トムプロジェクト

2019/03/22
【第1201回】

「黄色い叫び」20日に幕を開け今日が3日目です...若い人たちが真剣に舞台に向き合う姿がいいですね。おいらも遙か昔、ぶきっちょな身体をさらけ出し、あーでもないこーでもないと悪戦苦闘した日々を想い出します。芝居という麻薬に取り憑かれ青春を捧げた思いと時間、ものになるならないを超越して貴重な体験でございました。おいらなんかがやれなかったことを、ひょいと飛び越え簡単にクリアしていく若き演技者にただただ感心するばかり。震災がテーマだけにいい加減な芝居できないという覚悟に、なんとなくひりひりしてしまいます。芝居観た人の感想にこんな言葉がありました。「日本のおエライさんを招待して無理やりにでも見せた方がいい。見せても分かんないかもですが。」その通りですな!被災地の現状、被災者の気持ち、日本の天災に関する事前予防などなど、芝居の中で問題提起してはいるのですが今の政治、行政の中ではなんだか鈍感にしか感じていないような気がしてなりません。そして期待しても無駄なような気がしてならないのが現状。要するに個々人が意識改革をして己自身で身を守るしかないと言うこと...またまたチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られないようにいたしましょうね皆の衆。

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桜開花

2019/03/18
【第1200回】

先週の週末もバタバタしてました...土曜、日曜は今年の夏の公演する「A列車に乗っていこう」のチラシポスターに向けての撮影。今回、トムの芝居初登場の石田ひかりさん、今春高校を卒業し大学に進学した松風理咲さん。この二人が北村想さんのシュールで幻想的な世界を演じてくれます。いやいや、手強い戯曲です。想さんとは1997年に、戸川純ひとり芝居「マリィヴォロン」を依頼してから22年振りの新作です。今でも戸川純さんの魅惑的なステージが目に浮かぶくらいの素敵な作品でした。この人以外にこの作品は書けないなんてものを持ってる作家はそうそういるもんじゃございません。今回の作品を渡されたときも、正直言ってキャスティング迷っちゃいました。この世界を演じる女優さんは果たしているんだろうか?いろいろと熟考したうえでの二人です。今からわくわくしちゃいます。

撮影が終わった後、西荻窪にあるロマンスミュージックカフェ・JUHA(ユハ)に行きました。ここもおいらが愛するjazz喫茶のひとつです。お店の拘り、センスなどに満ち溢れた空間に居るだけで幸せになっちゃいます。だって若い頃考えていたことは、おいらがこの歳になったときは、jazzを聴きながら昼は珈琲、夜は酒なんて飲みながらの店をやろうなんて思ってたもんだから、こんな店についつい足が向いちゃうんですね。アナログのレコードを聴きながらもの思いに耽ったり読書したり、なんと贅沢な時間でしょう。ここのトーストに粒あんのあんこがのっかってるのは、今は無き下北沢のjazz喫茶「マサコ」の名物メニューの継承。昔バイトしていた人達が夢の空間を再び立ち上げていく姿においらも応援したくなります。音と空間を味あえるお店探しも楽しいものでございます。

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JUHAの人気メニュー

2019/03/15
【第1199回】

昨日、来週20日から上演する「黄色い叫び」の通し稽古を観に行きました...この芝居2011年に起きた東日本大震災の年に上演した作品です。トラッシュマスターズの主宰者である中津留章仁が、稽古中であった作品を書き改めて、果敢に攻めの姿勢で震災に向き合った画期的な作品です。あの震災を前にして、ほとんどの人が茫然自失の状態に陥ったのは確かです...芝居なんて、この大惨事の前ではクソの役にもたたないじゃないか?芝居だけではなく、表現そのものが絵空事にしか見えないくらい自然が繰り出す強烈なパンチでございました...こんな時に中津留章仁は、この作品も含め2011年に震災に関する作品を2本書き上げ公演したんですから大した男です。この事だけで世界の演劇史に名を残してもおかしくないと思います。表現者は何時如何なるときでも、時代に対峙しなければならないと思います。震災後も日本のみならず世界各地で数々の災害が頻繁に起きてます。この作品は、まさにその後の世界情勢を予見させる物語であり、人の在り方を地方の青年団という設定で描いたものだと思います。

ところで、4度目の今回の芝居の仕上がり具合は?昨日観た範囲では、又新しいドラマが進行してるなと言う感想かな...トム・プロジェクトでは珍しい10人の群像劇。皆、中津留君の厳しいダメ出しを浴びながらいい汗かいていました。若者が真摯に芝居に向き合ってる姿、おいら好きです。しらけないで、内向しないで、ましてや人騙しなんかの稼業に足踏み入れないで、いい汗かいておくんなせい!と若者に言いたいのでございます。

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稽古場に行く途中

2019/03/13
【第1198回】

来ました待ってました?...杉並区の職員を名乗り、過去5年分の医療費の還付金がもらえるので手続きをして欲しいとの電話。おいらもこんな話は千載一隅のチャンス?とばかりに年金老人暇人を装い偽職員に真面目に対応していました。この詐欺請負人もなかなかの役者じゃのう...田舎から出てきた素朴な青年を演じていました。半分ボケ風に受け答えしていると、相手もこりゃいけると思ったんでしょうな、銀行口座の話をしだしました。ここでおいらも、なんのこっちゃと不安な素振りを見せると、この偽職員、またもや丁寧に説明を始めました。おいらその後は、間を置きながら「はい」を繰り返すのみだったので相手は、こりゃ手ごわい年寄りと感じたのか慌てて電話を切りました。おいらの感想、こりゃ、暇なお年寄りは騙されるなと思いました。事務的ではなく、優し気な語り口で語られると、ついつい聞いちゃいますがな...お年寄りは寂しいんです。若い素朴な青年であればあるほど愛おしくなり、その深い闇に飲み込まれて行ってしまうんですな。それにしても、こんな仕事を請け負い飯のタネにしてるなんて、この青年の心の深い闇はいかほどのものか...想像しただけでもいたたまれない気持ちになってしまいます。なんて考えるおいらは旧い人間でしょうかね?以外と割り切って楽しくやってるのかもしれないのが当世流なのかも...嗚呼おそるべし!当世風流儀に活路を見出す新人類。

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沈丁花

2019/03/11
【第1197回】

8年前と同じ時間、北品川で芝居を観劇中に起きた地震を思い出しながら書いています。まさかです...災害が起きる瞬間の前まで、さりげなく日常が続いていたのに...この時期になると、いつものようにメディアが一斉に東日本大震災のことを取り上げます。取り上げないよりはましなんでしょうが、なにせ健忘症大国日本ですから必要不可欠なことでしょう。メルトダウンした核デブリはどうするんでしょうか?核廃棄物は廃村になった地に置いたまま永久に住めない土地になるんでしょうか?再度、地震が起きた時は完全にアウトです。そして、いつまでも消えることのない心の傷。昨日もテレビでやるせない気持ちで訴えていました。二階建ての家で一階部分が全壊した人は最高200万円の保障しかないとのこと。朽ち果てた部屋を見ながら「死んだ方がまし...」と諦め顔。禁止地区が解除になり我が家に帰っても、以前は畑があったところに除染した土の山。窓からの眺めがこれじゃいたたまれない気持ちになってしまいます。来年のくそ暑いオリンピック何ぞ中止にして、これらの人たちを救え!って話だろうにと思いますが...景色ぶち壊しの防波堤、本当に役に立つんだろうか?なんだかこの国の政治、行政の過去の在り方みてると、ゼネコン含め大企業を潤わせるための手立てとしかみえません。そうやって疑いたくなることの連続でしか見れないこの国の貧困なシステム。と、ボヤいていても前には進みません。ここは心ある人たちが、無償の行為で被災地に出向き心のケアをしています。そして、忘れてならないことは、この震災の記憶をいつも留め置き、次なる災難に備える想像力を働かせることが肝心なことだと思います。こんなことを体験していながら、いまだに原発再稼働なんてこと言ってるやつはホンマにアホですな!

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2019年3月11日 穏やかな新宿

2019/03/07
【第1196回】

一昨日、「芸人と兵隊」兵庫県立芸術文化センターでの公演に行ってきました。この劇場は指揮者で有名な佐渡裕芸術監督のもと「劇場はみんなの広場」という言葉を合言葉に素敵な演目を並べ、年間、主催・貸館事業あわせて600公演を実施し、毎年約50万人の観客を集め、我々舞台人にとっても頼りになる劇場です。トムの公演も数多く呼んでいただいています。おいらも久しぶりに芝居観たのだが、この劇場に集まる質の良いお客様にも後押しされ上々の出来でございました。村井さんが冒頭の漫才シーンで飛び上がったり、髙橋洋介が乗りの良い観客についつい台詞が止まったりと、相変わらず生の芝居だからこそ起きるハプニングはありましたが、お客様の終演後の拍手の熱さが十分に芝居の出来を証明していました。

終演後は北新地にある隠れ家的なイタリアレストランでお疲れ会をしました。ワインも上々、料理もとても手が込んだもので、役者の皆さんにはとても喜んでいただいておいらもほっこり。

翌日は、大阪でおいらが一番好きなディープな街新世界に行ってまいりました。大阪からこの地が無くなるときは大阪らしさが消える時だとは思っているのですが、この地も明らかに中国、韓国観光客に占領されつつありますな...じゃんじゃん横丁に数軒あった将棋会館も今では一軒だけ。ちょいと覗いてみましたが坂田三吉らしきおっちゃんは居ませんでした。でも、昔ながらゆったりと一日将棋に興じる姿はほっとしますな...ここ来て串カツ、どて焼き、お好み焼き食べへんかったら、ええ加減にしぃや!と言われること間違いなし...勿論、食べて帰京しましたがな。

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ディープな街

2019/03/04
【第1195回】

先週の週末にはトラッシュマスターズ「オルタリティ」を観劇...この劇団も来年で20周年目を迎えるとのこと。主宰者である中津留章仁君と出会ったのが1998年だから21年になるんだな。感慨深いものがあります。スタジオで勉強してないで演劇界に殴り込みを掛けるくらいの気概で打って出なさい!と中津留君にけしかけたことをよく覚えています。その言葉通りに若き演劇人を代表する劇団、作・演出家になりました。がしかし、この芝居の世界ここからが大変なのであります。一度認知されると、周囲はより以上の成果を求めるし、劇団内でもマンネリにならないようにあらゆる手立てをしながら創作活動に勤しまなければなりません。加齢と共に周辺にも様々な変化がおこり、なかなか事はスムーズには運びません事よ...今回のトラッシュマスターズの公演、今までで一番少ない6名の出演者でした。この日も2時間半の芝居を2ステージこなし飲み会では、さすがにお疲れのようでした。でも、芝居が好きだからやるんです!意地でも自分たちのスタイルの演劇を公演し続けるんです!歳喰ったといっても、まだまだ40歳代じゃございませんか...おいらなんかは40歳前半まではふらふらしてたんですから、人生も演劇もこれからでございますよ。

仕事もプライベートもちょいとした変化で気分が変わります。この気分って奴がネガをポジに変えちゃうんですな。おいらはJAZZが流れる喫茶店で、深煎りの珈琲を飲みながらぼんやりしたり本読んだり過ごすことで、気分のチェンジを図ってます。この日も下北沢の素敵なJAZZ喫茶で囃子ライスと珈琲を頂きました。

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Jazzと喫茶 囃子

2019/03/01
【第1194回】

昨日は第26回読売演劇大賞の授賞式に、投票委員の一人として会場である帝国ホテルに行って来ました...今回の優秀作品賞の中に劇団チョコレートケーキ「遺産」が受賞したことは大変喜ばしいことでありました。いつものように作、演出家、出演者が顔をそろえ宴席に設けられた出前寿司なんぞを飲食する姿が微笑ましい。寝食を忘れ経済的にも決して恵まれない中、芝居に命を注いだ青春を思うと、おいらも何とかしてあげたいと思いますがな。芝居やるなんて親に話したら「そんな河原乞食みたいなもん許せん!」と鬼のような顔をして怒られたもんでございます。ましてや、親がせっせっと働いて大学まで入れてあげたのに、なんで見世物芸人になるんやなんて話です。おいらは子供のころから風来坊ですからそんな経験はありませんがね。普通の家庭のシステムであれば当たり前の話、昨日の受賞者の一人岡本健一さんが話してました。初めて芝居の世界に入った時に周囲の役者が皆キチガイに見えたとのことでした。そして、今回、芸術栄誉賞受賞者である87歳の演出家・木村光一さんも、唯々貧乏の連続でした。演劇に関わる人達がお金持ちになれれば嬉しいな~なんて本音の話をしていました。そんな世界の人達が表彰される会、この世知辛い世の中で26年も続けてる讀賣グループも粋じゃありませんか...あのなんとかツネさんはなんとかなりませんかなとは思っていますがね。

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おめでとう!劇団チョコレートケーキ

2019/02/27
【第1193回】

この国に民意なんてあるのかしら...沖縄で辺野古移設に関しての県民投票が実施され72パーセントの人達が反対と言ってるのに、政府は耳を貸さず辺野古の海に土砂を放り続ける始末。アメリカに対して対等にもの申せない人達に、この国を統治させていいものだろううか?多くの国民がそう思ってるはずなのに、口ごもってしまう日米の防衛問題はすべてアメリカ任せ、敗戦後アメリカがこの国を占領して以来、この構図は変わることがない。今日は米朝の会談、韓国との関係も悪化、ロシアとの北方領土問題も進展なし...一体全体、この国の外交はどうなっとるんじゃ!もしロシアが2島返還に応じたとしても、この基地にアメリカ軍が駐留するなんてことになったらてんやわんやの大騒ぎ。あっちもこっちも八方ふさがりのお手上げ状態が長いこと続いているのに手の打ちようがないニッポン。

そうなんです...この国は選挙しても民意が正確に伝わらない不条理な国と思えば納得がいくのかな?建前の民主主義クソ喰らえ!と言い放ちアナキストになりたい気分ですな。アナキズムなんて言うとテロリストみたいに勘違いされがちなんだが、アナキズムは、語源的にはギリシア語のアナルコス、つまり支配者がいないということばに由来し、権力的支配や国家、政府のような権力機関の存在を極端に嫌い、人間の自由に最高の価値を置く思想として位置づけられているんですよ。今の政治屋さんの集まりで、日毎税金無駄遣いの議会なんぞであれば要らんですバイ!と、愚痴零していてもしよんなかですばい...芝居創って形にして、この国に真の民意を届けねばと思っとります。

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如月の公園

2019/02/25
【第1192回】

「芸人と兵隊」東京公演無事終了しました...土曜日のマチネーの回、芝居が始まるやいなや照明のトラブルで舞台監督が登場し「トラブル発生、申し訳ありません、しばらくお待ちください。」との挨拶がありました。おいらとしては最悪のケースも考え、その後の対応におつむが回転し始めたときに、村井、柴田の夫婦漫才コンビが登場し即興の漫才を始めました。さすがベテランのお二人、この緊急事態にお客の不安を解消するどころか、このピンチをお笑いに変え拍手喝采。この日の観客は、夫婦漫才をプラスワン楽しめて大満足ではなかったかと思います。これが、まさしくライブですね...なにが起こるか分からないのが面白く怖いところです。本番中に役者が倒れ、そのまま救急車に運ばれ亡くなったこともあり、今回みたいに舞台機構の不備により中止になったことも当然あります。生身の人間が織りなす舞台であるからして、いろんなことを予測し想像しながら日々創っているのでございます。

東京公演が終わる間もなく、今日は横浜で公演し3月10日まで地方公演が続きます。何事もないようにと芝居の神さんに祈るのみ。

そして、今日から、3月20日から上演する「黄色い叫び」の稽古が始まります。今日の会社でのミーティング、皆さすがに疲れは見えるのだが元気でありました。こうやって日々演劇に夢中になれることに感謝です...そして、公演を楽しみにしているお客様の顔が見えるからこそのことですな。

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東京芸術劇場前の広場

2019/02/21
【第1191回】

「芸人と兵隊」の休演中に2本の芝居を観てきました...1本目は、こまつ座「イーハトーボの劇列車」井上ひさしさんの名作です。松田龍平の初舞台ということもあって満員の盛況。休憩入れて3時間半の大作。「世界ぜんたいが幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」と述べた宮沢賢治に対する作家の傾倒ぶりが良くわかる作品です。賢治のいろんな作品に登場する人物を配し、いろんな手を駆使しながら飽きさせないように創り上げた作品でした。トムの作品に何本も出演した宇梶剛士さんとってもぴったりの役で存在感ありました。

2本目はシアターコクーンで上演している「唐版 風の又三郎」奇しくも、こちらも宮沢賢治に関わる作品。唐十郎さんの世界、何年たっても何回観ても飽きませんね。溢れ出るポエムを振り絞る熱情を込めて語られると、そこはまさしく幻想の世界...テントで何度感動したことか。今は亡き蜷川幸雄さんが大きな劇場で上演してからも唐十郎がいかに演劇を変革したか、その意義を改めて確認した次第です。今回も宝塚出身の柚希礼音、若手人気俳優の窪田正孝をキャスティングし、リピーターらしき観客で盛り上がっていました。アングラ芝居に無縁であった人たちを劇場に集める功績は大だと思います。ましてや唐ワールド、この芝居観て今なお紅テントで上演し続けている本家唐組の芝居も観て頂戴な!と願いたいですな。この芝居、杜夫ちゃんの菊の御紋をつけながら奮闘しとりました...6月WOWOWで舞台中継放映が決定しているのだが大丈夫かいな?

「芸人と兵隊」は今週24日(日)まで東京芸術劇場シアターウエストで上演中です。日々進化しとります。お見逃し無きように!

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絶賛上演中

2019/02/18
【第1190回】

こだま著「ここは、おしまいの地」読了...作者の故郷の暗い話を諧謔調で綴った文章。なかなか上手いと言うより、故郷に住む人達の行動を客観的に捉えてる視点が面白い。しかもおしまいの地が、文章の中からより鮮明にイメージされてくるのが作家の筆力。こんな恥部さらけ出したくないのが普通の感覚なのだが、このSNS流行の時代出版会社は目を皿のようにして売れそうな作家を捜している昨今、売れると思ったんでしょう...読者の好みも様々、触れたくない、隠したい、そんなことは誰しもが抱えている秘所であり、そこにスポットを当てれば共感するだろうなんてことは当然。この作家の最初のヒット作が「夫のちんぽが入らない」なんですかいな?このタイトル付けるのも勇気があるというのか、人目を惹くのに付けたんじゃないのと勘ぐりたくなりますね。おいらはこの本は未読なんだが、今回の本で大体の予想はつきますな。私小説は誰しもが一作、二作目までは書けるとは思いますが、プロの作家になれるかどうかは私小説から距離を置いたときが勝負だと思います。

「芸人と兵隊」東京のステージも5ステージを終えました。日々、芝居が弾んできましたね。観客の笑いが、ギャグではなく役者の関係性の中から生まれてきてるのが何よりの証拠。芝居は本当に難しいし奥が深いですな...何年やっても闇は深まるばかりでございます。

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東京の梅

2019/02/15
【第1189回】

えらいこっちゃ!忙しすぎて...一昨日なんぞは「萩咲く頃に」の今季最終公演を神奈川県海老名市で、「芸人と兵隊」の東京公演を池袋芸術劇場で初日を迎えました。少数精鋭部隊であるトムの皆々はあちこちを飛び回り大変でございました。芝居は呼ばれてなんぼの世界でございます。需要がなきゃただのマスターベーションに終わってしまいます。一日に異なる芝居を同時にやれる喜びをしみじみと感じております。「芸人と兵隊」東京初日、確かに地方のお客様に比べると、東京の観客の目は厳しいものがございます...なかには、ただただあら捜しを見つけるのが楽しみで来る天の邪鬼も居てござる。まあ、お金払って来て頂いているんだから見方は人それぞれ、こちらがあれこれと言える立場ではございませんが、おいらにしてみれば素直に観ればもっともっと楽しめるのにもったいないという気持ちが正直なところかな...そんな観客の中で演じる役者さんも大変でしょうが、ある面鍛えられますな。今回も村井國夫さん、柴田理恵さんというベテランに混じって若手4人が奮闘しています。あれこれと壁にぶち当たりながら、飯がノドに通らないなんて日々を過ごしながら舞台に立っている姿を見るにつけ、幸せな人達だと思います。だってこの世の中、なんとなく霞がかかった手応えのない現状です。成すべきことが目の前にある喜びをしかと感じながらこれからの舞台楽しんでほしいな若手衆。

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曇天の新宿

2019/02/12
【第1188回】

昨日、「萩咲く頃に」を観に仙台に行って来ました...東京よりも暖かい杜の都でした。仙台演劇鑑賞会の皆さんが呼んでくれた公演です。この芝居は、東日本大震災が起きて3年半後に創られた作品です。あの震災後は、全ての人達が思考停止状態に陥り何事も手に付かなかった記憶があります...そして創られた今回の作品、いつの日か被災地に届けたいという思いが常にありました。被災された人達にどんな形で舞台を捉えて頂けるのだろうか?昨日の舞台は、そんな諸々の思いを抱きながら観劇しました。それは、舞台に立つ役者さんも同じ、まさしく魂が込められた素晴らしい芝居でした。昨日で95ステージになるこの芝居、なんだか新作を観ているような時間でした。終演後の拍手が、この日のステージの質の高さを実証していました。

終演後、鑑賞会の皆さんと交流会。未だ行方不明の家族を捜しながらも笑顔でお話しされる老婦人。その方に「いい芝居だったよ!」なんて言葉を掛けられおいらもホロリです。そうなんです...生き残った人間が、何とかしようとアクションを起こさない限り何も変わりません。漫然と生きてると「ボーっと生きてんじゃねーよ!」とチコちゃんに喝を入れられますぞ皆の衆。

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仙台のこの酒はうまかった!

2019/02/08
【第1187回】

宿野かほるの「ルビンの壺が割れた」読了...いやはや、SNS時代にぴったりの読み物ですな。結婚するはずだった男女のメールのやり取りを羅列したものが果たして小説と言えるかどうかは分かりませんが、1時間ほどで読めるミステリー、しかも結末のビックリマークで売れてるんでしょう。なんだか、今の世相を反映したような、この軽さが感覚を言葉を安っぽくしてる気がしてなりません。でも、活字離れしている若者に、本に対する興味を持たせるのには絶好の読み物かも知れません。日本あちこちで古本市なるものを開催してるのだが、物色している年齢を見るにつけ先々の出版業界の将来に不安を感じます。今回、芥川賞を受賞した作家もスマホで執筆してるそうな(執筆ではなく打筆がぴったりかな?)新聞不要は若年層に定着し、次なるターゲットが紙の本。電子ブックに出版業界が次なる手を打ったのだが思うようには伸びていないらしい...そりゃそうだよね。あの本を手にした感覚こそが、人の想像という羽翼を羽ばたかせながら未知なる世界に誘ってくれる第一歩ではなかろうか。本なるものがなくなったときは世界の終わりですぞ皆の衆。

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一昨日、機内から

2019/02/06
【第1186回】

2月4日(月)九州博多で「芸人と兵隊」地方公演スタートしました。ここ、ももちパレスで上演するのは久しぶりです。以前は中心街天神にあるエルガーラホール、西鉄ホールで公演できたのですが、何故かおいらの故郷博多はアートに優しくない街のようです。全国の市で5番目の人口(158万人)でありながら行政管轄の芝居向けの小屋がないのでございます。他の市に行けば500人規模の、芝居にはうってつけのホールが必ず存在してるのに、我が故郷には皆無です。山笠、どんたく、そして海の幸山の幸に恵まれた食材は豊富なんですが、心の食材であるアートにはなかなか理解してもらえないようですな...以前、物申すつもりで市長室の乗り込んだこともありますが、のらりくらりの応対でござりました。

そんな博多での公演。来ていただいてるお客様は、さすが芸どころの土地柄でございます。出だしから反応も良く、今回の芝居の勘所をしっかりと把握して最後までしっかりと観てていただきました。その空気を感じ取り役者も気を引き締め演じてくれました。

終演後は、博多の食材と美酒に酔いしれ歓談...いいスタートがきれました!

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博多の梅

2019/02/04
【第1185回】

先週の土曜日、埼玉県志木市民会館パルシティで「芸人と兵隊」公開舞台稽古をやってきました...地方公演に出る前に、本番通りに上演し最終チェックを兼ねる意味もあります。自由席ということもあって、3時間前からお客様が並ぶ大盛況。600人の観客が入り当日券はなし。こりゃ気合入りますな。本番前は、さすが初めてお客様の前で芝居するんで、役者さん緊張感漂ってました。スタッフも同じく何度もチェックしていました。勿論、おいらも果たして上手くいくかどうか緊張しますがな...出だしのお客の笑いから、これはいける!少々の硬さがありましたが、満員のお客様のハートを鷲掴み、食い入る様に役者の演技に魅入っていました。終演後の拍手の質で、その日の芝居の出来がわかるんですが、この日の拍手は上々でした。会館を後にするお客様の表情は皆、「貴重な土曜日の昼間、本当に来て良かった...」そんな顔を見させて頂くたびに、苦労が報われるおいらでございます。終演後は、反省会も含めて志木駅の近くで一杯。上々の滑り出しでお酒もぐいぐいいけました。
さて、今日から地方公演スタートです。最初の公演地は、おいらの故郷博多でございます。博多の皆さんに、よか芝居魅せますばい!

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満員御礼

2019/02/01
【第1184回】

葉室鱗「曙光を旅する」読了...一昨年12月に66歳で亡くなったおいらが好きだった作家の一人である。歴史の大きな部分ではなく、小さな部分を見つめることで、日本と日本人を知りたい。そんな思いに突き動かされ、九州から京都を中心にした旅エッセイ本である。この本の中に登場する松下竜一さん、上野英信さんなど、九州の片隅で名も無き民衆の息遣いを語り継いできた人達も登場する。上野英信さんの絶筆「筑豊よ 日本を根底から 変革するエネルギーの ルツボであれ 火床であれ」。松下竜一さんが生涯唱え続けた「誰かの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならば、その文化生活こそ問い直さねばならぬと。」彼らの生き方に共鳴し、葉室さんも多くの小説を書いてきた。歴史小説は、自分に似た人を歴史の中に探して書きますと本人が吐露している。直木賞を受賞した「蜩ノ記」は、まさしく上野英信さんがモデルである。

歴史上に燦然と輝く武将ではなく、路地裏でひっそりと暮らす庶民に光をあて人間を見つめ直してきた葉室鱗さんには、まだまだ書きたいものがあったに違いない。この作家の目線が限りなく低く、温かい感覚が読後にいつまでも残るのが読書の喜びでもある。

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暗闇の思想

2019/01/30
【第1183回】

元民主党細野豪志衆議院議員が、あの自民党の夜明けのガス灯みたいな幹事長のところに行くんだって...この人、頭おかしくなったんじゃないかしら?男前で頭がきれきれで結構人気があり期待された政治家だったのに、何だか哀れですな。今思えば、民主党を解散させ、あの何だか策士みたいな緑のおばさんと希望の党を作り、排除の論理で結局は与党を助ける結果になったということは...ありゃ、自民党のスパイじゃなかったんじゃないかしら。正常な神経してるならば、今後人前で政治信条なんぞ話せないはずですがね。いやいや、政治の世界は、まともな理想と希望に満ち溢れた人間を異常な世界へと誘う魔界の世界です。

森友、加計問題いまだ未解決。今度は厚労省不適切検査、なんなんでしょうね?韓国、ロシアとの外交問題もさっぱり、なのに与党内からも声が上がらず。野党もばらばら、今年も相も変わらず税金の無駄遣い国会でございます。

そんな折、東北巡演を開始した「萩咲く頃に」のチームからいい知らせが舞い込みました。福島公演、被災地の方々に大変喜んでいただいたとのこと。震災から8年を迎える人たちに、少しでもチカラになれればプロデューサーとして嬉しい限りでございます。国がやれないならば、誰かがやらねばこの国の未来はありませんことよ。

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静寂

2019/01/28
【第1182回】

いやいや、まいりました...週末の午後2時~3時頃になると、吉祥寺のあの「いぶきうどん」の麵とだし汁といりこ揚げが、ちらほらと目の前に浮かんでくるのでございます。こりゃ完全にいぶき中毒に違いありません。矢も盾もたまらず3週間続けて「いぶきうどん」の発券売り場に立っているおいらに呆然としました。でも、昨日は無料配布の揚げいりこが終了。やばいやばい、これは口コミの猛威で確実に全国のあちらこちらからいぶき参りが始まっているかも知れません。大阪十三にあったお店が、東京出店第1号店に選んだのが吉祥寺。なかなか目の付け所がよろしゅうおますな。うどんを食べた後、散策してると、なんとなんとパリ10区のサンマルタン運河近くにある人気パン屋が日本1号店として出店した「リベルテ」にも多くの人だかり。早速、食パンを購入したのだがモチモチ感満載、花の都のパリの香りがしましたことよ。吉祥寺人気止まるところがありません...

先週の週末は、テニスで大坂なおみ。マラソンでは小原さん福士さんが頑張ってましたな。

福士さん転んじゃって、膝と口から出血してしまい途中棄権。いやいや、スポーツは何が起こるか分かりません。只ひたすら走り続けることの苦悩と快感、おいらにはわかりませんが、多くの人を惹き付けるこの競技には、人生と相通じるものがあるんでしょうな。

夕方には、嵐ニュースがあちこちに駆け巡っていましたな。そりゃそうでしょう、人間40歳近くなったら考えますがな...人は何のために生まれ、何のために生きるのか?

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夕暮れの井の頭公園

2019/01/25
【第1181回】

マスクの季節である...インフルエンザに対する予防が一番だが、これってたいした効果はないらしい。自分がかかっていて人に移さないための効果が一番。それとマスクしてると防寒対策にもなるし、乾燥してるときなんぞはノドを潤すにはもってこいの小道具だ。しかし、皆が皆マスクをしてこちらに向かって来る様は何とも異様だ。秘密警察の一団か、もっと言えば環境汚染で地球滅亡のシナリオが着々と進んでる気さえする。最近は白いマスクではなく黒いマスク集団をよく見かける。これは不気味ですな...おそらく中国から来た観光客だと思うが、北京辺りの汚染された塵芥を吸い込み、そのまま持ってきてるんじゃないかしら?なんて思うくらい、見た目あまり清潔な感じがしませんな。いや、単なるファッションかもしれません。こうなったらカラフルに色とりどりなマスクが闊歩すれば、これはこれで面白いかもね。白マスク集団の威圧感から少しは解放されるかも...おいらもマスクをしたときはなんだかスパイもどきの気分でワクワクします。他人を観察するにはなくてはならない必需品です。これにサングラス、帽子があれば完璧。徹底的に人物ウオッチングを楽しめますよ。電車の中で、前の席に座ってる人達のアナザーストーリーを想起し書き上げることも可能です。街のあちらこちらには、思いもよらないドラマが転がってますんで楽しんでくださいませ...お金もかからんことだしね。

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今日の新宿アルタ前の空

2019/01/23
【第1180回】

戻ってきました...南米ペルーのケーナが復活しました。もう何年経つだろうか?新宿の街からペルーの音楽集団が消えてから。4,5人のチームが民族衣裳に身を固め、新宿のあちこちの路上で「コンドルは飛んでいく」などなど哀愁たっぷりの音色を聴かせて道行く人達のオアシスの場になっていたのだが、さすがに取り締まりが厳しくなったんでしょうな。不法滞在、路上での演舞禁止、やたらとこの国のお上は厳しいのでなかなか異国の人達の音色は聴けなくなってしまいました。昨日は一人で演奏していました。あまり立ち止まる人も居なかったのだが、この竹で作られた素朴な楽器はアンデスの風景を呼び覚ましてくれます(おいら南米大陸だけは行っておりません)だからこそ余計に想像が膨らみます。多くの謎に包まれた空中都市マチュピチュ。チリの本土から太平洋へ西に約3700km沖に浮かぶ、孤島イースター島に並ぶモアイの像、ナスカの地上絵などなどアンデスの曲が流れる度に、この地に行った気になるんでございます。

新宿は昔から自由人が往来した街。だからこそ、日本のアートをリードし続けてきたんです。この街から吟遊詩人が消えちまったときは、新宿が新宿でなくなるときでしょうね...

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待ってました!

2019/01/21
【第1179回】

住みたい街ナンバーワンである吉祥寺には週末によく行きます...井の頭恩賜公園有り、こじゃれた店数々、美味しいレストランあちこち、老若男女誰しもが楽しめるところがミソなんですね。先ずは井の頭公園駅を降り、公園に居並ぶ手作りアート品を眺めながらちょいと冷やかすのが楽しいですね。勿論、気にいれば購入しますよ...手書きの立体パノラマ葉書、ユーモアたっぷりの「ちょんまげ課長」の葉書なんぞは嬉々として手に入れました。ちょんまげ課長の作者、さぞかし有名になったんでしょう?このところ見かけませんがいいことじゃないですか。この寒さの中、終日突っ立てるのも辛いもんがあると思います。売れりゃ懐が暖かくなり自ずから体温も上昇するとは思いますが、おいらが見てもこりゃ厳しいなと思うお店もありますな。その中で思い切りボランティアに徹しているおじちゃんおばちゃんコンビの「顔面紙芝居」。子どもたちを筵に座らせて、おじさんが仮面を被っていろんなクイズを出し、当てた子供に手作りのお土産をあげるんだから、たいしたもんでございます。資金はどうしてるんだろう?年金切り崩しながらやってるんだったら...ふたりに想像絶する何かがあり、それをきっかけに子供への奉仕に人生を賭けたんじゃないかしら...とか、想像をいろいろと膨らませて見ておりました。池にはスワンのボートが行き交い若いカップルが甘い恋のひとときを楽しんで居るんでしょう。

街中も色とりどりのショップが並び、飽きることなく散策できます。最近のお気に入りは、立ち食い「いぶきうどん」。こちらは伊吹いりこ出汁で頂く讃岐うどん。出汁に香川県伊吹島で水揚げされたいりこを使用しており、うどんにかける揚げいりこも無料。こりゃ、いけますばい!¥300のかけうどんで十分満足。ほんまにいろんな店がごちゃ混ぜになったおもちゃ箱の街ですな。

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憩いの場

2019/01/18
【第1178回】

「萩咲く頃に」東京公演2ステージ無事終えることが出来ました...場所は両国、大相撲初場所開催中で、大銀杏に付けるびん付け油の匂いがなんとも色っぽい。この地には多くの相撲部屋があり、関取の歩く姿だけでレトロな町に一変しちゃいます。あのゆったりとした存在感も、この世知辛い世の中を和らげてくれる感じがしてホッとしちゃいます。稀勢の里の引退もあり、寂しいかなと思いきや、多くの人達が国技館の周辺集っています。このスポーツ、いや国技はモンゴルだろうがどこだろうが関係ありませんな。あの小さな丸い土俵上での肉弾戦は、他のどんな競技より特殊性を秘めており、飽きさせない魅力を持っているんでしょう。力士の鍛えられた肉体と大銀杏、まわし、異国の人が初めて目にしたときはなんじゃこれ?なんて思ったことでしょう。おいらが初めて子供の頃に博多で見た力士は、巨人の国から来た異人さんに見えました。12月の寒い季節なのに裸であることも驚きでした。新聞配達の後、櫛田神社近くの万行寺で見学した二所一門の激しいぶつかり稽古には身震いしまともに凝視することが出来ませんでした。そして改めて、こりゃやっぱり異人さんに間違いないと確信した次第です。

ところで、芝居は上々の出来でキャストの皆さんと、ちゃんこを食べに行きました。両国に来てちゃんこを食べないで帰るなんて失礼な気がします。これからの東北の旅の無事を祈ってちゃんこちゃんこした次第でございます。

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睦月の空

2019/01/15
【第1177回】

昨日の昼間は、明日から始まる「萩咲く頃に」の最終稽古に行ってきました。稽古を観て感心したのは、キャストの皆さんがシーン毎、時には繊細に、時には大胆に過去の表現とは違う方法で役に対する新たな挑戦をしていたこと。これは、新たな芝居を創ろうという意欲が並々ならないものだと嬉しくなっちゃいました。役者はこうじゃなきゃいけませんな!同じ事なぞってやるなんてもはや死に体でございます。なんとか役に新たな命を吹き込み、相手役に刺激を与え、より高いレベルで競い合う。プロデューサーにとっては願ったり叶ったりであります。今回は8年目を迎える東日本大震災の被災地で公演することも俳優陣も期するものがあると思います。12日、93歳で亡くなった哲学者梅原猛さんもおっしゃっていましたよ。東日本大震災については「文明災の面もある」と持論を展開、脱原発の文明論を掲げていました。脱原発社会の実現を主張し、「技術が進歩すれば自然は奴隷のごとく利用できるという近代哲学が問われている」「和の文明、利他の文明に変わらなければならない」と訴えておられました。誰かが言い続けねば、すんなりと風化してしまいこの時代。だからこそ、この芝居もやり続けます!

夜は錦糸町に「芸人と兵隊」の稽古場を覗いてみました。こちらも来月、博多での初日に向けて熱が入っていました。稽古終了後、この日誕生日でもあり還暦を迎えた柴田理恵さんのお祝いを近くのイタリアレストランでやりました。60歳とは思えない柴田さんのパワーに圧倒されながらキャスト、スタッフの和気あいあいの祝福に柴田さん本当に嬉しそうでした。

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昨日のスカイツリー

2019/01/10
【第1176回】

新しい年も始まったばかりというのに、今日、井の頭線で不満爆発のおばちゃんに遭遇しちゃいました。「若い娘に偉そうに言いやがって...あの親父」「ネチネチしてるんじゃないよ...言いたいことあったらはっきり言えよ」「孫にでれっとして...そんな気持ちあったら私にも優しくして」いやいや、ブツブツおいらの隣で喋っておりました。前の席、隣の席の人も席を移動したので仕方なくおいらは聞き役になっちゃいました。おいらも席替えすると、このおばちゃん喋るのやめるのかしら?いや、きっと寂しいんだね。おいらが受け止めてあげないと、このおばちゃん発狂しちゃうんじゃないかしらと思ってしまいました。ふと、おいらがなだめたり質問ぶつけたら、このおばちゃんどんな反応するのかしら?なんてこと考えながら7、8分は聞いていたかな。この時代、老若男女、年齢に関係なく悩み苦しんでいるんですな。おいらなんて経済的にも物質的にも決して豊かではなかったけれど、昭和平成と心豊かに活かさせていただきました。ことに戦後の昭和は面白おかしく過ごしました。そうなんですね、ものを持たない、ものがないからこそ、人は想像力をバネにして自分なりの創造物を創り出すんじゃないかしら。悩んでる暇なんてございませんことよ...その貴重な体験があったからこそ、今なお好奇心キンキラしながら日々楽しく生きてます。時代が勝手に向かって来ようと、要は己の思索に基づいて、己の心身に揺るぎ無いなにものかを持ち得ないと、この時代を乗り越えていくのは厳しいかなと思う次第でございます。

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寒い今日の空

2019/01/08
【第1175回】

「芸人と兵隊」も本格的に始動...年初から事務所フル回転でございます。稽古場は一つしかないので他の稽古場を借りて二か所での稽古。どちらもベストな芝居を創ろう!と気合十分です。まさしく人力に拠る細かく積み上げていく手法なので、役者の心身の強靭さが頼り。貰った役に如何に憑依していくか?この憑依こそが役者のレベルそのものだと思います。

ということで、「アリー/スター誕生」に続いて、「ボヘミアン・ラプソディ」を鑑賞。クイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーにどこまで肉薄できるか...演じたラミ・マレック見事でした。エジプト系の顔つきと目の表情が伝説のフレディを彷彿とさせてくれました。IMAXという画像、音響をアップした劇場システムで観てるとライブのシーンでは、さながら会場にいる気分にさせてくれます。これは映画館に誘い込む大きな武器になりますな。家のテレビでは味わえない臨場感は、お金を払うに十分な満足感を得ることができます。

椅子も立派だし、昔の小便臭い映画館も懐かしいけど、今の時代は残念だが付加価値を感じさせてくれないと映画館、劇場には来てくれないのかもね...それにしてもハリウッドの役者の裾野は計り知れない。探せばいくらでも居るんでしょうな実力、魅力兼ね備えた憑依者どもが...それに比べるとこの国はいかがなものかと、つい考えてしまう。でも、嘆いている場合じゃございませんことよ。おいらが信じた役者が魂込めた芝居やってくれると期待してまっせ!

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初春の新宿

2019/01/04
【第1174回】

あけましておめでとうございます。

 

今日から仕事始めです...早速、今日から「萩咲く頃に」の稽古が始まり、明日は「芸人と兵隊」の稽古が開始されます。新年早々、大忙しのトム・プロジェクトでございます。それだけ多くのお客様が期待して待ってると言うことだから、年明け早々嬉しい悲鳴でございます。とにかく3月まで3本立て続けに公演を控えているので、キャスト、スタッフ何事もなく乗り切って欲しいと願うのみです。

おいらは、年末年始のんびりと過ごしました、大晦日には近場の高井戸天然温泉(井の頭線高井戸駅にある美しの湯)でのんびり、酒を飲みながらサスケと格闘技観てました。紅白はもういいでしょう?なぜって?おいらに響く唄がないってことかな...元日は大宮八幡宮にご挨拶、2日は近くに住む妹夫婦の家でご馳走になりました。3日は「アリー/スター誕生」鑑賞。レディ・ガガの存在感に圧倒されました。話はよくある話でどうってことないのだが、ガガの魂込めた歌と演技に唯々スクリーンに釘付け状態。おいらこの映画観て確信しました。現在の世界の歌手のナンバーワンであることを...表現者としてではなく一人の人間として社会に対峙している姿、そして行動、その哲学・美学が彼女の身体を通して感じられる凄さは半端じゃありません。全てが過酷な状況の中で、彼女が手にしたものと思えます...やはり表現は生き方そのものです。新年早々、ガガの凄さに魅せられ、改めて気を引き締めて芝居創らんといかんなと思った次第でございます。

 

今年も何卒よろしくお願いいたします。

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元旦の夕暮れ