トムプロジェクト

2021/09/29
【第1534回】

自民党総裁が先程決まった...結論から言えば、誰がなっても国のシステムは変わらないだろう。だって、相変わらずキングメーカーが院政を敷き総理は操り人形の役割しかできないから...先日、例の「桜を見る会」の収支に関して告発する団体が質問書を各候補に送ったところ、岸田、高市氏は無回答、野田氏は解明すべきとの回答、驚いたのは質問書さえも受け取り拒否した河野氏。自民党員のなかでは一番人気があった人なのだが、こんな人がトップになったら大変なことになっちまうんじゃないかしら...自分が気に入らないものは排除の思想、この一点でアウトの気がするのだが。今回の4人の論争も、今一番必要なコロナに対する反省、そしてこれからの対策なんぞはあまり聞かれなかった。要するにメディアを通じて面白おかしく権力闘争を演じていただけの気がする。おいらはもともと政治には何も期待していないのだが、なんど同じことを延々と繰り返しているのだろう。この国の多くの人は大きな変化を求めず、石橋を何度もたたいて確かめながら歩を進めるタイプなのでしょう。それがこの国のスタイルなら仕方がないにしても、不正、不平等などは許しちゃならんでしょうと言いたい。

11月は選挙だ、少しでもこの国を良くしたいならば投票にいって自分の気持ちを託すしかない。半分近くの人が投票しない現状を見るにつけ、政治に対し無関心、諦めに似た心境なのではなかろうか...信頼できる政治家どこにいる?それも重々承知いたしております。でも、いずれ自分の首を絞める結果になるんですから、先ずは一票入れてみませんか。

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キュウリの花
~花言葉「洒落」~

2021/09/27
【第1533回】

9月25日(土曜日)東憲司作・演出「にんげん日記」の稽古が始まりました。俳優座養成所15期で学んだ小野武彦、高橋長英、村井國夫の御三方に、賀来千香子さん大出忍さんという豪華なメンバー、本読みから抱腹絶倒、役者として友として60年近く過ごした歳月そのものがもはやドラマそのものである。表情といい声の渋みといい、噛めば噛むほど味がする絶品スルメみたいなもので貴重な現場になりそうだ。この三人に相対する賀来千香子さん、美しく優しさに満ち溢れているのですが芯は強い女優さんだと思いました。大手忍さんは劇団桟敷童子で花開いた可愛く愛しい若手の女優さんです。稽古場の雰囲気は芝居創りの上で一番大切な要素です。俳優同士のコミュニケーションの良し悪しが芝居の出来に即繋がるのでございます。役者さんは実に繊細な方々が多く、一旦ヘソを曲げちゃいますとなかなか修復不可能で、チームワークが一挙に崩れてしまいます。一見、仲良く見えても役者はいったん舞台に上がれば真剣勝負、喰うか喰われるか、その丁々発止のやり取りこそが観客の見所なんでございますよ。

それにしても、もうすぐ80歳に手が届くという三人、いや元気ですね。やはり人間好きなことをやっていれば年は関係ないってことですな。嫌なことだらだらいつまでもやってると身も心もボロボロになっちゃいますぞ...何度も言いますけど、一度きりの人生やりたいことを徹底的にやるしかないですな。

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9月26日の空

2021/09/24
【第1532回】

久しぶりに飯田橋ギンレイホールに行ってきました...やはり映画は映画館で観るものですね。昨日観たのは山田洋次監督の「キネマの神様」、この名画座に最もふさわしい作品でした。映画をこよなく愛する人達の話で題材(原作は原田マハさんの小説)としては良いのだがキャスティングが違っている気がしてならない。ハマっているのは北川景子、永野芽郁、野田洋次郎くらいかな。おいらにキャスティング任せてくれるならドンピシャの役者さんがいたのだが、ここは松竹そして御大山田洋次監督ですから当然口出しなんぞはできませんがな。でも映画って、スクリーンを前にしてキャスティングもさることながらいろんな空想、妄想も含めての楽しみ方があって楽しいですね。これは暗闇の中でこそできることであって、我が家ではいつもの日常がすぐそこにあり想像の羽根を伸ばすまでにはいたりません。今回の映画を観ながらピーンときたのは、あの名作「ニュー・シネマ・パラダイス」、映画を愛する人たちがテンコ盛りの作品、日本だって映画の全盛期には映画に命を懸けた活動屋がごまんといたのでございます。カメラ、照明、衣装、小道具などなど職人風情のスタッフそれぞれが映画愛に満ち溢れていました。最近の日本映画がつまらないのは、こういった人たちが少なくなり現場の雰囲気もドライになったからではなかろうか...何事も溢れんばかりの愛がなくちゃいいものは出来るはずがないし、単なる現世の消耗品に終わってしまうのではないかしら。

なんだか、また夏が戻ってきた感じがしますが、でも確かに風の匂いが秋を感じます。春、秋の感覚が希薄になった今日この頃、秋という季節感が懐かしくもあり尊い気がしてなりません。

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名画座の灯消さないで

2021/09/21
【第1531回】

青年劇場公演「ファクトチェック」観劇...現役一線のジャーナリストと現政府との丁々発止のやり取りをリアルに描いた中津留章仁作・演出の芝居、面白く観劇した。トラッシュマスターズという集団を率いて硬派な芝居を創り続けている劇作家なのだがエンタメ風に仕上げていくのが彼の持ち味かもしれない。青年劇場に書き下ろしたのが今回で4本目、長い歴史を持つこの劇団との相性の良さを感じる。何故かというと登場人物の多さ、劇団には20歳前後から80歳まで幅広い役者さんが在籍している。作者はそれだけ役の設定に多様性を持たせることが出来、描く世界を立体的に組み立てることが出来る。この劇団の役者さんスタンドプレイもなく等身大の人物を自然に演じているので安心して舞台に集中できるって訳だ。これも中津留演出の徹底したリアル追求の成果だと思う。

劇作家にも得手不得手があるのは当然のことだが、自分の描く世界とマッチした集団、俳優、スタッフと出会い、クオリティーの高い作品を創るための果てしない旅なのかも知れない。芝居に限らず、人生なんて誰と出会うかが全てかも...その誰かも所詮、己が選択しているのだから、つまるところ自分自身の感性、行動力、そして日頃の研鑽以外の何物でもない。振り返ってみれば、おいらも日本のみならず世界のあっちゃこっちゃの人達と多くの出会いを重ねてきた。数が多ければいいって訳でも無いのだが、やはり数が多ければより良き出会いのチャンスもそれだけ増えるってことだ。要するに人の好き嫌いは出来るだけ無くし、なんでんかんでん、取り敢えずどんな人にも興味を持ちじっくり観察し味会うことだ。こんな生き方してりゃ、結構楽しく、人生満更でもございませんことよ。

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中秋の名月 前夜

2021/09/17
【第1530回】

第164回直木賞受賞作、西條奈加作「心淋しき川」読了...掃きだめのような場所で、普通の人が、当たり前の感覚でひっそりと生活している様子を、時折揺れる感情で人間関係を描いているところが、しみじみとさせてくれる。山本周五郎を彷彿とさせ、映画で言うならば小栗康平監督の傑作「泥の河」といったところか、寄席に行くとこの手の話はよく出てきますな。貧乏長屋の市井の人たちの人情噺に思わず泣かされほっこりしてしまう。すべてが利に走り情が希薄になった昨今、こんな世界に惹かれ丹念に描いてみようとするその志が素敵だな...こんな小説を読んでいると、思わず終戦間もない頃、貧しくとも激情が飛び交った博多の長屋の生活を想い出す。この小説には塵芥にまみれたどんよりした一本の川が流れているのだが、おいらの住んでた長屋は天候に左右される泥道が一本、100メートルの長さ貫いておりました。昔は川、道が住民にとっての命のライフラインだったんですね...

久しぶりに新宿中央公園に行ってきました。いやいや立派に整備されどんな人でも憩えるお洒落な広場になってましたね。そりゃそうだ、都庁のそばで汚いところは見せられないもんね。昔なんぞはホームレスの人たちの住居であり、不埒な覗きがゴロゴロしており安心してデートできる公園ではありませんでした。

こんな新宿中央公園の光景を見るにつけ、改めてこの国は平和だなと思いつつも、平和ボケして思考停止にならんようにとネジをしっかりと巻いたひとときでもありました。

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新宿中央公園

2021/09/15
【第1529回】

自民党の権力闘争が日増しに顕著になっている。所詮、サル山のボス争いなのだが、長年牛耳ってきた年寄りザルと少々若いサルとの戦いの構図になってきた。そう言えば国民に人気がある河野さんはサル顔だね、この人以前は脱原発なんて張り切っていたのだがトーンダウン。まあ、総裁にならなきゃ政策も実現できないので当選するための作戦だとは思いたいのだが、そうは問屋が卸さないのが魑魅魍魎の政治の世界でございます。舌の根が乾かないうちにペロッと真逆の方向転換なんていうのは当たり前のこと。それにしてもTVはことごとく総裁選一色、まだ決まってもいないのに人事を予想したり、ホントにTVの世界は面白おかしく構成し視聴率さえとれれば万歳三唱、この軽佻浮薄の電気紙芝居のおかげで、この国のものの見方、考え方のレベルをどれほど下げまくったことか...片や、野党にしてもなんだか自民党総裁選祭りの騒ぎに目を奪われパッとしませんな。ガースーさんだと勝機も芽生えたのだが、とんだ展開になったもんだと困り果ててる現状です。

総裁選に目を奪われているうちに、コロナちゃんもチャンスとばかりにまたまた次の波に乗っかって押し寄せてきますがな。新宿の西口広場では連日ワクチンのもたらす弊害を訴える集団がマイクを手にして叫んでおりました。いやいや、何がほんとで何が嘘なのか、やっぱりいつものことでございます、自分の身は自分で守るしかありませんな皆の衆。

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ナスの花
花言葉(つつましい幸福)

2021/09/13
【第1528回】

風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」昨日、無事千秋楽を迎えることが出来ました。緊急事態宣言が発令されるなか、多くの人達が駆けつけてくれました。ほんとに感謝です。10日間、コロナの恐怖で閉じていたもやもやが一気に解放され笑いに転じる様を見るにつけ、この芝居を上演する意義を改めて感じた次第です。もしや関係者の中からコロナ感染者が出やしないかとヒヤヒヤドキドキの日々でもございました。こうやって無事何事もなく終えることが出来たのも、この芝居に関わった人達の思いがひとつになったのでは...この芝居の中でも、心の連帯の大切さを訴えるシーンがあります。心という文字は、まさしく変幻自在どうにもまとまりそうもなくあちこちに散らばっています。この心に楔を入れると必ずという文字になります。この危機的状況を乗り越えるには有効な楔(連帯、絆)が不可欠だと思います。

終演後の池袋東京芸術劇場前の広場では、おおくの人達がソーシャルディスタンスを遵守しながらそれぞれの時間を楽しんでいました。広場真ん中に位置する噴水に戯れる子供は、今先程、全ステージを終えた風間杜夫の幼き日を彷彿とさせる姿でした。まさしくひとり芝居、ひとり遊び、与えられた環境で誰の眼を気にすることもなく全身で楽しむ、あの日あの時間は誰しもが持っているはずです。邪心なき遊び心、いくつになってもなくしてはならない必需心でございます。

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ひとり芝居&遊び

2021/09/10
【第1527回】

今日は久しぶりの青空を見ることが出来ました。青空と笑顔は気分を変えてくれますね...「帰ってきたカラオケマン」もいよいよ今日を入れて残すところ3ステージとなりました。おいらも連日観劇しているのですが、お客様の笑い声を聞いていると何だか救われる気がします。コロナ禍の中で、人は思い切り笑える場を欲していたのかも知れませんね。今回の主人公である牛山明の人生そのもので、我々の実人生を垣間見ることが出来、身につまされるのではなかろうか...風間杜夫の天性の役者振りで思わず笑っちゃうシーンの連続。そしてラストは、この芝居のテーマである歌へと帰結していくドラマツルギーは普遍的ではあるがよくできていると思う。

ラストに流れる、この10年の主たる出来事のスライドも主人公の歌と共鳴し、私たちの歩んできた10年をしみじみと振り返させてくれる。このスライドの最後の2枚はおいらが決めさせていただいた。先ずは、今まさに振出しに戻ったアフガニスタンの地に立つ中村哲氏の写真、最後は野球発祥の地で驚異的な活躍をしている大谷翔平選手のバッティング姿。世代、地域、時代を越え、この二人の、活動、活躍はこれからの世界への希望を暗示させるに違いない。

それにしても、この緊急事態宣言にも関わらず多くの人達が劇場に足を運んで頂いてること自体が、この国の未来に、くたばってたまるか!とエールを送ってくれてる気がしてほんまに嬉しゅうございます。

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ルリマツリ

花言葉「ひそかな情熱」

2021/09/08
【第1526回】

現在公演中の芝居、順調に快調に飛ばしています...府中を入れて5ステージ終わったところです。72歳を感じさせない杜夫ちゃんも、さすがに疲れているのではと思うのですが舞台に上がれば水を得た魚のごとく飛び跳ねています。昨日芝居を観たO氏から速達の葉書が劇場に届いていました。

 拝啓

「帰ってきたカラオケマン」が上演されるまでにどれ程の打ち合わせと稽古が重ねられたのか、厚いその繰り返しが舞台の上の風間杜夫を包み込んでひとり芝居が出来上がっているんだと熱情たちが伝わってくるひとときでした。なんだか芝居の席にいるのではなく、話を作り上げる集団の中に巻き込まれているような錯覚を起こしました。舞台の上で語りかける台詞が、まるでこの芝居にかかわった人それぞれに発せられている言葉のように聞こえる。そんな不思議な空間でした。長い間演劇を観てきましたが、こんな連帯感に満ちた空気の中で観劇する気分を味わったのは初めてです。昨今の事情の中敢えて公演に踏み切ったこの作品の生命を肌で感じたからだと思います。相変わらず飄々とそれでいて芯は通った主演者の存在そのものが芝居を上演することの意義を自ら体現している素晴らしいとしか言いようのない時間、空間を構成していました。それにしても歌の持つ力の凄いこと!観る者をあっという間に、その時、その場につれて行くのですから。郷ひろみ「よろしく哀愁」をこんなにも意味を持って聞いたのは今日が初めてです。今カラオケで歌いたくて仕方ありません。                                 敬具

 


ひとりひとり己の生き方を通して芝居を観劇されてることが伝わってきます。芝居には、まだまだ無限の可能性を感じます。生身の人間が手作りで創って、生身の人間が観る。この情報過多でものの本質が視えなくなっている今こそ、このシンプルさが貴重でございます。

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今日の空

2021/09/06
【第1525回】

4日にスタートした「帰ってきたカラオケマン」も今日で3日目。昨日までパラリンピックの関係で、都の管轄である東京芸術劇場は入り口で荷物検査、体温、消毒と厳しい警戒態勢が敷かれていました。お巡りさんも駅の要所に随分と見かけものものしい期間でした。オリンピック、パラリンピックも無事最後までやり終え関係者はホッとしているのでは...昨日の視覚障害女子マラソンで金メダルを獲得した道下選手の笑顔がとっても素敵でした。改めて笑顔が持つ魅力を感じさせてくれました。笑顔があればどんな些細な苦難も乗り越え、その先にはハッピーな出来事が待ってそうな気がします。誰だって苦渋に満ちた顔なんぞみたくありませんよね...笑顔はどんな薬もかなわない一番の特効薬でございます。

それにしても、パラリンピック閉会式に出席していた首相、なんだか可哀想に思っちゃいました。隣にいた都知事のおばさんとも口を聞いてもらえずポツン座っている姿は政治の世界の非情さを見せつけられた思いです。都知事のおばさんは衣装も替え、次期パラリンピック開催地であるパリ市長に堂々とバトンタッチしておりました。パリ市長の衣装が地味だっただけに、やっぱりこの人、自分を際立たせる演技力は大したもんでございます。

方やコロナ、権力争いどころじゃございませんよと言いたい。演劇関係者も日々緊張の日々、飲食店もほぼ休業、街に活気がないのも当然です。実際、今上演中の芝居も8月21日から会場の50%に達しているところはチケット販売中止と言うことで被害甚大、そして観たいお客さんに断っている有様で、涙ちょちょぎれますわ...

でも、昨日のカーテンコールで風間さん言っておりました「大変なこの時期に足を運んで頂き本当にありがとうございました。そして、こうやって舞台に立てることとても嬉しいです...」そうですね、舞台をやれることに感謝です。

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池袋東京芸術劇場前広場

2021/09/03
【第1524回】

昨日、府中の森芸術劇場にて風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」スタートしました。雨の中、沢山のお客様に来て頂きました。観客を前にしての初めての芝居はどんなベテラン俳優でも緊張するものでございます。この日も出番の前、袖で手の中に指で人という文字を書き込み口に当てぐっと飲み込んで舞台に上がったことでしょう...舞台に上がれば千両役者、お客の反応を素早くものにし、あっという間の一時間半でした。最初と最後にお客さんからの掛け声もあり見事な初日でございました。

そして久しぶりの府中、大きな街に変貌してました。わざわざ新宿まで行かなくても、普段の生活には十分過ぎる賑やかな店舗の数々、改めて東京という都市の大きさを感じた次第です。府中の発展には府中競馬場が大いに貢献していることは間違いないと思います。財政が苦しい地域がカジノを誘致するのもよく分かります。おいらも若い頃、府中競馬場でバイトをした経験があります。当時のレースの判定はビデオではなく写真で行なっていて、コーナーの四隅の高台に建てられたところで撮った写真を手渡しで回収車に渡す仕事です。春うららの陽気についついグースカピーの鼻提灯で寝てしまい写真を渡し損ねクビになった苦い思い出があります。暇な時間には馬券も買って適当に遊んでました。それにしても馬場を疾走する名馬を眺めながら、人生も勝負する時にはしなきゃいけないのかなとふと思っちゃいました...

明日からは「帰ってきたカラオケマン」東京芸術劇場でスタートします。まだまだ油断できないコロナ、12日の千秋楽まで無事に終えることを祈念!

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府中の森芸術劇場の近くにて

2021/09/01
【第1523回】

今日から9月1日、今年も残すところ四か月となりました。最後までコロナで悩まされる年になりそうですが何とか乗り切りたいものです。

星野道夫さんの「旅をする木」読了。アラスカに住み1996年にロシアカムチャッカ半島に設営していたテントでヒグマに襲われ43歳で死亡。子供のころから見知らぬ土地に憧れ念願のアラスカに住み、アラスカの自然を写真、文章で紹介してくれた旅人でした。彼の時間に対する思考がとても素敵でした。自分が今過ごしているその時に、過去に出会った人がどうしているのだろうか?まだ見ぬ土地の人達は何を考えているだろうか?彼の時間軸が世界と共振していく想像力がとても壮大でありロマンティックでした。

おいらも30歳になったとき、己がどれほどのものか?とまずはスペイン一人旅を始めました。確かにいろんな国に行くと想像を絶することばかりでした。他国の文化、生活、思考、本で知識として理解していてもホンマモンを目のあたりにすると知識なんぞは何の役にもたちません。おいら今でも若い人達には旅を勧めます...生身でぶち当たってこその人生です。スマホでこちょこちょ器用に過ごしてる時間が実にもったいないのでございます。

評論家であることよりも実践者であれ!この世に生まれたからには、どんな小さなことでも良いから何か生み出さないといかんですばい。

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ひとはみな旅人