トムプロジェクト

2021/08/27
【第1521回】

昨日、風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」初めての通し稽古に行って来ました。

前回顔を出して以来の稽古場だったのだが、さすが杜夫ちゃん見事な1時間半でございました。あんなに沢山の歌に台詞、どうやったらあんなに上手く出来るんでしょうかね?いや、彼だからこその芸だとつくづく思い知らされた次第です。先ずは自分が楽しんで居る姿がすなわちお客に楽しんで貰うことだと言うことを把握してるんですね。でも、このわかりきったことも腕がなければ唯のマスターべーションに陥ってしまう現場を過去に何度も目撃してきました。この芸の回路を何の抵抗もなく違和感なく心地よく通過させていく者は生まれ持っての才能以外には考えられません。この世界ばかりは、いくら努力しても埒が明かないことが多々あります...おいらも長くこの世界に携わっているけれど残念ながら向いていないなと思う人も随分と居ました。でも、正直言ってやめろなんて簡単に口出しできないんですね。だって、好きなことはやめられないし、好きなことに夢中になれるなんてことは素晴らしいことですから...この混迷した時代に、熱中すること自体が冷ややかな視線に晒されてる現実があります。一度きりの人生なのに寂しい気がします。挫折しても結構です、無我夢中になった体験は必ずや人生に活かされることは間違いありません...

稽古場を後にして稽古場から両国駅まで歩いていたら九重部屋がありました。玄関前には今は亡き昭和最後の大横綱千代の富士の胸像がありました。現役時代はウルフの愛称で小兵ながら上手投げと速攻相撲でおいらも好きな関取でした。あの時代に比べて今の相撲界随分と変わったもんでございます。強いのはわかるのだが、土俵上の態度に品がないのがよろしくありません。時代のせいにするのは簡単だが、やはり品格、清々しさはどの世界も同じだと思いますがね。

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出を待つ千代の富士

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