トムプロジェクト

2019/12/19
【第1290回】

昨日から「沖縄世うちなーゆ」の稽古が始まりました。先月の水俣に続いて来年の初っ端の公演は沖縄です。人間生きてきて、忘れてならないことがいくつかあるはずです。水俣、そして沖縄の問題もその事例だと思います。この世の中、常に刺激的なニュースを流すメディアに踊らされ大切なことを忘却の彼方に葬り去ることがあまりにも多い気がしてなりません。それに輪をかけて、時の権力者による横暴な記録の改ざん廃棄。それに対し諦めにも近い絶望感に見舞われ無抵抗状態に陥ってるこの国の在りよう。ここはなんとしても声をあげねばこの国の未来はありませんぞ!というわけでおいらも芝居やっとります。

今回の沖縄をテーマにした芝居、なかなか手ごわいです。沖縄のどの視点に狙いを定めて進めていくか...今回はアメリカが最も恐れた不屈の人、瀬長亀次郎、そして沖縄独立を唱え女海賊と称された照屋敏子にスポットを当て、今置かれた沖縄の現状にアタックできればと思っています。三十数年前、宜野湾の米軍基地での光景が未だに忘れることが出来ません。基地内に仕事に出かけるお母さんを追っかけ、フェンスを揺すりながら泣き叫ぶ少女...今尚、沖縄には無数のフェンスが存在します。人の往来を断ち切るこのフェンスこそが分断の象徴です。このフェンスを排除したときこそ、真の沖縄の解放があるのではないか...限りなくゼロに近い希望かもしれないけど歩みを止めることは出来ないし、ましてや本土の人間こそ声をあげる責任があると思います。沖縄は決して他人事ではありませんことよ。

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メタセコイヤ兄弟

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