トムプロジェクト

2025/06/03
【第2042回】

先週の金曜日には、新宿中落合にあるシアター風姿花伝でシェイクスピア戯曲による「悪い仲間」を観劇、戦争をとことん嫌っていたシェイクスピアが喜劇的な登場人物を通じて今尚止むことのない不条理極まりない戦争の時空間に身を委ねたらどうなるか?8人の役者が複数にわたる役を演じ、狭い空間で様々な趣向を凝らしながら演じていました。表現の幅は無限でありながらもどこを上手く抽出するかによって観る側の評価も大きく分かれます。今回の芝居が刺激的な舞台に映った人、しっくりこなかった人、いずれにしてもそこが演劇の面白いところかもしれませんね。この芝居で大学時代の同級生でもある小田豊が出演していました。学生時代から演劇を志し、全盛時代の早稲田小劇場に所属し現在まで81歳とは思えない役者ぶり、大変なことも沢山あったとは思うのだが今尚好きな芝居やってるんだから幸せもんですたい。

日曜日には吉祥寺シアターで劇団チョコレートケーキ「ガマ」を観劇。この作品は劇団が2022年に初演した芝居です。この年、日本の戦争に焦点を当てた5作品と新作「ガマ」を加えた6作品の連作[生き残った子孫たちへ 戦争六篇]を東京芸術劇場シアターイーストウエストにて上演し第30回読売演劇大賞を受賞しました。この劇団は一貫して日本が戦争に傾いていった要因を徹底的に追求し芝居にしてきました。戦争を知らない世代がここまで拘ることに対して先ずは敬意を表したい。確かに今回の芝居にしても、沖縄戦真っただ中、洞穴の中での息詰まるシーンの連続に違いないのだが、この場から目を逸らした瞬間から権力者の罠に嵌り戦禍は拡大していくに違いない。この芝居に出演していた大和田獏さんの演技が秀逸でした...獏さん役者として、今一番脂が乗っているんじゃないかしら。

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子ガモ生まれるといいなぁ

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