トムプロジェクト

2020/04/22
【第1333回】

外で食事できない、不要不急の外出禁止となれば、普段はあまり観ないテレビも観ますがな...先日観た知床半島の老漁師とヒグマの共生ドキュメントは面白かったな。知床の番屋で4月から11月まで生活する浜辺はヒグマの生息地でもあるのだが、この老漁師はヒグマが近寄ってくると腹の底から絞り出す「こら!」の一声でヒグマは立ち去ってしまうのである。漁でとれた魚も一切分け与えない。厳しい距離感を保ちながら共存している姿に教えられるものがある。何事にも甘えず、厳しい自然環境の中で、いかに生き延びるか。ヒグマに対面したときには決して目をそらさず、相手の目を凝視しながら「こら!」の一声で察するヒグマと老漁師とのいのちの対話。青森の貧しい漁師の家から流れ流れ辿り着いた地の果て知床。とても84歳とは思えない彼の身体に宿った魂が、生きとし生けるものと共鳴し野生の動物と交流するまでになった姿に理屈も解釈もぶっ飛んでしまいました。

それに比べて、文明文化に染まっちまった便利な世の中にコロナが飛び込んで参りました。

この機会に、新しいライフスタイル、価値観を生み出さないとますます混迷の度極める社会になりますばい。

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線路は続くよどこまでも

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