トムプロジェクト

2019/04/25
【第1213回】

平成も今日入れてあと6日となりました...色々ありましたね。なんと言っても東日本大震災が脳裏から消えそうもありません。この教訓を生かさずして、これからの日本の国の未来はありません。終戦後、戦争の負の遺産を背負いながら戦後の平和が維持されたように...先ずは、原発の全面廃止。これがやれないようじゃ、この国の世界に対する信用はないでしょうね。次は、オウム真理教事件でしょうね...高学歴の人達がいとも簡単に、あんな男に洗脳されてしまう怖さ、明らかに物質文明の弊害でしょう。人の心はいつ何時にも、思わぬ方向に向かってしまうんです。己の心身をより強固に、そしてしなやかにしておかなければ、これまた思いもよらない人生を歩んでしまいます。

一週間後は令和の始まりです...どんな時代が待ち受けてるんでしょうかね?おいらはそんなに長くは令和タイムを楽しめないけど、未来ある子どもたちのためにも、今生きてる大人達がしっかりとした環境を造って欲しいですね。てめえのことばかり考えてんじゃねえよ!政治家、役人、企業家の皆さん。この世に生まれたことは、この世に恩返しすることなんです皆の衆。

夢吐き通信も5月6日までお休みです。ではでは、皆さん素敵なGWをお過ごしくださいませ。

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平成ありがとう

2019/04/24
【第1212回】

野良猫からお叱りを受けました。

「なんだい!あのお惚け大臣。復興より議員の選挙が大事なんて本当のこと言っちゃってるニャン」

「警視庁の天下り先の運転免許教習所の管理能力の低下で、未来ある子供たちが相次いで亡くなってるニャン」

「AAAのリーダー、いい歳こいて笑って謝罪している場合じゃないニャン」

「辺野古、沖縄の人NOと言ってるのにアメリカに何も言えないこの国トップの人たちどうしようもないニャン」

「愚かなニンゲン、目には目を歯には歯をなんて復讐の連鎖で罪のない人達の命を奪うなんてあんぽんたんニャン」

スマホも、新聞も、テレビも見ないニャンだからこそわかるのでございます。

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お叱りニャン

2019/04/22
【第1211回】

戦士の休息...今年は1月~3月まで三本の芝居が続きバタバタしていました。この4月なんとか一息ついたので温泉地に向かいました。関東近辺での名湯の一つ四万温泉に行ってきました。その中でも室町創業500年の老舗宿「四万たむら」は、まさしく温泉三昧。七つの湯を存分に堪能できます。温泉と言えば、やはり源泉かけ流しに尽きますな。源泉からこんこんとあふれ出すお湯を見ているだけで幸せを感じてしまいます。ふと、この貴重なお湯が出なくなってしまったらと想像しただけでゾッとはしますがな。四万の多くの人たちが生活の場を失い路頭に迷ってしまいます。そんなことを思いながら思わず湧き出る泉に手を合わせてしまいます。この旅館の売りは何といっても蒸風呂、地下から出る源泉からの蒸気を直に浴び汗がたらたらと落ち、鼻の粘膜、喉を心地よく潤してくれるんですから花粉の時期には最高の良薬。サウナと違って肌をしっとりと包んでくれる柔らかさがなんとも言えません。この後のビールがたまらんですばい...生きててよかった!こんなことあと何回繰り返しながらおいらは死んでいくんでしょうかね...世界あちこち周って、行きつくところは、やはり温泉大国ニッポンが最高だということです。地震と温泉は背中合わせですが、これも自然界もたらす掟です。優しさと厳しさ、この定めのなかでひとはどう生きていくか?なんだか温泉談義も哲学的になってしまいましたがな...さてと、週末から10連休、そして令和...どんな時代になるんでしょうかね?

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桃、桜、鯉のぼり

2019/04/18
【第1210回】

新緑のこの時期はおいらが大好きな季節です...新芽が出て瑞々しい葉っぱを見てるだけでおいらは幸せ一杯です。今日も新しい葉っぱが太陽の光を浴びキラキラと輝いていました。誰に指示されることもなく、決まったように芽吹き始める樹木の律儀さと逞しさに唯々感嘆するおいらでございます。こんな当たり前な事も出来ないニンゲンどもはなんと愚かな無様な生き物でしょう...今こそ愚かなニンゲンは、身近な自然な成り立ちから生きるという根源的かつ初歩的なことを学習してちょうだいな!と言いたい。スマホなんて便利なものに寄りかかり思考を停止せざるを得ない不幸せな時代であるからこそ、時には樹木に寄りかかり新しい命の誕生と、移りゆく雲の動きを眺めながら生き物にとっての本当の幸福を思考したらいかがでしょうか...心地よい風に揺れ動く葉っぱが、なんとなくメロディを奏でているようでもあり、軽やかなダンスを舞ってるように見えれば、その日一日が極上な日となること間違い無し。

今週の週末も、芽吹き、目にも鮮やかな新緑を探す小旅行を計画しています。自然が織りなす壮大なドラマから明日の活力を頂いてきます。

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新緑

2019/04/15
【第1209回】

昨日、「走狗」の一員であったTちゃんから電話があった。御年74歳になる彼は新劇の劇団をスタートし、その後「走狗」に入団、解散後もアングラ演劇一筋で役者をやり続けている強者だ。Tちゃんの電話は「今朝、神宮外苑散歩してたら可愛い野花があったので、来月11日の田島のお別れ会には行けそうにもないので、彼が住んでたアパートに花を手向けたい...」とのことであった。田島君と激しい演劇論を闘わせ、到底仲がよいとはいえない二人であったが、Tちゃんの田島君に対する深い愛情を感じた。愛すればこそあんなにきつい言葉を突きつけていたのか...亡き人の思いは、葬儀、お墓に行けばいいというのではない。そんなところに顔を出さなくとも、亡き人をいつも想い続けることが故人にとっての最上の喜びではないだろうか...何人かの故人が「死後、葬式も別れの会も不必要」なんて遺言を残しこの世に別れを告げた心境、おいらはよく分かる。現世の諸々のしきたり、何故かお金がまつわることばかり。お金での戒名のランク付けなんてものなんてその最たるものではないか...人は死んでしまえば皆同じ。

一昨日、沢山の人に見送られ舞台美術家・島次郎、黄泉の国へ旅立ちました。

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春の花

2019/04/12
【第1208回】

こんな残りサクラ好きだな...この異常な寒さでサクラ延命しとります。そんな中、樹木の幹からひっそりと咲いてるやつらおいらとても愛おしくなっちゃいます。豪華絢爛に咲き誇る群れに入るのではなく、我が道を往くなんて心意気が、なんとなくアウトローサクラ野郎みたいでええじゃん!おいら昔から群れるのが大嫌いで、名もなく貧しくとも一匹狼で生きてきたつもりです。勿論、現世において一人では生きられませんがな。いろんな人のお陰でおいらも生活できてるのはわかっちゃいるけど、なるだけ「寄らば大樹の陰」「赤信号みんなで渡れば怖くない」なんてことからは、なるべく遠いところで生きとうございます。孔子の言葉に「中庸の徳たるや、それ至れるかな」なんて言葉がありますが、どちらにも偏らないことは確かに理に適う言葉かもしれないが、この世に生を受けたんだから己しかできないことを七転八倒しながら探し実現に近づけようとすることこそが人生じゃないかしら?この人生も残り少ないが貫き通しまっせ!

明日は島次郎の葬儀、来月は田島恒のお別れの会。ひらひらと優雅に散りゆくサクラを眺めながら二人の懐かしい顔が浮かんできます...

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生きてまっせ!

2019/04/10
【第1207回】

桜散る頃に、またも訃報が...先月、嘗て共にアングラ劇団演劇群「走狗」を共にした田島恒の骨を拾ったばかりだというのに昨日、同じく「走狗」の戦友、島次郎の死を知ることになる。ほんの3日前に次郎ちゃんから送られた「舞台美術1986-2018」の本のお祝いとお礼を兼ねて電話したばかりであった。入院中ではあったが、しっかりとした話しぶりであった。「走狗の写真使わせて頂いて...」なんて恐縮してたので「退院したら出版祝いをやろうよ」と言うと「ケッちゃんいつもありがとう...」それが最後の会話であった。次郎ちゃんは演劇の世界では知らぬ人がいないくらいの大家ではあるが、決して偉ぶることなくどんな人にも優しい男であった。

思えば、今から半世紀近く前に「走狗」で出逢った次郎ちゃん。共に演劇でなんかで飯喰えるわけないんだから多種多様のアルバイトで日々の飲み代を稼いでいた。その頃、次郎ちゃんは古新聞の回収をしていた。回収業者から軽トラックを借りスピーカで回収のお知らせを流しながら古新聞を集めるのである。おいらは見習いとして次郎ちゃんの助手として団地を駆け巡った。次郎ちゃんの人柄であるのか随分と集まり、この日二人で早速居酒屋でご馳走と相成る。これはいいバイトかな?と数日おいらも独立してやったのだが、飽き性のおいら早々と止めちまった。コツコツ、じっくり事を構える次郎ちゃんとはえらい違いである。

アングラ劇団「走狗」の日々はまさに戦いの連続であった。テントを担いで全国の河原、空き地、大学構内、神社と放浪の旅芝居。お金無し、そのため食事もままならず、そして表現を巡っての葛藤、対立。こんな過酷な状況の中でも次郎ちゃんは美術スタッフとして淡々と自分の仕事をこなしていた。役者が足りないときはイヌの役で狂気と愛嬌を振りまいていた。走狗解散後は、才気が見事に開花し舞台美術家として名実共に演劇界でなくてはならない人となる。

次郎ちゃん、まだまだ創りたい舞台あったと思うが、こんなに数多くの作品を提供し関係者に喜んで頂いたんだから悔いは無いはず。ゆっくり、先月逝った田島君と美味しい酒でも飲んでくださいね!

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桜の樹の下には...

2019/04/08
【第1206回】

土曜日、南青山にある銕仙会能楽堂で三島由紀夫の「綾の鼓」「卒塔婆小町」を観劇...観ているうちに1970年11月のことが甦ってきました。今から49年前、おいら池袋の小劇場で「卒塔婆小町」に詩人の役で出演していたんでございます。三島由紀夫が自決した直後の上演のため、一時は中止も考えていました。だって、間接侵略に備えるための民間防衛組織(民兵)として、三島由紀夫が結成した軍隊的な集団「楯の会」の人たちが公演中止を訴え殴りこみに来るなんて噂がたっていたもんでビビりまくりの状態でした。おいらは、こんな時こそやってやろうじゃないか!とスタッフ出演者に檄を飛ばしました。この緊張感があって芝居は無事千秋楽を迎えることが出来ました。その頃は、アングラ演劇が世の中にデビューして脚光を浴びた時期でもあり、楯の会との一悶着があったにしても、この事件が芝居になるような時代でありました。事件を起こすことによって、注目を浴びるなんて理不尽なことが堂々とまかり通るけったいなことがたくさんありました。既成の価値観を打ち砕き新しい価値観を生み出そうとする輩がうじゃうじゃと徘徊していた面白おかしい頃の話です...そんなことを思い出しながら観た芝居なんて初めてでございます。

日曜日は善福寺緑地公園にサクラを観に行ってきました。いつものように、サクラの樹の下に思い思いに集まり宴をやっとりました。このところ、友人たちが次々と亡くなっているので、おいらもこのサクラあと何回観れるんやろか...散りゆくサクラの花びらが川に舞い落ちてゆく様を眺めながら思った次第でございます。

散るサクラ 残るサクラも 散るサクラ こんな心境の昨日でした。

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善福寺緑地公園

2019/04/03
【第1205回】

令和なんですね...響きはいいですね。万葉集もいいですね。この日、この国の首相はいかにも自慢げに各局のテレビに出て話してました...自国を強調するあまり、またもや国際社会からいちゃもんも付いとりました。元号なんか、さりげなく決めてさりげなく新しいスタートをしてもらいたいものです。この国は誰のものでもありません。当たり前のことですが、この国に住んでる人たちのものです...この肝心のことを忘れ、あたかも自分のものと勘違いする人たちがあまりにも多いため、もううんざりしている人たちがたくさんいるはずです。これから地方選挙があちこちで始まります。先日駅に立ち、既成政党に所属せず市民派として演説している女性がいました。おいら、めったに声なんか掛けないんだが、その真摯さに思わず声掛けちゃいました。34歳の市民派女性杉並区会議員が誕生するかどうかはわかりませんが、もはや既成政党には本当にうんざりです。

プロ野球も始まりました...ライオンズいきなり3連敗。ソフトバンクの強さを再認識した次第です。やはりお金のチカラには勝てない!なんて当たり前の壁をどう打ち破っていくかが野球の面白いところです。今年も弱体投手陣、でも打って打って点取りゃ勝てまっせ。これからまた一喜一憂の季節が始まります...思えば子供のころから野球も人生の一部になっちゃいました。宿命として受け入れるしかないんでしょうかね...これも人生あれも人生あ~こりゃこりゃ♪なんといっても今や満開桜の季節でございます。

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饗宴

2019/04/01
【第1204回】

先週の金曜日、土曜日、大阪中之島にある国の重要文化財「大阪市中央公会堂」で「黄色い叫び」を公演してきました...いやいや、立派な公会堂でした。中に入った瞬間、嘗てヨーロッパで観た歴史と伝統を感じさせる劇場を想い出しました。周りの風景ともども、こんなところで芝居をやれる喜びを感じた次第です。メトロ淀屋橋駅を降り、右手に土佐堀川を眺めながら公会堂に向かう道すがらの、何となくワクワク感がいいですね。すでにドラマは始まっているのでございます。さて、肝心の芝居なんですが出演者の一人が風邪で高熱を発しチームに緊張感が走り、スタッフ、出演者が一丸となって気合いの入った2ステージでした。東京公演と違うところは、さすがに笑いの本場でございます。東京では笑いがこなかったところで笑いが来たと言うことは、関西の人のほうが人間の機微に長けてるってことですかね...でも、笑いもなかなか深いものでして声に出さない笑い、内面で笑いを吟味したりと、一概に何を良しと捉えていいのか不可解の部分があるのも確かです。でも、今回はシビアな芝居であるだけに笑いが起こると何だかホッとするのが正直なところかな。笑いは世界を救う!そうですな、笑いが絶えないところには争いがありませんものですね。笑いあり、涙ありなんて演し物は、やはり芝居の王道です。

土曜日に梅田で打ち上げをやりました。食い倒れの街だから呑まなきゃ損、食べなきゃ損、皆さん結構呑んで食べて話し倒れていたようでございます。今回の公演も無事に千秋楽を迎えめでたしめでたし。1月「萩咲く頃に」2月「芸人と兵隊」3月「黄色い叫び」怒濤の三ヶ月、我が愛するトムの社員の皆さんも本当にお疲れ様でした。

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大阪市中央公会堂