トムプロジェクト

2020/03/30
【第1325回】

昨日はコロナ騒ぎを洗い清めるかのように雪が降って参りました。満開のサクラの花に積もっていく様はなんとも美しい光景でした。こんな自然の営みを、大切にしなかった地球人に厳しい現実が突きつけられています。大国がどんなに核を持ち、軍備を拡大したとしても、コロナウイルスを防ぐことが出来なかったではないか...この厳然たる事実と真摯に向き合い自然破壊と軍拡競争、そして原発はもう止めようではないか。ここまで追い詰められないと気付かないニンゲンは本当に愚かな生き物でございます。原発の事故が起きた当時は、世界も深刻な問題として捉えたのだが、時間の経過と共に忘れていく有様。今回のウイルスが地球滅亡の最後通告として受け止めないと本当に終末が来てしまいます。

先週の劇場型都知事が発した不要不急の外出自粛に、おいらも素直に従い自宅で映画を観てました。思いがけない映画に、おいらのコロナ騒ぎに苛まれた心にほんのりと明かりを灯してくれました。タイトルは「ブランカとギター弾き」日本人初となるベネチア・ビエンナーレ、ベネチア国際映画祭の出資で製作された長谷井宏紀監督のデビュー作。フィリピンを舞台に、孤児の少女と盲目のギター弾きの旅を描いたハートウォーミングなロードムービー。マニラのスラムでカメラをまわし、素直に演じる子役を含めた演技陣の魅力。いや、演技と言うより素の良さを引き出した監督の手腕もたいしたものだ。写真家として世界を旅し、「昔フィリピンのゴミの山を訪れたときに、子供たちにいつか映画を撮ろうと約束したんです。たくさんの国を旅したけど、僕はフィリピンの人たちがとても好きで、この人たちと映画を作れたら、とても楽しめるのではないかと思ったんです」監督のこの言葉こそ、創造者としての気概を感じる。ええとこばっかし視てると真実なんかみえなくなっちゃうよ!こんな骨がある人達が居ると、おいらももう少し創ってみようなんて気がしちゃうってもんでございます。

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ユキとサクラ

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