トムプロジェクト

2019/12/13
【第1288回】

村井國夫さんの降板により休演していた劇団桟敷童子「獣唄」が昨日より上演されました。代役は劇団員の原口健太郎さん、トムの芝居でも2度ほど出演している俳優さんです。主宰者である東憲司さんとは清水邦夫さんが女優の松本典子とともに主宰していた演劇企画集団「木冬社」で出逢い、共に劇団桟敷童子を立ち上げた盟友です。厳つい顔に似合わず心根の優しい男です。村井さんが急病で降板された時の劇団員の心境は如何ばかりであったであろうか...素早く対応し、村井さんの分までと3日間で仕上げていった出演者、スタッフの頑張りにただただ頭が下がる思いです。芝居は生ものですから誰一人として欠かせません。中止なんぞになったときのマイナスは計り知れないものがあります。リスクと背中合わせで日々、戦々恐々とした思いで過ごしているのがプロデュサーの心境、ヒヤヒヤもんでございます。下手すれば会社は倒産しちゃいますね...そんな因果な仕事を何故やっているのか?それは無から有を生み出し、成果を出しお客さんの喜ぶ姿を見たいからでしょうね。リスクがあればあるほど燃えるもんでございます。亡くなった中村哲さんの足元にも及ばないですけど、生かされてるんですから、世のため人のためなんかやらんと男じゃなかですばい。いい芝居観たときの感慨は、今でもおいらの身体のポケットに、まるでホッカイロのように温かくホカホカとしています。

「獣唄」明後日の千秋楽まで、師走の寒い日に観に来てくれた人達を温かい気持ちにさせてくれるでしょう...劇団桟敷童子はそんなことが出来る希有な集団です。

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師走のスカイツリー

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