トムプロジェクト

2020/04/28
【第1335回】

人類の分断か、それとも新しい価値観を生み出す予兆なのか、コロナの出現は世界に様々な課題を投げかけている...この見えないモンスターの出現は、これからの世界の規範を決めるのかも知れない。しかもその決定はニンゲンに委ねられているから始末が悪い。この世界のどの国を見ても傑出した指導者が皆無である。それどころか自国第一主義者が睨みを効かせ世界を牽引している振りをしているので、これまた始末が悪い。こんな状態だから、いくら国の指導者が自粛を強制しても聞く耳を持たず羽目を外してしまう。もしや、今後、第二第三のウイルスがやってきたら?いや、その可能性は極めて高いと言わざるをえない。

昨日家に帰ったら、コロナ君より、こんな手紙が来てました。

 

地球は囁きました。

でもあなたは耳を貸さなかった。

地球は話しました。

でもあなたは聞かなかった。

地球は叫びました。

でもあなたは耳を塞いだ。

そして、私は生まれました...。

 

私はあなたを罰するために生まれたのではありません...。

私はあなたの目を覚ますために生まれたのです...。

 

地球は助けを求めて叫びました...。

大洪水でもあなたは聞かなかった。

燃え盛る火事でもあなたは聞かなかった。

猛烈なハリケーンでもあなたは聞かなかった。

恐ろしい竜巻でもあなたは聞かなかった。

汚染した水により海の生き物が死んで行く。

警鐘を鳴らして氷山は溶けて行く。

厳しい干ばつ。

そんな時、あなたは地球の声を聞こうとはしなかった。

 

地球がどれほど悲観的な危機にさらされていてもあなたは聞こうとしなかった。

終わりのない戦争。

終わりのない貪欲さ。

あなたはただ、自分の生活を続けていた。

 

どれだけの憎しみがそこにあろうと、

毎日何人が殺されようと、

地球があなたに話そうとしていることを心配するより最新のiPhoneを持つことの方が大切だった。

 

でも今、私はここにいます。

そして、私は世界のその軌道を止めました。

ついにあなたに耳を傾けさせました。

 

私はあなたに避難を余儀なくさせました。

私はあなたに物質的な考えをやめさせました...。

今、あなたは地球のようになっています。

あなたは自分が生き残ることだけを考えています。

 

どう感じますか?

地球を燃やして...、

私はあなたに熱を与えました

汚染された地球の空気...、

私はあなたに呼吸への課題を与えました。

 

地球が毎日弱って行くように、

私はあなたに弱さを与えました。

私はあなたから快適さを取り除きました。

あなたの外出。

あなたが以前は忘れていた地球とその痛み。

そして私は世界を止めました。

 

そして今...、

中国の空気はきれいになり、

工場は汚染を地球の空気に吐き出さなくなり、

空は澄み切った青色に、

ベニスの水は透明になりイルカを見ることができます。

なぜなら水を汚していたゴンドラを使ってないから。

 

あなたには、自分の人生で大切なものは何かを考える時間が出来ました。

もう一度言います。

私はあなたを罰しているのではありません...。

私はあなたを目覚めさせるためにここにいるのです。

これが全て終わったら私は去ります...。

 

どうか、これらの瞬間を覚えておいてください。

地球の声を聞いてください。

あなたの魂の声を聞いてください。

地球を汚さないでください。

争うことをやめてください。

物質的なことに気を取られないでください。

そして、あなたの隣人を愛し始めてください。

地球とその生き物たちを大切にし始めてください。

 

何故なら、この次、

私はもっと強力になって帰って来るかもしれないから...。

       

〜コロナ・ウイルスより〜

 

明日から事務所も5月6日までお休みです。

皆さんコロナ君には油断してなりませんぞ!考えてみればこんなチャンスは2度とありません。読書するなり、名画をビデオで観るなり、勿論、自分自身を見つめ直すなり、いろいろとやることあるではありませんか...皆の衆、自分磨きのGWにしましょうね!

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新緑2

2020/04/24
【第1334回】

無念です、悔しいです...岡江久美子さんが亡くなりました。最後に見かけたのが、今年2月15日に上演された歌劇『400歳のカストラート』での、おいらの前列の客席でした。1日限りのこの公演に大和田獏さんと娘さんの美帆さんが朗読で出演されてました。マスクをされていたのですが、いつもの明るい笑顔でした。

その後、獏さんとは「Sing a Song」の公演に向けての稽古を重ねていました。この公演も中止になったのですが、その後の獏さんの心境はいかばかりであったろうか...獏さんを見てると、多くを語らずとも岡江さんとの深い信頼と愛情を感じていました。この二人の関係があってこそ、あの明るさと優しさが生まれてくるのだなと思っていました。63歳若すぎます...これから獏さんとのまだ見ぬ夢があったに違いない。共に人生の第四コーナにさしかかり、我々に届けられるプログラムが計画されたに違いない。

でも、獏さん、肉体は滅びても岡江さんのキラキラした魂はいつまでも多くの人達の心の中で輝き続けていますよ。そして、獏さんが再び舞台で輝く姿を一番望んでいるのは岡江久美子さんかもしれません。

合掌

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静かな今日の新宿

2020/04/22
【第1333回】

外で食事できない、不要不急の外出禁止となれば、普段はあまり観ないテレビも観ますがな...先日観た知床半島の老漁師とヒグマの共生ドキュメントは面白かったな。知床の番屋で4月から11月まで生活する浜辺はヒグマの生息地でもあるのだが、この老漁師はヒグマが近寄ってくると腹の底から絞り出す「こら!」の一声でヒグマは立ち去ってしまうのである。漁でとれた魚も一切分け与えない。厳しい距離感を保ちながら共存している姿に教えられるものがある。何事にも甘えず、厳しい自然環境の中で、いかに生き延びるか。ヒグマに対面したときには決して目をそらさず、相手の目を凝視しながら「こら!」の一声で察するヒグマと老漁師とのいのちの対話。青森の貧しい漁師の家から流れ流れ辿り着いた地の果て知床。とても84歳とは思えない彼の身体に宿った魂が、生きとし生けるものと共鳴し野生の動物と交流するまでになった姿に理屈も解釈もぶっ飛んでしまいました。

それに比べて、文明文化に染まっちまった便利な世の中にコロナが飛び込んで参りました。

この機会に、新しいライフスタイル、価値観を生み出さないとますます混迷の度極める社会になりますばい。

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線路は続くよどこまでも

2020/04/20
【第1332回】

コロナ関係のテレビ観てたら女優の杏ちゃんがギター片手に歌っていました。何と加川良の教訓Ⅰではないかいな。

 

♪命はひとつ 人生は1回だから 命をすてないようにネ あわてると つい フラフラと御国のためなのと 言われるとネ 青くなって しりごみなさいにげなさい かくれなさい 御国は俺達 死んだとてずっと後まで 残りますヨネ 失礼しましたで 終るだけ 命の スペアは ありませんヨ 命をすてて男になれと 言われた時には ふるえましょうヨネ そうよ私しゃ女で結構 女のくさったのでかまいませんよ 青くなって しりごみなさい にげなさい かくれなさい 死んで神様と言われるより 生きてバカだと言われましょうヨネ きれいごとならべられた時にも この命すてないようにネ 青くなって しりごみなさいにげなさい かくれなさい♪

 

この反戦歌、まさしくコロナ戦時下にピッタリということで杏ちゃんが流したんですな。世代が違うのにこの曲を選曲した貴女のセンスは素晴らしい。

加川さんとは今から30年前くらいに一度会いましていろんな話をしたんでございます。あの独特の声に、ゲバラ風の顔立ち、流行りのフォークシンガーとは一味も二味も違うとことに惚れまして、芝居の企画制作を準備してる時に一緒にやりましょうなんてことを熱く語った覚えがあります。当時、加川さんは全国の小さなライブハウスをギター一本で転々とさすらってる渡り鳥でありました。少年の心を忘れないナイスガイでした。その後は一度新宿駅前で弾き語りをしているときに会ったのが最後でした。2017年4月5日に69歳で亡くなった報にはびっくりしましたが、なんとなく彼らしい死だなと思いました。流行り廃りに惑わされることなく一貫性のある生き方をした加川良、貴男の唄は世界が危機に陥った時に、まるで不死鳥のごとく甦ってくるに違いありません。貴男と最初に会った時のにんまりとした笑顔、いまでも想い出しますよ...

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コロナに気を付けてネ

2020/04/17
【第1331回】

とうとう全国非常事態宣言になってしまいましたね...トム・プロジェクト6月公演も何だか怪しくなってきました。こんな不安な中で稽古をしていても危ないし、お客さんも安心して芝居を楽しめないのではないか。企画制作会社、劇団、照明、音響などなどイベントに関係する会社、そしてアーチストの方々大ピンチでございます。同じくコロナウイルスの脅威と戦っているドイツでは、アートに関わっているすべての人に、蓄えがなくて生活が苦しくなった場合は申請すればすぐに9千ユーロ(108万円)の補助金をもらえると言うこと。さすがに文化を大切にしている国だという印象がしました。この国のメルケル首相、一時は移民を受け入れ反発を喰らったが、今回のコロナ騒ぎで移民反対していたポピュリストたちは移民こそが国を蝕むウイルスであるかのように宣伝してきたが、ホンモノのウイルスが発生した今、ウイルスの危険性を否定するだけで現実的な対応が出来ない極右党が支持を減らしている現在、メルケル首相の冷静な対応に国民も答えようとしている。

一方、この国のトップは、もうあれこれ言っても始まらない気がする。期待なんて言葉が空しく響いてくる。ここは、持久戦、耐えるしかない...生きてりゃいろんなことがあるさ!過去を振り返っても、様々な苦難を乗り越え、まさに名も無き民衆は立ち上がり戦ってきたではないか!コロナちゃんが地球の人達に試練の場を与え、欲望のままに生きてきたニンゲンに警告を与えているんだと思いたい。

ここで気付かねば間違いなく地球という惑星は終わりを告げるなんて気持ちで対処しないといけません...折角与えてくれたチャンスなんだから無駄にせず最大限に活かしましょう皆の聚。

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新緑

2020/04/13
【第1330回】

今日の東京は冷たい雨が降っています...今日から公演中止になった「Sing a Song」の払い戻し作業が始まりました。戻すこちらと、払い戻しされるお客様とのあいだに共通する無念さを思うと堪りません。中にはこちらの事情を察して、「払い戻しはいいですよ。いい芝居を創る足しにしてください。」なんて言われると涙がちょちょぎれます。全国各地、文化は停止しています。芸術なんかより、日々の暮らしが窮地に追われ息も絶え絶えなんてことが現実に起きています。でも、この世界からアートの姿が無くなった姿を想像しただけで、世界の終わりが視えてきます。アートはスポンジみたいなものです...人の感情を吸い取り新たな感情をしなやかに生み出します...アートが存在するからこそ人は、あらゆることに精を出すことが出来るんです。そのジャンルの一つである舞台も長い歴史の中、様々な形で人類社会に貢献したに違いありません。その灯が消えようとしたときに、支える国家であるかどうか...この国の文化に対する価値観は如何なものであろうか。

今日も、人出の少ない新宿の街に一際目立ったのがホームレスの人達の多さです。コロナが収まらないと数が増えてくると思います。仕事を無くし不安げな表情をした人達に対し、昨日、能天気にツイッターを更新し、星野源が歌う「うちで踊ろう」とともに、自宅ソファで愛犬のミニチュアダックスフントのロイを抱く姿や、カップ片手にくつろぐ様子を公開した、この国のトップ。勿論、番頭さんはなかなか好評だとのたまっています。

自粛連呼する前に、議員の給料カットでも言わんかい!

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ハナミズキ

2020/04/10
【第1329回】

こんな大変な時に、行政、政治家の駆け引きがなんだか釈然としない国民が大多数ではなかろうか。居酒屋アルコール提供19時まで営業は20時まで、都の案は提供18時まで営業19時まで、なんじゃい1時間のことでトップが時間割いて話すことか。どっちにしろ居酒屋の体なしてないではないか。こんなバカげた折衷案で国民が納得するなんて思ってないのに発表する愚かな為政者しかいないこの国が改めて嘆かわしい。都内のデパートも自ら閉店に踏み切っているのに、感染が拡大しているにも関わらずオープン大丈夫ですよってなんなのよ。現場で働いている人の方がよほど賢いとしか言いようがない。税金でのうのうと暮らし、税金を無駄遣いしてる政治家さん、自ら給与削減しますよなんて気の利いた輩は居ないのかよと言いたくなりまっせ。今回の緊急事態宣言、本当に国民の生命を守るための宣言ではなく政治パフォーマンスの気がしてならない。

この国のシステム、為政者が頼りにならないなか、自明のことではあるが自分の命は自分で守るしかないといういつもの結論でございます。

樹々の新芽が芽吹く鮮やかさが唯一の救いでございます。自然は嘘をつきませんことよ...

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芽吹く樹々

2020/04/08
【第1328回】

えらいことになってきました...緊急事態宣言が都心を震撼させております。「Sing a Song」も中止になりました。いい芝居を観て頂きたかったのに本当に残念です。しかし、コロナばかりはいかんともしがたい。おいらのところだけではありません。演劇だけではなくいろんなジャンルのものが中止に追い込まれています。アートにかかわってるすべての人が危機に陥っています。この国の文化に対する意識が、他の国に比べても極端に劣ることを考えればとても心配です。アートばかりではありません。ささやかな庶民の憩いの場である居酒屋も閉店に追い込まれる状況です。こんな時に辛い目にあうのは、相変わらず社会を支えている庶民です。税金で生計をたててる人は羨ましいな~なんて言う人がたくさんいました。

こんな折、おいらのマンションの前にある樹木に、ここ最近カラスが巣作りしていたのが今朝からカラスが来なくなっちゃいました。もしや、政府からカラス組合に同じく緊急事態宣言を出したのかしら?あんたらも危ないよ、安全なところに移動しなさいと...いやいや、こんなこと空想してないとやってられませんがな。早く終息すればと思ったとたん、いきなり東京で144人の新たな感染が発表されました。都内の1日当たりの判明数で最多を更新。

今ここにある危機、乗り越えるしかありません。

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葉桜

2020/04/03
【第1327回】

昨日、滋賀県ひこね演劇鑑賞会で「Sing a Song」の初日を終えることが出来ました。なんとも複雑です。良かったという反面、大丈夫だろうかという不安。この見えない敵が、移す移されるという状況の中で公演しているんですから当然だと思います。この不透明ななか果たして公演を続けていけるのか、そして自重した方がいいのか、悩ましいところです。

こういう状況だからこそ演劇のチカラなんて言葉も、いとも簡単に吹き飛ばしそうなコロナウイルスの脅威をまざまざと見せつけられている感じです。今、何らかの決断をしないといけないと思っています。

今日の東京は爽やかな青空。今週の週末は、まだまだ咲き誇っているサクラを愛でるのに絶好な日和なのに不要不用の外出禁止令。ここはぐっと堪えてコロナ退治とまいりましょう。

コロナはニンゲン大好きな生き物ですから、くれぐれもパラサイトされないように注意してくださいね。ここが我慢のしどころかも知れませんね。

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散るサクラ 残るサクラも散るサクラ

2020/04/01
【第1326回】

昨日、今日と東京は寒い一日です。今日は雨も降っています...桜もちらほらと散り始めましたが、それに代わるように樹木から新しい緑の葉が芽吹いてきました。ほんとうによかったです。樹木ちゃんにまでコロナに感染しちまったらどうしようなんて考えちゃいます。この殺伐とした状況の中、樹々は新しい命を魅せつけ愚かなニンゲンに希望を与えてくれてます。こんなにも優しい樹々、涙が出てきますよ...今こそ目覚め、気づかないと本当に地球は滅びます。この雨でコロナを洗い流してほしいと思いますが、相当しぶといウイルスみたいですね。ここは個々人がしっかりと自覚して行動するしかありません。今やマスクは人ごみに居るときの最低のマナーだと思うのだが、マスクもしないで平気に大声で笑いながら飛沫を拡散してるバカ者もいます。少しは敏感になれや!と叱責したいのですが、このご時世予測不可能なことが起きる可能性があるので...何事もマイナスからプラス。今回のコロナ騒動から、せめてもの他人を思いやることぐらいは学んでみたらいかがですか?

散るサクラ、残るサクラも散るサクラ...そんな心境で雨中のサクラを愛でてます。

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新学期、新社会人