トムプロジェクト

2025/06/27
【第2053回】

昨日何となくTVをつけたら、1981年6月に行われた「美空ひばり芸能生活35周年記念リサイタル 武道館ライヴ」の模様が放送されていました。久しぶりの聴いた美空ひばりの歌声は圧倒的でした。思えば若い頃、美空ひばり即芸能界、そして山口組がバックについているなどなど、反体制、既成の概念を嫌悪し新しい価値観に目覚めようとしている者にとってはあまり興味の対象ではありませんでした。44年前に武道館でこんなことをやっていたことも、勿論知りません。人は年を重ねることによって、改めて表現の深淵なるものを覗かせてくれるんですね...「悲しい酒」「愛の讃歌」「昴」、演歌にとどまらずあらゆるジャンルの歌を、七色の声を使いこなしながら決して重くならず軽快に歌いこなす彼女は、やはり不世出の歌姫である。この日、44歳の彼女はすべてに光り輝いて見えました。なんだか8年後の死を悟っていたのではないだろうか...太く短く波乱を含めての人生だからこそ、あれだけのヒット曲を世に送り出すことが出来たともいえます。

昨日の美空ひばりさんの歌を聴きながら、改めて言葉の大切さを感じました、今はやりの音楽が曲とリズムを重要視するあまり歌詞が入ってきません。勿論、時代の流れだとは思いますが歌の言葉がないがしろにされている気がしてなりません。考えてみれば、今の時代を動かしているトップの輩が吐き出し言葉の何と軽いことか...仕方ありませんかね。

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