トムプロジェクト

2018/08/13
【第1126回】

世間は盆休み、電車に乗るとキャリーバッグを手にして帰郷かな、旅行かな、働きに行く顔と違い嬉々とした表情をしています。ええこっちゃ!こんな時にこそ、思いきり心身を思いきり開放し新しい風を吹き込まないと...おいらは、週末2本の芝居を観てきました。まずは新劇の女優さん7人で結成したOn7の芝居「その頬、熱線に焼かれ」広島で被爆した原爆乙女の話です。25人の被爆女性が原爆投下国アメリカに治療に行った話です。この地で過ごした乙女の心情は如何許かりであったろうか...その苦渋を7人の女優が真摯に演じてました。戦争も知らない彼女たちが、こうやって演劇を通して戦争、原爆のことを伝えていく地道な活動に拍手を送りたい。あと数年で戦争体験者も皆無になってしまいます。誰かがバトンタッチをしないと間違いなく歴史は繰り返されます。

昨日は、ベテラン俳優の芝居を観劇。八千草薫さん村井國夫さんが共演した「黄昏」。37年前にヘンリーフォンダとジェーン・フォンダという実の親子が実生活を投影したような関係を描きながら、その二人にキャサリン・ヘップバーンが絡む映画がありましたな。それを87歳になる八千草さんと村井さんが淡々と演じてました。村井さんの硬軟併せ持つしなやかな演技が光ります。トム・プロジェクトの作品にも2度出演して頂いたんですけど、実に惚れ惚れする演技に魅了されます。今回も、間違いなく村井國夫さんがしっかりと舞台を締めていました。老い、家族、これからの人生の過ごし方のヒントになる作品かも知れませんね。

少し暑さも一段落したかなと思いきや、今日も熱中症注意報が出ています。こんな時、野に咲く花に出会うと一服の清涼剤になりますね。一句「ひっそりと活きて生きたい夏の花」。

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夏の花

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