トムプロジェクト

2021/12/17
【第1563回】

いくつになっても絵本は人生の伴侶だ...最近も堀川理万子さんの「海のアトリエ」を読んでほっこりいたしました。女の子が、海辺のアトリエに住む絵描きさんと過ごした一週間を絵本にしてあります。絵のタッチと言い、短い文章の中にとてつもない豊かな時空間が流れています。こんな時間を過ごした子供はきっと素敵な大人になっているだろうな...塾なんか行ってる現代の子供たちがかわいそうに思えちゃいます。ただ海を眺め、潮風に吹かれ、移りゆく時間に身をさらすだけでいいんです。なにもしなくてただいるだけでいいんだよと教えてくれる。

世界に名立たる絵本も数あれど、リアルタイムに描き続けている日本の絵本作家もなかなかのもんですよ。「みなまたの木」を画いた三枝三七子さんの最新作「さいごの朝ごはん」もいいですよ。日本社会の負の部分を優しい絵筆で描いています。難しい表現ではないので学校の教科書として是非採用して欲しいなと思っちゃいます。そろそろ日本の学びも一から出直さんとえらいことになっちゃいます。

「仁義なき戦い 菅原文太伝」松田美智子著も一気に読み終えました。よくまあこれだけ調べて書いたもんだと、そのエネルギーに感心しちゃいました。おいらも文太さんの映画ほとんど見てるんだけど、その裏話としては実に面白いというより、映画の世界、それもよりによってヤクザ映画とくりゃごちゃごちゃになりますがな。孤独と虚無を、躰全体で物語ることが出来る稀有なる俳優といえば文太さん。スクリーンを飛び出し、亡き中村哲さんを応援する文太さんも格好良かったな...

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焼き芋の季節

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