2025/06/20
【第2050回】
昨日、久しぶりに日本映画を観てきました。上方歌舞伎の世界を描いた吉田修一原作、李相日監督の「国宝」。3時間という長丁場でしたが飽きませんでした。吉沢亮、横浜流星という今をときめく若手スターが1年半歌舞伎の所作を含め古典の世界にのめり込んだ成果が出てたと思います。ましてや女形という、表現も含め身体的な能力が試される数々のシーンを見事に演じていました。そりゃ本職の方々と比べれば、なんだかんだと細かいところも含めて言われてしまいますが、これはあくまで映画という手法を借りたフィクションですから。女形の長老を演じた田中泯さんさすがですね。この方の舞踏、半世紀前から観ていました。床に転がり全裸でユニークな踊り、さすがにおちんちんにはガーゼ巻いてましたね、猥褻罪で逮捕されますから。人生後半からいきなり俳優デビューを飾り一目置かれる役者としてあっちこっちで引っ張りだこ。今回の所作も何となく舞踏っぽいところがなんともおかしかった。あと寺島しのぶさんの演技が演技に見えなかった。実際、梨園の世界で女性として生まれ育ってきた彼女の表情一つ一つが、梨園の裏社会に対する理不尽な怒りに見えた。ここだけが何となくノンフィクションなのが面白い。
やはり映画はよかですばい。しかし莫大なお金がかかる...今、おいらの原作である「エル・スール」も武正晴監督の下、いろんな方々が映画化に向けて動いてくれています。昭和30年前後の博多の街と西鉄ライオンズ、でっかいスクリーンで観たかですばい。
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