トムプロジェクト

2021/08/30
【第1522回】

アフガニスタンが大変なことになっている。何度繰り返しているのだろうか...ベトナム然り、イラク、そしてアフガニスタン、世界の警察官アメリカの力(武力)による支配が無力であることをまたも思い知らされた次第だ。真の平和は2019年12月に亡くなった中村哲さんの地道な活動などからしか得られない。アフガニスタンにアメリカ軍が駐留した際、哲さんは今ある姿を予想していたに違いない。武器を差し出すのではなく、いまある現状に自ら身体を張って現地の人達と一緒になって汗を流しながら灌漑用水を作り、貧困に喘ぐ地域に診療所を設け自ら診療にあたった哲さんの信念「誰もそこへ行かぬから我々がゆく。誰もしないから我々がする」が真っ当ではなかろうか...

 

「信頼」は一朝にして築かれるものではない。利害を超え、忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人々の心に触れる。それは武力以上に強固な安全を提供してくれ、人々を動かすことが出来る。私たちにとって、平和とは理念ではなく現実の力なのだ。私たちはいとも安易に戦争と平和を語りすぎる。武力行使によって守られるものとは何か、そして本当に守るべきものとは何か、静かにおもいをいたすべきかと思われる。

 

哲さんの言葉には説得力がある。そして哲さんが現地の人達と一緒に創りあげた心の結晶、思いが一隅の灯りとして、静かにコツコツと積み上げられることを願う。

 

おいらのデスクには友人である書家・井上龍一郎さんのカレンダーが置かれている。今年は中村哲医師のことばが書かれている。7月8月の書は「御託はもう結構 ただ実行あるのみ」

続いて「どこまで行くのかと尋ねられた 啠 行けるところまでと答えた」「せめて自分たちだけでも日本の良心の証となろうと願っている」

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暑いニャン

2021/08/27
【第1521回】

昨日、風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」初めての通し稽古に行って来ました。

前回顔を出して以来の稽古場だったのだが、さすが杜夫ちゃん見事な1時間半でございました。あんなに沢山の歌に台詞、どうやったらあんなに上手く出来るんでしょうかね?いや、彼だからこその芸だとつくづく思い知らされた次第です。先ずは自分が楽しんで居る姿がすなわちお客に楽しんで貰うことだと言うことを把握してるんですね。でも、このわかりきったことも腕がなければ唯のマスターべーションに陥ってしまう現場を過去に何度も目撃してきました。この芸の回路を何の抵抗もなく違和感なく心地よく通過させていく者は生まれ持っての才能以外には考えられません。この世界ばかりは、いくら努力しても埒が明かないことが多々あります...おいらも長くこの世界に携わっているけれど残念ながら向いていないなと思う人も随分と居ました。でも、正直言ってやめろなんて簡単に口出しできないんですね。だって、好きなことはやめられないし、好きなことに夢中になれるなんてことは素晴らしいことですから...この混迷した時代に、熱中すること自体が冷ややかな視線に晒されてる現実があります。一度きりの人生なのに寂しい気がします。挫折しても結構です、無我夢中になった体験は必ずや人生に活かされることは間違いありません...

稽古場を後にして稽古場から両国駅まで歩いていたら九重部屋がありました。玄関前には今は亡き昭和最後の大横綱千代の富士の胸像がありました。現役時代はウルフの愛称で小兵ながら上手投げと速攻相撲でおいらも好きな関取でした。あの時代に比べて今の相撲界随分と変わったもんでございます。強いのはわかるのだが、土俵上の態度に品がないのがよろしくありません。時代のせいにするのは簡単だが、やはり品格、清々しさはどの世界も同じだと思いますがね。

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出を待つ千代の富士

2021/08/25
【第1520回】

依然として収束の見込みがない中、パラリンピックも開幕しちゃいました...障害がある人達の競技は、おいらとしては先のオリンピックより意義深いとは思いますが、何せ毎日入院もできず自宅で亡くなっている人が居る現状の中ではやはり異常だと思います。昨日のセレモニーも単純に楽しめない気分で途中観るのを止めちゃいました。オリンピックと同様、出し物が稚拙でありセンスのかけらすら感じられない演出でもありました...日本のアートのレベルを問われかねないお金の無駄遣いであったと思います。そんなお金、この非常事態のなかコロナで困窮しているところにまわして欲しいと感じた人が多くいたのでは...

そういう訳で、昨日は野球を観ちゃいました。なんと最下位争いをしているライオンズでございます。なにが悪いのか?勿論、いい選手があっての戦いだとは思いますが、やはり監督の采配とコーチのアドバイスの良し悪しが勝利の方程式かな...この方程式が今年のライオンズには欠けています。昨日は勝っていたのに、過去に何度も失敗している投手を起用して案の定逆転されちゃいました。何度同じ間違いするんじゃボケ!とおいらも腹立たしく思ったのですが、最終回若手の活躍でなんとか引き分けに持ち込みました。今年のライオンズ、優勝は無理なので若手の活躍が唯一の楽しみです。特に育成から這い上がり活躍する選手には拍手を送りたい...それにしても日本ハムから巨人に移籍した選手、暴力事件を犯しながら9日の謹慎期間のみで早速プレーするなんて、思わず空白の一日なんて無茶なことして巨人に不法入団した昔の江川事件を思い出しちゃいました。未だに球界のドンのやることには何も言えないんでございますね...どこの世界も同じ穴のムジナってことかな。

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ウワサの新宿3D巨大猫

2021/08/23
【第1519回】

昨日の20時に早くも横浜市長選の当確が決まりました。まあ、良識のある人たちの妥当な判断ではあったと思います。連日4000人から5000人のコロナ感染者が出ているのに何ら手を打たない現実を知れば少々反応が遅い人でも危機感を持ちますよね。コロナ感染による自宅待機なんて戦々恐々、うっすらと死が頭に浮かび、日が経つにつれネガティブになっていくのが想像できます。この非常時にリーダー不在のこの国の不幸が際立ってきています。先ずは言葉ありきだと思います。言葉の翼に説得力、力強さ、想像力が抜け落ちていると言葉は大きく広く羽ばたいていきまっせん。昨今、SNS全盛時代、誰しもが気軽に言葉を発し好き勝手に巷に氾濫しまくってる言葉。言葉は疲弊しイージーになり下品なやり取りに終始する場をよく目にします。言葉の使い方ひとつで人は目覚め生き方を変える武器にもなるし、その逆、尊い命までをも奪いかねません。「沈黙は金」なんて言葉がありますが、黙っていた方が説得力あるなんてことは、豊かなきらりと光る言葉を有してる人が沈黙した時に有効性があるってもんじゃないでしょうか...

おいらが大好きな詩人、茨木のり子さんの詩

 

言葉が多すぎる

というより

言葉らしきものが多すぎる

というより

言葉と言えるほどのものが無い

 

そうなんですね。心底からふかい喜悦をもたらしてくれる言葉、渇いた心を芯から潤わしてくれる言葉に出逢うことがめっきり少なくなってきたんですね...

寂しい時代になったもんでございます。

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「花束を持っている少年」新宿東口

2021/08/20
【第1518回】

新宿の街でロマンスグレーの60代半ばの紳士が花を抱えて歩いていました。様になっているというか、なかなか日本社会では見かけない風景です。誰のために買ったのか?それとも自分の部屋に飾るため?どちらにしても花を愛でるその心意気、いや男気、艶っぽさについつい見とれてしまいました。そういえばおいらが昔住んでたスペインでは、普段は朝からワインを飲みだらしない男が、なぜか花を手にすると背筋が伸び、きりりとした伊達男に変貌する姿をよく見かけました...おいらも花を手にする姿がとっても似合う紳士になりたいと改めて思った次第です。

今や、男のくせに女のくせにの言葉は死語です。男女を問わず、誰しもが認める心身含めてエレガントな姿、生き方を目指したいものです。どんな人生を生きてきたかは、その言葉遣い、仕草、表情にすべて表れてくるので恐ろしゅうございます。まさしくその人の姿、形は履歴書でございます。履歴書を背負って街中を歩いてると思ってくださいな...

まだまだ収束しそうもないコロナ、この週末も己の身は己で守るしかない現実をしかと自覚して過ごすしかないですね。

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野に咲くゼフィランサス

2021/08/18
【第1517回】

久しぶりに青空を見させていただきました。雲の間に拡がる青空を見るだけで、何だかほっとし今日も生きられるなんて思う気がしてしまいます。人間なんて身近にある幸せを当たり前のように享受してるのだが、自然が織りなす気候の微妙な変化でその有難みを改めて気づかさせてくれてるんですね...

小池真理子さんの新作「神よ憐れみたまえ」570ページの長編一気に読んじゃいました。10年かけて書き上げたこの作品、作者の人生観が見事に織り込まれている。主人公は決して普通の人ではないのだが、主人公を取り巻くひとたちとの出会い、別れを通して普遍的な人生の形が浮かび上がってくる展開が見事だ。ミステリー小説と思わせながら登場人物ひとりひとりのキャラクターに魅了されていく人間ドラマ。

2020年1月に最愛の夫であり同じ直木賞作家である藤田宜永さんを亡くし、その悲しみの中で書き上げたこの作品は夫へのレクイエムともいえる作品。生と死、そして老い、夫婦で長年住んでいた軽井沢での二人で過ごした日々も含めて作者渾身の作ではなかろうか。

この作品、多分映像化されるのは間違いないと思うのだが正直言って勘弁してほしいな。未だに小説を凌駕する映像作品は「砂の器」(原作・松本清張、監督・野村芳太郎)以外、おいらのなかでは見当たりません。言葉が持つチカラを改めて考えさせてくれる文学に出会ったときの喜びはそりゃ天にも昇る心地でございます。

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久し振りの青空

2021/08/16
【第1516回】

いやいやよく降りました雨、雨、雨...コロナ感染には人出を減らす恵みの雨にはなったけど、全国各地に甚大な被害をもたらしてしまいました。何十年度に一度なんて言葉は死語になるくらい毎年恒例の災害になっちゃいました。環境破壊がもたらす要因はわかるにしても、ここもきちんと手を打たないと人災と言われても仕方ないかもしれません。お盆の時期にこれだけ降り続けるのも珍しいことではなかろうか...戦地で虚しく散っていった人たちが「あんたら少しは俺たちの無念さを考えておくんなさいな」叩きつけるような雨音が、そう聞こえる8月15日でもありました。満州の地で敗戦と同時に真っ先に逃げていった日本の上級軍人、残された平民は悲惨な境遇に晒され棄民にならざるを得なかった状況は、今まさにコロナに感染し自宅療養せざるを得ない人達に通じるものがある。自宅療養なんて言葉もおかしくありません?療養を受ける術もないんですから...面倒みきれませんからと棄てられたコロナ棄民といっても過言ではないと思います。

週明けの今日の新宿は雨もほどほどなんですが街ゆく人の表情は何となく疲れた感じがします。そりゃそうだ、流れてくる情報は水害とコロナいい加減心が萎えちゃいます。ここはぱっと気晴らしに外に出て一杯引っ掛けながら憂さ晴らしと言いたいところだが酒禁止なんですから家で飲むしかありません。酒はただ飲めばいいってもんではございません。主は、人とのコミュニケーションであって、酒はその手助けの従でしかありません。家での酒はついつい飲み過ぎ身体を壊してしまう危険性を孕んでいるのでご用心。

ぼやいていてもしょうがなか...なんとかいつもの日常を取り戻す流れをつくらんといきませんばい。

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今日も走る新宿タイガー

2021/08/13
【第1515回】

風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」いよいよ稽古が始まりました...でも状況は非常に厳しいですよね。連日5000人近くのコロナ感染者が出ている中、稽古も厳戒態勢の中でやるしかありません。PCR検査に、マスク、検温、消毒、換気などなど、やれることはなんでもやっています。幸いにして昨年からトムの周辺からは感染者も出ず何とか公演を継続できているので、今回も上演出来ることを信じてやるしかありません。

稽古初日から風間さん気合い十分です。本番並みの本読み初日でございました。今年72歳、髪もふさふさ、顔の色艶も良く、まさしく絶好調といった感じです。今年も今回の芝居で3本目、役者風間杜夫の表現力に深みが増し見応えがあるひとり芝居になると思います。

それにしても、この感染状況の中、国会も開かずなんの手も打てない為政者ってなんなんでしょうかね...東京のコロナに感染して自宅で療養している人がなんと2万人、入院したくても出来ないんですから、これは非常いや異常事態ですよ。昨日の東京の入院者がたった一人、都知事もなんとかせんかい!もうここまで来れば自己防衛しかありませんね。

昨日から雨が降り出し、ここしばらく続くらしい...この雨が人出の減少に繋がり恵みの雨になることを願いたいものです。

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稽古初日のスカイツリー

2021/08/10
【第1514回】

やれやれ、オリンピックも終え、又もや猛暑の東京の週明けでございます。ぼったくり男爵ほっとしたんでしょうかね、銀ブラを楽しみ街行く人と写真に応じたとのこと。気楽なもんですな...オリンピックの間にあっという間に感染者が増えた東京、身の回りにも自宅療養で高熱に苦しんでいる人が居ます。アスリートの人は本当に良くプレーしたし、彼らを責める人は誰もいないと思います。IOC貴族、これを承認した為政者なんとか言わんかい!いやなんとか手を打たんかい!オリンピックと感染者の増加は関係ないなんてしらじらとのたまうあなたたちはどこまでも上目線ですな...ほんま呆れてしまいますわ。

8月9日の長崎原爆の日に被爆者代表として語られた92歳の岡信子さんの言葉は胸を打つものがありました。当時16歳、日本赤十字の看護学生であった岡さんが目の前で見た地獄の惨状をしっかりと言葉にする姿は、どんな優れた学者よりも原爆の恐ろしさを伝えるまさしく肉声でありました。体験からきた言葉に適うものはありません...原爆の脅威を知らない人たちには是非とも聴いて感じてもらいたいものです。武力を優先する核保有国のトップにもと言いたいところだが、彼らは武器商人の先棒を担ぐ輩なんで見て見ぬふりをするでしょうね...それにしても、こんな当たり前で理不尽なことすら世界で共有出来ないなんてニンゲンアホですな!

そのアホなニンゲンにならないためにも、自分磨きゴシゴシやらんといかんですばい...

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窓ガラスに映る夕日

2021/08/06
【第1513回】

76年前の今日8時15分に忌まわしい出来事がありました...おいらもこの時間に、原爆で亡くなった人達に哀悼の気持を込めて黙祷しました。先日も画家丸木位里夫妻の「原爆の図」を見たのだが、一瞬にして地獄絵の世界に晒された人たちの苦しみはいかばかりかと...眼球は飛び出し、肉は焼けただれ、水を求めて川に飛び込む人達。この惨状を唯一体験せざるを得なかった国なのに、今年国連で発効された核兵器禁止条約に日本が加盟してない事実、そして今回のオリンピックのさなかに黙祷の提案すらできないこの国の為政者の不誠実には怒りを通り越しあきれ果てております。

最初は東日本大震災復興のためのオリンピック、次がコロナウイルスを乗り越えるためのオリンピック、立派なお題目ばかり立ててなんら努力もせずただ時が過ぎていく日々。はっきり言って、この国の姿に明るい未来を感じることはありません...と、おいらは残り少ない人生だから良しとしても、子供の屈託のない笑顔を見るにつけなんとかせんばいかんですばい!とも思います。日々の安逸な生活もいいけれど少しは意識のフィールドを拡げてみると、生きてることの楽しみが増えてくると同時に、人として生まれてきたことへの責任と義務の大切さを思い知らされるはずです。

8月9日は長崎に2発目の原子爆弾が落とされた日です。午前11時02分、多くの人達が今ある平和に感謝し、未来永劫二度と戦争を起こさないことを誓い黙祷することを願います。先ずはすぐにもできることから始めるしかありません...

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一服の清涼花

2021/08/04
【第1512回】

みーん♪みーん♪みーん♪今日も朝からセミが元気よく鳴いております。改めて今は夏の真っ盛りであることを思い知らされます。このセミ君、雨が降る前にピタリと一斉に鳴くのを中止します...なんでもこのセミ君、雨が降る前からもうすぐ雨が降ることがわかっているんですね。蒸し暑くなったり、生暖かい風が吹いたり、セミはさらに正確に雨を予測しています。だってセミは雨が嫌いなんです、先ず外敵にあっても飛ぶことが出来ず身の安全が保障されません。木にしがみついたり凹みに身を隠し雨が止むのをひたすら待つしかありません。雨で羽が濡れるだけではなく変温動物であるため体温の調整ができないんですね。

子孫を残すために相手を探すために命を懸けて泣き続けるオスセミ君の何とけなげなことか...そして今日も、命尽きお腹を曝け出してるセミ君の姿を見て、お疲れさまの声を掛けてあげました。

長くて10年土の中にいて、地上で7日の命なんて悲しくありません。長雨が続き一度も鳴くことなく果てるセミ君だっているかもしれません。猛暑でたまらんなんて言う人が居るかもしれませんが、どうかセミ君のためにも晴れの日が少しでも続いておくれなんて気にもなってしまいます。7日の命と決められたらおいらはどうするかな?なんて考えちゃいますが、ここは一日一生の気持ちで日々を悔いなく生き切ればいいんじゃないかしら...

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夏の風物詩

2021/08/02
【第1511回】

今週もコロナとオリンピックで8月の幕が開きました...先週の金曜日、久しぶりに芝居を観てきました。日々3000人を超す感染者が出る中での芝居、やる側も観る側もきついものがありますね。しかも30人ほどしか入らない小劇場、新宿三丁目にある雑遊というホールです。居酒屋さんを経営しながらも芝居をこよなく愛するオーナーが若き演劇人を応援するために提供した夢場所です。今回観た芝居は別役実作「受付」演出は唐組の久保井研さん。男と女の二人芝居でしたがなかなか見応えがありました。別役さんと言えば不条理劇の代名詞みたいに言われてますが、今回の芝居、久保井さんの演出力によりとても分かりやすく面白く仕上げられていました。言葉を頭で考えず、日常のありのままに形に置き換えたものを役者の身体にストンと落とし込んだことが成功の秘訣だったのではと思っています。

おいらは唐十郎さんの芝居が好きで、状況劇場、唐組と半世紀ばかり観てきてはいますが、最近の唐組の演出をしている久保井さんのチカラにより今までとは違った唐さんの魅力を引き出していると思います。観客を見知らぬ世界に誘い込み、猥雑とロマンとポエムで狂乱の際まで追い込み感動の極地まで持って行く唐ワールド...久保井さんの演出はその絡み合いもつれた世界の糸をほどく作業を丁寧にしてる気がします。嘗ての世代とは異なる若い役者には適格な指導演出ではなかろうか。

この「受付」を企画した石渡紫晶さんにも拍手です。いくつになっても、やりたいものをやらねばと実行に移す心意気と志、これを持ち続けてる人は幸せであると同時に、生きてる人間としてキラキラもんですばい!

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相思相愛