トムプロジェクト

2018/08/24
【第1130回】

蝉が最後のチカラを振絞って鳴いております...精一杯泣き続けた後の姿がなんとも愛おしい。おなかを天に向けて道のあちこちに転がっています。3年から17年幼虫として土の中で暮らし長くても一か月で命を終える。ミンミンと鳴いてるのは雌に合図を送ってる雄のみです。雌はこの短い一生のうちに一度しか交尾できません。蝉の世界では男女ほぼ同数というわけだから、人間社会と同じでモテモテ男は複数の愛を与えられ、持てない雄蝉は一度の交尾をすることなく一生を終えることとなる。長い苦闘の末、世の中に出てきたのになんとも不憫ではありませんか...そんなことを考えながら、台風の余波を受けた首都圏での蝉の命の叫びを聴いております。おいらにも愛をくれ!まだまだ愛が足りない!双方の声が入り乱れ愛の戦場になっとります。と、蝉が突如ゼロ戦の如く飛翔し壁にぶち当たり短い一生を終えました。何だか神風特攻隊を思わせる一瞬の出来事...こんなことを連想させるのも8月という季節だからでしょう。愛の戦いは良しとしても、武器を手にしての戦いは許されるものではありません。残り少ない8月、もう一度平和の大切さを噛みしめたいものですね。

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百日紅

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