トムプロジェクト

2018/08/31
【第1133回】

帝国劇場にて「騎士物語」観劇...堂本光一、井上芳雄という若手人気実力者の初共演ということもあり劇場は女性ファンが大挙来場。女子トイレには大行列、いやいやウーマンパワーに圧倒されちゃいます。ガラガラの男子トイレに申し訳ない感じで入るありさまでございます。何といってもお客様があっての演劇です...ライブの持つチカラ、魅力を十分に感じ取っていただいて、じゃあストレ―トプレイも観てみるか!なんて観客が増えれば言うことありませんな。今回の芝居、脚本・演出ジョン・ケアードのしなやかな演出によっていい作品に仕上がっていると思います。音楽に和楽器を取り入れ、ダンスのシーンでも画期的な振り付けを施し日本とヨーロッパのスタイルを融合させようという演出意図が明確に表現され観客を飽きさせません。それを支える島田歌穂さんほかベテラン実力俳優の安定した芝居が、より上質な芝居にしています。

今日で8月も終わりです。夏休み明けの児童の自殺が多いそうです...又、勉強かと憂鬱になる気持ちよくわかります。学力至上主義の社会のシステムなんとかせんとなりませんな。勉強がいくらできてもロクでもない政治家、役人生み出すばかりじゃありませんか!遊び心のない教育からは不毛の社会が蔓延るのは至極当然。芝居には遊び心満載、必死科目で楽しい教育現場にしてみませんか...夏休み返上で早く学校に行きたい!なんて子供が増えます倍。

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秋の予感

2018/08/29
【第1132回】

新宿の街も暑さのために、異常な人たちがあちらこちらで活躍しとります...今日も新宿海水浴場と勘違いしたであろう男がうろうろしてました。広場のポールに写真機を置きポーズを取ったり、一人リズムを取りながら小刻みに踊ったり...道行く人もそんなに関心を示さないのでちょいとがっかりしてた感じです。もっと耳目を集めたかったんでしょうかね、いや甘すぎですぞ!ここは世界に冠たる奇人変人を数多く輩出した新宿です。少々の奇抜さでは振り向きも驚きもしませんがな。彼のパフォーマンスもどことなくどん臭く今一つ目を引きません。あまりの反応なさに引き上げてしまいました。次なる場所に移動したのか、トイレに入り普段着に着替え日常に戻ったのか知りませんが...ゲイでもスターになれますよ!なんて宣伝車が派手に走っている脇には、国籍不明なホームレスの人たちが投げ銭缶を前にしてうつろな表情をしていました。もしや、富裕層の旅行者ばかりではなくホームレスの出稼ぎかもしれませんな。それにしても中国、韓国、台湾のひとたちがわんさか動き回っています。時には日本人であることで肩身が狭いなんて感じることもあります。間違いなく100年後の日本の大都市は様変わりしてるに違いない。街の表示板の順序も日本語は3番目か4番目、いやいや、そんな街には住みたくありませんな...大企業でも、社内では英語優先で語られ日本語の会話禁止なんてことが進行中です。この馬鹿垂れが!と言いたい。世界にこれほど美しく深淵な言語は日本語しかありません...この言語の国に生まれたことに至上の喜びと幸せを自覚しないと後悔しますよ皆の衆。

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新宿奇人変人列伝

2018/08/27
【第1131回】

箱根、彫刻の森美術館に行ってきました...おいら昔から観光については、ちょいとへそ曲がりなところがありまして、誰しもが行く定番の人気スポットには足が遠のく性癖がありましてね。要するに写真、動画、雑誌で華々しく紹介され物見遊山的な人たちがあるところが苦手なんでございます。旅とは自分の感性を信じ、己でその土地と生活者の生の姿を五感で感じることだと思ってます。おいらの旅の記録はそうやってコツコツと蓄積され、人間形成の一助になっていると勝手に考えています。

今回の彫刻の森美術館はおいらの想像を超える素敵な場所でありました。自然の中に自己主張している作品が生き生きしているさまに爽快さを感じさせてくれました。ある意味では、箱根の自然の中であるからこそ作品としての存在感を示し得ているのではないか...この作品群を観ながら、改めて自然との調和こそがこれからの地球の未来の可能性が残されてるんではないか...少々、オーバーかも知れないが、そんなことをふと考えさせてくれる貴重な場所かも知れませんね。夏休みと言うこともあって子どもたちもたくさん来館し、抽象彫刻を不思議な顔をしながら眺めてました。室内でなく風の音、鳥の声、雲の流れ、箱根の山脈を眺めながら作品に対峙できることがなんと言っても素晴らしい。ほどほど歩いたところにピカソ館があるのもいいですな。冷房の効いたところでピカソの生涯変わらない愛、情熱、挑戦、遊び心の変遷を再認識。子供の想像力を喚起させる所かも知れませんね...

へそ曲がりも損することもありますよ...そんなことを気づかせてくれた一日でした。

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自然があってこそ...

2018/08/24
【第1130回】

蝉が最後のチカラを振絞って鳴いております...精一杯泣き続けた後の姿がなんとも愛おしい。おなかを天に向けて道のあちこちに転がっています。3年から17年幼虫として土の中で暮らし長くても一か月で命を終える。ミンミンと鳴いてるのは雌に合図を送ってる雄のみです。雌はこの短い一生のうちに一度しか交尾できません。蝉の世界では男女ほぼ同数というわけだから、人間社会と同じでモテモテ男は複数の愛を与えられ、持てない雄蝉は一度の交尾をすることなく一生を終えることとなる。長い苦闘の末、世の中に出てきたのになんとも不憫ではありませんか...そんなことを考えながら、台風の余波を受けた首都圏での蝉の命の叫びを聴いております。おいらにも愛をくれ!まだまだ愛が足りない!双方の声が入り乱れ愛の戦場になっとります。と、蝉が突如ゼロ戦の如く飛翔し壁にぶち当たり短い一生を終えました。何だか神風特攻隊を思わせる一瞬の出来事...こんなことを連想させるのも8月という季節だからでしょう。愛の戦いは良しとしても、武器を手にしての戦いは許されるものではありません。残り少ない8月、もう一度平和の大切さを噛みしめたいものですね。

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百日紅

2018/08/22
【第1129回】

盛り上がった甲子園も終わりましたね...秋田地元出身だけの県立高校、誰しも判官贔屓しますがな。今や高校野球も、名門校は全国から少年野球のスター選手を集めてプロ並みの管理の下の野球漬け。そんななか農業の勉強してプロ級の優勝候補のチームをなぎ倒して決勝戦まで駒を進めたんですから大騒ぎになりますな。エースの吉田君が予選から全試合完投なんてどんな身体しとるんやろか?プロに行った途端、鉄腕がぼろぼろ腕なんてことも考えちゃいます。でもこの金足農業高校の選手達、ほんとうに野球を楽しんでプレーしてるんだなという姿がひしひしと伝わってきます。アマチュア野球の魅力を存分に感じさせるスタイルはあらためて野球はいいなと思いました。おいらも甲子園、いや西鉄ライオンズの選手になりたかった...でも、おいらの性格からしてやっぱり団体競技に向いてないなと思います。中学時代監督に物申し喧嘩して野球を断念しました...言わずにおれない気性がさすらいの人生の始まりました。でもね、そんな経験を経てこそいまのおいらがあるとは思ってますんがな。

昨日は、東京ドームに行って来ました。ロッテ主催のライオンズ戦...地鳴りがするようなロッテの応援団の凄まじさ。おいらは苦手ですな、サンフランシスコにあるドジャースの本拠地で観た野球場の風景が懐かしい...敵味方関係なく好プレーが出れば老若男女誰しもが拍手、鳴り物は一切無し、観客が本当に野球を楽しんでいる姿に感動。軍国主義みたいな応援おいらは好きでありまっせん。野球も芝居も同じ、人によって受け取り方も千差万別、大切な時間とお金を費やして来てるんですから強制しないでちょうだいな!と言いたい。プロ野球も終盤、果たしてライオンズは10年振りの優勝なりますかな?まだまだはらはらどきどきの日々でございます。

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ロッテファンで真っ白け

2018/08/20
【第1128回】

吉祥寺は住みたい街のトップになる地域らしい...おいらも近いので良く出かけるのであるが、公園有り、昔ながらの闇市がそのまま残った飲み屋街有り、jazz喫茶有りなどなど老若男女誰しもが楽しめる佇まいが受けてる要因ではなかろうか。井の頭恩賜公園では土曜日、日曜日はたくさんの出店が色とりどりの手作りアクセサリー、オモチャを並べ散歩してる人達を楽しませてくれる。勿論、様々な大道芸人が競って芸を御披露して子どもたちも大喜び。このお手頃な広さの中で自由に選択出来るところがミソですな...新宿、渋谷、銀座、六本木、青山どこにもあてはまらないエリアである。昨日もブラリ散歩してると気になる喫茶店を見つけ珈琲を一杯。店内にはjazzのレコードが優しく流れ日常を忘れさせてくれる...ここのオーナー、カップルで来るお客にわざわざ「ここは会話するところでないですが、よろしいでしょうか?」なんて言葉を掛けていた。なるほど店内に入るとjazzをBGM代わりに読書したり、ぼんやりしたり、思考・思索に耽るところなんですね。このオーナーの拘りもたいしたもんでございます。商売より信念に近い生き方を貫いて行きたいんでしょうな...なのに喫煙は許されてる...てなとこがまたおもろいやんけ。店内のインテリアがまたまた個性的。まとめようとしていながらまとまっていないのだが主張は理解できる。このがたくら精神こそがこの店の真骨頂ではなかろうか。まあお客を選んでるんですね...同じ価値観を持った人と時間と空気を共有したい。窓から見えるベランダには鳥寄せ餌付け箱もありましたな。このオーナーまさか鳥たちにも同じ価値観を求めてるんでしょうかね?いやいや、いろんな思いを巡らせてくれるお店でございました。

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ふらり立ち寄ってみたら...

2018/08/17
【第1127回】

終戦記念日、お盆の時期に合わせた今回の風間杜夫一人芝居「ピース」東京公演、池袋あうるすぽっとで無事終えることが出来ました。劇中で杜夫ちゃんが唱える般若心経が、戦場、災害で、そして身近の亡くなった人たちに届くようでございました。まさしくタイムリーな企画であったと思います。笑いの中に平和の大切さ、家族への愛が込められた一人芝居。連日大入り満員のお客様も満足気に劇場を後にしていました。この東京公演に限り、今年4月に67歳で亡くなったおいらと杜夫ちゃん長年の友、歌手紀藤ひろしのアルバムジャケットを拡大し居酒屋のシーンで飾りました。勿論彼の曲も流しました。このお盆の時期、彼も会場のどこかに居るような気がしました。亡き人を偲ぶ形も様々でございます...肉体が滅んでも、魂は生者の思いでいくらでも呼び戻すことができ対話し続けることができるんですね。今回の芝居の出色な点は、彼岸の世界がこんなにも楽しいところなのかと思わせるシーンではなかろうか...この芝居を観て、この悩み苦しい此岸の世界を一刻も離れて、早く彼岸の世界に行きたいわ!なんて気分にさせてしまうくらいの楽しさ面白さ満載でございました。これもひとえに風間杜夫の圧倒的な表現力の為す技ではなかろうか。勿論、水谷龍二という作・演出家と長年築いてきた信頼感があってこそのことではあるが...やっぱり芝居はいいもんだ。手作りでつくったものを、時間とお金をかけて劇場に足を運んでいただいたお客さんと素敵な時間を共有できるんだもん...こんな場に居れることだけで感謝!またいい芝居創らなければとの思いを強くした次第でございます。

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池袋の空

2018/08/13
【第1126回】

世間は盆休み、電車に乗るとキャリーバッグを手にして帰郷かな、旅行かな、働きに行く顔と違い嬉々とした表情をしています。ええこっちゃ!こんな時にこそ、思いきり心身を思いきり開放し新しい風を吹き込まないと...おいらは、週末2本の芝居を観てきました。まずは新劇の女優さん7人で結成したOn7の芝居「その頬、熱線に焼かれ」広島で被爆した原爆乙女の話です。25人の被爆女性が原爆投下国アメリカに治療に行った話です。この地で過ごした乙女の心情は如何許かりであったろうか...その苦渋を7人の女優が真摯に演じてました。戦争も知らない彼女たちが、こうやって演劇を通して戦争、原爆のことを伝えていく地道な活動に拍手を送りたい。あと数年で戦争体験者も皆無になってしまいます。誰かがバトンタッチをしないと間違いなく歴史は繰り返されます。

昨日は、ベテラン俳優の芝居を観劇。八千草薫さん村井國夫さんが共演した「黄昏」。37年前にヘンリーフォンダとジェーン・フォンダという実の親子が実生活を投影したような関係を描きながら、その二人にキャサリン・ヘップバーンが絡む映画がありましたな。それを87歳になる八千草さんと村井さんが淡々と演じてました。村井さんの硬軟併せ持つしなやかな演技が光ります。トム・プロジェクトの作品にも2度出演して頂いたんですけど、実に惚れ惚れする演技に魅了されます。今回も、間違いなく村井國夫さんがしっかりと舞台を締めていました。老い、家族、これからの人生の過ごし方のヒントになる作品かも知れませんね。

少し暑さも一段落したかなと思いきや、今日も熱中症注意報が出ています。こんな時、野に咲く花に出会うと一服の清涼剤になりますね。一句「ひっそりと活きて生きたい夏の花」。

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夏の花

2018/08/10
【第1125回】

昨日も11時2分、長崎に原爆が投下されて73年目、長崎に向かって1分間黙祷しました。それにしても長崎市長の田上さん、いつもの粛然たる姿を見るたびに、この市長のもとで長崎市民が平和について地道な活動をしていることを心強く思いました。今回の平和宣言で長崎の核兵器廃絶運動を長年牽引し、昨年亡くなった二人の被爆者の言葉が印象的でした。その一人の土山秀夫さんは、核兵器に頼ろうとする国々のリーダーに対し、こう述べています。「あなた方が核兵器を所有し、またこれから保有しようとすることは、何の自慢にもならない。それどころか恥ずべき人道に対する犯罪の加担者となりかねないことを知るべきである」。もう一人の被爆者、谷口稜曄さんはこう述べました。「核兵器と人類は共存できないのです。こんな苦しみは、もう私たちだけでたくさんです。人間が人間として生きていくためには、地球上に一発たりとも核兵器を残してはなりません」。

そんな思いも届くことなくこの国の首相は、唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」の実現に向けての核禁条約には参加しないとする立場を維持している。昨日も苦々しい顔もせず、この問題に触れることない形式だけの演説をしていました。

沖縄の翁長知事もなくなりました。この方はもともと自民党員でありながら、政府の沖縄に対する上目線の姿勢に怒りを覚え政府と対決するようになりました。おいらも先月沖縄に行ってきました。一等地はすべて米軍基地、タクシー運転手さんも諦めに近い溜息をついていました。いつまでこの状態が続くのだろうか...沖縄の明るさの裏には深い悲しみが宿ってる気がします。この日本の今ある平和は数多くの先人の犠牲の上に成り立っていること、そして核兵器然り、沖縄然り、他人事としてではなく自分の問題としてもう一度何をなすべきか沈思黙考するに値する8月だと思います。

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しっかりせんと...

2018/08/08
【第1124回】

夏祭り真っ盛り、その主役は花火じゃなかろうか...華やかに打ち上げられ消えていく様を見てると人生そのものだ。シュルシュルと上がって、夜空の広大な闇に広がる光のショーは思わず掛け声を掛けたくなる。そして、あの消えていく瞬間がたまりませんですな。人生の喜怒哀楽も瞬間で次なるステップを余儀なくされる。その余韻を感じる間がなんとも愛おしい...おいらが子供の頃の役割は花火大会の場所取りでありました。博多の街では中洲、大濠公園が花火大会の会場でした。繁華街であった中洲の場所取りは怖かったな。ゴザの上に陣取ったおいらを睨みつけ「誰の許可でおるとや?」明らかに中洲を牛耳ってるやくざのチンピラのあんちゃんが凄味を利かしてくる。みかじめ料でもあるまいし、ここは市の土地であるにもかかわらず脅してくる。ここですごすごと立ち退くようでは男じゃない!ちっこい身体を張ってがんとして動かないおいらに業を煮やしながらも立ち去るあんちゃんの背を見ながら、おいらやくざに勝ったばい!と勝利の余韻に浸っておりました。大濠公園では場所取りとラムネ売りを兼ねていて大変でした。思えば花火を鑑賞するよりも、小遣い銭稼ぎの方が重要案件であり、唯ひたすらにラムネ売りに没頭してた記憶があります。場所取りしてたことも忘れラムネが売れる度においらの頭はそろばんになっとりました。

昨今の花火大会、会場に向かう娘さん達のカラフルな簡易浴衣に身を包み嬉々とした表情を見る度に、ほんなごついい時代になったと改めて平和に感謝。

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たまや~かぎや~

2018/08/06
【第1123回】

73年前の今日8時15分に広島に原爆が投下されました。広島に向かって1分間黙祷しました。その日の地獄絵図が脳裏を駆け巡ります...熱かっただろうね、痛かっただろうね、水が欲しかったんだろうね、こんな事実があったにもかかわらず2018年になった今でも残念ながら...この地球の上には14205~14955発もの核弾頭が存在しているのが現状なのです。ほんまにあんぽんたんな人間でございます。昨年ノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が提案し122カ国が国連の核廃絶条約に賛成したのに米英など、核保有が知られている9カ国はいずれも賛成しなかった。そして日本も。こんなことあるんかいな...唯一の被爆国なのにトランプの顔色うかがっての判断。こんなこと断じて許してならんです。原爆そして無益な戦争、こんなことで無念にも死んでいった人たちの心情を思うと涙が出てきます。

先週の土曜日、メットライフドーム(西武球場)に行ってきました。いやいや蒸し風呂ですたい。すり鉢状の観客席は皆、団扇を扇いでの観戦。この日は残念ながらライオンはハムを食べつくすことが出来ませんでした。ぺろりと食べてほしかったんですがね...この日、感心したのは、前日の敗戦の因を作った選手をスターティングメンバーに起用した日本ハムファイターズ栗山監督。決定的なエラーをした選手にチャンスを与えた監督に感動しました。結果は出せなかったのだが、おいらも敵ながら思わずヒットを打ってくれと願わずにはいられなかった...あのエラーがなかったら間違いなく勝利したに違いないくらいの致命的なエラーで、青ざめた顔でベンチに引き上げ茫然自失な表情が辛かった。人生も同じ、失敗もするさ!そんな時にそっと救いの手を伸ばしてくれる家族、上司、友人がいれば間違いなく再起できるに違いない。この日はゲームよりも、この選手の守備、打撃が気になってライオンズの負けもそんなに気になりませんでした。野球っていろんなドラマを魅せてくれるんですね...

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10年振りの優勝なるかな?

2018/08/03
【第1122回】

夏のお祭り真っ盛り...家の近くの広場で昨日もちびっ子盆踊りやってました。このクソ暑いのに子供はピチピチキラキラと元気よく踊ってました。浴衣姿が可愛いですな...おいらも子供の頃、ガラの広っぱ(石炭カスを捨てられ、後広場になったところ)で盆踊りがありました。戦後間もない頃で、それはそれは裸電球がチラホラと吊られ質素なお祭りでしたが、炭坑節が流れると老若男女入り乱れ、博多もん特有のぼせもんエネルギーが爆発し一気に盛り上がりました。綿飴、水飴しゃぶりながらおいらは憧れのお嬢さんの一挙手一投足に眼が点になっとりました。その子は、当時の地域では珍しく貿易の仕事をしてる家庭で育ってるんで、なんとも異国の匂いがプンプンと漂い、洟垂れ小僧仲間にとっては垂涎の的でございました。あんたんこと好いとう...なんて言おうもんなら、なんて馬鹿なこと言いよっと...なんて言葉が返ってきそうで強気のおいらもついつい思いとどまってしまいましたばい。広場ってとっても大切な空間だと思います。見知らぬ人が出逢い、そこで開催されるお祭り事で喜び楽しみを共有し、人生の想い出として己の心の隙間に宝物としてそっとしまい込まれる...そんな日常の積み重ねが人としての人格を形成していくんじゃないかしら。

博多山笠も終わり、今は東北三大祭り「青森ねぶた祭」「秋田竿燈祭」「仙台七夕祭」の時期でございます。こんなお祭りも平和だからこそ出来るもんでございます。来週は広島、長崎に原爆が投下された日が来ます。平和であることについて真摯に向き合う週にしたいものですね。

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ちびっ子盆踊り

2018/08/02
【第1121回】

9月に上演する「にっぽん男女騒乱記」の稽古が猛暑の中始まりました。トム・プロジェクトでもお馴染みの東憲司さんの新作です。チラシ、ポスター見ただけでなんだか騒乱しちゃいますね...戦後間もない九州のある地域が舞台で面白く、可笑しく、逞しく生き抜いた人たちの物語です。世の中すべからくスマートになった昨今、武骨に必死に生きてる人間は懐かしい気がします。まさしく、おいらの少年時代の話です。少年時代、立ち入り禁止地域である鉄道線路に侵入し鉄くず拾ってアイスキャンデーを買った時代です。鉄くずを集める元締めは在日の人たちでした。おいらはすばしっこいガキでした。よそのガキが鼻水たらし拭ってる隙にちゃかり鉄くずを拾い集め換金するのも早かった。のんびりしてると生き残っていけない時代だったんですね...最初の本読みを耳にしながら、そんなことを思い出しました。今回の登場人物のなかにも似たようなインチキ親父、娼婦のねえさん、ちょいと頭の足りないあんちゃん...居ましたな。インテリを装ってよその嫁さんにちょっかい出す親父いたな。色白なハンサムやせ型、一応女性に持てそうな容貌をしてたんだが所詮はヒモ男。彼の辞書には働くという語彙が皆無でした。子供のおいらにも稼いだお金で買ったキャンデーをせびるんですから困ったもんでございます。この親父はおいらの人生の中でも立派な反面教師になっとります「自分の人生は自力で生きる」と。

猛暑も中ではありますが、キャスト・スタッフのみなさん9月5日の初日に向けておもしろか芝居創りましょうね!

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夏祭りのあと