トムプロジェクト

2021/07/06
【第1501回】

昨日、福岡県小郡市文化会館で「狸の里帰り」の千秋楽を無事に終えることが出来ました。5月21日東京で幕を開けたものの、コロナ禍のなかでの公演は艱難辛苦の連続でした。キャスト、スタッフの努力の賜物だと思っています。そして何よりも、この困難な状況下でありながら劇場に駆けつけてくれたお客様には感謝の気持ちで一杯です。昨日のカーテンコールで柴田理恵さんが言ってました。「俳優なんぞはお客様の前で芝居できなかったら何の存在もありません...こんな時にこそ来ていただいたお客様は一生忘れません。」カーテンコールに並んだ6人の俳優の表情は全ステージをやり終えた達成感と、事故もなく千秋楽を迎えることが出来た安堵感で満ち溢れていました。福岡出身の岡本麗さんの九州弁が笑いを誘っていました。芝居はまたスタッフの力なくしては成しえません。朝早く仕込み、芝居の間は転換、終わればバラシ、休むことなく舞台を支えてくれるスタッフの皆さんがあってこその舞台です。

2021年が始まりこの日まで不安を抱えながら4本の芝居を何とか上演できました。緊急事態宣言で無観客なら許可するなんて理不尽な達示で「Sing a Song」の東京公演はやむなく中止をしましたが、ここまで数多くの公演ができたことは奇跡に近いと思います。コロナで多くのことを学んだのも確かだし、演劇が世の中の大切なピースであることも確認できました。まだまだすべて道半ばですが、芝居を観たいという人がいる限り演劇が滅びることはないということを確信した半年でもありました。

1501.jpg

野に咲く花

<<次の記事 前の記事>>