トムプロジェクト

2021/09/24
【第1532回】

久しぶりに飯田橋ギンレイホールに行ってきました...やはり映画は映画館で観るものですね。昨日観たのは山田洋次監督の「キネマの神様」、この名画座に最もふさわしい作品でした。映画をこよなく愛する人達の話で題材(原作は原田マハさんの小説)としては良いのだがキャスティングが違っている気がしてならない。ハマっているのは北川景子、永野芽郁、野田洋次郎くらいかな。おいらにキャスティング任せてくれるならドンピシャの役者さんがいたのだが、ここは松竹そして御大山田洋次監督ですから当然口出しなんぞはできませんがな。でも映画って、スクリーンを前にしてキャスティングもさることながらいろんな空想、妄想も含めての楽しみ方があって楽しいですね。これは暗闇の中でこそできることであって、我が家ではいつもの日常がすぐそこにあり想像の羽根を伸ばすまでにはいたりません。今回の映画を観ながらピーンときたのは、あの名作「ニュー・シネマ・パラダイス」、映画を愛する人たちがテンコ盛りの作品、日本だって映画の全盛期には映画に命を懸けた活動屋がごまんといたのでございます。カメラ、照明、衣装、小道具などなど職人風情のスタッフそれぞれが映画愛に満ち溢れていました。最近の日本映画がつまらないのは、こういった人たちが少なくなり現場の雰囲気もドライになったからではなかろうか...何事も溢れんばかりの愛がなくちゃいいものは出来るはずがないし、単なる現世の消耗品に終わってしまうのではないかしら。

なんだか、また夏が戻ってきた感じがしますが、でも確かに風の匂いが秋を感じます。春、秋の感覚が希薄になった今日この頃、秋という季節感が懐かしくもあり尊い気がしてなりません。

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名画座の灯消さないで

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