トムプロジェクト

2018/08/17
【第1127回】

終戦記念日、お盆の時期に合わせた今回の風間杜夫一人芝居「ピース」東京公演、池袋あうるすぽっとで無事終えることが出来ました。劇中で杜夫ちゃんが唱える般若心経が、戦場、災害で、そして身近の亡くなった人たちに届くようでございました。まさしくタイムリーな企画であったと思います。笑いの中に平和の大切さ、家族への愛が込められた一人芝居。連日大入り満員のお客様も満足気に劇場を後にしていました。この東京公演に限り、今年4月に67歳で亡くなったおいらと杜夫ちゃん長年の友、歌手紀藤ひろしのアルバムジャケットを拡大し居酒屋のシーンで飾りました。勿論彼の曲も流しました。このお盆の時期、彼も会場のどこかに居るような気がしました。亡き人を偲ぶ形も様々でございます...肉体が滅んでも、魂は生者の思いでいくらでも呼び戻すことができ対話し続けることができるんですね。今回の芝居の出色な点は、彼岸の世界がこんなにも楽しいところなのかと思わせるシーンではなかろうか...この芝居を観て、この悩み苦しい此岸の世界を一刻も離れて、早く彼岸の世界に行きたいわ!なんて気分にさせてしまうくらいの楽しさ面白さ満載でございました。これもひとえに風間杜夫の圧倒的な表現力の為す技ではなかろうか。勿論、水谷龍二という作・演出家と長年築いてきた信頼感があってこそのことではあるが...やっぱり芝居はいいもんだ。手作りでつくったものを、時間とお金をかけて劇場に足を運んでいただいたお客さんと素敵な時間を共有できるんだもん...こんな場に居れることだけで感謝!またいい芝居創らなければとの思いを強くした次第でございます。

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池袋の空

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