、パラオリンピック開催中に、まるで戦争映画を観るような光景が突如現れたらどう対処したらいいのか戸惑ってしまう。そのうちにこれがまさしく現実だと理解し出すと、とても正視できない状態になりお笑い放送への逃避行がはじまったというわけ...しかし、想像力を働かせれば、この日本だって他山の石ではないはずだ。ロシア海軍の軍艦10隻が津軽海峡を通過し、方領土に配備された地対空ミサイルシステム「S300」の訓練を行ったと発表。こりゃ分からんぜよ、第三次世界大戦になると間違いなく北方領土を起点として日本に攻め込んでくるだろう。それに乗じて中国は台湾を侵略し、近くにある沖縄米軍基地を巻き込み、北から南から日本は包囲され日本沈没というシナリオを突き進むことは間違いない。

いまあるこの平和なんていうものも、ひとりのとんでもない権力者によってかくも容易に吹き飛んでしまうってわけだ。天災は防ぎようもないこともあるのだが、戦争と言う人災は人間の叡智で何とかなるとは思うのだが、核と言う恐ろしいものを手にした瞬間、その叡智そのものが砂上楼閣と化してしまうのだから皮肉としか言いようがない。

週末の公園、東京での親子の幸せな寛ぎと、ウクライナの母子の悲嘆にくれる姿、世界は引き裂かれた現状を我々に突きつけている。今やれることは何か?己が出来ることを発信するしかない...それにしても今日の東京は夏が来たくらいの異常な暑さだ。

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穏やかな公園

2022/03/11
【第1592回】

今日は東日本大震災が発生してから11年目になる日である。コロナ、ウクライナと目まぐるしく世界は混迷の度を深めているのだが、この震災はいつまでも忘れてならない出来事である。未だに行方不明者2523人、避難者38139人、原子炉の処理もこれからいつまで続くのかわからない現状のなか、まだまだ復興途上であることに間違いない。この時期になると、各メディアがその後の被災者の記事を掲載するのだが、この傷跡は生きてる限り癒されることがないことを痛感するばかり...復興された風景を見るにつけ、あの地元で生活した匂いらしきものは当然の如く感じられないし、無機質なコンクリートの塊を見せられると胸が痛む。街は人の体温が作り出すものであり、いかに立派な建物を作ってもそれはただの箱でしかない。津波を防ぐ要塞のような防波堤は勿論津波を防げても、海と人を遮断し海と共に暮らした人間にとっては目隠しをされたも当然。沿岸の人達が海を友として生きてきた歴史にも微妙な変化が見られる。

今回のウクライナ侵略によって、原発の再稼働の動きが世界の各国で見受けられるのも無気味である。原発がまさしく諸刃の剣となり、時の権力者が都合よく支配するなんてことになるとますます厄介である。世界で唯一の被爆国であるこの国ですら核保有の意見が出る始末、そしてロシアも北方領土に軍備拡大、なんだか一気にきな臭くなった世界。青い地球が戦禍で真っ赤になるなんてまっぴらごめんだと誰もが思ってるのに雲行きは怪しい。

ユニクロさん、やっぱり営業停止しましたね...それにしても、ユニクロがロシアで営業継続の報が入ったことを受けてメディアが何のコメントもしなかったこと、あれだけテレビでCM流してるんだから、そりゃ無理だよね。

それにしても、一刻も早いロシアの侵略が止むことを切に願う!

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しだれ梅

2022/03/09
【第1591回】

今おいらに課してる一日の数十分...筑摩書房が去年9月に出版した岸政彦編「東京の生活史」、聞き手を募集し、その後150人に聞き手それぞれが自ら選んだ語り手の話を聞き取り、合計150の生活史を集めるというプロジェクト。2段組み1200ページという分厚い本なので一気に読むわけにもいかないというより、1日ひとりの人生をじっくり味わうというおいらのプロジェクトを立てたという訳だ。まだまだ読み始めたばかりだが、どの話も面白く語り口からその時代の風景、背景が甦って来るってんだからたまらんですばい。ただ漠然と俯瞰しながら東京と言う街を眺めていれば気付くことがなかった人間に、しっかりと耳を傾ければはっきりとその人間の生き方が見えてくる。そんな人たちがこの東京という街を支えていることに改めて気づかせてくれる。

日常会話でよく聞くフレーズ「語るに足らぬ人生」、いやいや「語るに足る人生」テンコ盛りで芝居にも出来る話が満載。小難しい言葉を羅列するより、人間の生身の言葉のほうがざらざらとした感覚で心地よく身体に入ってくることを立証した本である。

ウクライナから隣国に逃れる女性、子供、老人、すべてを捨てて命を選択する人達。逃げたくとも小児がんに罹り逃げ場を失った子供たちと病院関係者。これらの映像を見ればプーチン政権も自壊するのだが情報統制してる現状ではなかなか難しい。世界が知恵を出し合い何とかしようとしてるのに、あのユニクロさん、ロシアから撤退しないなんてあり?

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桜を待つ梅

2022/03/07
【第1590回】

「ザ・ユナイテッド・ステイツVS.ビリー・ホリディ」鑑賞。おいらも長いこと聴き続けているビリー・ホリデイの名曲を圧巻の歌唱と熱演で2時間釘付けにしたアンドラ・デイに拍手を送りたい。特に彼女の代表作である「奇妙な果実」(歌詞が黒人へのリンチを歌った内容で、暴行されて木に吊るされた黒人の遺体を、"果実"にたとえた)をホリデイが憑依したかのようなステージでの姿は圧巻である。とても演技未経験な歌手だとは思えない。

この映画は伝記映画と言うよりも、アメリカの暗部をえぐった映画であり、今なおその差別も含めてアメリカの抱える病が継続していることで締めくくった事も意義深い。この映画を観ることで、アンドラが人間としてアーティストとして、ビリーと深くつながっていく変遷が堪らなく愛おしい。

早速、家に帰りビリー・ホリディのレコードとCDを聴き続けた。本人の歌声は優しく語りかけるように心地よく、今までとは違う形でストーンと身体に落とし込めた。アンドラの表現力がビリー本人との橋渡しをしてくれたに違いない。悲惨な人生だっただけに歌うことによって魂を昇華させようとする姿に、こちらが心洗われる思いだ。

こうやって映画を観たり、音楽を聴けるのも平和あってのこそ。ロシアのアーチストたちも心痛めているに違いない。一日も早くウクライナの侵略を止めて欲しい。爆撃で一歳半の子供を亡くし悲嘆にくれる若い母親の姿、逃げるところが無いと泣き崩れる老婆の諦めの表情、なんとか停戦を願う。

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憑依

2022/03/04
【第1589回】

キエフが危ない...35年前にシベリア鉄道でソ連に行ったことを想い出す。広大な大地を8日間かけての鉄道旅、停車した駅のソ連の人達の素朴な顔、乗り合わせた旅人も様々な人種、時には助け合い談笑しあったあの日あの時の光景、風景が懐かしい。モスクワボリショイ劇場で観たキエフバレー団の「白鳥の湖」の感動も未だに記憶している。東ヨーロッパ最古の都市で芸術に彩られた美しい街を気が狂ったとしか言いようのない権力者の一声で破壊されようとしている。日々流される映像を見ながらなんだか歴史が逆流し、なんとか少しでも死者が出ぬようにと願うしかない。ここまでくるとロシア人が反戦を訴えプーチン政権を打倒すればと思うのだが、声を上げただけで拘束されちゃうんだから話にならない。

訓練だと思って集結した若きロシア兵も、まさかの侵攻で戸惑い心中穏やかではない。そりゃそうだ、同じ民族を理不尽に殺めるなんて相当の葛藤があったに違いない。理性ある軍の指揮者が撤退を命じるなんてことを期待したいのだが、これも今のロシアの体制では反逆罪での死に繋がりかねないのでなかなか難しいのではないか...

こんな状況のなか、コロナもなかなか収束しないのだが、コロナどころではない不安と心配が世界を覆っている。確かにこの時期、酒を飲んでいても食事をしていてもなんともすっきりしない...世界の平和あってもこその日常の至福の時間を早く取り戻さねばならない。

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寄り添う

2022/03/02
【第1588回】

「芸人と兵隊」昨日、松戸演劇鑑賞会で無事千秋楽を迎えることが出来ました。昨年12月中旬に稽古を開始した時点は東京も一日25人程度のコロナ感染者だったのが、年が明けるとまたたくまに1万、2万と増えだし今回の公演も難しいのではと思っていました。がしかし、スタッフ、キャストの皆さんの並々ならぬ努力により昨日までの20ステージを完走しました。昨日、開演前と終演後に役者さんの楽屋に行きましたが皆、感無量、よくぞやりきれた奇跡だ!と口をそろえて言ってました。勿論、スタッフの皆さんの日々の暮らし方も大変だったと思います。こんな時こそ、何とか演劇の側から未来につながるヒントを発信したいという思いが一つになった結果だと思っています。一昨年の9月から今日まで10本の作品をコロナ禍のなかで無事上演できたことにおいら自身も驚いている次第です。芝居を待つお客様があっての演劇です。全国の演劇鑑賞会の皆さん、そして東京はじめ地方のホールに足を運んでいただいている皆さん、本当に感謝です!まして、こんな時期に周囲の反対を押し切って来ていただいているのですから普通の三倍四倍の感謝印です。

昨日もラスト近く、桂銀作役の村井國夫さんが一段と声を張り上げ「戦争なんぞする国のお偉方は馬鹿揃いだ...」この時期にこのセリフ、平和を願う人達の思いが込められていました。

無益な戦争で死んでいく人たちが出ないように...世界の知恵者が何とかウクライナ停戦に持ち込むようにアクションを起こすことを願う...

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平和な時を告げる

2022/02/28
【第1587回】

21世紀は地球上の生き物に難問を次から次へとぶつけているような気がします...その一番登場してならない独裁者を誕生させ新たな戦争の世紀を生み出そうとしています。いまウクライナで起こっていることはその序章かもしれませんね。不安定な時に必ず怪物が現れ、一瞬にして世界を混乱に陥れてしまうこの現状を止めるには、世界の良識ある人たちが声をあげるしかありません。あのプーチン、金正恩、習近平などなど独裁で支配してる人相はどうみたって悪相、こんな人物をトップに据えなきゃならん国民も可哀そうだが選ばざるをえなかったのも国民。日頃、為政者に対して監視の目を緩めるといつだってどこだって同じようなことが起きるってことです。

日々、ウクライナの現地から流れる映像を見るにつけ居たたまれない気持ちになってきます。無益な戦いで死んでいく人達の思いもいかばかりか...

今まさにこの時、トム・プロジェクトで上演中の「芸人と兵隊」のなかで戦地の慰問団の団長(村井國夫さん演じる桂銀作)が慰問中に、相方、妻(柴田理恵さん演じる花畑良子)を戦地で亡くした後に語る台詞。 

「戦争なんぞする国のお偉方は馬鹿揃いだ。少し考えりゃ分かることなんだ。銃を持って殺しあうより、笑いあうことの方がずっと素晴らしい。そんなこともわからない奴は大馬鹿だ。そんなことも分からずに戦場に兵隊さんを送り出す奴は救いようのねえ馬鹿だ...俺はな、戦争が憎い。俺から良子を奪った、美津子から母親を奪った戦争が憎い。」

この芝居、あのあんぽんたんな独裁者たちに観せたいもんでございます。

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平和な一日のおわり

2022/02/24
【第1586回】

島本理生「2020年の恋人たち」、森あゆみ「聖子」を読了。どちらも女流作家である。この二冊に登場する主人公に相通じるものは、好きになった男にはけっして従順にならず一人の人間として己を貫き通す点ではなかろうか...いろんなタイプの男性が次から次に登場するので自分はどのタイプかな?なんて読み方もできちゃいます。この時代男女平等、好きになれば犯罪を起こさない限りとことん愛し合い、嫌いになれば別れて当然。女性目線の展開なんですが、男性が取り残されることもなく引っ張っていく筆力は大したもんでございます。「2020年の恋人たち」の主人公が恋に陥る最後の男性とスペインバルセロナに旅するシーンは、スペイン大好き人間のおいらにとっては懐かしかったな。あのラテンの国に行くと愛のチカラが倍増し、ますます非日常の世界に陥ってしまうんですね。

「聖子」、新宿の花園神社近くに存在した文壇BARを経営し、太宰治の「メリイクリスマス」のヒロインのモデルになったといわれるママ林聖子さんの話。残念ながら2018年に90歳になった時点で閉店となりました。檀一雄、吉村昭、田村隆一などなどなど昭和の文壇を飾った作家の名前が嫌味なく登場します。このママさんも当然嫌味なく名だたる小説家と対等、そして可愛く接するところがとても心地よい。

ロシア、ウクライナに侵攻の報...世界はいよいよ覇権主義と自由主義の戦いに突入いたしました。独裁者が権力を握れば好戦的になるのは必然、そしてあれほど戦争の不条理を何度も味わっている筈なのに...歴史に学ばないアホな権力者にはほとほと呆れてしまいますばい。

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新宿花園神社の梅

2022/02/21
【第1585回】

あのタモリが、なんで街のチンピラがあれほど足上がるの?で当時話題になった1961年に上映された「ウエストサイド物語」が名匠スティーブン・スピルバーグ監督によってふたたび映画化されました。正直、大変気に入りました。何故この時期に制作されたのか?

その意図は十分に盛り込められていました。アメリカが抱える分断、世界が再び戦禍に晒されようとしているときに何が大切か、映画の基本であるエンターテインメント性を失わず157分飽きさせることなく魅せてくれるんですから、さすがスピルーバーグでございます。

TV映画「激突!」、「ジョーズ」(75)、「未知との遭遇」(77)、「レイダース 失われたアーク」(81)、「E.T.」(82)、「ジュラシック・パーク」(93)、そして「シンドラーのリスト」(94)でアカデミー作品賞と監督賞を受賞。この「シンドラーのリスト」のテーマ曲いつ聴いても心に染み入ります。この監督の少年のような遊び心と平和への希求、そしてどの映画にも共通する愛の大切さ、そりゃ娯楽性に満ちた良質な映画が出来ますわ。

ほとんどが無名に近い役者を起用したのも監督の映画に対する未来へのメッセージではなかろうか...むしろ無名の若手を起用したところに新しい「ウエスト・サイド・ストーリー」が誕生したとおもいます。この映画の見どころである「トゥナイト」「クール」「アメリカ」「サムウェア」など数々の名曲とダンスシーン、監督の映像マジックで大満足。おいらはシニア料金¥1200で何だか申し訳なくなるくらいの満足度でございました。

特に印象深かったシーンは、前作にアニタ役で出演していたリタ・モレノが歌う祈りの歌 Somewhereそして様々な争いに対し「話し合えばわかるはず...」と淡々と語る台詞。御年90歳になる老優の佇まいは監督の期待に十分応えておりました。

こんな映画はやはり大きなスクリーンと迫力ある音響設備を備えた映画館で観るべし!

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スピルバーグの挑戦

2022/02/18
【第1584回】

虚と実...遅まきながら「MINAMATA」観てきました。先ずは日本国内でもドキュメンタリーで水俣を扱ったものはあるものの、テレビ、映画でのドラマはなかったジャンルを異国の人の企画で実現に漕ぎつけたことに拍手を送りたい。ジョニー・デップの強固な意志を感じる。企業が生み出す公害に対して何となく腰が引けてるこの国のありように一石を投じたことは間違いない。がしかし、映画の随所で事実と異なる点がいくつか見受けられたのが残念でならない。水俣病が発症してから66年、この長い間には企業、住民との間には言葉に尽くせない軋轢があり当事者ではないと理解できないことが今なお山積している。映画はある意味フィクションでありドラマチックに仕上げるにはいくつかの嘘を盛り込むのもわかる気がするが、この重いテーマを考えるといかがなものかとも思う。しかし、この水俣も然り、時代と共に風化していく中で問題提起したこと自体が大切なことだ。

昨日の北京オリンピックの女子フィギアスケート、ドーピング問題のなか最後にプレイしたロシアのカミラ・ワリエワ選手の演技、彼女の実力からして考えられない度重なる転倒。

彼女が3位以内に入賞すれば表彰式もなし、前に演技したロシアの二選手は3位以内入賞は決まってる中、様々な憶測が生まれる。国家がらみのシナリオなのか、彼女の心理的な動揺から起きたミスなのか...なんとも後味が悪い大会になったことは間違いない。15歳の少女の日常は家とスケートリンクの往復のみ。今回彼女を指導したエテリコーチが、クラブを「工場」、選手を「原材料」と表現したことがある。この言葉から想像するに、選手は使い捨て商品として生産される非人間的な指導の中で進行しているさまが見えてくる。

ホンマに可哀そ過ぎるワリエワちゃん。独裁国家に帰国した彼女のこれからの人生に幸あれと願いたいのだが、虚と実に塗れたこの国に対する不信感は根強いものがあるのですごく心配しちゃいます。

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ウソかマコトか

2022/02/16
【第1583回】

寒風の中お疲れさんでございます...コロナなんかどこ吹く風、路上パフォーマーは生活がかかっております。いや、のし上がって我ここにあり!と叫びたい。新宿の南口で二組が演じておりました、パントマイムのお兄さんは少し切れが悪い感じがしましたが、この寒さのなか精一杯笑顔を見せておりました。一方、福岡から出てきた二人のお兄さん、甘い声で娘さんのハートをしっかりと捉え、ライブ中継をどこぞに送っていました。自家製のCDもそこそこ売れて少しは生活の足しになったかな。今は無名かも知れないが、いつの日か全国区になるに違いないという確信を持ちながら見つめる娘さん達の眼差しが何よりも強い味方でございます。

それにしても今年の北京オリンピック、なんだかしらけちゃいますね。おかしな判定、ドーピングなどなど中国、ロシア、バッハの暗い闇からのおかしな声が漏れてきそうな感じです。

なんども言いますが、オリンピックなんかは止めちまえ!各競技、世界選手権が設定されてるんだからそこで競いあえば充分だと思うんだが...金に塗れたオリンピックいつまでやるんでしょうかね。

「芸人と兵隊」先週、ねりま演劇を観る会の公演に行ってきました。芝居の中身は一段と進化していました。この状況がこのチームの結束をさらに強固にしている風にも見えました。この日は東京23区にも大雪警戒注意報が流され開催を危惧されてたんですが、ここでも演劇の神さんは芝居を守ってくれました。終演後に待ってましたとばかり大量の雪が降りだしましたが、お客様が口々に「今日はたくさんいいもの頂いた」なんて声を聞くにつけ、あらためて芝居創ってきてよかったと思った次第でございます。

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寄ってらっしゃい、見てらっしゃい

2022/02/14
【第1582回】

もう我慢ならない...そんな気持の人達が雪解けの街に繰り出していました。久しぶりの井の頭公園も犬の散歩、若いカップル、シニア世代の人達が「コロナも収束し、今年こそはほんまもんの春来ておくれ...」なんて願いを込めぶらついておりました。いつ終わるとも知れぬコロナちゃんにはほとほと疲れ果てましたなんて顔もありました。吉祥寺の街に唯一残っていた銭湯「弁天湯」も遂に閉業してしまいました。この地で80年近く営業してたんですから地元の方に愛されていたんでしょうね。土地柄、銭湯内でロックの生演奏もやっていたとのこと、役者、絵描き、ミュージシャンがたくさん住んでいる街なので当然かもしれません。それにしても日本から銭湯が次から次に消えていきます。

おいらも少年時代、博多の末広長屋での一番の楽しみはガラの広っぱでの野球、宝劇場では三本立ての映画、そして一日の最後の楽しみは銭湯でした。湯船の中で遊んだり、親父の背中を流したり、くりからもんもんを背負ったお兄さんにびくびくしたり、裸同士の生身のニンゲンの会話に何故かそそられたものでした。好きだった女の子と鉢合わせした時は、それはまあなんだかそわそわしながら、あれこれ想像しながら湯船に浸かっておりました。男湯と女湯の区切りはあったのだが湯船の下部は20センチぐらい空いて繋がっていたので余計に湯の温度と相まってのぼせていたのかもしれません。

トム・プロジェクトでも昨年10月に銭湯を舞台にした「にんげん日記」を上演したばかりです。3人の老親友が休業していた銭湯を復活するために悪戦苦闘する話でした。生身と言う言葉が疎遠になる昨今、この言葉が一番似つかわしい銭湯が無くなっていく様を見るにつけ、昭和が霧の彼方に消えていくようでもございます。

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銭湯すたれば、人情もすたる

2022/02/09
【第1581回】

新宿の街は相変わらず雑多な街である...昔ながらの古い建物が立ち並ぶ新宿ゴールデン街、思い出横丁(随分前まではしょんべん横丁と呼ばれてました)、新宿二、三丁目辺りなんぞは野良猫にとっては居心地が良い場所である。居並ぶ飲食店からのおこぼれ、ノラちゃんをこよなく愛する心優しきおばちゃんなんかが結構面倒を見ている。この寒い日が続く昼間なんかは、お日さまの暖かいぬくもりを求め警戒することもなく顔を出す。久しぶりに拝顔するノラちゃんの表情は様々である。このコロナ禍の中、野良猫社会も生存を懸けての仁義なき戦いが繰り広げられているのではないかという痕跡を見るにつけ痛々しい。傷だらけの顔に、きつい眼差し、食料難なのか毛並みも悪い。おいらが近づくと少し警戒する様子も窺える。平和な時代には向こうから甘えるようにすり寄ってくるノラちゃんも沢山いたのだが、やはり時代環境の影響は末端の生き物にも及んでいるに違いない。

昨日、岩合光昭の世界ネコ歩きを観たのだが、フランス・ブルゴーニュ地方を呑気に散歩するネコの背景がなんとも美しい。ブドウ畑、古い小さなお城、ワインの貯蔵庫を何気なく回遊するネコの佇まいに、なんと幸せなネコちゃんたちだろうと思った次第だ。人間も同じ、どこで生まれどこで育つかによって運を左右するってわけだ。

でも、新宿のノラちゃんの必死に生きる姿にも十分学ぶものがありました。ある日の新宿ゴールデン街、千鳥足で歩くおいらに厳しい眼差しを向けるノラちゃんが「しっかり生きんかい!」思わず背筋がしゃきっといたしました。

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居眠り運転はいかんニャー

2022/02/07
【第1580回】

北京冬季オリンピックが開幕しました。選手の皆さんは、この日のために錬磨したすべてを曝け出し気持ちの良いプレーを連日見せてくれている。なのに釈然としないのは習近平、バッハの動きである。ともに権力の座をさらに延長すべく、この大会を政治利用してる気がしてならない。北京中心部にぼったくりバッハ会長の銅像まで作っちゃうんだから笑っちゃうね。台湾が入場した時の習近平の苦々しい表情、ウクライナが入場した時のプーチンの居眠り顔。あまりにも露骨じゃありませんこと。なにが平和の祭典だい!もう、オリンピックなんか止めちまえ、世界各地で現在進行形の紛争をどうにかしてからのオリンピックじゃありませんかと言いたい。ぼったくり男爵が未来永劫計画している、お金によるお金のためのオリンピックにいつまですり寄ってくるのかな...先程のニュースで中国共産党の元高官と性的関係があったと告白した女子テニス選手が告発を否定したとのこと。これもバッハが仲介し習近平にゴマすってるんじゃないかしらとの疑惑ぷんぷんでございます。

先日、新宿でうら若き女性に声を掛けられました。なんじゃろかいな?と耳を傾けると、その娘さんポケットから一枚の紙を取り出しおいらに見せつけました。「お金が無く、ドーナツもミルクも買えません。どうかお金を恵んでください。」手書きではなく印刷されてました。あらためて顔を見ると東南アジアの20歳前後の女性でした。たぶん怪しい組織に動かされてるに違いない。おいらも長年、新宿ぶらり散歩の達人をしておりますので、それくらいの見分けはできますことよ。

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梅は百花のさきがけ

2022/02/04
【第1579回】

昨日、第63回毎日芸術賞の授賞式がホテル椿山荘東京で行われました。昨年9月に上演した「帰ってきたカラオケマン」で風間杜夫さんが受賞しました。昨年の菊田一夫演劇大賞に続いての受賞。本当におめでたいことでございます。この賞の63年間の受賞者には滝沢修、宇野重吉、市川猿之助、中村吉右衛門、仲代達矢、蜷川幸雄などなどそうそうたるメンバーが名を連ねています。その中の一人になったのだからたいしたたまげた役者さんです。

人生よく運がいいとか悪いとかいいますが、間違いなく杜夫ちゃん運気を呼び込む気運を持っているんでしょうね...おいらも彼とは半世紀近くの付き合いになるのだが、酒と麻雀に明け暮れてる日々だと思っていたのだが天才はきっちりと人目につかないところで努力してたんですね。そうじゃなきゃあんな振り子の幅が広い芝居はできませんことよ。台本の読みが深いし、相手とのやり取りの間がいいし、もちろん声もよし、要望があればミュージカルだって挑戦しちゃうんだから恐るべし72歳。トムで25年間演じ続けたひとり芝居、まだまだ新作に挑戦する気概十分、多分ライフワークとして一生やっていく気でいると思います。と言うことはおいらも伴走者として走り続けなきゃいかんのですかね...

授賞式の後、いつもは盛大なパーティが開催されるのですがコロナちゃんのお陰で中止。受賞者を囲みながらの団欒がなんとも微笑ましく、賞の重さを改めて感じさせてくれる貴重な場になるのだが誠に残念...いつまで旅を続けるつもりなのかなコロナちゃん、もう十分に世界旅行を満喫したんではないかと思うんですがね。

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よっ!千両役者

2022/02/02
【第1578回】

昨日、無事に「芸人と兵隊」首都圏ブロックふなばし演劇鑑賞会で初日を迎えることが出来ました。オミクロンの爆発的な感染の中、開催にこぎつけた会員さんたちの獅子奮迅の活動には只々感謝です。役者なんぞは板の上に立ってなんぼの世界。それを支えるスタッフの皆さんも滞りなく閉幕してこその充足感でございます。まだまだスタートしたばかり、油断してはなりません...3月1日の松戸演劇鑑賞会まで一気にいきまっせ!

最近、ある演劇祭の企画概要の一部がWEBサイトに流れ話題になっています。その一文とは...「演劇が浸透していない」「人生において不必要なものにカテゴライズされてしまう」その理由のひとつとして、その要素の1つがかつて反権力が演劇や芸術の要であるかのような謂れを受け、今も根強くそのような言動が蔓延ることであるが、演劇が一般社会においてそのような印象を持たれることはその分野の未来的な展望を阻害することに他ならない。本来であればその権力というものにさえ左右されずに羽ばたけるものが、自身の構築した鎖によって自由と世界の広がりを失い、結果として今の演劇は公共、大衆というものから大きくかけ離れている...この演劇祭のスポンサーの一社が、テレビなんかにひょいひょい出演しカレーの宣伝してはるおばはん経営のホテル。おいらもこのホテルに宿泊して驚いた記憶があります。なんと客室内に南京大虐殺や従軍慰安婦問題を否定する書籍が置いてありました。いろんな考え方があるにしろここまで露骨に不特定多数人たちが宿泊する全部屋に配布することには明らかな政治的意図を感じさせずにはいられませんでした。よくは分かりませんが、今回の演劇祭このスポンサーの圧力があったのかな...

演劇にはいろんな考え方があって当然なのだが、何らかの圧力に屈しては断じていけませんことよ。

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冬の森

2022/01/31
【第1577回】

先週の週末は完全なる巣ごもり状態。明日からの「芸人と兵隊」首都圏演劇鑑賞会に備えオミクロンに感染するわけにはまいりません。家の近くを散歩するか、読書、音楽、テレビでの映画鑑賞で時を過ごすしかありません。昨日は、今年1月23日に亡くなったアメリカのジャズシンガー、ビージー・アデールを追悼する日でもありました。地味ながら年輪を重ねた音色は酒の相棒にはぴったりです。日本の曲も見事に彼女のものにして惚れ惚れいたします。2009年8月に77歳で亡くなったエディ・ヒギンズと彼女は対をなすカクテルジャズと言ったところかな...ジャズ愛好家の方々癖のある人達も随分いるので困ったもんでございます。セロニアス・モンク、ビル・エバンス、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイヴィスなどなど名だたる奏者とこの二人を同等に扱うなんてけしからん!とのたまう権威主義者、教養主義者、教条主義者の人達はおいらに言わせれば、ホンマのジャズの真髄をわかってらっしゃらないと思いますよ。何が一流で何が三流か?学問じゃございませんことよ、聴く人の感性がより深くより広ければ心地よく身体に溶け込んでいくもんでございます。この二人に共通していることは、己の生き方が鍵盤を通して上品かつリリカルであること。おいらの歳くらいになると、この音色は至極のプレゼント、少しばかりオーバーかもしれませんが生きててよかったとさえ感じ、酒が一段と美味しくなるんでございます。

キャスト、スタッフも事前のPCR検査、全員陰性が先程判明。明日から3月1日までの公演無事終えることを願うだけ...演劇の神さん頼みまっせ!よしゃ!任せといてや...との声が聞こえてまいりました。

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酒を片手に♪

2022/01/28
【第1576回】

昨日、東京芸術劇場シアターウエストで公演している青年座の「ある王妃の死」を観劇。今から130年前に、日本の軍隊が朝鮮の王宮の壁を乗り越え王妃を引きずり出し殺害するという事件をシライケイタ氏が戯曲した作品である。韓国内ではほとんどの人が知っているのに日本人はほとんど知らない。こんな事柄があちらこちらに残っているのが未だ日本と韓国がしっくりしない要因であることは間違いない。演劇が歴史の闇に光を当て白日の下にさらけ出すことの役割は大切なことである。劇団青年座とシライケイタ氏の今回の上演に拍手を送りたい。

今回の芝居で、冒頭から最後まで生演奏でドラマを盛り上げた大藤桂子のチェロが素敵だった。奏でる音色で場面に登場する人物の心模様、葛藤を表現するチェロという楽器の素晴らしさを改めて思い知らされた次第だ。我が家に帰り早速、おいらの愛聴盤に聴き入った。

ラトビア(旧ソビエト連邦)出身のミシャ・マイスキー、姉がイスラエルに亡命したことにより強制労働収容所で18か月間の生活を強いられる波乱万丈の人生を送ったチェロ奏者である。今から35年ほど前、新宿ゴールデン街「ガルガンチュア」で耳にし即購入した「夢のあとに」は何度聴いたであろうか...J.S.バッハ: 無伴奏チェロ組曲もなかなかです。

もう一枚、おいらが愛するパブロ・カザルスの「鳥の歌 カザルス・ホワイトハウス・コンサート」スペインフランコ独裁政治に最後まで抵抗した20世紀最高のチェリストです。

鳥の歌を演奏するカザルスの息使い、声まできこえてくる演奏に何度も涙がちょちょぎれました。

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人の声に一番近い音域を持つ弦楽器

2022/01/26
【第1575回】

いやいや、オミクロンの感染のスピードがあまりにも速すぎ、到る所で困惑しております。舞台の世界でも役者、スタッフに感染者が見つかり公演中止の報が流れています。昨日の新宿の街ではマスクもしないで大声で叫んでいるオッちゃんがいました。注意したいのだが、逆襲に合いとんでもない事態に陥った事件が連発している昨今、そうはたやすく声は掛けれません。当人もコロナ禍の中、情緒不安定、錯乱状態に陥っているのでは...

カズオ・イシグロ「クララとお日さま」読了。ノーベル文学賞受賞後の作品、内容は人間と対等に付き合える程に進化したアンドロイドの視線からの物語。現世の人間の様々な視線、表情、見ている対象物、発言内容などを観察して、登場する人物の感情を読み取れる高度の能力を備えているロボットに着眼点をおき文学にしたのが素晴らしい。この主人公クララが人間以上のレベルで思考し感情を吐露する姿を通して、生身の人間に問いを発しているのでは...いや、近未来このロボット達が世界を支配する世界が来るかもね。

道の側の花壇に葉ボタンが咲いていました。この葉ボタンに「可愛いね、綺麗だね...」なんて声を掛けてる2,3歳の女の子には若い父親が連れ添っていました。コロナで保育園が休園になりパパが休みを取り世話をしているんじゃないかしら...オミクロンの包囲網に包まれつつある日本列島でございます。

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葉牡丹
(花言葉~愛を包む)

2022/01/24
【第1574回】

今日の東京は少し寒さが緩んだ感じです。「芸人と兵隊」東京公演無事に終えることが出来ました。東京の感染者1万人を突破したというのにキャンセルもせず劇場に足を運んでいただいたお客様に只々感謝です。単なる風邪と言う人もいるし、もっと厳しくとメディアを通じて吠える人もいるし、いずれにしても制作する側にとっては日々綱渡りの連続です。

2月1日からスタートする首都圏演劇鑑賞会17ステージも、3月1日のラストまで何事もなく上演できることを信じています。芝居を愛する鑑賞会の皆さんも万全の態勢で準備していることだし、あとはこちらが感染しないこと。マスクしないで飲食しているところは、この時期は絶対にアウトですね。このウイルスの恐いところは、自分が感染すると多くの人達の生活を奪うという危うさを抱えている点だと思います。おいらも今日はいつものお店のランチは控え弁当を買って感染に備えました。それにしてもこの国の感染症対策いつまでたってもスピード感が欠如してますな...政治と各省庁のパイプが詰まってるんじゃありませんか?

沖縄の名護市長選挙、沖縄の苦悩が視えてきます。誰も助けてくれない一人ぽっちの島に対して何のチカラにもなれないこの国、そして国民のひとりとして本当に恥ずかしいです。日本に返還されて今年で50年...今の体制がまたこれから50年続く予感さえします。あの青い空と海の美しい風景と等しい生活環境はいつ訪れるんでしょうか...何度か訪れた沖縄の人たちの、何かを訴えるような眼差しが目に焼き付いて離れません。

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おつかれさまでした。

2022/01/21
【第1573回】

19日に初日を迎えた「芸人と兵隊」も今日で一応、東京公演を終えます。

今日から蔓延防止が施行され現場はなお一層の緊張を強いられています。こんな状況の中劇場に足を運んで頂いてる皆さんが神様に見えてきます。家族には、こんな時にわざわざ芝居観なくても良いのにとの制止を振り切っての観劇。こちらもそんな気持ちに応えるべき芝居をしないとの思いを背負いながらの日々です。昨日の芝居はそんな声に十分に見合う芝居でございました。一寸したことから芝居を大いなる変貌をいたします。コロナが変異するんだったら芝居だって変異しないと割が合いませんことよ。こちらの変異は害ありません、思いきり変幻自在に変異しまくってお客さんに喜んでいただければ本望でございます。

芝居が終わってのカーテンコールの拍手が芝居の出来不出来を証明してくれます。拍手にも様々な表情があります。その微妙なニュアンスを感じ取るのもプロデューサーの仕事です。満足のいく拍手の質量を頂いた時はほんまにプロデューサー冥利につきまっせ...

昨日、読売演劇大賞の発表がありました。今回の芝居に関係している二人が受賞してました。村井國夫さんが優秀男優賞、つい最近上演したトム・プロジェクトプロデュース公演「にんげん日記」の演技に対しての受賞は嬉しい限りです。そして今回の演出を担当している日澤雄介さんも主催する劇団チョコレートケーキの作品賞、優秀演出家賞の受賞。なにも賞を貰いたいために芝居やってるんじゃないのだが、これもこれからの励みだと思ってのご褒美だと思えばよろしゅうございますことよ...

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今日千秋楽の亀戸

2022/01/19
【第1572回】

おいらが暮らす街のいつもの書店が突然閉店しました。40数年間地元の愛された素敵な本屋さんでした。大型書店と違って、この店のセンスで並べられた本を眺めているだけで幸せな気持ちになれました。おいらもできるだけこの店で本を購入しようと努力はしたんですが世の中の流れには勝てなかったんですね。だって、若い人あまり本読まなくなったもんね。電車に乗っても9割以上の人がスマホに一心不乱状態、そんなに情報欲しがってどうするの?ゲームの暇つぶし面白いのかな?誰かと連絡とってないと不安なのかな?スマホから何か新しいもの生まれるのかな...とにかく、この世界を息苦しくしているひとつの要因がスマホであることは紛れもない事実だと思います。そんな新兵器に追いやられたのが出版業界、この豊かな世界を築き上げた役割に本が果たした役割は多大なるものがあると思います。そして、悩み苦しんだ時に救いの手を差し伸べてくれたのも本に記された数々の言霊、その本を扱う書店が無くなったときは世界の滅亡といっても過言ではないと思います。

新しい本と出会い、趣向凝らした装丁を手に取りページをめくる感覚はまだ見ぬ世界に誘ってくれるワクワク感満載です。アマゾンで買えるじゃんなんて利便性もわかりますが本屋さんに行って書棚に並べられた書物を眺めるあの時間こそ読書の第一歩であると思います。今日も車内で、古びた文庫本を手に貪るように読書する女学生を見つけたときはおいらも何だか嬉しくなりました...まだまだこの国にも未来はあるのかもしれないななんてふと思っちゃいました。

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冬景色

2022/01/17
【第1571回】

寒い日が続いていますが今日はいくらか寒さも緩みました。昨日「芸人と兵隊」の最終稽古でした。さあ今年こそはと思っていた矢先のオミクロンちゃん、困ったもんでございます。芝居はまるで新作のような仕上がりでした。2019年の初演の時に比べキャストの皆さんの再演に対する心構え、そして一部キャストが変わり化学反応が起きたのかメリハリのついた芝居になっていました。改めて芝居ってものはまさしく生き物であり違う角度から異質の風、命を吹き込むと変異しちゃうもんだと思った次第です。コロナと同じやん、そっちが変わるんだったら芝居だって変わってみせるわい!それにしても現場の皆さんの気持ちはいかばかりか、気を付けてもかかっちゃうこのオミクロンに怯えながらの日々はつらいもんでございます。明後日の本番から又もやマンボウ、お客さんだってひいちゃいますがな...でも、来てくれるお客様が居る限り公演をやりきるのが我々の責務。このご時世、普段はマスクをしながらの稽古で相手の表情が今一つ見えずなかなかとやりにくいものだが、昨日は最終稽古と言うことでマスクなしでの一発勝負...気合十分でした。どこに行ってもマスク顔、これは異常な世界ですね。「目は口程に物を言う」ということわざがありますが、口の表情だって意味深なものがあります。目と口があってこその人様の表情、一日も早くマスクを外せる日が来ますように...

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冬空の裸木

2022/01/13
【第1570回】

不穏な日々が続く時には、こんなご時世ですから家で音楽、読書、映画なんぞで過ごすのが何よりです。昨日は久しぶりにスペイン映画の鬼才ペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルスが、4度目のコンビを組んだミステリー仕立ての恋愛ドラマ「抱擁のかけら」を鑑賞。この監督ちょいと変態気味なんだが、色彩感覚、既成のモラルをぶち壊すエネルギーが心地よい。そして何よりも女優ペネロペ・クルスの美しさと大胆さにしびれてしまいます。1992年作「ハモン・ハモン」で鮮烈なデビュー、そして2007年の作品「ボルベール 帰郷」ではスペイン女性の生活感もたっぷりと魅せてくれました。いい意味でも悪しき意味でも最もスペイン的な女性ではなかろうか...それにしてもアルモドバル監督、女性を描くのがとても上手です。女性と言う生き物はこうなんですよと能書き垂れてるインテリよりも、彼が発する映像言語で理屈を超えてビシビシ伝わってくるところが奇才たる所以です。

スペイン映画でおいらが大好きな監督ビクトル・エリセ、81歳になるのだがなんと3本しか創っていない。1973年「ミツバチのささやき」、1982年「エル・スール」この2作品はおいらにとっては宝物みたいな映画である。スペインの風土、人物像、歴史的な背景を深く掘り下げ、まるで絵画を観てる感覚にさせ想像力を喚起させる貴重な作品。

スペインサロブレーニャに住んでる時に、アンダルシアの白い村アルプハラでエリセ監督を見かけた時に声をかけたことが懐かしいです。

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雪積もるシエラネバダの手前がアルプハラ村

2022/01/11
【第1569回】

3連休の明けの今日は雨がしとしと降る寒い日になりました...先週の週末は高校、大学ラグビーの日本一をかけた試合がありました。いつも思うのですが、あの大きな体でがっつんこしてもなかなか痛まない彼らの屈強な身体能力にただただ感服する次第です。コロナ禍のなかでのストイックな日々を過ごしての戦い、あっぱれでございます。15人が一体となって前に進む姿を観るにつけラグビーファンはたまらんですばい。
来週には「芸人と兵隊」の本番を控える中、オミクロン株の拡大に気をもんでおります。今年こそはと思ってた矢先こんなに早く感染者が増えるなんて困ったもんでございます。沖縄なんぞはひどいもんで、未だこの国はアメリカの属国なんだと思い知らされました。そしていつも真っ先に被害を被るのは沖縄。この島の人たちの苦渋はいかばかりか...今年は沖縄が本土に復帰して50年を迎えますがこのシステムはいつまで継続されるのか?北朝鮮、中国、ロシアの挑発が激しさを増す中、なかなか解決策が見つからない現状、こんな時こそ戦後非戦を貫いてきた日本が外交力を通じて力を発揮すべきだと思うのだが、この国の軟弱な政治家さんには悲しいかな期待が持てません。
神保町にある岩波ホールがコロナによって54年の歴史に幕を下ろすことになりました。本屋街にできたこのホールで名画を随分観させていただきました。「旅芸人の記録」「大樹のうた」「家族の肖像」「惑星ソラリス」「バベットの晩餐会」などなど...儲け主義のシネコンと違って質の良い映画を選りすぐって、いつも観客に何かを突きつける作品を上映してきました。時には、ちょいと芸術至上主義が鼻につく時期もありましたが、このミニシアターが果たした役割は大きかったと思います。

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先週の雪の日

2022/01/06
【第1568回】

裸木の季節がやってきた...枯れ葉が舞い散り、木々に宿っていた命も役目を終え凛々しく空に向かって屹立する樹木が美しい。贅肉をそぎ落とし寒風に対峙する武士のようでもあり、気ままに姿形を変えた枝たちは舞踏を楽しんでる風にも見える。何時間眺めていても飽きないこの季節の風物詩でもある。
この裸木を眺めながら2005年に上演した「ダモイ」を想い出した。シベリアに抑留された山本幡男さんが帰国の願いも叶わず病床から綴った一編の詩。

雄々しくも孤独なるかな 裸木
堅忍の大志 痩躯にあふれ
梢は勇ましくも千手を伸ばし
いとはるかなる虚空を撫する

極寒のシベリアで、葉を落としきって野に立つ樹木を見ながら書いた詩の一部である。そして自分は帰国できない覚悟で自分の思いを友に託す。
「今のぼくの考えをね、来るべき次の時代の...なんて言ったらいいんだ、右でも左でもない、赤でも黒でも...全体主義でも個人主義でもない新しい...第三の思想に繋げたいんですよ。どうしても...出来るかどうかは分かりませんが...。どうしても...。」
山本幡男さんの残した言霊を駆使しながら戯曲にした作・演出家ふたくちつよしさんの筆力も素晴らしかった。こんな時代だからこそ、この作品は上演せねばと今でも思っている。
こんなことを書いてるうちに外は雪景色、雪にめっぽう弱い大都会、そしてひたひたと迫ってくるオミクロン、今年もどうやら波乱含みの年になりそうですな。

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会社のベランダから

2022/01/04
【第1567回】

明けましておめでとうございます。

トムも今日から仕事始めです。新年早々、嬉しいニュースが飛び込んできました。風間杜夫さんが昨年上演した一人芝居「帰ってきたカラオケマン」で第63回毎日芸術賞(毎日新聞社主催)を受賞しました。72歳を感じさせないパワーで会場を沸かせたこの芝居、今年の9月に再演が決まっています。昨年は緊急事態宣言のなかでの公演で観客制限があり、相当のお客様を断らざるを得なかったこともあり見逃した方には是非観ていただきたい作品です。

それにしてもオミクロン株少しずつ増え始めていますね。年末年始の街中も人で溢れ大丈夫かな?という気がしていますが、もう以前みたいなスタイルに戻ることはないのではと思っています。とにかく油断しないで無茶しないことです。何事も気配に敏感であれということを肝に銘じて行動するしかありませんね。

おいらの正月は杉並大宮八幡神宮初詣でスタートしました。元旦の15時に行ったのだが長蛇の列、1時間半後にやっと初詣が出来ました。寒さの備え完全防備で向かったのですがさすがに身体が冷えちゃいました。もう若くないんだから、なにも元日に行かなくてもと思ってしまいました。焦らずに大地をしっかりと踏みしめて、今年も何とか素敵な芝居を届けることを念頭にスタートいたします。

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初詣2022

2021/12/27
【第1566回】

トム・プロジェクトは今日が仕事納めです。今年もコロナで戦々恐々の日々でした。その中、なんと7本の芝居を上演できたこと本当に驚いています。制作、キャスト、スタッフがひとつになって、こんな時だからこそ芝居を届けることによって世の中を少しでも前に進めようと言う気持の現れだったと思っています。いつ中止になるか、それは制作会社の危機でもありました。1994年に芝居を創り続けて27年、確かにいくつかの危機はありましたが、このコロナには本当に参りました。昨年から2年間、日常の生活から含めて目に見えないウイルスを相手に心身ともに疲労困憊、そのことが全ての分野に連鎖していく様はまさしく戦時中に等しい日々ではなかったかと...でも、考えてみればこのウイルスも人類が引き起こしたものであり、いまだ争いを繰り返し、環境を破壊し、果てしない欲望に突き進む地球住民に対する抗議でもあると思います。

さて、来年こそは平穏無事な年になるかどうかは今の時点ではなんとも言いようがないのは確かです。でも、生きてるから活かされているからこそ叡智を振り絞って前に進めねばなりません。愚痴ってる暇なんてございません、命ある限り生きとし生けるもの全てに感謝の気持ちをこめて、来年も健全なる心身で素敵な芝居をお届けしたいと思っています。

2022年の仕事はじめは1月4日です。ほんとに今年もありがとうございました。寒さも本格的になりましたので気を付けて年末年始をお過ごしください。

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師走の南新宿

2021/12/23
【第1565回】

やはり小劇場の手作り感はたまりません...昨日、すみだパークシアター倉で温泉ドラゴン第16回公演「続・五稜郭残党伝」を観てきました。芝居が始まる前にシライケイタ座長が昨年の劇団創立10周年記念公演がコロナ禍の中、中止になり、劇団の存亡の危機に見舞われた件を話されていました。トムも含め創造団体の誰もが感じたことだと思います。でも、観客を含め応援してくれる人達が居たからこそなんとか上演できたことへの感謝の言葉を述べられていました。温泉ドラゴンは座長を含め男4人の集団です。今回の芝居も女優1人以外、18人の男優が繰り広げる群像劇です。シライさんの軽快且つ重厚な演出で2時間5分あっという間に駆け抜ける展開でございました。今回の芝居も、理想の国家を求める男達の果てしないロマンと、現実を受け止めながら少しでも前に進もうという男の葛藤を丁寧に描いていました。ラストはともに理想の共和国を夢見た同志が闘うシーン、二人の俳優の息遣いがビシビシ伝わり見事なものでございました。繊細に舞い散る雪の中、二人の男の心情が錯綜し、殺陣だけで役者の思いを伝えてくれる貴重なシーンでありました。これも小劇場だからこそ味わえる贅沢感ではないかと...おいらの世代であれば、高倉健、鶴田浩二なんかが出演した「昭和残侠伝」「日本侠客伝」のラスト近くの殺陣シーンを彷彿させる美しさでございました。

なにわともあれ、いつの世も理想と現実の落差は埋められず、散っていった人たちの熱き思いは報われることなく忘却の彼方へ...でも、そんな人たちが居たからこそ今があるってことを演劇、映画、小説などで改めて知らされることに感謝。

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手作りのクリスマス

2021/12/20
【第1564回】

シアターコクーンにて唐十郎作、金守珍演出「泥人魚」観てきました。おいらは初演を18年前に唐組のテントで観ているのでどのように変わっているのか楽しみでした。なんと言っても宮沢りえさんの出演は大きな力になっています。大変失礼なんですが...決して芝居が上手だとは思わないのですが、あの美しさ、そしてオーラは半端じゃございません。そうなんだよね、上手くて鼻につく役者よりも思わず見とれて釘付けにしてしまう役者が千両役者、銭が取れる役者ってことですね。舞台上で生身の一挙手一投足を間近で観たい!これが観客の正直な気持ちです。風間杜夫さんは初演時に唐十郎さんが演じた役をやっています。72歳と思えぬ躍動感で舞台をきりりと締めていました。それにしても立て続けに舞台に立ち続ける杜夫ちゃんのエネルギーには圧倒されます。今回の芝居は水槽に潜るシーンもあり荒行にも挑戦しているんだなと改めて感心した次第でございます。この難解な芝居をエンターテイメントな舞台に仕上げた演出家・金守珍さんも蜷川幸雄さん亡き後の舞台は俺に任せろ!なんて意気込みを感じました。

それにしても師走というのに悲しいニュースが報道されています。大阪の火災、未来ある女優の事故、アメリカの竜巻、この時代本当になにが起こるか、なにがあるか、まったくもって予測不可能な時代です。ウイルス然り、そして不安定な社会で人の心は病んで当たり前、でもなんとか生きねばなりません...その困難な状況の中、演劇も生きるためへの手助けになれればと思っています。

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今年最後の満月(12月19日)
コールドムーン

2021/12/17
【第1563回】

いくつになっても絵本は人生の伴侶だ...最近も堀川理万子さんの「海のアトリエ」を読んでほっこりいたしました。女の子が、海辺のアトリエに住む絵描きさんと過ごした一週間を絵本にしてあります。絵のタッチと言い、短い文章の中にとてつもない豊かな時空間が流れています。こんな時間を過ごした子供はきっと素敵な大人になっているだろうな...塾なんか行ってる現代の子供たちがかわいそうに思えちゃいます。ただ海を眺め、潮風に吹かれ、移りゆく時間に身をさらすだけでいいんです。なにもしなくてただいるだけでいいんだよと教えてくれる。

世界に名立たる絵本も数あれど、リアルタイムに描き続けている日本の絵本作家もなかなかのもんですよ。「みなまたの木」を画いた三枝三七子さんの最新作「さいごの朝ごはん」もいいですよ。日本社会の負の部分を優しい絵筆で描いています。難しい表現ではないので学校の教科書として是非採用して欲しいなと思っちゃいます。そろそろ日本の学びも一から出直さんとえらいことになっちゃいます。

「仁義なき戦い 菅原文太伝」松田美智子著も一気に読み終えました。よくまあこれだけ調べて書いたもんだと、そのエネルギーに感心しちゃいました。おいらも文太さんの映画ほとんど見てるんだけど、その裏話としては実に面白いというより、映画の世界、それもよりによってヤクザ映画とくりゃごちゃごちゃになりますがな。孤独と虚無を、躰全体で物語ることが出来る稀有なる俳優といえば文太さん。スクリーンを飛び出し、亡き中村哲さんを応援する文太さんも格好良かったな...

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焼き芋の季節

2021/12/15
【第1562回】

昨日は真冬並みの寒さでしたが今日は一転の好天気、やはりぽかぽか太陽はいつの世も偉大です。今年最後の稽古が始まりました。2019年に上演した「芸人と兵隊」の再演です。太平洋戦争当時、戦禍にある兵士に笑いを届ける一座の物語です。初演時と大きく変わっているのが今のコロナ感染状況のなかでの公演。世界に蔓延したコロナウイルスは、ある意味では戦争に等しい環境かもしれません。その逼迫した閉塞状況の中、よりクオリティーの高い芝居を届けることの意味は、今年公演した7本の芝居の公演地でのお客様の喜びは大変意義深いものがあると思います。「こんな大変な時によく来てくれましたね...」「家に閉じこもり発散できないもやもやが吹き飛びました...」観る側と演ずる側が同じ思いでコロナを忘れ感情を巡らすなんて、とっても素敵なことじゃありませんか。この当たり前のことも、こんな厳しい状況があって改めて感じ入った次第でございます。

それにしても今年7本も公演できたことが奇跡です。ここ最近少しは酒を飲めるようになりましたが芝居屋さんからお酒奪っちゃったら意気消沈すること間違いありません。お酒はカンフル剤であり、座組の融和剤であり、酒の場で思わぬ発想が持ち上がり停滞した流れが一気に解消しいい芝居に仕上がったなんて話はよくあることでございます。といいながら、ちょいと軽く呑みに行ってコロナに感染しちゃったらと考えると慎重にならざるを得ません。オミクロンなんてものも出現し、まだまだ安心できる段階ではないのだが、なんとか2022年1月19日~3月1日までの公演、無事に乗り切りたいものでございます。

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まだまだ魅せてます

2021/12/13
【第1561回】

週末の井の頭公園、吉祥寺に活気が戻ってきました。新しいウイルスが出現したのだが感染者数も少ないとあって老若男女問わず多くの人が解放感に浸っていました。井の頭公園には出店も再開しいつものような風景が戻ってきました。この日の目玉は、この寒さをもろともせず身を挺してのパフォーマンスをしていたアーチスト。円盤投げ、金のしゃちほこ、風神雷神の図、考える人、ヴィーナスの誕生などなどのポーズを次々に演ずる姿に思わずカンパしちゃいました。お礼に腰巻きちょいと開けオリーブの葉っぱを御開帳してくれました。多分、舞踏家ではなかろか?金のしゃちほこなんぞは両手で身体を支えてのエビぞり状態、これは相当厳しい態勢、苦しい顔せず淡々とした佇まいにアーチストの心意気を感じた次第。

吉祥寺の街の人気がわかる気がします。お洒落な部分とレトロな街並みが程よく調和して、普段着の気分で街ぶらりができるってことかな。しかし、中には人気に便乗して質を落とす老舗の店にはがっかりしちゃいます。JAZZ好きなおいらがこよなく愛する名店である「ファンキー」は1960年に野口伊織さんがオープンして数々の伝説を打ち立ててきたのにオーナーが亡くなって20年、さぞかし嘆いているのではと思うくらいのショボい商い。見るからにわかるくらいの料理の量、値段は同じで半分の量はそりゃないぜといいたいくらいでございました。心意気ってもんは大切なんです。ワインにいかした音楽、そして美味なる料理があっての三位一体。このバランス取れた店がどれだけあるかが街の価値を高めてくれるんでございます。お客さんをいい気分にさせてこその名店、勿論芝居も然り。

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活気が戻ってきた井の頭公園

2021/12/09
【第1560回】

やっぱり太陽の日差しに勝るものはない。昨日が冷たい雨降る一日だっただけにその感慨もひとしおである。昨日の雨で紅葉の葉も随分と落ちたのだが、過ぎゆく年の瀬を惜しむかのようにキラキラと日を浴びた残り葉がなんとも愛おしい。こうやって日々変化する樹々を眺めていると、樹々に羽休めしている鳥も含めて、なんだかこちらが見つめられてる感覚に陥る時がある。樹々は何も喋らないし、鳥も見て見ぬ振りかもしれないけど、何かに見られている感覚は、こちらが見るという能動的な感覚より敏感に感じてしまう。その場にいる時間が長ければ長いほど、時には人との関係性を超えるくらいの想像力をも喚起させてくれる贅沢な時間かもしれない。見ることは見えないものとの限りない対話であり探りあいではなかろうか...お金がかかるわけでもなし、眼をそして全身全霊を目の前に晒しさえすれば新しいものが立ち上がってくるという訳さ...

最近、テレビで「ポツンと一軒家」なるものを観ています。大自然に囲まれ自給自足に近い生活をしている人たちの表情が実によい。そりゃそうだ、田畑を耕し、樹木を愛で薪をくべ五右衛門風呂で汗を流すなんて、日々にストレスが溜まるわけがない。面倒くさい人間関係で命をすり減らしている都会の人たちにとってはなんとも羨ましい光景ではなかろうか...

でも、いざやるとなるとそうは簡単なものでもない。大自然の脅威、限られた食材、人恋しくなる孤独との闘いなどなど...要は、この番組も貴方は今本当に幸せなんですか?と視聴者に投げかけてるんでしょうね。

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まだまだ楽しんで下さいな

2021/12/07
【第1559回】

明日は太平洋戦争に突入した真珠湾攻撃から80年目にあたります。おいらも丁度、牧久作「特務機関長許斐氏利―風淅瀝として流水寒し」を読了。大東亜戦争の陰に隠れて今まで表に現れなかった歴史の謎を丹念に解きほぐした著者の力作。この時代の話は若い人は皆知らないに違いない、というより誰も教えてこなかった闇の話。満州国に向けての野望、裏取引、片やこの戦争に勝ち目がないと反対する理性的な軍人、政治家などなど登場人物が個性豊かで面白い。昔読んだ檀一雄の「夕日と拳銃」の主人公のモデルである実在の日本人馬賊、伊達 順之助の件は懐かしかった。この時代の島国日本は己の器以上の妄想に駆られとんでもない間違いを起してしまったと思う。夢とロマンと冒険も一歩間違えてしまえば取り返しがつかないことどころか、多くの悲劇が生まれるということだ。真珠湾攻撃で亡くなった若き兵士も軍神として崇められ戦争推進派の広告塔として利用される始末。

今の世界情勢も決して油断できるものではない。コロナも恐ろしいけど、より怖いのは世界全体がポピュリズムの拡大により世界の民主主義国・地域が87カ国であるのに対し、非民主主義国は92カ国となり、18年ぶりに非民主主義国が多数派になったという事実。独裁者が権力を握り反対するものを抹殺していく構図が世界の主流になる時代が来ないとも限らない。おいらなんかはあと少しの人生なのだが未来永劫自由で平和な世界を希求する者として、悪魔が支配する世の中は御免こうむりたいと切に思う。そのためにも過去の歴史に学びしっかりとした思考に基づいた行動を起こすべきだと思う。その手掛かりとして様々なジャンルの本を読むことを是非お勧めしたいのでございます。

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まだまだ燃えてます

2021/12/02
【第1558回】

昨日、劇団桟敷童子「飛ぶ太陽」すみだパークシアター倉で観劇してきました。先月の半ばまで上演していたトムの「にんげん日記」が終わったと思ったら自分の劇団の公演。東憲司さん獅子奮迅の活躍ぶりはいいのだが身体を心配しちゃいます。とても50歳を超えたとは思えない永遠の東少年、この少年が思い描いた世界が1999年から22年間創作されてきました。おいらも同じ福岡県人として共感するもの多々ありトムの公演も9本、作・演出を依頼しました。この劇団の公演を観るたびに演劇の原点を忘れるな!と舞台上から熱いメッセージが伝わってきます。今回も終戦から三カ月、福岡で起きた爆発事故を題材にした人間ドラマ、劇団員全員で創り上げた装置、衣装と共に歴史の闇の葬られた民衆の声が役者の身体を通してびんびん伝わってきます。

その熱も冷めやらぬうちにと、ついにスカイツリーに行ってきました。稽古場も錦糸町にあるのでスカイツリーはいつも目の前に存在しているのだが一度も行ったことがありませんでした。これじゃツリーちゃんにも申し訳ないと思い訪ねてまいりました。いやいや、一大観光スポットでございます。2012年2月に完成した634m世界一のタワーに相応しい建物でございました。この日は雨上がりで視界もよく富士山近くに落ちる太陽の一部始終を堪能させていただきました。つい先ほどまで観ていた芝居も太陽、なんだか二度太陽を拝見した一日となりました。

中村吉右衛門さんが亡くなりました。吉右衛門さんとは人気番組「鬼平犯科帳」1993年2月24日放送. 第4シリーズ第10話「密偵」(いぬ)で共演しました。監督をしていた貞永方久さんに呼ばれ京都太秦で貴重な時間を過ごしました。ラストは吉右衛門さんとおいら(縄抜けの源七)とでの一騎打ち、吉右衛門さんに見事に切られ撮影終了。終了後、吉右衛門さんから「お疲れ様」と声を掛けられ手を差し伸べてくれました。どんな人にも普通に接する姿が印象に残っています。

合掌

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スカイツリー初見参

2021/11/29
【第1557回】

先週の週末、アル☆カンパニーの「ポーピー」観てきました。このカンパニーは俳優、平田満、井上加奈子さんご夫婦が15年前に結成したものです。二人ともつかこうへい事務所で知り合い、約半世紀近く一緒に芝居し結婚し新たなカンパニーを創り船を漕ぎだしたんですから、その情熱と気力に拍手を送りたい。一緒に生活しながら劇中でも口角泡を飛ばすシーンなんぞをみてると、生活することと創造することがタッグを組みながら時を経ていく様が目に浮かびます。ともに好きなことを生涯できるなんて何と素晴らしいことではないでしょうか...勿論、楽しいことばかりではありません。でも信頼し愛し合ってる二人が織りなす芝居を観ながら誰もが羨ましいと思ってるんじゃないのかな...

球史に残る日本シリーズ決着がつきました。延長12回表ツーアウトからの決勝点をあげたヤクルトが20年ぶりの日本一になりました。オリックスの若きエース山本由伸の魂の141球が凄かった。打てない打線に腐ることなく一球一球全身全霊キャッチャーミットをめがけて投げ込む姿に野球の素晴らしさが凝縮されてた気がしました。今年の野球界を盛り上げたのは、間違いなく大谷翔平、山本由伸ではなかろうか。

その大谷翔平に国民栄誉賞、この国のトップ何考えてるんだろうね?あなた達より己を良く知りわきまえている翔平さん断るに決まってるじゃん。

明日で11月も終わりっていうのに、又もや新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」が出現、いやいや何が起こっても不思議じゃない世界でございます。

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善福寺川緑地公園

2021/11/26
【第1556回】

今日も変わりゆく樹々のアートに見惚れています...動かぬものを観ていると、観察している方の心身がえも言われぬ動きを引き起こす。時には心震わせたり、凍りつくこともある、その時の己の状況と相まって思わぬドラマが生まれたりもする。そういえば一度書かれた文字だってそのまま動くことはありません。文字を受け取った人の感性でその文字は自由自在に動き出していきます。この世の中、どちらかというと動き(刺激)あるものに興味をそそられ、その動きに乗っかって楽しんでいるような気がします。想像力を養うものの対象は動かないものをしっかりと時間を掛けて観察することから生まれるのではないかと...道にどんと居座っている石なんぞじっと眺めていると、向こうの方から語り掛けてくるような気がします。長い旅を終えた海岸の石ころなんて人生そのものですね。手のひらに乗せると嬉しくなって波瀾万丈の物語を饒舌に語ってくれたりします。

昨日の日本シリーズ第五戦、いやはや凄い試合を見せつけられました。ここ何年で記憶に残る日本シリーズになりましたね。僅少差の投手戦が続いたと思ったら昨日のホームランの応酬、ヤクルトで決まりかなと思いきやオリックスの助っ人の一発で勝ち越し、決着は神戸に持ち越しとなりました。

スポーツの魅力である動きは瞬時にして喜怒哀楽を発散する魅力があります...世界は静と動で成り立っているんですね。

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燃える樹々

2021/11/24
【第1555回】

昨日、トラッシュマスターズの「ガラクタ」を観劇...思えば2011年東日本大震災発生した年に「背水の孤島」を上演し演劇界を震撼させてから10年、今回は原発の産業廃棄物を扱った作品である。この劇団の、現在をテーマに正解を差し出すのではなく様々な意見を提出し観客に思考を促す演劇手法が面白い。しかも人間臭く、時にはドロドロにもなりながらもエンタメとしても成立させる強引さも気持ちがいい。社会派なんてカテゴリーからはみ出しとことんやってやろうじゃないかという心意気がないと演劇なんぞはやってられませんことよ...いつもながらの3時間近くの芝居を平然とやってのける中津留章仁は、あの大きな身体と目ん玉はだてに付けてるんじゃありませんことよ。そして彼の作、演出を信じ台詞を叩きつける役者も相当の覚悟で舞台に立っているんじゃないかしら...

一段と紅葉が進んでいます。日毎に変化するときめきの色の世界に酔いしれることが出来るなんて、やっぱり健康があってのことでございます。色鮮やかな紅葉を車椅子から眺めている老人を見つけました。その表情から、舞い落ちる枯れ葉を浴びながら、これまでの人生を振り返ってるようにも見えました。老いようとも、半身不随になろうとも生きていりゃこそ美しいものに接し喜びに浸ることが出来ってもんでございます。

そして、生きてることに感謝の気持ちがあれば少しでも長生きできますよ皆の衆。

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自然のアート

2021/11/22
【第1554回】

先週の週末はスポーツ三昧でした。勿論テレビでの観戦ですが...土曜日は関東対抗戦ラグビー、明治対帝京の一戦は両チームの力が拮抗していて手に汗を握る激しいゲームでした。大学日本一を9年間続けてきた新興帝京が、古豪明治から3年振りに対抗戦リーグ優勝を奪還しようとする気迫の違いが出たような試合でした、スコアは14対7ではあったがそれ以上の力の差を感じた帝京圧勝の試合でした。野球が終わればいつものようにおいらのシフトはすんなりとラグビーに移行するのだが、今年はオリンピックの関係でまだ野球をやっとります。

土曜日から始まった日本シリーズ、ヤクルトとオリックス、なんと昨年最下位だったこの両チームも力が拮抗していて2日間最後までハラハラ、ドキドキの展開で目が離せなかったな。打撃戦の野球も面白いのだが息詰まる投手戦も見応えがあります。しかも両チーム初戦はオリックス山本由伸(23歳)ヤクルト奥川恭伸(20歳)、これからのプロ野球界を支える二人の投球はしびれました。奥川選手なんてプロまだ2年目ながら、投げる姿の初々しさと度胸の良さにあっぱれをあげたくなりました。山本選手は今やプロナンバーワンの投手ですね。あの自信に溢れた投球術はベテランの域でございます。

昨日の試合のオリックス宮城大弥投手も2年目の20歳、つくづく選手の持って生まれた才能もさることながら、入団したチームの監督、コーチの指導、雰囲気によって開花できるどうかが決まると思いました。これも運ですかね...それにしても、一勝一敗に持ち込んだ昨日のヤクルト高橋奎二投手(24歳)の完封勝利もすごかったな。完投経験ない投手がシリーズでの初完投は55年ぶりというんのだから、何があってもおかしくないのが野球の面白いところでございます。

明日から東京ドームに場所を移して戦い、ここ2年間のソフトバンク対巨人の試合(ともにソフトバンクのストレート勝ちで、巨人は1勝もできない有様でした)に比べ大変楽しみな日本シリーズになったことは確かです。おいらの予想、4勝2敗でオリックスかな?

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昨日の井の頭公園

2021/11/19
【第1553回】

一日の日当100万円。連日メディアに報道されてます国会議員の別給料、通信費などの項目で領収書も提出義務がなく、余れば自分の懐になんてことが長年行われたことに今更騒いでます。維新の議員が正面切って言ったことで慌てて寄付とか、法改正なんてことを言い出す始末。与党も野党も同じ穴のムジナ、呆れ果て開いた口がふさがりません状態。ほんまにこの国の人達はいい加減な政治屋になめられ放題、維新が口火を切ったお手柄政党みたいに言われているけどあんたたちも今まで甘い汁を吸ってたじゃんといいたいんでござんすよ。普通の会社は税務調査で厳しく領収証の提示を求められるし、きっちりと税金を徴収されるのが当たり前です。なのにこの政治屋さんたち、庶民から吸い上げた税金でおまんま食ってるのに上級国民面して非常識な振る舞いを平気で行なってるんでございます。これじゃ、与党も野党もまったくもって信用なりませんわ。ということは、この国には任せられる政治家がいないと同然、一体全体どうしていいやら困ったちゃん状態...深まる紅葉を眺めながら日本の美しさに酔いしれながらも、この国の未来に大いなる不安を感じる今日この頃でございます。

そんな折、今朝アメリカ大リーグより大谷翔平選手の満票でのアメリカンリーグMVP決定のニュースが飛び込んできました。コロナ、政治不信などなど暗いニュースが続いているなかで唯一明るくしてくれたのが大谷選手です。人間性も非の打ちどころなく、この人にこの国を任せる総理になってもらいたいぐらいです。

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より一段と...

2021/11/17
【第1552回】

東京は日一日と冬に向かっている気がします。日毎変化する紅葉の様は飽きることがありませんが、上を向いて歩いてばかりいるとすっ転びそうになるのでご用心。

李琴峰「彼岸花の咲く島」読了。台湾の作家による芥川賞受賞作品です。母国語ではなく、ひらがな、カタカナ、漢字の三種類の文字がある日本語で書き綴り、国そして共同体の在り方を視覚的かつ想像力を喚起させる文体が画期的である。なんだかおとぎ話でも読んでるような感覚にさせるところが面白い。確かに、文学は新しい地平を切り開くにふさわしいジャンルであること確かである。そして先日読み終えた、安西水丸「左上の海」、タイトルだけでもなかなかシュールである。

 

夢の中でとってもきれいな海を見つけたの。わたしのいる、ずっとずっと左上の方にあるの。いつかわたしが酔って言った時の夢の海よりも、もっとずっと上、それも左の方。そこにすごくきれいな海岸を見つけたの。天国なんて言葉恥ずかしいけれど、もしかしたらあの海は天国じゃないかとおもって

 

アルチュール・ランボーの詩、ルネ・マグリットの絵画を連想させる文体である。秋の夜長、ページをめくり作家が生み出した言葉に酔いしれ眠りにつく瞬間はたまらんですばい...

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新宿西口の夕暮

2021/11/15
【第1551回】

先週の週末は「萩咲く頃に」を志木市で、「にんげん日記」を白河市に観に行ってきました。

この二本の芝居に村井國夫さん、音無美紀子さんがそれぞれ出演されてるんですから村井家に感謝です。村井さんは4本、音無さんには3本、これまでトムの作品に出演作があります。この仕事してるとほんとにひょんなことから思わぬ出会いがあるもんですね。村井國夫と言えばミュージカルか翻訳劇、おいらのところは日本人による日本人の芝居以外はやるつもりがなかったので縁がない役者さんだと思っていました。ところが、2009年に上演した「エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ~」を観劇した村井さんがいたく感激されたとの情報を得て、2012年の新作、東憲司作・演出「満月の人よ」に声掛けしました。なんとこれが村井さん初めての日本人役での舞台であったことにビックリしました。そしてこの舞台で九州の田舎のダメ親父を脱力しきった演技で飄々と表現する村井さんに二度ビックリしました。腕のいい役者は翻訳劇だろうが日本の芝居だろうが関係ないんですね、そりゃそうだ演技には国境はありまっせん。

村井さんからのご縁で、奥様である音無さんもトムの芝居に出演することになりました。東日本大震災から3年目、2014年に創った「萩咲く頃に」は今年で8度目のステージになりました。長年培った音無さんの繊細かつ思い切りのいい演技は芝居を引き締めてくれます。そして何よりも人柄の良さ、あの天性の明るさはドツボに嵌った現場を救う観音様でもあります。

と言うことで、ご夫婦には本当にお世話になっております。村井さんは休む間もなく来月から「芸人と兵隊」の稽古が始まります。そして、いつまでも芝居を愛する人たちに夢とロマンをプレゼントしてくださいね。

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明日のスターを目指して
~新宿南口にて~

2021/11/12
【第1550回】

樹木が色づく秋の佇まいは何となく人生の熟成を思わせます...朝陽を浴び、より一層鮮やかな光彩を放つ葉はまるで舞台に立ちスポットライトを一身に受ける千両役者のようでもあります。自然が織り成す見事な光景を目の当たりにして、おいらは今日も人として恥ずかしくないような立ち振る舞いをしなきゃと思う次第でございます。

瀬戸内寂聴さん99歳で亡くなられました。波瀾万丈の人生でしたが、女性がまだ自由に生きられない時代に己の情と信念を貫き奔放に過ごされた一生は素敵だと思います。中には、エゴを通した淫らで勝手な人生だと批判する方もいるとは思いますが、四角四面で常識にとらわれた思考の中でしか生きていけないなんて、なんてつまらないでしょうとおいらは思います。生きてること自体いろんな矛盾が生じるし、そこは人間でしか持ち得ない想像力を駆使して存分に視界を拡げ何事もチャレンジしないともったいない!何でもありの世界ですから、犯罪と他人への迷惑以外は...あの一本の樹木さえ、一年間で様々な姿を見せてくれているんですから、ましてや移動も可能、思考も自由な人間であるならば変幻自在に人生楽しまなきゃ損しちゃいますよ。

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より一段と...

2021/11/10
【第1549回】

昨日、「萩咲く頃に」の最終稽古に行ってきました。今回は12日の埼玉県志木市民会館パルシティの公開稽古を皮切りに、17日から12月1日まで静岡県の演劇鑑賞会で上演します。昨日の稽古、役者さんの喜怒哀楽が鮮明に表現され、この芝居を公演する意義がより高まったような気がしました。東日本大震災から節目の10年、この時代のスピード感はあの大事故さえ風化の波にさらされています。戦争然り、いつまでも伝えていかなければならないことは、どんな時代になろうとも必要不可欠なことだと思います。この芝居に登場する澤田家の家族5人がそれぞれに抱えてる悲喜こもごもを、役者自身が身の丈に合った表現してる様に感動しました。これが芝居の醍醐味なんですね...震災から10年、そしてこの芝居に関わって7年、一人の人間、そして表現者として過ごした時間が見事に凝縮され、震災に伴う原発の危うさ、葛藤の末にたどり着いた家族の大切さを観客の皆様に届けるんだという強いメッセージを感じました。

この日は、事前に受けたコロナPCRの結果が全員陰性であることが判明し、やっとマスクを外しての最終稽古でした。マスクを外せるという解放感もあってのベストな表現だったかも...マスクをしながらの稽古程辛いことはありません。相手の表情も昨日までの半分からすべて感じ取れるんですから、こんな嬉しいことはありません。変な話ですが、これコロナが教えてくれたことかもしれませんね。いつの世も、自然界からこうやって驕り高ぶる人間に注意勧告を促しているんですね...

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稽古帰りのスカイツリー

2021/11/08
【第1548回】

あちこちで紅葉が始まり、街行く人も冬の訪れの前、暫しの秋の風情を楽しんでいる週末でございました。プロ野球はクライマックスシリーズファーストシリーズがセリーグ、パリーグで行われました。いつも思うのだが、何のために一年間戦ってきたのか?シーズンで1位になったチーム同士が日本一をかけての試合を行えばいいのに、商売優先でこんな制度が出来ちゃいました。まあ、おまけでプレーを観れる楽しみはあるにしても、なんともしっくりこないのも確かである。今年は我がライオンズは42年ぶりの最下位で、勿論出場資格はありません。その代わりというのも変ですが第二ラインズの楽天がロッテと戦いました。昨日の試合なんぞは岸投手と炭谷捕手、そして主力打者浅村が元ライオンズの選手、そして監督も石井、ライオンズの試合を観戦してる感じがしました。お金に糸目をつけずにライオンズの選手を奪っていったこの監督はどうも好きになりません。と言うことで、パリーグのクライマックスはロッテを応援していました。2試合とも接戦でしたが、ロッテの助っ人が見事なホームランでロッテがファイナルステージに進出しました。片やセリーグは巨人が阪神に連勝しました。なんやろね阪神、いいとこまで行くんだけどなかなか優勝できないチームになってしまいました。阪神ファンと言えば熱狂するあまりチームが委縮してるんじゃないかしら?贔屓の引き倒しってことですかね...今年はオリンピックのため、なんと11月までプロ野球を楽しめるのですが、如何せんライオンズは蚊帳の外なので、まあ面白い試合に心がけ、少しでも野球ファンを増やしてくださいませとしか言えないのが残念です。来年の日本ハムの新庄監督も楽しみです、既成のプロ野球をどう変えてくれるのか?それともただ単なるパフォーマンスで終わってしまうのか...そして来年は最下位から優勝と言うシナリオをどう実現するのか、ライオンズ頼みまっせ!

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色づき始めました

2021/11/04
【第1547回】

秋空が続いています...コロナ感染者も少なくなり、多くの人が外出し開放感を味わっている今日この頃です。マスクはワクチンという定義が定着し、いまだに顔の全貌が視えずやはり普通の日常にはまだまだ時間がかかる感は否めません。新宿の居酒屋もそれなりに盛り返してはいるのだが、おいらの年代になると若者が大声で飲食してるところはさすがにひいちゃいますな。懐かしの新宿ゴールデン街も随分ご無沙汰してるのだが、再開してるんだろうね。営業できないことが幸いして懐が温かくなったなんて噂を聞いたりしますがどうなんでしょう?ここまで長引けば、家飲みが定着して客が戻らないのではと心配もしてしまいます。

「にんげん日記」の東京公演が終わると同時に「萩咲く頃に」の稽古が始まりました。この演目は2014年に初演して以来、今回で5回目になります。いい芝居を創れば、あちらこちらから声が掛かり何年もの間上演が出来るということの証明です。そして何よりも同じメンバーが、再演ごとに新作を創り上げる意気込みで作品に新しい命を吹き込んだ賜物ではなかろうか...芝居は生モノで一回限りの表現ですから二度と同じことはできないことは明らかです。その一回性にどれだけ新鮮に向き合えるかが役者の力量、能力だと思います。一行の台詞にどれだけ奥行き、魅力を付加できるか?貪欲な役者こそが生き残っていける世界です。切磋琢磨し、日々発見を試みてる役者の姿に魅せられ今日もお客は劇場に足を運ぶんでございます。

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雲ひとつない秋晴れ

2021/11/01
【第1546回】

「にんげん日記」昨日無事に東京公演の千秋楽を迎えることが出来ました。大丈夫だとは思っていても何が起こるかわからない舞台、ハラハラドキドキの日々ではありましたが見事な芝居を魅せてくれました。笑いあり涙あり、市井の人たちの人生の哀歓が劇場に漂いお客様は十分に堪能した顔で劇場を後にしていました。勿論、全員が納得したなんては思っていませんよ...芝居の受け止め方は人それぞれです。己の生きてきた環境、いまある姿に鑑みて内容を吟味して良し悪しを判断するもので、その評価は千差万別であるのは当然のことです。その辺のあたりが又、芝居の面白いところです。過去の痛いところに触られたり、思想信条に違和感を感じると芝居の中身そのものに疑義が生じたりします。でも、それぐらいの刺激、衝撃があってこその表現です。どの世界にも正解なんぞは存在しません、既成の価値観を脅かしてこそのアートだと思っています。

昨日、選挙の結果が出ました。いつものように半分弱の人が棄権、そしてあまり変わり映えしない人が選ばれ、この国の政治は何年たっても変わらないことをまたも思い知らされた次第です。衆参併せて710人も要るんかい?与野党ともども議員数減らすなんて何十年前から言ってるのに実行しないところから政治不信になっちゃいますがな...かと言って監視の手を緩めると厚かましき政治屋さん、とんでもないことやり放題ですからご用心。いい加減国民が安心して暮らせる政治やらんかい!

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マスキャット

2021/10/28
【第1545回】

昨日、無事「にんげん日記」の初日を迎えることができました。終演後のお客様の拍手の熱量が今回の芝居の出来を物語っていました...3人のベテラン役者というより、80年近く生きてきた人間の香りが、今回の設定である銭湯の湯船から湧きたつようでもありました。改めて役者という稼業とは、その人の生き方がすべてさらけ出される生業だと感じた次第です。豊かさ、厭らしさ、可愛さ、憎たらしさなどなど己が経験、体験したものが知らず知らずに身体に蓄積し、役柄に反応していくさまはとても面白いものがあります。

今回出演して頂いた賀来千香子さんは、舞台出身者ではない魅力があります。何故かというと芝居には、はっきりとした定義がありません。上手くなりすぎてもいけないし、かといって下手では成立しません。芸の世界でよく言われる虚実皮膜論、過度に芝居臭くなると嘘っぽくなるし、そのままだと演劇そのものが不要になるし、その虚と実の間に横たわる膜の部分で観客を魅了するのが演劇なんでございます。下手に場数を踏んで芝居漬けになり鮮度をなくす役者さんより、感覚で切り込んでくる役者さんに観客が新鮮に感じるのもよくわかります。

もう一人の女優大手忍さん。今回の作・演出、東憲司さん率いる劇団桟敷童子の劇団員で、作・演出家の意図は一番わかっていることから言っても、この舞台の展開を若さと身体能力で弾みをつけてる感がします。いつもながらピュアな表現力で好感が持てます。

いずれにしても始まったばかりです。31日までの短い公演ですが、こんな貴重な公演見逃すと悔いが残りますよ皆の衆。

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秋の空

2021/10/25
【第1544回】

昨日、27日に初日を迎える「にんげん日記」の最終稽古が行われました。もうすぐ80歳に手が届く小野、高橋、村井の御三方のパワーには恐れ入ります。さすがに半世紀以上にわたって役者稼業をやられた蓄積が、心身にきっちり行き渡っているんだなと感心する演技でございました。そこにいるだけで存在感を示す役者もそうそういない中、本当に貴重な存在です。そのなかに、華やかさの中にも芯が通った芝居をする賀来さんの魅力もなかなかのものです。そして稽古場でのひたむきな姿勢に心打たれます。もう一人の女優、大手さんもけなげで可愛く、なんだか応援したくなっちゃう雰囲気を醸し出してくれてます。

作・演出、東憲司さんが産み出した役を、5人の役者がそれぞれに自分に引き寄せ吟味しながら役作りした結果が見事に結実した最終稽古でありました。稽古の過程で何度も疑いながら本質に近づこうとする姿勢は、さすが俳優座養成所で名だたる演出家、名優に鍛えられたその当時の姿が目に浮かびます。その当時の名立たる演出家は千田是也、俳優は仲代達矢、平幹二朗、東野英治郎、小沢栄太郎など多士済々...その影響を受け俳優座花の15期生(1963年に養成所に入所)が学んでいました。原田芳雄、林隆三、夏八木勲、秋野太作、前田吟、河原崎次郎、地井武男、浜畑賢吉、竜崎勝、栗原小巻、太地喜和子、赤座美代子、三田和代......そして今回の3人とそうそうたるスターを輩出した次第でございます。

亡くなった方も随分いますので、その亡き戦友のために捧げる舞台でもありますね。

個性あふれる5人が繰り広げる「にんげん日記」明後日の初日がとても楽しみです。

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秋のアンネのバラ

2021/10/22
【第1543回】

いきなり冬が来ちゃいました...この時代、ほんとに何がやって来るか予測不能の今日この頃です。今日の新聞に、映画の正しい観かたなんて本の広告が掲載されていました。この不穏な世相を生き延びるには、すべてマニュアルに沿って過ごせば間違いないなんて本が多く出版されてます。映画を含めアートなんてもんは、人それぞれの受け取り方も違うし他人の教示を受けながら観たり読んだりするもんじゃないでしょう。しかし悲しいかなこの島国の人たちは、他の価値観を情報では知りながらも実感を体験する機会がないものですから、ついつい杓子定規な思考を持つ輩に洗脳されちゃうんでしょうね...生まれながらにしてオモシロ感性バラバラなのに、くだらん教育制度の下に個性を削がれおしなべて規格内に収まる人になっちゃうのがホンマに残念でたまりません。時折、自分の意見を持った若者に接すると嬉しくなっちゃいます。「こうでなければいけない」なんて方程式をこの世の中にひとつとしてないんだというところからもう一度始めるべきだとおいら思っちゃいます。

25日から居酒屋も時短営業が解除されるとのこと、これまで我慢してきた飲んべえが一気に飲み屋に殺到し第6波が来るのか?なんとなくウイズコロナの時代に歩調を合わせて進んでいくのか?いずれにしても芝居を創ってるおいらとしては、心休まる日はございませんことよ。

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セイヨウヒイラギ
~花言葉「将来の見通し」~

2021/10/19
【第1542回】

今日の東京はとても寒いです。寒空のなか衆議院選挙を戦う党首が声を荒げて政策を訴えています。わずか12日間の選挙戦、どの政党も調子のいいこと言っているんだが大丈夫なんでしょうかね?だって国の借金なんと国民一人当たり約983万円というんだから驚いてしまいます。なんだかピンとこなくて誰もが知らん顔状態でございます。おいらなんぞの年代はいいとして、若者の将来に大きなツケを回すことは間違いないでしょう。先ずは国会議員減らします、議員の給料下げます、なんて公約を掲げてる人に一票投じたい。

おいらの選挙区である東京8区は話題になってます。太郎のおっさんと立憲に誤解が生じたものの何とか野党統一候補で一件落着。この選挙区には慎太郎さんの息子が長いこと当選しています。今日も早速地元で第一声を発したところ、女性から「何もやってないんじゃない!」というヤジが飛んだそうな...そういえばこの人コロナ騒ぎの初期の頃、一般人がなかなか入院できないのに、上級国民と言うことで即入院し非難を浴びました。この一件が話題になったくらいで他になんら目立った仕事はしてませんな...

新宿の街にも、早速いつものスタイルで車中から立候補者の名前の連呼、やかましいったらありゃしない。街中に立ててる立候補者の看板も税金の無駄遣いだよね、あんなもん立ち止まって観てる人ほとんどおりまっせんことよ。

でも、この国の舵取りをしてくれる人を選ぶのは選挙しかありません。残念ながら相応しい人は少数ですが吟味しながら投票するしかありませんね。

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案山子

2021/10/15
【第1541回】

長野県上田市にある無言館に行ってきました。太平洋戦争などで志半ばで戦死した画学生の遺作、遺品を展示した美術館です。生きて帰って絵を描きたいと願いつつも戦場で散っていった若き画学生の絵は、戦地で希望を失わず、表現することの楽しさをキャンバスに塗り込められた情熱がほとばしっていました。その名も知れぬ画学生の遺作、遺品を集めるために日本全国を奔走し無言館を建てた窪島誠一郎さんに会い話を伺いました。とても人間臭く魅力的な人でした。館内の絵を眺めながら、若くして亡くなった画学生は、語る言葉は無くとも、まさかこんな形で人の目に触れる機会に恵まれるなんてという思いでいっぱいではなかろうか...もうすぐ80歳になる窪島さんの波乱万丈な人生と、己の中で葛藤する感情は、まさしく戦争という不条理の中で日々を過ごした画学生と相通じるものがあるに違いない。

傍から見ると窪島さんが成しえた事業は素晴らしいと思えども、当の本人がいまだに納得しきれない己の闇に対する拘りに決着がつかず、老いてなお自分探しの旅を続行してる姿に驚愕した次第です。

無言館を取り巻く美しい風景は先の大戦で亡くなった人たちの犠牲の上に成り立っていることを改めて実感しました。平和な土地に咲くコスモス、澄み切った空に実る柿、ふと無言館に収められた絵画たちの平和への祈りが聞こえるようでもありました。

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無言館にて

2021/10/13
【第1540回】

東京は今日もぐずついた天気で、少々肌寒くなんとなく一気に冬の到来を予感させます。秋という四季の中で一番愁いに満ちた季節が懐かしくなる時代が近未来に来るのかな...この季節は読書にも最適な季節でもある。ワイン片手に、JAZZなんぞを流しながら文字中毒患者に溺れつつ快楽の世界に溺れてしまいたいなんて思っちゃいます。昨日で宇佐美まことさんの「羊は安らかに草を食み」を読み終えました。この作家は初めてだったのだが一言でいえばエンターテインメント作家かな、今回の作品も認知症になり始めた老婦人の現在と、戦時中に満洲に住みながら敗戦と同時に始まる苦難の歳月を11歳の少女二人が乗り越えていく様をスリリング且つ感動的に描く筆力はなかなかのものである。この小説を読みながら6年前に97歳で亡くなった母のことを想い出しました。同じ大陸からの引き揚げ時の逃避行の地獄の日々を何度も聞かされたからだ...昭和20年8月9日にソ連軍が満洲、韓国に侵入し暴行、虐待の限りを目撃体験しながらやっとの思いで引き揚げた話は衝撃でした。そりゃそうでございます、その逃避行の時においらは母のお腹にいたんですからね...この世においらが存在してること自体が奇跡だと今でも思っています。

この本には、エンタメでありながら戦争の不条理を織り込みながら平和の有難さを伝える作家の矜持を感じます。タイトルはJ.S.バッハのカンタータ「楽しき狩こそ我が悦び」の中の「羊は安らかに草を食み」からとったものです。領主は、羊(領民)が安らかに草をはむのを見守る太陽のごとくあれという意味が込められたアリアです。

今月末は選挙です、領主を決めるのは投票権のある領民であることを忘れちゃなりませんぞ皆の衆。

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横道入ればレトロな風景

2021/10/11
【第1539回】

週初めの今日の東京の暑さは異常です、10月の中旬と言うのに30°完全に狂っています。災害が多発しても当然の成り行き、人が狂えば地球も狂う、昨日から「日本沈没」のTVドラマも始まりました。小説、映画の世界では早くから警告を発しているのだが、目先の利益を優先するのが資主義の定め、もはや地球は悲鳴をあげておりますぞ。

先週の週末は映画「ファーザー」「ミナリ」を観劇しました。両作品ともアカデミー賞を受賞しました。「ファーザー」は主演のアンソニー・ホプキンスが主演男優賞を獲得。この映画は彼の滋味あふれた名演技に尽きると思います。認知症がテーマである作品、これまでは介護する側にスポットを当てがちだったのだが、この映画は認知症に陥った主人公の認知力、記憶力をさ迷い歩く様を心理劇に仕立て上げてるところがなんとも素晴らしい。サスペンス映画としても一級品ではなかろうか。脚本賞を受賞したのも納得できる。これほどの演技力を兼ね備えた俳優が外国には山ほどいるのがなんとも羨ましい。

「ミナリ」は1980年代のアメリカ南部を舞台に、韓国から移住した一家が農業で成功するという、まさにアメリカン・ドリームをテーマにしつつ、丁寧にその家族の様が描かれている。祖母役のユン・ヨジョンが助演女優賞を受賞しています。前回の「パラサイト」といい今回の作品もそうなんだが、おいらとしては今一つと言うところかな。そんなに目新しい題材でもないし、俳優の演技も表層的な感じがして、アカデミー賞で話題になるのが不思議な気がします。アメリカにおいてのアジア人に対する差別を意識しているのかな?それとも裏金が動いているのかな?いずれにしても芸能の世界も魑魅魍魎が跋扈してますからね...ほんとのことは神のみぞ知るってとこですかね。

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新宿武蔵野通り

2021/10/08
【第1538回】

昨日の夜の地震はやはり来たなという感じでした...2011年3月11日以来の震度5の地震、東京に住んで以降、地震は日常茶飯事の感覚ではあるのだが、いつ大地震がくるのかという恐れは常に覚悟しています。いざとなったときの防災グッズも揃えていなければ東京では住めないのでは...それだけ何事にも肥大化した大都会では災害が起こればパニック状態に陥るということです。

そんな都会暮らしでの清涼剤が野に何気なく咲いている草花であり、大空のキャンパスに様々な顔を見せてくれる雲の動きです。そして風雪に耐えながらも大地に根を生やし屹立している樹木たちです。おいらはベランダの植物に水をやりながら「おはよう!」と声を掛けます。不思議なもんで、その声に呼応するようにすくすくと育つんですから可愛い我が子のようなもんですね。野の花だって声を掛けたいところだが、いろんな人にいろんな勘違いをさせちゃいますので、そこはアイコンタクトでの励ましと感謝。気持ちが良いもんですよ!これこそがポジティブシンキングの生き方の第一歩でございます。何百年も生き続けている大きな年輪の樹木なんかには「お疲れ様、そしてありがとう!」なんて言葉を掛け手を当てるなり、抱きしめてあげると、そりゃもう樹木の控えめの歓喜の声が伝わってきますから是非お試し下さいな。

ここ一週間は地震に気をつけなきゃならんとのこと、これも自然界からの人間に対する警告だと重く受け止めて過ごしたいものですね。

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ホトトギス
花言葉~永遠にあなたのもの~

2021/10/06
【第1537回】

あちゃ!昨日のライオンズとロッテの試合、ライオンズのヒットは1本のみ、これじゃ勝てませんわ。なんだか勝負へのこだわりもなく淡々と消化試合をこなしているだけのチームに成り下がってしまいました。ファンは負け試合にも拘わらずお金払って熱い声援を送ってるんですから意地を見せてくださいなと言いたい。おいらと同年代の博多在住のライオンズファンの方のブログをいつも楽しみに読んでいたのですが、8月に入り「さすがに書く意欲が無くなってしまいました...駄目な選手の愚痴をこぼす自分が嫌になりました」西鉄ライオンズ時代から一貫してライオンズ一筋、この点はおいらと一緒です。よくわかります、昨日の試合もテレビで観ていたのだが、途中で消してしまいました。監督、コーチ、選手がバラバラなのが手に取るように分かります...なんでこうなるの?と思っていたら、今日、辻監督の退任がニュースになっていました。だったら、ここまで駄目なチームを2度もリーグ優勝させた監督のために優勝はできなくとも有終の美で終わらせたい!と発奮せんかいなコーチ、選手の皆さん。そんな気持ちがない選手はどこにいっても駄目でしょうね。ファンあってのプロ野球、愛されない選手はことごとく落ちて行っていることが、これまでにも証明されています。今や大リーグで一流の選手どころか、アメリカ社会でも話題もちきりの大谷翔平選手、野球の才能以前に人間としての思考行動の在り方に称賛の声が上がっています。注目されればされるほど人は更にその人物の本質を見届けようとします。

グランドでてれっとした姿見せた途端にファンは離れちゃいますぞ...ラスト15ゲーム、ライオンズファン、辻監督のためにも悔いのないゲームを頼みまっせベンチの皆様。

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新宿サザンタワーからの眺め

2021/10/04
【第1536回】

緊急事態宣言が解除された最初の週末、久しぶりに井の頭公園に行ってきました。公園名物の独自カラー満載の手作り品を展示販売している「井の頭公園アートマーケッツ」のお店はまだ解禁にはなっていませんでした。シニアのおじさんが作った立体ハガキ、思わず笑っちゃう「ちょんまげ課長」シリーズのイラストなどなど、飽きることのない作品が展示販売されつい買っちゃいます。年間12000円払えば土、日、祝日に出店できるのだが、独創性がないとダメってところがミソかな...吉祥寺という人気スポットに相応しい公園に違いない。親子連れもよし、恋人同士もよし、犬の散歩にはもってこい、老若男女が入り乱れての様はなんとも微笑ましい光景だ。それにしても犬の散歩連れグループの交流は、いつみてもお互いの犬の褒め殺し場である。ワンちゃん自体はどう思ってるんだろうかな?この日は、大道芸の人たちも姿を消していた。人が集まることで生計を立てる職種にとってはまさしく冬の時代に違いない。吉祥寺の街中に入ると、待ってましたとばかりに多くの人が居酒屋にたむろしておりました...第6波の予感かな?いや、もう我慢の限界、コロナも取り込んでの生活設計を考えないとどうにもならん時期に来ているに違いない。

10月と言うのに真夏のような日が続いています。暑い日差しの中にわずかに冷気を含んだ風に秋の匂いを感じながら、都会の空を仰ぎゆっくりと移動する雲の流れを楽しんでいる今日この頃でございます。

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夕暮れ時の井の頭公園

2021/10/01
【第1535回】

今日10月1日、緊急事態宣言解除に併せて台風もやってきています。波乱の幕開けの前兆かな?飲み屋でわんさか、今まで耐えたものが一気に爆発、それに伴ってコロナ感染第6波がやってきます。誰しもが言ってることだけど、いまだPCR検査をいつでも無料で実施するところは開設されてません...と、思いきや新宿西口広場で不定期にモニタリング検査と銘打ってやっていたのでおいらも2回受けました。もっと早くできたのにとにかく遅い緑のおばさん、この人の常套句「気をつけてお過ごしください」当たり前のことじゃん!ワクチン頼りもいいけれどいつも無料検査できる仕組みを作ってくださいな。お酒解禁初日というのに台風で首都圏はさっぱりな一日になりそうですな。

新総理の役員人事、予想通りの展開になりましたね。陰で暗躍する3Aに忖度しながらの人事、これじゃ今までと変化なし。驚いたのは似合わないマフィア帽子を愛用する方を副総理にしたことは開いた口が塞がりません。誰かが言っとりましたよ、新総理の貴方「湿気たおせんべえ」に映るとのこと。船出早々、あまりいい評判が聞かれませんが、対する野党だって支持率が上がらずいまひとつ。とにかく誰しもが納得する政治をしてくださいな。

今日からいろんなものが値上がりに庶民は悲鳴を上げております。なんとなく100円で買ってきたキュウリ、ナス、トマトが順調に育っております。世知辛い世の中、この成長する姿を見るにつけなんとなくほっこりしてしまいます。

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オモテナス

2021/09/29
【第1534回】

自民党総裁が先程決まった...結論から言えば、誰がなっても国のシステムは変わらないだろう。だって、相変わらずキングメーカーが院政を敷き総理は操り人形の役割しかできないから...先日、例の「桜を見る会」の収支に関して告発する団体が質問書を各候補に送ったところ、岸田、高市氏は無回答、野田氏は解明すべきとの回答、驚いたのは質問書さえも受け取り拒否した河野氏。自民党員のなかでは一番人気があった人なのだが、こんな人がトップになったら大変なことになっちまうんじゃないかしら...自分が気に入らないものは排除の思想、この一点でアウトの気がするのだが。今回の4人の論争も、今一番必要なコロナに対する反省、そしてこれからの対策なんぞはあまり聞かれなかった。要するにメディアを通じて面白おかしく権力闘争を演じていただけの気がする。おいらはもともと政治には何も期待していないのだが、なんど同じことを延々と繰り返しているのだろう。この国の多くの人は大きな変化を求めず、石橋を何度もたたいて確かめながら歩を進めるタイプなのでしょう。それがこの国のスタイルなら仕方がないにしても、不正、不平等などは許しちゃならんでしょうと言いたい。

11月は選挙だ、少しでもこの国を良くしたいならば投票にいって自分の気持ちを託すしかない。半分近くの人が投票しない現状を見るにつけ、政治に対し無関心、諦めに似た心境なのではなかろうか...信頼できる政治家どこにいる?それも重々承知いたしております。でも、いずれ自分の首を絞める結果になるんですから、先ずは一票入れてみませんか。

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キュウリの花
~花言葉「洒落」~

2021/09/27
【第1533回】

9月25日(土曜日)東憲司作・演出「にんげん日記」の稽古が始まりました。俳優座養成所15期で学んだ小野武彦、高橋長英、村井國夫の御三方に、賀来千香子さん大出忍さんという豪華なメンバー、本読みから抱腹絶倒、役者として友として60年近く過ごした歳月そのものがもはやドラマそのものである。表情といい声の渋みといい、噛めば噛むほど味がする絶品スルメみたいなもので貴重な現場になりそうだ。この三人に相対する賀来千香子さん、美しく優しさに満ち溢れているのですが芯は強い女優さんだと思いました。大手忍さんは劇団桟敷童子で花開いた可愛く愛しい若手の女優さんです。稽古場の雰囲気は芝居創りの上で一番大切な要素です。俳優同士のコミュニケーションの良し悪しが芝居の出来に即繋がるのでございます。役者さんは実に繊細な方々が多く、一旦ヘソを曲げちゃいますとなかなか修復不可能で、チームワークが一挙に崩れてしまいます。一見、仲良く見えても役者はいったん舞台に上がれば真剣勝負、喰うか喰われるか、その丁々発止のやり取りこそが観客の見所なんでございますよ。

それにしても、もうすぐ80歳に手が届くという三人、いや元気ですね。やはり人間好きなことをやっていれば年は関係ないってことですな。嫌なことだらだらいつまでもやってると身も心もボロボロになっちゃいますぞ...何度も言いますけど、一度きりの人生やりたいことを徹底的にやるしかないですな。

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9月26日の空

2021/09/24
【第1532回】

久しぶりに飯田橋ギンレイホールに行ってきました...やはり映画は映画館で観るものですね。昨日観たのは山田洋次監督の「キネマの神様」、この名画座に最もふさわしい作品でした。映画をこよなく愛する人達の話で題材(原作は原田マハさんの小説)としては良いのだがキャスティングが違っている気がしてならない。ハマっているのは北川景子、永野芽郁、野田洋次郎くらいかな。おいらにキャスティング任せてくれるならドンピシャの役者さんがいたのだが、ここは松竹そして御大山田洋次監督ですから当然口出しなんぞはできませんがな。でも映画って、スクリーンを前にしてキャスティングもさることながらいろんな空想、妄想も含めての楽しみ方があって楽しいですね。これは暗闇の中でこそできることであって、我が家ではいつもの日常がすぐそこにあり想像の羽根を伸ばすまでにはいたりません。今回の映画を観ながらピーンときたのは、あの名作「ニュー・シネマ・パラダイス」、映画を愛する人たちがテンコ盛りの作品、日本だって映画の全盛期には映画に命を懸けた活動屋がごまんといたのでございます。カメラ、照明、衣装、小道具などなど職人風情のスタッフそれぞれが映画愛に満ち溢れていました。最近の日本映画がつまらないのは、こういった人たちが少なくなり現場の雰囲気もドライになったからではなかろうか...何事も溢れんばかりの愛がなくちゃいいものは出来るはずがないし、単なる現世の消耗品に終わってしまうのではないかしら。

なんだか、また夏が戻ってきた感じがしますが、でも確かに風の匂いが秋を感じます。春、秋の感覚が希薄になった今日この頃、秋という季節感が懐かしくもあり尊い気がしてなりません。

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名画座の灯消さないで

2021/09/21
【第1531回】

青年劇場公演「ファクトチェック」観劇...現役一線のジャーナリストと現政府との丁々発止のやり取りをリアルに描いた中津留章仁作・演出の芝居、面白く観劇した。トラッシュマスターズという集団を率いて硬派な芝居を創り続けている劇作家なのだがエンタメ風に仕上げていくのが彼の持ち味かもしれない。青年劇場に書き下ろしたのが今回で4本目、長い歴史を持つこの劇団との相性の良さを感じる。何故かというと登場人物の多さ、劇団には20歳前後から80歳まで幅広い役者さんが在籍している。作者はそれだけ役の設定に多様性を持たせることが出来、描く世界を立体的に組み立てることが出来る。この劇団の役者さんスタンドプレイもなく等身大の人物を自然に演じているので安心して舞台に集中できるって訳だ。これも中津留演出の徹底したリアル追求の成果だと思う。

劇作家にも得手不得手があるのは当然のことだが、自分の描く世界とマッチした集団、俳優、スタッフと出会い、クオリティーの高い作品を創るための果てしない旅なのかも知れない。芝居に限らず、人生なんて誰と出会うかが全てかも...その誰かも所詮、己が選択しているのだから、つまるところ自分自身の感性、行動力、そして日頃の研鑽以外の何物でもない。振り返ってみれば、おいらも日本のみならず世界のあっちゃこっちゃの人達と多くの出会いを重ねてきた。数が多ければいいって訳でも無いのだが、やはり数が多ければより良き出会いのチャンスもそれだけ増えるってことだ。要するに人の好き嫌いは出来るだけ無くし、なんでんかんでん、取り敢えずどんな人にも興味を持ちじっくり観察し味会うことだ。こんな生き方してりゃ、結構楽しく、人生満更でもございませんことよ。

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中秋の名月 前夜

2021/09/17
【第1530回】

第164回直木賞受賞作、西條奈加作「心淋しき川」読了...掃きだめのような場所で、普通の人が、当たり前の感覚でひっそりと生活している様子を、時折揺れる感情で人間関係を描いているところが、しみじみとさせてくれる。山本周五郎を彷彿とさせ、映画で言うならば小栗康平監督の傑作「泥の河」といったところか、寄席に行くとこの手の話はよく出てきますな。貧乏長屋の市井の人たちの人情噺に思わず泣かされほっこりしてしまう。すべてが利に走り情が希薄になった昨今、こんな世界に惹かれ丹念に描いてみようとするその志が素敵だな...こんな小説を読んでいると、思わず終戦間もない頃、貧しくとも激情が飛び交った博多の長屋の生活を想い出す。この小説には塵芥にまみれたどんよりした一本の川が流れているのだが、おいらの住んでた長屋は天候に左右される泥道が一本、100メートルの長さ貫いておりました。昔は川、道が住民にとっての命のライフラインだったんですね...

久しぶりに新宿中央公園に行ってきました。いやいや立派に整備されどんな人でも憩えるお洒落な広場になってましたね。そりゃそうだ、都庁のそばで汚いところは見せられないもんね。昔なんぞはホームレスの人たちの住居であり、不埒な覗きがゴロゴロしており安心してデートできる公園ではありませんでした。

こんな新宿中央公園の光景を見るにつけ、改めてこの国は平和だなと思いつつも、平和ボケして思考停止にならんようにとネジをしっかりと巻いたひとときでもありました。

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新宿中央公園

2021/09/15
【第1529回】

自民党の権力闘争が日増しに顕著になっている。所詮、サル山のボス争いなのだが、長年牛耳ってきた年寄りザルと少々若いサルとの戦いの構図になってきた。そう言えば国民に人気がある河野さんはサル顔だね、この人以前は脱原発なんて張り切っていたのだがトーンダウン。まあ、総裁にならなきゃ政策も実現できないので当選するための作戦だとは思いたいのだが、そうは問屋が卸さないのが魑魅魍魎の政治の世界でございます。舌の根が乾かないうちにペロッと真逆の方向転換なんていうのは当たり前のこと。それにしてもTVはことごとく総裁選一色、まだ決まってもいないのに人事を予想したり、ホントにTVの世界は面白おかしく構成し視聴率さえとれれば万歳三唱、この軽佻浮薄の電気紙芝居のおかげで、この国のものの見方、考え方のレベルをどれほど下げまくったことか...片や、野党にしてもなんだか自民党総裁選祭りの騒ぎに目を奪われパッとしませんな。ガースーさんだと勝機も芽生えたのだが、とんだ展開になったもんだと困り果ててる現状です。

総裁選に目を奪われているうちに、コロナちゃんもチャンスとばかりにまたまた次の波に乗っかって押し寄せてきますがな。新宿の西口広場では連日ワクチンのもたらす弊害を訴える集団がマイクを手にして叫んでおりました。いやいや、何がほんとで何が嘘なのか、やっぱりいつものことでございます、自分の身は自分で守るしかありませんな皆の衆。

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ナスの花
花言葉(つつましい幸福)

2021/09/13
【第1528回】

風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」昨日、無事千秋楽を迎えることが出来ました。緊急事態宣言が発令されるなか、多くの人達が駆けつけてくれました。ほんとに感謝です。10日間、コロナの恐怖で閉じていたもやもやが一気に解放され笑いに転じる様を見るにつけ、この芝居を上演する意義を改めて感じた次第です。もしや関係者の中からコロナ感染者が出やしないかとヒヤヒヤドキドキの日々でもございました。こうやって無事何事もなく終えることが出来たのも、この芝居に関わった人達の思いがひとつになったのでは...この芝居の中でも、心の連帯の大切さを訴えるシーンがあります。心という文字は、まさしく変幻自在どうにもまとまりそうもなくあちこちに散らばっています。この心に楔を入れると必ずという文字になります。この危機的状況を乗り越えるには有効な楔(連帯、絆)が不可欠だと思います。

終演後の池袋東京芸術劇場前の広場では、おおくの人達がソーシャルディスタンスを遵守しながらそれぞれの時間を楽しんでいました。広場真ん中に位置する噴水に戯れる子供は、今先程、全ステージを終えた風間杜夫の幼き日を彷彿とさせる姿でした。まさしくひとり芝居、ひとり遊び、与えられた環境で誰の眼を気にすることもなく全身で楽しむ、あの日あの時間は誰しもが持っているはずです。邪心なき遊び心、いくつになってもなくしてはならない必需心でございます。

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ひとり芝居&遊び

2021/09/10
【第1527回】

今日は久しぶりの青空を見ることが出来ました。青空と笑顔は気分を変えてくれますね...「帰ってきたカラオケマン」もいよいよ今日を入れて残すところ3ステージとなりました。おいらも連日観劇しているのですが、お客様の笑い声を聞いていると何だか救われる気がします。コロナ禍の中で、人は思い切り笑える場を欲していたのかも知れませんね。今回の主人公である牛山明の人生そのもので、我々の実人生を垣間見ることが出来、身につまされるのではなかろうか...風間杜夫の天性の役者振りで思わず笑っちゃうシーンの連続。そしてラストは、この芝居のテーマである歌へと帰結していくドラマツルギーは普遍的ではあるがよくできていると思う。

ラストに流れる、この10年の主たる出来事のスライドも主人公の歌と共鳴し、私たちの歩んできた10年をしみじみと振り返させてくれる。このスライドの最後の2枚はおいらが決めさせていただいた。先ずは、今まさに振出しに戻ったアフガニスタンの地に立つ中村哲氏の写真、最後は野球発祥の地で驚異的な活躍をしている大谷翔平選手のバッティング姿。世代、地域、時代を越え、この二人の、活動、活躍はこれからの世界への希望を暗示させるに違いない。

それにしても、この緊急事態宣言にも関わらず多くの人達が劇場に足を運んで頂いてること自体が、この国の未来に、くたばってたまるか!とエールを送ってくれてる気がしてほんまに嬉しゅうございます。

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ルリマツリ

花言葉「ひそかな情熱」

2021/09/08
【第1526回】

現在公演中の芝居、順調に快調に飛ばしています...府中を入れて5ステージ終わったところです。72歳を感じさせない杜夫ちゃんも、さすがに疲れているのではと思うのですが舞台に上がれば水を得た魚のごとく飛び跳ねています。昨日芝居を観たO氏から速達の葉書が劇場に届いていました。

 拝啓

「帰ってきたカラオケマン」が上演されるまでにどれ程の打ち合わせと稽古が重ねられたのか、厚いその繰り返しが舞台の上の風間杜夫を包み込んでひとり芝居が出来上がっているんだと熱情たちが伝わってくるひとときでした。なんだか芝居の席にいるのではなく、話を作り上げる集団の中に巻き込まれているような錯覚を起こしました。舞台の上で語りかける台詞が、まるでこの芝居にかかわった人それぞれに発せられている言葉のように聞こえる。そんな不思議な空間でした。長い間演劇を観てきましたが、こんな連帯感に満ちた空気の中で観劇する気分を味わったのは初めてです。昨今の事情の中敢えて公演に踏み切ったこの作品の生命を肌で感じたからだと思います。相変わらず飄々とそれでいて芯は通った主演者の存在そのものが芝居を上演することの意義を自ら体現している素晴らしいとしか言いようのない時間、空間を構成していました。それにしても歌の持つ力の凄いこと!観る者をあっという間に、その時、その場につれて行くのですから。郷ひろみ「よろしく哀愁」をこんなにも意味を持って聞いたのは今日が初めてです。今カラオケで歌いたくて仕方ありません。                                 敬具

 


ひとりひとり己の生き方を通して芝居を観劇されてることが伝わってきます。芝居には、まだまだ無限の可能性を感じます。生身の人間が手作りで創って、生身の人間が観る。この情報過多でものの本質が視えなくなっている今こそ、このシンプルさが貴重でございます。

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今日の空

2021/09/06
【第1525回】

4日にスタートした「帰ってきたカラオケマン」も今日で3日目。昨日までパラリンピックの関係で、都の管轄である東京芸術劇場は入り口で荷物検査、体温、消毒と厳しい警戒態勢が敷かれていました。お巡りさんも駅の要所に随分と見かけものものしい期間でした。オリンピック、パラリンピックも無事最後までやり終え関係者はホッとしているのでは...昨日の視覚障害女子マラソンで金メダルを獲得した道下選手の笑顔がとっても素敵でした。改めて笑顔が持つ魅力を感じさせてくれました。笑顔があればどんな些細な苦難も乗り越え、その先にはハッピーな出来事が待ってそうな気がします。誰だって苦渋に満ちた顔なんぞみたくありませんよね...笑顔はどんな薬もかなわない一番の特効薬でございます。

それにしても、パラリンピック閉会式に出席していた首相、なんだか可哀想に思っちゃいました。隣にいた都知事のおばさんとも口を聞いてもらえずポツン座っている姿は政治の世界の非情さを見せつけられた思いです。都知事のおばさんは衣装も替え、次期パラリンピック開催地であるパリ市長に堂々とバトンタッチしておりました。パリ市長の衣装が地味だっただけに、やっぱりこの人、自分を際立たせる演技力は大したもんでございます。

方やコロナ、権力争いどころじゃございませんよと言いたい。演劇関係者も日々緊張の日々、飲食店もほぼ休業、街に活気がないのも当然です。実際、今上演中の芝居も8月21日から会場の50%に達しているところはチケット販売中止と言うことで被害甚大、そして観たいお客さんに断っている有様で、涙ちょちょぎれますわ...

でも、昨日のカーテンコールで風間さん言っておりました「大変なこの時期に足を運んで頂き本当にありがとうございました。そして、こうやって舞台に立てることとても嬉しいです...」そうですね、舞台をやれることに感謝です。

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池袋東京芸術劇場前広場

2021/09/03
【第1524回】

昨日、府中の森芸術劇場にて風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」スタートしました。雨の中、沢山のお客様に来て頂きました。観客を前にしての初めての芝居はどんなベテラン俳優でも緊張するものでございます。この日も出番の前、袖で手の中に指で人という文字を書き込み口に当てぐっと飲み込んで舞台に上がったことでしょう...舞台に上がれば千両役者、お客の反応を素早くものにし、あっという間の一時間半でした。最初と最後にお客さんからの掛け声もあり見事な初日でございました。

そして久しぶりの府中、大きな街に変貌してました。わざわざ新宿まで行かなくても、普段の生活には十分過ぎる賑やかな店舗の数々、改めて東京という都市の大きさを感じた次第です。府中の発展には府中競馬場が大いに貢献していることは間違いないと思います。財政が苦しい地域がカジノを誘致するのもよく分かります。おいらも若い頃、府中競馬場でバイトをした経験があります。当時のレースの判定はビデオではなく写真で行なっていて、コーナーの四隅の高台に建てられたところで撮った写真を手渡しで回収車に渡す仕事です。春うららの陽気についついグースカピーの鼻提灯で寝てしまい写真を渡し損ねクビになった苦い思い出があります。暇な時間には馬券も買って適当に遊んでました。それにしても馬場を疾走する名馬を眺めながら、人生も勝負する時にはしなきゃいけないのかなとふと思っちゃいました...

明日からは「帰ってきたカラオケマン」東京芸術劇場でスタートします。まだまだ油断できないコロナ、12日の千秋楽まで無事に終えることを祈念!

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府中の森芸術劇場の近くにて

2021/09/01
【第1523回】

今日から9月1日、今年も残すところ四か月となりました。最後までコロナで悩まされる年になりそうですが何とか乗り切りたいものです。

星野道夫さんの「旅をする木」読了。アラスカに住み1996年にロシアカムチャッカ半島に設営していたテントでヒグマに襲われ43歳で死亡。子供のころから見知らぬ土地に憧れ念願のアラスカに住み、アラスカの自然を写真、文章で紹介してくれた旅人でした。彼の時間に対する思考がとても素敵でした。自分が今過ごしているその時に、過去に出会った人がどうしているのだろうか?まだ見ぬ土地の人達は何を考えているだろうか?彼の時間軸が世界と共振していく想像力がとても壮大でありロマンティックでした。

おいらも30歳になったとき、己がどれほどのものか?とまずはスペイン一人旅を始めました。確かにいろんな国に行くと想像を絶することばかりでした。他国の文化、生活、思考、本で知識として理解していてもホンマモンを目のあたりにすると知識なんぞは何の役にもたちません。おいら今でも若い人達には旅を勧めます...生身でぶち当たってこその人生です。スマホでこちょこちょ器用に過ごしてる時間が実にもったいないのでございます。

評論家であることよりも実践者であれ!この世に生まれたからには、どんな小さなことでも良いから何か生み出さないといかんですばい。

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ひとはみな旅人

2021/08/30
【第1522回】

アフガニスタンが大変なことになっている。何度繰り返しているのだろうか...ベトナム然り、イラク、そしてアフガニスタン、世界の警察官アメリカの力(武力)による支配が無力であることをまたも思い知らされた次第だ。真の平和は2019年12月に亡くなった中村哲さんの地道な活動などからしか得られない。アフガニスタンにアメリカ軍が駐留した際、哲さんは今ある姿を予想していたに違いない。武器を差し出すのではなく、いまある現状に自ら身体を張って現地の人達と一緒になって汗を流しながら灌漑用水を作り、貧困に喘ぐ地域に診療所を設け自ら診療にあたった哲さんの信念「誰もそこへ行かぬから我々がゆく。誰もしないから我々がする」が真っ当ではなかろうか...

 

「信頼」は一朝にして築かれるものではない。利害を超え、忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人々の心に触れる。それは武力以上に強固な安全を提供してくれ、人々を動かすことが出来る。私たちにとって、平和とは理念ではなく現実の力なのだ。私たちはいとも安易に戦争と平和を語りすぎる。武力行使によって守られるものとは何か、そして本当に守るべきものとは何か、静かにおもいをいたすべきかと思われる。

 

哲さんの言葉には説得力がある。そして哲さんが現地の人達と一緒に創りあげた心の結晶、思いが一隅の灯りとして、静かにコツコツと積み上げられることを願う。

 

おいらのデスクには友人である書家・井上龍一郎さんのカレンダーが置かれている。今年は中村哲医師のことばが書かれている。7月8月の書は「御託はもう結構 ただ実行あるのみ」

続いて「どこまで行くのかと尋ねられた 啠 行けるところまでと答えた」「せめて自分たちだけでも日本の良心の証となろうと願っている」

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暑いニャン

2021/08/27
【第1521回】

昨日、風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」初めての通し稽古に行って来ました。

前回顔を出して以来の稽古場だったのだが、さすが杜夫ちゃん見事な1時間半でございました。あんなに沢山の歌に台詞、どうやったらあんなに上手く出来るんでしょうかね?いや、彼だからこその芸だとつくづく思い知らされた次第です。先ずは自分が楽しんで居る姿がすなわちお客に楽しんで貰うことだと言うことを把握してるんですね。でも、このわかりきったことも腕がなければ唯のマスターべーションに陥ってしまう現場を過去に何度も目撃してきました。この芸の回路を何の抵抗もなく違和感なく心地よく通過させていく者は生まれ持っての才能以外には考えられません。この世界ばかりは、いくら努力しても埒が明かないことが多々あります...おいらも長くこの世界に携わっているけれど残念ながら向いていないなと思う人も随分と居ました。でも、正直言ってやめろなんて簡単に口出しできないんですね。だって、好きなことはやめられないし、好きなことに夢中になれるなんてことは素晴らしいことですから...この混迷した時代に、熱中すること自体が冷ややかな視線に晒されてる現実があります。一度きりの人生なのに寂しい気がします。挫折しても結構です、無我夢中になった体験は必ずや人生に活かされることは間違いありません...

稽古場を後にして稽古場から両国駅まで歩いていたら九重部屋がありました。玄関前には今は亡き昭和最後の大横綱千代の富士の胸像がありました。現役時代はウルフの愛称で小兵ながら上手投げと速攻相撲でおいらも好きな関取でした。あの時代に比べて今の相撲界随分と変わったもんでございます。強いのはわかるのだが、土俵上の態度に品がないのがよろしくありません。時代のせいにするのは簡単だが、やはり品格、清々しさはどの世界も同じだと思いますがね。

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出を待つ千代の富士

2021/08/25
【第1520回】

依然として収束の見込みがない中、パラリンピックも開幕しちゃいました...障害がある人達の競技は、おいらとしては先のオリンピックより意義深いとは思いますが、何せ毎日入院もできず自宅で亡くなっている人が居る現状の中ではやはり異常だと思います。昨日のセレモニーも単純に楽しめない気分で途中観るのを止めちゃいました。オリンピックと同様、出し物が稚拙でありセンスのかけらすら感じられない演出でもありました...日本のアートのレベルを問われかねないお金の無駄遣いであったと思います。そんなお金、この非常事態のなかコロナで困窮しているところにまわして欲しいと感じた人が多くいたのでは...

そういう訳で、昨日は野球を観ちゃいました。なんと最下位争いをしているライオンズでございます。なにが悪いのか?勿論、いい選手があっての戦いだとは思いますが、やはり監督の采配とコーチのアドバイスの良し悪しが勝利の方程式かな...この方程式が今年のライオンズには欠けています。昨日は勝っていたのに、過去に何度も失敗している投手を起用して案の定逆転されちゃいました。何度同じ間違いするんじゃボケ!とおいらも腹立たしく思ったのですが、最終回若手の活躍でなんとか引き分けに持ち込みました。今年のライオンズ、優勝は無理なので若手の活躍が唯一の楽しみです。特に育成から這い上がり活躍する選手には拍手を送りたい...それにしても日本ハムから巨人に移籍した選手、暴力事件を犯しながら9日の謹慎期間のみで早速プレーするなんて、思わず空白の一日なんて無茶なことして巨人に不法入団した昔の江川事件を思い出しちゃいました。未だに球界のドンのやることには何も言えないんでございますね...どこの世界も同じ穴のムジナってことかな。

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ウワサの新宿3D巨大猫

2021/08/23
【第1519回】

昨日の20時に早くも横浜市長選の当確が決まりました。まあ、良識のある人たちの妥当な判断ではあったと思います。連日4000人から5000人のコロナ感染者が出ているのに何ら手を打たない現実を知れば少々反応が遅い人でも危機感を持ちますよね。コロナ感染による自宅待機なんて戦々恐々、うっすらと死が頭に浮かび、日が経つにつれネガティブになっていくのが想像できます。この非常時にリーダー不在のこの国の不幸が際立ってきています。先ずは言葉ありきだと思います。言葉の翼に説得力、力強さ、想像力が抜け落ちていると言葉は大きく広く羽ばたいていきまっせん。昨今、SNS全盛時代、誰しもが気軽に言葉を発し好き勝手に巷に氾濫しまくってる言葉。言葉は疲弊しイージーになり下品なやり取りに終始する場をよく目にします。言葉の使い方ひとつで人は目覚め生き方を変える武器にもなるし、その逆、尊い命までをも奪いかねません。「沈黙は金」なんて言葉がありますが、黙っていた方が説得力あるなんてことは、豊かなきらりと光る言葉を有してる人が沈黙した時に有効性があるってもんじゃないでしょうか...

おいらが大好きな詩人、茨木のり子さんの詩

 

言葉が多すぎる

というより

言葉らしきものが多すぎる

というより

言葉と言えるほどのものが無い

 

そうなんですね。心底からふかい喜悦をもたらしてくれる言葉、渇いた心を芯から潤わしてくれる言葉に出逢うことがめっきり少なくなってきたんですね...

寂しい時代になったもんでございます。

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「花束を持っている少年」新宿東口

2021/08/20
【第1518回】

新宿の街でロマンスグレーの60代半ばの紳士が花を抱えて歩いていました。様になっているというか、なかなか日本社会では見かけない風景です。誰のために買ったのか?それとも自分の部屋に飾るため?どちらにしても花を愛でるその心意気、いや男気、艶っぽさについつい見とれてしまいました。そういえばおいらが昔住んでたスペインでは、普段は朝からワインを飲みだらしない男が、なぜか花を手にすると背筋が伸び、きりりとした伊達男に変貌する姿をよく見かけました...おいらも花を手にする姿がとっても似合う紳士になりたいと改めて思った次第です。

今や、男のくせに女のくせにの言葉は死語です。男女を問わず、誰しもが認める心身含めてエレガントな姿、生き方を目指したいものです。どんな人生を生きてきたかは、その言葉遣い、仕草、表情にすべて表れてくるので恐ろしゅうございます。まさしくその人の姿、形は履歴書でございます。履歴書を背負って街中を歩いてると思ってくださいな...

まだまだ収束しそうもないコロナ、この週末も己の身は己で守るしかない現実をしかと自覚して過ごすしかないですね。

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野に咲くゼフィランサス

2021/08/18
【第1517回】

久しぶりに青空を見させていただきました。雲の間に拡がる青空を見るだけで、何だかほっとし今日も生きられるなんて思う気がしてしまいます。人間なんて身近にある幸せを当たり前のように享受してるのだが、自然が織りなす気候の微妙な変化でその有難みを改めて気づかさせてくれてるんですね...

小池真理子さんの新作「神よ憐れみたまえ」570ページの長編一気に読んじゃいました。10年かけて書き上げたこの作品、作者の人生観が見事に織り込まれている。主人公は決して普通の人ではないのだが、主人公を取り巻くひとたちとの出会い、別れを通して普遍的な人生の形が浮かび上がってくる展開が見事だ。ミステリー小説と思わせながら登場人物ひとりひとりのキャラクターに魅了されていく人間ドラマ。

2020年1月に最愛の夫であり同じ直木賞作家である藤田宜永さんを亡くし、その悲しみの中で書き上げたこの作品は夫へのレクイエムともいえる作品。生と死、そして老い、夫婦で長年住んでいた軽井沢での二人で過ごした日々も含めて作者渾身の作ではなかろうか。

この作品、多分映像化されるのは間違いないと思うのだが正直言って勘弁してほしいな。未だに小説を凌駕する映像作品は「砂の器」(原作・松本清張、監督・野村芳太郎)以外、おいらのなかでは見当たりません。言葉が持つチカラを改めて考えさせてくれる文学に出会ったときの喜びはそりゃ天にも昇る心地でございます。

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久し振りの青空

2021/08/16
【第1516回】

いやいやよく降りました雨、雨、雨...コロナ感染には人出を減らす恵みの雨にはなったけど、全国各地に甚大な被害をもたらしてしまいました。何十年度に一度なんて言葉は死語になるくらい毎年恒例の災害になっちゃいました。環境破壊がもたらす要因はわかるにしても、ここもきちんと手を打たないと人災と言われても仕方ないかもしれません。お盆の時期にこれだけ降り続けるのも珍しいことではなかろうか...戦地で虚しく散っていった人たちが「あんたら少しは俺たちの無念さを考えておくんなさいな」叩きつけるような雨音が、そう聞こえる8月15日でもありました。満州の地で敗戦と同時に真っ先に逃げていった日本の上級軍人、残された平民は悲惨な境遇に晒され棄民にならざるを得なかった状況は、今まさにコロナに感染し自宅療養せざるを得ない人達に通じるものがある。自宅療養なんて言葉もおかしくありません?療養を受ける術もないんですから...面倒みきれませんからと棄てられたコロナ棄民といっても過言ではないと思います。

週明けの今日の新宿は雨もほどほどなんですが街ゆく人の表情は何となく疲れた感じがします。そりゃそうだ、流れてくる情報は水害とコロナいい加減心が萎えちゃいます。ここはぱっと気晴らしに外に出て一杯引っ掛けながら憂さ晴らしと言いたいところだが酒禁止なんですから家で飲むしかありません。酒はただ飲めばいいってもんではございません。主は、人とのコミュニケーションであって、酒はその手助けの従でしかありません。家での酒はついつい飲み過ぎ身体を壊してしまう危険性を孕んでいるのでご用心。

ぼやいていてもしょうがなか...なんとかいつもの日常を取り戻す流れをつくらんといきませんばい。

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今日も走る新宿タイガー

2021/08/13
【第1515回】

風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」いよいよ稽古が始まりました...でも状況は非常に厳しいですよね。連日5000人近くのコロナ感染者が出ている中、稽古も厳戒態勢の中でやるしかありません。PCR検査に、マスク、検温、消毒、換気などなど、やれることはなんでもやっています。幸いにして昨年からトムの周辺からは感染者も出ず何とか公演を継続できているので、今回も上演出来ることを信じてやるしかありません。

稽古初日から風間さん気合い十分です。本番並みの本読み初日でございました。今年72歳、髪もふさふさ、顔の色艶も良く、まさしく絶好調といった感じです。今年も今回の芝居で3本目、役者風間杜夫の表現力に深みが増し見応えがあるひとり芝居になると思います。

それにしても、この感染状況の中、国会も開かずなんの手も打てない為政者ってなんなんでしょうかね...東京のコロナに感染して自宅で療養している人がなんと2万人、入院したくても出来ないんですから、これは非常いや異常事態ですよ。昨日の東京の入院者がたった一人、都知事もなんとかせんかい!もうここまで来れば自己防衛しかありませんね。

昨日から雨が降り出し、ここしばらく続くらしい...この雨が人出の減少に繋がり恵みの雨になることを願いたいものです。

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稽古初日のスカイツリー

2021/08/10
【第1514回】

やれやれ、オリンピックも終え、又もや猛暑の東京の週明けでございます。ぼったくり男爵ほっとしたんでしょうかね、銀ブラを楽しみ街行く人と写真に応じたとのこと。気楽なもんですな...オリンピックの間にあっという間に感染者が増えた東京、身の回りにも自宅療養で高熱に苦しんでいる人が居ます。アスリートの人は本当に良くプレーしたし、彼らを責める人は誰もいないと思います。IOC貴族、これを承認した為政者なんとか言わんかい!いやなんとか手を打たんかい!オリンピックと感染者の増加は関係ないなんてしらじらとのたまうあなたたちはどこまでも上目線ですな...ほんま呆れてしまいますわ。

8月9日の長崎原爆の日に被爆者代表として語られた92歳の岡信子さんの言葉は胸を打つものがありました。当時16歳、日本赤十字の看護学生であった岡さんが目の前で見た地獄の惨状をしっかりと言葉にする姿は、どんな優れた学者よりも原爆の恐ろしさを伝えるまさしく肉声でありました。体験からきた言葉に適うものはありません...原爆の脅威を知らない人たちには是非とも聴いて感じてもらいたいものです。武力を優先する核保有国のトップにもと言いたいところだが、彼らは武器商人の先棒を担ぐ輩なんで見て見ぬふりをするでしょうね...それにしても、こんな当たり前で理不尽なことすら世界で共有出来ないなんてニンゲンアホですな!

そのアホなニンゲンにならないためにも、自分磨きゴシゴシやらんといかんですばい...

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窓ガラスに映る夕日

2021/08/06
【第1513回】

76年前の今日8時15分に忌まわしい出来事がありました...おいらもこの時間に、原爆で亡くなった人達に哀悼の気持を込めて黙祷しました。先日も画家丸木位里夫妻の「原爆の図」を見たのだが、一瞬にして地獄絵の世界に晒された人たちの苦しみはいかばかりかと...眼球は飛び出し、肉は焼けただれ、水を求めて川に飛び込む人達。この惨状を唯一体験せざるを得なかった国なのに、今年国連で発効された核兵器禁止条約に日本が加盟してない事実、そして今回のオリンピックのさなかに黙祷の提案すらできないこの国の為政者の不誠実には怒りを通り越しあきれ果てております。

最初は東日本大震災復興のためのオリンピック、次がコロナウイルスを乗り越えるためのオリンピック、立派なお題目ばかり立ててなんら努力もせずただ時が過ぎていく日々。はっきり言って、この国の姿に明るい未来を感じることはありません...と、おいらは残り少ない人生だから良しとしても、子供の屈託のない笑顔を見るにつけなんとかせんばいかんですばい!とも思います。日々の安逸な生活もいいけれど少しは意識のフィールドを拡げてみると、生きてることの楽しみが増えてくると同時に、人として生まれてきたことへの責任と義務の大切さを思い知らされるはずです。

8月9日は長崎に2発目の原子爆弾が落とされた日です。午前11時02分、多くの人達が今ある平和に感謝し、未来永劫二度と戦争を起こさないことを誓い黙祷することを願います。先ずはすぐにもできることから始めるしかありません...

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一服の清涼花

2021/08/04
【第1512回】

みーん♪みーん♪みーん♪今日も朝からセミが元気よく鳴いております。改めて今は夏の真っ盛りであることを思い知らされます。このセミ君、雨が降る前にピタリと一斉に鳴くのを中止します...なんでもこのセミ君、雨が降る前からもうすぐ雨が降ることがわかっているんですね。蒸し暑くなったり、生暖かい風が吹いたり、セミはさらに正確に雨を予測しています。だってセミは雨が嫌いなんです、先ず外敵にあっても飛ぶことが出来ず身の安全が保障されません。木にしがみついたり凹みに身を隠し雨が止むのをひたすら待つしかありません。雨で羽が濡れるだけではなく変温動物であるため体温の調整ができないんですね。

子孫を残すために相手を探すために命を懸けて泣き続けるオスセミ君の何とけなげなことか...そして今日も、命尽きお腹を曝け出してるセミ君の姿を見て、お疲れさまの声を掛けてあげました。

長くて10年土の中にいて、地上で7日の命なんて悲しくありません。長雨が続き一度も鳴くことなく果てるセミ君だっているかもしれません。猛暑でたまらんなんて言う人が居るかもしれませんが、どうかセミ君のためにも晴れの日が少しでも続いておくれなんて気にもなってしまいます。7日の命と決められたらおいらはどうするかな?なんて考えちゃいますが、ここは一日一生の気持ちで日々を悔いなく生き切ればいいんじゃないかしら...

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夏の風物詩

2021/08/02
【第1511回】

今週もコロナとオリンピックで8月の幕が開きました...先週の金曜日、久しぶりに芝居を観てきました。日々3000人を超す感染者が出る中での芝居、やる側も観る側もきついものがありますね。しかも30人ほどしか入らない小劇場、新宿三丁目にある雑遊というホールです。居酒屋さんを経営しながらも芝居をこよなく愛するオーナーが若き演劇人を応援するために提供した夢場所です。今回観た芝居は別役実作「受付」演出は唐組の久保井研さん。男と女の二人芝居でしたがなかなか見応えがありました。別役さんと言えば不条理劇の代名詞みたいに言われてますが、今回の芝居、久保井さんの演出力によりとても分かりやすく面白く仕上げられていました。言葉を頭で考えず、日常のありのままに形に置き換えたものを役者の身体にストンと落とし込んだことが成功の秘訣だったのではと思っています。

おいらは唐十郎さんの芝居が好きで、状況劇場、唐組と半世紀ばかり観てきてはいますが、最近の唐組の演出をしている久保井さんのチカラにより今までとは違った唐さんの魅力を引き出していると思います。観客を見知らぬ世界に誘い込み、猥雑とロマンとポエムで狂乱の際まで追い込み感動の極地まで持って行く唐ワールド...久保井さんの演出はその絡み合いもつれた世界の糸をほどく作業を丁寧にしてる気がします。嘗ての世代とは異なる若い役者には適格な指導演出ではなかろうか。

この「受付」を企画した石渡紫晶さんにも拍手です。いくつになっても、やりたいものをやらねばと実行に移す心意気と志、これを持ち続けてる人は幸せであると同時に、生きてる人間としてキラキラもんですばい!

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相思相愛

2021/07/30
【第1510回】

5月の連休の時、近所の花屋さんで何気に買った野菜さんたちの収穫期を迎えました。最初のきっかけはキャベツを買ったところ可愛い花を咲かせたので、こりゃいいやとばかり鑑賞用にと考えていたところなんとたわわな実をプレゼントしてくれました。

考えて見りゃ、コロナ、災害などなど何だか地球存亡の危機に瀕してる昨今、もはや自給自足の態勢に備えなければなんて考えてしまいます。人にも逢えない、飲みにも行けない巣ごもり状態では、新たな楽しみを見つけるのもひとつの方策です。日々成長する姿を見るにつけ何だか励まされてる感じさえいたします。ただの水やりで逞しくのびのびと育っていく過程にあらためて生命力の凄みをみせつけられます。又、都会のアスファルトジャングルを突き抜けて生えてくる雑草を見る度に人間のひ弱さを感じ、少々のことで弱音を吐いてる場合じゃござんせんとついつい敬意を表して雑草に頭を下げてしまいます。

無農薬で育った野菜ちゃん達の味は極上でした。ましてや我が家で育った我が子であり喜びもひとしお感謝の気持ちで一杯でございます。この何気ない方策が思いもかけない豊作と繋がりめでたしめでたし!

さていよいよ大変になった首都東京、誰も守ってくれない週末、これまで以上に気をつけて過ごさねばと思っとります。それにしても昨日食べたキュウリ何処の店のものより美味かったですばい...

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収穫祭

2021/07/28
【第1509回】

あちゃ...3000人超えました。オリンピックの日本選手金メダルラッシュで連日メディアは盛り上げています。日々しつこいくらいコロナ情報を流し、徹底討論をし続けた局も視聴率を考えるとオリンピックに傾きますわ。オリンピックで盛り上げて片や相変わらずの自粛の呼びかけ。どう考えても矛盾してることは素人でも分かりますがな。若者は緊急事態宣言慣れして、もうお上の意見なんぞに耳を傾けません。路上で集まって試合観戦しながらアルコールで勝利の乾杯をしています。なのに、この緊急事態に国会を開かずトップは「人の流れが抑えられている...」なんて能天気な発言するし、都知事のおばちゃんはいつも人ごとのような会見、あんたら1年8カ月なにやっとったんや!もう、怒る気もしませんがな。

こちらも9月、10月、11月と3本の芝居を予定しています。去年の悪夢のような体験をしている身にとって又してもなんて思いが過ります。芝居屋ばかりじゃございません、コロナで苦しめられ続けた人たちにとってこれ以上の困難を負わせないでと言いたい。

堪忍袋の緒が切れた!とアホな人たちにドスを突きつけたいくらいだが、ここは来るべき選挙でこの国のシステムを変えるしかないんだが、いつものように半分ちょいの投票率では多くは望めませんな...もうこれが最後のチャンスでございますよ!

この季節の夕焼けを眺めていると何かが起きそうな予感がします...自然も様々な景色を見せながら変革を促しているように見えるんですが...どうか感じてくださいな。

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高井戸駅ホームにて

2021/07/26
【第1508回】

4連休も終え7月最終週を迎えました...コロナに猛暑のダブルパンチだと、やはり巣ごもりになってきますね。だと、やはりオリンピックテレビ観戦も選択肢のひとつですかね。昨日の阿部一二三、詩さんの柔道は素晴らしかったですね。金メダル瞬間の妹のはしゃぎ方、一方お兄さんの冷静さ、対照的でした。妹さんは可愛かったし、お兄さんの武道家としての処し方は凛として素敵でした。おいらも柔道、空手をやっていたのでよくわかります。武道はスポーツと一線を画すところがあります。武道は生死を掛けた戦いです、負けた相手を前にして喜ぶなんてことは礼を欠きます。礼に始まり礼に終わる、この佇まいは日本の精神が受け継いだ優れた伝統のひとつだと思います。戦いの場である畳を去る時にも、正座し頭を畳にこすりつけて感謝の気持ちを表していました。前日の金メダリスト高藤選手も同じスタイルを貫いていました。

コロナ禍のなかでのオリンピック、東京を含め感染者の数は増え続けています。医療従事者の逼迫した姿を見るにつけ、改めて政治家、知事の無策に腹が立ちます。あんたら喜んでみてる場合じゃないんじゃない!飲食店も必死です、アスリートの活躍ばかり目を奪われてると、今後とんでもないことが待ち受けていることも予測、想像しなければなりませんことよ...

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夏の大宮八幡宮

2021/07/21
【第1507回】

いやいや今日も猛暑でございます。卵を割って道路に置いておけば目玉焼きが出来ちゃいますわ...そんな暑さの中、新宿を長年見続けた責任から今日も新宿の地回りを実施いたしました。オリンピック関係で新宿地区のホームレスの人達の荷物は見事に撤去され、いつものメンバーの姿もありませんでした。

IOCの総会でお偉いさんたちが歯の浮くような美辞麗句を羅列しているのには笑っちゃいました。「世界中が日本国民を称賛する」「若者や子どもたちに夢と希望と感動、勇気を与えてくれると確信している」「復興が進んだ日本の姿を力強く発信する機会になると思う」バカ言ってんじゃないよ!と多くの国民が思っているのによくまあ白々と言えるところがこの人たちの鉄面皮たる所以でございます。

こんな不安を抱える中、昨日は益田ミリさんのことを書きましたが、今日は安西水丸さんを紹介します。7年前に71歳で亡くなるまでイラスト、エッセイ、小説、絵画などたくさんの本を出しています。文壇と遠いところで、淡々と日常に零れ落ちる機微を描く作風は益田ミリさんと共通するところもあります。水丸さんは海外暮らしの経験もあり、そのぶんよりワイルドな感じがします。イラストもペンネームに相応しく流れる水の佇まいの如くサラッとしています。このサラッとがなかなか難しいんですね...いろんな体験、知識、美意識がないと、この境地に達することができません。軽妙洒脱って言葉がありますよね、これも我欲に執着している限り無理でございます。

さて、明日から4連休、そしてオリンピック、じりじりと照り付ける太陽のもと、それこそ一寸先は闇でございますぞ皆の衆。

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今日の新宿東口アルタ前

2021/07/19
【第1506回】

いやいや週明けの今日の暑さは半端じゃありません...新宿の街をちょいと歩いただけで汗が滴り落ちるんで、新宿を網の目のように張り巡らしている地下道に逃げこもうとも思ったんだが、キンキㇻキンの太陽と青空キャンパスに描き出された雲の表情も捨てがたく地上歩行を選択しちゃいました。やっぱり旬の夏を感じてこその日本でございますね...

コロナ、オリンピックなんたらかんたら、なんともすっきりしない日々が続いていますが、こんな時に益田ミリさんの本なんか読むとほっこりとして嫌なことも忘れてしまいますよ。

大阪出身の52歳の女性作家のイラストと文章が実に心に染みるんですね。感動ではなく日々のしみじみとした哀歓がじわりじわりと疲れた神経を程よくマッサージしてくれる感覚かな。街のあちらこちらに見かける怪しいマッサージ屋さんよりも疲れたツボをやんわりとほぐしてくれますよ...あくまで女性の視点から観たエッセイであるのだが、男性のおいらも「そうそう...良くわかる」なんて思っちゃうんですから人間観察においては男も女も関係ありません。彼女の文章に連れ添っているイラストが又いいんだな...シンプルな線で描かれたヘタウマなイラストからも日常の情感が精一杯零れ落ちています。

嫌なことが、腹立つことが多い日々が続いてますが、何卒ほどほどのバランスを維持してくださいませ...血管ブチ切れたら終わりですからね。

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週明けの空

2021/07/16
【第1505回】

今日、関東でも梅雨が明けました...梅雨って何となくジメジメして鬱陶しい季節のイメージがありますが、おいらはそんなに嫌いじゃありません。といって大好きということでもないのですが、あのシトシトと降る雨の感覚は好きです。すべてを水に流すって言葉があるじゃないですか。いらいら、もやもやとした感情をあの雨音と流れに任せて洗い流す感じがいいですね。若い頃、悶々としていた時に大雨に身をさらし一瞬にして気持ちの切り替えができた経験もあります...雨にもいろんな表情があります。ぽつりぽつりと落ちてくる水滴を眺めていることで時間というものを考え直したり、霧雨に自然が織りなすアートを感じたり、梅雨の季節にしか味わえない思索の旅へと誘ってくれる魅力が満載って感じかな。

その梅雨が明け、来週にはオリンピックが始まります。東京のコロナ感染者1300人を超えました。医療関係者が予測していたシナリオ通りでございます。なのにいつものように危機感がない政府、都知事、安心安全をアホみたいに繰り返す映像を観る度に、もう言葉がでませんわ。自粛しろなんて言われても誰も聞きませんがな...マスコミも、もう諦めたのか中止なんぞも言わなくなったどころか、どうやってテレビ観戦を楽しむかなんて報道になってます。そりゃそうだよね、メディアもオリンピック中継で懐が潤うのでございます。

世の中の仕組みしかり、この世は全て表と裏があって、情報にうかうかと乗っかっているとえらい目にあっちゃいますぞ皆の衆。

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梅雨明けの新宿の空

2021/07/14
【第1504回】

コロナ、災害、楽しめないオリンピックなどなど、スッキリ、ハッキリ、まして梅雨空で蒸し蒸しした晴れない気分のなか唯一希望の星になっているのがアメリカ大リーグで話題になっている大谷翔平選手ではなかろうか...今日のオールスター、ワクワクしながら観てました。第一打席ヒット性のセカンドゴロ、投げては先発、三者凡退で抑えました。そしてなんとこの日の試合の勝利投手にまでなりました。この翔平君なにが凄いかというと成績は勿論のことだが、野球を楽しんでる姿が何とも素晴らしい!イチローという偉大な選手も優れたプレーヤーだと思うのだが野球道に邁進する修行僧的な感じがするのに比べて、この翔平君いつもニコニコ、少年の笑顔を大人になっても保ち続けている。やはり笑顔は人を幸せにしてくれる人間最良の表現であることを証明してくれてますね。おいらもどちらかというとアウトロー的な人生を歩んできたせいか、あまり真面目なプロ野球選手というのは魅力に欠けると思っていたのだが、この翔平君の真面目さは世の中の常識を覆すスケールの大きさを感じさせる希有なる真面目さに違いない。グランドに落ちたゴミをさりげなく拾いポケットに入れる姿、自分に不利なことがあっても嫌な顔せず笑顔を絶やさない翔平君。子供の頃からいくつもの目標設定をしていつもチェックしていたそうだ。やはり己に厳しい人は他人に優しいんですね...ようやく前半戦が終わったばかり、どうか怪我せず初の日本人ホームラン王を獲得してくださいね。ショウータイムはまだ始まったばかりです。

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梅雨の晴れ間の狛犬さん

2021/07/12
【第1503回】

今日から4回目の緊急事態宣言が発令されました。新宿の街は相変わらず多くの人が行き交っていますし、通勤電車も普段通りの混み合いです。もう誰も政府の言うことなんか信じてないし、何の緊張感もない週が又も始まったという印象です。こんななか、来週にはオリンピックが開催されますが、ぼったくり男爵の来日、無観客での開催不満、そして見え見えの広島訪問、もうしらけてオリンピックなんてどうでもいい!という人達が随分出てきました。なんとも盛り上がらない大会になっちゃったもんでございます。アスリートのみなさんも複雑な気持ちだと思います。片や、ずれずれの大臣がとんちんかんな発言も飛び出し全くもって呆れたもんでございますね...飲食店も聞く耳を持ちません「このままじゃ潰れてしまうし12日からは平常通り酒も出し営業します」なんて張り切っていました。

すべてがオリンピックありきで進められた結果がこの有様では到底国民は納得できません。オリンピック関係者であろう人物がマスクもしないで新宿の街を歩いていました。大きな声で会話してるので皆避けるようにしていたのだが、実際のところこの外人さんの方が危ないのじゃないかしら?だって、日本人のワクチン接種率はまだまだなんですからね。

おもてなしを宣言したことで、大会関係者をはとバス東京観光コースに連れてってくれるとのこと。修学旅行も運動会も中止してるのにこんな計画理解されるのでしょうかね?

ともあれ、時は暑さと共に確実に進んでいます。行きつくところは所詮、自分の身は自分で守らないかんということですな...コロナに感染しなかった人、そして医療の最前線にいる人こそメダルをあげて欲しいでごわす。

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あんトーストで一服
(西荻窪JUHAにて)

2021/07/09
【第1502回】

昨日、今年10月に公演する東憲司作・演出「にんげん日記」チラシ・ポスターの撮影を行いました。午前中は能嶋三智枝役の賀来千香子さん、トムの芝居には初めての出演です。いや、本当に綺麗な方ですね。若い頃からモデルの仕事もされただけあってスタイルも見事です。人の前に立つことを生業としていることを意識されたプロ中のプロですね。柔らかい物腰からその人柄の良さも十分伝わってきました。三人のベテラン俳優をいかに翻弄していくか稽古場のバトルが今から楽しみです。

午後からは、能嶋桜役の大手忍さん、劇団桟敷童子の女優さんです。可愛い顔した年齢不詳の素敵な方です。東憲司さんの世界を表現していく重要な役を見事にこなし多くのファンを獲得しています。今回も忍さんの魅力全快の役柄なので期待しています。

続いては村井國夫さん、トムの芝居には4回目の出演になります。いつみてもダンディ、トムの芝居では剛と柔を織り交ぜ、作品に様々な彩りを施して頂きました。そして今回トム初登場の小野武彦さん。映像、舞台で小野さんの的確な演技と存在感は皆が納得済みです。最後に高橋長英さん、トムの芝居はなんと6本目、長英さんの飾らない人柄がそのまま舞台にも反映され、まさしくいぶし銀の味ですな。長英さんとは良く酒を飲み、物まね合戦をしてきました。

それにしても、俳優座花の15期である小野、高橋、村井さんが長い芸能の世界で初めての共演となる今回の芝居。しかも三人が大好きな東憲司さんの作・演出ときたもんで、おいらも大いに楽しみにしている芝居でございます。

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神様ハグロトンボ

2021/07/06
【第1501回】

昨日、福岡県小郡市文化会館で「狸の里帰り」の千秋楽を無事に終えることが出来ました。5月21日東京で幕を開けたものの、コロナ禍のなかでの公演は艱難辛苦の連続でした。キャスト、スタッフの努力の賜物だと思っています。そして何よりも、この困難な状況下でありながら劇場に駆けつけてくれたお客様には感謝の気持ちで一杯です。昨日のカーテンコールで柴田理恵さんが言ってました。「俳優なんぞはお客様の前で芝居できなかったら何の存在もありません...こんな時にこそ来ていただいたお客様は一生忘れません。」カーテンコールに並んだ6人の俳優の表情は全ステージをやり終えた達成感と、事故もなく千秋楽を迎えることが出来た安堵感で満ち溢れていました。福岡出身の岡本麗さんの九州弁が笑いを誘っていました。芝居はまたスタッフの力なくしては成しえません。朝早く仕込み、芝居の間は転換、終わればバラシ、休むことなく舞台を支えてくれるスタッフの皆さんがあってこその舞台です。

2021年が始まりこの日まで不安を抱えながら4本の芝居を何とか上演できました。緊急事態宣言で無観客なら許可するなんて理不尽な達示で「Sing a Song」の東京公演はやむなく中止をしましたが、ここまで数多くの公演ができたことは奇跡に近いと思います。コロナで多くのことを学んだのも確かだし、演劇が世の中の大切なピースであることも確認できました。まだまだすべて道半ばですが、芝居を観たいという人がいる限り演劇が滅びることはないということを確信した半年でもありました。

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野に咲く花

2021/06/30
【第1500回】

昨日、「Sing a Song」のラストステージを神奈川県相模原演劇鑑賞会主催の公演に行ってきました。4月の稽古から3カ月、なんとか千秋楽を迎えることが出来たことに感無量。緊急事態宣言下のなかでの旅公演、スタッフ・キャストの強い意志と結束で乗り越えることが出来ました。そして何度も言いますが演劇を生活の一部としてとらえ呼んでくださった演劇鑑賞会の皆さんには本当に感謝です。こんな時に芝居なんぞやりやがってではなく、こんな時こそ演劇をやることによってコロナの閉塞感を打破していこうとする鑑賞会の方々に意義ある演劇を届けることが出来たことはとても嬉しいです。今回の公演の評判すこぶるよろしいとの報告を受け、当然ながら次なる芝居に向けての励みにもなることは間違いありません。カーテンコールの時に、相模原演劇鑑賞会の皆さんが作ってくれた手作りの「千秋楽おめでとう!」の飾り、プラカード、ラストステージを大いに盛り上げてくれました。

この3カ月、おいらも含めて関係者すべて安眠できる日はなかったのではなかろうか...誰か一人でもコロナ感染者が出ればその場で芝居は中止になってしまうのだから、まさしく戦々恐々たる日々であったに違いない。電話が鳴るとドキッ、メールを開く時にもハラハラ、こんな体験、これまでの人生でもそう体験できることではありません。いや、こんなこと体験したくありませんです...なのにオリンピック開催で又再びなんてことになっちゃう不安が残されています。開幕まで、あと24日だというのに未だてんやわんやしとります...どこが安心安全や!差別じゃないけれどこの時期、海外から来た人たちが都内ぶらぶらしたり飲食したりする姿に接近するのはやはり躊躇しまいますがな。中止という選択はどこにいったやら?

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新宿新南口

2021/06/28
【第1499回】

昨日、「Sing a Song」富山演劇鑑賞会の公演無事終えキャスト・スタッフの皆さん東京に戻ってきました。4月27日の愛知県豊橋演劇鑑賞会で初日を迎え、途中、緊急事態宣言が発令され東京公演は残念ながら中止になりましたが何とかやり切りました、明日、神奈川県相模原演劇鑑賞会がラストステージになります。今回の旅公演、毎日ドキドキハラハラの日々でした。まるでコロナの戦いに細心の注意を払いながら挑む戦士のようでもありました。各地の演劇鑑賞会の人たちの懸命な姿も本当に感謝しかありません。こんな状況の中でこそ伝えることが出来る演劇のチカラ改めて再認識した次第です。演劇の神様がちゃんと見守ってくれたんですね!それは、間違いなく演劇がこの世界に必要だからこそだと思います。

コロナちゃんのせいで、人と会う機会がめっきり少なくなってきたというより会わないのが当たり前の日常になってきました。おいらはあまり過去に拘りを持たない主義で生きてきましたが、さすがに人の出会いが少なくなってくると、最近彼岸に旅立った友を想いだしてしまいます。アングラ芝居時代の同志、島、田島、伊深、皆コロナ騒ぎを経験せず逝っちゃいました。酒が大好きだった田島くんなんぞは「ざまぁみろ...こちらはコロナなんかは関係ねえから朝から飲んでるぜ!」なんて声が聞こえてきます。そして、酒が入れば陽気になり過ぎ、最後は道路にへたり込み、おいらも痛い目にあった日々が懐かしゅうございます。早く、気にせず飲める日が来ればと思うのだが、おそらくオリンピックのお陰でこれも儘ならない気がしてなりません...今日もほろ酔い加減の田島くん、おいらはまだそっちには行きませんことよ。

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梅雨に咲くバラ

2021/06/25
【第1498回】

今日の東京は梅雨の晴れ間、新宿の街を歩いているとジワリ汗ばんできます。今日もいつものように定番の位置にいるホームレスのおじさんがうつろな目でおいらを見つめていました。かれこれ1年になりますかね...最初はまだ眼付も力があったのですが、日毎に諦めの境地の視線に変化するのが手に取るように分かります。まあいろいろ事情はあるとは思いますが、ここはひとつ再スタートする気持ちになってもらいたいなと願います。生きているんだから、人のため世のためによしゃ!と踏み出さんかい...同じ人間として生まれながら自らのチカラではどうすることもできない人たちが世界にワンサカ居る中、この国は己の気持ち次第でいかようにもできる可能性がまだ残されているんだから実にもったいない...

東京のコロナ感染者、又じわりと増え始めています。オリンピックが開催されれば一番怖い街が東京になりそうです。入国管理の甘さ、相変わらずの有事の際に対するシュミレーションのなさ、科学的な根拠も示さずやみくもにオリンピック開催に突き進む姿は、あの第二次大戦に竹槍で敵に突っ込んでいく姿を彷彿とさせてしまいます。でも悲しいかな